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特許訂正審判

2024-390108

非ヒト動物におけるヒト化T細胞媒介性免疫応答

審判番号
2024-390108
法域
特許
審判種別
訂正審判(訂正の審決)
出願番号
特願2024-114035外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
登録番号
7555515
請求日
2024年09月26日
審決日
2024年12月05日
公報発行日
2025年03月28日
結論
訂正認容
審判長/審判官
分類
P141 .852-Y (C12N) / P141 .853-Y (C12N)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法126条1項3号特許法126条5項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第126条第1項、特許法第44条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第3項、特許法第126条第7項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7555515号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論
特許第7555515号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔19~24、54〕、42、〔43~44〕について訂正することを認める。

理由

目次 ▾ 12項目
理 由

第1 手続の経緯

折りたたみ中(クリックで表示)

特許第7555515号に係る出願は、平成28年4月6日を国際出願日(パリ条約による優先権主張 2015年4月6日、2015年5月8日及び2015年6月30日 いずれも米国(US))とする特願2017-552483号の一部を、特許法第44条第1項の規定により令和2年5月14日に新たな特許出願(特願2020-085069号)として分割し、さらにその一部を、特許法第44条第1項の規定により令和4年8月1日に新たな特許出願(特願2022-122754号)として分割し、さらにその一部を、特許法第44条第1項の規定により令和5年10月18日に新たな特許出願(特願2023-179453号)として分割し、さらにその一部を、特許法第44条第1項の規定により令和6年7月17日に新たな特許出願(特願2024-1114035号)として分割したものであって、その請求項1~54に係る発明について令和6年9月12日に特許権の設定登録がされたものであり、その後、令和6年9月26日に本件の訂正審判が請求されたものである。

第2 請求の趣旨および訂正の内容

本件審判の請求の趣旨は、特許第7555515号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項19~24、42~44および54について訂正することを認める、との審決を求めるものである。

そして、本件審判の請求による訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、以下の訂正事項1~4のとおりである(下線は訂正箇所を示すために当審が付した。以下も同様である。)。

1 訂正事項1

特許請求の範囲の請求項19に記載される

「(b)キメラヒト/マウスCD8αポリペプチドをコードする第2の核酸配列およびキメラヒト/マウスCD8β共受容体ポリペプチドをコードする第3の核酸配列であって、
前記キメラヒト/マウスCD8αポリペプチドは、内在性CD8αポリペプチドの膜貫通ドメインおよび細胞質ドメインに操作可能に連結しているヒトCD8αポリペプチドのIgV様ドメインを含み、前記キメラヒト/マウスCD8βポリペプチドは、内在性CD8βポリペプチドの膜貫通ドメインおよび細胞質ドメインに操作可能に連結しているヒトCD8βポリペプチドのIgV様ドメインを含む、第2の核酸配列および第3の核酸配列」

を、

「(b)キメラヒト/マウスCD8αポリペプチドをコードする第2の核酸配列およびキメラヒト/マウスCD8βポリペプチドをコードする第3の核酸配列であって、
前記キメラヒト/マウスCD8αポリペプチドは、内在性CD8αポリペプチドの膜貫通ドメインおよび細胞質ドメインに操作可能に連結しているヒトCD8αポリペプチドのIgV様ドメインを含み、前記キメラヒト/マウスCD8βポリペプチドは、内在性CD8βポリペプチドの膜貫通ドメインおよび細胞質ドメインに操作可能に連結しているヒトCD8βポリペプチドのIgV様ドメインを含む、第2の核酸配列および第3の核酸配列」に訂正する。

2 訂正事項2

特許請求の範囲の請求項42に記載される

「ヒトβ2ミクログロブリンアミノ酸配列を含む前記ポリペプチドをコードする前記核酸配列」

を、

「前記ヒトβ2ミクログロブリンアミノ酸配列を含む前記ポリペプチドをコードする前記核酸配列」に訂正する。

3 訂正事項3

特許請求の範囲の請求項43に記載される

「ヒトβ2ミクログロブリンアミノ酸配列を含む前記ポリペプチドをコードする前記核酸配列」

を、

「前記ヒトβ2ミクログロブリンアミノ酸配列を含む前記ポリペプチドをコードする前記核酸配列」に訂正する。

4 訂正事項4

特許請求の範囲の請求項44に記載される

「ヒトβ2ミクログロブリンアミノ酸配列を含む前記ポリペプチドをコードする前記核酸配列」

を、

「前記ヒトβ2ミクログロブリンアミノ酸配列を含む前記ポリペプチドをコードする前記核酸配列」に訂正する。

第3 当審の判断

1 一群の請求項について

訂正前の請求項20~24及び54は、訂正前の請求項19を直接又は間接的に引用する関係にあり、訂正事項1によって訂正される前の請求項19に連動して、訂正前の請求項20~24及び54も訂正されるから、訂正前の請求項19~24及び54は、一群の請求項に該当する。

訂正事項3は請求項43について、訂正事項4は請求項44について、それぞれ訂正するものであるところ、訂正前の請求項44は、訂正前の請求項43を直接的に引用する関係にあるから、訂正前の請求項43~44は、一群の請求項に該当する。

したがって、訂正前の請求項19~24及び54並びに請求項43~44は、それぞれ一群の請求項であるから、本件訂正は、特許法第126条第3項の規定に基づき、一群の請求項ごとにされたものである。

2 訂正事項1について

(1)訂正事項1の内容

訂正事項1に係る訂正は、本件訂正前の請求項19の(b)において、本件訂正前の「キメラヒト/マウスCD8β共受容体ポリペプチドをコードする第3の核酸配列」を、本件訂正後に「キメラヒト/マウスCD8βポリペプチドをコードする第3の核酸配列」とする訂正事項である。

(2)訂正の目的

CD8について、技術常識及び本件特許明細書の段落【0082】等に照らして、一般的に、CD8αポリペプチドとCD8βポリペプチドがヘテロ二量体を形性し、CD8共受容体を構成するものと認められる。そうすると、本件訂正前の請求項19には「CD8α」について「CD8αポリペプチド」という記載がある一方で、「CD8β」についてのみ「CD8β共受容体ポリペプチド」と記載されていることで、「CD8β共受容体ポリペプチド」が単独でCD8共受容体を構成するとも解すことができる、技術的に誤りであることが明らかな記載があったといえる。

一方、本件訂正前の請求項19の(b)には、「前記キメラヒト/マウスCD8βポリペプチド」との記載があり、これより前にCD8βに関する記載は「キメラヒト/マウスCD8β共受容体ポリペプチド」しかなく、「前記キメラヒト/マウスCD8βポリペプチド」は「キメラヒト/マウスCD8β共受容体ポリペプチド」を指しており、両者は同じものであることは明らかである。また、請求項19の(b)には、「内因性CD8βポリペプチド」、「ヒトCD8βポリペプチド」という記載もあり、さらに、本件特許明細書でCD8βについて記載されるときは、請求項19と実質的に同じ記載を繰り返した部分やCD8αとの共受容体を意図した部分を除く大部分において、「CD8β共受容体ポリペプチド」ではなく、「CD8βポリペプチド」と記載されている(請求項1、段落【0082】等)。

よって、本件訂正前の請求項19は、本来であれば「キメラヒト/マウスCD8βポリペプチドをコードする第3の核酸配列」と記載されるべきところを、「キメラヒト/マウスCD8β共受容体ポリペプチドをコードする第3の核酸配列」という誤った記載がなされていることは明らかである。

また、上記のように解することを妨げる記載や、矛盾する記載は本件特許明細書等には存在しない。

したがって、訂正事項1に係る訂正は、本来その意であることが本件特許明細書等の記載から明らかな内容に正すものといえるから、特許法第126条第1項ただし書き第2号に規定する、誤記又は誤訳の訂正を目的とするものである。

(3)本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること

上記(2)で検討したとおり、本件特許明細書等の記載から、本件訂正前の請求項19の「キメラヒト/マウスCD8β共受容体ポリペプチドをコードする第3の核酸配列」が、「キメラヒト/マウスCD8βポリペプチドをコードする第3の核酸配列」であることは明らかであって、本件訂正前後でその意味する範囲は変わらないから、訂正事項1に係る訂正は、本件特許明細書等に記載した事項の全てを総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。

よって、訂正事項1に係る訂正は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。

(4)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

上記(3)で検討したとおり、訂正事項1に係る訂正の前後で意味する範囲は変わらないから、訂正事項1に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合する。

(5)独立して特許を受けることができるものであること

上記(2)で検討したとおり、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する、誤記又は誤訳の訂正を目的とするものであるから、本件訂正後の請求項19に係る発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものでなければならない。

そこで検討すると、本件訂正前の請求項19に係る発明は、特許を受けることができない理由を発見しないとして特許を受けることができたものと認められるところ、本件訂正後の請求項19に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由が新たに発見される事情はないから、訂正事項1に係る訂正は特許法第126条第7項に適合する。

3 訂正事項2について

(1)訂正の内容

訂正事項2に係る訂正は、本件訂正前の請求項42において、本件訂正前の「ヒトβ2ミクログロブリンアミノ酸配列を含む前記ポリペプチドをコードする前記核酸」を、本件訂正後に「前記ヒトβ2ミクログロブリンアミノ酸配列を含む前記ポリペプチドをコードする前記核酸」とする訂正事項である

(2)訂正の目的

本件訂正前の請求項42の「ヒトβ2ミクログロブリンアミノ酸配列を含む前記ポリペプチドをコードする前記核酸配列」の「前記ポリペプチド」と「前記核酸配列」が、請求項42が引用する請求項40の「ヒトβ2ミクログロブリンアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする核酸配列」の「ポリペプチド」と「核酸配列」を指すことは、文章の構成から明らかである。

ここで、本件訂正前の請求項42では、「ヒトβ2ミクログロブリンアミノ酸配列」という特定が、引用関係にある請求項40の「ヒトβ2ミクログロブリンアミノ酸配列」を指していることは、上記のとおり「ポリペプチド」と「核酸配列」が同じものを指すことから既に明らかであるが、文言上明確になっていないという点で、不明瞭な記載を含んでいたともいえる。

この点、本件訂正後の請求項42では、「前記ヒトβ2ミクログロブリンアミノ酸配列」と前記を付すことで、当該記載が引用関係にある請求項40の「ヒトβ2ミクログロブリンアミノ酸配列」を指すと文言上明確化されるものと認められる。

したがって、訂正事項2に係る訂正は、前記を付すことにより、不明瞭となっていた記載上の不備を訂正し、その本来の意を明らかにするものといえるから、特許法第126条第1項ただし書き第3号に規定する、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

(3)本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること

上記(2)で検討したとおり、本件特許明細書等の記載から、本件訂正前の請求項42の「ヒトβ2ミクログロブリンアミノ酸配列」という特定が、引用関係にある請求項40の「ヒトβ2ミクログロブリンアミノ酸配列」であることは明らかであって、本件訂正前後でその意味する範囲は変わらないから、訂正事項2に係る訂正は、本件特許明細書等に記載した事項の全てを総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。

よって、訂正事項2に係る訂正は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。

(4)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと

上記(3)で検討したとおり、訂正事項2に係る訂正の前後で意味する範囲は変わらないから、訂正事項2に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合する。

4 訂正事項3~4について

訂正事項3~4は、それぞれ、請求項43~44についての訂正であるところ、本件訂正前の「ヒトβ2ミクログロブリンアミノ酸配列を含む前記ポリペプチドをコードする前記核酸配列」を、本件訂正後に「前記ヒトβ2ミクログロブリンアミノ酸配列を含む前記ポリペプチドをコードする前記核酸配列」とする訂正事項である。

ここで、訂正事項3~4に係る訂正は、請求項43~44が請求項40を直接的あるいは間接的に引用するものであって、上記下線部の前記を付す点で、訂正事項2に係る訂正と軌を一にするものであるから、上記3の検討と同様の理由により、訂正事項3~4に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書き第3号に規定する、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、また、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであるから特許法第126条第5項の規定に適合し、さらに、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しないから特許法第126条第6項の規定に適合する。

第4 むすび

以上のとおりであるから、本件審判請求における特許請求の範囲に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号及び第3号に規定する事項を目的とし、かつ、同条第5項~第7項の規定に適合するものである。

よって、結論のとおり審決する。

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2024-390108

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