特許訂正審判
2025-390021
17β-水酸化ステロイド脱水素酵素13型(HSD17B13)iRNA組成物およびその使用方法
- 審判番号
- 2025-390021
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2020-550112
- 登録番号
- 7507093
- 請求日
- 2025年02月20日
- 審決日
- 2025年04月08日
- 公報発行日
- 2025年08月29日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】リジェネロン・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド
- 【請求人代理人】山本 秀策
- 【請求人代理人】森下 夏樹
- 審判長/審判官
- 審判長 加々美 一恵
- 審判官 小暮 道明
- 審判官 柴原 直司
- 分類
- P141 .852-Y (C12N)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7507093号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第7507093号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり訂正後の請求項〔6~15、17~39、および41~53〕について訂正することを認める。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本件訂正審判に係る特許第7507093号についての出願は、平成31年 3月20日(パリ条約による優先権主張 2018年 3月21日、2018年12月 5日、2018年11月21日 いずれも(US)アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願であって、その請求項1-54に係る発明について令和 6年 6月19日に特許権の設定登録がなされたものであり、その後、令和 7年 2月20日に本件の訂正審判が請求されたものである。
第2 請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第7507093号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項6~15、17~39、および41~53について訂正することを認める、との審決を求めるものである。
第3 訂正の内容
本件訂正審判に係る訂正の内容は以下のとおりである。
特許請求の範囲の請求項6に「2-O-(N-メチルアセトアミド)修飾ヌクレオチド」と記載されているのを、「2’-O-(N-メチルアセトアミド)修飾ヌクレオチド」に訂正する(以下、「訂正事項1」という。)。
第4 当審の判断
1 一群の請求項について
訂正事項1に係る訂正前の請求項7~15、17~39、および41~53は、請求項6を直接的又は間接的に引用しているものであるから、訂正事項1によって記載が訂正される請求項6に連動して訂正されるものである。
したがって、訂正前の請求項6~15、17~39、および41~53に対応する訂正後の請求項6~15、17~39、および41~53は、特許法126条3項に規定する一群の請求項である。
2 訂正の目的について
訂正前の請求項6は独立請求項である請求項1を間接的に引用しており、請求項1の記載から、修飾ヌクレオチドは、二本鎖領域を形成するセンス鎖とアンチセンス鎖とを含む二本鎖リボ核酸(dsRNA)作用剤に含まれるものである。
また、一般に、核酸の構造式における原子の番号付けは、塩基と糖の原子の番号を区別するために、糖の方にはプライム「’」を付すことは当業者に周知である。
してみると、訂正前の請求項6に記載の「2-O-(N-メチルアセトアミド)修飾ヌクレオチド」は塩基の原子2位の位置に-O-(N-メチルアセトアミド)が修飾されるものであると認められる。
しかしながら、塩基の原子2位の位置は、塩基対の形成に関与する部分であり、dsRNA作用剤が二本鎖領域を形成する際に、当該位置に修飾を有している場合、塩基対の形成に悪影響を及ぼすものであり、当該位置に修飾を施すことは通常あり得ないことである。
そして、そのことを裏付けるように、本件明細書の【0068】及び【0199】段落等には、ヌクレオチド修飾として、一貫して糖部分の原子2位の位置を修飾する「2’-O-」が記載されている。
また、本件明細書の【0306】段落には、「dsRNA作用剤」と称される「iRNA作用剤」の修飾を含有するヌクレオチドの特定の実施形態として「2’-O-N-メチルアセトアミド修飾」が記載されている。
これらの事項から、当業者にとって「2-O-(N-メチルアセトアミド)修飾ヌクレオチド」は誤記であり、正しくは「2’-O-(N-メチルアセトアミド)修飾ヌクレオチド」であることは明らかである。
そして、上記のように解することを妨げる記載や矛盾する記載は、本件特許の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「本件特許明細書等」という。)には存在しない。
したがって、訂正事項1に係る訂正は、誤りであることが客観的に明らかな記載を正しい記載にするものである。
よって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書き第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものである。
3 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項1は、上記2のとおりに、誤りであることが客観的に明らかな記載である「2-O-(N-メチルアセトアミド)修飾ヌクレオチド」を正しい記載である「2’-O-(N-メチルアセトアミド)修飾ヌクレオチド」にするものであって、その意味する範囲は変わらないから、本件特許明細書等の記載から導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。
したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合する。
4 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記3のとおり、訂正事項1に係る訂正の前後で、その意味する範囲は変わらないから、訂正事項1に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合する。
5 独立して特許を受けることができるものであること
上記1のとおり、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書き第2号に規定する誤記又は誤訳の訂正を目的とするものであるから、本件訂正後の請求項6に係る発明、並びにそれを直接的又は間接的に引用している請求項7~15、17~39、および41~53に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものでなければならない。
そこで検討すると、訂正後の請求項6に記載されている事項により特定される発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものではないとする理由は見いだせない。
請求項6を直接的又は間接的に引用する請求項7~15、17~39、および41~53についても同様である。
したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
第5 むすび
以上のとおりであるから、本件審判請求における特許請求の範囲に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書き第2号に掲げる事項を目的とし、かつ同条第5項ないし第7項に規定する要件に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
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