2019-390102
通信システムにおけるリソース割当のシグナリング
- 審判番号
- 2019-390102
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2014-004145外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2019年08月27日
- 審決日
- 2019年11月06日
- 公報発行日
- 2020年01月31日
- 結論
- 訂正認容
- 分類
- P141 .851-Y (H04W) / P141 .852-Y (H04W)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法126条1項2号特許法126条5項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
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結論
理由
目次 ▾ 18項目
第1 手続の経緯
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特許第5630590号は、2007年(平成19年)3月20日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2006年3月20日 英国)を国際出願日とする特願2008-543813号の一部を、平成23年3月18日に新たな特許出願とした特願2011-60584号の一部を、平成24年8月13日に新たな特許出願とした特願2012-179503号の一部を、平成26年1月14日に更に新たな特許出願としたものであって、平成26年10月17日に特許権の設定登録がなされ、令和1年8月27日に本件訂正審判の請求がされたものである。
第2 請求の趣旨及び訂正の内容
本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第5630590号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1、3、5、6について訂正することを認める、との審決を求めるものであり、その訂正の内容は、次の訂正事項からなる。
1.訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に「前記第二のビットパターンを決定するメモリ」と記載されているのを、「前記第二のビットパターンを決定するコントローラ」に訂正する。(下線は、訂正箇所を示す。以下同様。)
2.訂正事項2
明細書の段落【0005】に「前記第二のビットパターンを決定するメモリ」と記載されているのを「前記第二のビットパターンを決定するコントローラ」に訂正する。
3.訂正事項3
特許請求の範囲の請求項3に「メモリを更に有する」と記載されているのを、「コントローラを更に有する」に訂正する。
4.訂正事項4
特許請求の範囲の請求項3に「前記第二のビットパターンに基づいて、前記ユーザ装置へのリソース割当を決定する」と記載されているのを、「前記第二のビットパターンに基づいて、前記ユーザ装置へのリソース割当を決定し、前記リソース割当に基づいてダウンリンクデータの受信を制御する」に訂正する。
5.訂正事項5
特許請求の範囲の請求項5に「前記リソース割当情報」と記載されているのを、「前記第二のビットパターン」に訂正する(請求項5の記載を引用する請求項6も同様に訂正する)。
6.訂正事項6
特許請求の範囲の請求項6に「前記第二のビットパターンに基づいて、前記ユーザ装置へのリソース割当を決定する」と記載されているのを、「前記第二のビットパターンに基づいて、前記ユーザ装置へのリソース割当を決定し、前記リソース割当に基づいてダウンリンクデータの受信を制御する」に訂正する。
7.訂正事項7
明細書の段落【0005】に「前記リソース割当情報」と記載されているのを、「前記第二のビットパターン」に訂正する。
第3 当審の判断
1.訂正事項1について
(1)訂正の目的について
訂正前の請求項1には、「前記第二のビットパターンを決定するメモリ」との発明特定事項が記載されている。
一方、願書に添付された明細書の段落【0067】には、以下の事項が記載されている(下線は当審が付与。以下同様。)。
「【0067】(省略)トランシーバ回路21の操作は、メモリ29に格納されたソフトウェアに従い、コントローラ27によって制御される。ソフトウェアは、特に、オペレーティングシステム31及びリソース割当モジュール33を含む。リソース割当モジュール33は、携帯電話3との通信においてトランシーバ回路21によって用いられるサブキャリアを割り当てるよう動作することができる。図3に示すように、リソース割当モジュール33は、各携帯電話3にシグナリングされる効率良い表現に割当をエンコードするエンコーダモジュール35を備える。」
段落【0067】によれば、メモリ29はソフトウェアを格納するものであり、コントローラ27がメモリ29に格納されたソフトウェアを実行することで制御を行うものであるといえる。
よって、決定することについてもコントローラ27が行うことから、訂正前の請求項1の「前記第二のビットパターンを決定するメモリ」との記載が、「前記第二のビットパターンを決定するコントローラ」の誤記であることは明らかである。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものである。
(2)願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
上記「(1)」に示した段落【0067】と同様の記載が願書に最初に添付した明細書に記載されていることから、願書に最初に添付した明細書には「前記第二のビットパターンを決定するコントローラ」が記載されているといえ、訂正事項1は、願書に最初に添付した明細書に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。
(3)特許請求の範囲の拡張又は変更について
上記「(1)」のとおり、訂正事項1は、訂正前の請求項1の誤記を訂正するものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。
(4)独立特許要件について
訂正事項1に係る訂正により、何ら特許請求の範囲の内容が変更されるものではないことから、訂正後の特許請求の範囲の請求項1に記載されている事項により特定される発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
2.訂正事項2について
(1)訂正の目的について
訂正事項2は、特許請求の範囲の請求項1に対応する明細書の段落【0005】の記載について、前記訂正事項1と同様の訂正をするものであるから、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とする訂正に該当する。
(2)願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
訂正事項2は、特許請求の範囲の請求項1に対応する明細書の段落【0005】について、訂正事項1と同様の誤記の訂正をしたものである。
したがって、訂正事項2は、願書に最初に添付した明細書に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3)特許請求の範囲の拡張又は変更について
訂正事項2は、特許請求の範囲の請求項1に対応する明細書の段落【0005】について、訂正事項1と同様の誤記の訂正をしたものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しないから、訂正事項2は特許法第126条第6項に適合するものである。
(4)独立特許要件について
訂正事項2に係る訂正により、何ら特許請求の範囲の内容が変更されるものではないことから、訂正後の特許請求の範囲の請求項1に記載されている事項により特定される発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。
したがって、訂正事項2は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
3.訂正事項3について
(1)訂正の目的について
訂正前の請求項3には、「前記ユーザ装置へのリソース割当を決定」する「メモリを更に有する」との発明特定事項が記載されている。
一方、願書に添付された明細書には、段落【0083】、【0084】及び【0090】に、
「【0083】(省略)携帯電話3は、(省略)コントローラ75も備える。コントローラ75は、メモリ85に格納されたソフトウェアの命令に応じて動作する。図示の通り、これらのソフトウェアの命令は、(省略)通信モジュール89を含む。(省略)通信モジュール89は、現時点に対するその携帯電話のサブキャリア割当を決定するために基地局5からシグナリングされたリソース割当データをデコードするよう動作するデコーダモジュール91を含む。【0084】デコーダモジュール91が基地局5から受信したリソース割当データをデコードする方法について、図8に示すフローチャートを参照して記述する。(省略)」
「【0090】デコーダモジュール91は(ステップs29、ステップs33又はステップs35のいずれかにおいて)サブキャリア割当を決定した後、識別されたサブキャリアを用いてデータの受信を制御するよう、トランシーバ回路71に適当な制御信号を送信する。」
と記載されており、ユーザ装置へのリソース割当を決定し、前記リソース割当に基づいてダウンリンクデータの受信を制御する処理は、メモリ85自体により行われるのではなく、コントローラ75がメモリ85に格納されたソフトウェア(デコーダモジュール91)を実行することでコントローラ75により行われるものであるといえる。
よって、訂正前の請求項3の「メモリを更に有する」との記載が、「コントローラを更に有する」の誤記であることは明らかである。
したがって、訂正事項3は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものである。
(2)願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
上記「(1)」に示した段落【0083】、【0084】及び【0090】と同様の記載が願書に最初に添付された明細書に記載されていることから、願書に最初に添付された明細書には、「前記ユーザ装置へのリソース割当を決定」する「コントローラを更に有する」ことが記載されているといえ、訂正事項3は、願書に最初に添付した明細書に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。
(3)特許請求の範囲の拡張又は変更について
上記「(1)」のとおり、訂正事項3は、訂正前の請求項3の誤記を訂正するものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。
(4)独立特許要件について
訂正事項3に係る訂正により、何ら特許請求の範囲の内容が変更されるものではないことから、訂正後の特許請求の範囲の請求項3に記載されている事項により特定される発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。
したがって、訂正事項3は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
4.訂正事項4について
(1)訂正の目的について
訂正事項4は、訂正前の請求項3の「前記第二のビットパターンに基づいて、ユーザ装置へのリソース割当を決定する」との発明特定事項に加えて、「前記リソース割当に基づいてダウンリンクデータの受信を制御する」ことをさらに特定するものである。
したがって、訂正事項4は、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
上記「3.訂正事項3について」「(1)」に示したとおり、「前記第二のビットパターンに基づいて、ユーザ装置へのリソース割当を決定し、前記リソース割当に基づいてダウンリンクデータの受信を制御する」ことは願書に添付された明細書に記載されているといえるから、訂正事項4は、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。
(3)特許請求の範囲の拡張又は変更について
上記「(1)」のとおり、訂正事項4は、訂正前の請求項3に係る発明の特許請求の範囲を減縮するものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。
(4)独立特許要件について
訂正事項4は、訂正前の請求項3に係る発明の特許請求の範囲を減縮するものであるから、訂正後の特許請求の範囲の請求項3に記載されている事項により特定される発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。
したがって、訂正事項4は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
5.訂正事項5について
(1)一群の請求項について
訂正前の請求項6は請求項5を引用したものであり、訂正前の請求項5、6は、特許法施行規則第45条の4に規定する関係を有する一群の請求項を構成する。
(2)訂正の目的について
訂正前の請求項5の「前記リソース割当情報は、Nを予め定められた帯域におけるチャンク数、(省略)のいずれかに従って、算出される」との記載は、当該記載以前に、「リソース割当情報」の記載がないために、「前記リソース割当情報」が指し示す内容が明らかでない。
一方、願書に添付された明細書には、段落【0093】に以下の事項が記載されている。
「【0093】この実施例においては、ノードの番号付けは、特定のリソース割当をシグナリングするために必要とされるシグナリングビットの個数を最適化するように設計される。(省略)符号無し整数x、すなわち、(省略)x = N(P-1)+Oさもなくばx = N(N-(P-1))+(N-1-O)としてシグナリングすることができる。(省略)」
段落【0093】には、N(P-1)+O又はN(N-(P-1))+(N-1-O)に従って算出される符号無し整数xが、リソース割当をシグナリングするためのビットであることが記載されているから、符号無し整数xが請求項5に記載された「第二のビットパターン」であることは明らかである。
これらのことから、訂正前の「前記リソース割当情報は、(省略)少なくとも以下の式N(P-1)+O又はN(N-(P-1))+(N-1-O)のいずれかに従って、算出される」との記載が、「前記第二のビットパターンは、(省略)少なくとも以下の式N(P-1)+O又はN(N-(P-1))+(N-1-O)のいずれかに従って、算出される」の誤記であることは、当業者にとって明らかである。
したがって、訂正事項5は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものである。
(3)願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
上記「(2)」に示した段落【0093】と同様の記載が願書に最初に添付された明細書に記載されていることから、願書に最初に添付された明細書には、「前記第二のビットパターンは、(省略)少なくとも以下の式N(P-1)+O又はN(N-(P-1))+(N-1-O)のいずれかに従って、算出される」ことが記載されているといえ、訂正事項5は、願書に最初に添付した明細書に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。
(4)特許請求の範囲の拡張又は変更について
上記「(2)」のとおり、訂正事項5は、訂正前の請求項5の誤記を訂正するものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。
(5)独立特許要件について
訂正事項5に係る訂正により、何ら特許請求の範囲の内容が変更されるものではないことから、訂正後の特許請求の範囲の請求項5に記載されている事項により特定される発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。
したがって、訂正事項5は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
6.訂正事項6について
(1)訂正の目的について
訂正事項6は、上記訂正事項4と同様の訂正をするものであるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当する。
(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
訂正事項6は、上記訂正事項4と同様の訂正をするものであり、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法第126条第5項に適合するものである。
(3)特許請求の範囲の拡張又は変更について
訂正事項6は、訂正前の請求項6に係る発明の特許請求の範囲を減縮するものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。
(4)独立特許要件について
訂正事項6は、訂正前の請求項3に係る発明の特許請求の範囲を減縮するものであるから、訂正後の特許請求の範囲の請求項6に記載されている事項により特定される発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。
したがって、訂正事項6は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
7.訂正事項7について
(1)訂正の目的について
訂正事項7は、特許請求の範囲の請求項5に対応する明細書の段落【0005】の記載について、前記訂正事項5と同様の訂正をするものであるから、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とする訂正に該当する。
(2)願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
訂正事項7は、特許請求の範囲の請求項5に対応する明細書の段落【0005】について、訂正事項5と同様の誤記の訂正をしたものである。
したがって、訂正事項7は、願書に最初に添付した明細書に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3)特許請求の範囲の拡張又は変更について
訂正事項7は、特許請求の範囲の請求項5に対応する明細書の段落【0005】について、訂正事項5と同様の誤記の訂正をしたものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しないから、訂正事項7は特許法第126条第6項に適合するものである。
(4)独立特許要件について
訂正事項7に係る訂正により、何ら特許請求の範囲の内容が変更されるものではないことから、訂正後の特許請求の範囲の請求項5に記載されている事項により特定される発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。
したがって、訂正事項7は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
第4 むすび
以上のとおりであるから、本件審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書き第1号及び第2号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
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