2024-390085
抗体コード配列をセーフハーバー遺伝子座に挿入するための方法および組成物
- 審判番号
- 2024-390085
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2021-558841外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 登録番号
- 7524214
- 請求日
- 2024年08月06日
- 審決日
- 2024年10月08日
- 公報発行日
- 2025年02月28日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】リジェネロン・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド
- 【請求人代理人】山本 秀策
- 【請求人代理人】森下 夏樹
- 分類
- P141 .853-Y (C12N)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 10項目
第1 手続の経緯
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本件訂正審判に係る特許第7524214号についての出願は、令和2年4月2日(パリ条約による優先権主張 2019年4月3日 (US)アメリカ合衆国、2019年8月16日 (US)アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願(特願2021-558841号)であって、その請求項1~42に係る発明について、令和6年7月19日に特許権の設定登録がされ、その後、令和6年8月6日に本件の訂正審判が請求されたものである。
第2 請求の趣旨及び訂正の内容
1 請求の趣旨
本件請求の趣旨は、特許第7524214号の特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~2及び4~42について訂正することを認める、その審決を求めるものである。
2 訂正の内容
請求人が求めている訂正の内容は、以下のとおりである(訂正箇所は下線部である。)。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1の記載中、
「前記抗体が前記疾患に関連する抗原を標的とする」を
「前記抗体が疾患に関連する抗原を標的とする」
に訂正する。
(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項16の記載中、
「前記抗体が前記疾患に関連する抗原を標的とする」を
「前記抗体が疾患に関連する抗原を標的とする」
に訂正する。
(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項17の記載中、
「各々の側で前記ヌクレアーゼ剤の前記標的部位に隣接する」を
「各々の側でヌクレアーゼ剤の標的部位に隣接する」
に訂正する。
(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項21の記載中、
「前記外因性ドナー核酸がアデノ随伴ウイルス-8(AAV8)またはAAV2/8中にあり」を
「前記外因性ドナー核酸がアデノ随伴ウイルス-8(AAV8)ベクターまたはAAV2/8ベクター中にあり」
に訂正する。
(5)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項22の記載中、
「前記抗体が前記疾患に関連する抗原を標的とする」を
「前記抗体が疾患に関連する抗原を標的とする」
に訂正する。
(6)訂正事項6
特許請求の範囲の請求項36の記載中、
「前記抗体が前記疾患に関連する抗原を標的とする」を
「前記抗体が疾患に関連する抗原を標的とする」
に訂正する。
第3 当審の判断
1 一群の請求項について
訂正前の請求項2、4~15は、訂正前の請求項1を直接又は間接的に引用する関係にあり、本件審判の訂正事項1によって、訂正される前の請求項1に連動して、訂正前の請求項2、4~15も訂正されるから、訂正前の請求項1~2及び4~15は一群の請求項に該当する。
訂正前の請求項17~21は、訂正前の請求項16を直接又は間接的に引用する関係にあり、本件審判の訂正事項2によって、訂正される前の請求項16に連動して、訂正前の請求項17~21も訂正されるから、訂正前の請求項16~21は一群の請求項に該当する。
訂正前の請求項23~35は、訂正前の請求項22を直接又は間接的に引用する関係にあり、本件審判の訂正事項5によって、訂正される前の請求項22に連動して、訂正前の請求項23~35も訂正されるから、訂正前の請求項22~35は一群の請求項に該当する。
訂正前の請求項37~42は、訂正前の請求項36を直接又は間接的に引用する関係にあり、本件審判の訂正事項6によって、訂正される前の請求項36に連動して、訂正前の請求項37~42も訂正されるから、訂正前の請求項36~42は一群の請求項に該当する。
よって、本件訂正は、「一群の請求項」である請求項1~2及び4~15、請求項16~21、請求項22~35、並びに請求項36~42に対してなされたものである。
2 訂正事項1~2、5~6について
(1)訂正の目的について
訂正事項1~2、5~6に係る訂正は、独立請求項である請求項1、16、22及び36に記載された「前記抗体が前記疾患に関連する抗原を標的とする」との記載中、初出の用語である「疾患」の直前にある「前記」を削除するものであり、それ自体記載内容が明らかでない記載を正すものである。
したがって、訂正事項1~2、5~6は明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものである。
(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
願書に添付した明細書の段落0004には「抗原結合タンパク質は対象で発現し、疾患に関連する抗原を標的とする」ことが記載され、段落0012には「抗原結合タンパク質が、抗体、……である」ことが記載されている。そうすると、抗原結合タンパク質の一種である抗体が疾患に関連する抗原を標的とすることは願書に添付した明細書に記載されたものであり、「前記抗体が疾患に関連する抗原を標的とする」という事項は、願書に添付した明細書に記載されているといえる。
したがって、訂正事項1~2、5~6は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであることは明らかであるから、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
上記(1)で述べたとおり、訂正事項1~2、5~6は、それ自体記載内容が明らかではない記載を正すものであり、また、訂正前後で「疾患」の意味が変わるものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
3 訂正事項3について
(1)訂正の目的について
訂正事項3に係る訂正は、独立請求項である請求項16を引用する請求項17に記載された「各々の側で前記ヌクレアーゼ剤の前記標的部位に隣接する」との記載中、初出の用語である「ヌクレアーゼ剤」及び「標的部位」の、それぞれ直前にある「前記」を削除するものであり、それ自体記載内容が明らかではない記載を正すものである。
したがって、訂正事項3は明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものである。
(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
願書に添付した明細書の段落0011には「外因性ドナー核酸中の抗原結合タンパク質をコードする配列が、各々の側でヌクレアーゼ剤の標的部位に隣接し、ヌクレアーゼ剤が、抗原結合タンパク質をコードする配列に隣接する標的部位を切断する」ことが、段落0012には「抗原結合タンパク質が、抗体、……である」ことがそれぞれ記載されており、外因性ドナー核酸において、抗原結合タンパク質の一種である抗体をコードする配列が「各々の側でヌクレアーゼ剤の標的部位に隣接する」という事項は、願書に添付した明細書に記載されているから、訂正事項3は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであることは明らかであり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
上記(1)で述べたとおり、訂正事項3は、それ自体記載内容が明らかではない記載を正すものであり、また、訂正前後で「ヌクレアーゼ剤」及び「標的部位」の意味が変わるものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
4 訂正事項4について
(1)訂正の目的について
訂正事項4に係る訂正は、特許請求の範囲の請求項21に記載された「前記外因性ドナー核酸がアデノ随伴ウイルス-8(AAV8)またはAAV2/8中にあり、」を、「前記外因性ドナー核酸がアデノ随伴ウイルス-8(AAV8)ベクターまたはAAV2/8ベクター中にあり、」と訂正するものであり、「外因性ドナー核酸」の所在について、「アデノ随伴ウイルス-8(AAV8)またはAAV2/8中にあ」るとの特定を「アデノ随伴ウイルス-8(AAV8)ベクターまたはAAV2/8ベクター中にあ」るとの特定に訂正するものである。
ここで、訂正前の記載は、訂正後の記載と同様に、外因性ドナー核酸が含まれるベクターの種類を特定していると解釈可能できる一方で、外因性ドナー核酸が、アデノ随伴ウイルス-8(AAV8)又はAAV2/8のウイルスゲノムに元々含まれていること、すなわち、AAV8又はAAV2/8由来の核酸であることを特定しようとしていると解釈することも可能なものといえ、複数の解釈の余地があり得ることから、訂正前の請求項21の記載は技術的にみて不明瞭と解されるものであった。そうすると、訂正事項4に係る訂正は、多義的であるために不明瞭となっている記載を正すものである。
したがって、訂正事項4は明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものである。
(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
願書に添付した明細書の段落0020には「……ヌクレアーゼ剤および外因性ドナー核酸は、脂質ナノ粒子媒介送達によって、またはアデノ随伴ウイルス(AAV)媒介送達によって導入される。……任意選択で、ヌクレアーゼ剤および外因性ドナー核酸は、複数の異なるAAVベクターによって(例えば、2つの異なるAAVベクターによって)導入される。任意選択で、AAVはAAV8またはAAV2/8である。」と記載されており、外因性ドナー核酸のアデノ随伴ウイルス(AAV)媒介送達時にAAVベクターが使用されること、AAVとしてAAV8やAAV2/8があることが理解でき、「アデノ随伴ウイルス-8(AAV8)ベクター」及び「AAV2/8ベクター」は願書に添付した明細書に記載されたものといえる。
したがって、訂正事項4は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであることは明らかであるから、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
上記(1)で述べたとおり、訂正事項4は、多義的であるために不明瞭になっている記載を正すものであり、かつ、上記(2)で述べたとおり、願書に添付した明細書に記載された意味であることを明らかにするものである。
そして、上記(1)で述べた他の解釈の可能性については、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面には、外因性ドナー核酸が、アデノ随伴ウイルス-8(AAV8)又はAAV2/8のウイルスゲノムに元々含まれている、AAV8又はAAV2/8由来の核酸であるといった内容が読み取れる記載は見当たらないから、訂正前請求項21の一見多義的にみえる記載の正しい意味が不明であるということもなく、訂正後の意味で理解すべきことが明らかである。
したがって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
第4 むすび
以上のとおりであるから、本件審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項及び第6項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
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