2022-390165
化合物の濃度に応じて抗原結合能の変化する抗原結合分子及びそのライブラリ
- 審判番号
- 2022-390165
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2020-103030外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 登録番号
- 7065150
- 請求日
- 2022年10月13日
- 審決日
- 2022年12月28日
- 公報発行日
- 2023年03月31日
- 結論
- 訂正認容
- 分類
- P141 .853-Y (C12N)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 8項目
第1 手続の経緯
特許第7065150号は、平成26年12月4日(優先権主張 平成25年12月4日)に出願された特願2015-551554号の一部を令和2年6月15日に新たな特許出願として出願され、令和4年4月27日にその特許権の設定登録がされた。その後、令和4年10月13日に本件訂正審判が請求されたものである。
第2 請求の趣旨及び訂正の内容
本件審判の請求の趣旨は、「特許第7065150号の特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求める」ものである。
請求人が求めている訂正の内容は、以下のとおりである。
1 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に、「前記抗原結合ドメインを含む抗原結合ドメイン若しくは抗原結合ドメインを含む抗原結合分子は、」と記載されているのを、「前記抗原結合ドメイン若しくは抗原結合ドメインを含む抗原結合分子は、」に訂正する。
2 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項1に、「低分子化合物の濃度に応じて抗原に対する結合活性が変化する抗原結合ドメインまたは抗原結合分子を含み、」と記載されているのを、「低分子化合物の濃度に応じて抗原に対する結合活性が変化する抗原結合ドメインまたは抗原結合分子であり、」に訂正する。
第3 当審の判断
1 訂正事項1
(1)訂正の目的
訂正事項1は、訂正前の特許請求の範囲の請求項1に、「前記抗原結合ドメインを含む抗原結合ドメイン若しくは抗原結合ドメインを含む抗原結合分子は、」と記載されているのを、「前記抗原結合ドメイン若しくは抗原結合ドメインを含む抗原結合分子は、」と訂正するものである。
訂正事項1は、訂正前の特許請求の範囲の請求項1の「前記抗原結合ドメインを含む抗原結合ドメイン若しくは抗原結合ドメインを含む抗原結合分子」なる記載について、当該請求項1での先行する記載である「前記抗原結合ドメイン若しくは抗原結合ドメインを含む抗原結合分子」と整合させるための訂正である。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する、明瞭でない記載の釈明を目的としたものといえる。
(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項1は、訂正前の請求項1の先行する記載と整合させるためのものであるから、当該請求項1に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項1は、発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではなく、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
2 訂正事項2
(1)訂正の目的
訂正事項2は、訂正前の特許請求の範囲の請求項1に、「低分子化合物の濃度に応じて抗原に対する結合活性が変化する抗原結合ドメインまたは抗原結合分子を含み、」と記載されているのを、「低分子化合物の濃度に応じて抗原に対する結合活性が変化する抗原結合ドメインまたは抗原結合分子であり、」と訂正するものである。
請求項1には、「ライブラリ」に関する発明が記載されており、訂正前の請求項1では、ライブラリの構成について、「(i)互いに配列の異なる複数の抗原結合ドメイン若しくは抗原結合ドメインを含む抗原結合分子;又は(ii)当該互いに配列の異なる複数の抗原結合ドメイン若しくは抗原結合ドメインを含む抗原結合分子をコードする核酸、から主としてなるライブラリであって、」(下線は、当審による。以下、同様である。)と特定され、当該ライブラリを構成する「主」たるメンバーについて、「前記抗原結合ドメインを含む抗原結合ドメイン若しくは抗原結合ドメインを含む抗原結合分子は(合議体注:訂正事項1により、「前記抗原結合ドメイン若しくは抗原結合ドメインを含む抗原結合分子は」と訂正された。)、低分子化合物の濃度に応じて抗原に対する結合活性が変化する抗原結合ドメインまたは抗原結合分子を含み、」と特定されている。
ここで、上記「から主としてなる」の意味するところに関して、明細書の記載を検討すると、「本発明の、複数の抗原結合分子から主としてなるライブラリという記載における『から主としてなる』との用語は、ライブラリ中の配列の異なる独立クローンの数のうち、低分子化合物(例えば、標的組織特異的化合物)の濃度の条件によって抗原に対する抗原結合分子の結合活性が異なっている抗原結合分子の数が反映される。」(段落【0189】。段落【0224】及び【0226】にも同趣旨の記載がある。)」と定義されており、この「低分子化合物(例えば、標的組織特異的化合物)の濃度の条件によって抗原に対する抗原結合分子の結合活性が異なっている」は、請求項1の「低分子化合物の濃度に応じて抗原に対する結合活性が変化する」と同じ意味であると解される。また、明細書全体を通じて、ライブラリには、「低分子化合物の濃度に応じて抗原に対する結合活性が変化する」メンバーと変化しないメンバーとが含まれており、当該ライブラリからスクリーニングにより、当該結合活性が変化するメンバーを取得することが記載されている。よって、請求項1の「から主としてなる」は、ライブラリにおいて、「低分子化合物の濃度に応じて抗原に対する結合活性が変化する」メンバーが「主」たるメンバーであることを意味すると解される。
そうすると、「主」たるメンバーを特定する「前記抗原結合ドメインを含む抗原結合ドメイン若しくは抗原結合ドメインを含む抗原結合分子は(合議体注:訂正事項1により、「前記抗原結合ドメイン若しくは抗原結合ドメインを含む抗原結合分子は」と訂正された。)、低分子化合物の濃度に応じて抗原に対する結合活性が変化する抗原結合ドメインまたは抗原結合分子を含み、」の記載における「を含み」は、上記「から主としてなる」との記載と重複しており、不明瞭を生じているといえるし、それ以外に何を含むのかという点で請求項1に記載された「ライブラリ」の構成を不明瞭にしているともいえる。
したがって、「主」たるメンバーを特定する上記記載における「を含み」を「であり」と訂正する訂正事項2は、発明の構成が不明瞭となっている記載を正して明確にするものであって、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する、明瞭でない記載の釈明を目的としたものといえる。
(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項2は、上記2(1)で述べたとおり、明細書の記載に基づき、特許請求の範囲における明瞭ではない記載上の不備を訂正するものであり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項2は、ライブラリに主として含まれる抗原結合ドメイン又は抗原結合分子を特定するものであり、発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではなく、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
3 むすび
したがって、本件審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項ないし第6項の規定に適合するので、当該訂正を認める
よって、結論のとおり審決する。
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