特許訂正審判
2025-390007
VLドメインを含む結合タンパク質を作製するマウス
- 審判番号
- 2025-390007
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2020-023076
- 登録番号
- 7110257
- 請求日
- 2024年12月26日
- 審決日
- 2025年03月04日
- 公報発行日
- 2025年06月27日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】リジェネロン・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド
- 【請求人代理人】山本 秀策
- 【請求人代理人】森下 夏樹
- 審判長/審判官
- 審判長 長井 啓子
- 審判官 小暮 道明
- 審判官 名和 大輔
- 分類
- P141 .852-Y (A01K)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条、特許法第44条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7110257号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第7110257号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項22について訂正することを認める。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7110257号は、平成23年8月2日を国際出願日(パリ条約による優先権主張 2010年8月2日(US)米国)を国際出願日とする特願2013-523258号の一部を、特許法44条1項の規定により新たな特許出願とした特願2016-9916号の一部を、同規定により新たな特許出願とした特願2018-123号の一部を、同規定により新たな特許出願とした特願2018-212094号の一部を、さらに同規定により令和2年2月14日に新たな特許出願としたものであって、その請求項1~24に係る発明について令和4年7月22日に特許権の設定登録がされたものであり、その後、令和6年12月26日に本件の訂正審判が請求されたものである。
第2 請求の趣旨および訂正の内容
1 訂正の趣旨
本件審判の請求の趣旨は、特許第7110257号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項22について訂正することを認める、との審決を求めるものである。
2 訂正の内容
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項22において、
「前記第1のCHドメインおよび前記第2のCHドメインが同じアイソタイプであるが、前記第1のCHドメインまたは前記第2のCHドメインのうちの一方が」
との記載を
「前記第1のヒトCHアイソタイプおよび前記第2のヒトCHアイソタイプが同じアイソタイプであるが、前記第1のヒトCHアイソタイプまたは前記第2のヒトCHアイソタイプのうちの一方が」
と訂正する。
第3 当審の判断
1 訂正事項1について
(1)訂正の目的
訂正事項1は、請求項22についての訂正であって、上記第2の2(1)で示したとおりのものである。
そして、請求項22は請求項20を引用し、また、請求項20は請求項19を引用するものであるところ、請求項20及び22は、いずれも請求項19に係る発明の「抗原結合タンパク質を作製する方法」をさらに特定するものである。
ここで、訂正事項1は、次のa及びbに係る訂正(以下、「訂正事項a」などという。)からなるものなので、順に検討する。
a 2か所ある「前記第1のCHドメイン」を、いずれも「前記第1のヒトCHアイソタイプ」とする訂正
b 2か所ある「前記第2のCHドメイン」を、いずれも「前記第2のヒトCHアイソタイプ」とする訂正
まず、訂正事項aについて検討する。本件訂正前の請求項22における「前記第1のCHドメイン」との記載の前に、同項中に「第1のCHドメイン」又はそれに類する文言はないところ、請求項22が引用する請求項20がさらに引用する請求項19には、「第1のヒトCHアイソタイプ」との文言がある。そうすると、本件訂正前の請求項22は、本来であれば「前記第1のヒトCHアイソタイプ」と記載されるべきところを、「前記第1のCHドメイン」という誤った記載がなされていることは明らかである。
次に、訂正事項bについて検討する。本件訂正前の請求項22における「前記第2のCHドメイン」との記載の前に、同項中に「前記第2のCHドメイン」又はそれに類する文言はないところ、請求項22が引用する請求項20には、「第2のヒトCHアイソタイプ」との文言がある。そうすると、本件訂正前の請求項22は、本来であれば「前記第2のヒトCHアイソタイプ」と記載されるべきところを、「前記第2のCHドメイン」という誤った記載がなされていることは明らかである。
そして、訂正事項a及びbについて、上記のように解することを妨げる記載や、矛盾する記載は、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「本件特許明細書等」という。)には存在しない。
したがって、訂正事項a及びbからなる訂正事項1に係る訂正は、本来その意であることが本件特許明細書等の記載から明らかな内容に正すものといえるから、特許法126条1項ただし書き2号に規定する、誤記又は誤訳の訂正を目的とするものである。
(2)本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記(1)で検討したとおり、本件特許明細書等の記載から、本件訂正前の請求項22の「前記第1のCHドメイン」及び「前記第2のCHドメイン」が、それぞれ、「前記第1のヒトCHアイソタイプ」及び「前記第2のヒトCHアイソタイプ」であることは明らかであって、本件訂正前後でその意味する範囲は変わらないから、訂正事項1に係る訂正は、本件特許明細書等に記載した事項の全てを総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。
よって、訂正事項1に係る訂正は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり、特許法126条5項の規定に適合する。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記(2)で検討したとおり、訂正事項1に係る訂正の前後でその意味する範囲は変わらないから、訂正事項1に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法126条6項の規定に適合する。
(4)独立して特許を受けることができるものであること
上記(1)で検討したとおり、訂正事項1に係る訂正は、特許法126条1項ただし書2号に規定する、誤記又は誤訳の訂正を目的とするものであるから、本件訂正後の請求項22に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものでなければならない。
そこで検討すると、本件訂正前の請求項22に係る発明は、特許を受けることができない理由を発見しないとして特許を受けることができたものと認められるところ、本件訂正後の請求項22に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由が新たに発見される事情はないから、訂正事項1に係る訂正は特許法126条7項に適合する。
第4 むすび
以上からみて、本件審判請求における特許請求の範囲に係る訂正は、特許法126条1項ただし書2号に規定する事項を目的とし、かつ、同条5項~7項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
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