審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
特許拒絶査定不服審判

2024-012389

太陽電池および光起電力モジュール

審判番号
2024-012389
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2023-018906
請求日
2024年07月29日
審決日
2026年01月26日
公報発行日
2026年07月31日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】ジョジアン ジンコ ソーラー カンパニー リミテッド
  • 【請求人代理人】大行 尚哉
  • 【請求人】晶科能源股分有限公司
  • 【請求人代理人】大行 尚哉
審判長/審判官
  • 審判長 波多江 進
  • 審判官 吉野 三寛
  • 審判官 堀井 康司
分類
P18 .121-Z (H01L) / P18 .575-Z (H01L)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2023-18906「太陽電池および光起電力モジュール」拒絶査定不服審判事件〔令和6年1月15日出願公開、特開2024-3746〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、令和5年2月10日の出願であって(パリ条約による優先権主張2022年6月27日 中国)、その手続の経緯の概略は、次のとおりである。 令和5年12月21日付け:拒絶理由通知書 令和6年 2月 8日 :意見書及び手続補正書の提出 同年 3月28日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。) (同年 4月 2日 :原査定の謄本の送達) 同年 7月29日 :審判請求書及び手続補正書の提出 以下、2022年(令和4年)6月27日を「優先日」という。 第2 令和6年7月29日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和6年7月29日にされた手続補正を却下する。 [補正の却下の決定の理由] 1 補正の内容 令和6年7月29日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)は、特許請求の範囲の補正をするものであって、本件補正により、次の(1)に示す本件補正前(令和6年2月8日にされた手続補正後のものをいう。以下同じ。)の特許請求の範囲の請求項1の記載は、後記(2)に示す本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載に補正された。下線は補正箇所を示す。 (1) 本件補正前 「ベースと、 前記ベースの表面に位置するトンネル誘電体層と、 前記トンネル誘電体層の表面に位置するドープ導電層であって、第2方向に対して直交する第1方向に沿って配列された、第2方向に沿って延びる複数の突出部を有するドープ導電層と、 隣り合う2つの前記突出部の間に位置し、前記突出部の側面に接触して接続される導電接続構造と、 前記ドープ導電層および前記導電接続構造の表面を覆うパッシベーション層と、 前記第2方向に沿って延び、前記パッシベーション層を通過して前記突出部と接続されている複数のサブゲート電極と、 を備え、 前記導電接続構造は、複数であり、複数の前記導電接続構造は、前記第2方向に沿って間隔分布する、 ことを特徴とする太陽電池」 (2) 本件補正後 「ベースと、 前記ベースの表面に位置するトンネル誘電体層と、 前記トンネル誘電体層の表面に位置するドープ導電層であって、第2方向に対して直交する第1方向に沿って配列された、第2方向に沿って延びる複数の突出部を有するドープ導電層と、 隣り合う2つの前記突出部の間に位置し、前記突出部の側面に接触して接続される導電接続構造と、 前記ドープ導電層および前記導電接続構造の表面を覆うパッシベーション層と、 前記第2方向に沿って延び、前記パッシベーション層を貫通してから前記突出部に挿入され、前記突出部と接続されている複数のサブゲート電極と、 を備え、 前記導電接続構造は、複数あり、複数の前記導電接続構造は、前記第2方向に沿って間隔分布しかつ前記第1方向に沿って間隔分布する、 ことを特徴とする太陽電池」 2 補正の目的 本件補正のうち請求項1についてする補正は、本件補正前の請求項1に記載された事項について、次の(1)及び(2)の限定をするものである。 (1) 本件補正前の請求項1に記載された「複数のサブゲート電極」について、「前記第2方向に沿って延び、前記パッシベーション層を通過して前記突出部と接続されている」ものを「前記第2方向に沿って延び、前記パッシベーション層を貫通してから前記突出部に挿入され、前記突出部と接続されている」とする限定。 (2) 本件補正前の請求項1に記載された「導電接続構造」について、「複数であり、複数の前記導電接続構造は、前記第2方向に沿って間隔分布する」ものを「複数あり、複数の前記導電接続構造は、前記第2方向に沿って間隔分布しかつ前記第1方向に沿って間隔分布する」とする限定。 そして、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載される発明は、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である。 したがって、本件補正により請求項1についてする補正は、特許法17条の2第5項2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とする補正に該当する。 3 独立特許要件の判断 本件補正は、前記2のとおり、特許法17条の2第5項2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とする補正に該当するから、本件補正後の請求項1に記載されている事項により特定される発明(以下「本件補正発明」という。)が、同法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に適合するか、すなわち、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかについて、以下検討する。 (1) 本件補正発明 ア 本件補正発明の認定と分説 本件補正発明は、前記1(2)に摘記した本件補正後の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものと認める。 ここで、検討の便宜上、本件補正発明の構成を、次のとおり構成Xと構成A~Fまでに分説する。また、参考として、本願の【図1】及び部材名が記載された【0029】を掲載する。 <本件補正発明の分説> A ベースと、 B 前記ベースの表面に位置するトンネル誘電体層と、 C 前記トンネル誘電体層の表面に位置するドープ導電層であって、第2方向に対して直交する第1方向に沿って配列された、第2方向に沿って延びる複数の突出部を有するドープ導電層と、 D-1 隣り合う2つの前記突出部の間に位置し、前記突出部の側面に接触して接続される導電接続構造と、 E 前記ドープ導電層および前記導電接続構造の表面を覆うパッシベーション層と、 F 前記第2方向に沿って延び、前記パッシベーション層を貫通してから前記突出部に挿入され、前記突出部と接続されている複数のサブゲート電極と、 を備え、 D-2 前記導電接続構造は、複数あり、複数の前記導電接続構造は、前記第2方向に沿って間隔分布しかつ前記第1方向に沿って間隔分布する、 X ことを特徴とする太陽電池 【図1】 [図:0001436666000001.jpg] (【0029】 図1~図7を参照して、太陽電池は、ベース100と、ベース100の表面に位置するトンネル誘電体層110と、トンネル誘電体層110の表面に位置するドープ導電層であって、第2方向Yに対して直交する第1方向Xに沿って配列された、第2方向Yに沿って延びる複数の突出部121を有するドープ導電層120と、隣り合う2つの突出部121の間に位置し、突出部121の側面に接触して接続される導電接続構造130と、ドープ導電層120および導電接続構造130の表面を覆うパッシベーション層140と、第2方向Yに沿って延び、パッシベーション層140を通過して突出部121と接続されている複数のサブゲート電極150とを備える。…(後略)…。) イ 課題・作用効果等に関連する明細書の発明の詳細な説明の記載 本願明細書の発明の詳細な説明の記載のうち、発明が解決しようとする課題及び作用効果等に関連する記載を抜粋すると、次の記載がある。 「【発明が解決しようとする課題】 【0004】 本願実施例は、少なくともトンネル酸化層パッシベーションコンタクト構造電池の性能を向上させるのに有利な太陽電池および光起電力モジュールを提供する。 【課題を解決するための手段】 【0005】 本願の幾つかの実施例によれば、本願の一態様は太陽電池が提供され、ベースと、前記ベースの表面に位置するトンネル誘電体層と、前記トンネル誘電体層の表面に位置するドープ導電層であって、第2方向に対して直交する第1方向に沿って配列された、第2方向に沿って延びる複数の突出部を有するドープ導電層と、隣り合う2つの前記突出部の間に位置し、前記突出部の側面に接触して接続される導電接続構造と、前記ドープ導電層および前記導電接続構造の表面を覆うパッシベーション層と、前記第2方向に沿って延び、前記パッシベーション層を通過して前記突出部と接続されている複数のサブゲート電極とを備える。」 「【発明の効果】 【0023】 本願実施例によって提供される太陽電池は、少なくとも以下の利点を有する。すなわち、ベースの表面を介してトンネル誘電体層及びドープ導電層を形成し、前記ドープ導電層が前記トンネル誘電体層の表面に位置し、かつドープ導電層が第1方向に沿って配列された突出部をさらに有し、第1方向に沿って配列された突出部を設けることにより、ドープ導電層の寄生吸光を低減することができ、隣り合う突出部の間に、突出部に接続された導電接続構造を設けることにより、ドープ導電層の横方向輸送能力を高めることができる。」 (2) 各引用文献に記載された事項及び引用発明等の認定 ア 引用文献1に記載された事項及び引用発明の認定 (ア) 引用文献1に記載された事項 原査定の拒絶の理由において引用された、本願の優先日前に発行された文献である特開2022-81367号公報(以下「引用文献1」という。)には、次の記載がある(なお、当合議体により、後記(ウ)の引用発明の認定に直接用いる記載に下線を付した。)。 「【0026】 図2は、本発明の一実施例に係る太陽電池の製造方法の流れを示す図である。図3、図6~図8は、本発明の一実施例に係る太陽電池の製造方法の各ステップに対応する構成を示す図である。図4および図5は、図3に示す構成におけるフィールドパッシベーション膜の深さ-ドーピング濃度を示す図である。図2~図8を参照して、太陽電池の製造方法は、以下のステップを含む。 【0027】 ステップ101:図3を参照して、フィールドパッシベーション膜222を含む半製品電池を提供する。 【0028】 半製品電池は、少なくともベース20と、ベース20の上面に位置するエミッタ211と、ベース20の下面に順に積層されたトンネル層221及びフィールドパッシベーション膜222とを含んでいる。いくつかの実施例において、半製品電池は、エミッタ211の表面に順に積層された第1パッシベーション膜212(おもて面パッシベーション膜212ともいう)と、反射防止層213とをさらに備える。ここで、エミッタ211は、ベース20の表面に一定の深さまで拡散したドープ層であり、ベース20内にPN接合構造が形成されている。 【0029】 そのうち、ベース20の材料はシリコンを含み、太陽電池は第1領域20aおよび第2領域20bを含み、トンネル層221の材料は、酸化シリコンを含み、厚さが1~2nmであり、熱酸化プロセスによって形成することができる。フィールドパッシベーション膜222の材料は、ドープされたポリシリコンを含み、第1領域20aのフィールドパッシベーション膜222は、後に形成された第2電極と接触して接続するためのものである。 【0030】 本実施例において、フィールドパッシベーション膜222は、ベース20から離れる方向に順に積層されたイオン拡散層223とイオン富化層224とを有し、イオン富化層224のドーピングイオン濃度は、イオン拡散層223のドーピングイオン濃度よりも大きい。イオン富化層224は、イオン注入工程により真性半導体をイオン注入して得ることができ、イオン拡散層223におけるドーピングイオンは、イオン富化層224におけるドーピングイオンが濃度差の存在により自由拡散に遷移して得られることができる。イオン富化層224は、フィールドパッシベーション膜222と後に形成された第2電極との間で良好なオーミックコンタクトを形成できることを確保し、キャリアの効果的な輸送を確保するために設置され、また、顕著なエネルギーバンドベンディングを形成してキャリアの選択的な輸送を実現するために設置される。イオン拡散層223は、多数キャリアの効果的な輸送を確保するために設置される。 …(中略)…。 【0033】 太陽電池の領域区分け方式によれば、フィールドパッシベーション膜222を、第1領域20aに位置する第1フィールドパッシベーション膜222aと、第2領域20bに位置する第2フィールドパッシベーション膜222bとに分け、イオン富化層224を、第1領域20aに位置する第1富化層224aと、第2領域20bに位置する第2富化層224bとに分けることができる。 」 「【図3】 [図:0001436666000002.jpg] 」 「【0040】 ステップ102:図6を参照して、マスク層225を形成し、マスク層225によって第2領域20bのイオン富化層224をエッチングする。 【0041】 本実施例において、マスク層225は、第1フィールドパッシベーション膜222aを被覆しており(図3を参照)、マスク層225の材料は、有機ワックスであり、ベース20の表面に垂直な方向において、有機ワックスの厚さは、50μm~300μmであり、マスク層225におけるベース20に向かう方向において、マスク層225のビューは、フィンガーラスターライン(gateline)型である。マスク層225は、スクリーン印刷プロセスまたはインクジェット印刷プロセスにより形成することができる。 【0042】 マスク層225を形成した後、半製品電池を硝酸とフッ酸と水との混合溶液に置いて反応を行うことができる。有機ワックスが混合溶液と反応しないため、マスク層225によって保護された第1フィールドパッシベーション膜222aは混合溶液によってエッチングされないが、マスク層225に露出される第2フィールドパッシベーション膜222b(図3を参照)はエッチングされ、これにより、第2フィールドパッシベーション膜222bの厚さのみを薄くすることを実現し、すなわち、第2フィールドパッシベーション膜222bが第1フィールドパッシベーション膜222aと厚さの差を持たせるようになっており、残りの第1フィールドパッシベーション膜222aが第1フィールドパッシベーションサブ層226aとなり、残りの第2フィールドパッシベーション膜222bが第2フィールドパッシベーションサブ層226bとなり、第1フィールドパッシベーションサブ層226aと第2フィールドパッシベーションサブ層226bとがフィールドパッシベーション層226を構成している。 …(中略)…。 【0044】 エッチングした後、ベース20の表面に垂直な方向において、第2フィールドパッシベーションサブ層226bの厚さは、第1フィールドパッシベーションサブ層226aの厚さよりも小さい。第1フィールドパッシベーションサブ層226aにおけるベース20に向かう表面は、第2フィールドパッシベーションサブ層226bにおけるベース20に向かう面と面一であるため、ベース20がフィールドパッシベーション層226に向かう方向において、第2フィールドパッシベーションサブ層226bの上面は、第1フィールドパッシベーションサブ層226aの上面よりも低い。 【0045】 本実施例では、エッチングの深さがイオン富化層224の厚さよりも大きく、すなわち、第2フィールドパッシベーションサブ層226bにおけるベース20から離れる表面がイオン拡散層223内に位置しており、第2フィールドパッシベーションサブ層226bにおけるベース20から離れる表面の表面ドーピング濃度が、第1フィールドパッシベーションサブ層226aにおけるベース20から離れる表面の表面ドーピング濃度よりも小さい。このように、第2フィールドパッシベーションサブ層226bの光吸収能力を弱め、太陽電池の変換効率を高めることに有利である。」 「【図6】 [図:0001436666000003.jpg] 」 「【0051】 ステップ103:図7を参照して、マスク層225(図6を参照)を除去し、第2パッシベーション膜227を形成する。 【0052】 本実施例では、第2領域20bのイオン富化層224をエッチングした後、半製品電池を濃度0.1~10%のアルカリ溶液で洗浄し、マスク層225を除去することで、上面パターンがフィンガーライターライン型のイオン富化層224が露出される。フィールドパッシベーション層226におけるベース20から離れる表面を覆うように、第2パッシベーション膜227が沈積され、第2パッシベーション膜227には水素イオンが含まれ、高温処理において、拡散した水素イオンが、ベース20の表面欠陥、体内欠陥及びトンネル層221との界面欠陥をパッシベーションする。ここで、アルカリ溶液は、希釈された水酸化カリウム溶液を含む。」 「【図7】 [図:0001436666000004.jpg] 」 「【0053】 ステップ104:図8を参照して、第1電極214(おもて面電極214ともいう)と第2電極228(裏面電極228ともいう)を形成する。 【0054】 本実施例では、ベース20がフィールドパッシベーション層226に向かう方向において、第2電極228は、順に積層された銀電極228aと、導電性ペースト228bと、電極膜228cと、を含んでいる。これに応じて、ベース20が第1パッシベーション膜212に向かう方向において、第1電極214は、第2電極228と同じ積層構造を有している。他の実施例では、第1電極の構成と第2電極の構成が異なっている。第2電極228を形成する工程は、具体的には下記のことを含む。 【0055】 第2パッシベーション膜227におけるベース20から離れる表面にスクリーン印刷プロセスで薄層の銀ペーストを印刷し、銀ペーストを乾燥及び焼結して、第2パッシベーション膜227を貫通して第1フィールドパッシベーションサブ層226aに接触する銀電極228aを形成し、銀電極228a上に導電性ペースト228bが敷設され、導電性ペースト228aの表面に電極膜228cが敷設されており、最後に、予め設定された温度および圧力条件下で、導電性ペースト228bにより銀電極228aと電極膜228cとの接着が実現される。 【0056】 銀ペーストを印刷して焼結する方法で銀電極228aを製造することは、主に、第2電極228とフィールドパッシベーション層226との間に良好な引っ張り力を形成できることを確保するためである。ここで、銀電極228aは、複数本の細いゲート線と、複数本の細いゲート線を接続するメインゲート線とを含み、メインゲート線の延びる方向は、通常、細線の延びる方向に対して垂直であり、メインゲート線は、後続の部品製造工程における太陽電池セル間のリンクに用いられる。 …(中略)…。 【0061】 本実施例では、第2電極と接触する第1フィールドパッシベーションサブ層は、比較的高い導電率を有し、多数キャリアの効果的な輸送を確保し、太陽電池の短絡電流を高めることに有利である。また、第2フィールドパッシベーションサブ層の厚さは、第1フィールドパッシベーションサブ層の厚さよりも小さく、第2フィールドパッシベーションサブ層の光吸収能力を弱めて、太陽電池の変換効率を向上することに有利である。また、導電性ペーストで接着する電極膜は、いかなる導電性材料であってもよく、すなわち銀よりもコストが低い材料であってもよく、このようにして、太陽電池のコストの低減化に有利である。 【0062】 これに応じて、本発明の実施例は、上記の太陽電池の製造方法で製造できる太陽電池をさらに提供する。 【0063】 図8を参照して、太陽電池は、ベース20と、ベース20の上面に順に積層された第1パッシベーション膜212、反射防止層213および第1電極214と、ベース20の下面に順に積層されたトンネル層221、フィールドパッシベーション層226および第2電極228と、を備え、フィールドパッシベーション層226は、第2電極228とベース20との間に位置する第1フィールドパッシベーションサブ層226aと、隣接する第2電極228の間に位置する第2フィールドパッシベーションサブ層226bとを含む。第1フィールドパッシベーションサブ層226aの材料の導電率は、第2フィールドパッシベーションサブ層226bの材料の導電率よりも大きく、ベース20の表面に垂直な方向において、第2フィールドパッシベーションサブ層226bの厚さは、第1フィールドパッシベーションサブ層226aの厚さよりも小さい。ベース20が第1フィールドパッシベーション膜212に向かう方向において、第1電極214は、順に積層された銀電極、導電性ペースト及び電極膜を含み、及び/又は、ベース20がフィールドパッシベーション層226に向かう方向において、第2電極228は、順に積層された銀電極228a、導電性ペースト228bおよび電極膜228cを含む。」 「【図8】 [図:0001436666000005.jpg] 」 (イ) 引用文献1に記載された事項により把握できる事項の認定 a 「第1フィールドパッシベーションサブ層226a」のベース20の表面に垂直な方向から見た形状(以下「上面形状」という。)は、前記(ア)に摘記した【0041】及び【0042】の記載によれば、マスク層225のビューと同じ「フィンガーラスターライン(gateline)型」と理解できる。 b 他方、【0055】に記載のとおり、「銀電極228a」は、「第1フィールドパッシベーションサブ層226aに接触する」ものであるところ、当該「第1フィールドパッシベーションサブ層226a」における「第1富化層224a」は、「フィールドパッシベーション膜222と後に形成された第2電極との間で良好なオーミックコンタクトを形成できることを確保[する]」(【0030】)ものであるから、当該「第1フィールドパッシベーションサブ層226a」の上面形状は、「銀電極228a」の上面形状と同じ形状であると理解することが自然といえる。この理解は、前記aの「第1フィールドパッシベーションサブ層226a」の上面形状が「フィンガーラスターライン(gateline)型」であるとの理解にも沿うものである。 c そして、【0056】の記載によれば、「銀電極228a」は、「複数本の細いゲート線と、複数本の細いゲート線を接続するメインゲート線とを含み、メインゲート線の延びる方向は、通常、細線の延びる方向に対して垂直であ[る]」から、前記bも踏まえると、「第1フィールドパッシベーションサブ層226a」は、複数本の細いゲート線に接触する層(以下「複数のサブ層226a-1」という。)と、複数のサブ層226a-1を接続しメインゲート線に接触する層(以下「サブ層226a-2」という。)とを含み、サブ層226a-2の延びる方向は、サブ層226a-1の延びる方向に対して垂直であることが理解できる。 d そうすると、「第1フィールドパッシベーションサブ層226a」について、次の事項を把握することができる。 <引用文献1に記載された事項により把握できる事項> 「第1フィールドパッシベーションサブ層226aは、複数本の細いゲート線に接触する複数のサブ層226a-1と、複数のサブ層226a-1を接続しメインゲート線に接触するサブ層226a-2とを含み、サブ層226a-2の延びる方向は、サブ層226a-1の延びる方向に対して垂直であること。」 (ウ) 引用発明の認定 前記(イ)において認定した事項及び前記(ア)に摘記した引用文献1の記載事項を総合すると、引用文献1には、実施例(【図8】)に係る太陽電池について、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。なお、認定の根拠となる記載箇所を括弧内に示した。 <引用発明> 「太陽電池であって、(【0062】) 太陽電池は、ベース20と、ベース20の上面に順に積層された第1パッシベーション膜212、反射防止層213および第1電極214と、ベース20の下面に順に積層されたトンネル層221、フィールドパッシベーション層226および第2電極228と、を備え、フィールドパッシベーション層226は、第2電極228とベース20との間に位置する第1フィールドパッシベーションサブ層226aと、隣接する第2電極228の間に位置する第2フィールドパッシベーションサブ層226bとを含み、第1フィールドパッシベーションサブ層226aの材料の導電率は、第2フィールドパッシベーションサブ層226bの材料の導電率よりも大きく、ベース20の表面に垂直な方向において、第2フィールドパッシベーションサブ層226bの厚さは、第1フィールドパッシベーションサブ層226aの厚さよりも小さく、ベース20がフィールドパッシベーション層226に向かう方向において、第2電極228は、順に積層された銀電極228a、導電性ペースト228bおよび電極膜228cを含み、(【0063】) 太陽電池の製造方法は、以下のステップを含み、(【0026】) ステップ101:フィールドパッシベーション膜222を含む半製品電池を提供し、(【0027】) 半製品電池は、少なくともベース20と、ベース20の上面に位置するエミッタ211と、ベース20の下面に順に積層されたトンネル層221及びフィールドパッシベーション膜222とを含んでおり、(【0028】) トンネル層221の材料は、酸化シリコンを含み、フィールドパッシベーション膜222の材料は、ドープされたポリシリコンを含み、(【0029】) フィールドパッシベーション膜222は、ベース20から離れる方向に順に積層されたイオン拡散層223とイオン富化層224とを有し、イオン富化層224のドーピングイオン濃度は、イオン拡散層223のドーピングイオン濃度よりも大きく、イオン富化層224は、フィールドパッシベーション膜222と後に形成された第2電極との間で良好なオーミックコンタクトを形成できることを確保し、キャリアの効果的な輸送を確保するために設置され、イオン拡散層223は、多数キャリアの効果的な輸送を確保するために設置され、(【0030】) 太陽電池の領域区分け方式によれば、フィールドパッシベーション膜222を、第1領域20aに位置する第1フィールドパッシベーション膜222aと、第2領域20bに位置する第2フィールドパッシベーション膜222bとに分け、イオン富化層224を、第1領域20aに位置する第1富化層224aと、第2領域20bに位置する第2富化層224bとに分けることができ、(【0033】) ステップ102:マスク層225を形成し、マスク層225によって第2領域20bのイオン富化層224をエッチングし、(【0040】) マスク層225のビューは、フィンガーラスターライン(gateline)型であり、(【0041】) マスク層225に露出される第2フィールドパッシベーション膜222bはエッチングされ、これにより、第2フィールドパッシベーション膜222bの厚さのみを薄くすることを実現し、残りの第1フィールドパッシベーション膜222aが第1フィールドパッシベーションサブ層226aとなり、残りの第2フィールドパッシベーション膜222bが第2フィールドパッシベーションサブ層226bとなり、第1フィールドパッシベーションサブ層226aと第2フィールドパッシベーションサブ層226bとがフィールドパッシベーション層226を構成しており、(【0042】) エッチングした後、ベース20の表面に垂直な方向において、第2フィールドパッシベーションサブ層226bの厚さは、第1フィールドパッシベーションサブ層226aの厚さよりも小さく、(【0044】) ステップ103:マスク層225を除去し、第2パッシベーション膜227を形成し、(【0051】) フィールドパッシベーション層226におけるベース20から離れる表面を覆うように、第2パッシベーション膜227が沈積され、(【0052】) ステップ104:第1電極214(おもて面電極214ともいう)と第2電極228(裏面電極228ともいう)を形成し、(【0053】) 第2電極228は、順に積層された銀電極228aと、導電性ペースト228bと、電極膜228cと、を含んでおり、(【0054】) 第2パッシベーション膜227におけるベース20から離れる表面にスクリーン印刷プロセスで薄層の銀ペーストを印刷し、銀ペーストを乾燥及び焼結して、第2パッシベーション膜227を貫通して第1フィールドパッシベーションサブ層226aに接触する銀電極228aを形成し、銀電極228a上に導電性ペースト228bが敷設され、導電性ペースト228aの表面に電極膜228cが敷設されており、最後に、予め設定された温度および圧力条件下で、導電性ペースト228bにより銀電極228aと電極膜228cとの接着が実現され、(【0055】) 銀電極228aは、複数本の細いゲート線と、複数本の細いゲート線を接続するメインゲート線とを含み、メインゲート線の延びる方向は、通常、細線の延びる方向に対して垂直であり、メインゲート線は、後続の部品製造工程における太陽電池セル間のリンクに用いられ、(【0056】) 第1フィールドパッシベーションサブ層226aは、複数本の細いゲート線に接触する複数のサブ層226a-1と、複数のサブ層226a-1を接続しメインゲート線に接触するサブ層226a-2とを含み、サブ層226a-2の延びる方向は、サブ層226a-1の延びる方向に対して垂直である、(前記(イ)) 太陽電池」 イ 引用文献2~4に記載された事項及び周知技術1の認定 原査定の拒絶の理由において引用された、本願の優先日前に発行された文献である特開2019-179838号公報、国際公開第2011/065571号及び特開2019-117963号公報(以下、それぞれ「引用文献2」~「引用文献4」という。)には、次の記載がある。下線は当合議体が付したものであり、以下同様である。 (ア) 引用文献2に記載された事項 「【0017】 図1Aは、本実施の形態に係る太陽電池セル10の受光面11側の平面図である。図1Bは、本実施の形態に係る太陽電池セル10の裏面12側の平面図である。図2は、図1AのII-II線における、本実施の形態に係る太陽電池セル10の断面図である。 …(中略)…。 【0029】 n側集電電極50nは、n側電極30n上に設けられ、シリコン基板20上の受光領域で発生した受光電荷(電子)を集電する電極である。n側集電電極50nは、例えば、配線部材(図1Aの配線部材70を参照)の延設方向と直交する方向に直線状に形成された複数本のフィンガー電極51と、これらのフィンガー電極51に接続されるとともにフィンガー電極51に直交する方向(例えば、配線部材70の延設する方向)に沿って直線状に形成された複数本のバスバー電極52とを有する。複数本のバスバー電極52のそれぞれは、配線部材70と一対一に接続される。なお、n側集電電極50nは、第一集電電極の一例であり、配線部材70は、第一の配線部材の一例である。また、フィンガー電極51は、第一フィンガー電極の一例であり、バスバー電極52は、第一バスバー電極の一例である。なお、本実施の形態では、n側集電電極50nは、バスバー電極52を備える場合を説明するが、バスバー電極52を備えていなくてもよい。 …(中略)…。 【0038】 なお、フィンガー電極51及び61、並びに、バスバー電極52及び62の本数は、特に限定されない。フィンガー電極51及び61、並びに、バスバー電極52及び62はそれぞれ、1本以上設けられていればよい。例えば、バスバー電極52及び62の本数はそれぞれ、配線部材70及び71と同数であればよい。本実施の形態では、3本である。なお、配線部材70及び71は、太陽電池モジュールを形成する際、隣り合う2つの太陽電池セル10同士を電気的に接続するタブ配線である。また、n側集電電極50n及びp側集電電極60pは、互いに同じ形状である場合を図示しているが、これに限定されない。」 「【図1A】 [図:0001436666000006.jpg] 」 (イ) 引用文献3に記載された事項 「[0067] 図7~9は結晶系光電変換素子1の一例を示す。これらの図において、2は半導体基板、3は受光面側バスバー電極、4は受光面側フィンガー電極、5は反射防止膜、6はパッシベーション膜、7は裏面側バスバー電極、8は裏面側フィンガー電極を示す。なお、図9における2aは半導体基板2の第1面であり、2bは半導体基板2の第2面である。 …(中略)…。 [0069] 図7に示すように、半導体基板2の受光面には、幅1mm以上3mm以下程度の幅の広い受光面側バスバー電極3と、受光面側バスバー電極3に対して略垂直に交わるように設けられており、幅50μm以上200μm以下程度の細い受光面側フィンガー電極4とが形成されている。 「[図7] [図:0001436666000007.jpg] 」 [0071] 半導体基板2の裏面(非受光面)は、図8および図9に示すように、その略全面にパッシベーション膜6を形成し、裏面側バスバー電極7および裏面側フィンガー電極8が形成されている。この裏面側バスバー電極7、裏面側フィンガー電極8は、上述の受光面側バスバー電極3および受光面側フィンガー電極4と類似の形状とすることができる。」 「[図8] [図:0001436666000008.jpg] 」 (ウ) 引用文献4に記載された事項 「【0045】 以下、添付した図面を参照して本発明の実施形態に係る太陽電池及びその製造方法を詳細に説明する。 …(中略)…。 【0109】 一例として、第1電極150は、図1に示すように、複数の第1フィンガー電極151及び複数の第1バスバー153を含むことができる。 【0110】 ここで、複数の第1フィンガー電極151は第1導電型半導体部170の後面の上に互いに離隔して第1方向(x)に延びていることができ、第1導電型半導体部170側に移動したキャリアを収集することができる。 【0111】 そして、複数の第1バスバー153は第1導電型半導体部170の上で複数の第1フィンガー電極151と同一層に位置し、複数の第1フィンガー電極151を互いに電気的に接続させ、複数の第1フィンガー電極151と交差する第2方向(y)に延びていることができる。」 「【図1】 [図:0001436666000009.jpg] 」 「【0140】 図3を参照すると、第1電極150は一定のピッチを有しながら互いに離隔する複数の第1フィンガー電極151を含むことができる。図面では第1フィンガー電極151が互いに平行し、半導体基板100の縁に平行したものを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。 【0141】 また、第1バスバー153は1つのみ備えられることもでき、図3に示すように、第1フィンガー電極151のピッチより大きいピッチを有しながら複数個で備えられることもできる。」 「【図3】 [図:0001436666000010.jpg] 」 (エ) 周知技術1の認定 前記(ア)~(ウ)に摘記した引用文献2~4における摘記事項に例示されるとおり、次の技術事項は、当業者にとって周知技術(以下「周知技術1」という。)であったと認められる。 <周知技術1> 「太陽電池セルにおいて、互いに直交するバスバー電極及びフィンガー電極を、それぞれ3本以上設けること。」 ウ 引用文献5~8に記載された事項並びに技術常識1及び周知技術2の認定 本審決において新たに引用する、本願の優先日前に発行された文献である特開2016-103642号公報、特開2018-129511号公報、中国実用新案第210272384号明細書及び米国特許出願公開第2011/0139226号明細書(以下、それぞれ「引用文献5」~「引用文献8」という。)には、次の記載がある。なお、日本語訳は当合議体が作成したものである。 (ア) 引用文献5に記載された事項 「【0164】 本発明の第2実施形態に係る太陽電池は、図5及び図6に示すように、第1電極150の少なくとも一部は第1パッシベーション膜190Aを貫通して第1導電型半導体部170の内部に陷入されて、第1導電型半導体部170と電気的に接続できる。」 「【図5】 [図:0001436666000011.jpg] 」 「【図6】 [図:0001436666000012.jpg] 」 「【0165】 具体的な一例として、第1電極150を形成する第1フィンガー電極151と第1バスバー153の全てが第1導電型半導体部170の内部に陷入されて形成できる。 …(中略)…。 【0170】 このように、第1電極150が第1導電型半導体部170の内部に陷入される構造は第1電極150を形成するための第1電極用ペーストを第1パッシベーション膜190Aの後面にパターニングして形成した状態で熱処理工程を通じて第1電極ペーストが第1パッシベーション膜190Aを破って第1導電型半導体部170の内部に侵入しながら接続する時に形成できる。 …(中略)…。 【0175】 したがって、本発明に従う太陽電池は、図6に示すように、第1電極150が第1導電型半導体部170の内部に陷入されて、第1導電型半導体部170の第1境界面BS1で第1導電型半導体部170と第1電極150とは互いに接触できる。 【0176】 この際、図5に示すように、第1導電型半導体部170のうち、第1電極150が形成される電極形成領域170Aには前述したように、第1電極150から抽出された複数の金属結晶MCが位置することができる。 【0177】 一例として、図6に示すように、第1導電型半導体部170のうち、第1フィンガー電極151が形成されるフィンガー形成領域170A1には第1フィンガー電極151から抽出された複数の金属結晶MCが位置することができる。 【0178】 図6では第1導電型半導体部170の電極形成領域170Aのうち、電極フィンガー形成領域170A1のみ図示したが、図5に示すように、バスバー形成領域170A2にも同一に第1バスバー153から抽出された複数の金属結晶MCが位置することができる。 【0179】 このような複数の金属結晶MCは多結晶シリコンで形成される第1導電型半導体部170と比較して相対的に抵抗が低いので、図6に示すように、半導体基板100からトンネル層160を通過して第1導電型半導体部170に移動したキャリア、例えば電子が金属結晶MCを通じて第1電極150に直接移動するか、または金属結晶MCと金属結晶MCとの間をジャンプして第1電極150に移動することができる。 【0180】 したがって、このような複数の金属結晶MCはキャリアが第1電極150に一層容易に移動できるように助ける役割をすることができる。 【0181】 したがって、このような金属結晶MCは低い抵抗によって、半導体基板100と第1電極150との間の実質的な距離をより狭めることができる。 【0182】 また、金属結晶MCは第1電極150が第1導電型半導体部170に接続される時、第1電極150と第1導電型半導体部170との境界である第1境界面BS1を中心に半導体基板100方向に形成されるため、第1電極150と第1導電型半導体部170との間の接触抵抗をより低下することができる。 【0183】 したがって、図6に図示された本発明のように、第1電極150とトンネル層160との間の第1導電型半導体部170の内部に複数の金属結晶MCをさらに含む場合、太陽電池の効率がより向上できる。」 (イ) 引用文献6に記載された事項 「【0080】 第2電極150は、第2導電型領域170の上に直接接して配置され、第2導電型領域170と電気的に接続することができる。 【0081】 このような第2電極150は、図1及び図2に示すように、第1方向(x)に長く伸びた複数の第2フィンガー電極151と、複数の第2フィンガー電極151と交差する第2方向(y)に長く伸びており、複数の第2フィンガー電極151を互に接続する複数の第2バスバー電極152を含んで備えられることができる。 【0082】 このような第2電極150は、太陽電池を互に接続させるインターコネクタ(図示せず)と接続され、第2電極150によって収集されて移動する電荷を収集し、外部装置に出力することができる。 【0083】 第2電極150は、金属粒子とガラスフリットを含むことができ、具体的には、ガラスフリットより高い融点を有する金属粒子は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、スズ(Sn)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、チタン(Ti)、金(Au)及びこれらの組み合わせからなる群から選択された少なくとも一つで有り得る。 【0084】 このような第2電極150は、第2導電型領域170の後面に後面パッシベーション膜190が形成された状態で、第2電極用へイーストを後面パッシベーション膜190の後面上にパターニングして形成した後、熱処理工程を経て、第2電極用へイーストが後面パッシベーション膜190をファイアスルーしつつ、後面パッシベーション膜190を突き抜け、第2導電型領域170に電気的に接続された状態で焼成されることによって、形成することができる。」 「【0108】 以下においては次の図3、4、5を参照して、第2電極150のガラスフリット150Gの含有量に応じた効果をさらに具体的に説明する。 【0109】 図3は、第2電極150に含まれたガラスフリット150Gの含有量に応じたコンタクト抵抗、パッシベーション機能(recombination程度)及び開放電圧(Voc)のレベルを実験した表である。 …(中略)…。 【0111】 そして、図5は、図3においてガラスフリット150Gの含有量が適正レベルである場合、太陽電池において半導体基板110、制御パッシベーション膜160、第2導電型領域170及び第2電極150が含まれた一部を拡大図示した断面図である。 …(中略)…。 【0116】 さらに、図3の表に記載された第2電極150のガラスフリット150Gの含有量は、熱処理工程の後の第2電極150が焼成された状態での含有量であり、熱処理工程の前に、第2電極用へイーストに含まれるガラスフリット150Gの適正レベルの含有量は、2.0wt%~4.0wt%であり、このような数値範囲は、図3の表に記載された適正レベルの含有量である2.5wt%~5.0wt%の数値範囲に対応することができる。」 「【図3】 [図:0001436666000013.jpg] 」 「【0117】 本発明は、太陽電池の構造のものなので、以下においては、熱処理工程の後、焼成された第2電極150のガラスフリット150Gの含有量を基準に説明する。 【0118】 さらに、図3の表においてコンタクト抵抗は、第2電極150と第2導電型領域170との間の抵抗を意味する。したがって、コンタクト抵抗が悪いという意味は、第2電極用へイーストがファイアスルーされる深さが薄すぎる、第2電極150が後面パッシベーション膜190を突き抜けず、第2電極150と第2導電型領域170間が正常に電気的に接続されない場合を意味し、よいという意味は、電気的接続が正常に行われた場合を意味する。 【0119】 さらに、パッシベーション機能(recombination程度)は、制御パッシベーション膜160のパッシベーション機能を意味する。したがって、パッシベーション機能が良いという意味は制御パッシベーション膜160が損傷しないことを意味し、パッシベーション機能が悪いという意味は、第2電極150によって制御パッシベーション膜160が損傷されて、第2電極150の金属粒子150Mによって半導体基板110の後面で再結合(recombination)が発生している場合を意味する。 【0120】 また、開放電圧(Voc)が良いという意味は、第2導電型領域170が制御パッシベーション膜160によって、半導体基板110と離隔されて、太陽電池が良好なレベルの開放電圧を発生させる場合を意味し、開放電圧が悪いという意味は、第2電極150が第2導電型領域170の内部に深く浸透しながら、制御パッシベーション膜160が損傷され、第2電極150と半導体基板110が短絡された場合を意味する。 【0121】 図3に記載された表のように、第2電極150に含有された単位体積当たりの含有量が2.5wt%未満の場合、第2電極用へイーストがファイアスルー(firethrough)される深さが薄すぎて、第2電極150が第2導電型領域170にしっかりと接続されてないことがわかる。 【0122】 さらに、第2電極150に含有された単位体積当たりの含有量が5.0wt%を超える場合、図4のように、第2電極150が第2導電型領域170だけでなく、制御パッシベーション膜160まで突き抜け半導体基板110と短絡されることにより、制御パッシベーション膜160の機能が損なわれ、開放電圧(Voc)もまた悪くなることが確認できる。 【0123】 参考として,図4で150Mは、第2電極150に含有された金属粒子150Mを意味し、150Gは、第2電極150に含まれたガラスフリット150Gを意味する。 【0124】 さらに、第2電極150に含有された単位体積当たりの含有量が2.5wt%~5.0wt%の間の適正レベルを維持する場合、第2電極用へイーストがファイアスルーされる深さが適切で、これにより、コンタクト抵抗、パッシベーション機能及び開放電圧がすべて非常に良好なレベルに維持されることを確認することができる。 【0125】 さらに、第2電極150に含有された単位体積当たりの含有量が2.5wt%~5.0wt%間の適正レベルを維持する場合、図5のように、第2電極150が後面パッシベーション膜190を突き抜け、第2導電型領域170の内部に適正深さに浸透するようになり、この時に、第2電極150と第2導電型領域170との間の界面には、第2電極150の金属粒子150Mと第2導電型領域170のシリコンが結合した合金(alloy)乃至結晶体(crystallite)[以下では、「結晶体」と称する]が形成されることがある。」 「【図5】 [図:0001436666000014.jpg] 」 「【0126】 このような金属粒子150M‐シリコン結晶体153は、第2電極150と第2導電型領域170との間のコンタクト抵抗をさらに下げることができる。 【0127】 これまでは第2電極150が後面パッシベーション膜190を突き抜け、第2導電型領域170の内部にファイアスルー(firethrough)される深さを調節するために、第2電極150に含まれるガラスフリット150Gの単位体積当たりの含有量の数値について説明した。」 (ウ) 引用文献7に記載された事項 「 [図:0001436666000015.jpg] 」 (日本語訳: [0019] 図2を参照すると、図中の凡例に示すように、後工程エッチング型N型コンタクトパッシベーションセルは、N型シリコン基板21、基板の表面側に形成された表面構造及び基板の裏面側に形成された裏面構造を含む。 [0020] 表面構造は、p+拡散層22、表面パッシベーション膜23及び表面金属電極24から構成され、p+拡散層22と表面パッシベーション膜23はN型シリコン基板21から離れる方向に順次積層される。表面金属電極24は表面パッシベーション膜23を貫通し、その内端はp+拡散層22に接触する。 [0021] 裏面構造は、トンネル酸化膜25、n+多結晶シリコン層26、裏面パッシベーション膜27及び裏面金属電極28から構成され、トンネル酸化膜25、n+多結晶シリコン層26、裏面パッシベーション膜27はN型シリコン基板21から離れる方向に順次積層される。n+多結晶シリコン層26は裏面パッシベーション膜27側に局所的な突出部を形成し、裏面パッシベーション膜27に埋め込まれている。裏面金属電極28は裏面パッシベーション膜27を貫通し、その内端はn+多結晶シリコン層26の突出部に接触する。なお、n+多結晶シリコン層26の非突出部の膜厚は10~50nm、突出部の膜厚は50~250nmである。) 「図2 [図:0001436666000016.jpg] 」 (エ) 引用文献8に記載された事項 「[0042] FIG. 1 is a partial perspective view of a solar cell according to a first example embodiment of the invention. FIG. 2 is a partial cross-sectional view taken along line II-II of FIG. 1, and FIG. 3 is a partial cross-sectional view taken along line III-III of FIG. 1. [0043] As shown in FIGS. 1 to 3, a selective emitter solar cell according to a first example embodiment of the invention includes a substrate 110, a selective emitter layer 120 positioned on one surface of the substrate 110, an anti-reflection layer 130 positioned on the selective emitter layer 120, a plurality of first electrodes 140 electrically connected to the selective emitter layer 120, at least one first current collector 150 electrically connected to the selective emitter layer 120, a second electrode 160 that is positioned on another surface of the substrate 110 and is electrically connected to the substrate 110, and a back surface field layer 170 positioned between the substrate 110 and the second electrode 160.」 (日本語訳: [0042] 図1は、本発明の第1の実施の形態に係る太陽電池の部分斜視図である。図2は、図1のII-II線に沿った部分断面図であり、図3は図1のIII-III線に沿った部分断面図である。 [0043] 図1~3に示すように、本発明の第1の実施例による選択エミッタ型太陽電池は、基板110、基板110の一方の面に配置された選択エミッタ層120、選択エミッタ層120上に配置された反射防止層130、選択エミッタ層120に電気的に接続された複数の第1電極140、選択エミッタ層120に電気的に接続された少なくとも1つの第1集電体150、基板110の他方の面に配置され基板110に電気的に接続された第2電極160及び基板110と第2電極160との間に配置された裏面電界層170を含む。) 「図1 [図:0001436666000017.jpg] 」 「[0045] The selective emitter layer 120 is a portion doped with impurities (for example, n-type impurities) of a second conductive type opposite a first conductive type (i.e., p-type impurities) of the substrate 110. The selective emitter layer 120 is formed at a light incident surface, i.e., a front surface corresponding to a light receiving surface of the substrate 110. The selective emitter layer 120 includes a first emitter portion 122 and a second emitter portion 124 each having a different impurity concentration. [0046] In the first example embodiment of the invention, an impurity concentration of the second emitter portion 124 is higher than an impurity concentration of the first emitter portion 122. Further, an impurity doping thickness of the second emitter portion 124 is greater than an impurity doping thickness of the first emitter portion 122. Accordingly, a thickness of the second emitter portion 124 is greater than a thickness of the first emitter portion 122, and a lower surface of the first emitter portion 122 and a lower surface of the second emitter portion 124 are positioned on the same plane. The selective emitter layer 120 having the above-described structure may be formed using an etch back process.」 (日本語訳: [0045] 選択エミッタ層120は基板110の第1導電型(p型不純物)と反対の第2導電型の不純物(例えば、n型不純物)がドープされた部分である。選択エミッタ層120は、光入射面、すなわち基板110の受光面に対応する表面に形成されている。選択エミッタ層120は互いに異なる不純物濃度を有する第1エミッタ部122及び第2エミッタ部124を備えている。 [0046] 本発明の第1の実施例においては、第2エミッタ部124の不純物濃度は、第1エミッタ部122の不純物濃度よりも高い。さらに、第2エミッタ部124の不純物ドーピング厚さは、第1エミッタ部122の不純物ドーピング厚さよりも大きい。したがって、第2エミッタ部124の厚さは、第1エミッタ部122の厚さよりも大きく、第1エミッタ部122の下面と第2エミッタ部124の下面は同一平面上に位置する。上述の構造を有する選択エミッタ層120は、エッチバックプロセスを用いて形成することができる。) 「[0051] In the first example embodiment of the invention, the second emitter portion 124 of the selective emitter layer 120 includes a first region 124a, a second region 124b, a third region 124c, and a fourth region 124d. The first region 124a and the second region 124b are positioned under the first electrodes 140, and the third region 124c and the fourth region 124d are positioned under the first current collector 150. [0052] The first region 124a directly contacts the first electrodes 140 and thus is an overlapping region between the first electrodes 140 and the second emitter portion 124. The third region 124c directly contacts the first current collector 150 and thus is an overlapping region between the first current collector 150 and the second emitter portion 124. The second region 124b is positioned around the first region 124a and does not overlap the first electrodes 140. The fourth region 124d is positioned around the third region 124c and does not overlap the first current collector 150. Accordingly, the first electrodes 140 are positioned on the first region 124a of the second emitter portion 124 and directly contact the first region 124a, and the first current collector 150 is positioned on the third region 124c of the second emitter portion 124 and directly contacts the third region 124c. …(中略)…。 [0056] In the first example embodiment of the invention, a line width of the first region 124a is substantially equal to the line width W2 of the first electrode 140, and a line width W3 of the second region 124b is about one to eight times the line width W2 of the first electrode 140. The second region 124b may be equally dividedly positioned at both sides of the first region 124a, and thus both portions of the second region 124b have the same line width of W3/2. Alternatively, the both portions of the second region 124b that are dividedly positioned at both sides of the first region 124a may have different line widths. In embodiments of the invention, portions of the second region 124b hem in the first region 124a from opposite sides. (日本語訳: [0051] 本発明の第1の実施例において、選択的エミッタ層120の第2エミッタ部124は、第1領域124a、第2領域124b、第3領域124c、及び第4領域124dを含む。第1領域124a及び第2領域124bは第1電極140の下に配置され、第3領域124c及び第4領域124dは第1集電体150の下に配置される。 [0052] 第1領域124aは第1電極140と直接接触し、したがって第1電極140と第2エミッタ部124との間の重複領域である。第3領域124cは第1集電体150と直接接触し、したがって第1集電体150と第2エミッタ部124との間の重複領域である。第2領域124bは第1領域124aの周囲に配置され、第1電極140と重複しない。第4領域124dは第3領域124cの周囲に配置され、第1集電体150と重複しない。したがって、第1電極140は第2エミッタ部124の第1領域124a上に配置され、第1領域124aと直接接触し、第1集電体150は第2エミッタ部124の第3領域124c上に配置され、第3領域124cと直接接触する。 …(中略)…。 [0056] 本発明の第1の実施例では、第1の領域124aの線幅は、第1電極140の線幅W2と略同等であり、第2の領域124bの線幅W3は、第1電極140の線幅W2の約1~8倍である。第2の領域124bは、第1領域124aの両側に位置する分割であってもよいし、第2領域124bの両方の部分がW3と同一の線幅を有している。また、第1領域124aの両側に位置する分割された第2の領域124bの両方の部分が、異なる線幅を有することができる。本発明の実施形態では、第2の領域124bの部分は、対向する側から第1領域124aに縁取る。) 「図2 [図:0001436666000018.jpg] 図3 [図:0001436666000019.jpg] 」 「[0059] Further, as shown in FIG. 4, when the line width W3 of the second region 124b is zero, the conversion efficiency Eff is maintained at the predetermined level. However, the fact that the line width W3 of the second region 124b is zero indicates the line width (i.e., W2+W3) of the second emitter portion 124 is equal to the line width W2 of the first electrode 140. In this instance, it is very difficult to mass-produce the selective emitter solar cell in which the first electrode 140 and the second emitter portion 124 are aligned at a correct location.」 (日本語訳: [0059] さらに、図4に示すように、第2領域124bのライン幅W3がゼロの場合、変換効率Effは所定レベルに維持される。しかし、第2領域124bのライン幅W3がゼロであるということは、第2エミッタ部124のライン幅(すなわちW2+W3)が第1電極140のライン幅W2と等しいことを意味する。この場合、第1電極140と第2エミッタ部124とが正確な位置に整列した選択エミッタ型太陽電池を量産することは非常に困難である。) (オ) 技術常識1及び周知技術2の認定 a 技術常識1の認定 前記(ア)及び(イ)に摘記した引用文献5及び6の摘記事項に例示され、前記(ウ)に摘記した引用文献7の図2から見てとれるとおり、次の技術事項は、当業者にとって技術常識(以下「技術常識1」という。)であったと認められる。 <技術常識1> 「太陽電池における、いわゆるファイヤースルーによって形成されたバスバー及びフィンガー電極は、バスバー及びフィンガー電極と半導体層との間の接触抵抗を低減するために、バスバー及びフィンガー電極の少なくとも一部が、パッシベーション膜を貫通して半導体層の内部に陷入していること。」 b 周知技術2の認定 前記(ウ)に摘記した引用文献7における図2から見てとれるとともに、前記(エ)に摘記した引用文献8の記載によれば、次の技術事項は、当業者にとって周知技術(以下「周知技術2」という。)であったと認められる。 <周知技術2> 「太陽電池における、半導体層の突出部上に配置される電極について、半導体層の突出部幅と電極の幅が等しい場合、半導体層の突出部と電極とが正確な位置に整列した太陽電池を量産することは困難であるから、電極の幅を半導体層の突出部の幅より小さくすること。」 (3) 本件補正発明と引用発明の対比 ア 対比分析 本件補正発明と引用発明を、以下に対比する。 (ア) 構成Xの観点(太陽電池) a 構成Xは、太陽電池の発明であることを特定するものである。 b 「太陽電池」の発明である本件補正発明と「太陽電池」の発明である引用発明は、「太陽電池」の発明である点において一致する。 (イ) 構成Aの観点(ベース) a 構成Aは、「ベース」を備えることである。 b 引用発明における「ベース20」は、本件補正発明における「ベース」に相当する。 c したがって、本件補正発明と引用発明は、次の点において一致する。 「ベース」を備える点。 (ウ) 構成Bの観点(トンネル誘電体層) a 構成Bは、「前記ベースの表面に位置するトンネル誘電体層」を備えることである。 b 引用発明における「トンネル層221」の材料は、「酸化シリコン」を含み、誘電体層と理解できるから、当該「トンネル層221」は、本件補正発明における「トンネル誘電体層」に相当する。そして、引用発明は、「ベース20の下面に順に積層されたトンネル層221、フィールドパッシベーション層226および第2電極228」を備えているところ、当該「トンネル層221」は、「ベース20の下面」上に積層された層と理解できる。そうすると、引用発明における「トンネル層221」は、本件補正発明にいうところの「前記ベースの表面に位置する」との構成を満たしている。 c したがって、本件補正発明と引用発明は、次の点において一致する。 「前記ベースの表面に位置するトンネル誘電体層」を備える点。 (エ) 構成Cの観点(ドープ導電層) a 構成Cは、「前記トンネル誘電体層の表面に位置するドープ導電層」を備え、当該「ドープ導電層」が、「第2方向に対して直交する第1方向に沿って配列された、第2方向に沿って延びる複数の突出部を有する」ことである。 b(a) 以下に示すとおり、引用発明における「フィールドパッシベーション層226」は、本件補正発明における「ドープ導電層」に相当する。 すなわち、引用発明における「フィールドパッシベーション層226」は、引用発明の「ステップ102」によれば、「フィールドパッシベーション膜222」をエッチングすることにより形成された層と理解できるところ、当該「フィールドパッシベーション膜222」の材料は、「ドープされたポリシリコンを含[む]」ものであって、当該「フィールドパッシベーション膜222」は、「ベース20から離れる方向に順に積層されたイオン拡散層223とイオン富化層224とを有し」ている。そして、当該「イオン富化層224のドーピングイオン濃度」は、「イオン拡散層223のドーピングイオン濃度よりも大きく」、当該「イオン拡散層223」は、「多数キャリアの効果的な輸送を確保するために設置され」ている。そうすると、引用発明における「フィールドパッシベーション層226」は、イオンがドープされた導電性の層であると理解することができる。 そして、引用発明は、「ベース20の下面に順に積層されたトンネル層221、フィールドパッシベーション層226および第2電極228」との構成を備えており、当該「フィールドパッシベーション層226」は、「トンネル層221」上に積層された層と理解できるから、引用発明における「フィールドパッシベーション層226」は、本件補正発明にいうところの「前記トンネル誘電体層の表面に位置する」との構成を満たしている。 (b) 以下に示すとおり、引用発明における「複数のサブ層226a-1」は、本件補正発明における「複数の突出部」に相当し、当該「複数のサブ層226a-1」は、本件補正発明にいうところの「第2方向に対して直交する第1方向に沿って配列された、第2方向に沿って延びる」との構成を満たしている。 すなわち、引用発明における「フィールドパッシベーション層226」は、「第1フィールドパッシベーションサブ層226a」及び「第2フィールドパッシベーションサブ層226b」により構成されているところ、「ベース20の表面に垂直な方向において、第2フィールドパッシベーションサブ層226bの厚さは、第1フィールドパッシベーションサブ層226aの厚さよりも小さ[い]」ものであるから、当該「第1フィールドパッシベーションサブ層226a」は、「フィールドパッシベーション層226」における凸部と理解できる。そして、引用発明における「第1フィールドパッシベーションサブ層226a」は、「複数本の細いゲート線に接触する複数のサブ層226a-1と、複数のサブ層226a-1を接続しメインゲート線に接触するサブ層226a-2」を含むものであるところ、前記の理解を踏まえると、引用発明における「複数のサブ層226a-1」は、本件補正発明における「複数の突出部」に相当するといえる。そして、「サブ層226a-1の延びる方向」は、本件補正発明における「第2方向」に相当するとともに、「サブ層226a-1の延びる方向に垂直」である「サブ層226a-2の延びる方向」は、本件補正発明における「第1方向」に相当する。 また、当該「複数のサブ層226a-1」のそれぞれが延びている(延伸している)ことに鑑みれば、当該「複数のサブ層226a-1」のそれぞれは平行に並んでいる、言い換えれば、当該「複数のサブ層226a-1」は、「サブ層226a-1の延びる方向に垂直」である「サブ層226a-2の延びる方向」に並んでいると理解することができる。 以上のことから、引用発明の「複数のサブ層226a-1」は、本件補正発明にいうところの「第2方向に対して直交する第1方向に沿って配列された、第2方向に沿って延びる」との構成を満たしている。 c したがって、本件補正発明と引用発明は、次の点において一致する。 「前記トンネル誘電体層の表面に位置するドープ導電層であって、第2方向に対して直交する第1方向に沿って配列された、第2方向に沿って延びる複数の突出部を有するドープ導電層」を備える点。 (オ) 構成D-1の観点(導電接続構造) a 構成D-1は、「隣り合う2つの前記突出部の間に位置し、前記突出部の側面に接触して接続される導電接続構造」を備えることである。 b 引用発明における「サブ層226a-2」は、「複数のサブ層226a-1を接続[する]」ものであり、「サブ層226a-2の延びる方向は、サブ層226a-1の延びる方向に対して垂直である」から、当該「サブ層226a-2」は、「複数のサブ層226a-1」のそれぞれと交差する領域(以下「交差領域」という。)を有すると理解できるところ、当該「サブ層226a-2」から交差領域を除くと、当該「サブ層226a-2」に含まれる領域であって、「複数のサブ層226a-1」の間に、「複数のサブ層226a-1」に接して形成された領域(以下「サブ層226a-1間領域」という。)を観念することができる。そうすると、当該サブ層226a-1間領域は、本件補正発明における「導電接続構造」に相当するといえ、本件補正発明にいうところの「隣り合う2つの前記突出部の間に位置し、前記突出部の側面に接触して接続される」との構成を満たしている。 c したがって、本件補正発明と引用発明は、次の点において一致する。 「隣り合う2つの前記突出部の間に位置し、前記突出部の側面に接触して接続される導電接続構造」を備える点。 (カ) 構成Eの観点(パッシベーション層) a 構成Eは、「前記ドープ導電層および前記導電接続構造の表面を覆うパッシベーション層」を備えることである。 b 引用発明における「第2パッシベーション膜227」は、本件補正発明における「パッシベーション層」に相当する。そして、当該「第2パッシベーション膜227」は、「フィールドパッシベーション層226におけるベース20から離れる表面を覆うように、」「沈積され[る]」ものであるから、本件補正発明にいうところの「前記ドープ導電層および前記導電接続構造の表面を覆う」との構成を満たしている。 c したがって、本件補正発明と引用発明は、次の点において一致する。 「前記ドープ導電層および前記導電接続構造の表面を覆うパッシベーション層」を備える点。 (キ) 構成Fの観点(サブゲート電極) a 構成Fは、「前記第2方向に沿って延び、前記パッシベーション層を貫通してから前記突出部に挿入され、前記突出部と接続されている複数のサブゲート電極」を備えることである。 b 引用発明における「第2電極228」は、「順に積層された銀電極228aと、導電性ペースト228bと、電極膜228c」を含むものであるから、「第2電極228」の上面形状は、「銀電極228a」の上面形状に倣うものと理解できるところ、当該「銀電極228a」は、「複数本の細いゲート線と、複数本の細いゲート線を接続するメインゲート線とを含[む]」ものであるから、「第2電極228」は、銀電極228aにおける複数本の細いゲート線上に順に積層された導電性ペースト228及び電極膜228cからなる構造(以下「複数本の細いゲート電極228-1」という。)、及び、銀電極228aにおけるメインゲート線上に順に積層された導電性ペースト228及び電極膜228cからなる構造(以下「メインゲート電極228-2」)を含むものと理解でき、当該複数本の細いゲート電極228-1は、本件補正発明における「複数のサブゲート電極」に相当するといえる。 c 引用発明における「複数のサブ層226a-1」は、複数本の細いゲート電極228-1に含まれる「複数本の細いゲート線」に「接触し」ているから、当該複数本の細いゲート電極228-1は、本件補正発明でいうところの「前記突出部と接続されている」との構成を満たしている。 d 引用発明における「ステップ104」によれば、「第2パッシベーション膜227におけるベース20から離れる表面にスクリーン印刷プロセスで薄層の銀ペーストを印刷し、銀ペーストを乾燥及び焼結して、第2パッシベーション膜227を貫通して第1フィールドパッシベーションサブ層226aに接触する銀電極228aを形成[する]」ものであり、当該「銀電極228a」は、「第2電極228」に含まれるものである。そうすると、引用発明における「第2電極228」の複数本の細いゲート電極228-1についても、「第2パッシベーション膜227を貫通して第1フィールドパッシベーションサブ層226aに接触する」ものと理解できるから、当該複数の細いゲート電極228-1は、本件補正発明でいうところの「前記パッシベーション層を貫通してから」前記突出部と接続されている(前記c参照)との構成を満たしている。 e 以上の検討結果を踏まえると、本件補正発明と引用発明は、構成Fの観点において、次の(a)の点において一致し、後記(b)の点において相違する。 (a) 構成Fの観点での一致点 「前記第2方向に沿って延び、前記パッシベーション層を貫通してから」「、前記突出部と接続されている複数のサブゲート電極」を備える点。 (b) 構成Fの観点での相違点 「サブゲート電極」について、本件補正発明においては、「前記突出部に挿入され[る]」のに対して、引用発明においては、「複数のサブ層226a-1」は、「複数本の細いゲート線に接触する」点。 (ク) 構成D-2の観点(導電接続構造について) a 構成D-2は、「導電接続構造」は、「複数あり」、「複数の前記導電接続構造」は、「前記第2方向に沿って間隔分布し」かつ「前記第1方向に沿って間隔分布する」ことである。 b 前記(オ)bの検討によれば、引用発明におけるサブ層226a-1間領域(本願補正発明における「導電接続構造」に相当)の個数及び配置は、「複数のサブ層226a-1」及び「サブ層226a-2」におけるそれぞれの本数により定まることを理解できる。しかしながら、引用発明における「複数のサブ層226a-1」及び「サブ層226a-2」のそれぞれの本数は不明であるから、サブ層226a-1間領域の個数及び配置も不明である。 c したがって、本件補正発明と引用発明は、構成D-2の観点において、次の点において相違する。 「導電接続構造」について、本件補正発明においては、「複数あり」、「複数の前記導電接続構造は、前記第2方向に沿って間隔分布しかつ前記第1方向に沿って間隔分布する」のに対して、引用発明においては、サブ層226a-1間領域の個数及び配置は不明である点。 イ 一致点及び相違点 前記アの対比分析の結果をまとめると、本件補正発明と引用発明は、次の(ア)に示す一致点において一致し、後記(イ)に示す相違点において相違すると認められる。 (ア) 一致点 「ベースと、 前記ベースの表面に位置するトンネル誘電体層と、 前記トンネル誘電体層の表面に位置するドープ導電層であって、第2方向に対して直交する第1方向に沿って配列された、第2方向に沿って延びる複数の突出部を有するドープ導電層と、 隣り合う2つの前記突出部の間に位置し、前記突出部の側面に接触して接続される導電接続構造と、 前記ドープ導電層および前記導電接続構造の表面を覆うパッシベーション層と、 前記第2方向に沿って延び、前記パッシベーション層を貫通してから、前記突出部と接続されている複数のサブゲート電極と、 を備える太陽電池」である点。 (イ) 相違点 a 相違点1 「サブゲート電極」について、本件補正発明においては、「前記突出部に挿入され[る]」のに対して、引用発明においては、「第1フィールドパッシベーションサブ層226aに接触する」点。 b 相違点2 「導電接続構造」について、本件補正発明においては、「複数あり」、「複数の前記導電接続構造は、前記第2方向に沿って間隔分布しかつ前記第1方向に沿って間隔分布する」のに対して、引用発明においては、サブ層226a-1間領域の個数や配置は不明である点。 (4) 判断 ア 相違点1について (ア) まず、本件補正発明における「挿入され」の意味するところについて検討すると、本願明細書に「挿入」との文言はなく、審判請求書の記載によれば、【図2】を根拠とするものであるとされている。そして、「サブゲート電極150」の製造方法について、本願明細書の【0045】には、「サブゲート電極150は、ファイヤースルー型スラリーが焼結されてなるものであってもよい。」と記載されている。したがって、ファイヤースルー型スラリーが焼結されて製造されたサブゲート電極150は、前記「挿入され」との構成を満たしていると理解することが自然であり、この理解は、前記(2)ウ(オ)aに説示した技術常識1に照らしても明らかであるから、以下この理解のもとに検討する。 なお、【図2】を根拠とした「挿入」との文言によれば、「サブゲート電極150」の幅が「突出部121」の幅より小さいことを、黙示的に特定しているとみる余地もあるから、この場合については、後記(エ)で検討する。 (イ) 引用発明における「銀電極228a」は、「第2パッシベーション膜227におけるベース20から離れる表面にスクリーン印刷プロセスで薄層の銀ペーストを印刷し、銀ペーストを乾燥及び焼結して」、「第2パッシベーション膜227を貫通して第1フィールドパッシベーションサブ層226aに接触する銀電極228a」を形成しており、当該形成手段によれば、いわゆるファイヤースルー型であると理解できるところ、当該「第2電極228」が、太陽電池が光を吸収して発生するキャリアを収集する電極であることは明らかであるから、ファイヤースルーによる焼結によって「銀電極228a」と「第1フィールドパッシベーションサブ層226a」とは合金化しオーミック接触が得られていると理解することが自然といえる。そうすると、引用発明における「銀電極228a」を含む「第2電極228」に含まれる複数本の細いゲート電極228-1(前記(3)ア(キ)b参照)は、前記(ア)の理解によれば、本件補正発明にいうところの「前記突出部に挿入され[る]」との構成を満たしているといえる。したがって、相違点1は実質的な相違点ではない。 (ウ) 仮に、前記(イ)のように引用発明における複数本の細いゲート電極228-1が相違点1に係る本件補正発明でいうところの「前記突出部に挿入され[る]」ものとまではいえないとしても、前記(2)ウ(オ)aで認定した技術常識1のとおり、「太陽電池における、いわゆるファイヤースルーによって形成されたバスバー及びフィンガー電極は、バスバー及びフィンガー電極と半導体層との間の接触抵抗を低減するために、バスバー及びフィンガー電極の少なくとも一部が、パッシベーション膜を貫通して半導体層の内部に陷入していること」は技術常識であるから、引用発明における「第1フィールドパッシベーションサブ層226a」の「サブ層226a-1」と「第2電極228」に含まれる複数本の細いゲート電極228-1の接触抵抗を低減するために、前記技術常識1を適用し、相違点1に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者であれば容易になし得たことである。 (エ) 前記(ア)なお書きのとおり、「挿入され」との特定により、「サブゲート電極150」の幅が「突出部121」の幅より小さいことが黙示的に特定されているとしても、前記(2)ウ(オ)bで認定した周知技術2のとおり、「太陽電池における、半導体層の突出部上に配置される電極について、半導体層の突出部幅と電極の幅が等しい場合、半導体層の突出部と電極とが正確な位置に整列した太陽電池を量産することは困難であるから、電極の幅を半導体層の突出部の幅より小さくすること」は周知技術であり、引用発明に周知技術2を適用することにより、引用発明における「第2電極228」に含まれる複数本の細いゲート電極228-1の幅を「複数本の細いゲート線に接触する複数のサブ層226a-1」の幅より小さくすることは、当業者が容易になし得たことである。 (オ) 以上のとおりであるから、相違点1は実質的な相違点ではない。仮に、相違点1が実質的な相違点であるとしても、引用発明に周知技術を適用することにより、相違点1に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。 イ 相違点2について (ア) 前記(3)ア(ク)bに説示のとおり、引用発明におけるサブ層226a-1間領域(サブ層226a-2から、サブ層226a-2と複数のサブ層226a-1とが交差する領域(交差領域)を除いた領域、前記(3)ア(オ)b参照)の個数及び配置は、「複数のサブ層226a-1」及び「サブ層226a-2」におけるそれぞれの本数により定まるから、引用発明から出発して相違点2に係る本件補正発明の構成に至るには、「複数のサブ層226a-1」の本数を3本以上とし、かつ「サブ層226a-2」の本数を2本以上とすること、換言すれば、「銀電極228a」における「複数本の細いゲート線」の本数、すなわち、複数本の細いゲート電極228-1の本数を3本以上とし、かつ「銀電極228a」における「メインゲート線」の本数、すなわち、メインゲート電極228-2の本数を2本以上とすることにより充足される。 すなわち、引用発明は、「第1フィールドパッシベーションサブ層226aは、複数本の細いゲート線に接触する複数のサブ層226a-1と、複数のサブ層226a-1を接続しメインゲート線に接触するサブ層226a-2とを含[む]」ものであることから、「銀電極228a」における各「ゲート線」の本数、すなわち、各「ゲート電極」の本数が定まれば、対応するサブ層226a-1間領域の個数及び配置が定まることを理解できる。 そこで、「第2電極228」に含まれる複数本の細いゲート電極228-1及びメインゲート電極228-2について、前記のように構成することが容易といえるかについて、以下に検討する。 (イ) 引用発明の「サブ層226a-2」に接触する「銀電極228a」は、「銀電極228a」における「メインゲート線」であり、当該「メインゲート線」は、「後続の部品製造工程における太陽電池セル間のリンクに用いられる」ものであるから、引用発明のメインゲート電極228-2は、いわゆるバスバー電極と理解でき、引用発明の複数本の細いゲート電極228-1は、いわゆるフィンガー電極と理解できる。 そして、前記(2)イ(エ)で認定した周知技術1のとおり、「太陽電池セルにおいて、互いに直交するバスバー電極及びフィンガー電極を、それぞれ3本以上設けること」は周知技術であり、当該構成が、太陽電池が光を吸収して発生するキャリアを効率的に収集するとともに抵抗損失を低減するための構成であることは、当業者には技術常識と理解できるところ、引用発明においても、キャリアを効率的に収集するとともに抵抗損失を低減することは、当然に求められる事項であるから、当業者が引用発明に前記周知技術1を適用する動機はあるといえる。 (ウ) したがって、太陽電池が光を吸収して発生するキャリアを効率的に収集するとともに抵抗損失を低減するために、引用発明に前記周知技術1を適用し、引用発明における「第2電極228」に含まれる複数本の細いゲート電極228-1及びメインゲート電極228-2をそれぞれ3本以上設けることは、当業者が容易になし得たことであり、この結果、相違点2に係る本件補正発明の構成に至ることとなる。 ウ 総合評価 前記ア及びイにおいて検討したとおり、引用発明において、前記相違点1及び2に係る本件補正発明の構成を備えるようにすることは、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に想到し得たことである。 そして、相違点1及び2を総合的に勘案しても、本件補正発明が奏する効果としては、当該構成のものとして当業者が予測・発見困難であり、かつ、格別顕著な効果を認めることはできない。 したがって、本件補正発明は、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 エ 請求人の主張について (ア) 請求人の主張1について a 請求人の主張1の内容 請求人は、引用文献1に記載の発明では、第1方向及び第2方向の両方に間隔をあけて設置された「導電接続構造」がない旨、特に、引用文献1に記載の発明では、「導電接続構造」は第2方向に連続的に延在した状態にある旨を主張している。 b 請求人の主張1についての検討 前記(2)ア(イ)に説示のとおり、引用文献1に記載された「第1フィールドパッシベーションサブ層226a」は、「複数本の細いゲート線に接触する複数のサブ層226a-1と、複数のサブ層226a-1を接続しメインゲート線に接触するサブ層226a-2とを含む」ものと理解でき、前記(3)ア(オ)bに説示のとおり、引用発明から、サブ層226a-2からサブ層226a-2と複数のサブ層226a-1とが交差する領域(交差領域)を除いた領域(サブ層226a-1間領域)を観念でき、当該サブ層226a-1間領域は、本件補正発明にいうところの「導電接続構造」に相当するといえる(なお、本願明細書の【0037】に記載された「ドープ導電層120を同一の工程でエッチングすることにより、突出部121及び導電接続構造130を形成し」との記載からみて、本件補正発明の導電接続構造は、突出部と同一材料、同一厚さで実質的に連続的に延在する構成を含んでいる。)。そして、当該サブ層226a-1間領域を第1方向及び第2方向の両方に間隔をあけて設置された複数のものとすることは、前記イに説示のとおり、当業者が容易になし得たことである。 したがって、請求人の前記主張1は採用できない。 (イ) 請求人の主張2について a 請求人の主張2の内容 請求人は、引用文献1に記載された「サブゲート電極」は、パッシベーション層を貫通しておらず、パッシベーション層において突出部に接続されている旨を主張している。 b 請求人の主張2についての検討 請求人の主張2は、引用文献1に記載された「フィールドパッシベーション層226」が、本件補正発明における「パッシベーション層」に相当する層との理解に基づくものと解されるが、前記(3)ア(エ)に説示のとおり、前記「フィールドパッシベーション層226」は、本件補正発明における「ドープ導電層」に相当する層であるから、請求人の主張2は引用文献1の記載を正解しないものである。 したがって、請求人の前記主張2は採用できない。 オ 独立特許要件の判断のまとめ 以上検討のとおり、本件補正発明は、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 したがって、本件補正により請求項1についてする補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に適合しない。 4 本件補正の却下の決定の理由のむすび 前記3(4)オのとおり、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するから、同法159条1項において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。 よって、前記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明について 本件補正は、前記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1(前記第2の1(1)参照)に記載された事項により特定されるとおりのものである。 2 原査定における拒絶の理由の概要 原査定の本願発明に対する拒絶の理由(進歩性の欠如)の概要は、次のとおりである。 本願発明は、優先日前に発行された下記の引用文献1に記載された発明及び周知技術に基づいて、優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。 記 1.特開2022-81367号公報 2.特開2019-179838号公報(周知技術を示す文献) 3.国際公開第2011/065571号(周知技術を示す文献) 4.特開2019-117963号公報(周知技術を示す文献) 3 各引用文献に記載された事項及び引用発明等の認定 各引用文献に記載された事項及び引用発明等の認定は、前記第2の3(2)において示したとおりである。 4 対比・判断 本願発明は、本件補正発明から、前記第2の2(1)及び(2)に示した限定を省いたものである。 そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、その発明特定事項の一部を限定したものに相当する本件補正発明が、前記第2の3(4)において説示したとおり、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上検討のとおり、本願発明は、特許法29条2項の規定により、特許を受けることができない。 したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2024-012389

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ当事者の審決4件(ジョジアン ジンコ ソーラー カンパニー リミテッド、晶科能源股分有限公司)
  • 2025-000740拒絶査定不服審判 / 2026-03-27 / 請求不成立太陽電池及びその製造方法、光起電力モジュール
    同じ当事者: ジョジアン ジンコ ソーラー カンパニー リミテッド、晶科能源股分有限公司
  • 2023-015116拒絶査定不服審判 / 2025-03-13 / 原査定取消(特許/登録すべき)光起電力モジュール及び光起電力モジュールの製造方法
    同じ当事者: ジョジアン ジンコ ソーラー カンパニー リミテッド、晶科能源股分有限公司
  • 2023-002900拒絶査定不服審判 / 2024-06-13 / 原査定取消(特許/登録すべき)太陽電池およびその製造方法、光起電力モジュール
    同じ当事者: ジョジアン ジンコ ソーラー カンパニー リミテッド
  • 2022-009078拒絶査定不服審判 / 2023-06-02 / 原査定取消(特許/登録すべき)太陽電池及びその製造方法、光起電力モジュール
    同じ当事者: ジョジアン ジンコ ソーラー カンパニー リミテッド
同じ論点・分野の審決(審決分類)2,495件(121・H01L、575・H01L)
  • 2025-002107拒絶査定不服審判 / 2026-06-29 / 請求不成立熱硬化性樹脂組成物
    共通の審決分類: 121・H01L、575・H01L
  • 2024-013328拒絶査定不服審判 / 2026-03-30 / 請求不成立光起電力モジュールの製造方法及び光起電力モジュール
    共通の審決分類: 121・H01L、575・H01L
  • 2024-014697拒絶査定不服審判 / 2026-03-23 / 請求不成立アライメントセンサーとビーム測定センサーを備えている荷電粒子リソグラフィシステム
    共通の審決分類: 121・H01L、575・H01L
  • 2024-017912拒絶査定不服審判 / 2026-03-09 / 請求不成立スピンする反射性基板の分析のためのハードウェア改善及び方法
    共通の審決分類: 121・H01L、575・H01L
  • 2023-003655拒絶査定不服審判 / 2025-05-19 / 請求不成立発光装置、表示装置および照明装置
    共通の審決分類: 121・H01L、575・H01L

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存