特許訂正審判
2025-390131
無線通信システムにおいて信号を送受信する方法及びそのための装置
- 審判番号
- 2025-390131
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2018-568741
- 登録番号
- 7267745
- 請求日
- 2025年09月19日
- 審決日
- 2025年12月15日
- 公報発行日
- 2026年03月27日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
- 【請求人代理人】青木 篤
- 【請求人代理人】三橋 真二
- 【請求人代理人】河合 章
- 【請求人代理人】南山 知広
- 【請求人代理人】竹本 実
- 審判長/審判官
- 審判長 高野 洋
- 審判官 衣鳩 文彦
- 審判官 鈴木 圭一郎
- 分類
- P141 .851-Y (H04L) / P141 .852-Y (H04L) / P141 .853-Y (H04L) / P141 .841-Y (H04L) / P141 .854-Y (H04L) / P141 .856-Y (H04L)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法126条1項2号特許法126条1項3号特許法126条5項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第6項、特許法第126条第5項、特許法第184条の19、特許法第126条第3項、特許法第184条の4第1項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7267745号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第7267745号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~4、7~13〕、〔5~6〕、15、16、17について訂正することを認める。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本件訂正審判に係る特許第7267745号(以下「本件特許」という。)は、2018年(平成30年)4月24日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理2017年4月24日 (US)アメリカ合衆国、2017年6月13日 (US)アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願であって、令和5年4月24日に特許権の設定登録がなされ、令和7年9月19日に本件訂正審判の請求がなされたものである。
第2 請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、「特許第7267745号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり一群の請求項ごとに、訂正後の請求項1~4,7~13,請求項5~6、請求項15,16,17について訂正することを認める、との審決を求める。」というものである。
第3 訂正の内容
本件訂正審判に係る訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、以下のとおりである(なお、下線は訂正箇所を示す。)。
1 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1の「無線通信システムにおいて端末が、一つ以上のCCE(control channel element)を含む物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)を介して下りリンク制御情報(DCI)を受信する方法であって」と記載されているのを、「無線通信システムにおいて端末が、一つ以上のCCE(control channel element)からなる物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)を介して下りリンク制御情報(DCI)を受信する方法であって」に訂正する。
(請求項1の記載を直接的又は間接的に引用する請求項2~4、7~13についても同様に訂正する。
2 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項5の「複数のOFDMシンボルに設定された制御リソースセット(CORESET)において、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)に対してブラインド検索を実行する段階と、
前記ブラインド検索で検出されたPDCCHからDCIを取得する段階とを含み、
前記PDCCHに対する前記ブラインド検索において」及び、
「前記端末は、REGバンドリングの結果として同一のREGバンドルに所属するREGに対して同一のプリコーディングを仮定することにより、前記PDCCHのブラインド検索を実行し、
前記CORESETのCCE(control channel element)のCCE(control channel element)-to-REGマッピングタイプは、局在したマッピングタイプとインターリーブされたマッピングタイプの中の前記インターリーブされたマッピングタイプとして設定され」と記載されているのを、それぞれ、
「複数のOFDMシンボルに設定された制御リソースセット(CORESET)において、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)に対してブラインド検出を実行する段階と、
前記ブラインド検出されたPDCCHからDCIを取得する段階とを含み、
前記PDCCHに対する前記ブラインド検出において」及び、
「前記端末は、REGバンドリングの結果として同一のREGバンドルに所属するREGに対して同一のプリコーディングを仮定することにより、前記PDCCHのブラインド検出を実行し、
前記CORESETのCCE(control channel element)のCCE(control channel element)-to-REGマッピングタイプは、局部マッピングタイプとインターリーブされたマッピングタイプの中の前記インターリーブされたマッピングタイプとして設定され」に訂正する。
(請求項5の記載を直接的に引用する請求項6についても同様に訂正する。)
3 訂正事項3
特許請求の範囲の請求項9の「請求項1に記載される方法を実行するためのプラグラムコードを記録したコンピュータ読み取り可能な媒体」と記載されているのを、「請求項1に記載される方法を実行するためのプログラムコードを記録したコンピュータ読み取り可能な媒体」に訂正する。
4 訂正事項4
特許請求の範囲の請求項15の「前記装置は、3GPPベース無線通信用のASIC(application specific integrated circuit)、ディタル信号処理装置又は端末(UE)である」と記載されているのを、「前記装置は、3GPPベース無線通信用のASIC(application specific integrated circuit)、ディジタル信号処理装置又は端末(UE)である」に訂正する。
5 訂正事項5
特許請求の範囲の請求項16の「無線通信のための基地局(BS)が一つ以上のCCE(control channel element)からなる物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)の送信を実行する方法であって、・・・装置。」と記載されているのを、「無線通信のための基地局(BS)が一つ以上のCCE(control channel element)からなる物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)の送信を実行する方法であって、・・・方法。」に訂正する。
6 訂正事項6
特許請求の範囲の請求項17の「同一のREGバンドルでREGに対して同一のプリコーディングが実行されることにより、制御リソースセット(CORESET)内でPDCCH送信の実行すること」と記載されているのを、「前記上位階層情報に基づいて、同一のREGバンドルでREGに対して同一のプリコーディングが適用されることにより、制御リソースセット(CORESET)内でPDCCH送信を実行すること」に訂正する。
第4 当審の判断
1 一群の請求項について
本件訂正前の請求項2~4及び7~13は、本件訂正前の請求項1を直接的又は間接的に引用するものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものであり、本件訂正前の請求項1を引用する請求項は請求項2~4及び7~13以外に存在しないから、請求項1~4及び7~13は、特許法第126条第3項に規定する一群の請求項である。
また、本件訂正前の請求項6は、本件訂正前の請求項5を直接的に引用するものであって、訂正事項2によって記載が訂正される請求項5に連動して訂正されるものであり、本件訂正前の請求項5を引用する請求項は請求項6以外に存在しないから、請求項5~6は、特許法第126条第3項に規定する一群の請求項である。
そして、本件訂正は特許法第126条第3項の規定に基づき一群の請求項ごとに請求されたものである。
2 訂正事項1について
(1)訂正の目的について
訂正事項1は、「物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)」について、本件訂正前の請求項1において、「一つ以上のCCE(control channel element)を含む」と記載されているのを、「一つ以上のCCE(control channel element)からなる」と訂正するものである。
訂正事項1により、「物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)」について「一つ以上のCCE(control channel element)」以外のものを含み得たものが、「一つ以上のCCE(control channel element)」「からなる」ことが特定されることとなるから、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(2)新規事項の有無について
願書に添付した明細書(以下「本件特許明細書」という。)の【0044】には、「NRシステムにおいて、制御チャネルの伝送単位はREG(resource element group)及び/又はCCE(control channel element)などで定義される。CCEは制御チャネル伝送のための最小単位を意味する。即ち、最小PDCCHのサイズは1CCEに対応する。集合レベルが2以上である場合、ネットワークは多数のCCEを集めて1つのPDCCHを伝送することができる(i.e.,CCE aggregation)。」と記載され、当該記載から「物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)」は「一つ以上のCCE(control channel element)からな」っているといえる。
したがって、訂正事項1に係る訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、合わせて「本件特許明細書等」という。)に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合する。
(3)実質上特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
訂正事項1に係る訂正は、前記(1)のとおり、特許請求の範囲を減縮するためのものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものではない。
したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合する。
3 訂正事項2について
(1)訂正の目的について
ア 訂正事項2は、本件訂正前の請求項5において、「ブラインド検索」と記載されているのを、「ブラインド検出」と訂正すること、及び「ブラインド検索で検出された」と記載されているのを、「ブラインド検出された」と訂正すること、並びに本件訂正前の請求項5において、「局在したマッピングタイプ」と記載されているのを、「局部マッピングタイプ」と訂正することからなる。
イ 「ブラインド検索」と記載されているのを、「ブラインド検出」と訂正すること、及び「ブラインド検索で検出された」と記載されているのを、「ブラインド検出された」と訂正することについて
本件特許明細書の【0008】には、「上記の技術的課題を達成するために、本発明の一態様による無線通信システムにおいて、・・・(中略)・・・下りリンク制御チャネル(PDCCH)に対するブラインド検出を行う段階と、ブラインド検出されたPDCCHから下りリンク制御情報(DCI)を得る段階を含み、PDCCHに対するブラインド検出において、端末は、バンドリング情報が第1の値を指示すると、CORESET内で同一のRB上に位置し、他のOFDMシンボルに該当するREGのみを1つのREGバンドルにバンドリングし、バンドリング情報が第2の値を指示すると、CORESET内で同一のRB上に位置し、他のOFDMシンボルに該当するREGだけではなく他のRB上に位置するREGを共に1つのREGバンドルにバンドリングし、REGバンドリングの結果によって同一のREGバンドルに属するREGに対して同一のプリコーディングを仮定してPDCCHに対するブラインド検出を行う。」と記載され、【0010】には、「上記の技術的課題を達成するために、本発明のさらに他の態様により下りリンク制御情報を受信する端末は、・・・(中略)・・・下りリンク制御チャネル(PDCCH)に対するブラインド検出を行い、ブラインド検出されたPDCCHから下りリンク制御情報(DCI)を得るプロセッサを含み、PDCCHに対するブラインド検出において、プロセッサは、バンドリング情報が第1の値を指示すると、CORESET内で同一のRB上に位置し、他のOFDMシンボルに該当するREGのみを1つのREGバンドルにバンドリングし、バンドリング情報が第2の値を指示すると、CORESET内で同一のRB上に位置し、他のOFDMシンボルに該当するREGだけではなく他のRB上に位置するREGを共に1つのREGバンドルにバンドリングし、REGバンドリングの結果によって同一のREGバンドルに属するREGに対して同一のプリコーディングを仮定してPDCCHに対するブラインド検出を行う。」と記載され、【0019】には、「バンドリング情報は、同一のCCE内に属するREGのバンドリングのためのイントラ(intra)-CCEバンドルのサイズ情報、及び他のCCEに属するREGのバンドリングためのインタ(inter)-CCEバンドルのサイズ情報のうち、いずれか1つを含む。バンドリング情報がインタ-CCEバンドルのサイズ情報を含む場合、端末は同一のインタ-CCEバンドルに属する他のCCEのREGに対して同一のプリコーディングを仮定してPDCCHのブラインド検出を行う。」と記載されている。(なお、下線は強調のため付与したものである。以下同様。)
これらの記載から、PDCCHに対して「ブラインド検出」を行うものであり、PDCCHが「ブラインド検出された」ものであることは、明らかである。また、本件特許明細書には、PDCCHに対して「ブラインド検索」を行うこと、PDCCHが「ブラインド検索された」ものであることは、記載されていない。
以上を踏まえると、本件訂正前の請求項5における「ブラインド検索」及び「ブラインド検索で検出された」との記載は、「ブラインド検出」及び「ブラインド検出された」であるべき記載の誤記であると認められる。
よって、「ブラインド検索」と記載されているのを、「ブラインド検出」と訂正すること、及び「ブラインド検索で検出された」と記載されているのを、「ブラインド検出された」と訂正することは、誤記の訂正を目的とするものである。
ウ 「局在したマッピングタイプ」と記載されているのを、「局部マッピングタイプ」と訂正することについて
本件特許明細書の【0016】には、「CORESETのCCE-to-REGマッピングタイプは、局部(localized)マッピングタイプとインターリービング(interleaved)マッピングタイプのうち、インターリービングマッピングタイプに設定される。」と記載され、【0069】には、「なお、局部(localized)マッピングの場合、大きいバンドルのサイズ(e.g.,最大REGバンドルのサイズ)を支援することが好ましい。局部マッピングのバンドルのサイズは分散マッピングのバンドルのサイズより大きく設定される。」と記載され、【0070】には、「局部マッピングを使用することは、ネットワークと端末の間のチャネル情報などが比較的に正確であり、ネットワークが端末に適したプリコーディングを適用することを意味する。この場合、ネットワークはCCEを構成する全てのREGを周波数ドメインにおいて隣接して配置し、REGに同一のプリコーディングを適用することができる。一例として、Non-Interleaved (i.e.localized)CCE-to-REGマッピングの場合、1CCEがREGバンドルに該当する。即ち、局部マッピングの時、REGバンドルのサイズが1CCE(i.e.,6REGs)に固定されることができる。」と記載され、【0071】には、「本発明の一実施例によれば、周波数ドメインのバンドリングに対して、ネットワークがリソースマッピングタイプ(i.e.,REG-to-CCEマッピングタイプ)によって互いに異なるバンドルのサイズをシグナリングすることが提案される。支援されるバンドルのサイズはREG-to-CCEマッピングタイプによって決定される。一例として、局部マッピングではREGバンドルのサイズが6-REGに固定され、分散マッピング(e.g.,インターリービング)ではネットワークが上位階層シグナリング(e.g.,CORESET Configuration)を通じてREGバンドルのサイズを端末に設定することができる。」と記載され、【0072】には、「ネットワークがリソースマッピングタイプによって互いに異なるバンドルのサイズをシグナリングすることは、各々のリソースマッピングタイプ(e.g.,局部/分散マッピング)ごとにバンドルのサイズの最大値を異なるように設定することを意味する。一例として、バンドルのサイズをシグナリングするビットの数が局部/分散マッピングの全てに対して同一である場合(e.g.,可能なバンドルのサイズの数がリソースマッピングタイプに関係なく一定である場合)、リソースマッピング方式によって該当ビット値が意味するバンドルのサイズが異なるように定義される。例えば、1ビットのバンドルサイズが指示されたと仮定した時、分散マッピングでは1ビット=0/1がバンドルのサイズ=2/3REGsを示し、局部マッピングでは1ビット=0/1がバンドルのサイズ=3/6REGsを示す。」と記載されている。
これらの記載から、「局在したマッピングタイプ」は、「局部マッピングタイプ」であることは、明らかである。また、本件特許明細書には、「局在したマッピングタイプ」は、記載されていない。
以上を踏まえると、訂正前の請求項5における、「局在したマッピングタイプ」との記載は、「局部マッピングタイプ」であるべき記載の誤記であると認められる。
よって、「局在したマッピングタイプ」と記載されているのを、「局部マッピングタイプ」と訂正することは、誤記の訂正を目的とするものである。
エ したがって、訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである
(2)新規事項の有無について
前記第1のとおり、本件特許に係る出願は、外国語特許出願(特許法第184条の4第1項に規定する外国語でされた国際特許出願)であるから、誤記の訂正を目的とする訂正事項2に係る訂正は、特許法第184条の19の規定により読み替えて適用する同法第126条第5項の規定により、国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面(以下「国際出願時明細書等」という。)に記載した事項の範囲内においてしたものでなければならない。
訂正事項2のうち、「ブラインド検出」及び「ブラインド検出された」は、本件特許の国際出願時明細書等の[8]、[10]、[19]に、前記(1)イで摘記する【0008】、【0010】、【0019】と同様の記載があるから、国際出願時明細書等に記載される事項である。
また、訂正事項2のうち、「局部マッピングタイプ」は、本件特許の国際出願時明細書等の[16]、[84]~[87]に、前記(1)ウで摘記する【0016】、【0069】~【0072】と同様の記載があるから、国際出願時明細書等に記載される事項である。
したがって、訂正事項2に係る訂正は、本件特許の国際出願時明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第184条の19の規定により読み替えて適用する同法第126条第5項に適合する。
(3)実質上特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
訂正事項2に係る訂正は、前記(1)のとおり、誤記の訂正を目的とするものであり、本件訂正により何ら特許請求の範囲の内容が変更されるものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものではない。
したがって、訂正事項2に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合する。
4 訂正事項3について
(1)訂正の目的について
訂正事項3は、本件訂正前の請求項9において、「プラグラムコード」と記載されているのを、「プログラムコード」と訂正するものである。
そして、「プラグラムコード」は、本件特許明細書等に記載されるものではなく、一般的な用語でもないから、「プラグラムコード」に誤記が存在し、それが「プログラムコード」の誤記であることは、明らかである。
したがって、訂正事項3は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである。
(2)新規事項の有無について
本件特許の国際出願時明細書等の[229]には、本件特許明細書の【0214】における「端末110及び基地局105のそれぞれのプロセッサ155、180はそれぞれ端末110及び基地局105での動作を指示(例えば、制御、調整、管理など)する。それぞれのプロセッサ155、180はプログラムコード及びデータを保存するメモリユニット160、185と連結されることができる。メモリ160、185はプロセッサ180に連結され、オペレーティングシステム、アプリケーション、及び一般ファイル(general files)を保存する。」との記載と同様の記載があるから、訂正事項3は、国際出願時明細書等に記載される事項である。
したがって、訂正事項3に係る訂正は、本件特許の国際出願時明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第184条の19の規定により読み替えて適用する同法第126条第5項に適合する。
(3)実質上特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
訂正事項3に係る訂正は、前記(1)のとおり、誤記の訂正を目的とするものであり、本件訂正により何ら特許請求の範囲の内容が変更されるものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものではない。
したがって、訂正事項3に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合する。
5 訂正事項4について
(1)訂正の目的について
訂正事項4は、本件訂正前の請求項15において、「ディタル信号処理装置」と記載されているのを、「ディジタル信号処理装置」と訂正するものである。
そして、「ディタル信号処理装置」は、本件特許明細書等に記載されるものではなく、一般的な用語でもないから、「ディタル信号処理装置」に誤記が存在し、それが「ディジタル信号処理装置」の誤記であることは、明らかである。
したがって、訂正事項4は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである。
(2)新規事項の有無について
本件特許の国際出願時明細書等の[230]には、本件特許明細書の【0215】における「プロセッサ155、180はコントローラー(controller)、マイクロコントローラー(microcontroller)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、マイクロコンピューター(microcomputer)などとも言える。一方、プロセッサ155、180はハードウェア(hardware)又はファームウエア(firmware)、ソフトウェア、又はこれらの組合せによって実現されることができる。ハードウェアを用いて本発明の実施例を実現する場合には、本発明を実行するように構成されたASICs(application specific integrated circuits)又はDSPs(digital signal processors)、DSPDs(digital signal processing devices)、PLDs(programmable logic devices)、FPGAs(field programmable gate arrays)などがプロセッサ155、180に備えられることができる。」との記載と同様の記載がある。
そして、「DSPDs(digital signal processing devices)」は、「ディジタル信号処理装置」と表現されることは、技術常識であるから、訂正事項4は、国際出願時明細書等に記載される事項である。
したがって、訂正事項4に係る訂正は、本件特許の国際出願時明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第184条の19の規定により読み替えて適用する同法第126条第5項に適合する。
(3)実質上特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
訂正事項4に係る訂正は、前記(1)のとおり、誤記の訂正を目的とするものであり、本件訂正により何ら特許請求の範囲の内容が変更されるものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものではない。
したがって、訂正事項4に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合する。
6 訂正事項5について
(1)訂正の目的について
訂正事項5は、本件訂正前の請求項16の末尾に「装置。」と記載されているのを、「方法。」と訂正するものである。
本件訂正前の請求項16は、「無線通信のための基地局(BS)が一つ以上のCCE(control channel element)からなる物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)の送信を実行する方法であって、・・・(中略)・・・段階と、・・・(中略)・・・段階とを含み、・・・装置。」と記載されるものであるから、「方法であって」、「装置。」という整合しない記載であり、複数の「段階」を含む「方法」に関する発明であると当然に認識するものである。
そうすると、訂正事項5は、整合しない記載を訂正し、その本来の意を明らかにするものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものと認められる。
(2)新規事項の有無について
本件訂正前の請求項16には、「無線通信のための基地局(BS)が一つ以上のCCE(control channel element)からなる物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)の送信を実行する方法であって、」と記載されている。
したがって、訂正事項5に係る訂正は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合する。
(3)実質上特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
訂正事項5に係る訂正は、前記(1)のとおり、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものではない。
したがって、訂正事項5に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合する。
7 訂正事項6について
(1)訂正の目的について
ア 訂正事項6は、本件訂正前の請求項17において、「同一のREGバンドルでREGに対して同一のプリコーディングが実行されることにより、制御リソースセット(CORESET)内でPDCCH送信の実行すること」と記載されているのを、「前記上位階層情報に基づいて、同一のREGバンドルでREGに対して同一のプリコーディングが適用されることにより、制御リソースセット(CORESET)内でPDCCH送信を実行すること」に訂正するものであるから、訂正事項6は、「前記上位階層情報に基づいて、」を加入する訂正(以下「訂正事項6-1」という。)を行うと共に、「同一のプリコーディングが実行される」と記載されているのを、「同一のプリコーディングが適用される」と訂正すること(以下「訂正事項6-2」という。)、並びに「PDCCH送信の実行する」と記載されているのを、「PDCCH送信を実行する」と訂正すること(以下「訂正事項6-3」という。)からなる。
イ 訂正事項6-1及び6-2について
まず、訂正事項6-2に関して、本件特許明細書の【0009】には、「上記の技術的課題を達成するために、本発明の他の態様による無線通信システムにおいて、基地局が下りリンク制御情報を送信する方法は、・・・(中略)・・・REGバンドリングの結果によって同一のREGバンドルに属するREGに対して同一のプリコーディングを適用してDCIを送信する。」と記載され、【0011】には、「上記の技術的課題を達成するために、本発明のさらに他の態様により下りリンク制御情報を送信する基地局は、・・・(中略)・・・REGバンドリングの結果によって同一のREGバンドルに属するREGに対して同一のプリコーディングを適用してDCIを送信する。」と記載され、【0194】には、「バンドリング情報が第1の値を指示すると、基地局はCORESET内で同一のRB上に位置し、他のOFDMシンボルに該当するREGのみを1つのREGバンドルにバンドリングできる。バンドリング情報が第2の値を指示すると、基地局はCORESET内で同一のRB上に位置し、他のOFDMシンボルに該当するREGだけではなく、他のRB上に位置するREGを共に1つのREGバンドルにバンドリングすることができる。基地局はREGバンドリングの結果により同一のREGバンドルに属するREGに対して同一のプリコーディングを適用してDCIを送信することができる。」と記載されている。
これらの記載から、「同一のREGバンドルに属するREGに対して」、「同一のプリコーディングを適用する」ものであり、「同一のプリコーディング」が「適用される」ものであることは、明らかである。また、本件特許明細書には、「同一のプリコーディングを実行する」ことは、記載されていない。
以上を踏まえると、本件訂正前の請求項17における「同一のプリコーディングが実行される」との記載は、「同一のプリコーディングが適用される」であるべき記載の誤記であると認められる。
また、訂正事項6-1に関しては、本件訂正前の請求項17においては、「同一のREGバンドルでREGに対して同一のプリコーディング」の「適用」が、何に基づいているか特定されていなかったものを、「前記上位階層情報に基づいて、」いることを特定することにより特許請求の範囲を減縮するものである。
よって、訂正事項6-1は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、訂正事項6-2は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである。
ウ 訂正事項6-3について
訂正事項6-3は、本件訂正前の「PDCCH送信の実行する」との記載が、日本語として意味をなしていなかったものを、「PDCCH送信を実行する」と訂正することで、日本語として明瞭な記載に訂正するものである。
よって、訂正事項6-3は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
エ したがって、訂正事項6-1~6-3からなる訂正事項6は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮、同条同項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正、及び同条同項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(2)新規事項の有無について
訂正事項6のうち、誤記の訂正を目的とする訂正である訂正事項6-2について、本件特許の国際出願時明細書等の[9]、[11]、[209]に、前記(1)イで摘記する【0009】、【0011】、【0194】と同様の記載があるから、国際出願時明細書等に記載される事項である。
また、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である訂正事項6-1について、本件特許明細書の【0189】には、「図12を参照すると、基地局はREGに対するバンドリング情報を上位階層シグナリングを通じて送信できる(1205)。各々のREGは1RB及び1OFDMシンボルに該当できる。基地局はCORESET Configurationの上位階層シグナリングを通じてバンドリング情報を送信できる。」と記載されている。
さらに、明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正事項6-3について、本件訂正前の請求項17においても「物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)を送信するための動作を実行するように構成されたプロセッサとを備え、」と記載されている。
したがって、訂正事項6のうち、訂正事項6-2は、本件特許の国際出願時明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項、又は同法第184条の19の規定により読み替えて適用する同法第126条第5項に適合する。また、訂正事項6のうち、訂正事項6-1及び6-3に係る訂正は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合する。
よって、訂正事項6は、特許法第126条第5項に適合する。
(3)実質上特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
訂正事項6のうち、訂正事項6-2に係る訂正は、前記(1)イのとおり、誤記の訂正を目的とするものであり、本件訂正により何ら特許請求の範囲の内容が変更されるものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものではない。
また、訂正事項6のうち、訂正事項6-1及び6-3に係る訂正は、前記(1)イ及びウのとおり、特許請求の範囲を減縮、または明瞭でない記載を釈明するためのものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものではない。
したがって、訂正事項6に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合する。
8 独立特許要件について
本件訂正後の特許請求の範囲の請求項〔1~4、7~13〕、〔5~6〕、15、17に記載されている事項により特定される発明について、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由は見いだせない。
よって、特許請求の範囲の減縮、又は誤記の訂正を目的とする訂正事項1~4、及び6は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
第5 むすび
以上のとおり、本件訂正審判の請求により請求人が求めている訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号、第2号及び第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項~第7項の規定に適合するので、この訂正を認める。
よって、結論のとおり審決する。
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2025-390131