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特許拒絶査定不服審判

2021-000534

撮像モジュール及びその電気的支持体

審判番号
2021-000534
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2018-528239外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2021年01月14日
審決日
2021年07月28日
公報発行日
2022年01月28日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .575-Z (H01L) / P18 .121-Z (H01L)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2018-528239「撮像モジュール及びその電気的支持体」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 6月 8日国際公開、WO2017/092695、平成31年 1月10日国内公表、特表2019-500747、請求項の数(13)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 12項目
理 由

第1 手続の経緯

折りたたみ中(クリックで表示)

本願は、2016年12月1日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2015年12月1日 中国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。

平成30年 7月31日 :翻訳文、手続補正書の提出
令和 1年 8月28日付け :拒絶理由通知書
令和 1年12月 2日 :意見書、手続補正書の提出
令和 2年 5月26日付け :拒絶理由通知書
令和 2年 9月 1日 :意見書、手続補正書の提出
令和 2年 9月 7日付け :拒絶査定(原査定)
令和 3年 1月14日 :審判請求書、手続補正書の提出
令和 3年 3月19日 :前置報告書
令和 3年 4月 8日 :上申書
令和 3年 5月21日 :応対

第2 令和3年1月14日にされた手続補正についての補正の却下の決定

[補正の却下の決定の結論]

令和3年1月14日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]

1 本件補正について(補正の内容)

(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載

本件補正は、補正前の請求項9~12を削除するとともに、当該削除に対応して、補正前の請求項13~17を、それぞれ補正後の請求項9~13として項番号を繰上げ、補正後の請求項1、9の記載を補正するものであり、補正後の請求項1、9の記載は、次のとおりである(下線部は、補正箇所である。)。

「【請求項1】
撮像モジュールであって、
レンズと、
前記レンズが設置されるモータと、
前記レンズが感光性チップの感光経路に位置する前記感光性チップと、
前記モータを支持する電気的支持体であって、前記電気的支持体は、支持体本体と前記支持体本体に内蔵された回路とを備え、前記支持体本体は、第1支持部、第2支持部、及び、第3支持部を備え、前記第1支持部、前記第2支持部、及び、前記第3支持部は共に中空のリング構造を形成し、前記第1支持部は、前記第2支持部の上部に積層され、前記第3支持部は、前記第1支持部及び前記第2支持部の内側から延在してボスを形成し、前記ボスの上部表面及び前記支持体本体の内側面は、第1収容空間を形成し、前記ボスの下部表面及び前記支持体本体の内側面は、第2収容空間を形成する、電気的支持体と、
前記電気的支持体に設置され、前記電気的支持体と前記撮像モジュールにおける各電気的部材とを電気的に接続する複数の接続装置と、を有し、
前記電気的部材には、前記モータと前記感光性チップとが含まれ、
前記複数の接続装置には、少なくとも、前記モータの電気的接続を実現するために利用されるモータ接続装置と、前記感光性チップの電気的接続を実現するために利用される少なくとも一つの感光性チップ接続装置と、が含まれることを特徴とする撮像モジュール。」
「【請求項9】
複数の接続装置を備えて撮像モジュールに適用される電気的支持体であって、
前記撮像モジュールは、光学レンズアセンブリと、前記光学レンズアセンブリを取り付けるモータと、を含み、
前記電気的支持体は、支持体本体と前記支持体本体に内蔵された回路とを含み、前記回路は、前記回路に内蔵され、
前記支持体本体は、第1支持部、第2支持部、及び、第3支持部を備え、前記第1支持部、前記第2支持部、及び、前記第3支持部は共に中空のリング構造を形成し、前記第1支持部は、前記第2支持部の上部に積層され、前記第3支持部は、前記第1支持部及び前記第2支持部の内側から延在してボスを形成し、前記ボスの上部表面及び前記支持体本体の内側面は、第1収容空間を形成し、前記ボスの下部表面及び前記支持体本体の内側面は、第2収容空間を形成し、
前記複数の接続装置は、前記電気的支持体に設けられ、前記回路と電気的に接続されて、前記撮像モジュールにおける各電気的部材の電気伝導をそれぞれ実現し、
前記複数の接続装置は、モータ接続装置を備え、前記モータ接続装置は前記モータを支持することを特徴とする電気的支持体。」

(2)本件補正前の特許請求の範囲

本件補正前の、令和2年9月1日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1、13の記載は次のとおりである。

「【請求項1】
撮像モジュールであって、
レンズと、
前記レンズが設置されるモータと、
前記レンズが感光性チップの感光経路に位置する前記感光性チップと、
前記モータを支持する電気的支持体と、
前記電気的支持体に設置され、前記電気的支持体と前記撮像モジュールにおける各電気的部材とを電気的に接続する複数の接続装置と、を有し、
前記電気的部材には、前記モータと前記感光性チップとが含まれ、
前記複数の接続装置には、少なくとも、前記モータの電気的接続を実現するために利用されるモータ接続装置と、前記感光性チップの電気的接続を実現するために利用される少なくとも一つの感光性チップ接続装置と、が含まれており、
前記電気的支持体において、前記モータ接続装置により前記モータが支持されることを特徴とする撮像モジュール。」
「【請求項13】
接続装置を備えて撮像モジュールに適用される電気的支持体であって、
前記撮像モジュールは、
複数の接続装置と、
電気的支持体と、を含み、
前記電気的支持体は、支持体本体と回路を含み、前記回路は、前記支持体本体に内蔵され、前記複数の接続装置は、前記電気的支持体に設けられ、前記回路と電気的に接続されて、前記撮像モジュールにおける各電気的部材の電気伝導をそれぞれ実現し、
前記複数の接続装置に、少なくともモータ接続装置が含まれ、前記モータ接続装置により、前記撮像モジュールのモータが支持されることを特徴とする電気的支持体。」

2 補正の適否

本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を補正する補正事項を含むものであるところ、当該補正事項は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「電気的支持体」について、上記のとおり、「前記電気的支持体は、支持体本体と前記支持体本体に内蔵された回路とを備え、前記支持体本体は、第1支持部、第2支持部、及び、第3支持部を備え、前記第1支持部、前記第2支持部、及び、前記第3支持部は共に中空のリング構造を形成し、前記第1支持部は、前記第2支持部の上部に積層され、前記第3支持部は、前記第1支持部及び前記第2支持部の内側から延在してボスを形成し、前記ボスの上部表面及び前記支持体本体の内側面は、第1収容空間を形成し、前記ボスの下部表面及び前記支持体本体の内側面は、第2収容空間を形成する、電気的支持体」との限定を付加するとともに、本件補正前の請求項1に記載された「前記電気的支持体において、前記モータ接続装置により前記モータが支持される」との記載を削除するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするもの、及び、同法同条同項第4号の明りようでない記載の釈明を目的とするものに該当する。

そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。

(1)本件補正発明

本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。

(2)引用文献の記載事項

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ア 引用文献1

(ア)原査定の拒絶の理由で引用された本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、特開2005-6279号公報(以下「引用文献1」という。)には、図面とともに、次の記載がある。

「【技術分野】
【0001】
本発明は、多層配線基板、部品実装方法、及び撮像装置に係り、特に複数の部品が重ねて実装される多層配線基板、この多層配線基板への部品実装方法、及び前記多層配線基板を備えた撮像装置に関する。」
「【0035】
[第1実施形態]
以下、図面を参照して本発明の多層配線基板、部品実装方法、及び、撮像装置の第1実施形態について説明する。本実施形態では、撮像装置としてデジタルカメラを例に説明する。
【0036】
続きを表示(全64行)
本発明に係るデジタルカメラ10は、図1に示すように、筐体12を備え、前面にレンズ13を含んで構成されるレンズユニット14、上面にシャッタボタン16を備える。図2に、デジタルカメラ10の制御系の概略ブロック図を示す。デジタルカメラ10は、操作部20、CCDイメージセンサ52、LCD24、CPU26、ドライバ回路28、メディアI/F30(外部メディア31にアクセス可能とされている)、内蔵メモリ32、通信I/F34を備える。ドライバ回路28は、レンズユニット14と接続されており、レンズユニット14を駆動させる駆動信号を送信可能とされている。操作部20、CCDイメージセンサ52、LCD24、CPU26、ドライバ回路28、メディアI/F30、内蔵メモリ32、通信I/F34、及びシャッタボタン16は、バス36を介して各々接続されている。
【0037】
デジタルカメラ10の内部には、多層配線基板40が備えられている。多層配線基板40は、図3に示すように、片側の面に、板厚方向の最も外側の面を構成する四角枠状の最外側面部42、最外側面部42の枠の内側に構成され、最外側面部42よりも多層配線基板40の板厚方向の内側に位置する四角枠状の第1面部44、第1面部44の枠の内側に構成され、第1面部44よりも多層配線基板40の板厚方向の内側に位置する四角枠状の第2面部46を備える。したがって、多層配線基板40の片側面には、最外側面部42、第1面部44及び第2面部46が各々段差を有し、階段状の層構造とされている。この段差は、後述するCCDイメージセンサ52の厚みよりも高い段差とされている。第2面部46には、第2面部46の中央部が貫通された光透過窓48が構成されている。また、多層配線基板40の最外側面部42、第1面部44、第2面部46の背面側には、裏面部50が構成されている。
【0038】
図4、図5、及び図6に示すように、多層配線基板40には、CCDイメージセンサ52、第1回路54、ドライバ回路28、レンズユニット14、フレキシブル基板56、複数の抵抗やコンデンサなどを含む表面部品58、及び複数の抵抗やコンデンサなどを含む裏面部品60が実装されている。
【0039】
CCDイメージセンサ52は、第2面部46に配置され、その端子52Aは第2面部46で電気的に接続されている。CCDイメージセンサ52は、光透過窓48をカバー可能なサイズとされ、その受光面53が第2面部46と向き合う方向で光透過窓48を塞ぐように配置され、光透過窓48からの光を受光可能とされている。
【0040】
第1回路54は、第1面部44の1つの角に配置され、その端子54Aは第1面部44で電気的に接続されている。端子54Aは、第1回路54の一端領域に配置され、他端領域は、CCDイメージセンサ52とは非接触でCCDイメージセンサ52と重なり合う位置に配置されている。
【0041】
ドライバ回路28は、第1面部44の第1回路54が配置された角の対角線上にある角に配置され、その端子28Aは第1面部44で電気的に接続されている。端子28Aは、ドライバ回路28の一端領域に配置され、他端領域は、CCDイメージセンサ52とは非接触でCCDイメージセンサ52と重なり合う位置に配置されている。
【0042】
フレキシブル基板56は、最外側面部42に、第1面部44及び第2面部46を覆うように配置され、その一端部端子(図示省略)は最外側面部42で電気的に接続されている。フレキシブル基板56の最外側面部42と逆側の面は、アルミ層57でシールドされている。フレキシブル基板56の他端部端子(図示省略)は、他の基板(図示省略)やLCDと接続されている。
【0043】
レンズユニット14は、裏面部50の光透過窓48を挟んでCCDイメージセンサ52と向き合う位置に配置されており、その端子(図示省略)は裏面部50で電気的に接続されている。レンズユニット14から出力される光は、光透過窓48を透過してCCDイメージセンサ52の受光面53に結像可能とされている。光透過窓48のレンズユニット14側には、光透過窓48を覆うように、光を透過可能なカバーガラス49が配置されている。
【0044】
表面部品58は、第1面部44の、第1回路54及びドライバ回路28が配置されていない位置に配置され、その端子(図示省略)は第1面部44に電気的に接続されている。また、裏面部品60は、裏面部50に配置され、その端子(図示省略)は裏面部50に電気的に接続されている。
【0045】
上記構成の多層配線基板40への各部品の実装は、図7示す手順で行うことにより、容易に複数の部品を重ねて実装することができる。
【0046】
まず、図7(A)に示すように、多層配線基板40の第2面部46へ、光透過窓48を塞ぐようにCCDイメージセンサ52を実装する。このとき、CCDイメージセンサ52の受光面を光透過窓48側へ向ける。次に、図7(B)に示すように、裏面部50へ裏面部品60を実装すると共に、カバーガラス49を光透過窓48を塞ぐように配置し、CCDイメージセンサ52の受光面を封止する。次に、図7(C)に示すように、第1面部44へ第1回路54及びドライバ回路28を実装する。次に、最外側面部42へフレキシブル基板を配置し、その外側をアルミ層57でシールドする。そして、図7(D)に示すように、裏面部50へレンズユニット14を実装する。
【0047】
上記構成によれば、第1面部44と第2面部46との間に段差が付けられているので、第1回路54及びドライバ回路28の一部分を第1面部44上に配置しながら他部分をCCDイメージセンサ52に非接触で重ねて配置することができ、第1回路54及びドライバ回路28の端子をワイヤなしで第1面部44と電気的に接続させることができる。したがって、第1回路54及びドライバ回路28の端子を第2面部46まで配線する必要がなく、配線に用いられるワイヤなどへのノイズの影響も回避できる。
【0048】
また、上記構成によれば、複数の部品が重ねて多層配線基板40に実装されるので、複数の部品を平置きした場合と比較して、多層配線基板40の面積を小さくすることができる。
【0049】
また、上記構成によれば、多層配線基板40の厚み方向の内側にCCDイメージセンサ52、第1回路54、及びドライバ回路28を配置したので、これらを多層配線基板40の最外側面部42に配置した場合と比較して、第1回路54やドライバ回路などの実装部品を含めた多層配線基板40の厚みを薄くすることができる。
【0050】
また、上記構成によれば、多層配線基板40に光透過窓48を構成し、CCDイメージセンサ52を多層配線基板40の光透過窓48を挟んで光の入射される方向と逆側に配置したので、CCDイメージセンサ52は多層配線基板40の第2面部46部分の厚み分だけレンズ13から離れた位置に配置されることになる。ここで、デジタルカメラ10において、レンズ13とCCDイメージセンサ52の受光面53との間の距離は、受光面53のサイズに依存して決定されている。そこで、前述のように、CCDイメージセンサ52を配置すると、多層配線基板40の第1面部44部分の厚み分がこの距離に吸収される。したがって、レンズユニット14を含めた部品実装後の多層配線基板40の厚みを、CCDイメージセンサ52を多層配線基板40の裏面部50側に配置した場合と比較して、薄くすることができる。このような配置とすることで、レンズユニット14の樹脂部を特殊形状としてレンズ13とCCDイメージセンサ52との距離を短くする必要がなく、汎用のレンズユニットを容易に利用することができる。
【0051】
また、本実施形態では、最外側面部42を設け、第1回路54及びドライバ回路28の厚みも吸収しているので、最外側面部42に容易にアルミ層57でシールドすることができる。
【0052】
なお、本実施形態では、デジタルカメラ10を例にして説明したが、本発明に係る撮像装置としてはデジタルカメラに限定されるものではなく、デジタルビデオカメラや、カメラ付き携帯電話なども含まれる。カメラ付き携帯電話としては、例えば図8に示すように、ディスプレイ81、スピーカ82、マイク83、各種操作ボタン84、カメラ85等を備えた一般的なものに、本発明の多層配線基板40を適用することができる。
【0053】
また、本実施形態では、イメージセンサとしてCCDイメージセンサ52を用いた例について説明したが、イメージセンサとしてはCCDイメージセンサに限定されるものではない。CMOSイメージセンサなど、他のデバイスであってもよい。
【0054】
また、本実施形態では、多層配線基板40に、最外側面部42、第1面部44、及び第2面部46の3つの面部を構成した例について説明したが、面部は2つでも、4つ以上でもよい。
【0055】
なお、本発明の多層配線基板は、セラミック基板であることが好ましい。ガラスエポキシ基板の場合には、板状の基板の面を削って凹部を形成する必要があり、このようにして形成された凹部の断面からは、削りゴミが発生しやすい。セラミック基板であれば、成形の自由度が高いため型抜きにより凹部を形成することができ、削りゴミの発生を防止できるからである。
【0056】
[第2実施形態]
次に、本発明の多層配線基板、部品実装方法、及び、撮像装置の第2実施形態について説明する。本実施形態では、第1実施形態と同様の部分については同一の符号を付して、詳細な説明は省略する。
【0057】
本実施形態の多層配線基板は、第1実施形態の多層配線基板と同様に、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、カメラ付携帯電話などの、撮像装置に使用することができる。
【0058】
図9に示すように、多層配線基板61は、9つの層(図9の上側から順に、第1層62A~第9層62I)が積層されて構成されている。
【0059】
第1層62A及び第2層62Bは同一形状とされ(以下これらをまとめて「第1段62α」という)、これらの中央部に光を透過可能な光透過窓48が構成されている。第1層62Aの第2層62Bの重ねられていない側には、裏面部50が構成されている。
【0060】
第3層62C、第4層62D、及び第5層62Eは同一形状とされ(以下これらをまとめて「第2段62β」という)、これらの中央部には第1開口64が構成されている。第1開口64は光透過窓48よりも大きい開口とされ、その外縁は光透過窓48の外縁よりも外側に配置され、第1段62αと第2段62βとの間で光透過窓48から外側に向かって段差が形成されている。第1段62αの第2段62β側の第1露出面68には、CCDイメージセンサ52を実装可能とされている。段差D1は、CCDイメージセンサ52の厚みよりも大きくなっている。
【0061】
第6層62F、第7層62G、第8層62H、及び第9層62Iは同一形状とされ(以下これらをまとめて「第3段62γ」という)、これらの中央部には第2開口66が構成されている。第2開口66(審決注:「64」は誤記と認定した。)は第1開口64よりも大きい開口とされ、その外縁は第1開口64の外縁よりも外側に配置され、第2段62βと第3段62γとの間にも光透過窓48から外側に向かって段差が形成されている。第2段62βの第3段62γ側の第2露出面70には、第1回路54及びドライバ回路28を実装可能とされている。段差D2は、第1回路54及びドライバ回路28の厚みよりも大きくなっている。また、第3段62γの第2段62βと反対側には第3露出面72が構成されている。
【0062】
上記のように構成される多層配線基板61の、第1露出面68、第2露出面70、及び第3露出面72は、第1実施形態の第2面部46、第1面部44、及び最外側面部42に、各々対応している。第1露出面68にはCCDイメージセンサ52が、第2露出面70には第1回路54、ドライバ回路28、及び表面部品58が、第3露出面72には、フレキシブル基板56が、そして、裏面部50にはレンズユニット14及び裏面部品60が、第1実施形態と同様にして実装されている。
【0063】
上記構成の多層配線基板61への各部品の実装は、図10に示す手順で行うことにより、容易に複数の部品を重ねて実装することができる。
【0064】
まず、図10(A)に示すように、多層配線基板40の第1露出面68へ、光透過窓48を塞ぐようにCCDイメージセンサ52を実装する。このとき、CCDイメージセンサ52の受光面53を光透過窓48側へ向ける。次に、図10(B)に示すように、裏面部50へ裏面部品60を実装すると共に、カバーガラス49を光透過窓48を塞ぐように配置し、CCDイメージセンサ52の受光面を封止する。次に、図10(C)に示すように、第2露出面70へ第1回路54及びドライバ回路28を実装する。このとき、CCDイメージセンサ52と第1回路54及びドライバ回路28とが重なり合う部分にアンダーフィル(接着材)55を塗布する。これにより、各部品の固定を強固にすることができる。次に、第3露出面72へフレキシブル基板を配置し、その外側をアルミ層57でシールドする。そして、図10(D)に示すように、裏面部50へレンズユニット14を実装する。
【0065】
本実施形態の多層配線基板61によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、積層する層の枚数を変更することにより、容易に段差D1、D2の高さを変更することができるので、実装する部品に応じた多層配線基板61の製造を容易に行うことができる。」

図4、7、9、10は、以下のとおりのものである。

[図:0001380687000001.jpg]

[図:0001380687000002.jpg]

[図:0001380687000003.jpg]

[図:0001380687000004.jpg]

(イ)上記記載から、引用文献1には、次の技術的事項が記載されているものと認められる。

a 引用文献1に記載された技術は、多層配線基板、部品実装方法、及び撮像装置に係り、特に複数の部品が重ねて実装される多層配線基板、この多層配線基板への部品実装方法、及び前記多層配線基板を備えた撮像装置に関するものであり(【0001】)、多層配線基板は、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、カメラ付携帯電話などの、撮像装置に使用することができる(【0057】)。

b 第1実施形態において、デジタルカメラ10は、前面にレンズ13を含んで構成されるレンズユニット14、ドライバ回路28を備え、ドライバ回路28は、レンズユニット14と接続されており、レンズユニット14を駆動させる駆動信号を送信可能とされている(【0036】)。

c 第1実施形態において、デジタルカメラ10の内部には、多層配線基板40が備えられており、多層配線基板40の最外側面部42、第1面部44、第2面部46の背面側には、裏面部50が構成されており(【0037】)、多層配線基板40には、CCDイメージセンサ52、第1回路54、ドライバ回路28、レンズユニット14、フレキシブル基板56、複数の抵抗やコンデンサなどを含む表面部品58、及び複数の抵抗やコンデンサなどを含む裏面部品60が実装されている(【0038】)。

d 第1実施形態において、CCDイメージセンサ52は、第2面部46に配置され、その端子52Aは第2面部46で電気的に接続されており(【0039】)、第1回路54は、第1面部44の1つの角に配置され、その端子54Aは第1面部44で電気的に接続されており(【0040】)、ドライバ回路28は、第1面部44の第1回路54が配置された角の対角線上にある角に配置され、その端子28Aは第1面部44で電気的に接続されており(【0041】)、フレキシブル基板56は、最外側面部42に、第1面部44及び第2面部46を覆うように配置され、その一端部端子(図示省略)は最外側面部42で電気的に接続されており(【0042】)、レンズユニット14は、裏面部50の光透過窓48を挟んでCCDイメージセンサ52と向き合う位置に配置されており、その端子(図示省略)は裏面部50で電気的に接続されており、光透過窓48のレンズユニット14側には、光透過窓48を覆うように、カバーガラス49が配置されている(【0043】)。

e 第2実施形態において、多層配線基板61は、9つの層(図9の上側から順に、第1層62A~第9層62I)が積層されて構成されており(【0058】)、第1層62A及び第2層62Bは同一形状とされ(以下これらをまとめて「第1段62α」という)、これらの中央部に光を透過可能な光透過窓48が構成されており、第1層62Aの第2層62Bの重ねられていない側には、裏面部50が構成されており(【0059】)、第3層62C、第4層62D、及び第5層62Eは同一形状とされ(以下これらをまとめて「第2段62β」という)、これらの中央部には第1開口64が構成されており、第1開口64は光透過窓48よりも大きい開口とされ、その外縁は光透過窓48の外縁よりも外側に配置され、第1段62αと第2段62βとの間で光透過窓48から外側に向かって段差が形成され、第1段62αの第2段62β側の第1露出面68には、CCDイメージセンサ52を実装可能とされている(【0060】)。

第6層62F、第7層62G、第8層62H、及び第9層62Iは同一形状とされ(以下これらをまとめて「第3段62γ」という)、これらの中央部には第2開口66が構成されており、第2開口66は第1開口64よりも大きい開口とされ、その外縁は第1開口64の外縁よりも外側に配置され、第2段62βと第3段62γとの間にも光透過窓48から外側に向かって段差が形成されており、第2段62βの第3段62γ側の第2露出面70には、第1回路54及びドライバ回路28を実装可能とされている(【0061】)。

f 第2実施形態において、多層配線基板61の、第1露出面68、第2露出面70、及び第3露出面72は、第1実施形態の第2面部46、第1面部44、及び最外側面部42に、各々対応しており、第1露出面68にはCCDイメージセンサ52が、第2露出面70には第1回路54、ドライバ回路28、及び表面部品58が、第3露出面72には、フレキシブル基板56が、そして、裏面部50にはレンズユニット14及び裏面部品60が、第1実施形態と同様にして実装されている(【0062】)。

(ウ)上記(ア)、(イ)から、引用文献1には、第1実施形態についての記載を勘案すると、第2実施形態として、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「前面にレンズ13を含んで構成されるレンズユニット14を備えるデジタルカメラであって、
デジタルカメラの内部には、多層配線基板61が備えられ、
多層配線基板61は、9つの層(第1層62A~第9層62I)が積層されて構成されており、
第1層62A及び第2層62Bは同一形状とされ(以下これらをまとめて「第1段62α」という)、これらの中央部に光を透過可能な光透過窓48が構成されており、第1層62Aの第2層62Bの重ねられていない側には、裏面部50が構成されており、
第3層62C、第4層62D、及び第5層62Eは同一形状とされ(以下これらをまとめて「第2段62β」という)、これらの中央部には第1開口64が構成されており、第1開口64は光透過窓48よりも大きい開口とされ、その外縁は光透過窓48の外縁よりも外側に配置され、第1段62αと第2段62βとの間で光透過窓48から外側に向かって段差が形成され、第1段62αの第2段62β側の第1露出面68には、CCDイメージセンサ52を実装可能とされており、
第6層62F、第7層62G、第8層62H、及び第9層62Iは同一形状とされ(以下これらをまとめて「第3段62γ」という)、これらの中央部には第2開口66が構成されており、第2開口66は第1開口64よりも大きい開口とされ、その外縁は第1開口64の外縁よりも外側に配置され、第2段62βと第3段62γとの間にも光透過窓48から外側に向かって段差が形成されており、第2段62βの第3段62γ側の第2露出面70には、第1回路54及びドライバ回路28を実装可能とされており、
第1露出面68にはCCDイメージセンサ52が、第2露出面70には第1回路54、ドライバ回路28、及び表面部品58が、第3露出面72には、フレキシブル基板56が、裏面部50にはレンズユニット14及び裏面部品60が、実装されており、
CCDイメージセンサ52の端子52Aは第1露出面68で電気的に接続されており、第1回路54の端子54Aは第2露出面70で電気的に接続されており、ドライバ回路28の端子28Aは第2露出面70で電気的に接続されており、フレキシブル基板56の一端部端子は第3露出面72で電気的に接続されており、レンズユニット14の端子は裏面部50で電気的に接続されており、光透過窓48のレンズユニット14側には、光透過窓48を覆うように、カバーガラス49が配置されており、
ドライバ回路28は、レンズユニット14と接続されており、レンズユニット14を駆動させる駆動信号を送信可能とされている、デジタルカメラ。」

イ 引用文献2

(ア)同じく原査定で周知技術を示す文献として提示され、本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2013-232756号公報(以下「引用文献2」という。)には、次の記載がある。

「【0025】
<1.第1の実施の形態(非積層センサを用いる場合)>
[光学モジュールの構造]
図3は、本技術の光学モジュール101の断面の構成を示す図である。例えばカメラに装填されるカメラモジュールを構成する光学モジュール101においては、センサ110が、ロジック部111と受光部112とにより構成されている。ロジック部111には受光部112より出力された画素データを処理する回路が形成されている。受光部112は、ロジック部111のほぼ中央の上面側に形成されている。図3において受光部112の上面に半球状に示されている突起は、それぞれ赤、緑、青等の画素を構成する部分であり、対応する受光素子に光を収束するレンズを含んでいる。図3においては簡単のため、3個のみが示されているが、実際には画素は多数形成されている。
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【0026】
センサ110はメモリチップ122とサイズが異なっている。すなわち、センサ110はメモリチップ122よりサイズが小さく、ダイボンド材121によりメモリチップ122のほぼ中央の上面122Uに重なるように直接接合されている。メモリチップ122は、センサ110により撮像され、出力された画素データを記憶するメモリであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)により構成される。
【0027】
メモリチップ122はその周辺が、導電性材料としての例えば金(Au)のバンプ113により、基板114の図中下側の面114Bにパッド118を介してフリップチップ接続されている。フリップチップの接続部であるバンプ113は、補強のためアンダーフィル119を塗布して封止されている。
【0028】
基板114のほぼ中央には、受光部112に光を入射させるための開口部114Aが形成されている。センサ110は、メモリチップ122からこの開口部114Aに向かって突出するように、メモリチップ122の上面122Uに接合されている。つまりセンサ110はメモリチップ122よりサイズが小さいので、メモリチップ122とセンサ10の間には、センサ110の厚さの分だけ段差が形成されている。基板114の図中上側の面114Cには、開口部114Aを閉じるように、フィルタ115が接合されている。このフィルタ115は、受光部112に赤外線が入射するのを防止するとともに、受光部112の画素面へのダストの落下を防止する。
【0029】
保持部材116と、保持部材116により保持されるレンズ117とによりレンズユニット131が構成されている。保持部材116は、基板114の面114Bと対向する面114Cに接合されている。
【0030】
センサ110とメモリチップ122は、導電性材料としての例えば金などのワイヤ120により接続されている。ワイヤ120は、センサ110の開口部114A側の面の周辺と、フリップチップ接続されたバンプ113とセンサ110の端面110Aとの間のメモリチップ122の領域122Aに接続されている。
【0031】
なお、保持部材116内にレンズ117を稼働させるアクチュエータを設け、いわゆるオートフォーカス機能を持たせることもできる。
【0032】
以上の構成により、被写体からの光が、レンズ117とフィルタ115を介して受光部112に入射する。受光部112により生成された画素データはロジック部111の回路により処理され、外部に出力される。」
「【0046】
[製造処理]
次に、図3の光学モジュール101の製造方法について説明する。図6は、光学モジュール101の製造方法を説明するフローチャートであり、図7は、図3の光学モジュール101の製造過程を説明する図である。
【0047】
ステップS1において準備部511は、メモリチップ122等を用意する。勿論このとき、メモリチップ122以外の必要な部材が用意される。例えばセンサ110、基板114、フィルタ115、レンズユニット131等も用意される。ステップS2において接続部512は、図7Aに示されるように、メモリチップ122の図の上側の面122Uの周辺に、バンプ113を形成する。例えば、金のワイヤでスタッドバンプが形成される。基板114の下面114Bとメモリチップ122の上面122Uとの距離である接続ギャップG11は、必要に応じて多段にし、調整することも可能である。この実施の形態の場合、バンプ形成は、ダイシング済みのメモリチップ122に対して行われるが、ダイシング前のメモリのウエハーに対して行うこともできる。バンプをメッキで形成する場合には、ウエハーレベルで形成することが望ましい。
【0048】
また、本製造方法では、メモリチップ122側にバンプ113を形成しているが、基板114側に形成してもよい。バンプ113を多段に形成する場合は、メモリチップ122と基板114の両方にバンプ113を形成してフリップチップ接続することも可能である。
【0049】
ステップS3において接続部512は、フリップチップ接続する。すなわち、図7Bに示されるように、メモリチップ122がバンプ113を介して基板114の下面114Bに接続される。このとき超音波振動が利用され、メモリチップ122の周辺の全てのバンプ113が同時に接続される。メモリチップ122の周辺には、図4に示した低非誘電率膜31や層間膜32は形成されていないので、クラック等の損傷が発生するおそれは少ない。そしてバンプ113は、補強のためアンダーフィル119が塗布され、封止される。これにより、メモリチップ122はその周辺が、バンプ113により基板114の図中下側の面114Bにパッド118を介してフリップチップ接続される。 」

図3、7は、以下のとおりのものである。

[図:0001380687000005.jpg]

[図:0001380687000006.jpg]

(イ)上記記載から、引用文献2には、次の技術が記載されていると認められる。

「メモリチップ122をバンプ113により基板114に接続するに際し、バンプ113をあらかじめメモリチップ122側に形成しても、基板114側に形成してもよいこと。」

ウ 引用文献7

(ア)同じく原査定で周知技術を示す文献として提示され、本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2010-246007号公報(以下「引用文献7」という。)には、次の記載がある。

「【0026】
以上を踏まえ、以下では本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る撮像素子モジュールの構成を模式的に示す縦断面図および側面図である。図1(a)中のA-Aa位置にから見た側面が図1(b)に示される。図1に示すように、この撮像素子モジュールは、配線板10、配線板20、固体撮像素子チップ30、ボンディングワイヤ41、異方性導電性フィルム51、接着剤52、異方性導電性ペースト53、レンズユニット60を有する。
【0027】
配線板10は、ランド11、12を含む表面の配線パターンと、ランド13を含む裏面の配線パターンとを少なくとも備えてほぼ矩形の板形状を有し、不図示の縦方向導電体により、表裏面の配線パターンは電気的に接続可とされている。配線板20は、表面(および裏面)に配線パターンを備え、この配線パターン上に表面実装された部品(表面実装型受動素子部品)21を有している。固体撮像素子チップ30は、受光部31を備えており、受光部31のある面の面端近くには端子パッド32が位置している。
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【0028】
・・・配線板20は、ほぼ矩形の板形状であり、その対向する端面の一方の側が配線板10に対向して配線板10の周縁近く上に立設されている。本実施形態では、特に、配線板10の矩形の対向する2辺のそれぞれに沿うように2枚の配線板20が立設されている。
【0029】
配線板20の下側端面と配線板10との間には、異方性導電性フィルム51の層があり、配線板20の下側端面に設けられた導電体(不図示)と配線板10に設けられたランド12との間を電気的、機械的に接続している。また、図1(a)右側の配線板20については、配線板20の上側端面とレンズユニット60に設けられた、配線板20をはめ込むための凹部の奥側端面との間に異方性導電性ペースト53の層があり、配線板20の上側端面に設けられた導電体(不図示)とレンズユニット60の凹部の奥側端面に設けられた電気端63との間を電気的、機械的に接続している。
【0030】
配線板10および配線板20のそれぞれ表裏面には、不図示のソルダーレジストの層がある。このソルダーレジストの層は、はんだ、ボンディングワイヤ、異方性導電性フィルムなどの導電材が接続され得るランド上を除いて全面的に形成された保護膜である。配線板10および配線板20については、より具体的な構成の例を後述する(図4ないし図7)。
・・・
【0032】
配線板20は、配線板10の周縁近く上に異方性導電性フィルム51を介して立設された部品実装基板である。配線板20は、異方性導電性フィルム51を介して、配線板10上のランド11と電気的に接続されている。このため配線板20の下側端面には導体部(不図示)が配されている。配線板20における部品実装の形態としては、その表面に部品21が実装されている形態に限らず、板内に内蔵(埋め込み)で設けられていてもよい。また、配線板20は、その上側端面にも導体部(不図示)が設けられている場合があり、その場合には、異方性導電性ペースト53を介して、レンズユニット60の凹部の奥側端面に設けられた電気端63と電気的に接続されている。このため配線板20の上側端面には導体部(不図示)が配されている場合がある。
【0039】
異方性導電性ペースト53は、電気的に、レンズユニット60に設けられた電気端63と、配線板20の上側端面に設けられた導体部(不図示)とを導通させる。また、機械的には、その含まれる接着性樹脂成分により、レンズユニット60に設けられた、配線板20をはめ込むための凹部の奥側端面と配線板20の上側端面とを固着させる。異方性導電性ペースト53は、同様の機能を有する異方性導電性フィルムに代えることも可能である。さらには、例えばはんだを利用して電気端63と配線板20の上側端面に設けられた導体部とを接続することも可能である。異方性導電性フィルムや異方性導電性ペーストを利用する場合はすでに述べたように配線板20の端面上の発塵への対応としてより有効である。
【0040】
レンズユニット60は、レンズ61、アクチュエータ62、電気端63、およびこれらの支部部材であるレンズ保持部を有する。レンズ保持部は、レンズ61の周縁を支持する天井部(例えば樹脂製)とこの天井部の周縁から下方向に起立する起立部(例えば樹脂製)とを有し、これによりレンズ61に対しては、レンズ61の位置が固体撮像素子チップ30の受光部31から所望の間隔になるようにその位置を保持している。また、レンズ保持部の起立部は、モジュールとしては、配線板10の周縁に沿ってこの周縁付近から壁状に起立する部材と捉えることもできる。
【0041】
レンズ保持部の起立部には、配線板20の3つの端面に沿う、配線板20をはめ込むための凹部が設けられている。このようにトレイ形状のレンズ保持部を有するレンズユニット60とこれにはめ込まれた配線板20とにより、固体撮像素子30の受光部31が曝される空間は外界から遮断された空間になり、受光部31上を塵埃などから保護する効果を高めることができる。
【0042】
レンズ保持部によりレンズ61は、その光軸が固体撮像素子チップ30の受光部31の面に直交するように位置し、固体撮像素子チップ30が設けられた側とは反対側からの光を導いて受光部31上に像を結像させる。実際には図示するような単レンズ構成ではなく、複数のレンズが重畳するような構成である。レンズユニット60のアクチュエータ62は、レンズ61(その中の一部のレンズ)の機械的な位置を調整するための、例えばピエゾ素子またはボイスコイルモータなどの駆動要素である。アクチュエータ62により、レンズ61(その中の一部のレンズ)の位置を調整し、例えばオートフォーカスやズーム機能を実現することができる。
【0043】
アクチュエータ62に制御電気信号を送り、また場合によりアクチュエータ62により位置調整されたレンズ61の位置情報信号を取り出すため、アクチュエータ62は、レンズ保持部の、配線板20をはめ込むための凹部の奥側端面に設けられた電気端63と電気的につながっている。電気端63は、異方性導電性ペースト53を介して配線板20と電気的に接続され、さらに、配線板20を介し異方性導電性フィルム51を介して配線板10にも電気的に接続がされている。アクチュエータ62を制御するための回路は配線板20に設けることもでき、これによりモジュールとしてコンパクトかつ高機能が実現できる。 」
「【0063】
次に、図5は、図1中に示した配線板20の具体的構成例を模式的に示す断面図である。図5において、図1中に示した構成要素と同一のものには同一符号を付してある。図1に示した撮像素子モジュールで使用の配線板20は、この図5に示される構成のものには限られない。しかし、例示として説明する。図5では、図1では図示省略されたソルダーレジスト261、同262、端面の導体部22と同23、および配線板20の内部構造が示されている。
【0064】
配線板20は、ソルダーレジスト261、同262、端面の導体部22、23のほか、表面の配線パターン226、裏面の配線パターン221、内層の配線層222、同223、同224、同225、絶縁層201、同202、同203、同204、同205、層間接続体231、同232、同234、同235、スルーホール導電体233を有する。また、板内埋設で配線層222にはんだ251を介して実装された表面実装型受動素子部品241を有し、さらに、表面の配線パターン226上にも表面実装型受動素子部品21がはんだ21aを介して実装されている。この配線板20は、絶縁層201~205によって隔てられる配線層が6つ存在する6層基板である。
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【0065】
絶縁層201~205は、それぞれ、例えばガラスエポキシ樹脂でできたリジッドな層である。表面の配線パターン226、裏面の配線パターン221、および内層の配線層222~225は、それぞれ、例えば、銅箔を周知のフォトリソグラフィ技術で所望にパターニング加工して得られた層である。層間接続体231、232、234、235は、それぞれ、絶縁層201、202、204、205を貫通して配線パターン間に挟設された導電性組成物の接続体であり、これにより、縦方向の電気的接続路として機能する。
【0066】
さらに、ソルダーレジスト261、262は、はんだが接続され得るランド上を除いて絶縁層201または絶縁層205上に全面的に形成された保護膜である。スルーホール導電体233は、絶縁層203を貫通するスルーホールの内壁面に銅めっき層として形成された縦方向の電気的接続路である。端面の導体部22、23は、当初は、スルーホール導電体233と同様に、絶縁層203を貫通するスルーホールの内壁面に銅めっき層として形成されたものである。そのようにして形成されたあとに、ダイシングにより、銅めっき層を縦に切断して現われた断面が導体部22、23になっている。導体部22、23には、製造途上で充填される樹脂部が伴われるが図示省略している。
・・・
【0071】
第2の部分積層体上には、配線層222上所定位置に部品241をはんだ251を用いて実装する。これには、通常の部品表面実装と同様に、例えば、はんだ251とすべきクリームはんだのスクリーン印刷、部品241のマウンタによる載置、クリームはんだのリフローという手順を採用できる。
【0072】
その後、上記の第2(下)、第3(中)、第1(上)の部分積層体を重ねて配置しプレス機で加圧・加熱する。これにより、絶縁層202とすべきプリプレグおよび絶縁層204とすべきプリプレグが完全に硬化して全体が一体化し、5層の絶縁層を有する積層体を得る。この一体化では加熱により得られる各プリプレグの流動性により、部品241の周りの空間に加えて、スルーホール導電体233および導体部22、23の内部の空間に各プリプレグが変形進入し空隙は発生しない。また、配線層222、224は、層間接続体232、234にそれぞれ電気的に接続される。
【0073】
その後、ソルダーレジスト261、262の層をこの積層体両面に形成する。さらに、部品21を通常の表面実装プロセスを実行して実装し、さらにダイシングにより個片化して図5に示すような配線板20に仕上げる。なお、表面の配線パターン226、および裏面の配線パターン221については、そのパターニングを全体の積層のあとに行うこともできる。
【0074】
このような配線板20は、縦方向の電気的接続路が、一部を除き導電性組成物印刷による導電性バンプを由来とするものであり、小さな領域に形成可能である。したがって、配線板20として複雑な配線を必要とする場合であっても、配線板20をより小型にまとめることができる。また、部品241の内蔵により、部品の実装密度を向上しており、小さな面積により多くの部品を実装することができる。よって、モジュールとしての2次元的な大きさを支配している配線板10に部品実装されなければならない事態をさらに回避することができ、モジュールとしてのさらなる小型化に貢献する。
【0075】
次に、図6は、図1中に示した配線板20の具体的構成の別の例を模式的に示す断面図である。図6において、すでに説明した図中に示した構成要素と同一のものには同一符号を付しその説明を省略する。この配線板20は、その端面の導体部22A、23Aの構成を除き、図5に示したものと同一である。
【0076】
導体部22A、23Aは、スルーホール導電体233と同様に、絶縁層203を貫通するスルーホールの内壁面に銅めっき層として形成されたものをその一部として有している。その銅めっき層形成のあとに、導電性組成物を充填させている。そのように導電性組成物を充填されたスルーホール導電体として形成されたあとに、ダイシングにより、銅めっき層および導電性組成物を縦に切断して現われた断面が導体部22A、23Aになっている。この場合、導体部22A、23Aとして面積が大になり、異方性導電性フィルム51との導電接続に確実性が増す。
【0077】
次に、図7は、図1中に示した配線板20の具体的構成のさらに別の例を模式的に示す断面図である。図7において、すでに説明した図中に示した構成要素と同一のものには同一符号を付しその説明を省略する。この配線板20は、その端面の導体部22B、23Bの構成を除き、図5、図6に示したものと同一である。
【0078】
導体部22B、23Bは、当初は、層間接続体234と同様に、絶縁層204を貫通して配線層224と配線層225との間に形成された導電性組成物による縦方向の電気的接続路である。そのように形成されたあとに、ダイシングにより、その導電性組成物を縦に切断して現われた断面が導体部22B、23Bになっている。
【0079】
この場合、導電性組成物が、スルーホールを利用するめっき層による縦方向の電気的接続路より小さな領域に形成可能であるため、配線板20としてその小型化や複雑なパターン設計を行う場合に、導体部22B、23Bの形成と両立性がよい。また、端面上での導体部22B、23Bの断面面積をより確実に確保することができ、異方性導電性フィルム51や異方性導電性ペースト53との導電接続の確実性を向上することができる。」

図1、5~7は、以下のとおりのものである。

[図:0001380687000007.jpg]

[図:0001380687000008.jpg]

[図:0001380687000009.jpg]

(イ)上記記載から、引用文献7には、次の技術が記載されていると認められる。

「配線板10、配線板20、固体撮像素子チップ30、レンズユニット60を有する撮像素子モジュールにおいて、
レンズユニット60は、レンズ61、アクチュエータ62、電気端63、およびこれらの支部部材であるレンズ保持部を有し、
レンズ保持部によりレンズ61は、固体撮像素子チップ30が設けられた側とは反対側からの光を導いて受光部31上に像を結像させ、レンズユニット60のアクチュエータ62はボイスコイルモータなどの駆動要素であり、
配線板20の上側端面に設けられた導体部とレンズユニット60に設けられた電気端63との間が電気的、機械的に接続されており、
板内埋設で配線層222にはんだ251を介して実装された表面実装型受動素子部品241を有し、配線板20内に部品(表面実装型受動素子部品)が内蔵(埋め込み)で設けられている技術。」

エ 周知文献1

(ア)また、本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2012-34073号公報(以下「周知文献1」という。)には、次の記載がある。

「【0016】
図1は、本実施の形態に係るカメラモジュール50の斜視図である。
【0017】
図1に示すように、カメラモジュール50は、撮像素子の光電変換部に被写体像を結像させる撮像レンズ10と、遮光部材からなる筐体53と、撮像素子を内包する撮像素子カバー55と、撮像素子を保持する基板52と、その電気信号の送受を行う外部接続用端子(外部接続端子とも称す)54を有するフレキシブルプリント基板52bとを備え、これらが一体的に形成されている。
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【0018】
図2は、本実施の形態に係るカメラモジュール50の撮像レンズ10の光軸Oを含む(図1に示すB-B断面)断面を模式的に示した図である。
【0019】
図2において、51は撮像素子であり、受光側の面の中央部に画素(光電変換素子)が2次元的に配置されており、その周囲には信号処理回路が形成されている。
【0020】
撮像素子51の受光側の面の外縁近傍には、不図示の多数の接続パッドが設けられており、不図示のボンディングワイヤを介して基板52に接続されている。撮像素子51は、光電変換部からの信号電荷をデジタルYUV信号等の画像信号に変換し、ボンディングワイヤを介して基板52上の所定の回路に出力する。
【0021】
なお、撮像素子51としては、CMOS型のイメージセンサやCCD型のイメージセンサが使用される。
【0022】
フレキシブルプリント基板52bは、図1に示すように、一端部が基板52と接続されている。また、他方の端部に設けられた外部接続端子54を介して基板52と不図示の外部回路(例えば、撮像装置を実装した上位装置が有する制御回路)とが接続される。この外部接続端子54を介し、外部回路から撮像素子51を駆動するための電圧やクロック信号の供給を受けたり、また、デジタルYUV信号を外部回路へ出力したりすることを可能としている。更に、フレキシブルプリント基板52bは、可撓性を有し中間部が変形して基板52に対し外部接続端子54の向きや配置に自由度を与えている。
【0023】
基板52には、撮像素子51を内包する遮光性の材料で形成された撮像素子カバー55が設けられ、開口部にはカバーガラス56が固着されている。撮像素子カバー55と筐体53は固着されている。筐体53内には、撮像レンズ10を保持する円筒状の鏡枠57が光軸O方向に移動可能に配置されている。鏡枠57は、不図示の弾性部材により、撮像素子51方向に付勢されている。
【0024】
筐体53の内壁面には磁石61が固着されている。磁石61と鏡枠57の間には、コイル支持部材63が鏡枠57に固着されており、コイル支持部材63の磁石側の外周にコイル62が配設されている。
【0025】
コイル62に対し所定の方向に通電することで、コイル62と磁石61との間に発生する電磁力によりコイル62が光軸O方向に移動させられる。これにより、不図示の弾性部材の付勢力に抗して、コイル62と一体的に構成されたコイル支持部材63、鏡枠57、及び撮像レンズ10が一体的に光軸O方向に移動するようになっている。
【0026】
コイル62には、基板52上に形成された回路パターンの接続パッド部に接続された接続端子65を介して電力が供給される。なお、不図示であるが、コイル62からの導線と接続端子65との接続部は、コイル62の導線が接続端子65と一体のバネ状部材に接続されており、コイル62が光軸O方向に移動しても、接続端子65とコイル62の導線との導通は維持されるようになっている。
【0027】
また、不図示であるが、赤外光をカットするフィルタ又はコーティングが撮像レンズ10の最も被写体側の面からカバーガラス56の撮像レンズ10側の面までのいずれかに設けられている。」

図1、2は以下のとおりのものである。

図2から、「撮像素子カバー55」のボスの上部表面と「撮像素子カバー55」の内側面とにより、「カバーガラス56」を収容できる収容空間を形成した構造が見てとれる。

[図:0001380687000010.jpg]

[図:0001380687000011.jpg]

(イ)上記記載から、周知文献1には、次の技術が記載されていると認められる。

「撮像レンズ10と、筐体53と、撮像素子を内包する撮像素子カバー55と、撮像素子を保持する基板52と、フレキシブルプリント基板52bとを備え、これらが一体的に形成されているカメラモジュール50において、撮像素子カバー55のボスの上部表面と撮像素子カバー55の内側面とにより、カバーガラス56を収容できる収容空間が形成されており、基板52には撮像素子カバー55が設けられ、開口部にはカバーガラス56が固着されている技術。」

オ 周知文献2

(ア)また、本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2004-289062号公報(以下「周知文献2」という。)には、次の記載がある。

「【0014】
【発明の実施の形態】
図1には、第1実施例に係る撮像装置の構成が示され、図2にはこの撮像装置の一部の分解斜視図が示されており、これらの図はカバーガラスを透視した状態で描いてある。図1の撮像部10Aは、図7と同様に固体撮像素子であるCCD(Charge Coupled Device)11にカバーガラス12を組み付けた組付け体であり、例えばTAB(Tape Automated Bonding)方式で製作される。即ち、CCD11の複数の端子gのそれぞれに導体リード線14が接続されており、このCCD11の撮像面Sを避けた図示の周囲の接着領域(斜線部)B1に接着剤(又は封止剤)を挿入することにより、カバーガラス12がCCD11の撮像面(S)側に接着される。この結果、このCCD11の撮像面側には、カバーガラス12との間に50μm程度のエアーギャップ(空気層)AGが形成される。なお、このエアーギャップAG内には撮像面Sを保護するために窒素ガス等が封入される。
【0015】
また、このカバーガラス12の外周(四辺)は、CCD11の撮像面側の外周よりも大きく、かつ後述する回路基板の収納凹部(17)の入口を塞ぐ大きさに形成される(入口寸法よりも大きく形成される)。一方、回路基板16は上記CCD11を収納できる大きさの凹部17を形成するように複数のセラミック薄板等を積層してなり、その表面には、リード線14を接続するための端子hと信号線及び電源線を接続するための端子iが形成され、裏面には、CCD11からの撮像信号を処理するための複数の回路部材18が取り付けられる。」
「【0020】
図3には、カバーガラスを二重にした第2実施例の構成が示されている。この第2実施例では、第1実施例と同様の撮像部10Aが設けられ、図3の回路基板20に、この撮像部10Aの全部が収納できる大きさの凹部21が形成される。この凹部21には、第1段差部21Aに端子hが設けられており、この端子hに撮像部10Aのリード線14が接続されることになるが、この際には第1実施例の場合と同様に、接着剤による接着領域(B2)の接着が行われる。そして、凹部21の第2段差部21Bに別体の外側カバーガラス22が接着剤によって接着され、これによって第1段差部21Aから上側の空間が密閉状態となる。
【0021】
このような第2実施例によれば、カバーガラス12によってエアーギャップAG内が二重に密閉されると共に、カバーガラス12,22による二重カバーガラス構造となる。この二重カバーガラス構造によれば、カバーガラス12,22の外側からの熱に対する遮断効果を高めることができるという利点がある。」

図1、3は、以下のとおりのものである。

図3から、「回路基板20」の「第2段差部21B」における段差上面と段差側面とにより、「外側カバーガラス22」を収容できる収容空間を形成した構造が見てとれる。

[図:0001380687000012.jpg]

[図:0001380687000013.jpg]

(イ)上記記載から、周知文献2には、図3に示された第2実施例について、次の技術が記載されていると認められる。

「撮像装置において、回路基板20に、固体撮像素子11にカバーガラス12を組み付けた組み付け体である撮像部10Aの全部が収納できる大きさの凹部21が形成され、凹部21の第2段差部21Bにおける段差上面と段差側面とにより、外側カバーガラス22を収容できる収容空間が形成されており、第2段差部21Bに別体の外側カバーガラス22が接着されている技術。」

(3)引用発明との対比

ア 本件補正発明と引用発明とを対比する。

(ア)引用発明の「デジタルカメラ」は、撮像装置であり(必要であれば、上記(2)ア(イ)aを参照。)、「レンズユニット14」、「多層配線基板61」を備え、「多層配線基板61」には、「CCDイメージセンサ52」、「第1回路54、ドライバ回路28、及び表面部品58」、「フレキシブル基板56」、「レンズユニット14及び裏面部品60」が、「実装されて」いるから、本件補正発明と引用発明は「撮像モジュール」である点で共通するといえる。

(イ)a 引用発明の「レンズ13」、「CCDイメージセンサ52」は、それぞれ本件補正発明の「レンズ」、「感光性チップ」に相当し、技術常識を勘案すると、引用発明において、「CCDイメージセンサ52」は、「レンズ13がCCDイメージセンサ52の感光経路に位置する」ものであることが明らかである。

b また、引用発明は、「前面にレンズ13を含んで構成されるレンズユニット14を備える」ものであり、「ドライバ回路28」が、「レンズユニット14を駆動させる駆動信号を送信可能とされている」ものであるから、「レンズ13が設置されるモータ」を備えるものであるといえる。

c また、引用発明において、「多層配線基板61」の「裏面部50にはレンズユニット14」が「実装されて」いるところ、「多層配線基板61」は「電気的支持体」であるといえる。

d 上記cより、引用発明の「多層配線基板61」は、本件補正発明の「電気的支持体」に相当し、また、「支持体本体を備え」るともいえる。

したがって、以上a~cをまとめると、本件補正発明と引用発明とは、「レンズと、前記レンズが設置されるモータと、前記レンズが感光性チップの感光経路に位置する前記感光性チップと、前記モータを支持する電気的支持体であって、前記電気的支持体は、支持体本体を備える、電気的支持体と」、を有する点で共通する。

(ウ)a 更に、引用発明は、「CCDイメージセンサ52の端子52Aは第1露出面68で電気的に接続されており、第1回路54の端子54Aは第2露出面70で電気的に接続されており、ドライバ回路28の端子28Aは第2露出面70で電気的に接続されており、フレキシブル基板56の一端部端子は最外側面部42で電気的に接続されており、レンズユニット14の端子は裏面部50で電気的に接続されて」いるものであるところ、「第1露出面68」、「第2露出面70」、「第3露出面72」、「裏面部50」は、いずれも「多層配線基板61」の露出面や裏面部であることが明らかであるから、引用発明において、「CCDイメージセンサ52の端子52A」、「第1回路54の端子54A」、「ドライバ回路28の端子28A」、「フレキシブル基板56の一端部端子」、及び「レンズユニット14の端子」はそれぞれ、「多層配線基板61」と、「CCDイメージセンサ52」、「第1回路54」、「ドライバ回路28」、「フレキシブル基板56」、及び「レンズユニット14」とを「電気的に接続する複数の接続装置」であるといえる。

したがって、引用発明における、「CCDイメージセンサ52」、「第1回路54」、「ドライバ回路28」、「フレキシブル基板56」、及び「(「レンズ13が設置されるモータ」を備える)レンズユニット14」は、本件補正発明の「前記撮像モジュールにおける各電気的部材」に対応し、引用発明における、「CCDイメージセンサ52の端子52A」、「第1回路54の端子54A」、「ドライバ回路28の端子28A」、「フレキシブル基板56の一端部端子」、及び「レンズユニット14の端子」は、本件補正発明の「複数の接続装置」に対応するといえるから、本件補正発明と引用発明とは、「前記電気的支持体と前記撮像モジュールにおける各電気的部材とを電気的に接続する複数の接続装置と、を有し、前記電気的部材には、前記モータと前記感光性チップとが含まれ」る点で共通するといえる。

また、引用発明の「レンズユニット14の端子」、「CCDイメージセンサ52の端子52A」は、それぞれ本件補正発明の「モータ接続装置」、「感光性チップ接続装置」に対応するといえるから、本件補正発明と引用発明とは、「前記複数の接続装置には、少なくとも、前記モータの電気的接続を実現するために利用されるモータ接続装置と、前記感光性チップの電気的接続を実現するために利用される少なくとも一つの感光性チップ接続装置と、が含まれる」点で共通するといえる。

b 上記aより、本件補正発明と引用発明とは、「前記電気的支持体と前記撮像モジュールにおける各電気的部材とを電気的に接続する複数の接続装置と、を有し、前記電気的部材には、前記モータと前記感光性チップとが含まれ、前記複数の接続装置には、少なくとも、前記モータの電気的接続を実現するために利用されるモータ接続装置と、前記感光性チップの電気的接続を実現するために利用される少なくとも一つの感光性チップ接続装置と、が含まれる 」点で共通するといえる。

(エ)引用発明では、「デジタルカメラの内部には、多層配線基板61が備えられ、

多層配線基板61は、9つの層(第1層62A~第9層62I)が積層されて構成されており、第1層62A及び第2層62Bは同一形状とされ(以下これらをまとめて「第1段62α」という)、これらの中央部に光を透過可能な光透過窓48が構成されており、第1層62Aの第2層62Bの重ねられていない側には、裏面部50が構成されており、

第3層62C、第4層62D、及び第5層62Eは同一形状とされ(以下これらをまとめて「第2段62β」という)、これらの中央部には第1開口64が構成されており、第1開口64は光透過窓48よりも大きい開口とされ、その外縁は光透過窓48の外縁よりも外側に配置され、第1段62αと第2段62βとの間で光透過窓48から外側に向かって段差が形成され、第1段62αの第2段62β側の第1露出面68には、CCDイメージセンサ52を実装可能とされており、第6層62F、第7層62G、第8層62H、及び第9層62Iは同一形状とされ(以下これらをまとめて「第3段62γ」という)、これらの中央部には第2開口66が構成されている。第2開口64は第1開口64よりも大きい開口とされ、その外縁は第1開口64の外縁よりも外側に配置され、第2段62βと第3段62γとの間にも光透過窓48から外側に向かって段差が形成されており」、「第1露出面68にはCCDイメージセンサ52」が「実装されて」いるものであるところ、その構造からみて、引用発明における「第1層62A及び第2層62B」のうち、平面視で「第3層62C、第4層62D、及び第5層62E」と重なる部分は、本件補正発明における「第1支持部」に、引用発明における「第3層62C、第4層62D、及び第5層62E」、並びに「第6層62F、第7層62G、第8層62H、及び第9層62I」は、本件補正発明における「第2支持部」に、引用発明における「第1層62A及び第2層62B」のうち、平面視で「第1開口64」の上方に延在する「第1露出面68」を含む部分は、本件補正発明における「第3支持部」に対応するといえる。

そうすると、本件補正発明と引用発明とは、「前記電気的支持体は、支持体本体」を備え、「前記支持体本体は、第1支持部、第2支持部、及び、第3支持部を備え、前記第1支持部、前記第2支持部、及び、前記第3支持部は共に中空のリング構造を形成し、前記第1支持部は、前記第2支持部の上部に積層され、前記第3支持部は、前記第1支持部及び前記第2支持部の内側から延在してボスを形成し」、「前記ボスの下部表面及び前記支持体本体の内側面は、第2収容空間を形成する」点で共通するといえる。

イ 以上のことから、本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。

<一致点>

「撮像モジュールであって、
レンズと、
前記レンズが設置されるモータと、
前記レンズが感光性チップの感光経路に位置する前記感光性チップと、
前記モータを支持する電気的支持体であって、前記電気的支持体は、支持体本体を備え、前記支持体本体は、第1支持部、第2支持部、及び、第3支持部を備え、前記第1支持部、前記第2支持部、及び、前記第3支持部は共に中空のリング構造を形成し、前記第1支持部は、前記第2支持部の上部に積層され、前記第3支持部は、前記第1支持部及び前記第2支持部の内側から延在してボスを形成し、前記ボスの下部表面及び前記支持体本体の内側面は、第2収容空間を形成する、電気的支持体と、
前記電気的支持体と前記撮像モジュールにおける各電気的部材とを電気的に接続する複数の接続装置と、を有し、
前記電気的部材には、前記モータと前記感光性チップとが含まれ、
前記複数の接続装置には、少なくとも、前記モータの電気的接続を実現するために利用されるモータ接続装置と、前記感光性チップの電気的接続を実現するために利用される少なくとも一つの感光性チップ接続装置と、が含まれる撮像モジュール。」

<相違点1>

「電気的支持体」について、本件補正発明では、「前記支持体本体に内蔵された回路」を備えるのに対し、引用発明における「多層配線基板61」について、そのような特定はなされていない点。

<相違点2>

「電気的支持体」の「支持体本体」と、「支持体本体」が備える「第3支持部」が形成する「ボス」について、本件補正発明は、「前記ボスの上部表面及び前記支持体本体の内側面は、第1収容空間を形成」するのに対し、引用発明は、「多層配線基板61」を構成する「第1層62A及び第2層62B」について、そのような特定はなされていない点。

<相違点3>

「複数の接続装置」について、本件補正発明は、「前記電気的支持体に設置され」たものであるのに対し、引用発明において、「端子52A」、「端子54A」、「端子28A」、「一端部端子」、及び「端子」は、それぞれ「CCDイメージセンサ52の端子52A」、「第1回路54の端子54A」、「ドライバ回路28の端子28A」、「フレキシブル基板56の一端部端子」、及び「レンズユニット14の端子」であり、多層配線基板61に設置されたものであるとの特定はなされていない点。

(4)判断

ア 相違点1について

配線基板として回路が内蔵されたものは、周知技術であり、上記(2)ウ(イ)のとおり、例えば引用文献7には、撮像素子モジュールにおいて、「配線板20内に部品(表面実装型受動素子部品)が内蔵(埋め込み)で設けられている技術」が開示されている。

しかも、引用文献7に記載された当該技術は、「レンズユニット60を有する撮像素子モジュール」において、「レンズユニット60」は、「レンズ61、アクチュエータ62」、および「レンズ保持部」を有し、「レンズ保持部によりレンズ61は、固体撮像素子チップ30が設けられた側とは反対側からの光を導いて受光部31上に像を結像させ、レンズユニット60のアクチュエータ62はボイスコイルモータなどの駆動要素であり、配線板20の上側端面に設けられた導体部とレンズユニット60に設けられた電気端63との間が電気的、機械的に接続されて」いる技術であるところ、配線板20は、アクチュエータ62を有するレンズユニット60を支持するものであるといえる。

一方、引用発明は、上記(3)ア(イ)a、bのとおり、「CCDイメージセンサ52」は、「レンズ13がCCDイメージセンサ52の感光経路に位置する」ものであることが明らかであり、「レンズ13が設置されるモータ」を備えるものであるといえるから、引用発明と引用文献2に記載された技術とは、いずれも、レンズと、レンズが設置されるモータと、レンズが固体撮像素子チップ(CCDイメージセンサチップ)の感光経路に位置する前記固体撮像素子チップと、前記モータを支持する配線基板を有するものである点で共通する。

したがって、引用発明において、上記周知技術ないし引用文献7に記載された技術に基づき、「多層配線基板61」を回路が内蔵されたものとすることは、当業者が必要に応じて適宜なし得たことである。

よって、引用発明において、上記周知技術ないし引用文献7に記載された技術に基づき、相違点1に係る本件補正発明の構成のものとすることは、当業者が容易になし得たことである。

イ 相違点2について

「多層配線基板61」の具体的な構造は、個々の目的に応じて当業者が適宜設計すべきことであるし、上記(2)ア(ア)のとおり、引用文献1にも、「また、本実施形態では、多層配線基板40に、最外側面部42、第1面部44、及び第2面部46の3つの面部を構成した例について説明したが、面部は2つでも、4つ以上でもよい。 」(【0054】)、「また、積層する層の枚数を変更することにより、容易に段差D1、D2の高さを変更することができるので、実装する部品に応じた多層配線基板61の製造を容易に行うことができる。 」(【0065】)のように、多層配線基板の面部の数を変更したり、実装する部品に応じて、積層する層の枚数を変更したりして、多層配線基板の具体的な構造を変更できる旨の記載がある。

また、上記(2)エ(イ)のとおり、周知文献1には、「撮像レンズ10と、筐体53と、撮像素子を内包する撮像素子カバー55と、撮像素子を保持する基板52と、フレキシブルプリント基板52bとを備え、これらが一体的に形成されているカメラモジュール50において、撮像素子カバー55のボスの上部表面と撮像素子カバー55の内側面とにより、カバーガラス56を収容できる収容空間が形成され、基板52には撮像素子カバー55が設けられ、開口部にはカバーガラス56が固着されている技術。」が開示されている。

また、上記(2)オ(イ)のとおり、周知文献2には、「撮像装置において、回路基板20に、固体撮像素子11にカバーガラス12を組み付けた組み付け体である撮像部10Aの全部が収納できる大きさの凹部21が形成され、凹部21の第2段差部21Bにおける段差上面と段差側面とにより、外側カバーガラス22を収容できる収容空間が形成されており、第2段差部21Bに別体の外側カバーガラス22が接着されている技術。」が開示されている。

そうすると、周知文献1、2に開示されている上記技術によると、撮像装置において、カバーガラス(前者におけるカバーガラス56、後者における外側カバーガラス22)が固着ないし接着される部材、すなわちカバーガラスが配置される部材(前者における撮像素子カバー55、後者における回路基板20)の上部に段差部を設け、その段差部における段差上部と段差側面とにより、該カバーガラスを収容できる収容空間を形成することは周知技術であるといえる。

一方、引用発明のデジタルカメラにおいても、「多層配線基板61」上に「カバーガラス49」が配置されているといえるから、引用発明と上記周知技術とは、いずれも、カバーガラスを備える撮像装置に係る技術である点で共通するから、引用発明において、上記周知技術を適用して、「カバーガラス49」を収容できる収容空間を形成した構造とすることは、当業者が容易になし得たことである。

よって、引用発明において、周知文献1、2に記載された上記周知技術に基づき、相違点2に係る本件補正発明の構成のものとすることは、当業者が容易になし得たことである。

ウ 相違点3について

上記(2)ウ(イ)のとおり、引用文献7に記載されている技術は、「配線板20の上側端面に設けられた導体部とレンズユニット60に設けられた電気端63との間が電気的、機械的に接続されて」いるものであるところ、配線板20の上側端面に導体部が設けられたものであり、また、上記(2)イ(イ)のとおり、引用文献2に記載されている技術は、「メモリチップ122をバンプ113により基板114に接続するに際し、バンプ113をあらかじめメモリチップ122側に形成しても、基板114側に形成してもよいこと。」であるように、2つの電気的部材を接続装置により接続するに際し、接続装置をあらかじめ両者の電気的部材に設置しておくことができること、あるいはいずれの電気的部材の側に設置しておくかを、当業者が任意に選択可能であること自体は、周知技術である。

一方、引用発明は、CCDイメージセンサ52、第1回路54、ドライバ回路28、フレキシブル基板56、及びレンズユニット14と、多層配線基板61を端子により接続するものであるといえるから、引用発明と上記周知技術とは、いずれも、2つの電気的部材を接続装置により接続するものである点で共通する。

よって、引用発明において、引用文献2、7に記載された上記周知技術を適用して、本件補正発明の「複数の接続装置」に対応する、「CCDイメージセンサ52の端子52A」、「第1回路54の端子54A」、「ドライバ回路28の端子28A」、「フレキシブル基板56の一端部端子」、及び「レンズユニット14の端子」それぞれにおける「端子52A」、「端子54A」、「端子28A」、「一端部端子」、及び「端子」の一部又は全部を、多層配線基板61(本件補正発明の「電気的支持体」に相当。)に設置されたものとしたり、各電気的部材と多層配線基板61とを接続する端子(本件補正発明の「接続装置」に相当。)を、多層配線基板61にも更に設置されたものとすることで、相違点3に係る本件補正発明の構成のものとすることは、当業者であれば適宜なし得たことである。

エ まとめ

そして、これらの相違点を総合的に勘案しても、本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明、並びに引用文献7に記載された技術、周知文献1、2に記載された周知技術、及び引用文献2、7に記載された周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。

したがって、本件補正発明は、引用発明、並びに引用文献7に記載された技術、周知文献1、2に記載された周知技術、及び引用文献2、7に記載された周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

3 本件補正についてのむすび

以上のとおりであるから、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について

1 本願発明

本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、令和2年9月1日にされた手続補正によって補正された特許請求の範囲の請求項1ないし17に記載された事項により特定されるものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2の[理由]1(2)に記載のとおりのものである。

2 原査定における拒絶の理由

原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1~17に係る発明は、本願の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1~7に記載された発明に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。

1.特開2005-006279号公報

2.特開2013-232756号公報(周知技術を示す文献。)

3.特開2007-013209号公報

4.特開2008-092417号公報

5.特開2005-229609号公報

6.特開2015-159206号公報

7.特開2010-246007号公報(周知技術を示す文献。)

3 引用文献

(1)原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1、その記載事項及び引用発明、並びに引用文献2、7及びその記載事項は、前記第2の[理由]2(2)ア、イ、ウに記載したとおりである。

4 引用発明との対比

本願発明と引用発明とを対比する。

(1)前記第2の[理由]2(3)ア(ア)、(イ)で検討したのと同様に、本願発明と引用発明は、「撮像モジュール」である点で共通し、また、引用発明の「多層配線基板61」は、本願発明の「電気的支持体」に相当するといえるから、本願発明と引用発明は、「レンズと、前記レンズが設置されるモータと、前記レンズが感光性チップの感光経路に位置する前記感光性チップと、前記モータを支持する電気的支持体」、を有する点で共通する。

(2)また、前記第2の[理由]2(3)ア(ウ)aで検討したのと同様に、引用発明における、「CCDイメージセンサ52」、「第1回路54」、「ドライバ回路28」、「フレキシブル基板56」、及び「(「レンズ13が設置されるモータ」を備える)レンズユニット14」は、本願発明の「前記撮像モジュールにおける各電気的部材」に対応し、引用発明における、「CCDイメージセンサ52の端子52A」、「第1回路54の端子54A」、「ドライバ回路28の端子28A」、「フレキシブル基板56の一端部端子」、及び「レンズユニット14の端子」は、本願発明の「複数の接続装置」に対応するといえるから、本願発明と引用発明とは、「前記電気的支持体と前記撮像モジュールにおける各電気的部材とを電気的に接続する複数の接続装置と、を有し、前記電気的部材には、前記モータと前記感光性チップとが含まれ」る点で共通するといえる。

また、引用発明の「レンズユニット14の端子」、「CCDイメージセンサ52の端子52A」は、それぞれ本願発明の「(モータの電気的接続を実現するために利用される)モータ接続装置」、「感光性チップ接続装置」に対応するといえるから、本願発明と引用発明とは、「前記複数の接続装置には、少なくとも、前記モータの電気的接続を実現するために利用されるモータ接続装置と、前記感光性チップの電気的接続を実現するために利用される少なくとも一つの感光性チップ接続装置と、が含まれる」点で共通するといえる。

(3)以上のことから、本願発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。

<一致点>

「撮像モジュールであって、
レンズと、
前記レンズが設置されるモータと、
前記レンズが感光性チップの感光経路に位置する前記感光性チップと、
前記モータを支持する電気的支持体と、
前記電気的支持体と前記撮像モジュールにおける各電気的部材とを電気的に接続する複数の接続装置と、を有し、
前記電気的部材には、前記モータと前記感光性チップとが含まれ、
前記複数の接続装置には、少なくとも、前記モータの電気的接続を実現するために利用されるモータ接続装置と、前記感光性チップの電気的接続を実現するために利用される少なくとも一つの感光性チップ接続装置と、が含まれる撮像モジュール。」

<相違点A>

「複数の接続装置」について、本願発明は、「前記電気的支持体に設置され」たものであるのに対し、引用発明において、「端子52A」、「端子54A」、「端子28A」、「一端部端子」、及び「端子」は、それぞれ「CCDイメージセンサ52の端子52A」、「第1回路54の端子54A」、「ドライバ回路28の端子28A」、「フレキシブル基板56の一端部端子」、及び「レンズユニット14の端子」であり、多層配線基板61に設置されたものであるとの特定はなされていない点。

<相違点B>

本願発明は、「前記電気的支持体において、前記モータ接続装置により前記モータが支持される」ものであるのに対し、引用発明では、そのような特定はなされていない点。

5 判断

(1)相違点A、Bについて

相違点A、Bは関連するものであるから、まとめて検討する。

ア まず、相違点Aについて検討する。

相違点Aは、前記第2の[理由]2(3)イに記載した<相違点3>と同じであるから、同(4)ウで相違点3について検討したのと同じ理由で、引用発明において、引用文献2、7に記載された上記周知技術を適用して、本願発明の「複数の接続装置」に対応する、「CCDイメージセンサ52の端子52A」、「第1回路54の端子54A」、「ドライバ回路28の端子28A」、「フレキシブル基板56の一端部端子」、及び「レンズユニット14の端子」それぞれにおける「端子52A」、「端子54A」、「端子28A」、「一端部端子」、及び「端子」の一部又は全部を、多層配線基板61(本願発明の「電気的支持体」に相当。)に設置されたものとしたり、各電気的部材と多層配線基板61とを接続する端子(本願発明の「接続装置」に相当。)を、多層配線基板61にも更に設置されたものとすることで、相違点Aに係る本願発明の構成のものとすることは、当業者であれば適宜なし得たことである。

イ 次に、相違点Bについて検討する。

引用文献1には、レンズ13が設置されるモータの支持について具体的な記載はないものの、上記アで検討したように、引用発明において、引用文献2、7に記載された上記周知技術を適用して、「レンズユニット14の端子」における「端子」(本願発明の「接続装置」に相当。)を、多層配線基板61に設置されたものとしたり、多層配線基板61とモータとを電気的に接続する「端子」(本願発明の「複数の接続装置」に含まれる「モータ接続装置」に相当。)を、多層配線基板61にも更に設置されたものとするとともに、多層配線基板61において、当該「端子」によりモータが支持されるものとすることで、相違点Bに係る本願発明の構成のものとすることは、当業者であれば適宜なし得たことである。

(2)まとめ

そして、これらの相違点を総合的に勘案しても、本願発明の奏する作用効果は、引用発明、並びに引用文献2、7に記載された周知技術及び引用文献2に記載された技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。

したがって、本願発明は、引用発明、並びに引用文献2、7に記載された周知技術及び引用文献2に記載された技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

第4 むすび

以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶をすべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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2021-000534

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