特許拒絶査定不服審判
2024-013328
光起電力モジュールの製造方法及び光起電力モジュール
- 審判番号
- 2024-013328
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2023-182728
- 請求日
- 2024年08月19日
- 審決日
- 2026年03月30日
- 公報発行日
- 2026年09月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】晶科能源(海▲寧▼)有限公司
- 【請求人代理人】大行 尚哉
- 審判長/審判官
- 審判長 藤田 年彦
- 審判官 吉野 三寛
- 審判官 東松 修太郎
- 分類
- P18 .113-Z (H01L) / P18 .121-Z (H01L) / P18 .575-Z (H01L)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2023-182728「光起電力モジュールの製造方法及び光起電力モジュール」拒絶査定不服審判事件〔令和6年6月5日出願公開、特開2024-76350〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和5年10月24日の出願であって(パリ条約による優先権主張2022年11月24日(以下「優先日」という。)、中国)、その手続の経緯の概略は、次のとおりである。
令和5年12月 1日付け:拒絶理由通知書
令和6年 2月19日 :意見書及び手続補正書の提出
同年 4月18日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。)
(同月26日 :原査定の謄本の送達)
同年 8月19日 :審判請求書及び手続補正書の提出
第2 令和6年8月19日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和6年8月19日にされた手続補正を却下する。
[補正の却下の決定の理由]
1 補正の内容
令和6年8月19日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)は、特許請求の範囲の補正をするものであって、本件補正により、次の(1)に示す本件補正前(令和6年2月19日にされた手続補正後のものをいう。以下同じ。)の特許請求の範囲の請求項1の記載は、後記(2)に示す本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載に補正された。下線は補正箇所を示す。
(1) 本件補正前
「フロントシートを敷設し、前記フロントシートに第1接着層を敷設し、前記第1接着層に複数の電池セルを敷設し、前記電池セルを前記フロントシートに固定するように、加熱硬化または紫外線硬化によって前記フロントシートと前記電池セルとの間にある前記第1接着層を予備硬化することと、
前記第1接着層が予備硬化された後に、前記複数の電池セルをPVリボンで接続して、セルストリングを形成することと、
前記セルストリングに第2接着層を敷設し、前記第2接着層にバックシートを敷設し、前記バックシートと前記セルストリングとの間にある前記第2接着層を硬化させてから光起電力モジュールを形成することと、を含む、
ことを特徴とする光起電力モジュールの製造方法。」
(2) 本件補正後
「フロントシートを敷設し、前記フロントシートに第1接着層を敷設し、前記第1接着層に複数の電池セルを敷設し、前記電池セルを前記フロントシートに固定するように、加熱硬化または紫外線硬化によって前記フロントシートと前記電池セルとの間にある前記第1接着層を予備硬化することと、
前記第1接着層が予備硬化された後に、前記複数の電池セルをPVリボンで接続して、セルストリングを形成することと、
前記セルストリングに第2接着層を敷設し、前記第2接着層にバックシートを敷設し、前記バックシートと前記セルストリングとの間にある前記第2接着層を硬化させてから光起電力モジュールを形成することと、を含み、
前記第1接着層および/または前記第2接着層が接着剤または封止用接着フィルムであり、
前記第1接着層と前記第2接着層がいずれも接着剤である場合、フロントシートの電池セルに近い側に接着剤を印刷してから、接着剤に電池セルを敷設し、前記フロントシートと前記複数の電池セルとの間にある接着剤を予備硬化し、セルストリングに接着剤を印刷した後に、接着剤にバックシートを敷設し、前記セルストリングと前記バックシートとの間にある接着剤を硬化し、あるいは、
前記第1接着層が接着剤で、前記第2接着層が封止用接着フィルムである場合、フロントシートの電池セルに近い側に接着剤を印刷してから、接着剤に電池セルを敷設し、前記フロントシートと前記複数の電池セルとの間にある接着剤を予備硬化し、セルストリングに裏面封止用接着フィルムを敷設し、前記裏面封止用接着フィルムにバックシートを敷設し、重ね合わせられたフロントシート、セルストリング、裏面封止用接着フィルム及びバックシートを積層し、あるいは、
前記第1接着層と前記第2接着層とがいずれも封止用接着フィルムである場合、フロントシートの電池セルに近い側に前面封止用接着フィルムを敷設してから、前記前面封止用接着フィルムに電池セルを敷設し、重ね合わせられたフロントシート、前面封止用接着フィルムおよび電池セルを予備積層し、セルストリングに裏面封止用接着フィルムを敷設し、前記裏面封止用接着フィルムにバックシートを敷設し、重ね合わせられたフロントシート、セルストリング、裏面封止用接着フィルムおよびバックシートを積層し、あるいは、
前記第1接着層が封止用接着フィルムで、前記第2接着層が接着剤である場合、フロントシートの電池セルに近い側に前面封止用接着フィルムを敷設してから、前記前面封止用接着フィルムに電池セルを敷設し、重ね合わせられたフロントシート、前面封止用接着フィルム及び電池セルを積層し、セルストリングに接着剤を印刷し、接着剤にバックシートを敷設し、セルストリングとバックシートとの間にある接着剤を硬化する、
ことを特徴とする光起電力モジュールの製造方法。」
2 補正の目的
本件補正のうち請求項1についてする補正は、本件補正前の請求項1に記載された「第1接着層」及び/又は「第2接着層」を「接着剤」又は「封止用接着フィルム」に限定するとともに、「第1接着層」及び「第2接着層」が「接着剤」又は「封止用接着フィルム」である場合の組み合わせのそれぞれについて、次の事項を限定するものである。
「前記第1接着層が接着剤で、前記第2接着層が封止用接着フィルムである場合、フロントシートの電池セルに近い側に接着剤を印刷してから、接着剤に電池セルを敷設し、前記フロントシートと前記複数の電池セルとの間にある接着剤を予備硬化し、セルストリングに裏面封止用接着フィルムを敷設し、前記裏面封止用接着フィルムにバックシートを敷設し、重ね合わせられたフロントシート、セルストリング、裏面封止用接着フィルム及びバックシートを積層し、あるいは、
前記第1接着層と前記第2接着層とがいずれも封止用接着フィルムである場合、フロントシートの電池セルに近い側に前面封止用接着フィルムを敷設してから、前記前面封止用接着フィルムに電池セルを敷設し、重ね合わせられたフロントシート、前面封止用接着フィルムおよび電池セルを予備積層し、セルストリングに裏面封止用接着フィルムを敷設し、前記裏面封止用接着フィルムにバックシートを敷設し、重ね合わせられたフロントシート、セルストリング、裏面封止用接着フィルムおよびバックシートを積層し、あるいは、
前記第1接着層が封止用接着フィルムで、前記第2接着層が接着剤である場合、フロントシートの電池セルに近い側に前面封止用接着フィルムを敷設してから、前記前面封止用接着フィルムに電池セルを敷設し、重ね合わせられたフロントシート、前面封止用接着フィルム及び電池セルを積層し、セルストリングに接着剤を印刷し、接着剤にバックシートを敷設し、セルストリングとバックシートとの間にある接着剤を硬化する」こと。
そして、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載される発明は、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である。
したがって、本件補正により請求項1についてする補正は、特許法17条の2第5項2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とする補正に該当する。
3 独立特許要件の判断
本件補正は、前記2のとおり、特許法17条の2第5項2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とする補正に該当するから、本件補正後の請求項1に記載されている事項により特定される発明(以下「本件補正発明」という。)が、同法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に適合するか、すなわち、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかについて、以下検討する。
(1) 本件補正発明
ア 本件補正発明の認定と分説
本件補正発明は、前記1(2)に摘記した本件補正後の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものと認める。
ここで、検討の便宜上、本件補正発明の構成を次のとおり構成Xと構成A~D(D1~D5)に分説する。
<本件補正発明の分説>
(構成A) フロントシートを敷設し、前記フロントシートに第1接着層を敷設し、前記第1接着層に複数の電池セルを敷設し、前記電池セルを前記フロントシートに固定するように、加熱硬化または紫外線硬化によって前記フロントシートと前記電池セルとの間にある前記第1接着層を予備硬化することと、
(構成B) 前記第1接着層が予備硬化された後に、前記複数の電池セルをPVリボンで接続して、セルストリングを形成することと、
(構成C) 前記セルストリングに第2接着層を敷設し、前記第2接着層にバックシートを敷設し、前記バックシートと前記セルストリングとの間にある前記第2接着層を硬化させてから光起電力モジュールを形成することと、を含み、
(構成D1) 前記第1接着層および/または前記第2接着層が接着剤または封止用接着フィルムであり、
(構成D2) 前記第1接着層と前記第2接着層がいずれも接着剤である場合、フロントシートの電池セルに近い側に接着剤を印刷してから、接着剤に電池セルを敷設し、前記フロントシートと前記複数の電池セルとの間にある接着剤を予備硬化し、セルストリングに接着剤を印刷した後に、接着剤にバックシートを敷設し、前記セルストリングと前記バックシートとの間にある接着剤を硬化し、あるいは、
(構成D3) 前記第1接着層が接着剤で、前記第2接着層が封止用接着フィルムである場合、フロントシートの電池セルに近い側に接着剤を印刷してから、接着剤に電池セルを敷設し、前記フロントシートと前記複数の電池セルとの間にある接着剤を予備硬化し、セルストリングに裏面封止用接着フィルムを敷設し、前記裏面封止用接着フィルムにバックシートを敷設し、重ね合わせられたフロントシート、セルストリング、裏面封止用接着フィルム及びバックシートを積層し、あるいは、
(構成D4) 前記第1接着層と前記第2接着層とがいずれも封止用接着フィルムである場合、フロントシートの電池セルに近い側に前面封止用接着フィルムを敷設してから、前記前面封止用接着フィルムに電池セルを敷設し、重ね合わせられたフロントシート、前面封止用接着フィルムおよび電池セルを予備積層し、セルストリングに裏面封止用接着フィルムを敷設し、前記裏面封止用接着フィルムにバックシートを敷設し、重ね合わせられたフロントシート、セルストリング、裏面封止用接着フィルムおよびバックシートを積層し、あるいは、
(構成D5) 前記第1接着層が封止用接着フィルムで、前記第2接着層が接着剤である場合、フロントシートの電池セルに近い側に前面封止用接着フィルムを敷設してから、前記前面封止用接着フィルムに電池セルを敷設し、重ね合わせられたフロントシート、前面封止用接着フィルム及び電池セルを積層し、セルストリングに接着剤を印刷し、接着剤にバックシートを敷設し、セルストリングとバックシートとの間にある接着剤を硬化する、
(構成X) ことを特徴とする光起電力モジュールの製造方法。
イ 課題及び作用効果等に関連する本願明細書の発明の詳細な説明の記載
本願明細書の発明の詳細な説明の記載のうち、発明が解決しようとする課題及び作用効果等に関連する記載を抜粋すると、次の記載がある。
(ア) 発明が解決しようとする課題に関連する記載
「【0024】
バックコンタクトセルは、正電極と負電極の両方がいずれも電池の裏面に位置しているため、通常PVリボンを溶接した後、その溶接応力が通常の電池と同じように前面と裏面溶接で溶接応力を相殺することができず、電池の反り問題が発生しやすい。バックコンタクト型太陽電池の反りは、バックコンタクトモジュールの後続の工程で隠れクラックや破片などの不良現象を引き起こしやすく、バックコンタクトモジュールの歩留まりに大きく影響し、製造コストの上昇を招いてしまう。」
(イ) 作用効果等に関連する記載
「【0015】
本発明で提供される光起電力モジュールの製造方法及び光起電力モジュールでは、この光起電力モジュールの製造方法は、フロントシートと少なくとも2つの電池セルを順次敷設し、フロントシートと電池セルとの間に第1接着層を敷設し、第1接着層を予備硬化することと、第1接着層が予備硬化された後に、少なくとも2つの電池セルをPVリボンで接続してセルストリングを形成することと、直列接続されたセルストリングに第2接着層とバックシートを順次敷設し、第2接着層を硬化してから光起電力モジュールを形成することとを含み、上記の方案では、電池を直列接続する前に、第1接着層を予備硬化することにより、電池の片面溶接時の応力による電池の反りを防止し、電池に隠れクラックや破片が発生するリスクを回避し、光起電力モジュールの歩留まりを高めることができる。」
「【0031】
具体的には、図2は、本発明で提供される光起電力モジュールの製造方法の別のフローチャートである。図2に示すように、第1接着層と第2接着層がいずれも接着剤である場合、通常の敷設時に、まず、フロントシートの空気側を下に向け、次に、接着剤をフロントシートの電池側にスプレーしたり、印刷したりする。具体的には、電池セルの受光面を接着剤の表面に平らに敷き、電池セルがフロントシートと接触せず、電池セルの一部を接着剤の中に浸すが、接着剤が電池セルの裏面まで溢れておらず、そして、紫外線ランプ照射または加熱によって接着剤を硬化させ、電池セルの予備位置決めを完了させる。接着剤の硬化方式は、光硬化または熱硬化のいずれかを採用してもよく、例えば、光硬化の場合、紫外線硬化であってもよく、紫外線硬化は、365nm波長の紫外線ランプを採用し、硬化時間が1s~60sで、例えば、1s、15s、30s、45sまたは60sであってもよく、熱硬化の場合、加熱硬化であってもよく、加熱硬化の温度範囲が100℃~200℃で、例えば、100℃、120℃、140℃、160℃、180℃または200℃であり、加熱硬化の時間範囲が5~30minで、例えば、5min、10min、20min、または30minである。次に、PVリボンで電池セル間とセルストリング間を直列接続し、内部直列接続を実現する。そのすぐ後に、直列接続を完了させた電池に接着剤をスプレーし、接着剤がPVリボンの表面まで溢れることを確保する。最後に、バックシートを敷設し、光硬化または熱硬化で光起電力モジュールの封止を完了させる。ここで、例えば、光硬化の場合、紫外線硬化であってもよく、紫外線硬化は365nm波長の紫外線ランプを利用し、硬化時間が1s~30sで、例えば1s、10s、20sまたは30sである。熱硬化の場合、加熱硬化であってもよく、加熱硬化の温度範囲が100℃~200℃で、例えば、100℃、120℃、140℃、160℃、180℃または200℃であり、加熱硬化の時間範囲が6~40minで、例えば、6min、10min、20min、30minまたは40minである。なお、加熱硬化を採用する場合、加熱硬化の温度は加熱硬化の時間に反比例し、例えば、加熱硬化の温度が高いほど、加熱硬化の時間が短くなり、逆に、加熱硬化の温度が低いほど、加熱硬化の時間が長くなる。また、電池セルの予備位置決め時の加熱硬化時間は、バックシートを敷設した後の硬化時間よりも短くなってもよい。」
「【0037】
具体的には、図3は、本発明で提供される光起電力モジュールの製造方法の別のフローチャートである。図3に示すように、第1接着層と第2接着層がいずれも封止用接着フィルムである場合、封止用接着フィルムはEVA接着フィルム、POE接着フィルムまたはPVB接着フィルムであってもよく、EVA接着フィルムは、その主な成分がエチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)であり、そして、少量の架橋剤、架橋助剤、劣化防止剤とその他の機能性添加剤を含んでいる。EVAは、2種類のモノマーを共重合して製造され、エチレン鎖が比較的安定的ものである。POE接着フィルムは、エチレン-オクテン共重合体で、飽和脂肪鎖から構成され、耐候性と耐紫外線劣化性能が良く、耐熱性と耐低温性能が優れ、使用温度範囲が広く、光透過率が良く、電気絶縁性能が優れ、コストパフォーマンスが高く、加工が簡単であるなどの特徴を持っている。PVB(ポリビニルブチラール)接着フィルムは、熱可塑性樹脂で、架橋反応がなく、繰り返し加工が可能で、耐候性を持っている。通常の敷設時に、まず、フロントシートの空気側を下に向け、前面封止用接着フィルムをフロントシートの電池側の面に敷設し、次に、電池セルを前面封止用接着フィルムの表面に敷設し、位置決めテープで電池部材の相対位置を固定する。そして、予備積層工程に入り、前面封止用接着フィルムの物理変化または化学反応によってフロントシートと電池セルとの接着を行い、予備積層時間は10min以下であり、例えば、2min、3min、4min、5min、6min、7min、8min、9minまたは10minである。予備積層温度は140℃以下であり、例えば、120℃、125℃、130℃、135℃または140℃であってもよい。予備積層後、電池セルの少なくとも一部が前面封止用接着フィルムに侵入するが、電池セルとフロントシートとは接触しない。次に、PVリボンで電池セル間とセルストリング間を直列接続し、内部直列接続を実現する。そのすぐ後に、直列接続を完了させたセルストリングに裏面封止用接着フィルムとバックシートを順次敷設する。最後に、積層によって光起電力モジュールの封止を実現する。積層時間範囲は10min~20minで、例えば10min、12min、14min、16min、18minまたは20minであり、積層温度範囲は140℃~160℃で、例えば、140℃、145℃、150℃、155℃または160℃である。なお、前面封止用接着フィルムをフロントシートの電池側の表面に敷設し、前面封止用接着フィルムの予備積層後の厚さは電池厚さの1/2以上である。この考案を採用して、前面封止用接着フィルムを予備硬化することによって、電池片面溶接時の応力による電池の反りを防止し、電池に隠れクラックや破片が発生するリスクを回避し、ひいては光起電力モジュールの歩留まりを高めることができるだけでなく、積層時間を短縮することもできる。」
(2) 各引用文献に記載された事項及び引用発明等の認定
ア 引用文献1に記載された事項及び引用発明の認定
(ア) 原査定の拒絶の理由において引用された、本願の優先日前に発行された文献である特表2016-525791号公報(国際公開第2014/209532号)(以下「引用文献1」という。)には、次の記載がある(なお、当合議体により、後記イの引用発明の認定に直接用いる記載に下線を付した。)。
「【0002】
(前略)太陽電池は、様々なプロセス及び封入材料を使用して、光起電力ラミネートへとパッケージングすることができ、光起電力ラミネートは、更に、光起電力モジュールにパッケージングすることができる。1または複数の実施形態は、光起電力電池、又は太陽電池、及び光起電力ラミネート製造プロセスに関する。」
「【0021】
図1~7は、光起電力ラミネートの金属化の方法を例示する。図1~7の光起電力ラミネート100は、通常動作の間に太陽に面する前面102、及び前面102の反対側に裏面104を有する。図3~5は、金属箔130が、図3の第1太陽電池120に直接接続され得る実施形態を示している。図6~7は、金属箔130が、図6の第1太陽電池120上のシード金属層121に電気的に接続され得る実施形態を示している。
【0022】
図1を参照し、第1封入材112の実質的に透明な層110への配置、及び第1太陽電池120の第1封入材112への配置が示されている。いくつかの実施形態において、方法は、複数の太陽電池を第1封入材112上に配置することを含み得る。一実施形態において、方法は、第2太陽電池を第1封入材112上に配置することを含み得る。別の実施形態において、第1太陽電池120を第1封入材112上に配置する前に、方法は、複数の太陽電池を分類する工程を含む場合があり、第1太陽電池及び第2太陽電池の配置は、この分類に従って行われる。第1太陽電池及び第2太陽電池を配置する工程が分類する工程を含む実施形態において、この方法は、視覚的品質、光起電力、及びエレクトロルミネセンス試験結果からなる群から選択される方法によって、複数の太陽電池を分類する工程を含み得る。一実施形態において、実質的に透明な層はガラスであり得る。いくつかの実施形態において、第1封入材は、エチレン酢酸ビニール(EVA)であり得る。一実施形態において、方法は更に、視覚的システムを使用して、第1太陽電池120を光起電力ラミネート100に位置合わせする工程を含み得る。方法が、第1太陽電池120を光起電力ラミネート100に位置合わせする工程を含む実施形態において、方法は位置合わせデータを保存する工程を含み得る。一実施形態において、方法は、加熱ランプによる硬化、紫外線(UV)による硬化、又は他のいずれかの適用可能な方法からなる群から選択される技術を使用して、第1封入材112上で第1太陽電池120を適所に固定する工程を含み得る。上記のように、光起電力ラミネート100は、前面102及び裏面104を有してもよく、前面102は裏面104の反対側である。」
「【図1】
[図:0001438732000001.jpg]
」
「【0023】
図2は、金属箔130を第1太陽電池120上に配置する工程を例示しており、金属箔130は第1太陽電池120と均一に接触している。一実施形態において、金属箔130は、キャリア媒体に取り付けられた金属箔を含む場合があり、金属箔は予めパターン化されている。いくつかの実施形態において、金属箔130は、パターン化した金属箔及び余剰な金属箔を含み得る。金属箔130がパターン化した金属箔及び余剰な金属箔を含む実施形態において、方法は更に、鍛造、機械的スクライビング、レーザーパターン化、レーザーアブレーション、水パターン化、水噴射、マスキング及びエッチング、又はいずれかの適用可能なパターン化タイプのプロセスからなる群から選択される技術を使用して、パターン化した金属箔を形成する工程を含み得る。一実施形態では、金属箔130は、アルミニウムを含み得る。金属箔130がアルミニウムである実施形態において、金属箔130は、5~100μmの範囲の厚さを有し得る。いくつかの実施形態において、金属箔130を第1太陽電池120に位置合わせするために、視覚的システムが使用され得る。図1において上記のような位置合わせ情報を保存する工程を含む実施形態において、方法は更に、保存された位置合わせ情報によって太陽電池120上に金属箔130を配置する工程を含む場合がある。一実施形態において、金属箔130は、第1太陽電池120上に固定され得る。金属箔130が第1太陽電池120に固定される実施形態において、金属箔130を第1太陽電池120に固定する工程は、加熱ランプによる硬化、紫外線(UV)放射線による硬化、金属箔のローリング、圧力真空技術、及び他のいずれかの適用可能な方法からなる群から選択される方法を使用することを含み得る。」
「【図2】
[図:0001438732000002.jpg]
」
「【0024】
図3を参照し、金属箔130を第1太陽電池120へと接続する、金属結合160の形成が示されている。一実施形態において、金属結合160の形成は、金属コンタクト領域を形成して金属箔130及び第1太陽電池120を接続することを含み得る。実施形態は、レーザー源150を使用してレーザー152を金属箔130上に発射して、金属箔130を第1太陽電池120に接続する、金属結合160又は金属コンタクト領域を形成することを含み得る。一実施形態において、金属コンタクト領域160を形成することはまた、パターン化プロセスを行い、パターン化した金属箔及び余剰金属箔を生じることと、パターン化した金属箔を第1太陽電池120に接続する金属結合160又は金属コンタクト領域を形成することと、余剰な金属箔を取り除くこととを含む。実施形態は、代わりにレーザー結合プロセスを行うことを含み得る。一実施形態において、金属コンタクト領域は、金属箔130を第1太陽電池120に電気的に接続する。実施形態はまた、キャリア媒体に取り付けられた金属箔130を、第1太陽電池120に接続する、金属結合160又は金属コンタクト領域を形成することであって、金属箔130は予めパターン化されている、形成することと、金属結合を形成した後にキャリア媒体を取り除くこととを含み得る。実施形態はまた、レーザー152、又は結合160又は金属コンタクト領域の形成に使用される同じ装置を使用して、金属箔130からブスバ及びリボンをパターン化することを含み得る。一実施形態において、ブスバ及びリボンは、金属結合160の形成とは別個に、金属箔130からパターン化され得る。」
「【図3】
[図:0001438732000003.jpg]
」
「【0025】
図4は、金属箔130上に裏材142を配置することが例示されている。一実施形態では、裏材142は、第2封入材であり得る。いくつかの実施形態において、第2封入材は、エチレン酢酸ビニール(EVA)であり得る。一実施形態において、裏材142を配置する前に、金属ブスバを金属箔130に接続し、光起電力ラミネート100への、及びここからの電気伝導を可能にする。実施形態は、裏側層142を金属箔130上に堆積することを含む場合があり、裏側層142はシリコーンを含み得る。」
「【図4】
[図:0001438732000004.jpg]
」
「【0026】
図5を参照し、裏側層140を裏材142上に形成することが示されている。一実施形態において、方法はまた、裏材142なしに行うこともでき、裏側層140は金属箔130上に直接配置され得る。一実施形態では、裏材142は、第2封入材であり得る。いくつかの実施形態において、第2封入材は、エチレン酢酸ビニール(EVA)であり得る。実施形態は、裏材142を含む組み合わせた裏側層を含み得る。方法はまた、実質的に透明な層110、第1封入材112、第1太陽電池120(図3)、金属箔130、第2封入材142、及び裏側層140を結合して、光起電力ラミネート100を形成する工程を含み得る。一実施形態において、第2封入材142は、エチレン酢酸ビニール(EVA)であり得る。一実施形態において、裏側層140は、光起電力ラミネートの製造に一般的に使用されるバックシートからなる。実施形態は、裏側層140がポリエチレンであり得ることを含み得る。一実施形態において、方法は、結合後に光起電力ラミネート100の周囲にフレームを取り付ける工程と、フレーム取り付け後に裏側層140上に電気接続箱を形成して、光起電力モジュールを形成する工程とを含み得る。実施形態は、硬化、熱硬化、紫外線(UV)光による硬化、標準的な積層プロセスの実施からなる群から選択される方法を実施して、光起電力ラミネートを形成することを含み得る。いくつかの実施形態において、視覚的システムを使用して、裏材142又は裏側層140を、第1太陽電池120に位置合わせする。」
「【図5】
[図:0001438732000005.jpg]
」
「【0027】
図6は、金属化の別の実施形態を例示し、この実施形態は、金属箔130を第1太陽電池120上のシード金属層121に接続する、金属結合160を形成することを含み得る。方法は、シード金属層121を含む、図6の太陽電池100を準備することを含み得る。一実施形態において、金属結合160の形成は、金属コンタクト領域を形成して、金属箔130及び第1太陽電池120のシード金属層121を接続することを含む。実施形態はまた、レーザー源150を使用してレーザー152を金属箔130上に発射して、金属箔130をシード金属層121に接続する、金属結合160又は金属コンタクト領域を形成することを含み得る。一実施形態において、金属結合160を形成することはまた、パターン化プロセスを行い、パターン化した金属箔及び余剰金属箔を生じることと、パターン化した金属箔を第1太陽電池121に接続する金属結合160又は金属コンタクト領域を形成することと、余剰な金属箔を取り除くこととを含み得る。実施形態は、レーザー結合プロセスを行うことを含み得る。実施形態はまた、キャリア媒体に取り付けられた金属箔130を、シード金属層121に接続する、金属結合160又は金属コンタクト領域を形成することであって、金属箔130は予めパターン化されている、形成することと、金属結合160を形成した後にキャリア媒体を取り除くこととを含み得る。一実施形態において、金属結合160の形成は、はんだ付けプロセス、レーザー溶接、溶接、熱若しくは熱エネルギーの使用、金属箔130と第1太陽電池120のシード金属層121との間に金属結合160を形成するための超音波プロセス又はいずれかの適用可能な方法を行うことを含み得る。実施形態はまた、同じレーザー152、又は金属結合160又は金属コンタクト領域の形成に使用される装置を使用して、金属箔130からブスバ及びリボンをパターン化することを含み得る。一実施形態において、ブスバ及びリボンは、金属結合160の形成とは別個に、金属箔130からパターン化され得る。」
「【図6】
[図:0001438732000006.jpg]
」
「【0039】
図16は、レーザー152を使用して金属箔130をパターン化154して、金属箔132上のパターン154、及びパターン化された金属箔132が形成されることを例示している。一実施形態では、金属箔130は、その場でパターン化される。」
「【0041】
図18は、金属箔又はパターン化した金属箔132がキャリア媒体136に取り付けることができる実施形態を示し、金属コンタクト領域160の形成の後に、キャリア媒体136はその後除去されてもよい。一実施形態において、キャリア媒体136は、金属コンタクト領域160が形成される前に、除去される。別の実施形態において、キャリア媒体は、紙、エチレン酢酸ビニール(EVA)、ポリマー層、ポリエチレン、いずれかの一般的なプラスチック、及び他のいずれかの種類の適用可能なキャリアの種類の材料から選択される材料からなる。方法は、キャリア媒体136を剥がすこと108を含み得る。
…(中略)…
【0046】
図23を参照し、コンタクトフィンガーが、第1太陽電池120を超えて第2太陽電池122へと延びる、実施形態が示されており、この設計は太陽電池間の電気伝導を可能にする。一実施形態において、第1太陽電池120、及び第2太陽電池122は、第1太陽電池120上のP型及びN型領域が、第2太陽電池122に対して交互の様式で位置合わせされ得るように、オフセットされ得、太陽電池を横断して延び、第1太陽電池120を第2太陽電池122に電気的に接続する、第1コンタクトフィンガー135、第2コンタクトフィンガー137、及び第3コンタクトフィンガー139などの複数のコンタクトフィンガーをパターン化することを可能にする。」
「【図18】
[図:0001438732000007.jpg]
」
「【図23】
[図:0001438732000008.jpg]
」
「【0049】
図26は、光起電力ラミネートを金属化する方法の更に別の実施形態のフローチャートを例示している。上記のように、第1操作221の実施形態は、光起電力ラミネートの前面を含む、実質的に透明な層上に、第1封入材を配置することを含む。第2操作222は、第1太陽電池及び第2太陽電池を含む、複数の太陽電池を分類することを含み得る。第3操作223は、第1太陽電池及び第2太陽電池を第1封入材上に配置することを含み得る。第4操作224は、金属箔を第1太陽電池上に配置する工程を例示しており、金属箔は第1太陽電池及び第2太陽電池の裏面と均一に接触している。第5操作は2つの工程を含む場合があり、第1工程225は、金属箔を第1太陽電池及び第2太陽電池に接続する金属結合を形成することを含む場合があり、第2工程226は裏材を金属箔上に配置することを含み得る。第5操作の実施形態は、4つの工程を含む場合があり、第1工程227は、パターン化プロセスを行い、パターン化した金属箔及び余剰な金属箔を生じる工程を含む場合があり、第2工程228は、パターン化した金属箔を、第1太陽電池及び第2太陽電池に接続する金属結合を形成することを含む場合があり、第3工程は、余剰な金属箔を取り除くことを含む場合があり、第4工程231は、裏材をパターン化した金属箔上に配置することを含む場合がある。第5操作の実施形態はまた、3つの工程を含む場合があり、第1工程232は、キャリア媒体に取り付けられた金属箔を、第1太陽電池及び第2太陽電池に接続する金属結合を形成することを含む場合があり、金属箔は予めパターン化されており、第2工程233はキャリア媒体を取り除くことを含む場合があり、第3工程234は裏材を金属箔上に配置することを含み得る。第6操作235は、裏側層を裏材上に形成することを含み得る。最後の操作は、実質的に透明な層、第1封入材、第1太陽電池及び第2太陽電池、金属箔、裏材、並びに裏側層を硬化して、光起電力ラミネートを形成することを含み得る。上記のように、第1太陽電池及び第2太陽電池の配置は、上記の方法が、1つ又は2つの太陽電池のみではなく、複数の太陽電池と共に使用され得ることを例示している。」
「【図26】
[図:0001438732000009.jpg]
」
(イ) 引用文献1に記載された事項より把握できる事項の認定
a 【0022】に記載された「加熱ランプによる硬化、紫外線(UV)による硬化、又は他のいずれかの適用可能な方法からなる群から選択される技術を使用して、第1封入材112上で第1太陽電池120を適所に固定する工程」は、【図1】を参照する【0022】に記載されていることから、【0049】に記載された第3操作223の後、第4操作224の前に行われる工程であることを把握できる。
b 【0041】、【0046】、【図18】及び【図23】の記載によれば、パターン化した金属箔132は、第1コンタクトフィンガー135、第2コンタクトフィンガー137、及び第3コンタクトフィンガー139などの複数のコンタクトフィンガーをパターン化したものであることを把握できる。
c 【図6】及び【図23】より、金属結合160は、レーザー152の発射により、スポット的に溶接されていることを把握できる。
d 【0024】には、「キャリア媒体に取り付けられた金属箔130を、第1太陽電池120に接続する、金属結合160又は金属コンタクト領域を形成することであって、金属箔130は予めパターン化されている」と記載されているところ、【0039】には、「レーザー152を使用して金属箔130をパターン化154して、金属箔132上のパターン154、及びパターン化された金属箔132が形成される」と記載されている。そうすると、【0024】に記載された「金属箔130」は、予めパターン化されている「パターン化された金属箔132」であることを把握できる。
(ウ) 引用発明の認定
前記(イ)に認定した事項及び前記(ア)に摘記した引用文献1の記載事項を総合すると、引用文献1には、図1~7及び26に記載された光起電力ラミネートの形成方法について、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。なお、認定の根拠となる記載箇所を括弧内に示している。
<引用発明>
「光起電力ラミネート製造プロセスであって、(【0002】)
第1操作221は、実質的に透明な層上に、第1封入材を配置することを含み、
第3操作223は、第1太陽電池及び第2太陽電池を第1封入材上に配置することを含み、
第4操作224は、金属箔を第1太陽電池上に配置しており、金属箔は第1太陽電池及び第2太陽電池の裏面と均一に接触しており、
第5操作は3つの工程を含み、
第1工程232は、キャリア媒体に取り付けられた金属箔を、第1太陽電池及び第2太陽電池に接続する金属結合を形成し、金属箔は予めパターン化されており、
第2工程233は、キャリア媒体を取り除くことを含み、
第3工程234は、裏材を金属箔上に配置し、
第6操作235は、裏側層を裏材上に形成することを含み、
最後の操作は、実質的に透明な層、第1封入材、第1太陽電池及び第2太陽電池、金属箔、裏材、並びに裏側層を硬化して、光起電力ラミネートを形成することを含み、
第1太陽電池及び第2太陽電池の配置は、複数の太陽電池と共に使用され、(【0049】)
第1封入材は、エチレン酢酸ビニール(EVA)であり、
第3操作223の後、第4操作224の前に、加熱ランプによる硬化、紫外線(UV)による硬化、又は他のいずれかの適用可能な方法からなる群から選択される技術を使用して、第1封入材112上で第1太陽電池120を適所に固定する工程を含み、(【0022】・前記(イ)a)
金属箔130は、キャリア媒体に取り付けられた金属箔を含み、金属箔は予めパターン化されており、(【0023】)
金属箔130を第1太陽電池120へと接続する、金属結合160の形成は、レーザー源150を使用してレーザー152を金属箔130上に発射して、金属箔130を第1太陽電池120に接続し、(【0024】)
金属箔130は、予めパターン化されているパターン化された金属箔132であり、(前記(イ)d)
金属結合160は、レーザー152の発射により、スポット的に溶接されており、(前記(イ)c)
裏材142は、第2封入材であり、
第2封入材は、エチレン酢酸ビニール(EVA)であり、(【0025】)
パターン化した金属箔132は、第1コンタクトフィンガー135、第2コンタクトフィンガー137、及び第3コンタクトフィンガー139などの複数のコンタクトフィンガーをパターン化したものであり、(前記(イ)b)
金属結合160の形成は、はんだ付けプロセス、レーザー溶接、溶接、熱若しくは熱エネルギーの使用、金属箔130と第1太陽電池120のシード金属層121との間に金属結合160を形成するための超音波プロセス又はいずれかの適用可能な方法を行うことを含み得る(【0027】)、
光起電力ラミネート製造プロセス」の発明。
イ 太陽電池モジュールにおける技術常識の認定
(ア) 当審決において新たに引用する、特開2013-175502号公報及び国際公開第2013/161069号(以下、それぞれを「引用文献2」及び「引用文献3」という。)には、次の記載がある。
a 引用文献2の記載
「【0003】
太陽電池セルは、その表面(受光面)側に、多数の細線状のフィンガー電極と、これらのフィンガー電極と直交するように配置される少なくとも1本のバスバー電極とを有している。また、裏面側には、その全面に亘る裏面電極が設けられ、この裏面電極上に表面側と同数のバスバー電極が設けられる。そして、隣合う太陽電池セルのうち一方の太陽電池セルの表面側のバスバー電極と他方の太陽電池セルの裏面側のバスバー電極とをリボン状のタブ線により接続している(特許文献1、2参照)。
【0004】
従来使用されているタブ線は、Cuを主体とした金属箔(厚さ50~300μm、幅1~3mm)である。そして、このタブ線とバスバー電極との間に導電性接着媒体(ハンダや導電性樹脂テープ)を挿入し、加熱及び/又は圧着により、導電性接着媒体を溶融させることで、タブ線とバスバー電極とを接続している。」
b 引用文献3の記載
「【0013】
太陽電池モジュール200において隣り合う太陽電池セル20間はタブ22によって接続される。タブ22としては、例えば、リボン状の銅等の金属箔を用いることができる。タブ22は、太陽電池セル20の第1電極20bと、隣り合う太陽電池セル20の第2電極20cとを接続する。タブ22は、例えば、一方の太陽電池セル20の第1電極20bのバスバーと他方の太陽電池セル20の第2電極20cのバスバーとに接着剤24により接着される。接着剤24としては、例えば、エポキシ樹脂やアクリル樹脂、ウレタン樹脂等の接着性の樹脂材料を含む熱硬化型の接着剤に導電性粒子を分散させた導電性接着ペースト(SCP)又は導電性接着フィルム(SCF)とすることができる。また、例えば、太陽電池セル20の面内方向に導電性が低く、膜厚方向に導電性が高い異方導電性接着剤(ACF)を用いてもよい。また、接着剤24を用いず、ハンダ材によって第1電極20b及び第2電極20cとタブ22とを接続してもよい。」
(イ) 技術常識の認定
前記(ア)に摘記した引用文献2及び3の記載にも例示されるとおり、次の事項は、太陽電池モジュールにおける技術常識(以下「技術常識1」という。)と認められる。
<技術常識1>
「太陽電池セルを相互接続する部材として呼称される、タブ、リボン及び金属箔は、実質的に同様の部材といえること。」
(3) 本件補正発明と引用発明の対比
ア 対比分析
本件補正発明と引用発明を以下に対比する。
(ア) 構成Xの観点(光起電力モジュールの製造方法)
a 構成Xは、光起電力モジュールの製造方法の発明であることを特定するものである。
b 引用発明は、「複数の太陽電池」を「ラミネート」して、「光起電力ラミネート」を形成する「光起電力ラミネート製造プロセス」の発明であるところ、当該「光起電力ラミネート」は、一つのモジュールと理解できる。
c したがって、本件補正発明と引用発明は、次の点において一致する。
「光起電力モジュールの製造方法」の発明である点。
(イ) 構成Aの観点(予備硬化までの工程)
a 構成Aは、次の工程「を含[む]」ことである。
(a) 「フロントシートを敷設し、前記フロントシートに第1接着層を敷設し、前記第1接着層に複数の電池セルを敷設[する]」工程。
(b) 「前記電池セルを前記フロントシートに固定するように、加熱硬化または紫外線硬化によって前記フロントシートと前記電池セルとの間にある前記第1接着層を予備硬化する」工程。
b(a) 前記a(a)の工程について、
引用発明は、「実質的に透明な層上に、第1封入材を配置すること」及び「第1太陽電池及び第2太陽電池を第1封入材上に配置すること」を含み、「第1太陽電池及び第2太陽電池の配置は、複数の太陽電池と共に使用され[る]」ものである。そして、引用発明における「第1封入材」は、「エチレン酢酸ビニール(EVA)」であるから、いわゆる接着層と理解できる。
そうすると、引用発明における「実質的に透明な層」、「第1封入材」及び「複数の太陽電池」は、それぞれ本件補正発明における「フロントシート」、「第1接着層」及び「複数の電池セル」に相当し、引用発明は、前記(a)の工程を含むものといえる。
(b) 前記a(b)の工程について
引用発明は、「加熱ランプによる硬化、紫外線(UV)による硬化、又は他のいずれかの適用可能な方法からなる群から選択される技術を使用して、第1封入材112上で第1太陽電池120を適所に固定する工程」(以下「太陽電池適所固定工程」という。)を含んでいるところ、当該「第1封入材112」は、「エチレン酢酸ビニール(EVA)」であるから、当該太陽電池適所固定工程は、「第1封入材112」を硬化して「第1太陽電池120」を「固定する」工程と理解できる。そして、当該太陽電池適所固定工程は、引用発明における「最後の操作(実質的に透明な層、第1封入材、第1太陽電池及び第2太陽電池、金属箔、裏材、並びに裏側層を硬化して、光起電力ラミネートを形成すること)」に先だって「第1封入材」を予め硬化する工程と理解できるから、本件補正発明にいうところの「予備硬化」に相当するといえる。
c したがって、本件補正発明と引用発明は、次の点において一致する。
「フロントシートを敷設し、前記フロントシートに第1接着層を敷設し、前記第1接着層に複数の電池セルを敷設し、前記電池セルを前記フロントシートに固定するように、加熱硬化または紫外線硬化によって前記フロントシートと前記電池セルとの間にある前記第1接着層を予備硬化すること」「を含[む]」点。
(ウ) 構成Bの観点(セルストリング形成工程)
a 構成Bは、「前記第1接着層が予備硬化された後に、前記複数の電池セルをPVリボンで接続して、セルストリングを形成すること」「を含[む]」ことである。
b 引用発明は、「金属箔を第1太陽電池上に配置すること」を含み、当該「金属箔」は、「第1太陽電池及び第2太陽電池の裏面と均一に接触して」おり、「予めパターン化されて[いる]」ものであるところ、前記(2)イ(イ)の技術常識1にも照らしてみれば、引用発明における「パターン化した金属箔132」は、本件補正発明における「PVリボン」に相当するといえる。
そして、引用発明における「第1封入材112上で第1太陽電池120を適所に固定する工程」は、「第3操作223の後、第4操作224の前」に行われる工程であるから、構成Bにおける「前記第1接着層が予備硬化された後」であって、「金属箔を第1太陽電池上に配置する」前に行われることは明らかといえる。また、引用発明は、「キャリア媒体に取り付けられた金属箔を、第1太陽電池及び第2太陽電池に接続する金属結合を形成」しており、引用発明における当該事項は、本件補正発明にいうところの「前記複数の電池セルをPVリボンで接続して、セルストリングを形成すること」といえる。
c したがって、本件補正発明と引用発明は、次の点において一致する。
「前記第1接着層が予備硬化された後に、前記複数の電池セルをPVリボンで接続して、セルストリングを形成すること」「を含[む]」点。
(エ) 構成Cの観点(光起電力モジュール形成工程)
a 構成Cは、「前記セルストリングに第2接着層を敷設し、前記第2接着層にバックシートを敷設し、前記バックシートと前記セルストリングとの間にある前記第2接着層を硬化させてから光起電力モジュールを形成する」工程「を含[む]」ことである。
b 引用発明における「裏材142」は、「第2封入材」であり、「第2封入材は、エチレン酢酸ビニール(EVA)」であるから、引用発明における「裏材142」は、本件補正発明における「第2接着層」に相当し、引用発明における「裏側層」は、本件補正発明における「バックシート」に相当する。
そして、引用発明は、「実質的に透明な層、第1封入材、第1太陽電池及び第2太陽電池、金属箔、裏材、並びに裏側層を硬化して、光起電力ラミネートを形成」しているから、本件補正発明にいうところの「前記バックシートと前記セルストリングとの間にある前記第2接着層を硬化させてから光起電力モジュールを形成する」工程を含んでいるといえる。
c したがって、本件補正発明と引用発明は、次の点において一致する。
「前記セルストリングに第2接着層を敷設し、前記第2接着層にバックシートを敷設し、前記バックシートと前記セルストリングとの間にある前記第2接着層を硬化させてから光起電力モジュールを形成すること」を含む点。
(オ) 構成D(構成D1~D5)の観点(第1接着層及び第2接着層の構成並びにその組み合わせについて)
a 前記(1)アに分説のとおり、D2~D5の構成は選択肢であるから、その選択肢の一つである構成D1及びD4よりなる構成は、次のとおりである。
(構成D1) 「前記第1接着層および/または前記第2接着層が接着剤または封止用接着フィルムであ[る]」こと。
(構成D4) 「前記第1接着層と前記第2接着層とがいずれも封止用接着フィルムである場合、フロントシートの電池セルに近い側に前面封止用接着フィルムを敷設してから、前記前面封止用接着フィルムに電池セルを敷設し、重ね合わせられたフロントシート、前面封止用接着フィルムおよび電池セルを予備積層し、セルストリングに裏面封止用接着フィルムを敷設し、前記裏面封止用接着フィルムにバックシートを敷設し、重ね合わせられたフロントシート、セルストリング、裏面封止用接着フィルムおよびバックシートを積層[する]」こと。
b 構成D1について、引用発明における「第1封入材」及び「裏材」は、いずれも「エチレン酢酸ビニール(EVA)」であるところ、技術常識に照らせば、当該「EVA」は、封止用の接着シートと理解でき、このシートであるとの理解は、「配置する」との表記にも沿うものである。そうすると、引用発明は、本件補正発明にいうところの「前記第1接着層および/または前記第2接着層が接着剤または封止用接着フィルムであり」との構成D1を満たしている。
c 構成D4について、構成D4は、「重ね合わせられたフロントシート、前面封止用接着フィルムおよび電池セルを予備積層」しているところ、「予備」との文言によれば、当該「予備積層」は、予め積層するとの意味との理解が自然といえる。そうすると、引用発明は、本件補正発明にいうところの「予備積層」なる構成を満たしているといえる。なお、当該「予備積層」が「予備硬化」と同義であったとしても、前記(イ)bに説示のとおりである。
そして、前記bを踏まえ、前記(ア)~(エ)に説示した事項によれば、本件補正発明と引用発明は、構成D4の観点におけるその余の点において一致している。
d 以上の検討結果を踏まえると、本件補正発明と引用発明は、構成D(D1及びD4)の観点について、次の点において一致する。
「前記第1接着層および/または前記第2接着層が接着剤または封止用接着フィルムであり、」
「前記第1接着層と前記第2接着層とがいずれも封止用接着フィルムである場合、フロントシートの電池セルに近い側に前面封止用接着フィルムを敷設してから、前記前面封止用接着フィルムに電池セルを敷設し、重ね合わせられたフロントシート、前面封止用接着フィルムおよび電池セルを予備積層し、セルストリングに裏面封止用接着フィルムを敷設し、前記裏面封止用接着フィルムにバックシートを敷設し、重ね合わせられたフロントシート、セルストリング、裏面封止用接着フィルムおよびバックシートを積層[する]」点。
イ 対比分析のまとめ
前記アの対比分析の結果をまとめると、本件補正発明と引用発明に相違点はなく、同一である。また、仮に一応の相違があるとしても、当業者が引用発明に基づいて容易になし得たことといえる。
ウ 本件補正発明が奏する効果について
引用発明のような「金属箔を、第1太陽電池及び第2太陽電池に接続する金属結合」として「レーザー152を金属箔130上に発射して、金属箔130を第1太陽電池120に接続[する]」ものであれば、いわゆる溶接と理解でき、引用発明の如く「スポット的に溶接され[る]」構成であっても、離散的とはいえ連続的に溶接を行うものと理解できるところ、当該溶接により生じた熱による熱膨張は当然に生じるのであるから、その程度に差はあるとしても、引用発明は、片面溶接時の応力による電池の反りや、電池に隠れクラックや破片が発生する可能性があるという本件補正発明と同様の課題を生じ得、引用発明は、「パターン化した金属箔」の溶接に先立って太陽電池適所固定工程を有しているのであるから、このような課題を解決できることは明らかである。
また、引用発明は「金属結合160の形成は、はんだ付けプロセス、レーザー溶接、溶接、熱若しくは熱エネルギーの使用、金属箔130と第1太陽電池120のシード金属層121との間に金属結合160を形成するための超音波プロセス又はいずれかの適用可能な方法を行うことを含み得る」のであるから、レーザー溶接に代えて、はんだ付けプロセスを採用した際に、本件補正発明と同様の課題を生じ得、引用発明は、「パターン化した金属箔」の溶接に先立って太陽電池適所固定工程を有しているのであるから、このような課題を解決できることは明らかである。
したがって、本件補正発明が奏する効果としては、当該構成のものとして当業者が予測・発見困難であり、かつ、格別顕著な効果を認めることはできない。
エ 予備的判断
仮に、本件補正発明における「PVリボン」が、リボン状の金属箔をはんだで被覆したものを意味し、引用発明における「パターン化した金属箔」は、本件補正発明にいうところ「PVリボン」に含まれない(相当しない)としても、そのような「PVリボン」は、例を挙げるまでもなく周知であって、引用発明におけるレーザー接続を用いる「パターン化した金属箔」を、周知なリボン状の金属箔をはんだで被覆した「PVリボン」に置換することは、当業者であれば容易になし得た事項である。そして、引用発明において、「パターン化した金属箔」を、周知なリボン状の金属箔をはんだで被覆した「PVリボン」に置換した際に、はんだによる溶接に先立って太陽電池適所固定工程を有することになるのであるから、片面溶接時の応力による電池の反りや、電池に隠れクラックや破片が発生する可能性があるという本件補正発明と同様の課題を解決できることも明らかである。
オ 請求人の主張について
(ア) 請求人は、引用文献1に記載された発明は、はんだ付けを行う案を全て排除し、代わりに、金属箔130で直接的に太陽電池を接続する方式を採用しており、引用文献1には、電池の片面溶接時の応力による電池の反りを防止する等の本件補正発明が解決しようとする技術的課題がない旨を主張している。
しかしながら、次のとおり、請求人の前記主張は採用し得ないものである。
a 本件補正発明は、「前記複数の電池セルをPVリボンで接続して、セルストリングを形成する」と特定しており、溶接による接続構造や接続手段(はんだを用いていないこと等)について特定されていないから、前記主張は、本件補正発明における特定事項に基づく主張ではない。
b 仮に、本件補正発明における「接続」が、溶接による接続であったとしても、前記ウで検討したとおり、引用発明のような「金属箔を、第1太陽電池及び第2太陽電池に接続する金属結合」として「レーザー152を金属箔130上に発射して、金属箔130を第1太陽電池120に接続[する]」ものであれば、いわゆる溶接と理解でき、引用発明の如く「スポット的に溶接され[る]」構成であっても、当該溶接により生じた熱による熱膨張は当然に生じるのであるから、引用発明においても、請求人が主張する課題と同様の技術的な課題が生じ得、引用発明はこれを解決できるものであることは明らかである。さらに、前記ウで検討したとおり、引用発明において、レーザー溶接に代えて、はんだ付けプロセスを採用した際に、本件補正発明と同様の課題を生じ得、引用発明は、「パターン化した金属箔」の溶接に先立って太陽電池適所固定工程を有しているのであるから、このような課題を解決できることは明らかである。
c 仮に、本件補正発明における「PVリボン」は、リボン状の金属箔をはんだで被覆したものを意味し、引用発明における「パターン化した金属箔」がこれに含まれない(相当しない)としても、前記エで検討したとおり、周知なリボン状の金属箔をはんだで被覆した「PVリボン」を適用した際に、本件補正発明と同様の課題を解決できることは明らかである。ここで、前記ウで検討したとおり、引用発明は、レーザー溶接に代えて、はんだ付けプロセスを採用し得るものであり、「はんだ」を用いたプロセスを排除していないから、周知なリボン状の金属箔をはんだで被覆した「PVリボン」を適用し得ることは明らかである。
(イ) 請求人は、第1接着層及び/又は第2接着層が、印刷する接着剤であるか、又は敷設する封止用接着フィルムであるか具体的な選択を確認することができず、硬化と積層の具体的なタイミングも知ることができない旨を主張している。
しかしながら、前記(3)ア(オ)に説示のとおりであるから、請求人の前記主張は採用し得ないものである。
(4) 独立特許要件の判断のまとめ
以上検討のとおり、本件補正発明は引用発明であるから、特許法29条1項3号に該当し、同項の規定より、特許出願の際独立して特許を受けることができない。また、本件補正発明は、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、同条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。
したがって、本件補正により請求項1についてする補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に適合しない。
4 本件補正の却下の決定の理由のむすび
前記3(4)キのとおり、本件補正は、同法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するから、同法159条1項において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。
よって、前記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明について
本件補正は、前記第2のとおり却下したので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1(前記第2の1(1)参照)に記載された事項により特定されるとおりのものである。
2 原査定における拒絶の理由の概要
原査定の本願発明に対する拒絶の理由である理由1(新規性の欠如)及び理由2(進歩性の欠如)の概要は、次のとおりである。
・理由1(新規性の欠如) 本願発明は、その優先日前に発行された下記の引用文献1に記載された発明であるから、特許法29条1項3号に該当し、特許を受けることができない。
・理由2(進歩性の欠如) 本願発明は、その優先日前に発行された下記の引用文献1に記載された発明に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
記
引用文献1.特表2016-525791号公報
3 引用文献に記載された事項及び引用発明の認定
引用文献に記載された事項及び引用発明は、前記第2の3(2)において示したとおりである。
4 対比・判断
本願発明は、前記第2の2において検討したとおり、本件補正発明から以下の限定を省いたものである。
・「第1接着層」及び/又は「第2接着層」を「接着剤」又は「封止用接着フィルム」に限定すること。
・「第1接着層」及び「第2接着層」について、「前記第1接着層が接着剤で、前記第2接着層が封止用接着フィルムである場合、フロントシートの電池セルに近い側に接着剤を印刷してから、接着剤に電池セルを敷設し、前記フロントシートと前記複数の電池セルとの間にある接着剤を予備硬化し、セルストリングに裏面封止用接着フィルムを敷設し、前記裏面封止用接着フィルムにバックシートを敷設し、重ね合わせられたフロントシート、セルストリング、裏面封止用接着フィルム及びバックシートを積層し、あるいは、
前記第1接着層と前記第2接着層とがいずれも封止用接着フィルムである場合、フロントシートの電池セルに近い側に前面封止用接着フィルムを敷設してから、前記前面封止用接着フィルムに電池セルを敷設し、重ね合わせられたフロントシート、前面封止用接着フィルムおよび電池セルを予備積層し、セルストリングに裏面封止用接着フィルムを敷設し、前記裏面封止用接着フィルムにバックシートを敷設し、重ね合わせられたフロントシート、セルストリング、裏面封止用接着フィルムおよびバックシートを積層し、あるいは、
前記第1接着層が封止用接着フィルムで、前記第2接着層が接着剤である場合、フロントシートの電池セルに近い側に前面封止用接着フィルムを敷設してから、前記前面封止用接着フィルムに電池セルを敷設し、重ね合わせられたフロントシート、前面封止用接着フィルム及び電池セルを積層し、セルストリングに接着剤を印刷し、接着剤にバックシートを敷設し、セルストリングとバックシートとの間にある接着剤を硬化する」と限定すること。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、その発明特定事項の一部を限定したものに相当する本件補正発明が、前記第2の3(4)において説示したとおり、引用発明であり、又は引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により引用発明であり、又は引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上検討のとおり、本願発明は、特許法29条1項3号に該当するため、又は、特許法29条2項の規定により、特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2024-013328