審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
特許異議申立

2022-701255

室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化時間の測定方法

審判番号
2022-701255
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2019-073922外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
登録番号
7088116
請求日
2022年12月16日
審決日
2024年07月04日
公報発行日
2024年11月29日
結論
請求成立(取消)
当事者
審判長/審判官
分類
P1651.121-ZAA(C08L)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項特許法113条2号
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第7項、特許法第120条の5第2項、特許法第113条第2号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7088116号発明「室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化時間の測定方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7088116号の明細書及び特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~4〕について訂正することを認める。 特許第7088116号の請求項1~4に係る特許を取り消す。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7088116号(以下、「本件特許」という。)は、平成31年4月9日を出願日とする特許出願(特願2019-73922号)に係るものであって、令和4年6月13日にその特許権の設定登録(請求項の数4)がされ、同年6月21日に特許掲載公報が発行され、その後、同年12月16日に特許異議申立人 廣瀬 妙子(以下、「申立人」という。)により、本件特許の請求項1~4に係る特許に対して特許異議の申立てがされたものである。その後の主な手続の経緯は、次のとおりである。 令和5年 3月22日付け 取消理由通知 同年 5月26日 訂正請求書及び意見書の提出(特許権者) 同年 6月 5日付け 訂正請求があった旨の通知(申立人宛) 同年 7月10日 意見書の提出(申立人) 同年 9月28日付け 訂正拒絶理由通知 同年10月31日 訂正請求書を補正する手続補正書及び意見書の提出(特許権者) 同年11月30日付け 取消理由通知(決定の予告) 令和6年 2月 7日 訂正請求書及び意見書の提出(特許権者) 同年 2月20日 訂正請求書を補正する手続補正書の提出(特許権者) 同年 2月29日付け 訂正請求があった旨の通知(申立人宛) 同年 4月 4日 意見書の提出(申立人) なお、令和5年5月26日の訂正請求書による訂正の請求は、特許法第120条の5第7項の規定により取り下げられたものとみなす。 第2 訂正の適否 1 令和6年2月7日提出の訂正請求書の訂正の内容 令和6年2月7日提出の訂正請求書に記載された訂正の内容は、次のとおりである(下線は訂正箇所を示す)。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1において、「硬化して、25℃においてJIS K6249に規定するゴム硬度(TypeA)が5~80であるシリコーンゴム硬化物を与える、室温で液状又はペースト状の縮合硬化型の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物」とあるのを、 「湿気により硬化して、25℃においてJIS K6249に規定するゴム硬度(TypeA)が5~80であるシリコーンゴム硬化物を与える、室温で液状又はペースト状の縮合硬化型の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物」 に訂正する。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項1において、 「5~90℃の範囲内の所定温度及び5~95%RHの範囲内の所定湿度の環境下で上記室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の試料について該試料を硬化させながら動的粘弾性測定を行い、」とあるのを、 「5~90℃の範囲内の所定温度及び5~95%RHの範囲内の所定湿度の環境下で上記室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の試料について0.1~5mmの範囲での一定厚さの該試料を硬化させながら動的粘弾性測定を行い、」 に訂正する。 (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項1において、 「測定開始時点から貯蔵せん断弾性率と損失せん断弾性率が等しくなるまでの時間を硬化時間とする」とあるのを、 「測定開始時点から貯蔵せん断弾性率と損失せん断弾性率が等しくなるまでの時間をタックフリータイムとしての硬化時間とする」 に訂正する。 (4)訂正事項4 特許請求の範囲の請求項2において、 「上記室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の試料を0.1~5mmの範囲で一定の厚みとなるように注入し、」とあるのを、 「上記室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の試料を0.1~2mmの範囲で一定の厚みとなるように注入し、」 に訂正する。 (5)訂正事項5 特許請求の範囲の請求項2において、 「直径が40mm以下の平行平板型冶具又は直径が40mm以下、コーン角が5゜以下のコーンプレート型冶具を備えた動的粘弾性測定機を用い、所定の温湿度に調節された該測定機の冶具内に」とあるのを、 「直径が40mm以下の平行平板型治具又は直径が40mm以下、コーン角が5゜以下のコーンプレート型治具を備えた動的粘弾性測定機を用い、所定の温湿度に調節された該測定機の治具内に」 に訂正する。 (6)訂正事項6 特許請求の範囲の請求項3において、 「直径が5~25mmの平行平板型冶具を備えた動的粘弾性測定機を用いて」とあるのを、 「直径が5~25mmの平行平板型治具を備えた動的粘弾性測定機を用いて」に訂正する。 (7)訂正事項7 本件明細書の段落【0009】を、以下のとおり訂正する。 「【0009】 即ち、本発明は、下記の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化時間を測定する方法を提供するものである。 1. 湿気により硬化して、25℃においてJIS K6249に規定するゴム硬度(TypeA)が5~80であるシリコーンゴム硬化物を与える、室温で液状又はペースト状の縮合硬化型の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化時間を測定する方法であって、 5~90℃の範囲内の所定温度及び5~95%RHの範囲内の所定湿度の環境下で上記室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の試料について0.1~5mmの範囲での一定厚さの該試料を硬化させながら動的粘弾性測定を行い、測定開始時点から貯蔵せん断弾性率と損失せん断弾性率が等しくなるまでの時間をタックフリータイムとしての硬化時間とする縮合硬化型の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化時間を測定する方法。 【請求項2】 5~90℃の温度範囲及び5~95%RHの湿度範囲での温湿度調節機能を備え、直径が40mm以下の平行平板型治具又は直径が40mm以下、コーン角が5゜以下のコーンプレート型治具を備えた動的粘弾性測定機を用い、所定の温湿度に調節された該測定機の治具内に上記室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の試料を0.1~5mmの範囲で一定の厚みとなるように注入し、60秒以下の一定時間毎に該試料に一定の加振周波数及び歪みを付与して上記貯蔵せん断弾性率及び損失せん断弾性率を測定するものである1に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化時間を測定する方法。 2. 5~90℃の温度範囲及び5~95%RHの湿度範囲での温湿度調節機能を備え、直径が40mm以下の平行平板型治具又は直径が40mm以下、コーン角が5゜以下のコーンプレート型治具を備えた動的粘弾性測定機を用い、所定の温湿度に調節された該測定機の治具内に上記室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の試料を0.1~2mmの範囲で一定の厚みとなるように注入し、60秒以下の一定時間毎に該試料に一定の加振周波数及び歪みを付与して上記貯蔵せん断弾性率及び損失せん断弾性率を測定するものである1に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化時間を測定する方法。 3. 直径が5~25mmの平行平板型治具を備えた動的粘弾性測定機を用いて上記貯蔵せん断弾性率及び損失せん断弾性率を測定する2に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化時間を測定する方法。 4. 縮合硬化型の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物が下記(A)~(D)成分を含有するものである1~3のいずれかに記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化時間を測定する方法。 (A) 下記平均組成式(1) Ra(XO1/2)bSiO(4-a-b)/2 (1) (式中、Rは独立に非置換又は置換の一価炭化水素基であり、Xは水素原子又は独立に炭素数1~10の非置換の一価炭化水素基であり、aは1.7~2.2の正数であり、bは0.0001~0.2の正数であり、a+bは1.9~2.4を満たす正数である。但し、分子鎖末端のケイ素原子と該ケイ素原子に隣接するケイ素原子を連結する酸素原子(O)は炭素数1~5のアルキレン基で置換されていてもよい。) で示される、分子中に少なくとも1個のケイ素原子に結合した加水分解性シリル基及び/又はケイ素原子に結合した水酸基を有し、分子鎖末端が-SiR2(OH)基及び/又は-R’-SiR13(式中、Rは前記と同じであり、R’は酸素原子又は炭素数1~5のアルキレン基であり、R1はR又はOR2(R2は独立に炭素数1~10の非置換の一価炭化水素基である。)であり、但し3個のRlのうち少なくとも1個はOR2である。)で封鎖されたオルガノポリシロキサン: 100質量部、 (B) 下記一般式(2) R3(4-d)Si(OR4)d (2) (式中、R3は炭素数1~10の非置換又はハロゲン置換一価炭化水素基であり、R4は独立に炭素数1~10の非置換の一価炭化水素基であり、dは3又は4である。) で示される加水分解性(オルガノ)シラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物: 0.2~30質量部、 (C) アミノ基含有加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解物: 0.1~10質量部、 (D) 硬化触媒: 0.1~10質量部」 (8)訂正事項8 本件明細書の段落【0045】を、以下のとおり訂正する。 「【0045】 本発明では上記室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物を用いて、具体的には以下のようにその硬化時間を測定するとよい。 即ち、本発明に係る室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化時間の測定方法は、5~90℃の温度範囲及び5~95%RHの湿度範囲での温湿度調節機能を備え、直径が40mm以下の平行平板型治具又は直径が40mm以下、コーン角が5゜以下のコーンプレート型治具を備えた動的粘弾性測定機を用い、所定の温湿度に調節された該測定機の治具内に上記室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の試料を0.1~5mmの範囲で一定の厚みとなるように注入し、この試料を硬化させながら60秒以下の一定時間毎に該試料に一定の加振周波数及び歪みを付与して上記貯蔵せん断弾性率及び損失せん断弾性率を測定し、測定開始時点から貯蔵せん断弾性率と損失せん断弾性率が等しくなるまでの時間を硬化時間とするものであることが好ましい。」 (9)訂正事項9 本件明細書の段落【0046】を、以下のとおり訂正する。 「【0046】 このような動的粘弾性測定機は、測定環境の温湿度を5~90℃の温度範囲及び5~95%RHの湿度範囲で調整できる温湿度調節機能を備え、液状又はペースト状の試料の貯蔵せん断弾性率及び損失せん断弾性率が測定可能な装置であればよく、例えばAnton Paar社製の粘弾性測定機「MCR-302」及び対流式オーブン温湿度制御装置「CTD-180」を組み合わせたものが挙げられる。この場合、粘弾性測定機「MCR-302」が上記治具を備え、試料の動的粘弾性測定を行う装置であり、対流式オーブン温湿度制御装置「CTD-180」が上記粘弾性測定機において治具を内部に収納してその内部を所定の温湿度に調整可能な装置である。」 (10)訂正事項10 本件明細書の段落【0047】を、以下のとおり訂正する。 「【0047】 このときの動的粘弾性の測定条件は、以下のようにするとよい。 ・平行平板型治具の直径:好ましくは40mm以下、より好ましくは5~25mm ・コーンプレート型治具の直径:好ましくは40mm以下、より好ましくは5~25mm ・コーンプレート型治具のコーン角:好ましくは5゜以下、より好ましくは1~3° ・試料の厚み(治具内の注入空間間隔で設定):好ましくは0.1~5mm、特に2mm ・加振周波数:好ましくは0.01~10Hz、より好ましくは0.5~5Hz、特に1Hz ・歪み量:好ましくは0.1~10%、好ましくは0.5~5%、特に1% ・測定頻度:好ましくは60秒以下の一定時間毎、より好ましくは5~30秒の一定時間毎、特に好ましくは5~15秒の一定時間毎」 (11)訂正事項11 本件明細書の段落【0051】を、以下のとおり訂正する。 「【0051】 [実施例1] Anton Paar社製粘弾性測定機MCR-302及び対流式オーブン温湿度制御装置CTD-180を用いて、予め治具内環境が温度23℃、相対湿度50%RHとなるように設定し、直径25mmの平行平板型治具内の注入空間(間隔2mm)に組成物1を注入し、10秒毎に加振周波数lHz及び歪み量1%で貯蔵せん断弾性率、損失せん断弾性率を測定した。測定開始時点からそれらの値が等しくなるまでの時間(=硬化時間)は120秒であった。」 (12)訂正事項12 本件明細書の段落【0052】を、以下のとおり訂正する。 「【0052】 [実施例2] 実施例1において、治具内環境を温度10℃、相対涅度30%RHに変更し、それ以外は実施例1と同様にした。その結果、硬化時間は420秒であった。」 (13)訂正事項13 本件明細書の段落【0053】を、以下のとおり訂正する。 「【0053】 [実施例3] 実施例1において、治具内環境を温度35℃、相対湿度40%RHに変更し、それ以外は実施例1と同様にした。その結果、硬化時間は50秒であった。」 (14)訂正事項14 本件明細書の段落【0054】を、以下のとおり訂正する。 「【0054】 [実施例4] 実施例1において、治具内環境を温度40℃、相対湿度40%RHに変更し、それ以外は実施例1と同様にした。その結果、硬化時間は20秒であった。」 (15)訂正後の請求項2の記載 訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のうち、請求項2の記載は、以下のとおりのものである。 「【請求項2】 5~90℃の温度範囲及び5~95%RHの湿度範囲での温湿度調節機能を備え、直径が40mm以下の平行平板型治具又は直径が40mm以下、コーン角が5゜以下のコーンプレート型治具を備えた動的粘弾性測定機を用い、所定の温湿度に調節された該測定機の治具内に上記室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の試料を0.1~5mmの範囲で一定の厚みとなるように注入し、60秒以下の一定時間毎に該試料に一定の加振周波数及び歪みを付与して上記貯蔵せん断弾性率及び損失せん断弾性率を測定するものである請求項1に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化時間を測定する方法。」 2 訂正請求書の補正について 令和6年2月20日に提出された手続補正書において、上記訂正請求書の補正がされているので、補正の適否について検討する。 (1)補正の内容 上記手続補正書による補正の概要は、以下のとおりである。 ア 訂正請求書の「7 請求の理由」「(2)訂正事項」の記載内容のうち、「エ.訂正事項4」の欄を削除する。 イ 訂正請求書の「7 請求の理由」「(2)訂正事項」の記載内容のうち、「キ.訂正事項7」の欄の請求項2に対応する部分を 「【請求項2】 5~90℃の温度範囲及び5~95%RHの湿度範囲での温湿度調節機能を備え、直径が40mm以下の平行平板型治具又は直径が40mm以下、コーン角が5゜以下のコーンプレート型治具を備えた動的粘弾性測定機を用い、所定の温湿度に調節された該測定機の治具内に上記室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の試料を0.1~5mmの範囲で一定の厚みとなるように注入し、60秒以下の一定時間毎に該試料に一定の加振周波数及び歪みを付与して上記貯蔵せん断弾性率及び損失せん断弾性率を測定するものである請求項1に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化時間を測定する方法。 2. 5~90℃の温度範囲及び5~95%RHの湿度範囲での温湿度調節機能を備え、直径が40mm以下の平行平板型治具又は直径が40mm以下、コーン角が5゜以下のコーンプレート型治具を備えた動的粘弾性測定機を用い、所定の温湿度に調節された該測定機の治具内に上記室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の試料を0.1~2mmの範囲で一定の厚みとなるように注入し、60秒以下の一定時間毎に該試料に一定の加振周波数及び歪みを付与して上記貯蔵せん断弾性率及び損失せん断弾性率を測定するものである1に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化時間を測定する方法。」 から 「2. 5~90℃の温度範囲及び5~95%RHの湿度範囲での温湿度調節機能を備え、直径が40mm以下の平行平板型治具又は直径が40mm以下、コーン角が5゜以下のコーンプレート型治具を備えた動的粘弾性測定機を用い、所定の温湿度に調節された該測定機の治具内に上記室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の試料を0.1~5mmの範囲で一定の厚みとなるように注入し、60秒以下の一定時間毎に該試料に一定の加振周波数及び歪みを付与して上記貯蔵せん断弾性率及び損失せん断弾性率を測定するものである1に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化時間を測定する方法。」 に補正する。 ウ 訂正請求書の「7 請求の理由」「(3)訂正の理由」「ア.一群の請求項についての説明」の欄の「訂正事項4、5によって訂正される」を「訂正事項5によって訂正される」に補正する。 エ 訂正請求書の「7 請求の理由」「(3)訂正の理由」「イ.訂正事項が全ての訂正要件に適合している事実の説明」の記載内容のうち、「(エ)訂正事項4」の欄を削除する。 オ 訂正請求書の「7 請求の理由」「(3)訂正の理由」「イ.訂正事項が全ての訂正要件に適合している事実の説明」の記載内容のうち、「(カ)訂正事項7」の欄の「訂正事項1~6」を「訂正事項1~3、5及び6」(2カ所)に補正する。 (2)補正の適否 訂正請求書における訂正事項4は、上記1(15)に示した訂正特許請求の範囲の請求項2の記載と整合しておらず、訂正特許請求の範囲において、訂正事項4による訂正は行われていない。 そして、補正事項ア、ウ、エ、オは、訂正特許請求の範囲と整合していなかった上記訂正事項4に関する事項を削除するものであるから、訂正請求書の要旨を変更するものではない。 また、明細書の【0009】は、特許請求の範囲に記載された発明を記載したものであるところ、補正事項イは、訂正事項7による訂正明細書の【0009】の訂正の内容が、訂正特許請求の範囲の記載と整合していなかったため、訂正特許請求の範囲の記載と整合するように補正するものであるから、訂正請求書の要旨を変更するものではない。 よって、上記補正は訂正請求書の要旨を変更するものではなく、特許法第120条の5第9項で準用する同法第131条の2第1項の規定に適合するので、当該補正を認める。 3 訂正の内容 上記2のとおり、訂正請求書の補正は認められるため、補正後の令和6年2月7日提出の訂正請求書による訂正(以下「本件訂正」という。)は、当該訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~4について訂正することを求めるものであって、その内容は以下のとおりである(下線部は訂正箇所を示す)。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1において、「硬化して、25℃においてJIS K6249に規定するゴム硬度(TypeA)が5~80であるシリコーンゴム硬化物を与える、室温で液状又はペースト状の縮合硬化型の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物」とあるのを、 「湿気により硬化して、25℃においてJIS K6249に規定するゴム硬度(TypeA)が5~80であるシリコーンゴム硬化物を与える、室温で液状又はペースト状の縮合硬化型の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物」 に訂正する。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項1において、 「5~90℃の範囲内の所定温度及び5~95%RHの範囲内の所定湿度の環境下で上記室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の試料について該試料を硬化させながら動的粘弾性測定を行い、」とあるのを、 「5~90℃の範囲内の所定温度及び5~95%RHの範囲内の所定湿度の環境下で上記室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の試料について0.1~5mmの範囲での一定厚さの該試料を硬化させながら動的粘弾性測定を行い、」 に訂正する。 (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項1において、 「測定開始時点から貯蔵せん断弾性率と損失せん断弾性率が等しくなるまでの時間を硬化時間とする」とあるのを、 「測定開始時点から貯蔵せん断弾性率と損失せん断弾性率が等しくなるまでの時間をタックフリータイムとしての硬化時間とする」 に訂正する。 (4)訂正事項5 特許請求の範囲の請求項2において、 「直径が40mm以下の平行平板型冶具又は直径が40mm以下、コーン角が5゜以下のコーンプレート型冶具を備えた動的粘弾性測定機を用い、所定の温湿度に調節された該測定機の冶具内に」とあるのを、 「直径が40mm以下の平行平板型治具又は直径が40mm以下、コーン角が5゜以下のコーンプレート型治具を備えた動的粘弾性測定機を用い、所定の温湿度に調節された該測定機の治具内に」 に訂正する。 (5)訂正事項6 特許請求の範囲の請求項3において、 「直径が5~25mmの平行平板型冶具を備えた動的粘弾性測定機を用いて」とある のを、 「直径が5~25mmの平行平板型治具を備えた動的粘弾性測定機を用いて」に訂正する。 (6)訂正事項7 本件明細書の段落【0009】を、以下のとおり訂正する。 「【0009】 即ち、本発明は、下記の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化時間を測定する方法を提供するものである。 1. 湿気により硬化して、25℃においてJIS K6249に規定するゴム硬度(TypeA)が5~80であるシリコーンゴム硬化物を与える、室温で液状又はペースト状の縮合硬化型の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化時間を測定する方法であって、 5~90℃の範囲内の所定温度及び5~95%RHの範囲内の所定湿度の環境下で上記室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の試料について0.1~5mmの範囲での一定厚さの該試料を硬化させながら動的粘弾性測定を行い、測定開始時点から貯蔵せん断弾性率と損失せん断弾性率が等しくなるまでの時間をタックフリータイムとしての硬化時間とする縮合硬化型の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化時間を測定する方法。 2. 5~90℃の温度範囲及び5~95%RHの湿度範囲での温湿度調節機能を備え、直径が40mm以下の平行平板型治具又は直径が40mm以下、コーン角が5゜以下のコーンプレート型治具を備えた動的粘弾性測定機を用い、所定の温湿度に調節された該測定機の治具内に上記室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の試料を0.1~5mmの範囲で一定の厚みとなるように注入し、60秒以下の一定時間毎に該試料に一定の加振周波数及び歪みを付与して上記貯蔵せん断弾性率及び損失せん断弾性率を測定するものである1に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化時間を測定する方法。 3. 直径が5~25mmの平行平板型治具を備えた動的粘弾性測定機を用いて上記貯蔵せん断弾性率及び損失せん断弾性率を測定する2に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化時間を測定する方法。 4. 縮合硬化型の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物が下記(A)~(D)成分を含有するものである1~3のいずれかに記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化時間を測定する方法。 (A) 下記平均組成式(1) Ra(XO1/2)bSiO(4-a-b)/2 (1) (式中、Rは独立に非置換又は置換の一価炭化水素基であり、Xは水素原子又は独立に炭素数1~10の非置換の一価炭化水素基であり、aは1.7~2.2の正数であり、bは0.0001~0.2の正数であり、a+bは1.9~2.4を満たす正数である。但し、分子鎖末端のケイ素原子と該ケイ素原子に隣接するケイ素原子を連結する酸素原子(O)は炭素数1~5のアルキレン基で置換されていてもよい。) で示される、分子中に少なくとも1個のケイ素原子に結合した加水分解性シリル基及び/又はケイ素原子に結合した水酸基を有し、分子鎖末端が-SiR2(OH)基及び/又は-R’-SiR13(式中、Rは前記と同じであり、R’は酸素原子又は炭素数1~5のアルキレン基であり、R1はR又はOR2(R2は独立に炭素数1~10の非置換の一価炭化水素基である。)であり、但し3個のRlのうち少なくとも1個はOR2である。)で封鎖されたオルガノポリシロキサン:100質量部、 (B) 下記一般式(2) R3(4-d)Si(OR4)d (2) (式中、R3は炭素数1~10の非置換又はハロゲン置換一価炭化水素基であり、R4は独立に炭素数1~10の非置換の一価炭化水素基であり、dは3又は4である。) で示される加水分解性(オルガノ)シラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物: 0.2~30質量部、 (C) アミノ基含有加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解物: 0.1~10質量部、 (D) 硬化触媒: 0.1~10質量部」 (7)訂正事項8 本件明細書の段落【0045】を、以下のとおり訂正する。 「【0045】 本発明では上記室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物を用いて、具体的には以下のようにその硬化時間を測定するとよい。 即ち、本発明に係る室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化時間の測定方法は、5~90℃の温度範囲及び5~95%RHの湿度範囲での温湿度調節機能を備え、直径が40mm以下の平行平板型治具又は直径が40mm以下、コーン角が5゜以下のコーンプレート型治具を備えた動的粘弾性測定機を用い、所定の温湿度に調節された該測定機の治具内に上記室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の試料を0.1~5mmの範囲で一定の厚みとなるように注入し、この試料を硬化させながら60秒以下の一定時間毎に該試料に一定の加振周波数及び歪みを付与して上記貯蔵せん断弾性率及び損失せん断弾性率を測定し、測定開始時点から貯蔵せん断弾性率と損失せん断弾性率が等しくなるまでの時間を硬化時間とするものであることが好ましい。」 (8)訂正事項9 本件明細書の段落【0046】を、以下のとおり訂正する。 「【0046】 このような動的粘弾性測定機は、測定環境の温湿度を5~90℃の温度範囲及び5~95%RHの湿度範囲で調整できる温湿度調節機能を備え、液状又はペースト状の試料の貯蔵せん断弾性率及び損失せん断弾性率が測定可能な装置であればよく、例えばAnton Paar社製の粘弾性測定機「MCR-302」及び対流式オーブン温湿度制御装置「CTD-180」を組み合わせたものが挙げられる。この場合、粘弾性測定機「MCR-302」が上記治具を備え、試料の動的粘弾性測定を行う装置であり、対流式オーブン温湿度制御装置「CTD-180」が上記粘弾性測定機において治具を内部に収納してその内部を所定の温湿度に調整可能な装置である。」 (9)訂正事項10 本件明細書の段落【0047】を、以下のとおり訂正する。 「【0047】 このときの動的粘弾性の測定条件は、以下のようにするとよい。 ・平行平板型治具の直径:好ましくは40mm以下、より好ましくは5~25mm ・コーンプレート型治具の直径:好ましくは40mm以下、より好ましくは5~25mm ・コーンプレート型治具のコーン角:好ましくは5゜以下、より好ましくは1~3° ・試料の厚み(治具内の注入空間間隔で設定):好ましくは0.1~5mm、特に2mm ・加振周波数:好ましくは0.01~10Hz、より好ましくは0.5~5Hz、特に1Hz ・歪み量:好ましくは0.1~10%、好ましくは0.5~5%、特に1% ・測定頻度:好ましくは60秒以下の一定時間毎、より好ましくは5~30秒の一定時間毎、特に好ましくは5~15秒の一定時間毎」 (10)訂正事項11 本件明細書の段落【0051】を、以下のとおり訂正する。 「【0051】 [実施例1] Anton Paar社製粘弾性測定機MCR-302及び対流式オーブン温湿度制御装置CTD-180を用いて、予め治具内環境が温度23℃、相対湿度50%RHとなるように設定し、直径25mmの平行平板型治具内の注入空間(間隔2mm)に組成物1を注入し、10秒毎に加振周波数lHz及び歪み量1%で貯蔵せん断弾性率、損失せん断弾性率を測定した。測定開始時点からそれらの値が等しくなるまでの時間(=硬化時間)は120秒であった。」 (11)訂正事項12 本件明細書の段落【0052】を、以下のとおり訂正する。 「【0052】 [実施例2] 実施例1において、治具内環境を温度10℃、相対涅度30%RHに変更し、それ以外は実施例1と同様にした。その結果、硬化時間は420秒であった。」 (12)訂正事項13 本件明細書の段落【0053】を、以下のとおり訂正する。 「【0053】 [実施例3] 実施例1において、治具内環境を温度35℃、相対湿度40%RHに変更し、それ以外は実施例1と同様にした。その結果、硬化時間は50秒であった。」 (13)訂正事項14 本件明細書の段落【0054】を、以下のとおり訂正する。 「【0054】 [実施例4] 実施例1において、治具内環境を温度40℃、相対湿度40%RHに変更し、それ以外は実施例1と同様にした。その結果、硬化時間は20秒であった。」 4 一群の請求項について 訂正前の請求項2~4は、それぞれ請求項1を引用するものであって、訂正事項1~3によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。 したがって、訂正事項1~3、5、6による請求項1~3についての訂正は、一群の請求項〔1~4〕に対してなされたものである。 訂正事項7は、請求項1~3に関する訂正事項1~3、5、6に合わせて本件特許の願書に添付した明細書(以下「本件訂正前明細書」という。)の【0009】を訂正するものであり、訂正事項8~10は請求項1に記載の「硬化時間」に関する【0045】~【0047】の誤記を訂正するものであり、訂正事項11~14は請求項1に係る発明の実施例に関する【0051】~【0054】の誤記を訂正するものであるから、訂正事項7~14は、明細書の訂正に係る請求項を含む上記一群の請求項のすべてについて行うものである。 よって、訂正事項1~3、5~14は一群の請求項〔1~4〕に対してなされたものである。 5 訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否 (1)訂正事項1について 訂正事項1は、訂正前の請求項1に記載された「硬化して、25℃においてJIS K6249に規定するゴム硬度(TypeA)が5~80であるシリコーンゴム硬化物を与える、室温で液状又はペースト状の縮合硬化型の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物」について、「湿気により硬化して・・・」と限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。そして、この訂正は、本件訂正前明細書の【0002】における「湿気により架橋する縮合硬化型の室温硬化性シリコーンゴム組成物」との記載や、【0010】における「本発明に係る室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化状態を測定する・・・方法によれば、通常の室温下の大気中で湿気硬化してシリコーンゴム硬化物を与える場合だけではなく・・・」との記載に基づくものであるから、新規事項の追加に該当するものでなく、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (2)訂正事項2について 訂正事項2は、訂正前の請求項1において、動的粘弾性測定を行う試料について、「0.1~5mmの範囲での一定の厚さの」という限定を付すものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。また、この訂正は、本件訂正前明細書の【0047】の「・試料の厚み・・・:好ましくは0.1~5mm」の記載に基づくものであるから、新規事項の追加に該当するものでないし、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (3)訂正事項3について 訂正事項3は、訂正前の請求項1において、「測定開始時点から貯蔵せん断弾性率と損失せん断弾性率が等しくなるまでの時間を硬化時間とする」とあるのを、「測定開始時点から貯蔵せん断弾性率と損失せん断弾性率が等しくなるまでの時間をタックフリータイムとしての硬化時間とする」とするものであり、「硬化時間」を「タックフリータイムとしての硬化時間」に限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。そして、本件訂正前明細書の【0060】において「通常の室温環境条件では、実施例1、2の硬化時間と、比較例1、2の指触乾燥時間は一致し、同様の硬化性の評価が可能であるが、より高温多湿の条件では、比較例の指触乾燥時間の評価ではその硬化性の評価を正確にできないところ、実施例では正確な硬化性の評価が可能となっており、本発明の測定方法の有利性は明らかである。」と記載され、その「硬化性の評価」が、本件訂正前明細書の【0055】に「[比較例1]組成物1の試料を用いて、・・・JIS K6249に従って指触乾燥時間(タックフリータイム)を測定した・・・」と記載されるように、「タックフリータイム」としての硬化時間であり、本件発明の硬化時間は、従来は比較例のようにJIS K6249に従う指触乾燥時間で測定されていた「タックフリータイムとしての硬化時間」を代替するものであるから、「硬化時間」を「タックフリータイムとしての硬化時間」とする訂正は、「硬化時間」を本件訂正前明細書に記載されていた本来の意味に限定したものといえる。 よって、訂正事項3は新規事項の追加に該当するものでない。また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (4)訂正事項5,6,8~14について 訂正事項5,6,8~14は、訂正前の特許請求の範囲及び本件訂正前明細書に記載されていた「冶具」を「治具」に訂正するものであり、明らかな誤記を訂正するものであるから、誤記の訂正を目的とするものであり、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (5)訂正事項7について 訂正事項7は、訂正事項1~3,5,6に合わせて、本件訂正前明細書の【0009】の記載を訂正するものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。また、新規事項の追加に該当するものでも、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 6 独立特許要件について 特許異議の申立ては、訂正前の請求項1~4に対してされているので、当該請求項における訂正を認める要件として、特許法第120条の5第9項において読み替えて準用する同法第126条第7項に規定する独立特許要件は課されない。 7 まとめ 以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号~第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものであるから、訂正後の請求項〔1~4〕について訂正することを認める。 第3 本件発明 上記第2のとおり、本件訂正が認められることから、本件特許の請求項1~4に係る発明は、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1~4に記載された下記のとおりのものと認める。 「【請求項1】 湿気により硬化して、25℃においてJIS K6249に規定するゴム硬度(TypeA)が5~80であるシリコーンゴム硬化物を与える、室温で液状又はペースト状の縮合硬化型の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化時間を測定する方法であって、 5~90℃の範囲内の所定温度及び5~95%RHの範囲内の所定湿度の環境下で上記室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の試料について0.1~5mmの範囲での一定厚さの該試料を硬化させながら動的粘弾性測定を行い、測定開始時点から貯蔵せん断弾性率と損失せん断弾性率が等しくなるまでの時間をタックフリータイムとしての硬化時間とする縮合硬化型の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化時間を測定する方法。 【請求項2】 5~90℃の温度範囲及び5~95%RHの湿度範囲での温湿度調節機能を備え、直径が40mm以下の平行平板型治具又は直径が40mm以下、コーン角が5゜以下のコーンプレート型治具を備えた動的粘弾性測定機を用い、所定の温湿度に調節された該測定機の治具内に上記室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の試料を0.1~5mmの範囲で一定の厚みとなるように注入し、60秒以下の一定時間毎に該試料に一定の加振周波数及び歪みを付与して上記貯蔵せん断弾性率及び損失せん断弾性率を測定するものである請求項1に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化時間を測定する方法。 【請求項3】 直径が5~25mmの平行平板型治具を備えた動的粘弾性測定機を用いて上記貯蔵せん断弾性率及び損失せん断弾性率を測定する請求項2に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化時間を測定する方法。 【請求項4】 縮合硬化型の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物が下記(A)~(D)成分を含有するものである請求項1~3のいずれかに記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化時間を測定する方法。 (A) 下記平均組成式(1) Ra(XO1/2)bSiO(4-a-b)/2 (1) (式中、Rは独立に非置換又は置換の一価炭化水素基であり、Xは水素原子又は独立に炭素数1~10の非置換の一価炭化水素基であり、aは1.7~2.2の正数であり、bは0.0001~0.2の正数であり、a+bは1.9~2.4を満たす正数である。但し、分子鎖末端のケイ素原子と該ケイ素原子に隣接するケイ素原子を連結する酸素原子(O)は炭素数1~5のアルキレン基で置換されていてもよい。) で示される、分子中に少なくとも1個のケイ素原子に結合した加水分解性シリル基及び/又はケイ素原子に結合した水酸基を有し、分子鎖末端が-SiR2(OH)基及び/又は-R’-SiR13(式中、Rは前記と同じであり、R’は酸素原子又は炭素数1~5のアルキレン基であり、R1はR又はOR2(R2は独立に炭素数1~10の非置換の一価炭化水素基である。)であり、但し3個のRlのうち少なくとも1個はOR2である。)で封鎖されたオルガノポリシロキサン: 100質量部、 (B) 下記一般式(2) R3(4-d)Si(OR4)d (2) (式中、R3は炭素数1~10の非置換又はハロゲン置換一価炭化水素基であり、R4は独立に炭素数1~10の非置換の一価炭化水素基であり、dは3又は4である。) で示される加水分解性(オルガノ)シラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物: 0.2~30質量部、 (C) アミノ基含有加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解物: 0.1~10質量部、 (D) 硬化触媒: 0.1~10質量部」 (以下、本件特許の請求項1~4に係る発明を、それぞれ「本件発明1」~「本件発明4」のようにいう。また、訂正後の、本件特許の願書に添付した明細書を「本件明細書」という。) 第4 特許異議申立理由の概要、取消理由の概要及び証拠方法 1 申立人が提出した特許異議申立書に記載した申立ての理由の概要 特許異議申立書に記載した申立ての理由の概要は次のとおりである。 申立理由1(進歩性) 本件特許の請求項1に係る発明は、本件特許の出願日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲第1号証~甲第4号証に記載された発明に基づいて、また、本件特許の請求項2~4に係る発明は、本件特許の出願日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲第1号証~甲第5号証に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであり、同法同条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、上記請求項に係る特許は、同法第113条第2号に該当し取り消すべきものである。 2 当審が通知した取消理由の概要 当審が令和5年11月30日付けで通知した取消理由(決定の予告)の概要は以下のとおりである。 取消理由1(進歩性)本件特許の請求項1に係る発明は、本件特許の出願日前日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明及び甲第1号証~甲第3号証、引用文献3~5に記載された技術的事項に基づいて、また、本件特許の請求項2~4に係る発明は、本件特許の出願日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明及び甲第1号証~甲第3号証、甲第5号証、引用文献2~5に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、同法同条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、上記請求項に係る特許は、同法第113条第2号に該当し取り消すべきものである。 3 証拠方法 (1)申立人が提出した証拠方法 甲第1号証:特開2006-83399号公報 甲第2号証:Three Bond TECHNICAL NEWS 86,スリーボンドファインケミカル株式会社,平成27年7月1日発行 甲第3号証:Jorg Lauger and Gunther Arnold, “Relative humidity as a new parameter in rheological testing”, Engineering Conferences International ECI Digital Archives,2016年7月13日 甲第4号証:Weiping Du et al, “Dynamic Rheological Investigation during Curing of a Thermoset Polythiourethane System”, Hindawi International Journal of Polymer Science, 2019年3月31日, Article ID 8452793 甲第5号証:レオメーターによる粘度測定及び解析,2014年度技術部活動報告集,2015年3月,<URL:http://hdl.handle.net/10098/8777> 以下、順に「甲1」ないし「甲5」という。 (2)特許権者が令和6年2月7日提出の意見書に添付した証拠方法 乙第1号証:特集 シリコーンポリマー 最近のRTVシリコーンゴム,日本ゴム協会誌,第62巻第12号,1989年,758~766頁 乙第2号証:Q&A シリコーンゴムの試験方法とは?シリーズ1,シリコーンニューズ,第73号,1998年,10頁 乙第3号証:特開2000-38562号公報 以下、順に「乙1」ないし「乙3」という。 (3)当審が職権により引用する証拠方法 引用文献1:特開2017-88689号公報(本件明細書の【0006】に記載の「特許文献1」。) 引用文献2:Anton Paar MCR モジュラーコンパクトレオメータシリーズ,(株)アントンパールジャパン,2016年 引用文献3:日本工業規格 JIS K 6249:2003,「未硬化及び硬化シリコーンゴムの試験方法」,2003年,インターネット <URL:https://kikakurui.com/k6/K6249-2003-01.html> 引用文献4:信越化学工業(編),技術大全シリーズ シリコーン大全,日刊工業新聞社,2016年1月25日,初版1刷,p171~174 引用文献5:特開2018-65912号公報 以下、順に「引1」ないし「引5」という。 第5 当審の判断 当審は、本件発明1~4に係る特許は、上記取消理由1によって取り消すべきものと判断する。その理由は次のとおりである。 1 証拠の記載事項 (1)引1の記載事項 本件特許の出願日前に公知となった引1には、次の事項が記載されている。なお、下線は当審が付したものである。 「【請求項1】 (A)下記平均組成式(1) RaR1b(R2O)cSiO(4-a-b-c)/2 (1) (式中、Rは独立に芳香族基を含まない非置換又は置換の一価炭化水素基であり、R1は独立に非置換又は置換の芳香族一価炭化水素基であり、R2は独立に芳香族基を含まない非置換もしくは置換の一価炭化水素基又は水素原子であり、aは1.7~2.2の数であり、bは0.01~0.2の数、cは0.0001~0.2の数であり、a+b+cは1.9~2.4を満たす数である。但し、分子鎖末端のケイ素原子と該ケイ素原子に隣接するケイ素原子とを連結する酸素原子(O)は下記の二価結合基-R’-で置換されていてもよい。) で示される、分子中に少なくとも1個のケイ素原子に結合した加水分解性基及び/又は水酸基を有し、末端が-R’-SiR”3(式中、R’は酸素原子又は炭素数1~5のアルキレン基であり、R”は独立にR、R1又はOR2であり、3個のR”のうち少なくとも1個はOR2である。R、R1、R2は上記の通りである。)で封鎖されたオルガノポリシロキサン、 (B)下記一般式(2) 【化1】 [図:0001416431000001.jpg] (式中、R3は炭素数1~10の非置換又はハロゲン置換一価炭化水素基であり、R4は独立に炭素数1~10の非置換の一価炭化水素基であり、dは3又は4である。) で示されるアミノ基非含有の加水分解性オルガノシラン及び/又はその部分加水分解縮合物、 (C)アミノ基含有加水分解性オルガノシラン及び/又はその部分加水分解物、 (D)硬化触媒 を含有し、25℃、加振周波数1Hzで測定したヤング率が1.0×104Pa以上であり、-50℃、加振周波数1Hzで測定したヤング率が1.0×108Pa以下であるシリコーンゴム硬化物を与えるものである縮合硬化型室温硬化性シリコーンゴム組成物。」 「【0001】 本発明は、好ましくは末端に加水分解性基及び/又は水酸基を有するオルガノポリシロキサンを主剤(ベースポリマー)とする縮合硬化型の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物(縮合硬化型室温硬化性シリコーンゴム組成物)を硬化させてなるシリコーンゴム硬化物の低温における粘弾性特性を改善し、特に、-50℃以下の低温下においても安定したゴム物性を発現するシリコーンゴム硬化物を与える縮合硬化型室温硬化性シリコーンゴム組成物及び該組成物の硬化物(シリコーンゴム)でシール又は接着固定された電子回路に関する。 【0002】 なお、本発明において、シリコーンゴム(又はシリコーンゴム硬化物)とは、通常、25℃においてJIS K 6249に規定するゴム硬度(TypeA)が5以上、好ましくは5~80、より好ましくは10~70程度である、機械的強度とゴム弾性を有するエラストマー状の硬化物(即ち、オルガノポリシロキサンの架橋物)を意味するものであって、上記のゴム硬度が0以下(即ち、有効なゴム硬度値を示さない程低硬度)であり、架橋密度が極端に低い、いわゆるシリコーンゲル(又はシリコーンゲル硬化物)とは、本質的に別異のものである。 【背景技術】 【0003】 湿気により架橋する縮合硬化型の室温硬化性(RTV)シリコーンゴム組成物は、その取り扱いが容易な上、該組成物を硬化してなるシリコーンゴム硬化物は耐候性や電気特性に優れているため、建材用のシーリング材、電気・電子分野、車載用電子部品のシール材等の接着剤など様々な分野で使用されている。 【0004】 特に車載用途では、シリコーンゴム硬化物は幅広い温度範囲で使用されることが前提となるため、接着剤に要求される特性としても、温度によるシリコーンゴム硬化物のヤング率の変化を低減することが要求されはじめている。 【0005】 一方、シリコーンゴムの主剤(ベースポリマー)として常用されているジメチルシロキサンポリマーは比較的低温特性に優れた材料であるが、ポリマーの特質上、-40℃付近で脆化現象が見られ、その結果として、ジメチルポリシロキサンを主剤とするシリコーンゴム硬化物では-40℃付近の低温でのヤング率の大幅な上昇が見られ、前記車載用途での用途拡大が困難となっていたため、新たなオルガノシロキサンポリマーが必要となってきた。 なお、本発明に関連する従来技術として、下記文献が挙げられる。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0006】 【特許文献1】特開昭61-021157号公報 【特許文献2】特開昭63-083167号公報 【特許文献3】特開昭63-099236号公報 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、-50℃以下の極低温領域でも安定した粘弾性特性を示すシリコーンゴム硬化物を与える縮合硬化型の室温硬化性シリコーンゴム組成物及び該組成物の硬化物(シリコーンゴム)でシール又は接着固定された電子回路等を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0008】 本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、分子内に加水分解性基及び/又は水酸基と特定量の芳香族一価炭化水素基を有するオルガノポリシロキサンを縮合硬化型の室温硬化性シリコーンゴム組成物のベースポリマーとして用いることで、-50℃以下の極低温領域でも安定した粘弾性特性を示すシリコーンゴム硬化物を与える縮合硬化型の室温硬化性シリコーンゴム組成物が得られることを見出し、本発明をなすに至った。」 「【0033】 [(D)成分] (D)成分の硬化触媒は、縮合触媒作用を有するものであれば特に制限されないが、環境的に有機錫化合物触媒を用いることが好ましくない用途では、有機錫化合物以外のものであることが好ましい。このような硬化触媒として、具体的には、テトライソプロポキシチタン、テトラ-n-ブトキシチタン、テトラキス(2-エチルヘキソキシ)チタン、イソプロポキシチタンビス(エチルアセトアセテート)、イソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタン、チタニウムイソプロポキシオクチレングリコール等のチタン酸エステル又はチタンキレート化合物;アルミニウムイソプロピレート、アルミニウムsec-ブチレート、アルミニウムエチレート、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート等のアルミニウムアルコレート又はアルミニウムキレート化合物;テトラメチルグアニジルプロピルトリメトキシシラン、テトラメチルグアニジルプロピルメチルジメトキシシラン、テトラメチルグアニジルプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン等のグアニジル基を含有するシラン又はシロキサン;オクチル酸鉛やその他の酸性触媒もしくは塩基性触媒等の従来公知の触媒が例示される。これらの中で、有機チタン化合物が好ましく、特にチタンキレート化合物が好ましく、イソプロポキシチタンビス(エチルアセトアセテート)、イソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタンが特に好ましい。 ・・・ 【0034】 (D)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して好ましくは0.1~20質量部、より好ましくは0.2~15質量部、特に好ましくは1~15質量部である。(D)成分の配合量が少なすぎると、十分な架橋性が得られない場合があり、多すぎると、価格的に不利になる場合や硬化速度が低下するなどの欠点が発生する場合がある。」 「【実施例】 【0043】 以下、本発明を具体的に説明する実施例及び比較例を示すが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。 【0044】 [実施例1] 下記式(a) 【化6】 [図:0001416431000002.jpg] で表される25℃における粘度が300Pa・sの両末端シラノール基封鎖ジメチルポリシロキサン・ジフェニルポリシロキサン共重合体35質量部、下記式(b) 【化7】 [図:0001416431000003.jpg] で表される25℃における粘度が100mPa・sの両末端トリメチルシリル基封鎖ジメチルポリシロキサン・ジフェニルポリシロキサン共重合体20質量部、コロイド質炭酸カルシウム40質量部、重質炭酸カルシウム10質量部を減圧下、60分混合した。 次に、メチルトリメトキシシランの部分加水分解物4質量部を添加し、減圧下、40分間混合した後、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)4質量部、及び下記式(c) 【化8】 [図:0001416431000004.jpg] で表されるアミノ基含有シラン1質量部を減圧下にて30分混合し、組成物1を得た。」 「【0049】 調製した組成物1~5を用いて、23℃、50%RHの環境下にて、試料厚みが2mmとなるように7日間放置して硬化させた。得られた硬化物試料を用いて、JIS K 6249に準じて、試料の硬さを測定した。また、得られた硬化物試料を50mm×10mm×2mmで切断し、日立ハイテクサイエンス社製DMS-7100にて、加振周波数1Hzにて-50℃及び25℃でのヤング率を測定した。 【0050】 【表1】 [図:0001416431000005.jpg] 【0051】 〔評価〕 実施例1~3は、本発明の要件を満たすものであって、良好な低温特性を満たす縮合硬化型室温硬化性シリコーンゴム組成物の硬化物が得られている。 これに対し、比較例1や比較例2については、主成分であるオルガノポリシロキサンが本発明の要件を満たさず、その結果、室温での硬さ、ヤング率は同等であるものの、低温でのヤング率の増加が著しく、良好なゴム特性が得られていない。 以上により、本発明の要件を満たしてはじめて、得られる組成物は、低温特性に優れた縮合硬化型室温硬化性シリコーンゴム組成物となることは明らかである。」 (2)甲1の記載事項 本件特許の出願日前に公知となった甲1には、次の事項が記載されている。 「【請求項1】 (A) 1分子当たり少なくとも2つの不飽和炭化水素基を有するポリジオルガノシロキサン、 (B) 1分子当たり少なくとも3つのSi-H結合を有するポリオルガノヒドロシロキサン、 (C) 少なくとも一つの-SiH3基を有する化合物、及び (D) 有効な量のヒドロシレーション触媒、 からなり、然も(A)の量は約10重量%~95重量%であり、(B)の量は約0.1重量%~約50重量%であり、(C)の量は約0.01重量%~約5.0重量%であり、(A)~(C)の量は、互いに相対的なものである、組成物。」 「【請求項24】 成分(D)が、付加硬化ヒドロシレーション触媒である、請求項1に記載の組成物。」 「【0003】 ゲル、エラストマー、及びゴムは、シロキサン網状組織内の架橋度及び硬度及び弾力性によって区別されている。即ち、硬度及び弾力性は、架橋及び用いた特定の原料によって左右される(例えば、分子が短い程弾力性は低くなる)。この相違の一つの定量的な測定値は、モジュラス、即ち変形に対する抵抗性である。モジュラスは単位面積当たりの力の単位で測定され、例えば、モジュラスの単位はニュートン/m2(N/m2)にすることもでき、パスカル(Pa)とも呼ばれている。ゴムは、約105~106Paのモジュラスを有するのが典型的であり、それに対しゲルは約102~105Paのモジュラスを有する。本発明の架橋したポリシロキサン組成物は、シリコーンゲル及びゴム状エラストマーである。」 「【0063】 ゲル化試験 ゲルの堅さは、ASTM D1403-86「1/4及び1/2スケールの円錐装置を用いた潤滑グリースの円錐浸透のための標準試験法」(Standard Test Method for Cone Penetration of Lubricating Grease Using One-Quarter and One-Half Scale Cone Equipment)に従い、1/4の大きさの2.5g円錐グリース、7.0gのシャフト具えた硬度計を用いて測定した。測定は当分野の標準単位である1/10mmで示されている。低い値程堅いゲルであることを示している。約70~約100の値が、外用乳房補綴用として実物そっくりのゲルの感触に相当し、最も望ましいものである。しかし、この範囲外の値も、他の目的で一層堅い又は一層柔らかい必要のあるゲルに対しては許容できる。 硬化時間及びゲル時間は、次のやり方で測定された。第一の方法は、ゲルの堅さを総合配合物に触媒を添加した後の時間の関数として、又は二部配合物の両方の部分を混合した後の時間の関数として測定した。安定な読みを得るまでに必要な時間が硬化時間である。第二の方法では、硬化するゲル/エラストマーの応力と歪みの間の損失(即ち粘度、G″)、及び貯蔵(即ち弾力性、G′)、モジュラス、動的弾性率、G*、及び位相、δ、を測定するのにボーリン・ストレス・レオメーター(Bholin Stress Rheometer)を用いた。ゲル化時間は、ほぼ損失と貯蔵弾性率が交差する時間である。これらのレオロジー測定に関する文献には、S.K.ベンカタラム(Venkataram)その他によるPolymer Preprints,29(1988)pp. 571-572;C.W.マコスコ(Mackosko)その他によるMacromoleculus, 9(1976)p.199;及びE.E.ホリー(Holly)その他によるJ. Non-Newtonian Fluid Mechanics, 27(1988)pp. 17-26が含まれる。硬化時間は、動的弾性率が一定の又は一定に近い値を得る点である。損失弾性率対貯蔵弾性率の比、G″/G′は、位相の正接、即ちtanδに等しい。tanδは硬化dq又は硬化するポリシロキサン組成物の減衰能力を表している。0.1より小さく、好ましくは約0.01~約0.08のtanδ値が外用胸部補綴材に含まれるゲルに望ましい。 引張り強度は、硬化したゲルを挟んだものから切り取った試料を用いてインストロン1123型を用いて測定した。ゲルを挟んだものは、11.3cm×7.5cm×3mmの内部大きさを有するステンレス鋼型中で2枚のポリウレタン・ポリエステルフイルムの間に挟むことにより製造した。そのサンドウィッチを型中で密封し、125℃で45分間硬化した。引張り強度測定中、インストロンに試料を取付け易くするため、ポリウレタン・ポリエステルフイルムの長さは型中のゲル境界を超えて伸びていた。このために、冷却した硬化サンドウィッチを11.3cm×2.5cm×3mmの大きさの三つの等しい帯に長手方向に切断した。このようにして製造したサンドウィッチ各々について3回測定を行なった。インストロンの下クランプの高さまで上昇させた小さなラブ・ジャック(lab jack)上に試料を支持した。過剰のポリウレタン・ポリエステルフイルムを、上を抗張力荷重セルに適切に取付け、下をインストロンの静止クランプに取付けた。荷重セルが5in/分で上方へ移動するように引張り力をフイルムの頂部に適用した。力はgで記録した。100gに等しいか又はそれより大きい値が望ましい。更に、ポリウレタン・ポリエステルフイルムに対するゲルの接着強度は、その凝集力よりも大きいのが望ましい。 定性的手動引張り強度試験も行なった。この試験では、ゲルの試料をポリウレタン・ポリエステルフイルムの帯に接触させたまま硬化した。試料を炉から取り出した後、その帯を硬化ゲルから引き離し、接着損傷の位置を決定した。接着したゲルが無いように奇麗にフイルムがゲル表面から引き剥がされた場合、ゲル・フイルム界面で損傷が起き、接着剤損傷が起きた。接着剤損傷は望ましくない。引張り試験中、ゲルが破壊して裂け、ゲルがフイルムにしっかりと接着したままであるならば、凝集損傷が起きた。凝集損傷は望ましい。なぜなら、ゲル・フイルム界面での結合が強いことを示しているからである。」 (3)甲2の記載事項 本件特許の出願日前に公知となった甲2には、次の事項が記載されている。なお、枠囲いについては当審が付与したものである。 「 [図:0001416431000006.jpg] 」 (4)甲3の記載事項 本件特許の出願日前に公知となった甲3には、次の事項が記載されている。なお、甲3は英語で記載されているため、申立人が提出した訳文(抄録)の記載を示す。 「 [図:0001416431000007.jpg] [図:0001416431000008.jpg] 」 (5)甲5に記載された事項 本件特許の出願日前に公知となった甲5には、次の事項が記載されている。なお、枠囲いについては当審が付与したものである。 「 [図:0001416431000009.jpg] 」 「 [図:0001416431000010.jpg] 」 (6)引2の記載事項 本件特許の出願日前に公知となった引2は、アントンパールジャパン株式会社の「モジュラーコンパクトレオメータシリーズ」のパンフレットであり、第5頁には「MCR302」という製品が記載され、第12頁には「モジュール型温度制御システム」についての記載があり、「どのシステムも全てのMCRシリーズで簡単に交換することができ」ること、第15頁には、「CTD180」というモジュール型温度制御システムには「湿度制御オプション」があることが記載されている。 (7)引3の記載事項 本件特許の出願日前に公知となった引3は、「未硬化及び硬化シリコーンゴムの試験方法」についての日本工業規格(JIS K6249:2003)であり、その第9頁目には、「10.タックフリー試験」として、次の記載がある。 「10.タックフリー試験 10.1 目的 この試験は、湿気硬化形液状シリコーンゴムのタックフリータイムを測定することを目的とする。 10.2 試験の種類 試験の種類は、次の2種類とする。 a)指触による方法 b)鉛筆による方法 ・・・」 (9)引4の記載事項 本件特許の出願日前に公知となった引4の171頁~174頁には、「縮合硬化型シリコーンゴム」に関して、次の記載がある。 「 [図:0001416431000011.jpg] [図:0001416431000012.jpg] [図:0001416431000013.jpg] [図:0001416431000014.jpg] 」 (10)引5の記載事項 本件特許の出願日前に公知となった引5には次の記載がある。 「【0110】 [硬化性の評価] インキ1~16のそれぞれについて、RI-2型展色機2分割ロール(明製作所製)により、印刷インキ組成物量0.1mL/204cm2をアート紙(三菱特アート110K)に展色したものを試験片とし、その後、160W/cmのメタルハライドランプ(焦点距離13cm、集光型、1灯;ヘレウス社製)を使用して試験片に紫外線を照射した。その際、指触によりタックフリーになる硬化速度で評価した。評価基準は下記の3段階とし、その結果を表2及び3の「硬化性」欄に記載した。 (評価基準) ○ :硬化速度が100m/min以上である △ :硬化速度が60m/min以上、100m/min未満である × :硬化速度が60m/min未満である」 2 本件発明1について (1)引1に記載された発明 引1には、「(A)下記平均組成式(1) RaR1b(R2O)cSiO(4-a-b-c)/2 (1) (式中、Rは独立に芳香族基を含まない非置換又は置換の一価炭化水素基であり、R1は独立に非置換又は置換の芳香族一価炭化水素基であり、R2は独立に芳香族基を含まない非置換もしくは置換の一価炭化水素基又は水素原子であり、aは1.7~2.2の数であり、bは0.01~0.2の数、cは0.0001~0.2の数であり、a+b+cは1.9~2.4を満たす数である。但し、分子鎖末端のケイ素原子と該ケイ素原子に隣接するケイ素原子とを連結する酸素原子(O)は下記の二価結合基-R’-で置換されていてもよい。) で示される、分子中に少なくとも1個のケイ素原子に結合した加水分解性基及び/又は水酸基を有し、末端が-R’-SiR”3(式中、R’は酸素原子又は炭素数1~5のアルキレン基であり、R”は独立にR、R1又はOR2であり、3個のR”のうち少なくとも1個はOR2である。R、R1、R2は上記の通りである。)で封鎖されたオルガノポリシロキサン、 (B)下記一般式(2) 【化1】 [図:0001416431000015.jpg] (式中、R3は炭素数1~10の非置換又はハロゲン置換一価炭化水素基であり、R4は独立に炭素数1~10の非置換の一価炭化水素基であり、dは3又は4である。) で示されるアミノ基非含有の加水分解性オルガノシラン及び/又はその部分加水分解縮合物、 (C)アミノ基含有加水分解性オルガノシラン及び/又はその部分加水分解物、 (D)硬化触媒 を含有し、25℃、加振周波数1Hzで測定したヤング率が1.0×104Pa以上であり、-50℃、加振周波数1Hzで測定したヤング率が1.0×108Pa以下であるシリコーンゴム硬化物を与えるものである縮合硬化型室温硬化性シリコーンゴム組成物。」が記載され(請求項1)、その「縮合硬化型室温硬化性シリコーンゴム組成物」を具体化した組成物として、実施例1が記載されている(【0044】)。 そして、【0003】に「湿気により架橋する縮合硬化型の室温硬化性(RTV)シリコーンゴム組成物・・・」と記載されるように、実施例1の縮合硬化型室温硬化性入りコーンゴム組成物は、「湿気により架橋(硬化)」するものである。 そうすると、実施例1、及び請求項1に記載の「縮合硬化型室温硬化性シリコーンゴム組成物」との記載及び【0049】、【0050】の測定結果に着目すると、引1には次の発明(「引用発明」という。)が記載されている。 「下記式(a) 【化6】 [図:0001416431000016.jpg] で表される25℃における粘度が300Pa・sの両末端シラノール基封鎖ジメチルポリシロキサン・ジフェニルポリシロキサン共重合体35質量部、下記式(b) 【化7】 [図:0001416431000017.jpg] で表される25℃における粘度が100mPa・sの両末端トリメチルシリル基封鎖ジメチルポリシロキサン・ジフェニルポリシロキサン共重合体20質量部、コロイド質炭酸カルシウム40質量部、重質炭酸カルシウム10質量部を減圧下、60分混合し、 次に、メチルトリメトキシシランの部分加水分解物4質量部を添加し、減圧下、40分間混合した後、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)4質量部、及び下記式(c) 【化8】 [図:0001416431000018.jpg] で表されるアミノ基含有シラン1質量部を減圧下にて30分混合して得られる、湿気により硬化する縮合硬化型室温硬化性シリコーンゴム組成物を、23℃、50%RHの環境下にて、試料厚みが2mmとなるように7日間放置して硬化させ、JIS K 6249に準じて測定された硬さ(TypeA)が35であり、硬化物試料を50mm×10mm×2mmで切断し、日立ハイテクサイエンス社製DMS-7100にて、加振周波数1Hzにて25℃及び-50℃で測定したときのヤング率がそれぞれ7.4×106(Pa)、3.8×107(Pa)である、縮合硬化型室温硬化性シリコーンゴム組成物の硬化物を得る方法。」 (2)対比 本件発明1と引用発明を対比する。 引用発明の「縮合硬化型室温硬化性シリコーンゴム組成物」は、25℃における粘度が300Pa・sのジメチルポリシロキサン・ジフェニルポリシロキサン共重合体である成分(a)を含むものであることや、その後23℃、50%RHの環境下で硬化して固まるものであることからみて、本件発明1の「室温で液状又はペースト状の縮合硬化型の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物」に相当する。 引用発明の「湿気により硬化する・・・シリコーンゴム組成物」を「硬化させ、JIS K 6249に準じて測定された硬さ(TypeA)が35」である「硬化物を得る」ことは、本件発明1の「湿気により硬化して、」「JIS K6249に規定するゴム硬度(TypeA)が5~80であるシリコーンゴム硬化物を与える」ことに相当する。 引用発明の「縮合硬化型室温硬化性シリコーンゴム組成物」を「23℃、50%RHの環境下にて」「試料厚みが2mmとなるように」「硬化させ」ることは、本件発明1の「5~90℃の範囲内の所定温度及び5~95%RHの範囲内の所定湿度の環境下で上記室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の試料について0.1~5mmの範囲での一定厚さの該試料を硬化させ」ることに相当する。 また、本件発明1の「組成物の硬化時間を測定する」ことは、組成物の硬化物を得る工程において行われることであるから、本件発明1と引用発明とは、少なくとも(組成物の)「硬化物を得る方法」である限りにおいて一致する。 そうすると、両者は 「湿気により硬化して、JIS K6249に規定するゴム硬度(TypeA)が5~80であるシリコーンゴム硬化物を与える、室温で液状又はペースト状の縮合硬化型の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物を硬化させて硬化物を得る方法であって、 5~90℃の範囲内の所定温度及び5~95%RHの範囲内の所定湿度の環境下で上記室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の試料について0.1~5mmの範囲での一定厚さの該試料を硬化させて硬化物を得る方法」において一致し、以下の2点において相違する。 <相違点1> 「JIS K6249に規定するゴム硬度」の測定が、本件発明1では「25℃において」行われるのに対し、引用発明では測定温度が不明である点 <相違点2> 「硬化物を得る方法」が、本件発明1では「試料を硬化させながら動的粘弾性測定を行い、測定開始時点から貯蔵せん断弾性率と損失せん断弾性率が等しくなるまでの時間をタックフリータイムとしての硬化時間とする」「硬化時間を測定する方法」であるのに対し、引用発明ではそのような方法ではない点 (3)相違点についての判断 ア 相違点1について 引1には、「本発明において、シリコーンゴム(又はシリコーンゴム硬化物)とは、通常、25℃においてJIS K 6249に規定するゴム硬度(TypeA)が5以上、好ましくは5~80、より好ましくは10~70程度である、機械的強度とゴム弾性を有するエラストマー状の硬化物(即ち、オルガノポリシロキサンの架橋物)を意味するものであって」と記載されており(【0002】)、この記載から、引用発明のゴム硬度は25℃において測定されたものと認められる。 そうすると、相違点1は実質的な相違点とはいえない。 イ 相違点2について 縮合硬化型室温硬化性シリコーンゴム組成物において、タックフリータイム(指触乾燥時間)により硬化時間を評価することは当業者に周知の事項である。例えば、引3の9頁目項目10には、湿気硬化形液状シリコーンゴムについて、タックフリータイムを測定するタックフリー試験が日本工業規格として定められ、その試験の種類に「指触による方法」が規定されているし、引4の171頁以降には「縮合硬化型シリコーンゴム」についての一般的な技術説明が記載され、172頁の下から4行~174頁2行、特に表5-20には、縮合硬化型シリコーンゴムのタックフリー性能が示されている。このタックフリー性能は、引5の【0110】に「指触によりタックフリーになる硬化速度で評価した。」と記載されるように、指触乾燥時間により表されるものである。 一方、甲1には、所定の成分(A)~(D)を含む組成物が記載され(請求項1)、「本発明の架橋したポリシロキサン組成物は、シリコーンゲル及びゴム状エラストマーである。」(【0003】)ことも記載されている。このように、甲1は、「シリコーンゲル及びゴム状エラストマー」に関する発明であるところ、【0063】には、「硬化時間及びゲル時間は、次のやり方で測定された。・・・第二の方法では、硬化するゲル/エラストマーの応力と歪みの間の損失(即ち粘度、G″)、及び貯蔵(即ち弾力性、G′)、モジュラス、動的弾性率、G*、及び位相、δ、を測定するのにボーリン・ストレス・レオメーター(Bholin Stress Rheometer)を用いた。ゲル化時間は、ほぼ損失と貯蔵弾性率が交差する時間である。」と記載され、シリコーンゲルのゲル化時間を「損失と貯蔵弾性率が交差する時間」として定めることが記載されている。 そして、上記のとおり、甲1はシリコーンゲルだけでなく「シリコーンゴム状エラストマー」に関する発明でもあり、【0063】に「硬化時間及びゲル時間は、次のやり方で測定された。」と記載されるように、【0063】に記載された方法は、「シリコーンゲル」の「ゲル化時間」だけでなく、「シリコーンゴム状エラストマー」の「硬化時間」の測定にも適用できることは、当業者が容易に理解することである。 また、甲2には「レオメーターでは硬化過程における粘弾性の変化から硬化度合いを評価します。」(3頁左欄3~4行)と記載され、図-1にエポキシ樹脂の硬化挙動測定結果が記載され、硬化初期段階では液体的性質を示す損失剛性率(G”)が固体的性質を示す貯蔵剛性率(G’)よりも大きくなるが、反応が進行し架橋反応が始まると貯蔵剛性率が急激に大きくなり、G’=G”となった時(流れる部分と固まった部分の割合が同じになった時)が便宜上ゲル化ポイントと呼ばれ、硬化物が一つの塊として形成され始める領域であることが記載されている(3頁左欄15行~27行)。 このように、甲1に記載された、レオメーターによって損失弾性率(G”)と貯蔵弾性率(G’)を測定し、両者が交差する(一致する)時間をゲル化時間又は硬化時間とすることは、本件特許の出願前に周知の事項である。 ここで、タックフリータイム(指触乾燥時間)は、表面は硬化したが内側は硬化していない状態になるまでの時間を意味するものであるところ、甲2に記載されるように、レオメーターによって損失弾性率(G”)と貯蔵弾性率(G’)を測定し、両者が交差する(一致する)時間というのは、流れる部分(未硬化の液体部分)と固まった部分(硬化した部分)の割合が同じになるまでの時間であるから、両者は硬化性組成物がある程度硬化するまでの時間を意味する点で共通するものである。 そうすると、上記のとおり、引用発明の組成物は、縮合硬化型室温硬化性シリコーンゴム組成物であるから、その硬化時間を測定するためにタックフリータイム(指触乾燥時間)を測定することは当業者が当然に行うことであるところ、タックフリータイム(指触乾燥時間)と同様に、硬化性組成物がある程度硬化するまでの時間を測定する手段が甲1、甲2に記載されるように周知の事項であるから、甲1、甲2に記載されるような、(試料を硬化させながら)レオメーターによって損失弾性率(G”)と貯蔵弾性率(G’)を測定し(すなわち動的粘弾性測定を行い)、両者が交差する(一致する)時間をタックフリータイム(指触乾燥時間)に代わる硬化時間、すなわち「タックフリータイムとしての硬化時間」とすることは、当業者が容易に想到することである。 (4)本件発明の効果について 本件明細書には、「下記に示す測定方法で、種々の条件で再現性のある室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化性(硬化時間)が測定できることを見出し、本発明をなすに至った。」(【0008】)、「通常の室温環境条件では、実施例1、2の硬化時間と、比較例1、2の指触乾燥時間は一致し、同様の硬化性の評価が可能であるが、より高温多湿の条件では、比較例の指触乾燥時間の評価ではその硬化性の評価を正確にできないところ、実施例では正確な硬化性の評価が可能となっており、本発明の測定方法の有利性は明らかである。」(【0060】)と記載されており、高温多湿の条件等、種々の条件で正確なタックフリータイムとしての硬化性(硬化時間)の評価が可能となることが、本件発明の効果であると認められる。 ここで、湿気により硬化する縮合硬化型シリコーンゴム組成物においては、湿気は組成物の外側から侵入し、外側から内側に向かって硬化していくものであることは技術常識であるところ、甲2に記載されるように、レオメーターによって損失弾性率(G”)と貯蔵弾性率(G’)を測定し、両者が交差する(一致する)時間というのは、流れる部分(未硬化の液体部分)と固まった部分(硬化した部分)の割合が同じになったときであるから、湿気により硬化する縮合硬化型シリコーンゴム組成物がそのような状態になるということは、外側部分が硬化して、内側部分が未硬化の状態である(すなわち、タックフリーの状態である)ことは当業者が容易に理解することであり、甲1,甲2に記載された方法によって測定される時間が、湿気により硬化する縮合硬化型シリコーンゴム組成物においてはタックフリータイムにおける硬化状態とおおよそ同じ状態を意味することは、当業者が推測できる程度のことである。 また、レオメーターによって損失弾性率(G”)と貯蔵弾性率(G’)を測定し、両者が交差する(一致する)時間をゲル化(ゴムであれば硬化)時間として測定を行えば、損失弾性率(G”)と貯蔵弾性率(G’)が一致するという一点で硬化時間が決まるから、人の感覚による官能試験で指で触って硬化したかどうかを確認する方法に比べて硬化時間にバラツキがないことや、測定者が触れないような過酷な条件でも測定を行えることも、当業者が予測できる程度のことにすぎない。 (5)本件発明1において、引用発明の「23℃、50%RHの環境下」以外の条件で試料を硬化させる場合について 本件発明1のうち、「23℃、50%RHの環境下」以外の条件で試料を硬化させる部分については、この点においてさらに引用発明と相違する。 しかし、硬化性組成物が実際に使用される条件は、必ずしも「23℃、50%RHの環境下」に限られないことは明らかであるから、そのような環境下に限らず、硬化性組成物が実際に使用される環境下で硬化速度を測定してみる程度のことは当業者が適宜なしえることにすぎない。 そして、甲3によれば、室温加硫性のシリコーンゴムは、温度一定のときに湿度(RH)が高いほど化学反応が速くなり、湿度が一定のときは温度が高いほど化学反応が速くなることが知られており、温度や湿度は化学反応、すなわち硬化速度に影響を与える因子であることは公知の事項である。 そうすると、引用発明において、「23℃、50%RHの環境下」以外の条件で硬化速度を測定する際にも、温度や湿度による影響を排除するため、温度、湿度を一定にした条件(例えば25℃、60%RHの環境下など)で測定を行うことは、当業者が容易に想到することである。 (6)特許権者の令和6年2月7日提出の意見書の主張について 特許権者は、令和6年2月7日提出の意見書において、主に以下の3点を主張する。 (ア)材料全体にわたって硬化が均一に進行する甲1の付加硬化型のオルガノポリシロキサン組成物と、大気中の湿気に接触している材料の表面から硬化が始まり、内部に向かって徐々に硬化が進行する縮合硬化型のオルガノポリシロキサン組成物とでは硬化の進行挙動が全く異なる。 甲1では、損失と貯蔵弾性率が交差する時点は、付加硬化反応が始まり、いたるところに微細な硬化物が形成される時点のものを示しているのではなく、付加硬化(架橋)反応が進行し微細な硬化物同士がつながって三次元網状構造が形成されて硬化物が一つの塊として形成され始める時点のものを意味するものであると解される。 これに対して、本件発明では、G’=G”は「表面に硬化被膜が形成されてタックフリーという硬化のごく初期の状態」の時点のもの、即ち「大気中の湿気と接触している試料の表面部分(薄皮一枚)のみが硬化し、試料の内部は未硬化状態(液状又はペースト状)のもの」を意味しており、硬化物が一つの塊として形成され始める時点のものを意味するものではない。(意見書6頁下から3行~9頁下から4行) (イ)甲1には付加硬化型のシリコーンゲル組成物について25℃に維持したボーリン・ストレスレオメーターの台の上で等温的に硬化し、貯蔵弾性率と損失弾性率との交点でゲル化時間を測定したことが記載されているだけであって、シリコーンゴム(モジュラスが105~106Pa)の硬化時間を粘弾性測定によって測定する方法については具体的な記載がなく、当然のことながら、硬化の進行挙動が全く異なる縮合硬化型組成物のように、タックフリータイムを測定する技術思想は全く記載も示唆もない。また、特定の等湿度環境下において粘弾性測定すべきことについても全く記載も示唆もない。(意見書9頁下から3行~10頁7行) (ウ)本件発明1によれば、縮合硬化型の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、試料全体が均一に硬化するのではなく、硬化初期は、まず大気中の湿気と接触している試料の表面部分(薄皮一枚)のみが硬化し、試料の内部は未硬化状態(液体又はペースト状)であり、その状態から試料の表面部分から徐々に試料内部に向かって硬化反応が進行するものであるところ、従来はこの表面(薄皮一枚)の硬化状態(タックフリー)となるまでの時間、すなわちタックフリータイムとしての硬化時間を官能試験(指触乾燥時間)で測定し規定したことにより発生していたバラツキを改善し、所定の温度範囲及び所定の湿度範囲(任意の温湿度範囲)において、試料の表面部分(薄皮一枚)の硬化状態(タックフリー)となるまでの時間、即ちタックフリータイムとしての硬化時間を官能試験によらず再現性よく測定し規定することを可能としたものである。 これは、引用発明及び甲1~甲3,引3~引5のいずれにも記載も示唆もない本件発明特有の優れた作用効果である(意見書10頁下から8行~11頁4行)。 しかし、本件発明1が引用発明及び甲1,甲2の記載に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであることは、上記(3)で述べたとおりであるし、付加硬化型の硬化性組成物と縮合硬化型の硬化性組成物では硬化の挙動が異なるとしても、甲1,甲2に記載された方法によって測定される時間が、湿気により(外側から)硬化する縮合硬化型シリコーンゴム組成物においてはタックフリータイムにおける硬化状態とおおむね同じ状態を意味することや、その方法によれば官能試験によらず再現性よく測定できることが当業者に予測できることも、上記(4)で述べたとおりであるから、これに反する特許権者の主張は的外れであり、採用することはできない。 (7)まとめ したがって、本件発明1は、引用発明及び甲1~甲3,引3~引5に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。 3 本件発明2について 本件発明2は、本件発明1において、「5~90℃の温度範囲及び5~95%RHの湿度範囲での温湿度調節機能を備え、直径が40mm以下の平行平板型冶具又は直径が40mm以下、コーン角が5°以下のコーンプレート型治具を備えた動的粘弾性測定機を用い、所定の温湿度に調節された該測定機の治具内に上記室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の試料を0.1~5mmの範囲で一定の厚みとなるように注入し、60秒以下の一定時間毎に該試料に一定の加振周波数及び歪みを付与して上記貯蔵せん断弾性率及び損失せん断弾性率を測定する」ことをさらに特定するものである。 この点について検討すると、甲5には、高分子の動的粘弾性を測定するためのレオメーターとして、「MCR302レオメーター(Anton Paar 社製)」が記載され、それがペルチェの温調システムを有し、-40℃~200℃の測定可能温度を有し、シリコンオイルなどの粘性体やゲル状素材の測定に用いられること、測定治具として8,25,50mmのパラレルプレート(「平行平板型治具」に相当)及びコーンプレートを有することも記載されている。 そして、その装置を用いて動的粘弾性を測定する際に、角周波数を0.1(rad/s)から 100(rad/s)まで変化させて(本件発明1の「加振周波数・・・を付与」に相当)、貯蔵弾性率G’と損失弾性率G’’を測定したことも記載されている(23頁5~10行)。ここで、損失弾性率は「応力と歪みの間の損失」(甲1の【0063】)に関するものであるから、その測定において「歪み」が付与されることは明らかである。 また、引2によれば、甲5に記載の「MCR302レオメーター(Anton Paar 社製)」は湿度調節オプションを有するものと認められる。 そうすると、23℃、50%RHの環境下にて、試料厚みが2mmとなるように硬化を行う引用発明において、甲1,甲2に記載されるような、レオメーターによって損失弾性率(G”)と貯蔵弾性率(G’)を測定し(動的粘弾性測定を行い)、両者が交差する(一致する)時間を硬化時間とする方法を採用するにあたり、レオメーターとして甲5に記載された公知の装置を用いることは当業者が容易に想到することであるし、その際に8、25、50mmという3つのサイズのパラレルプレートのうち、8mm又は25mmのサイズのものを用いることや、コーンプレートとしてコーン角が5°以下となるものを用いること、さらに、試料を2mm又はその周辺の0.1~5mm程度の範囲で一定の厚みとなるように注入することも、当業者が適宜なしえることにすぎない。また、損失弾性率と貯蔵弾性率が交差する時間を測定するのであれば、測定は短い時間間隔で行う必要があることは明らかであり、その時間間隔を「60秒以下」とすることも、当業者が適宜なしえることである。 したがって、本件発明2は、引用発明及び甲1~甲3,甲5,引2~引5に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。 4 本件発明3について 本件発明3は、本件発明2において、「直径が5~25mmの平行平板型治具を備えた動的粘弾性測定機を用いて上記貯蔵せん断弾性率及び損失せん断弾性率を測定する」ことを特定するものであるが、上記3で指摘したように、甲5に記載された8、25、50mmという3つのサイズのパラレルプレートのうち、8mm又は25mmのサイズのものを用いることは、当業者が容易に想到することである。 したがって、本件発明3は、引用発明及び甲1~甲3,甲5,引2~引5に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。 5 本件発明4について 本件発明4は、本件発明1~3のいずれかにおいて、縮合硬化型の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物が下記(A)~(D)成分を含有することを特定するものである。 「(A)下記平均組成式(1) Ra(XO1/2)bSiO(4-a-b)/2 (1) (式中、Rは独立に非置換又は置換の一価炭化水素基であり、Xは水素原子又は独立に炭素数1~10の非置換の一価炭化水素基であり、aは1.7~2.2の正数であり、bは0.0001~0.2の正数であり、a+bは1.9~2.4を満たす正数である。但し、分子鎖末端のケイ素原子と該ケイ素原子に隣接するケイ素原子を連結する酸素原子(O)は炭素数1~5のアルキレン基で置換されていてもよい。) で示される、分子中に少なくとも1個のケイ素原子に結合した加水分解性シリル基及び/又はケイ素原子に結合した水酸基を有し、分子鎖末端が-SiR2(OH)基及び/又は-R’-SiR13(式中、Rは前記と同じであり、R’は酸素原子又は炭素数1~5のアルキレン基であり、R1はR又はOR2(R2は独立に炭素数1~10の非置換の一価炭化水素基である。)であり、但し3個のR1のうち少なくとも1個はOR2である。)で封鎖されたオルガノポリシロキサン: 100質量部、 (B)下記一般式(2) R3(4-d)Si(OR4)d (2) (式中、R3は炭素数1~10の非置換又はハロゲン置換一価炭化水素基であり、R4は独立に炭素数1~10の非置換の一価炭化水素基であり、dは3又は4である。)で示される加水分解性(オルガノ)シラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物: 0.2~30質量部、 (C)アミノ基含有加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解物: 0.1~10質量部、 (D)硬化触媒: 0.1~10質量部」 そこで、この点について検討すると、引用発明の式(a)で表される両末端シラノール基封鎖ジメチルポリシロキサン・ジフェニルポリシロキサン共重合体は、引1の請求項1の(A)成分に相当するものであり、本件発明4の(A)成分に相当するものである。 引用発明の「メチルトリメトキシシランの部分加水分解物」は、本件発明4の(B)成分に相当し、その配合量は、式(a)で表される両末端シラノール基封鎖ジメチルポリシロキサン・ジフェニルポリシロキサン共重合体を100質量部とすると、4×100/35=約11.4質量部となり、本件発明4の条件を満たす。 引用発明の式(c)で表されるアミノ基含有シランは、本件発明4の(C)成分に相当し、その配合量は、式(a)で表される両末端シラノール基封鎖ジメチルポリシロキサン・ジフェニルポリシロキサン共重合体を100質量部とすると、1×100/35=約2.9質量部となり、本件発明4の条件を満たす。 引用発明の「チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)」に関して、引1の【0033】に「硬化触媒」の例として「イソプロポキシチタンビス(エチルアセトアセテート)」が記載されているが、チタンは四価であることから、その化合物は「ジイソプロポキシチタンビス(エチルアセトアセテート)」(「チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)」と同義)を意味すると認められる。そうすると、引用発明の「チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)」は本件発明4の(D)成分に相当する。その配合量は、式(a)で表される両末端シラノール基封鎖ジメチルポリシロキサン・ジフェニルポリシロキサン共重合体を100質量部とすると、4×100/35=約11.4質量部となり、「0.1~10質量部」である本件発明4の範囲と相違する。 そうすると、引用発明と本件発明4とは、上記2(2)で示した相違点1、2に加えて、硬化触媒の配合量において相違する。 相違点1、2については、上記2(3)で指摘したとおりである。 硬化触媒の配合量の点について検討すると、引1の【0034】には、「(D)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して好ましくは0.1~20質量部、より好ましくは0.2~15質量部、特に好ましくは1~15質量部である。(D)成分の配合量が少なすぎると、十分な架橋性が得られない場合があり、多すぎると、価格的に不利になる場合や硬化速度が低下するなどの欠点が発生する場合がある。」と記載されているから、引用発明において、【0034】に記載された好ましい配合量の範囲内で硬化触媒の配合量を調節してみる程度のことは、当業者が容易になしえることである。 また、硬化触媒の配合量を特定したことの効果に関して、本件明細書の【0038】には、「(D)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して好ましくは0.1~10質量部、より好ましくは0.2~8質量部、特に好ましくは0.5~5質量部である。(D)成分の配合量が少なすぎると、十分な架橋性が得られない場合があり、多すぎると、価格的に不利になる場合や硬化速度が低下するなどの欠点が発生する場合がある。」と記載されているが、そのような効果は引1の【0034】の記載から、当業者が予測できる程度のものである。 したがって、本件発明4は、引用発明及び甲1~甲3,甲5,引2~引5に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。 6 まとめ 以上のとおり、本件発明1は、引用発明及び甲1~甲3,引3~引5に記載された技術的事項に基づいて、また、本件発明2~4は、引用発明及び甲1~甲3,甲5,引2~引5に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、いずれも特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本件発明1~4に係る特許は、特許法第113条第2号に該当し取り消すべきものである。 第6 むすび 特許第7088116号の明細書及び特許請求の範囲を、補正された訂正請求書に添付された訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~4〕について訂正することを認める。 本件特許の請求項1~4に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2022-701255

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ当事者の審決206件(信越化学工業株式会社、廣瀬 妙子)
  • 2026-700312異議申立 / 2026-07-13 / 維持熱伝導性シリコーンゴムシート
    同じ当事者: 信越化学工業株式会社
  • 2026-700183異議申立 / 2026-06-29 / 維持成膜装置、成膜方法、酸化ガリウム膜および積層体
    同じ当事者: 信越化学工業株式会社
  • 2026-700030異議申立 / 2026-06-04 / 維持ガーネット型透明セラミックスのレーザー損傷閾値の改善方法
    同じ当事者: 信越化学工業株式会社
  • 2025-700738異議申立 / 2026-03-12 / 訂正認容ペースト状シリコーン組成物、その製造方法及び化粧料
    同じ当事者: 信越化学工業株式会社
  • 2024-700100異議申立 / 2026-03-06 / 訂正認容プリプレグ、及びプリント配線基板
    同じ当事者: 信越化学工業株式会社
同じ根拠条文の審決7,823件(特許法113条2号、特許法29条2項)
  • 2023-701055異議申立 / 2025-11-27 / 請求成立(取消)ポリオレフィン樹脂フィルム
    共通の条文: 特許法113条2号、特許法29条2項
  • 2024-701075異議申立 / 2025-06-16 / 請求成立(取消)難燃性シクロオレフィン系樹脂成形体製造方法
    共通の条文: 特許法113条2号、特許法29条2項
  • 2023-700635異議申立 / 2024-10-24 / 請求成立(取消)重合体組成物及びその製造方法、並びにタイヤ
    共通の条文: 特許法113条2号、特許法29条2項
  • 2023-701256異議申立 / 2024-06-28 / 請求成立(取消)ホットメルト組成物
    共通の条文: 特許法113条2号、特許法29条2項
  • 2020-700991異議申立 / 2022-02-03 / 訂正認容樹脂組成物、これを用いた摩擦材、摩擦部材、及びドラムブレーキ用ブレーキシュー
    共通の条文: 特許法113条2号、特許法29条2項
同じ論点・分野の審決(審決分類)1,266件(121・C08L)
  • 2026-700179異議申立 / 2026-06-29 / 維持バイオマス資源由来ポリエステルエラストマーを使用した難燃性樹脂組成物
    共通の審決分類: 121・C08L
  • 2026-700251異議申立 / 2026-06-23 / 維持食品の高温充填包装に好適なプロピレン-エチレンコポリマー組成物
    共通の審決分類: 121・C08L
  • 2025-700321異議申立 / 2026-06-04 / 訂正認容樹脂組成物及び成形体
    共通の審決分類: 121・C08L
  • 2025-700949異議申立 / 2026-05-29 / 訂正認容樹脂組成物およびパワーモジュール
    共通の審決分類: 121・C08L
  • 2025-700661異議申立 / 2026-04-30 / 訂正認容ポリプロピレンコーティング組成物
    共通の審決分類: 121・C08L

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存