2019-390027
組織因子経路インヒビター(TFPI)に対する最適化されたモノクローナル抗体
- 審判番号
- 2019-390027
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2012-556192外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2019年02月15日
- 審決日
- 2019年03月28日
- 公報発行日
- 2019年07月26日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】バイエル・ヘルスケア・エルエルシー
- 【請求人代理人】小野 誠
- 【請求人代理人】安藤 健司
- 【請求人代理人】岩瀬 吉和
- 【請求人代理人】城山 康文
- 分類
- P141 .853-Y (C12N)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第3項、特許法第126条第5項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
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結論
理由
目次 ▾ 7項目
第1 手続の経緯
本件特許第6025570号に係る出願は、平成23年3月1日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2010年3月1日、米国)を国際出願日とする出願であり、平成28年10月21日に設定登録され、平成31年2月15日に本件訂正審判の請求がなされたものである。
第2 請求の要旨
本件訂正審判は、本件特許の特許請求の範囲を、審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項3、10及び11について訂正することを求めるものであって、その訂正の内容は、下記1.のとおりである。
1.訂正事項1
特許請求の範囲の請求項3において、
「(a)ヒト重鎖が配列番号:7を含み;(b)ヒト軽鎖が配列番号:14を含む請求項1に記載の単離されたヒトモノクローナルIgG抗体。」の記載を、
「(a)ヒト重鎖が配列番号:7を含み;(b)ヒト軽鎖が配列番号:14を含むヒト組織因子経路インヒビター(TFPI)に特異的に結合する単離されたヒトモノクローナルIgG抗体。」と訂正する。(請求項3の記載を引用する請求項10及び11も同様に訂正する。)
第3 当審の判断
1.一群の請求項について
訂正事項1に係る訂正前の請求項3、10及び11について、請求項10及び11は、請求項3を引用するものであるから、訂正事項1によって記載が訂正される請求項3に連動して訂正されるものである。
したがって、訂正前の請求項3、10及び11に対応する訂正後の請求項3、10及び11は、特許法第126条第3項に規定する一群の請求項である。
2.訂正事項1の適否について
(1)訂正の目的について
訂正前の請求項3が引用する請求項1には、
「ヒト組織因子経路インヒビター(TFPI)に特異的に結合する単離されたヒトモノクローナルIgG抗体であって、(a)(i)FTFX1SYGMX2からなるアミノ酸配列を含むCDR1領域であって、ここでX1は、RまたはSであり、X2は、SまたはDであり、但し、X1がRであり且つX2がSである場合を除く;続きを表示(全23行)(ii)SIRGSX3X4STYYADSVKGからなるアミノ酸配列を含むCDR2領域であって、ここで、X3は、SまたはRであり、X4は、SまたはGであり、但し、X3がSであり且つX4がSである場合を除く;および(iii)LYRYWFDYからなるアミノ酸配列を含むCDR3領域を含むヒト重鎖、および(b)(i)SGDNLX5X6YYAHからなるアミノ酸配列を含むCDR1領域であって、ここで、X5は、RまたはPであり、X6は、NまたはKであり、但し、X5がRであり且つX6がNである場合を除く;(ii)X7YDX8NRPSからなるアミノ酸配列を含むCDR2領域であって、ここで、X7は、YまたはFであり、X8は、NまたはVであり、但し、X7がYであり且つX8がNである場合を除く;および(iii)QX9WX10X11X12X13PVからなるアミノ酸配列を含むCDR3領域であって、X9は、SまたはAであり、X10は、DまたはWであり、X11は、DまたはSであり、X12は、GまたはSであり、そしてX13は、VまたはTであり、但し、X9がSであり、X10がDであり、X11がDであり、X12がGであり、そしてX13がVである場合を除く;を含むヒト軽鎖を含む、抗体。」と記載されている。
これに対して、請求項3に特定される
「(a)ヒト重鎖が配列番号:7を含み;(b)ヒト軽鎖が配列番号:14を含む・・・単離されたヒトモノクローナルIgG抗体。」は、特許明細書の表7(a)にヒトTFPIに親和性を有する2A8変異体として列挙されたものの一つである『2A8-200』であると認められ、『2A8-200』の軽鎖(配列番号:14)が有するCDR1のアミノ酸配列は「SGDNLRNYYAH」であると認められる。そして、この「SGDNLRNYYAH」のアミノ酸配列は、請求項1の(b)(i)に特定されるヒト軽鎖のCDR1のアミノ酸配列「SGDNLX5X6YYAH」においてX5がR、X6がNであるものに相当すると認められる。
そうすると、請求項3に特定されるヒト軽鎖の配列番号:14が有するCDR1のアミノ酸配列(「SGDNLX5X6YYAH」においてX5がR、X6がN)は、請求項1の(b)(i)の「但し、X5がRであり且つX6がNである場合を除く」の記載と整合しないから、請求項3が請求項1を引用して記載することは、請求項1の記載との関係で不合理を生じており、請求項3を不明瞭なものとしていると認められる。
そして、訂正前の請求項3における「請求項1に記載の単離されたヒトモノクローナルIgG抗体」の記載が、請求項3に特定されるものが「ヒト組織因子経路インヒビター(TFPI)に特異的に結合する単離されたヒトモノクローナルIgG抗体」であることの特定を意図することは、本件特許明細書の記載から明らかである。
したがって、訂正事項1は、請求項3を請求項3と整合しない請求項1を引用しないものとすることで上記の不合理を解消するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものであると認められる。
(2)新規事項の追加の有無について
上記(1)のとおり、本件特許明細書の表7(a)には、
「(a)ヒト重鎖が配列番号:7を含み;(b)ヒト軽鎖が配列番号:14を含むヒト組織因子経路インヒビター(TFPI)に特異的に結合する単離されたヒトモノクローナルIgG抗体。」に該当する『2A8-200』が記載されていたから、訂正事項1は何ら新たな技術的事項を導入するものではなく、特許法第126条第5項に規定する要件に適合するものである。
(3)特許請求の範囲の拡張又は変更の存否について
訂正事項1は、上記(1)に記載したとおり、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、上記(2)に記載したとおり、新規事項を追加するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、第126条第6項に適合するものである。
第4 むすび
以上のとおり、本件訂正審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項及び第6項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
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