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特許拒絶査定不服審判

2023-005136

発光ダイオードパッケージ及びそれを有する表示装置

審判番号
2023-005136
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2019-518564
請求日
2023年03月29日
審決日
2024年06月17日
公報発行日
2024年11月29日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】ソウル セミコンダクター カンパニー リミテッド
  • 【請求人代理人】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
審判長/審判官
  • 審判長 波多江 進
  • 審判官 齋藤 卓司
  • 審判官 吉野 三寛
分類
P18 .561-Z (H01L) / P18 .575-Z (H01L) / P18 .121-Z (H01L)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第184条の4第1項、特許法第184条の12第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項、特許法第159条第1項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2019-518564「発光ダイオードパッケージ及びそれを有する表示装置」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 5月 3日国際公開、WO2018/080061、令和元年12月26日国内公表、特表2019-537836〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2017年(平成29年)10月13日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2016年(平成28年)10月25日(以下、この日を「最先の優先日」という。)、米国、2016年(平成28年)12月15日、米国。)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯の概要は以下のとおりである。 令和 2年 4月27日付け:拒絶理由通知書 同年 8月11日 :意見書・手続補正書の提出 同年11月30日付け:拒絶理由通知書(最後) 令和 3年 2月22日 :意見書・手続補正書の提出 同年 7月30日付け:拒絶理由通知書(最後) 令和 4年 1月24日 :意見書・手続補正書の提出 同年 2月16日付け:令和4年1月24日に提出した手続補正書でした手続補正についての補正の却下の決定、拒絶理由通知書(最後) 同年 5月30日 :意見書・手続補正書の提出 同年 6月 7日付け:拒絶理由通知書(最後) 同年11月18日 :意見書・手続補正書の提出 同月22日付け:令和4年11月18日に提出した手続補正書でした手続補正についての補正の却下の決定、拒絶査定(以下「原査定」という。) 令和 5年 3月29日 :審判請求書・手続補正書(以下、この手続補正書でされた補正を「本件補正」という。)の提出 第2 令和5年3月29日にされた手続補正(本件補正)についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和5年3月29日にされた手続補正を却下する。 [理由] 1 本件補正の適否(新規事項) 本件補正は、以下のとおり、国際出願日における国際特許出願の明細書若しくは図面(図面の中の説明に限る。)の特許法第184条の4第1項の翻訳文、国際出願日における国際特許出願の請求の範囲の同項の翻訳文又は国際出願日における国際特許出願の図面(図面の中の説明を除く。)(以下「本願当初翻訳文等」という。)に記載した事項の範囲内においてしたものとはいえないことから、同法第184条の12第2項において読み替えて準用する同法第17条の2第3項に規定に違反しているものである。 (1)本件補正の内容 本件補正は、本件補正前(令和4年5月30日に提出された手続補正書による補正後)の請求項1の 「フレーム、 前記フレーム上に規則的に配置された複数の発光ダイオードパッケージ、 前記複数の発光ダイオードパッケージの上部に配置され、蛍光シート及び光学シートの少なくとも一つ、及び表示パネルを含む光学部、を含み、 前記発光ダイオードパッケージは、 発光ダイオードチップ、 前記発光ダイオードチップの上面に配置され、前記発光ダイオードチップから放出された光の少なくとも一部を反射する反射部、及び 前記発光ダイオードチップ及び反射部の上面及び側面を覆うように配置されたモールディング部、を含み、 前記反射部は、前記発光ダイオードチップから放出された光の透過率が80%以下である分布ブラッグ反射器を含み、 前記分布ブラッグ反射器は、二つ以上の誘電体層が2組~50組で形成され、 前記光学部と前記発光ダイオードパッケージとの距離(OD)が1mmより大きい表示装置。」の記載を、本件補正後の請求項1の 「フレーム、 前記フレーム上に規則的に配置された複数の発光ダイオードパッケージ、 前記複数の発光ダイオードパッケージの上部に配置され、蛍光シート及び光学シートの少なくとも一つ、及び表示パネルを含む光学部、を含み、 前記発光ダイオードパッケージは、 発光ダイオードチップ、 前記発光ダイオードチップの上面に配置され、前記発光ダイオードチップから放出された光の少なくとも一部を反射する反射部、及び 前記発光ダイオードチップ及び反射部の上面及び側面を覆うように配置されたモールディング部、を含み、 前記反射部は、前記発光ダイオードチップから放出された光の透過率が80%以下である分布ブラッグ反射器を含み、 前記分布ブラッグ反射器は、二つ以上の誘電体層が2組~50組で形成され、 前記光学部と前記発光ダイオードパッケージとの距離(OD)が1mmより大きく、 前記モールディング部は、前記発光ダイオードチップ及び前記反射部を覆う第1モールディング部と、前記第1モールディング部を覆う第2モールディング部と、を含み、 前記第1モールディング部と前記第2モールディング部とは材質の軟性が異なり、前記第2モールディング部より前記第1モールディング部の方が軟性材質である、表示装置。」(当審注:下線は補正箇所である。) に補正する事項(以下、下線で示した補正箇所による補正事項を「本件補正事項」という。)を含むものである。 (2)本願当初翻訳文等の記載 本願当初翻訳文等には、本件補正事項について、次の記載がある。 「【0113】 また、第1モールディング部116a及び第2モールディング部116bの素材に対する軟性材質は異なってもよい。製造工程上で軟性材質の差によって外部にクラックが発生し得るが、外部に第1モールディング部116aの材質よりも強い材質を有する第2モールディング部116bを形成することによって、第1モールディング部116aの軟性材質による外部クラックの発生を防止することができる。」 (3)新規事項追加の有無についての検討 上記(1)のとおり、本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明に、「モールディング部は、前記発光ダイオードチップ及び前記反射部を覆う第1モールディング部と、前記第1モールディング部を覆う第2モールディング部と、を含み、」(以下「請求項1補正事項1」という。)と「前記第1モールディング部と前記第2モールディング部とは材質の軟性が異なり、前記第2モールディング部より前記第1モールディング部の方が軟性材質である」(以下「請求項1補正事項2」という。)との限定を行うものである。 そして、請求項1補正事項2を追加する補正は、以下に検討するとおり、本願当初翻訳文等に記載した事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものであるから、新規事項を追加するものである。 すなわち、請求項1補正事項2は、「第1モールディング部」が「第2モールディング部より」「軟性材質である」ことを特定するものである。 しかしながら、上記(2)のとおり、本願当初翻訳文等には、「第1モールディング部」が「第2モールディング部より」「軟性材質である」ことの直接的な記載はない。そこで、上記(2)の記載が、「第1モールディング部」が「第2モールディング部より」「軟性材質である」ことを実質的に開示するものであるかどうかについて検討する。 まず、「第1モールディング部116a及び第2モールディング部116bの素材に対する軟性材質は異なってもよい」との記載について検討すると、この記載は第1モールディング部と第2モールディング部の軟性材質が異なることを開示するにとどまり、両者の軟性の比較について開示するものではない。 次に、「製造工程上で軟性材質の差によって外部にクラックが発生し得るが、外部に第1モールディング部116aの材質よりも強い材質を有する第2モールディング部116bを形成することによって、第1モールディング部116aの軟性材質による外部クラックの発生を防止することができる」との記載について検討すると、第1モールディング部116aよりも第2モールディング部116bが強い材質を有する、すなわち、「第1モールディング部」が「第2モールディング部より」「弱い材質を有する」ことにより、軟性材質によるクラックの発生を防止することが記載されているところ、より「弱い材質を有する」ことが一般に、より「軟性材質である」ことをただちに意味するとはいえない。そこで、第2モールディング部が「強い材質を有する」ことの意味について前記記載をさらに検討すると、第2モールディング部が「強い材質を有する」のは、「外部クラックの発生を防止する」ためであることに鑑みれば、前記記載における「強い材質を有する」とは、「外部クラックの発生を防止する」という観点で「強い材質を有する」と解するのが相当である。そして、軟性材質の程度、すなわち軟らかさという観点においては、軟らかい材質の方がクラックの発生が起きにくいことは技術常識である。そうすると、前記記載にける第1モールディング部116aよりも第2モールディング部116bが強い材質を有することは、第1モールディング部116aよりも第2モールディング部116bが軟性材質であることを開示するものであるといえ、請求項1補正事項2が開示されているものと理解することはできない。 以上のとおり、本件補正は、本願当初翻訳文等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、第2モールディング部より第1モールディング部の方が軟性材質であるという新たな技術的事項を導入するもの、すなわち、新規事項を追加するものであるから、本願当初翻訳文等に記載した事項の範囲内においてしたものではない。 (4)請求人の主張について 請求人は、本願当初翻訳文等の【0113】の記載から、請求項1補正事項2を認識できる旨主張している。 しかしながら、【0113】の記載については上記(3)で説示したとおりであり、請求人の主張は採用できない。 (5)小括 したがって、本件補正は、本願当初翻訳文等に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第184条の12第2項において読み替えて準用する同法第17条の2第3項の規定に違反するものである。 2 本件補正の適否(独立特許要件違反(進歩性)) 本件補正は、本件補正前の請求項1における「モールディング部」について「前記モールディング部は、前記発光ダイオードチップ及び前記反射部を覆う第1モールディング部と、前記第1モールディング部を覆う第2モールディング部と、を含み、前記第1モールディング部と前記第2モールディング部とは材質の軟性が異なり、前記第2モールディング部より前記第1モールディング部の方が軟性材質である」という限定することを含むものである。 そして、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明が、同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。 (1)本件補正発明の認定 本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)は、上記1(1)に記載された本件補正後の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものと認定する。 (2)引用文献1に記載された事項及び引用発明の認定 ア 引用文献1に記載された事項 原査定の拒絶の理由で引用された、本願の最先の優先日前に発行された文献である韓国公開特許第10-2016-0005827号公報(以下「引用文献1」という。)には、次の記載がある(下線は当審が付した。)。なお、当審で行った翻訳文によって表記した。 「【技術分野】 【0001】本発明は窒化物半導体発光チップに関し、より詳しくは両面にそれぞれ形成される第1及び第2反射層を有する発光ダイオードを適用して、光が側面にのみ発光するようにすることにより、白色を容易に実現できる側面発光型窒化物半導体発光チップ及びこれを有する発光素子に関する。」 「【発明が解決しようとする課題】 【0008】本発明の目的はパッケージ基板上にフリップタイプで発光チップを搭載して発光チップとパッケージ基板を電極端子と直接連結することで、高電流を印加することができる高出力素子を製作することだけではなく、側面発光方式で光を発散するように設計することで指向角を拡大させることができる側面発光型窒化物半導体発光チップ及びこれを有する発光素子を提供することである。」 「【0017】図2は、本発明の実施例による側面発光型窒化物半導体発光チップを示す断面図である。 【0018】図2を参照すると、図示された本発明の実施例による側面発光型窒化物半導体発光チップ(105)は、発光ダイオード(120)及びモールディング部(150)を含む。 【0019】発光ダイオード(120)は、発光構造物(122)、第1反射層(124)及び第2反射層(129)を有する。また、発光ダイオード(120)は、第1ボンディングパッド(126)と第2ボンディングパッド(127)をさらに含む。 【0020】発光構造物(122)は、基板(121)上に形成された第1導電型窒化物層、活性層及び第2導電型窒化物層を有する。 【0021】第1反射層(124)は、第2導電性窒化物層上部に形成され、第2反射層(129)は、基板(121)上に形成された発光構造物(122)の反対側に形成される。 【0022】このとき、第1及び第2反射層(124、129)のそれぞれは、0.1~10μmの厚さを有することが好ましく、より好ましくは0.1~5μmを提示することができる。第1及び第2反射層(124、129)それぞれの厚さが0.1μm未満の場合には、第1及び第2反射層(124、129)としての機能を適切に発揮するのに困難が伴うことがある。逆に、第1及び第2反射層(124、129)それぞれの厚さが10μmを超える場合には、厚さの増加によるそれ以上の効果がなく、製造単価だけを上昇させる要因として作用することができるだけでなく、軽薄短小化に逆行する結果を招くので好ましくない。 【0023】このような第1及び第2反射層(124、129)それぞれの材質は、チタン(Ti)、亜鉛(Zn)、ニオビオム(Nb)、タングステン(W)、スズ(Sn)、ジルコニウム(Zr)、ストロンチウム(Sr)、タンタル(Ta)、ニッケル(Ni)、カドミウム(Cd)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)、白金(Pt)及びロジウム(Rh)のうち1種以上の化合物、混合物、酸化物及び硫化物から選択することができる。」 「【0027】一方、図3は本発明の実施例による側面発光型窒化物半導体発光素子を示した断面図である。 【0028】図3を参照すると、図示された本発明の実施例による側面発光型窒化物半導体発光素子(100)は、発光ダイオード(120)、パッケージ基板(110)、電極端子(130)及びモールディング部(150)を含む。 【0029】発光ダイオード(120)は図2で図示して説明した発光ダイオードと実質的に同じである。すなわち、発光ダイオード(120)は上面(120a)及び下面(120b)と、上面(120a)及び下面(120b)を接続する側面(120c)を有する。このような発光ダイオード(120)はパッケージ基板(110)の面(110a)上に、この上面(120a)が向かい合うようにフリップボンディングされて、両側に第1及び第2反射層(124、129)を有する。このとき、図3では発光ダイオード(120)がフリップタイプで付着することで図示したが、これに限定されず、水平型チップまたは垂直型チップタイプで付着することもできる。このような発光ダイオード(120)は発光構造物(未図示)、第1反射層(124)、第1ボンディングパッド(未図示)、第2ボンディングパッド(未図示)、絶縁層(未図示)及び第2反射層(129)を含むことができるが、この構造に制限されることではない。 …(中略)… 【0034】モールディング部(150)はパッケージ基板(110)の上面(110a)及び発光ダイオード(120)の側面(120c)とともに、第2反射層(129)の上面を密封するように形成される。このように、モールディング部(150)が、パッケージ基板(110)の上面(110a)及び発光ダイオード(120)の側面(120c)とともに、第2反射層(129)の上面を覆うように形成する場合、発光ダイオード(120)の側面部にだけ光が放出されるので上部と側面部のモールディング部(蛍光体を含んだ)の厚さによる色座標が変わることを除去することで白色を容易に実現できる。 【0035】これとは異なり、モールディング部(150)はパッケージ基板(110)の上面(110a)及び発光ダイオード(120)の側面(120c)のみを覆うように形成されることもできる。 【0036】モールディング部(150)はパッケージ基板(110)の上面(110a)及び発光ダイオード(120)の側面(120c)を密封するように形成されて、第2反射層(129)がモールディング部(150)の外側で露出する構造を有する。この場合、モールディング部(150)の厚さを発光ダイオード(120)の厚さと対応される厚さで設計するのが可能になることができるのでスリムした構造を有することができる。 【0037】このとき、モールディング部(150)に蛍光体を混合して使用する場合、白色光を実現することができるようになって、モールディング部(150)が純粋エポキシ樹脂だけで成り立つ場合には発光ダイオード(120)の発光色相によって赤色(R)、緑色(G)、青色(B)光を実現することができるようになる。このとき、赤色、緑色及び青色発光ダイオード(120)の適切な組合せによって白色光を実現することができるようになる。 【0038】すなわち、モールディング部(150)はエポキシ樹脂、シリコン樹脂及びポリイミド樹脂の中で選択された1種以上を含む樹脂層であることができる。これと違い、モールディング部(150)はエポキシ樹脂、シリコン樹脂及びポリイミド樹脂の中で選択された1種以上の物質で成り立った樹脂層に波長変換物質が混合した波長変換層が利用されうる。特に、波長変換層としてはフィルム状のものを利用するのが望ましい。 【0039】このとき、モールディング部(150)はパッケージ基板(110)と対応される面積に形成されて、端がパッケージ基板(110)の側面と一直線上に配置されるように形成するのが望ましい。 このようなモールディング部(150)は50~2000μmの厚さで薄く形成されうるが、これは上部発光式と違い側面発光式で光を放出するため、垂直方向の厚さを下げても指向角の確保が可能になるためである。 【0040】このとき、モールディング部(150)の厚さが50μm未満の場合には発光ダイオード(120)を安定的に保護するのに困難を伴うことがある。逆に、モールディング部(150)の厚さが2000μmを超える場合には、それ以上の効果はなく、厚さのみを上昇させる要因として作用する可能性があるため、好ましくない。」 「【0041】一方、図4は、図3のA部分を拡大して示した図面であり、これを参照してより具体的に説明する。 【0042】図4に示すように、本発明による発光ダイオード(120)は、発光構造物(122)、透明導電層(123)、第1反射層(124)、金属拡散バリア層(125)、第1ボンディングパッド(126)、第2ボンディングパッド(127)及び第2反射層(129)を含む。また、発光ダイオード(120)は、絶縁層(128)をさらに含むことができる。 【0043】発光構造体(122)は、基板(121)上に順に積層形成された第1導電型窒化物層(122a)、活性層(122b)及び第2導電型窒化物層(122c)を有する。 …(中略)… 【0049】第1反射層(124)は、透明導電層(123)上に形成される。第1反射層(124)は、高い光反射率を有する金属で構成され、具体的には、Ag、Al、Au、Pd、Pt、Ru及びRhの中から選択されたいずれか又はそれらの合金で構成されるか、又はそれらが積層されたものであってもよい。より具体的には、第1反射層(124)は、光反射層(図示せず)及び金属酸化防止層(図示せず)を含むことができる。すなわち、第1反射層(124)は、Ag材料からなる光反射層及びNi材料からなる金属酸化防止層が順に積層された多層の金属層を用いることが好ましい。このような第1反射層(124)は、0.1~10μmの厚さを有することが好ましくて、より好ましくは0.1~5μmを提示することができる。 【0050】このとき、フリップ方式の発光ダイオード(120)の場合、第1反射層(124)の材料として反射率の高いAgが主に使用される。Agの仕事関数が5eV以下と低いため、第2導電型窒化物層(122c)との接着がうまく行われない。これにより、本発明では、第1反射層(124)と第2導電型窒化物層(122c)間の接着力を高める目的で、第2導電型窒化物層(122c)と第1反射層(124)の間に透明導電層(123)を適用した。このように、透明導電層(123)を第2導電型窒化物層(122c)と第1反射層(124)の間に挿入すると、透明導電層(123)が第2導電型窒化物層(122c)に強固に付着し、順方向電圧(Vf)及び光学的出力(PO;Optical Power)特性を向上させることができる。 …(中略)… 【0055】第2反射層(129)は、基板(121)上に形成された発光構造体(122)の反対側に形成される。このとき、第2反射層(129)は、発光構造物(122)と同じ平面積を有することが好ましい。このような第2反射層(129)は、0.1~10μmの厚さを有することが好ましく、より好ましくは0.1~5μmを提示することができる。」 「【0056】前述の本発明の実施例による側面発光型窒化物半導体発光素子(100)の場合、発光ダイオード(120)から発散されてモールディング部(150)の内部を通過しながら垂直に入射される光が第2反射層(129)によって屈折されてパッケージ基板(110)及びモールディング部(150)の側面に出射されるようになる。 【0057】このとき、発光ダイオード(120)から散乱して発光ダイオード(120)の上面(120a)方向に入射する光は、第1反射層(124)で屈折された後、第2反射層(129)によって再屈折されて、パッケージ基板(110)及びモールディング部(150)の側面に出射される。」 「【0060】このとき、本発明の実施例による側面発光型窒化物半導体発光素子を直下型TVに適用する場合、直下型TVのカバーのボトム上に複数個をマトリックス形態に装着するようになる。 【0061】この場合、側面発光型窒化物半導体発光素子の側面からそれぞれ出射される光が垂直方向に発散されるから指向角がおおよそ180゜程度までも拡がることができるようになる。この結果、本発明による側面発光型窒化物半導体発光素子は側面発光方式で光を出射するから別途のレンズを装着することなしでも指向角をおおよそ180゜程度まで拡大することができるようになる。 【0062】前述の本発明の実施例による側面発光型窒化物半導体発光素子はパッケージ基板上に発光ダイオードをフリップタイプに搭載して発光ダイオードとパッケージ基板を電極端子と連結して、側面発光方式で光を発散するように設計することで指向角をおおよそ180゜程度まで拡大させることができる。 【0063】また、本発明による側面発光型窒化物半導体発光素子はレンズが必要なくて軽薄短小した構造を有するので直下型TVに搭載する場合TVセットの厚さが薄くなるので体積及び重量の減少にスリムされる構造的な利点があり、またスリム化による物流費減少が可能で製造業社の費用減少につながることができる。」 「【図2】 [図:0001415874000001.jpg] 」 「【図3】 [図:0001415874000002.jpg] 」 「【図4】 [図:0001415874000003.jpg] 」 イ 引用文献1から読み取れる事項 図2に係る【0023】には、「第1及び第2反射層(124、129)それぞれの材質は、チタン(Ti)、亜鉛(Zn)、ニオビオム(Nb)、タングステン(W)、スズ(Sn)、ジルコニウム(Zr)、ストロンチウム(Sr)、タンタル(Ta)、ニッケル(Ni)、カドミウム(Cd)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)、白金(Pt)及びロジウム(Rh)のうち1種以上の化合物、混合物、酸化物及び硫化物から選択することができる」と記載されているところ、図3に係る【0029】の「発光ダイオード(120)は図2で図示して説明した発光ダイオードと実質的に同じである。」との記載から見て、図3に係る第2反射層(129)についても、チタン(Ti)、亜鉛(Zn)、ニオビオム(Nb)、タングステン(W)、スズ(Sn)、ジルコニウム(Zr)、ストロンチウム(Sr)、タンタル(Ta)、ニッケル(Ni)、カドミウム(Cd)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)、白金(Pt)及びロジウム(Rh)のうち1種以上の化合物、混合物、酸化物及び硫化物から選択することができることが読み取れる。 ウ 引用発明の認定 上記ア及びイによれば、引用文献1には、図3及び図4で示される側面発光型窒化物半導体発光素子を装着した直下型TVについて、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。(引用発明の認定に用いた段落番号等を参考までに括弧内に付してある。) 「側面発光型窒化物半導体発光素子(100)は、発光ダイオード(120)、パッケージ基板(110)、電極端子(130)及びモールディング部(150)を含み、(【0028】) 発光ダイオード(120)は、上面(120a)及び下面(120b)と、上面(120a)及び下面(120b)を接続する側面(120c)を有し、パッケージ基板(110)の面(110a)上に、この上面(120a)が向かい合うようにフリップボンディングされて、両側に第1及び第2反射層(124、129)を有し、(【0029】) モールディング部(150)は、パッケージ基板(110)の上面(110a)及び発光ダイオード(120)の側面(120c)とともに、第2反射層(129)の上面を密封するように形成され、発光ダイオード(120)の側面部にだけ光が放出され、(【0034】) モールディング部(150)に蛍光体を混合して使用し、(【0037】) 第2反射層(129)は、基板(121)上に形成された発光構造体(122)の反対側に形成され、(【0055】) 第2反射層(129)は、チタン(Ti)、亜鉛(Zn)、ニオビオム(Nb)、タングステン(W)、スズ(Sn)、ジルコニウム(Zr)、ストロンチウム(Sr)、タンタル(Ta)、ニッケル(Ni)、カドミウム(Cd)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)、白金(Pt)及びロジウム(Rh)のうち1種以上の化合物、混合物、酸化物及び硫化物から選択することができ、(上記イ) 発光ダイオード(120)から散乱して発光ダイオード(120)の上面(120a)方向に入射する光は、第1反射層(124)で屈折された後、第2反射層(129)によって再屈折されて、パッケージ基板(110)及びモールディング部(150)の側面に出射され、(【0057】) 側面発光型窒化物半導体発光素子(100)を、直下型TVのカバーのボトム上に複数個をマトリックス形態に装着する、(【0060】) 直下型TV。」 (3)引用文献2に記載された事項及び引用文献2技術事項の認定 ア 引用文献2に記載された事項 原査定で引用された上記引用文献2(特開2008-4948号公報)には、次の記載がある(下線は当審が付した。)。 「【技術分野】 【0001】 本発明は、非レーザ式発光ダイオード(LED)を用いる照明デバイスに関し、特定的には、側面放射LEDを用いてバックライト及び他の類似した照明デバイスを改善するための技術に関する。」 「【発明を実施するための最良の形態】 【0009】 様々な図において類似した又は同一の要素は、同じ番号で表記される。 本発明の実施形態は、LCD用途及び他の用途のための薄いバックライトの構成を可能にする低プロファイルの側面放射LEDを含む。 図1は、側面放射LED10の第1の実施形態の側面図である。一実施形態において、側面放射面の厚さは、0.2mmから0.4mmまでである。別の実施形態において、側面放射面の厚さは、0.2mmから0.6mmまでである。」 「【0012】 側面放射LED10が、非常に低いプロファイルを有し、成長基板による光の吸収を防止するように、CMP等によって成長基板を除去することができる。一実施形態において、成長基板の除去は、LEDがそれらのサブマウント上にマウントされた後、並びに、LED及びサブマウントがダイスカットされる前に行われる。 成長基板が随意的に除去された後、側面放射LED10の側面放射を向上させる随意的な光学素子が、n-層12の上に形成される。一実施形態において、光学素子は、透明な導波路層30と、反射性粒子又は粗面/プリズム面を組み込む散乱層32と、リフレクタ34とを含む。導波路層30は、任意の適切な透明又は半透明の有機材料又は無機材料から形成することができる。下位層36は、ダイクロイック・ミラー又はマジック・ミラーとすることができるので、反射層34によって下方に反射された光は、半導体層に吸収されない。 【0013】 成長基板がサファイアのように透明である場合、光学層を成長基板の上に形成することができ、そこで、サファイア基板は導波路として働く。完全に除去することなく、成長基板の厚さを減少させることもできる。 これらの層は、活性層14から放射された光の波長を変換するための平坦な蛍光体層を含むことができる。平坦な蛍光体層は、セラミック・シートとして予め形成し、LED層に取り付けることができ、又は蛍光体粒子は、電気泳動等によって堆積された薄膜とすることができる。蛍光体層が使用される場合、活性層14は、一般に、青色光又は紫外線光を放射し、蛍光体は、波長を1つ又はそれ以上の他の色に変換し、白色光又は別の色を生成する。蛍光体を使用する他の実施形態が、以下に説明される。 【0014】 リフレクタ34は、鏡面型であっても、又は拡散型であってもよい。鏡面リフレクタは、有機層又は無機層から形成された分布型ブラッグ・リフレクタ(distributed Bragg reflector、DBR)とすることができる。鏡面リフレクタは、アルミニウム又は他の反射性金属の層、或いはDBRと金属の組み合わせとすることもできる。拡散リフレクタは、粗面上に堆積された金属、又は適切な白色塗料のような拡散材料から形成することができる。」 「【図1】 [図:0001415874000004.jpg] 」 イ 引用文献2技術事項の認定 上記アによれば、引用文献2には、図1で示される第1の実施形態について、次の技術事項(以下「引用文献2技術事項」という。)が記載されていると認められる。 「側面放射LEDを用いたバックライト及び他の類似した照明デバイスを改善するための技術に関して、(【0001】) 側面放射LED10の側面放射を向上させる随意的な光学素子が、n-層12の上に形成され、光学素子は、透明な導波路層30と、反射性粒子又は粗面/プリズム面を組み込む散乱層32と、リフレクタ34とを含み、(【0012】) リフレクタ34は、分布型ブラッグ・リフレクタとすることができ、反射性金属の層とすることもできるという技術事項。(【0014】)」 (4)引用文献7に記載された事項及び引用文献7技術事項の認定 ア 引用文献7に記載された事項 原査定で引用された上記引用文献7(特開2010-232050号公報)には、次の記載がある(下線は当審が付した。)。 「【技術分野】 【0001】 本発明は、液晶表示装置に関し、特に、複数の点状光源素子を平面状に規則的に配列したバックライトを用いた液晶表示装置に関する。」 「【0018】 以下、本発明の構成について、好適例を用いて詳細に説明する。 図3は、本発明が適用される液晶表示装置の概略構成図である。液晶表示パネルPNLは観察者側に配置され、該液晶表示パネルPNLの後方である背面に光学シートOS、及びバックライトBLが順次配置されている。 …(中略)… 【0022】 液晶表示パネルPNLの背面には、例えば、拡散シート、プリズムシート、あるいはこれらの積層体からなる光学シートOSを介してバックライトBLが配置されている。光学シートOSは、バックライトBLからの光を拡散、あるいは集光させたりして液晶表示パネルPNLに導くようになっている。」 「【図3】 [図:0001415874000005.jpg] 」 イ 引用文献7技術事項の認定 上記アによれば、引用文献7には、図3で示される実施形態について、次の技術事項(以下「引用文献7技術事項」という。)が記載されていると認められる。 「複数の点状光源素子を平面状に規則的に配列したバックライトを用いた液晶表示装置に関して、(【0001】) 液晶表示パネルPNLの背面に、光学シートOSを介してバックライトBLが配置され、光学シートOSは、バックライトBLからの光を拡散して液晶表示パネルPNLに導くという技術事項。(【0022】)」 (5)本件補正発明と引用発明との対比 ア 本件補正発明の「フレーム、前記フレーム上に規則的に配置された複数の発光ダイオードパッケージ、前記複数の発光ダイオードパッケージの上部に配置され、蛍光シート及び光学シートの少なくとも一つ、及び表示パネルを含む光学部、を含」む「表示装置」との特定事項について (ア)引用発明の「カバーのボトム」、「直下型TV」は、本件補正発明の「フレーム」、「表示装置」に相当する。また、引用発明の「側面発光型窒化物半導体発光素子(100)」は、「発光ダイオード(120)、パッケージ基板(110)、電極端子(130)及びモールディング部(150)を含」むことから、本件補正発明の「発光ダイオードパッケージ」に相当する。 (イ)そして、当該「側面発光型窒化物半導体発光素子(100)」は、「直下型TVのカバーのボトム上に複数個をマトリックス形態に装着」されることから、本件補正発明でいう「フレーム上に規則的に配置された複数の」ものであるといえる。 (ウ)また、当該「直下型TV」は、直下型であることから、「側面発光型窒化物半導体発光素子(100)」の上部に表示パネルを含む光学部を備えることは明らかである。 (エ)したがって、本件補正発明と引用発明とは、「フレーム、前記フレーム上に規則的に配置された複数の発光ダイオードパッケージ、前記複数の発光ダイオードパッケージの上部に配置され、」「表示パネルを含む光学部、を含」む「表示装置」である点で共通する。 (オ)しかしながら、「光学部」について、本件補正発明は、「蛍光シート及び光学シートの少なくとも一つ含む」ものであるのに対し、引用発明は、蛍光シート及び光学シートの少なくとも一つを含むかどうか不明である。 イ 本件補正発明の「前記発光ダイオードパッケージは、発光ダイオードチップ、前記発光ダイオードチップの上面に配置され、前記発光ダイオードチップから放出された光の少なくとも一部を反射する反射部、及び前記発光ダイオードチップ及び反射部の上面及び側面を覆うように配置されたモールディング部、を含み、」との特定事項について (ア)引用発明の「発光ダイオード(120)」、「第2反射層(129)」は、本件補正発明の「発光ダイオードチップ」、「反射部」に相当する。そして、当該「第2反射層(129)」は、「発光ダイオード(120)の上面に配置され」るものである。また、引用発明は、「発光ダイオード(120)から散乱して発光ダイオード(120)の上面(120a)方向に入射する光は、第1反射層(124)で屈折された後、第2反射層(129)によって再屈折されて、パッケージ基板(110)及びモールディング部(150)の側面に出射され」ることから、引用発明の「第2反射層(129)」は、本件補正発明でいう「発光ダイオードチップの上面に配置され、前記発光ダイオードチップから放出された光の少なくとも一部を反射する」ものであるといえる。 (イ)引用発明の「モールディング部(150)」は、本件補正発明の「モールディング部」に相当する。そして、当該「モールディング部(150)」は、「パッケージ基板(110)の上面(110a)及び発光ダイオード(120)の側面(120c)とともに、第2反射層(129)の上面を密封するように形成」されることから、本件補正発明でいう「発光ダイオードチップ及び反射部の上面及び側面を覆うように配置された」ものといえる。 (ウ)したがって、引用発明は本件補正発明の上記特定事項を満たしている。 ウ 本件補正発明の「前記反射部は、前記発光ダイオードチップから放出された光の透過率が80%以下である分布ブラッグ反射器を含み、前記分布ブラッグ反射器は、二つ以上の誘電体層が2組~50組で形成され、」との特定事項について (ア)引用発明の「第2反射層(129)」は反射する機能を有するものであることからみて、本件補正発明と引用発明は、「前記反射部は、」「反射器を含[む]」点で共通するといえる。 そして、当該「第2反射層(129)」が含む反射器に対応する構成は、引用発明が「発光ダイオード(120)の側面部にだけ光が放出される」ものであることからみて、発光ダイオードから放出された光の透過率が0%に近いものと解するのが相当であり、少なくとも80%以下であることは自明であるといえる。 したがって、本件補正発明と引用発明とは、「前記反射部は、前記発光ダイオードチップから放出された光の透過率が80%以下である」「反射器」を含む点で共通する。 (イ)しかしながら、「反射器」について、本件補正発明は、「分布ブラッグ反射器」であり、「前記分布ブラッグ反射器は、二つ以上の誘電体層が2組~50組で形成され」るものであるのに対し、引用発明は、チタン(Ti)、亜鉛(Zn)、ニオビオム(Nb)、タングステン(W)、スズ(Sn)、ジルコニウム(Zr)、ストロンチウム(Sr)、タンタル(Ta)、ニッケル(Ni)、カドミウム(Cd)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)、白金(Pt)及びロジウム(Rh)のうち1種以上の化合物、混合物、酸化物及び硫化物から選択することができるものであり、そのような分布ブラッグ反射器を備えていない。 エ 本件補正発明の「前記光学部と前記発光ダイオードパッケージとの距離(OD)が1mmより大きく、」との特定事項について 引用発明の「直下型TV」は、上記ア(ウ)のとおり、「側面発光型窒化物半導体発光素子(100)」の上部に表示パネルを含む光学部を備えることは明らかであるところ、「前記光学部と前記発光ダイオードパッケージとの距離(OD)」について、本件補正発明は、「1mmより大き」いものであるのに対し、引用発明は、光学部と側面発光型窒化物半導体発光素子(100)との距離は不明である。 オ 本件補正発明の「前記モールディング部は、前記発光ダイオードチップ及び前記反射部を覆う第1モールディング部と、前記第1モールディング部を覆う第2モールディング部と、を含み、前記第1モールディング部と前記第2モールディング部とは材質の軟性が異なり、前記第2モールディング部より前記第1モールディング部の方が軟性材質である、」との特定事項について (ア)引用発明の「モールディング部」は、本件補正発明の「第1モールディング部」に相当する。そして、当該「モ―ルディング部」は、「パッケージ基板(110)の上面(110a)及び発光ダイオード(120)の側面(120c)とともに、第2反射層(129)の上面を密封するように形成」されることから、当該「モ―ルディング部」は、本件補正発明でいう「発光ダイオードチップ及び前記反射部を覆う」ものといえる。 (イ)したがって、本件補正発明と引用発明とは、「前記モールディング部は、前記発光ダイオードチップ及び前記反射部を覆う第1モールディング部」を含む点で共通する。 (ウ)しかしながら、「モールディング部」について、本件補正発明は、「第1モールディング部を覆う第2モールディング部」を含み、「前記第1モールディング部と前記第2モールディング部とは材質の軟性が異なり、前記第2モールディング部より前記第1モールディング部の方が軟性材質である」ものであるのに対し、引用発明は、当該第2モールディング部を含んでいない。 (6)一致点及び相違点の認定 上記(5)によれば、本件補正発明と引用発明は、 「フレーム、 前記フレーム上に規則的に配置された複数の発光ダイオードパッケージ、 前記複数の発光ダイオードパッケージの上部に配置され、表示パネルを含む光学部、を含み、 前記発光ダイオードパッケージは、 発光ダイオードチップ、 前記発光ダイオードチップの上面に配置され、前記発光ダイオードチップから放出された光の少なくとも一部を反射する反射部、及び 前記発光ダイオードチップ及び反射部の上面及び側面を覆うように配置されたモールディング部、を含み、 前記反射部は、前記発光ダイオードチップから放出された光の透過率が80%以下である反射器を含み、 前記モールディング部は、前記発光ダイオードチップ及び前記反射部を覆う第1モールディング部を含む、表示装置。」である点で一致し、次の点で相違する。 <相違点1> 「光学部」について、本件補正発明は、「蛍光シート及び光学シートの少なくとも一つを含」むものであるのに対し、引用発明は、蛍光シート及び光学シートの少なくとも一つを含むかどうか不明である点。 <相違点2> 「反射器」について、本件補正発明は、「分布ブラッグ反射器」であり、「前記分布ブラッグ反射器は、二つ以上の誘電体層が2組~50組で形成され」るものであるのに対し、引用発明は、チタン(Ti)、亜鉛(Zn)、ニオビオム(Nb)、タングステン(W)、スズ(Sn)、ジルコニウム(Zr)、ストロンチウム(Sr)、タンタル(Ta)、ニッケル(Ni)、カドミウム(Cd)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)、白金(Pt)及びロジウム(Rh)のうち1種以上の化合物、混合物、酸化物及び硫化物から選択することができるものであり、そのような分布ブラッグ反射器を備えていない点。 <相違点3> 「光学部と発光ダイオードパッケージとの距離(OD)」について、本件補正発明は、「1mmより大き」いものであるのに対し、引用発明は、光学部と側面発光型窒化物半導体発光素子(100)との距離は不明である点。 <相違点4> 「モールディング部」について、本件補正発明は、「第1モールディング部を覆う第2モールディング部」を含み、「前記第1モールディング部と前記第2モールディング部とは材質の軟性が異なり、前記第2モールディング部より前記第1モールディング部の方が軟性材質である」ものであるのに対し、引用発明は、当該第2モールディング部を含んでいない点。 (7)相違点の判断 ア 相違点1について 引用発明から出発した当業者が相違点1に係る本件補正発明の構成に至るためには、引用発明における「光学部」が、蛍光シート及び光学シートの少なくとも一つを含めば足りる。 そこで検討すると、直下型TVの分野において、バックライトからの光を均一とするために拡散したいという課題は一般的であるところ、引用発明に接した当業者であれば、引用発明においてもそのような課題があることを認識できるとともに、その課題を解決するべく、引用発明と関連する技術分野における技術に接することができるといえる。 そして、引用発明と関連する技術分野に属する文献である引用文献7には、上記(4)イで認定した技術事項が記載されているところ、当該技術事項によれば、バックライトを用いた液晶表示装置において、液晶表示パネルの背面に、バックライトからの光を拡散する光学シートを配置することが公知であったといえる。 そして、バックライトからの光を均一とするために拡散したいという課題が、引用発明のような直下型TVにおいて存在することも、当業者にとって明らかである。 そうすると、引用発明から出発して上記課題を解決しようとする当業者であれば、引用文献7に記載された技術事項が、上記課題を解決できるものであると認識できるといえる。 このように、引用発明に接した当業者は、バックライトからの光を拡散したいという課題を認識するとともに、その課題を解決すべく、引用発明と関連する技術分野に属する文献である引用文献7に接することができ、引用文献7に記載された技術事項に係る、液晶表示パネルの背面に、バックライトからの光を拡散する光学シートを配置するように構成することをもって、上記課題を解決できることを認識できる。 したがって、上記当業者は、引用発明に引用文献7に記載された技術事項を適用して、相違点1に係る本件補正発明の構成に容易に至るといえる。 よって、相違点1に係る本件補正発明の構成に至ることは、当業者にとって容易である。 イ 相違点2について 引用発明から出発した当業者が相違点2に係る本件補正発明の構成に至るためには、引用発明における「反射器」を、分布ブラッグ反射器とし、分布ブラッグ反射器の誘電体層を2組~50組で形成すれば足りる。 そこで検討すると、引用発明と関連する技術分野に属する文献である引用文献2には、上記(3)イで認定した技術事項が記載されているところ、当該技術事項によれば、バックライトに用いられる側面放射LEDにおいて、LED上に形成される反射器として、相違点2に係る本件補正発明の分布ブラッグ反射器に相当する分布型ブラッグ・リフレクタを反射性金属の層と代替的に用いることが公知であったといえる。 そして、引用発明の第2反射層と引用文献2技術事項の分布型ブラッグ・リフレクタは、LED上に形成される反射器としての作用や機能が共通する部材であることから、当業者は、引用発明に引用文献2技術事項を適用して、第2反射層を分布型ブラッグ・リフレクタとすることは容易に想到できる。そして、分布型ブラッグ・リフレクタが二つ以上の誘電体層の組を有すること、及び、その誘電体層の組数を変えると反射率が変化することは、例示するまでもなく技術常識であることから、分布型ブラッグ・リフレクタの二つ以上の誘電体層の組数は、所望の反射率に応じて当業者が適宜選択し得る設計的な事項であり、2組~50組という組数もごく一般的な値にすぎない。 よって、相違点2に係る本件補正発明の構成に至ることは、当業者にとって容易である。 ウ 相違点3について ODが1mmより大きいことについて本願明細書の記載を参酌すると、「フレーム210と光学部220との間の離隔した距離は、発光ダイオードパッケージ100から光学部220までのOD(optical distance)であってもよい。このとき、本実施形態において、ODは、例えば、約1mm以上15mm以下であってもよい。」との記載はあるものの、その技術上の意義については特段の記載がない。 そして、直下型TVの分野において、バックライトから照射される光を均一にしたいという課題は一般的であることから、引用発明に接した当業者であれば、引用発明においてもそのような課題があることを認識できるところ、「光学部」と「側面発光型窒化物半導体発光素子(100)」との間を所定距離だけ離すことにより、バックライトからの光を均一に照射できることは技術常識であるといえる(例えば、以下で摘記する特開2012-174371号公報の【0042】を参照。)。 「【0042】 このようなハーフミラー122cを用いている理由を以下に説明する。LED光源は指向性が高いため、ハーフミラー122cを仮に取り付けない場合、拡散板において、LED光源からの入射光の密度がLED光源との対向部で高く、この対向部から離れるほど低くなり、拡散板へ入射する光を均一にできず、これにより照明装置から照射される光を均一にできない。そして、拡散板へ入射する光を均一にするためには、拡散板とLED光源との距離を長くしなければならず、液晶表示装置10の薄型化を妨げてしまうという問題が生じる。」 したがって、当業者は、引用発明において、「光学部」と「側面発光型窒化物半導体発光素子(100)」との間を所定距離だけ離す構成とすることを容易に想到できる。そして、どの程度の距離を離すかは、側面発光型窒化物半導体発光素子(100)から照射される光が均一になるように、側面発光型窒化物半導体発光素子(100)の受け持つ面積や配向特性に応じて当業者が適宜選択し得る設計的な事項である。 よって、相違点3に係る本件補正発明の構成に至ることは、当業者にとって容易である。 エ 相違点4について 引用発明から出発した当業者が相違点4に係る本件補正発明の構成に至るためには、引用発明における「モールディング部」を、モールディング部より軟性材質でない別のモールディング部で覆う形とすれば足りる。 そこで検討すると、例えば、特開2006-49533号公報の以下に摘記する【0003】~【0006】に見られるように、急激な温度変化によるLED素子と封止樹脂との膨張の差によって発生する発生する歪みが生じることと、封止樹脂が外部からの機械的な力によって変形することを改良するために、LED素子の封止方法として単一の硬質樹脂又は単一の軟質材料で封止するのに代えて、LED素子の表面を軟質の材料で覆い、更に硬質樹脂で封止する2層構造とすることは周知技術である。 「【0003】 例えば、特許文献1では、化合物半導体上の水酸基と反応し得るアルコキシ基を含有し、付加反応によりシリコーン樹脂を生成するシロキサン化合物をLED素子の封止用樹脂として用いることが提案されており、この場合にはオルガノシロキサン骨格を有する高分子化合物が用いられている。しかしながら、硬質のシリコーン樹脂を用いる場合には耐光性は改善されるものの、一般にシリコーン樹脂は膨張率が大きく、LED素子に急激な温度変化がある場合にLED素子を構成する金属部分とシリコーンとの膨張の差によって発生する歪が大きくなるという問題がある。LED素子はエネルギーが高く通電時は高温となるもので、ON-OFFにより急激な温度変化が発生しやすいものであって、繰り返しの温度変化による歪によって、クラックなどが発生しやすいという問題を有する。 【0004】 LED素子の封止にエラストマーまたはゲル状のシリコーンを用いる例も知られている。例えば、特許文献2では、蛍光体を分散させた液状のシリコーンが封止に用いられており、加熱硬化後にゲル状となるシリコーンとゴム状のシリコーンとを比較し、ゴム状のものがLED素子の保護の点で好ましいとされている。弾性のあるシリコーンエラストマーをLED素子の封止に用いる場合には、外部からの機械的な力によって変形しやすいものであり、変形によってはLED素子のボンデイングワイヤーが切断するという問題も発生し、さらに、エラストマー自体の機械的強度も十分なレベルとは言いがたい。 【0005】 一方、LED素子の封止方法として単一の硬質樹脂またはエラストマーのような単一の軟質材料で封止するのに代えて、LED素子の表面を軟質の材料で覆い、更に硬質樹脂で封止する2層構造の提案もされている。例えば、特許文献3では、内層にエラストマーとも呼べるようなゴム弾性を有するシリコーンを用い、外層にエポキシ樹脂を用いることが提案されている。特許文献4では、LED素子表面をまずゲル状またはエラストマー状のシリコーンで被覆し、更にこれを硬質のシリコーン樹脂で封止することが提案されている。 【0006】 この2層構造によって得られる発光ダイオード装置は、いずれかのみで封止した場合の欠点が改良されたものではあるが、使用する内層の軟質シリコーンが有する膨張率が金属と大きく異なるという問題はなくなっているわけではない。内層とする軟質のシリコーン自体の線膨張は大きいものであるために、LED素子に急激な温度変化がある場合にリードフレームと樹脂の膨張の差によって発生するLED素子金属部分とこれに接するシリコーン部分とに発生する歪がなくなったわけではなく、急激な温度変化の繰り返しによる界面の剥離などの問題は依然として残っていたのである。」 そして、引用発明に接した当業者であれば、引用発明においても発光ダイオード(120)をモールディング部(150)で密封するに際し、急激な温度変化による発光ダイオード(120)とモールディング部(150)との膨張の差によって発生する発生する歪みが生じることと、外部からの機械的な力によってモールディング部(150)が変形することを改良するという課題があることを認識できるとともに、その課題を解決するべく、引用発明と関連する技術分野における上記周知技術に接することができるといえる。 そうすると、引用発明から出発して上記課題を解決しようとする当業者であれば、前記課題を解決するために、上記周知技術を引用発明に適用して、発光ダイオード(120)の表面を覆うモールディング部(150)を軟質の材料とし、更に硬質樹脂で封止する2層構造とすることにより、上記課題を解決できるものであると認識できるといえる。 したがって、当業者は、引用発明に上記周知技術を適用することを容易に想到できる。 よって、相違点4に係る本件補正発明の構成に至ることは、当業者にとって容易である。 オ 本件補正発明の効果について 本件補正発明の効果は、本件補正発明の構成が奏するものとして、当業者が引用発明並びに上記周知技術及び技術常識に基づいて予測し得る範囲内のものにすぎず、格別顕著なものともいえない。 (8)請求人の主張について 請求人は、相違点4に係る本件補正発明の構成に関して、モールディング部の外側にクラックが発生することを防止できる旨、及び特開2006-352037号公報には、2層の樹脂で硬さを異ならせることは記載されていない旨主張している。 しかしながら、上記(7)エで説示したとおり、引用発明に周知技術を適用することにより、相違点4に係る本件補正発明の構成に至ることは、当業者にとって容易であり、請求人が主張する効果は、上記(7)オで説示したとおり、当業者が予測し得る範囲内のものにすぎない。 (9)小括 したがって、本件補正発明は、引用発明並びに上記の引用文献2、7に記載された技術事項、上記周知技術及び技術常識に基づいて当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するものである。 3 本件補正についてのむすび 以上のとおりであるから、本件補正は、特許法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明の認定 本件補正は、上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1~18に係る発明は、令和4年5月30日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~18に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、上記第2の[理由]1において本件補正前の請求項1として記載された事項により特定されるとおりのものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由は、本願発明は、上記の引用文献1に記載された発明及び上記の引用文献2、7に記載された技術事項に基づいて、最先の優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、という理由を含むものである。 3 引用文献の記載事項及び引用発明等の認定 原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1、2、7の記載事項及び引用発明等の認定は、上記第2の[理由]2(2)~(4)に記載したとおりである。 4 対比・判断 本願発明は、上記第2の[理由]2で検討した本件補正発明から、「前記モールディング部は、前記発光ダイオードチップ及び前記反射部を覆う第1モールディング部と、前記第1モールディング部を覆う第2モールディング部と、を含み、前記第1モールディング部と前記第2モールディング部とは材質の軟性が異なり、前記第2モールディング部より前記第1モールディング部の方が軟性材質である」との限定事項を削除したものであるから、本願発明と引用発明の相違点は、上記第2の2(6)に記載した相違点1~3と同様である。 そして、相違点1~3については、上記第2の[理由]2(7)ア~ウで検討したとおりであるから、本願発明は、引用発明並びに引用文献2、7に記載された技術事項及び技術常識に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2023-005136

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