特許訂正審判
2024-390130
Fel d1に対するヒト抗体およびその使用方法
- 審判番号
- 2024-390130
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2017-116808
- 登録番号
- 6603269
- 請求日
- 2024年11月05日
- 審決日
- 2025年02月19日
- 公報発行日
- 2025年06月27日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】リジェネロン・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド
- 【請求人代理人】山本 秀策
- 【請求人代理人】森下 夏樹
- 審判長/審判官
- 審判長 加々美 一恵
- 審判官 荒木 英則
- 審判官 柴原 直司
- 分類
- P141 .852-Y (C12N)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第36条の2第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第6603269号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第6603269号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔2~5、7~15〕について訂正することを認める。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本件特許第6603269号は、平成25年5月2日(パリ条約による優先権主張 2012年5月3日、2012年10月24日、及び2013年3月14日 いずれも(US)アメリカ合衆国)を国際出願日とする外国語特許出願である特願2015-510445号の一部を、平成29年6月14日に新たな特許出願とした外国語書面出願である特願2017-116808号の請求項1~15に係る発明について、令和1年10月18日に特許権の設定登録がされたものである。
そして、令和6年11月5日に本件の訂正審判が請求され、同年11月27日付けで手続補正指令書(方式)が通知され、令和7年1月6日に手続補正書(方式)が提出されたものである。
第2 請求の趣旨及び訂正の内容
1 請求の趣旨
本件請求の趣旨は、特許第6603269号の特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項2~5及び7~15について訂正することを認める、との審決を求めるものである。
2 訂正の内容
請求人が求めている訂正の内容は、以下のとおりである(訂正箇所は下線部である。)。
[訂正事項1]
特許請求の範囲の請求項2に記載される
「単離されたモノクローナル抗体」を
「単離されたヒトモノクローナル抗体」
に訂正する。
第3 当審の判断
1 一群の請求項について
訂正前の請求項3~5、7~15は、訂正前の請求項2を直接又は間接的に引用する関係にあり、本件審判の訂正事項1によって、訂正される前の請求項2に連動して、訂正前の請求項3~5、7~15も訂正されるから、訂正前の請求項2~5、7~15は一群の請求項に該当する。
よって、本件訂正は、「一群の請求項」である請求項2~5、7~15に対してなされたものである。
2 訂正事項1について
(1)訂正の目的について
訂正前の請求項2は訂正前の請求項1を引用する関係にあるところ、訂正前の請求項1が「単離されたヒトモノクローナル抗体またはその抗原結合性断片」である一方、訂正前の請求項2は「単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合性断片」であって、請求項1とは異なる記載となっているから、訂正事項1は誤記の訂正を目的とするものであり、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる「誤記又は誤訳の訂正」を目的とするものである。
(2)外国語書面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
上記第1のとおり、本件特許に係る出願は外国語書面出願(特許法第36条の2第1項の規定による特許出願)であるから、誤記の訂正を目的とする訂正事項1に係る訂正は、外国語書面に記載した事項の範囲内においてするものでなければならない。
ここで、上記(1)で述べたとおり、訂正事項1に係る訂正は、訂正前の請求項2の記載を同項の引用元である請求項1の記載に対応するものへと訂正するものであり、また、外国語書面明細書の段落0114には、
「特定の実施形態では、例えば以下が提供される:
(項目1)
IgAアイソタイプ以外のアイソタイプである、Fel d1に特異的に結合する単離されたヒトモノクローナル抗体またはその抗原結合性断片。
(項目2)
IgG1、IgG2およびIgG4からなる群より選択されるアイソタイプを有する、項目1に記載の単離されたヒトモノクローナル抗体またはその抗原結合性断片。」
との記載があり(上記記載は、翻訳文明細書中の対応する記載である段落0115のものである。)、訂正事項1は上記「項目2」に記載された内容にあたる。
そうすると、「単離されたヒトモノクローナル抗体」という事項は、外国語書面の全ての記載を総合して導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではなく、外国語書面に記載した事項の範囲内においてするものである。
したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
上記(1)で述べたとおり、訂正事項1は誤記の訂正を目的とするものであり、また、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
(4)独立特許要件について
上記(1)で述べたとおり、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる「誤記又は誤訳の訂正」を目的とする訂正に該当するから、同条第7項に規定する、訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものでなければならないとの要件(いわゆる独立特許要件)を満たす必要があるところ、当該訂正後の請求項2~5及び7~15に係る発明について、見直すべき新たな事情は存在せず、当該訂正により同法第36条第4項第1号及び第6項(第4号を除く。)に規定する要件を満たさなくなるものでもない。
したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合するものである。
第4 むすび
以上のとおりであるから、本件審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項から第7項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
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