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特許訂正審判

2023-390053

無線アクセスシステムにおけるアイドルモード移動局加入者の利用可能性検証

審判番号
2023-390053
法域
特許
審判種別
訂正審判(訂正の審決)
出願番号
特願2007-517968
登録番号
4654241
請求日
2023年05月02日
審決日
2023年07月19日
公報発行日
2023年10月27日
結論
訂正認容
当事者
  • 【請求人】パンテック コーポレーション
  • 【請求人代理人】岩瀬 吉和
  • 【請求人代理人】後藤 未来
  • 【請求人代理人】市川 祐輔
  • 【請求人代理人】綾 聡平
  • 【請求人代理人】伊藤 雄太
審判長/審判官
  • 審判長 廣川 浩
  • 審判官 圓道 浩史
  • 審判官 本郷 彰
分類
P141 .851-Y (H04W) / P141 .852-Y (H04W) / P141 .853-Y (H04W) / P141 .857-Y (H04W)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法126条1項特許法126条3項特許法126条5項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第126条第1項、特許法第126条第7項、特許法第126条第3項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第4654241号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 特許第4654241号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔10、11〕について訂正することを認める。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本件訂正審判の請求に係る特許第4654241号(以下「本件特許」という。)は、2005年(平成17年)6月25日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理 2004年6月25日 大韓民国(KR)、2004年7月10日 大韓民国(KR)、2004年9月25日 大韓民国(KR)、2005年3月8日 大韓民国(KR))を国際出願日とする出願であって、平成22年12月24日に特許権の設定登録がなされたものであり、その後の手続の概要は、以下のとおりである。 令和5年1月12日 訂正2023-390004の請求 令和5年2月16日 上申書の提出 令和5年3月22日付け 訂正拒絶理由通知書(発送日:令和5年3月 27日) 令和5年4月19日 面接記録の作成 令和5年5月 2日 請求取下書の提出 本件訂正審判の請求 令和5年5月 9日 訂正2023-390004に係る応対記録の 作成 令和5年5月29日 本件訂正審判に係る上申書の提出 第2 請求の趣旨 本件訂正審判の請求の趣旨は、「特許第4654241号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項10及び11について訂正することを認める、との審決を求める。」というものであり、その訂正の内容は、次の訂正事項1及び2のとおりである。 第3 訂正事項 [訂正事項1] 請求項10において、 「前記ページングリトライカウントが所定のしきい値に到達するとき、前記MSSは前記基地局により維持されたアイドルモードリストから除去されることを特徴とする、請求項9に記載の方法。」 と記載されているのを、次のとおり訂正する。(下線は請求人が付したものであり、訂正箇所を示す。) 「 アイドルモードにいるMSSの利用可能性を検証する方法であって、 前記MSSからアイドルモードに進入するための要請を受信する段階として、基地局が複数の基地局と動作可能に連結したページンググループに係る段階と、 ページング識別子、ページングサイクル及びページングサイクルオフセットの少なくとも一つを含むアイドルモード応答コマンドを前記MSSに伝送して、アイドルモードに進入するための要請に応答してアイドルモードに進入する段階と、 前記基地局に対する前記MSSの利用可能性を検証するために、前記MSSがアイドルモードにいる間、レンジング遂行に係るアクションコードを含むページングコマンドを前記MSSに伝送する段階とを含み、 所定周期の間、基地局に対してレンジングが成功的に遂行されないと、前記基地局はページングリトライカウントが所定のしきい値に到達するまで前記ページングコマンドを継続的に伝送することを特徴とする、方法であって、 前記ページングリトライカウントが所定のしきい値に到達するとき、前記MSSは前記基地局により維持されたアイドルモードリストから除去されることを特徴とし、 前記ページンググループ内の前記複数の基地局においてアイドルモードリストがそれぞれ維持され、 前記複数の基地局の前記アイドルモードリストの前記MSSの除去は、前記MSSが利用可能でないことに関連付けられる前記基地局からのバックボーンメッセージに応答して、前記ページンググループ内の前記複数の基地局の各々で遂行されることを特徴とする、方法。」 [訂正事項2] 請求項11において、 「前記アイドルモードリストの前記MSSの除去は、前記ページンググループ内の複数の基地局の各々で遂行されることを特徴とする、請求項10に記載の方法。」と記載されているのを、次のとおり訂正する。 「 アイドルモードにいるMSSの利用可能性を検証する方法であって、 前記MSSからアイドルモードに進入するための要請を受信する段階として、基地局が複数の基地局と動作可能に連結したページンググループに係る段階と、 ページング識別子、ページングサイクル及びページングサイクルオフセットの少なくとも一つを含むアイドルモード応答コマンドを前記MSSに伝送して、アイドルモードに進入するための要請に応答してアイドルモードに進入する段階と、 前記基地局に対する前記MSSの利用可能性を検証するために、前記MSSがアイドルモードにいる間、レンジング遂行に係るアクションコードを含むページングコマンドを前記MSSに伝送する段階とを含み、 所定周期の間、基地局に対してレンジングが成功的に遂行されないと、前記基地局はページングリトライカウントが所定のしきい値に到達するまで前記ページングコマンドを継続的に伝送することを特徴とする、方法であって、 前記ページングリトライカウントが所定のしきい値に到達するとき、前記MSSは前記基地局により維持されたアイドルモードリストから除去されることを特徴とし、 前記MSSに係る利用可能性の更新情報を伝達するバックボーンメッセージを用いて前記ページンググループに属する複数の基地局に、前記複数の基地局のそれぞれのアイドルモードリストから前記MSSを除去することが前記基地局から通知され、 前記複数の基地局の前記アイドルモードリストの前記MSSの除去は、前記ページンググループ内の複数の基地局の各々で遂行されることを特徴とする、方法。」 第4 当審の判断 1 一群の請求項について 本件訂正前の請求項10及び11において、請求項11は、請求項10を引用するものであって訂正事項1により記載が訂正される請求項10に連動して訂正されるものであり、また、本件訂正前の請求項10を引用する請求項は請求項11以外に存在せず、さらに、本件訂正前の請求項11を引用する請求項は存在しない。 そうすると、本件訂正前の請求項10及び11に対応する本件訂正後の請求項10及び11は、特許法第126条第3項に規定する一群の請求項である。 したがって、本件訂正審判の請求は、二以上の請求項に係る願書に添付した特許請求の範囲の訂正をする場合において、当該請求項の中に一群の請求項があるときに、当該一群の請求項ごとに当該請求をするものであるから、特許法第126条第3項の規定に適合する。 2 訂正事項1について (1) 訂正事項1は、本件訂正前の請求項10が本件訂正前の請求項9を引用する記載であったものを、請求項間の引用関係を解消し、請求項9を引用しない記載とすること(以下、「訂正事項1-1」という。)、本件訂正前の請求項10の「前記ページングリトライカウントが所定のしきい値に到達するとき、前記MSSは前記基地局により維持されたアイドルモードリストから除去されることを特徴と」するという発明特定事項に続けて、「前記ページンググループ内の前記複数の基地局においてアイドルモードリストがそれぞれ維持され、」という発明特定事項を付加すること(以下、「訂正事項1-2」という。)、当該訂正事項1-2に続けて、「前記複数の基地局の前記アイドルモードリストの前記MSSの除去は、前記MSSが利用可能でないことに関連付けられる前記基地局からのバックボーンメッセージに応答して、前記ページンググループ内の前記複数の基地局の各々で遂行されることを特徴とする、」という発明特定事項を付加すること(以下、「訂正事項1-3」という。)、及び、本件訂正前の請求項9に記載され本件訂正前の請求項10が引用していた「アイドルモードにいるMSSの利用可能性を検証する方法であって、(改行) 前記MSSからアイドルモードに進入するための要請を受信する段階として、前記基地局が複数の基地局と動作可能に連結したページンググループに係る段階」という発明特定事項を、「アイドルモードにいるMSSの利用可能性を検証する方法であって、(改行) 前記MSSからアイドルモードに進入するための要請を受信する段階として、基地局が複数の基地局と動作可能に連結したページンググループに係る段階」(下線は当審で付したものであり、訂正箇所を示す。以下、特段の注釈がない場合、下線は、同様に、当審で付したものである。)という発明特定事項に訂正すること(以下、「訂正事項1-4」という。)を含むものである。 (2) 訂正の目的について 訂正事項1-1は、特許法第126条第1項ただし書第4号に掲げる、「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものである。 また、訂正事項1-2及び1-3は、いずれも、本件訂正前の請求項10の発明特定事項に、発明特定事項を直列的に付加するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる、「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 さらに、訂正事項1-4について検討すると、本件訂正前の請求項10が引用する請求項9の冒頭の「アイドルモードにいるMSSの利用可能性を検証する方法であって、(改行) 前記MSSからアイドルモードに進入するための要請を受信する段階として、前記基地局が複数の基地局と動作可能に連結したページンググループに係る段階」という発明特定事項において、「前記基地局」との記載以前に「基地局」は記載されていないから、「前記」という記載が誤記であり不要であることは明らかである。そうすると、訂正事項1-4は、誤記を訂正するものといえるから、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる、「誤記又は誤訳の訂正」を目的とするものである。 したがって、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第1号、第2号及び第4号に掲げる事項を目的とするものである。 (3) 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて ア 訂正事項1-1は、本件訂正前の請求項10が本件訂正前の請求項9を引用する記載であったものを、請求項間の引用関係を解消し、請求項9を引用しない記載とするものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。 イ 訂正事項1-2について検討する。 設定登録時の特許請求の範囲、及び明細書には、以下の記載がある。 (ア) 「【請求項9】 アイドルモードにいるMSSの利用可能性を検証する方法であって、 前記MSSからアイドルモードに進入するための要請を受信する段階として、前記基地局が複数の基地局と動作可能に連結したページンググループに係る段階と、 ページング識別子、ページングサイクル及びページングサイクルオフセットの少なくとも一つを含むアイドルモード応答コマンドを前記MSSに伝送して、アイドルモードに進入するための要請に応答してアイドルモードに進入する段階と、 前記基地局に対する前記MSSの利用可能性を検証するために、前記MSSがアイドルモードにいる間、レンジング遂行に係るアクションコードを含むページングコマンドを前記MSSに伝送する段階とを含み、 所定周期の間、基地局に対してレンジングが成功的に遂行されないと、前記基地局はページングリトライカウントが所定のしきい値に到達するまで前記ページングコマンドを継続的に伝送することを特徴とする、方法。 【請求項10】 前記ページングリトライカウントが所定のしきい値に到達するとき、前記MSSは前記基地局により維持されたアイドルモードリストから除去されることを特徴とする、請求項9に記載の方法。 【請求項11】 前記アイドルモードリストの前記MSSの除去は、前記ページンググループ内の複数の基地局の各々で遂行されることを特徴とする、請求項10に記載の方法。」 (イ) 「【0009】 図1は、基地局(BS)からアイドルモードMSSにより受信されたページングメッセージのフォーマットを示す図である。」 (ウ) 「【0017】 前記目的及び利点を達成するために、本発明の一実施形態において、アイドルモードであるMSSの利用可能性を検証する方法は、アイドルモードに進入するためにMSSによる基地局に要請する段階として、基地局が複数の基地局を含むページンググループに係る段階と、アイドルモードに進入するために基地局からアイドルモード応答コマンドを受信する段階とを含み、アイドルモード応答コマンドは、ページング識別子、ページングサイクル及びページングサイクルオフセットの少なくとも一つを含む。また、この方法は、基地局に対するMSSの利用可能性を検証するために、MSSがアイドルモードにいる間、レンジング遂行に係るアクションコードを含むページングコマンドを基地局から受信する段階をさらに含み、所定周期の間、基地局に対してレンジングが成功的に遂行されないと、基地局はページングリトライカウントが所定のしきい値に到達するまでページングコマンドを継続的に伝送する。 【0018】 ページングコマンドは、ダウンリンクデータがない時に受信されるのが好ましい。ページングリトライカウントが所定のしきい値に到達するとき、MSSは基地局により維持されるアイドルモードから除去される。アイドルモードリストのMSSの除去は、ページンググループから複数の基地局の各々で遂行される。」 (エ) 「【0034】 図2によれば、MSS(210)は、登録配布要請(DREG-REQ)メッセージをサービングBS(220)に伝達することによりアイドルモードに進入する。サービングBS(220)は、ページンググループID(PG-ID)、ページングサイクル(PG-CYT)及びページングオフセット(PG-OFFSET)を伝達することによりDREG-REQメッセージに応答する。サービングBS(220)は、MSS(210)に連結情報を配布し、MSS(210)に割り当てられた無線リソースを配布する。」 (オ) 「【0040】 一方、サービングBS(220)がページングサイクル及びページングリトライの設定を介して所定時間内でMSS(210)からレンジング要請を受信しないと、サービングBSは、利用可能なアイドルモードMSSリストからMSS(210)を除去し、MSS(210)に係る情報及び管理リソースを配布する。また、サービングBS(220)は、バックボーンメッセージを用いて同じページンググループに属するBSに、これらのアイドルモードMSSリストからMSS(210)を除去することを通知する。」 (カ) 「【0058】 サービングBSは、MSSに係る利用可能性の更新情報をバックボーンメッセージを介して同じページンググループに属する他のBSに伝達することで、同じページンググループに属するBSがページングメッセージを利用可能でないMSSに伝達することを防止する。」 上記「(イ)」には、「基地局(BS)」という記載があり、また、上記「(オ)」には、「同じページンググループに属するBSに、これらのアイドルモードMSSリスト」という記載がある。 ここで、「これら」は、直前の「同じページンググループに属するBS」であって複数のBS、すなわち基地局、に対応するから、上記「(オ)」の「これらのアイドルモードMSSリスト」は、同じページンググループに属する複数の基地局のアイドルモードMSSリストを意味するといえる。 また、上記「(ウ)」の段落0018には、「MSSは基地局により維持されるアイドルモードから除去される。アイドルモードリストのMSSの除去は、ページンググループから複数の基地局の各々で遂行される。」という記載がある。 ここで、「アイドルモード」は「アイドルモードリスト」を意味することが明らかであるから、「アイドルモードリスト」は「基地局」により維持されるといえる。 さらに、前記記載における「ページンググループから複数の基地局の各々で遂行される。」という記載における「から」の意味は明確でないが、上述のとおり「ページンググループ」が「複数の基地局」で構成されていることを考慮すると、「アイドルモードリスト」は、ページンググループ内の複数の基地局の各々によっても維持されていることは明らかである。 したがって、「前記ページンググループ内の前記複数の基地局においてアイドルモードリストがそれぞれ維持され、」という発明特定事項を付加する訂正事項1-2は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。 ウ 訂正事項1-3は、「前記複数の基地局の前記アイドルモードリストの前記MSSの除去は、前記MSSが利用可能でないことに関連付けられる前記基地局からのバックボーンメッセージに応答して、前記ページンググループ内の前記複数の基地局の各々で遂行されることを特徴とする、」という発明特定事項を付加するものであり、ここで「前記基地局」は、本件訂正後の請求項10の段落2における「前記MSSからアイドルモードに進入するための要請を受信する段階として、基地局が複数の基地局と動作可能に連結したページンググループに係る段階」という発明特定事項における「基地局」を意味することが明らかである。 一方、上記「イ」で検討したとおり、「前記ページンググループ内の前記複数の基地局においてアイドルモードリストがそれぞれ維持され」ることは、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものである。 また、上記「イ」で説示したとおり、上記「イ」の「(ウ)」の段落0018の「アイドルモードリストのMSSの除去は、ページンググループから複数の基地局の各々で遂行される。」という記載は、アイドルモードリストのMSSの除去は、ページンググループ内の複数の基地局の各々で遂行されることを意味すると解される。 そうすると、ページンググループ内の複数の基地局において維持されるアイドルモードリストのMSSの除去は、ページンググループ内の複数の基地局の各々で遂行される、といえる。 さらに、上記「イ」の「(イ)」には、「基地局(BS)」という記載があり、加えて、上記「イ」の「(オ)」には、「サービングBS・・・は、バックボーンメッセージを用いて同じページンググループに属するBSに、これらのアイドルモードMSSリストからMSS・・・を除去することを通知する。」と記載されており、加えて、上記「イ」の「(カ)」には、「サービングBSは、MSSに係る利用可能性の更新情報をバックボーンメッセージを介して同じページンググループに属する他のBSに伝達することで、同じページンググループに属するBSがページングメッセージを利用可能でないMSSに伝達することを防止する。」と記載されているから、ページンググループに属する基地局は、サービング基地局から、ページングメッセージを利用可能でないMSSに関するバックボーンメッセージを受信したことに応じて、アイドルモードリストのMSSを除去するといえる。 以上をまとめると、ページンググループ内の複数の基地局において維持されるアイドルモードリストのMSSの除去は、ページングメッセージを利用可能でないMSSに関するバックボーンメッセージをサービング基地局から受信したことに応じて、ページンググループ内の複数の基地局の各々で遂行される、といえる。 次に、サービング基地局(BS)について検討すると、上記「イ」の「(エ)」には、「MSS・・・は、登録配布要請・・・メッセージをサービングBS・・・に伝達することによりアイドルモードに進入する。」と記載されているから、サービング基地局は、MSSからアイドルモードに進入するための要請を受信するといえる。 また、上記「イ」の「(カ)」には、「サービングBSは、MSSに係る利用可能性の更新情報をバックボーンメッセージを介して同じページンググループに属する他のBSに伝達することで、同じページンググループに属するBSがページングメッセージを利用可能でないMSSに伝達することを防止する。」と記載されているから、サービング基地局は、ページンググループに属することが明らかである。 さらに、ページンググループは、サービング基地局から、MSSに係る利用可能性の更新情報を伝達することで、同じページンググループに属する他の基地局がページングメッセージを利用可能でないMSSに伝達することを防止するものであるから、サービング基地局が複数の基地局と動作可能に連結したものといえる。 よって、サービング基地局は、MSSからアイドルモードに進入するための要請を受信し、かつ、複数の基地局と動作可能に連結したページンググループに属するといえる。 以上のとおりであるから、願書に添付した明細書、及び特許請求の範囲に記載した事項によれば、ページンググループ内の複数の基地局において維持されるアイドルモードリストのMSSの除去は、ページングメッセージを利用可能でないMSSに関するバックボーンメッセージをサービング基地局から受信したことに応じて、ページンググループ内の複数の基地局の各々で遂行され、ここで、サービング基地局は、MSSからアイドルモードに進入するための要請を受信し、かつ、複数の基地局と動作可能に連結したページンググループに属するものであるから、サービング基地局は、本件訂正後の請求項10の段落2における「前記MSSからアイドルモードに進入するための要請を受信する段階として、基地局が複数の基地局と動作可能に連結したページンググループに係る段階」という発明特定事項における「基地局」に対応するといえる。 したがって、「前記複数の基地局の前記アイドルモードリストの前記MSSの除去は、前記MSSが利用可能でないことに関連付けられる前記基地局からのバックボーンメッセージに応答して、前記ページンググループ内の前記複数の基地局の各々で遂行されることを特徴とする、」という発明特定事項を付加する訂正事項1-3は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。 エ 訂正事項1-4について検討する。 訂正事項1-4は、上記「(2)」で説示したとおり、不要な「前記」を単に削除するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。 オ まとめ 上記「ア」ないし「エ」で説示したとおり、訂正事項1-1ないし1-4は、いずれも、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。 (4) 実質上特許請求の範囲を拡張し、また変更する訂正ではないことについて 訂正事項1-1は、本件訂正前の請求項10が本件訂正前の請求項9を引用する記載であったものを、請求項間の引用関係を解消し、請求項9を引用しない記載とするものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、また変更する訂正ではない。 また、訂正事項1-2及び1-3は、いずれも、本件訂正前の請求項10の発明特定事項に、発明特定事項を直列的に付加するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、また変更する訂正ではない。 さらに、訂正事項1-4は、「前記基地局」という誤記を「基地局」へ訂正するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、また変更する訂正ではない。 したがって、訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張し、また変更する訂正ではないから、特許法第126条第6項の規定に適合する。 (5) 独立特許要件について 上記「(2)」で検討したとおり、訂正事項1は、「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正事項1-2及び1-3を含み、また、「誤記又は誤訳の訂正」を目的とする訂正事項1-4を含むから、本件訂正後の請求項10に係る発明は、特許法第126条第7項に規定されるとおり、特許出願の際独立して特許を受けることができるものでなければならない。 そして、後記「4」で説示するように、本件訂正後の請求項10に係る発明について、別件訴訟で提示された証拠を考慮しても、また、訂正事項1に係る記載を検討しても、特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるとする理由は、見当たらない。 したがって、訂正事項1は、特許法第126条第7項の規定に適合する。 (6) 訂正事項1についてのまとめ 以上をまとめると、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第1号、第2号及び第4号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合するものである。 3 訂正事項2について (1) 訂正事項2は、本件訂正前の請求項11が本件訂正前の請求項10を引用し、その請求項10が請求項9を引用する記載であったものを、請求項間の引用関係を解消し、請求項9及び10を引用しない記載とすること(以下、「訂正事項2-1」という。)、本件訂正前の請求項11に記載された「前記アイドルモードリストの前記MSSの除去は、前記ページンググループ内の複数の基地局の各々で遂行される」という発明特定事項の前に、「前記MSSに係る利用可能性の更新情報を伝達するバックボーンメッセージを用いて前記ページンググループに属する複数の基地局に、前記複数の基地局のそれぞれのアイドルモードリストから前記MSSを除去することが前記基地局から通知され」るという発明特定事項を付加すること(以下、「訂正事項2-2」という。)、本件訂正前の請求項11の「前記アイドルモードリストの前記MSSの除去は、前記ページンググループ内の複数の基地局の各々で遂行されること」という発明特定事項を、「前記複数の基地局の前記アイドルモードリスト前記アイドルモードリストの前記MSSの除去は、前記ページンググループ内の複数の基地局の各々で遂行されること」(下線は訂正箇所を示す。以下同様。)という発明特定事項に訂正すること(以下、「訂正事項2-3」という。)、及び、本件訂正前の請求項9に記載され本件訂正前の請求項11が引用していた「アイドルモードにいるMSSの利用可能性を検証する方法であって、(改行) 前記MSSからアイドルモードに進入するための要請を受信する段階として、前記基地局が複数の基地局と動作可能に連結したページンググループに係る段階」という発明特定事項を、「アイドルモードにいるMSSの利用可能性を検証する方法であって、(改行) 前記MSSからアイドルモードに進入するための要請を受信する段階として、基地局が複数の基地局と動作可能に連結したページンググループに係る段階」という発明特定事項に訂正すること(以下、「訂正事項2-4」という。)を含むものである。 (2) 訂正の目的について ア 訂正事項2-1は、特許法第126条第1項ただし書第4号に掲げる、「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものである。 イ 訂正事項2-2は、本件訂正前の請求項11に記載された発明特定事項に、発明特定事項を直列的に付加するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる、「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 ウ 訂正事項2-3について、検討する。 (ア) 本件訂正前の請求項9ないし11には、以下の記載がある。 「【請求項9】 アイドルモードにいるMSSの利用可能性を検証する方法であって、 前記MSSからアイドルモードに進入するための要請を受信する段階として、前記基地局が複数の基地局と動作可能に連結したページンググループに係る段階と、 ページング識別子、ページングサイクル及びページングサイクルオフセットの少なくとも一つを含むアイドルモード応答コマンドを前記MSSに伝送して、アイドルモードに進入するための要請に応答してアイドルモードに進入する段階と、 前記基地局に対する前記MSSの利用可能性を検証するために、前記MSSがアイドルモードにいる間、レンジング遂行に係るアクションコードを含むページングコマンドを前記MSSに伝送する段階とを含み、 所定周期の間、基地局に対してレンジングが成功的に遂行されないと、前記基地局はページングリトライカウントが所定のしきい値に到達するまで前記ページングコマンドを継続的に伝送することを特徴とする、方法。 【請求項10】 前記ページングリトライカウントが所定のしきい値に到達するとき、前記MSSは前記基地局により維持されたアイドルモードリストから除去されることを特徴とする、請求項9に記載の方法。 【請求項11】 前記アイドルモードリストの前記MSSの除去は、前記ページンググループ内の複数の基地局の各々で遂行されることを特徴とする、請求項10に記載の方法。」 (イ) ここで、本件訂正前の請求項11に記載された「前記アイドルモードリスト」という記載は、「前記」という記載があるから、当該「前記アイドルモードリスト」より前に記載された「アイドルモードリスト」を意味すると解されるところ、請求項11が引用する請求項10に記載された「前記基地局により維持されたアイドルモードリスト」を意味するのか、あるいは、「前記基地局により維持された」もの以外を含む「アイドルモードリスト」を意味するのか、明瞭でない。 そして、訂正事項2-3により、本件訂正前の請求項11の「前記アイドルモードリスト」という記載を、本件訂正後の請求項11の最終段落の「前記複数の基地局の前記アイドルモードリスト」という記載に訂正することは、「前記アイドルモードリスト」という記載が、「前記基地局により維持されたアイドルモードリスト」(本件訂正後の請求項11の段落6)ではなく、「前記基地局により維持された」もの以外を含む「アイドルモードリスト」を意味することを明瞭にすることであり、また、当該「前記アイドルモードリスト」を「前記複数の基地局の前記アイドルモードリスト」に限定したことであるともいえる。 したがって、訂正事項2-3は、記載内容が明らかでない本件訂正前の請求項11の記載を正すとともに、請求項11の発明特定事項を限定したものといえるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、「明瞭でない記載の釈明」、及び同第1号に掲げる、「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 エ 訂正事項2-4については、上記「2」の「(2)」で訂正事項1-4について説示したのと同様、誤記を訂正するものといえるから、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる、「誤記又は誤訳の訂正」を目的とするものである。 したがって、訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第1号ないし第4号に掲げる事項を目的とするものである。 (3) 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて ア 訂正事項2-1は、本件訂正前の請求項11が本件訂正前の請求項10を引用し、その請求項10が請求項9を引用する記載であったものを、請求項間の引用関係を解消し、請求項9及び10を引用しない記載とするものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。 イ 訂正事項2-2は、本件訂正前の請求項11に記載された「前記アイドルモードリストの前記MSSの除去は、前記ページンググループ内の複数の基地局の各々で遂行される」という発明特定事項の前に、「前記MSSに係る利用可能性の更新情報を伝達するバックボーンメッセージを用いて前記ページンググループに属する複数の基地局に、前記複数の基地局のそれぞれのアイドルモードリストから前記MSSを除去することが前記基地局から通知され」るという発明特定事項を付加するものであり、ここで「前記基地局」は、本件訂正後の請求項11の段落2における「前記MSSからアイドルモードに進入するための要請を受信する段階として、基地局が複数の基地局と動作可能に連結したページンググループに係る段階」という発明特定事項における「基地局」を意味することが明らかである。 一方、上記「2」の「(3)」の「イ」の「(イ)」には、「基地局(BS)」という記載があり、また、上記「2」の「(3)」の「イ」の「(オ)」には、「サービングBS・・・は、バックボーンメッセージを用いて同じページンググループに属するBSに、これらのアイドルモードMSSリストからMSS・・・を除去することを通知する。」という記載があり、さらに、上記「2」の「(3)」の「イ」の「(カ)」には、「サービングBSは、MSSに係る利用可能性の更新情報をバックボーンメッセージを介して同じページンググループに属する他のBSに伝達することで、同じページンググループに属するBSがページングメッセージを利用可能でないMSSに伝達することを防止する。」という記載がある。 ここで、上記「2」の「(3)」の「イ」の「(オ)」に記載された「バックボーンメッセージ」と、上記「2」の「(3)」の「イ」の「(カ)」に記載された「バックボーンメッセージ」は、MSSを処理対象から除去する点で共通するから、対応するものといえる。 そうすると、MSSに係る利用可能性の更新情報を伝達するバックボーンメッセージを用いて、同じページンググループに属する基地局に、これらのアイドルモードMSSリストからMSSを除去することが、サービング基地局から通知される、といえる。 また、上記「2」の「(3)」の「イ」で説示したとおり、上記「2」の「(3)」の「イ」の「(オ)」の「これらのアイドルモードMSSリスト」は、同じページンググループに属する複数の基地局のアイドルモードMSSリストを意味し、同じページンググループ内の複数の基地局により、それぞれ維持されるといえる。 加えて、上記「2」の「(3)」の「ウ」で説示したとおり、サービング基地局は、MSSからアイドルモードに進入するための要請を受信し、かつ、複数の基地局と動作可能に連結したページンググループに属するといえる。 以上のとおりであるから、願書に添付した明細書に記載した事項によれば、MSSに係る利用可能性の更新情報を伝達するバックボーンメッセージを用いて、同じページンググループに属する複数の基地局に、複数の基地局それぞれのアイドルモードMSSリストからMSSを除去することが、サービング基地局から通知され、ここで、サービング基地局は、本件訂正後の請求項11の段落2における「前記MSSからアイドルモードに進入するための要請を受信する段階として、基地局が複数の基地局と動作可能に連結したページンググループに係る段階」という発明特定事項における「基地局」に対応するといえる。 したがって、本件訂正前の請求項11に記載された「前記アイドルモードリストの前記MSSの除去は、前記ページンググループ内の複数の基地局の各々で遂行される」という発明特定事項の前に「前記MSSに係る利用可能性の更新情報を伝達するバックボーンメッセージを用いて前記ページンググループに属する複数の基地局に、前記複数の基地局のそれぞれのアイドルモードリストから前記MSSを除去することが前記基地局から通知され」るという発明特定事項を付加する訂正事項2-2は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。 ウ 訂正事項2-3について検討する。 訂正事項2-3は、本件訂正前の請求項11に記載された「前記アイドルモードリストの前記MSSの除去は、前記ページンググループ内の複数の基地局の各々で遂行される」という発明特定事項における「前記アイドルモードリスト」の前に、「前記複数の基地局の」という発明特定事項を付加するものであり、本件訂正後の請求項11には、訂正事項2-3に関連して以下の記載がある。 「 前記MSSからアイドルモードに進入するための要請を受信する段階として、基地局が複数の基地局と動作可能に連結したページンググループに係る段階と、 ・・・ 前記MSSに係る利用可能性の更新情報を伝達するバックボーンメッセージを用いて前記ページンググループに属する複数の基地局に、前記複数の基地局のそれぞれのアイドルモードリストから前記MSSを除去することが前記基地局から通知され、 前記複数の基地局の前記アイドルモードリストの前記MSSの除去は、前記ページンググループ内の複数の基地局の各々で遂行される」 そうすると、訂正事項2-3に係る「前記複数の基地局の前記アイドルモードリスト」という記載は、基地局と動作可能に連結したページンググループに属し、「前記MSSに係る利用可能性の更新情報を伝達するバックボーンメッセージを用いて・・・前記複数の基地局のそれぞれのアイドルモードリストから前記MSSを除去することが前記基地局から通知され」た複数の基地局のアイドルモードリストを意味し、ここで「前記基地局」は、「前記MSSからアイドルモードに進入するための要請を受信する段階として、基地局が複数の基地局と動作可能に連結したページンググループに係る段階」という発明特定事項における「基地局」を意味することが、明らかである。 一方、上記「2」の「(3)」の「イ」の「(イ)」には、「基地局(BS)」という記載があり、また、上記「2」の「(3)」の「イ」の「(オ)」には、「サービングBS・・・は、バックボーンメッセージを用いて同じページンググループに属するBSに、これらのアイドルモードMSSリストからMSS・・・を除去することを通知する。」という記載があり、さらに、上記「2」の「(3)」の「イ」の「(カ)」には、「サービングBSは、MSSに係る利用可能性の更新情報をバックボーンメッセージを介して同じページンググループに属する他のBSに伝達することで、同じページンググループに属するBSがページングメッセージを利用可能でないMSSに伝達することを防止する。」という記載があるから、上記「イ」で説示したとおり、MSSに係る利用可能性の更新情報を伝達するバックボーンメッセージを用いて、同じページンググループに属する基地局に、これらのアイドルモードMSSリストからMSSを除去することが、サービング基地局から通知される、といえる。 また、上記「2」の「(3)」の「イ」の「(オ)」の「これらのアイドルモードMSSリスト」は、上記「2」の「(3)」の「イ」で説示したとおり、同じページンググループに属する複数の基地局のアイドルモードMSSリストを意味するといえる。 さらに、上記「2」の「(3)」の「ウ」で説示したとおり、サービング基地局は、MSSからアイドルモードに進入するための要請を受信し、かつ、複数の基地局と動作可能に連結したページンググループに属するといえる。 加えて、上記「2」の「(3)」の「イ」の「(ア)」の請求項11には、「前記アイドルモードリストの前記MSSの除去は、前記ページンググループ内の複数の基地局の各々で遂行される」との記載があり、ここで記載された「前記アイドルモードリスト」が、「前記基地局により維持されたアイドルモードリスト」、あるいは、「前記基地局により維持された」もの以外を含む「アイドルモードリスト」を意味すると解されることは、上記「(2)」の「ウ」の「(イ)」で説示したとおりである。 以上のとおりであるから、願書に添付した明細書、及び特許請求の範囲に記載した事項によれば、複数の基地局のアイドルモードMSSリストの前記MSSの除去は、ページンググループ内の複数の基地局の各々で遂行され、ここで「複数の基地局」は、サービング基地局と動作可能に連結したページンググループに属し、MSSに係る利用可能性の更新情報を伝達するバックボーンメッセージを用いて、複数の基地局のアイドルモードMSSリストから前記MSSを除去することがサービング基地局から通知された複数の基地局であり、さらに、サービング基地局は、MSSからアイドルモードに進入するための要請を受信し、かつ、複数の基地局と動作可能に連結したページンググループに属するといえる。 したがって、本件訂正前の請求項11の「前記アイドルモードリストの前記MSSの除去は、前記ページンググループ内の複数の基地局の各々で遂行されること」という発明特定事項を、「前記複数の基地局の前記アイドルモードリスト前記アイドルモードリストの前記MSSの除去は、前記ページンググループ内の複数の基地局の各々で遂行されること」という発明特定事項に訂正する訂正事項2-3は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。 エ 訂正事項2-4について検討する。 上記「2」の「(3)」の「エ」で訂正事項1-4について説示したのと同様、訂正事項2-4は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。 オ まとめ 上記「ア」ないし「エ」で説示したとおり、訂正事項2-1ないし2-4は、いずれも、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、訂正事項2は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。 (4) 実質上特許請求の範囲を拡張し、また変更する訂正ではないことについて ア 訂正事項2-1は、上記「2」の「(4)」で訂正事項1-1について説示したのと同様、実質上特許請求の範囲を拡張し、また変更する訂正ではない。 イ 訂正事項2-2は、本件訂正前の請求項11の発明特定事項に、発明特定事項を直列的に付加するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、また変更する訂正ではない。 ウ 訂正事項2-3は、本件訂正前の請求項11の「前記アイドルモードリストの前記MSSの除去は、前記ページンググループ内の複数の基地局の各々で遂行されること」という発明特定事項を、「前記複数の基地局の前記アイドルモードリスト前記アイドルモードリストの前記MSSの除去は、前記ページンググループ内の複数の基地局の各々で遂行されること」という発明特定事項に訂正するものである。 そして、訂正事項2-3は、上記「(2)」の「ウ」の「(イ)」で説示したとおり、本件訂正前の請求項11の「前記アイドルモードリスト」という記載が、「前記基地局により維持されたアイドルモードリスト」を意味するのか、あるいは、「前記基地局により維持された」もの以外を含む「アイドルモードリスト」を意味するのか、明瞭でなかったところ、「前記基地局により維持された」もの以外を含む「アイドルモードリスト」を意味することを明瞭にし、また、当該「前記アイドルモードリスト」を「前記複数の基地局の前記アイドルモードリスト」に限定しただけの訂正であるから、訂正事項2-3は、実質上特許請求の範囲を拡張し、また変更する訂正ではない。 エ 訂正事項2-4は、上記「2」の「(4)」で訂正事項1-4について説示したのと同様、実質上特許請求の範囲を拡張し、また変更する訂正ではない。 オ したがって、訂正事項2は、実質上特許請求の範囲を拡張し、また変更する訂正ではないから、特許法第126条第6項の規定に適合する。 (5) 独立特許要件について 上記「(2)」で検討したとおり、訂正事項2は、「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正事項2-2を含み、また、「誤記又は誤訳の訂正」を目的とする訂正事項2-4を含むから、本件訂正後の請求項11に係る発明は、特許法第126条第7項に規定されるとおり、特許出願の際独立して特許を受けることができるものでなければならない。 そして、後記「4」で述べるように、本件訂正後の請求項11に係る発明について、別件訴訟で提示された証拠を考慮しても、また、訂正事項2に係る記載を検討しても、特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるとする理由は、見当たらない。 したがって、訂正事項2は、特許法第126条第7項の規定に適合する。 (6) 訂正事項2についてのまとめ 以上をまとめると、訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第1号ないし第4号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合するものである。 4 独立特許要件について 上記「2」の「(5)」及び上記「3」の「(5)」で指摘したとおり、本件訂正後の請求項10に係る発明(以下、「本件訂正発明10」という)、及び本件訂正後の請求項11に係る発明(以下、「本件訂正発明11」という)は、特許法第126条第7項に規定されるとおり、特許出願の際独立して特許を受けることができるものでなければならない。 (1) 別件訴訟について 令和5年5月29日に提出された上申書に添付された書面によれば、本件特許に関する、損害賠償等請求事件(東京地裁 令和3年(ワ)第30723号)(以下、「別件訴訟」という。)において、別件訴訟の被告は、概略以下のように主張している。 「本件第1発明1及び2は、乙5及び6に記載された発明に基づいて当業者が容易に想到できたものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反するものとして、無効とされるべきものである。」(令和4年9月20日に別件訴訟の被告から提出された準備書面(3)の25ページ「(3)小括」) ここで、「本件第1特許(甲2の1)の請求項1及び9に係る発明(以下、「本件第1発明1」及び「本件第1発明2」という。)」(前記準備書面(3)の3ページ「第1 はじめに」)という記載によれば、「本件第1発明2」は、本件特許の請求項9に係る発明を意味する。また、「4. 乙5(Phillip Barber 等,“MSS Idle Mode", IEEE Online publication IEEE C802.16e-04/42r7)について」(前記準備書面(3)の5ページ下から1行及び6ページ1行)という記載によれば、「乙5」は、Phillip Barber 等,“MSS Idle Mode", IEEE Online publication IEEE C802.16e-04/42r7を意味する。さらに、「5. 乙6(米国特許第6,678,258号公報)について」(前記準備書面(3)の19ページ13行)という記載によれば、「乙6」は、米国特許第6678258号明細書を意味する。 そこで、本件訂正発明10及び11が、乙5に記載された発明、及び乙6に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるかについて、以下検討する。 (2) 乙5に記載された事項、及び乙5発明 本件特許の4つの優先日のうち最先の優先日である2004年6月25日前の2004年3月18日に提出され(submitted)、電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった乙5(Phillip Barber 等,“MSS Idle Mode", IEEE Online publication IEEE C802.16e-04/42r7)には、図面とともに以下の事項が記載されている。 ア 「Problem: The current mobility model for 16e, in common with contemporary IP networks, requires constant Normal Operation connectivity, persistent connection, of an MSS to Serving BS as the MSS traverses the RF geography. Even ‘Sleep Mode’, during portions of which the MSS has no DL listening/response requirements, is a ‘Normal Operation’ operational state requiring that the MSS be currently attached to a specific Serving BS with which the MSS has a negotiated ‘Sleep Mode’ operation. Given that the vast majority of devices in current mobile networks are typically inactive while attached to the mobile network, requiring these inactive MSS to conduct active HO transactions creates non-productive overhead. Eliminating non-productive HO traffic would likely result in a 90%+ reduction in all HO traffic, and a significant savings in total overhead.」(2ページ1行ないし9行) (当審訳:課題: 16eの現在のモビリティモデルは、現代のIPネットワークと同様に、MSSが無線周波数地理を移動する際に、MSSのサービングBSに対する一定の通常動作接続性、持続的接続を必要とする。『スリープモード』であっても、MSSがDLリスニング/応答要件を持たない間は、『通常動作』の動作状態であり、MSSがネゴシェートされた『スリープモード』動作を行う特定のサービングBSに現在接続されていることが必要である。現在のモバイルネットワークにおける大部分のデバイスが、モバイルネットワークに接続されている間は通常は非アクティブであることを考えると、これらの非アクティブなMSSにアクティブなHOトランザクションを行うことを要求すると、非生産的なオーバーヘッドが発生する。非生産的なHOトラフィックをなくすことにより、すべてのHOトラフィックにおける90%以上が削減され、総オーバーヘッドが大幅に削減されるであろう。) イ 「Remedy: Borrowing ‘Area Paging’ or ‘Zone Paging’ concepts and mechanisms from the cellular world provides a ready solution mechanism to enable MSS periodic ‘availability’ to DL traffic ‘tickler’ messages without requiring active UL connectivity to specific BS. ・・・ Another, simpler mechanism presents itself. By creating a new ‘IDLE Mode’ that operates as a network prereentry state we can more easily provide a solution. And we can leave ‘Sleep Mode’ alone. ‘IDLE Mode’ would operate outside Normal Operations, pre-Initial Ranging in the registration process. ・・・ Overall, a properly constructed solution mechanism should reduce non-productive overhead while minimizing multimedia session initiation latency. And of course accomplish this with a minimum of new constructs and mechanisms.」(2ページ10行ないし下から2行) (当審訳:レメディ: セルラー電話の世界からエリアページング又はゾーンページング概念及びメカニズムを借用することは、特定のBSへのアクティブなUL接続を必要とすることなく、DLトラヒック『tickler』メッセージに対するMSSの定期的な『利用可能性』を有効にするための準備された解決メカニズムを提供する。 (中略) もうひとつ、より単純なメカニズムがある。ネットワーク再侵入前状態として動作する新しい「アイドルモード」を生成することで、より簡単に解決策を提供することができる。そして、「スリープモード」だけを残すことができる。アイドルモードは、通常動作の外で、登録プロセスの初期レンジングの前に動作する。 (中略) 全体として、適切に構築された解決メカニズムは、マルチメディアセッション開始遅延を最小化しながら、非生産的なオーバーヘッドを削減する。そしてもちろん、最小限の新しい構成とメカニズムでこれを達成する。) ウ 「The BS are divided into logical groups called paging groups. The purpose of these groups is to offer a contiguous coverage region in which the MSS does not need to transmit in the UL, yet can be paged in the DL if there is traffic targeted at it. The paging groups should be large enough so that most MSS will remain most of the time within the same paging group, and small enough such that the paging overhead is reasonable. Figure 2 shows an example of four paging groups defined over multiple BS arranged in a hexagonal grid. A BS may be a member of one or more Paging Groups. [図:0001402713000001.jpg] 」(3ページ14ないし19行) (当審訳:BSはページンググループと呼ばれる論理的なグループに分割される。これらのグループの目的は、MSSがULで送信する必要がないにも関わらずMSSを対象としたトラフィックがある場合にはDLでページングされることが可能な、連続したカバレッジ領域を提供することである。ページンググループは、ほとんどのMSSが同じページンググループ内にほとんどの時間留まるように十分に大きく、かつ、ページングのオーバーヘッドが合理的であるように十分に小さくあるべきである。図2は、六角形のグリッドに配置された複数のBSに渡って定義された4つのページンググループの例を示している。BSは1つ又は複数のページンググループのメンバーであってもよい。) エ 「6.4.??.1 MSS Idle Mode Initiation Idle Mode Initiation may begin after MSS de-registration. During Normal Operation with its Serving BS, an MSS may signal intent to begin Idle Mode by sending a DREG-REQ with a De-registration_Request_Code = 0x01; request for MSS de-registration from Serving BS and initiation of MSS Idle Mode. Similarly, a Serving BS may signal for an MSS to begin Idle Mode by sending a DREG-CMD with an Action Code = 0x05; require MSS de-registration from Serving BS and request initiation of MSS Idle Mode.」(4ページ1行ないし6行) (当審訳:6.4.??.l MSSアイドルモード開始 アイドルモード開始はMSSのデレジストレーション後に開始されてもよい。サービングBSとの通常動作中に、MSSは、サービングBSからのMSSデレジストレーション及びMSSアイドルモードの開始を要求する、デレジストレーション要求コード=OxOlでDREG-REQを送信することにより、アイドルモード開始の意思を信号送信してもよい。同様に、サービングBSは、サービングBSからのMSSデレジストレーション及びMSSアイドルモードの開始を要求する、アクションコード=Ox05でDREG-CMDを送信することにより、MSSにアイドルモードを開始するよう信号送信してもよい。) オ 「6.4.??.7 BS Broadcast Paging message A BS Broadcast Paging message is an MSS notification message indicating the presence of DL traffic pending, through the BS or some network entity, for the specified MSS. The BS Broadcast Paging message shall be sent on the Broadcast CID during the BS Broadcast Paging message Transmission Interval. A paging message shall be transmitted during the Transmission Interval regardless of the number of MSS that need paging. The BS Broadcast Paging message shall include one or more Paging Group IDs identifying the logical affiliations of the transmitting BS. MSS are identified in the BS Broadcast Paging message by their MSS MAC Address hash. A single BS Broadcast Paging message may include multiple MAC Addresses. For a given BS Broadcast Paging message in a specific BS Broadcast Paging message Transmission Interval, the BS shall include only those MSS MAC Address hash particular to the PAGING_CYCLE. The BS Broadcast Paging message shall also include an Action Code directing each MSS notified via the inclusion of its MSS MAC Address hash to either: 00) no action required 01) perform Ranging to establish location and acknowledge message 10) perform initial network entry 11) reserved 6.4.??.8 Paging Availability Mode Termination 6.4.?.?.8.1 MSS side An MSS may terminate MSS Idle Mode at any time. An MSS shall terminate Idle Mode and re-enter the network if it decodes a BS Broadcast Paging message that contains the MSS own MSS MAC Address hash and an Action Code of 10, enter network. In the event that an MSS decodes a BS Broadcast Paging message that contains the MSS own MSS MAC Address hash and an Action Code of 01, Perform Ranging, the MSS shall conduct and complete Initial Ranging to establish location to the network and acknowledge message decoding. Similarly, the MSS shall conduct and complete Initial Ranging to establish location to the network and acknowledge message decoding in the event that it fails to find the MSS own Paging Group ID in the Broadcast Paging message. In either instance of required Initial Ranging, upon completion of the Ranging procedure the MSS shall assume the Paging Group ID of the Preferred BS.」(5ページ先頭行ないし下から119行) (当審訳:「6.4??.7 BSブロードキャスト・ページング・メッセージ BSブロードキャスト・ページング・メッセージは、指定されたMSSに対する、BS又は何らかのネットワーク・エンテイティを介した、保留中のDLトラフィックの存在を示すMSS通知メッセージである。BSブロードキャスト・ページング・メッセージは、BSブロードキャスト・ページング・メッセージ送信間隔中にブロードキャストCIDで送信されなければならない。ページングメッセージは、ページングを必要とするMSSの数に関わらず、前記送信間隔中に送信されなければならない。 BSブロードキャスト・ページング・メッセージは、送信BSの論理的な所属を識別する1つ以上のページンググループIDを含まなければならない。 MSSは、BSブロードキャスト・ページング・メッセージの中で、MSS MACアドレス・ハッシュによって識別される。1つのBSブロードキャスト・ページング・メッセージは複数のMACアドレスを含んでもよい。特定のBSブロードキャスト・ページング・メッセージ送信間隔において与えられたBSブロードキャスト・ページング・メッセージに対して、BSは、ページングサイクルに特有のMSS MACアドレス・ハッシュのみを含めなければならない。 BSブロードキャスト・ページング・メッセージはまた、そのMSS MACアドレス・ハッシュの包含によって通知された各MSSに対して、以下のいずれかを指示するアクション・コードを含まなければならない。 00) アクション不要 01) 位置確立及び確認応答メッセージのためのレンジングの実行 10) 初期ネットワークエントリーの実行 11) 予約 6.4.??.8 ページング可用性モード終了 6.4.?.?.8.l MSS側 MSSは、MSSアイドルモードをいつでも終了してよい。 MSSは、MSS自身のMACアドレス・ハッシュ及びネットワークへの侵入を示すアクションコード10を含むBSブロードキャスト・ページング・メッセージを復号した場合、アイドルモードを終了し、ネットワークに再進入しなければならない。MSSは、MSS自身のMACアドレス・ハッシュ及びレンジング実行を示すアクションコード01を含むBSブロードキャスト・ページング・メッセージを復号した場合、MSSは、ネットワークヘの位置確立及び確認応答メッセージの復号のための初期レンジングを指揮し完了する。同様に、MSSは、ブロードキャスト・ページング・メッセージ内にMSS自身のページンググループIDを見つけることができない場合、ネットワークヘの位置確立及び確認応答メッセージのデコードのための初期レンジングを指揮し完了する。要求される初期レンジングのいずれかの例において、レンジング手順の完了時に、MSSは好ましいBSのページンググループIDを仮定しなければならない。) カ 「6.4.?.?.8.2 BS side The BS at which the MSS entered the network may report to the BS that initiated the paging about the MSS network re-entry, using the MSS-info-Request backbone message. If the BS that has initiated the paging is not informed about MSS reentry into the network, it shall initiate another paging sequence for the MSS. The MSS-info-Request backbone message may also be used to inform the BS at which the MSS has entered IDLE mode that the MSS has transitioned to a different Paging Group.」(5ページ下から6行ないし下から1行) (当審訳:「6.4.?.?.8.2 BS側 MSSがそこでネットワークに進入したBSは、MSS-info-Requestバックボーンメッセージを用いて、ページングを開始したBSに対して、MSSのネットワーク再進入について報告してもよい。ページングを開始したBSがMSSのネットワーク再進入について通知されない場合、BSは当該MSSのためにもう一つのページングシーケンスを開始しなければならない。MSS-info-Requestバックボーンメッセージは、MSSがそこでアイドルモードに入ったBSに対して、MSSが異なるページンググループに移行したことを通知するためにも使用されてよい。) キ 「Remedy 4: [Modify 6.4.2.3.26 De/Re-register Command (DREG-CMD) message, Table 55?Action Codes and actions, page 93, lines 12-28]: [図:0001402713000002.jpg] [図:0001402713000003.jpg] 」(7ページ5行ないし7行、Table 54、Table 55) (当審訳:レメディ4 : [6.4.2.3.26 De/Re-register Command (DREG-CMD) メッセージ、表55-アクションコード及びアクション、93ページ、12ないし28行目を修正]: [図:0001402713000004.jpg] [図:0001402713000005.jpg] ) ク 「When the DREG-CMD message is sent with Action Code = 0x05, the following TLV shall be included: Paging Information (see 11.?) The Paging Information TLV defines the Paging Group ID, the PAGING_CYCLE and PAGING OFFSET parameters to be used by the MSS in IDLE mode」(8ページ4行ないし7行) (当審訳:アクションコード=Ox05でDREG-CMDメッセージが送信される場合、以下のTLVが含まれなければならない: ページング情報(11.?を参照) ページング情報TLVは、アイドルモードのMSSによって使用されるべきページンググループID、ページングサイクル、及びページングオフセットの各パラメータを定義する) ケ 「11.13 DREG-CMD message encodings [図:0001402713000006.jpg] 」(9ページ15行) (当審訳:11.13 DREG-CMDメッセージ符号化 [図:0001402713000007.jpg] ) 上記記載及び移動体通信分野の技術常識を考慮すると、次のことがいえる。 (ア) 上記「オ」の「6.4.?.?.8.l」には、「MSSは、・・・アイドルモードを終了し、ネットワークに再進入しなければならない。」と記載されているから、乙5には、アイドルモードにいるMSSに関する方法が記載されているといえる。 (イ) 上記「エ」には、「サービングBSとの通常動作中に、MSSは、サービングBSからのMSSデレジストレーション及びMSSアイドルモードの開始を要求する、デレジストレーション要求コード=OxOlでDREG-REQを送信することにより、アイドルモード開始の意思を信号送信してもよい。」という記載がある。 ここで、DREG-REQの送信先はサービングBSであると解されるから、サービングBSは、MSSから、MSSアイドルモードの開始を要求するDREG-REQを受信するといえる。 また、上記「ウ」には、「BSは・・・ページンググループのメンバーであってもよい。」という記載があり、ここで、BSが基地局を意味すること、及びBSがサービングBSを含むことは、技術常識である。 そうすると、乙5には、サービング基地局は、MSSからMSSアイドルモードの開始を要求するDREG-REQを受信し、また、ページンググループのメンバーであることが、記載されているといえる。 (ウ) 上記「エ」には、「サービングBSは、・・・アクションコード=Ox05でDREG-CMDを送信することにより、MSSにアイドルモードを開始するよう信号送信してもよい。」という記載があり、また、上記「ク」には、「アクションコード=Ox05でDREG-CMDメッセージが送信される場合、以下のTLVが含まれなければならない・・・ページング情報TLVは、・・・ページンググループID、ページングサイクル、及びページングオフセットの各パラメータを定義する」という記載がある。 そうすると、乙5には、サービング基地局は、ページンググループID、ページングサイクル、及びページングオフセットの各パラメータを定義するTLVを含むDREG-CMDを送信することにより、MSSにアイドルモードを開始するよう信号送信することが、記載されているといえる。 (エ) 上記「イ」には、「アイドルモードは、通常動作の外で、登録プロセスの初期レンジングの前に動作する。」と記載されており、また、上記「オ」の「6.4.?.?.8.l」には、「MSSは、MSSアイドルモードをいつでも終了してよい。・・・MSSは、・・・レンジング実行を示すアクションコード01を含むBSブロードキャスト・ページング・メッセージを復号した場合、MSSは、・・・初期レンジングを指揮し完了する。」という記載がある。 そうすると、MSSは、初期レンジングを行う前に「レンジング実行を示すアクションコード01を含むBSブロードキャスト・ページング・メッセージ」を復号しており、また、「レンジング実行を示すアクションコード01を含むBSブロードキャスト・ページング・メッセージ」は、初期レンジングの前、すなわちアイドルモードの間に、受信される、と解される。 また、「BSブロードキャスト・ページング・メッセージ」は、基地局(BS)からブロードキャストされるページング・メッセージを意味すると解される。 さらに、上記「ウ」には、「BSは・・・ページンググループのメンバーであってもよい。」という記載があるから、「BSブロードキャスト・ページング・メッセージ」をブロードキャストにより送信する基地局は、ページンググループのメンバーであるといえる。 したがって、乙5には、基地局は、MSSがアイドルモードにいる間に、レンジング実行を示すアクションコード01を含むBSブロードキャスト・ページング・メッセージをMSSに送信することが、記載されているといえる。 (オ) 上記「カ」には、「ページングを開始したBSがMSSのネットワーク再進入について通知されない場合、BSは当該MSSのためにもう一つのページングシーケンスを開始しなければならない。」という記載がある。 ここで、「ページング」がページング・メッセージの送信を意味することは技術常識であり、また、「BSブロードキャスト・ページング・メッセージ」はページング・メッセージに含まれるから、「BSブロードキャスト・ページング・メッセージ」を送信することは、「ページング」に含まれる。 そうすると、乙5には、BSブロードキャスト・ページング・メッセージの送信を開始した基地局がMSSのネットワーク再進入について通知されない場合、基地局は当該MSSのためにもう一つのページングシーケンスを開始することが、記載されているといえる。 以上を総合すると、乙5には、以下の発明(以下、「乙5発明」という。)が記載されていると認められる。 「アイドルモードにいるMSSに関する方法であって、 サービング基地局は、MSSからMSSアイドルモードの開始を要求するDREG-REQを受信し、また、ページンググループのメンバーであり、 サービング基地局は、ページンググループID、ページングサイクル、及びページングオフセットの各パラメータを定義するTLVを含むDREG-CMDを送信することにより、MSSにアイドルモードを開始するよう信号送信し、 基地局は、MSSがアイドルモードにいる間に、レンジング実行を示すアクションコード01を含むBSブロードキャスト・ページング・メッセージをMSSに送信し、 BSブロードキャスト・ページング・メッセージの送信を開始した基地局がMSSのネットワーク再進入について通知されない場合、基地局は当該MSSのためにもう一つのページングシーケンスを開始する、方法。」 (3) 乙6に記載された事項 本件特許の4つの優先日のうち最先の優先日である2004年6月25日前の2004年1月13日に登録された乙6には、以下の事項が記載されている。 ア 「Packet data communication systems are known in both the land mobile and cellular environments.」(1欄10及び11行) (当審訳:パケットデータ通信システムは、陸上移動体とセルラー環境の両方で知られている。」 イ 「Prior to the transmission of the data packet, the communication unit is typically paged by the serving base site. In response to receiving a paging message, the communication unit transmits an acknowledgment and the serving base site, in response to receiving the acknowledgment, transmits the data packet. However, for a variety of reasons, such as the communication unit being active in another service at the time of the page (such as being engaged in an interconnect call), or being out of radio frequency coverage, such as being in a tunnel or deep in a building in a coverage area of the serving base site, or having a dead battery, the communication unit might not respond to the paging message. In the event that the communication unit fails to acknowledge receipt of the paging message, the serving base site typically retransmits the paging message after the expiration of a predetermined time period. The communication system continues to page the communication unit by retransmitting the paging message after each repeated expiration of a constant time interval until either the base site receives an acknowledgment or until a maximum number of retransmissions have occurred.」(1欄20行及び40行) (当審訳:データパケットの送信に先立ち、通信ユニットは通常、サービングベースサイトからページングされる。ページングメッセージの受信に応答して、通信ユニットは確認応答を送信し、確認応答の受信に応答して、サービングベースサイトは、データパケットを送信する。しかし、ページング時に通信ユニットが他のサービスでアクティブである(相互接続通話に従事しているなど)、またはサービングベースサイトのカバレッジエリアのトンネル内または建物の奥にいるなど無線周波数のカバレッジから外れている、または電池切れなどの様々な理由により、通信ユニットがページングメッセージに応答しない可能性がある。通信ユニットがページングメッセージの受信を確認応答できない場合、サービングベースサイトは通常、所定の時間の経過後にページングメッセージを再送信する。通信システムは、ベースサイトが確認応答を受信するか、または最大数の再送信が生じるまで、一定の時間間隔の各繰り返し満了後にページングメッセージを再送信することにより、通信ユニットをページングし続ける。) ウ そうすると、乙6には、「パケットデータ通信システムにおいて、通信ユニットがページングメッセージの受信を確認応答できない場合、サービングベースサイトは、所定の時間の経過後にページングメッセージを再送信し、ベースサイトが確認応答を受信するか、または最大数の再送信が生じるまで、一定の時間間隔の各繰り返し満了後にページングメッセージを再送信することにより、通信ユニットをページングし続ける。」という技術事項(以下、「乙6技術事項」という。)が記載されているといえる。 (4) 本件訂正発明10と乙5発明の対比 ア 本件訂正発明10の「アイドルモードにいるMSSの利用可能性を検証する方法」と、乙5発明の「アイドルモードにいるMSSに関する方法」は、「アイドルモードにいるMSSに関する方法」である点で、共通する。 イ 乙5発明の「サービング基地局」は本件訂正発明10の「基地局」に含まれ、また、乙5発明の「MSS」は本件訂正発明10の「MSS」に相当する。 さらに、乙5発明の「MSSアイドルモード」は、MSSのアイドルモードを意味すると解されるから、本件訂正発明10の「アイドルモード」に含まれる。 加えて、乙5発明の「MSSアイドルモードの開始を要求するDREG-REQ」は、アイドルモードを開始しアイドルモードに進入するための要求であり、その上、当該要求は、サービング基地局に対して、アイドルモードの開始に応じた処理を要請するものであると解されるから、乙5発明の「MSSアイドルモードの開始を要求するDREG-REQ」は、本件訂正発明10の「アイドルモードに進入するための要請」に含まれる。 そうすると、乙5発明の「サービング基地局は、MSSからMSSアイドルモードの開始を要求するDREG-REQを受信」することは、本件訂正発明10の「前記MSSからアイドルモードに進入するための要請を受信する段階」に含まれるといえる。 また、「ページンググループ」には、通常、複数の基地局が含まれ、さらに、「ページンググループ」に属する複数の基地局が動作可能に連結していることは技術常識であるから、乙5発明の「サービング基地局は、・・・ページンググループのメンバーであ」ることは、本件訂正発明10の「基地局が複数の基地局と動作可能に連結したページンググループに係る」ことに含まれる。 したがって、本件訂正発明10の「前記MSSからアイドルモードに進入するための要請を受信する段階として、基地局が複数の基地局と動作可能に連結したページンググループに係る段階」と、乙5発明の「サービング基地局は、MSSからMSSアイドルモードの開始を要求するDREG-REQを受信し、また、ページンググループのメンバーであ」ることは、「前記MSSからアイドルモードに進入するための要請を受信する段階として、基地局が複数の基地局と動作可能に連結したページンググループに係る段階」である点で、共通する。 ウ 乙5発明の「ページンググループID」は、ページングを行うグループのID、すなわち識別子、であるから、本件訂正発明10の「ページング識別子」に含まれ、また、乙5発明の「DREG-CMD」は、DREGに関するコマンドを意味すると解されるから、本件訂正発明10の「ページング識別子、ページングサイクル及びページングサイクルオフセットの少なくとも一つを含むアイドルモード応答コマンド」と、乙5発明の「ページンググループID、ページングサイクル、及びページングオフセットの各パラメータを定義するTLVを含むDREG-CMD」は、「ページング識別子、ページングサイクル及びページングサイクルオフセットの少なくとも一つを含む・・・コマンド」である点で共通する。 さらに、乙5発明のサービング基地局は、DREG-CMDを送信することにより、MSSにアイドルモードを開始するよう信号送信するから、DREG-CMDは、MSSに送信されることが明らかであり、乙5発明においてDREG-CMDをMSSに送信することは、本件訂正発明10の「コマンドを前記MSSに伝送」することに含まれる。 そして、乙5発明の「サービング基地局」は、「MSSにアイドルモードを開始するよう信号送信」するから、その後サービング基地局自身もMSSのアイドルモードと対応した状態に進入するといえ、そうすると、乙5発明において、当該MSSのアイドルモードと対応した状態に進入することは、本件訂正発明10の「アイドルモードに進入する」ことに含まれるといえる。 したがって、本件訂正発明10の「ページング識別子、ページングサイクル及びページングサイクルオフセットの少なくとも一つを含むアイドルモード応答コマンドを前記MSSに伝送して、アイドルモードに進入するための要請に応答してアイドルモードに進入する段階」と、乙5発明の「サービング基地局は、ページンググループID、ページングサイクル、及びページングオフセットの各パラメータを定義するTLVを含むDREG-CMDを送信することにより、MSSにアイドルモードを開始するよう信号送信」することは、「ページング識別子、ページングサイクル及びページングサイクルオフセットの少なくとも一つを含むコマンドを前記MSSに伝送して、アイドルモードに進入する段階」の点で、共通する。 エ 乙5発明の「レンジング実行を示すアクションコード01」は、本件訂正発明10の「レンジング遂行に係るアクションコード」に相当する。 そして、乙5発明の「レンジング実行を示すアクションコード01を含むBSブロードキャスト・ページング・メッセージ」は、送信先であるMSSに対してレンジング実行を指示するコマンドとなっているものと解されるから、本件訂正発明10の「レンジング遂行に係るアクションコードを含むページングコマンド」に含まれるといえる。 そうすると、本件訂正発明10の「前記基地局に対する前記MSSの利用可能性を検証するために、前記MSSがアイドルモードにいる間、レンジング遂行に係るアクションコードを含むページングコマンドを前記MSSに伝送する段階」と、乙5発明の「基地局は、MSSがアイドルモードにいる間に、レンジング実行を示すアクションコード01を含むBSブロードキャスト・ページング・メッセージをMSSに送信」することは、「前記MSSがアイドルモードにいる間、レンジング遂行に係るアクションコードを含むページングコマンドを前記MSSに伝送する段階」である点で、共通する。 以上を総合すると、本件訂正発明10と乙5発明は、以下の点で一致し、また相違する。 (一致点) 「 アイドルモードにいるMSSに関する方法であって、 前記MSSからアイドルモードに進入するための要請を受信する段階として、基地局が複数の基地局と動作可能に連結したページンググループに係る段階と、 ページング識別子、ページングサイクル及びページングサイクルオフセットの少なくとも一つを含むコマンドを前記MSSに伝送して、アイドルモードに進入する段階と、 前記MSSがアイドルモードにいる間、レンジング遂行に係るアクションコードを含むページングコマンドを前記MSSに伝送する段階とを含む、 方法。」 (相違点1) 本件訂正発明10は、「アイドルモードにいるMSSの利用可能性を検証する方法」であるのに対して、乙5発明は、アイドルモードにいるMSSに関する方法ではあるが「アイドルモードにいるMSSの利用可能性を検証する」ことは特定されていない点。 (相違点2) コマンドを前記MSSに伝送して、アイドルモードに進入する段階について、本件訂正発明10では、コマンドは「アイドルモード応答コマンド」であり、また、アイドルモードへの進入は、「アイドルモードに進入するための要請に応答して」なされるのに対して、乙5発明では、コマンドが「アイドルモード応答コマンド」であることは特定されておらず、また、アイドルモードへの進入が「アイドルモードに進入するための要請に応答して」なされることも特定されていない点。 (相違点3) ページングコマンドを前記MSSに伝送する段階について、本件訂正発明10では、「前記基地局に対する前記MSSの利用可能性を検証するために」伝送するのに対して、乙5発明では、「前記基地局に対する前記MSSの利用可能性を検証するために」伝送することは特定されていない点。 (相違点4) 本件訂正発明10では、「所定周期の間、基地局に対してレンジングが成功的に遂行されないと、前記基地局はページングリトライカウントが所定のしきい値に到達するまで前記ページングコマンドを継続的に伝送する」という発明特定事項を有するのに対して、乙5発明では、当該発明特定事項を特定していない点。 (相違点5) 本件訂正発明10では、「前記ページングリトライカウントが所定のしきい値に到達するとき、前記MSSは前記基地局により維持されたアイドルモードリストから除去される」という発明特定事項を有するのに対して、乙5発明では、当該発明特定事項を特定していない点。 (相違点6) 本件訂正発明10では、「前記ページンググループ内の前記複数の基地局においてアイドルモードリストがそれぞれ維持され、(改行) 前記複数の基地局の前記アイドルモードリストの前記MSSの除去は、前記MSSが利用可能でないことに関連付けられる前記基地局からのバックボーンメッセージに応答して、前記ページンググループ内の前記複数の基地局の各々で遂行される」という発明特定事項を有するのに対して、乙5発明では、当該発明特定事項を特定していない点。 (5) 本件訂正発明10についての当審の判断 上記各相違点について検討するに当たり、事案に鑑みて、上記「(相違点6)」に係る発明特定事項について、始めに検討する。 上記相違点6に係る、「前記ページンググループ内の前記複数の基地局においてアイドルモードリストがそれぞれ維持され、(改行) 前記複数の基地局の前記アイドルモードリストの前記MSSの除去は、前記MSSが利用可能でないことに関連付けられる前記基地局からのバックボーンメッセージに応答して、前記ページンググループ内の前記複数の基地局の各々で遂行される」ことは、乙6には記載も示唆もされておらず、また、「前記ページンググループ内の前記複数の基地局においてアイドルモードリストがそれぞれ維持され、(改行) 前記複数の基地局の前記アイドルモードリストの前記MSSの除去は、前記MSSが利用可能でないことに関連付けられる前記基地局からのバックボーンメッセージに応答して、前記ページンググループ内の前記複数の基地局の各々で遂行される」ことが技術常識であると認めるに足りる証拠も見当たらない。 したがって、本件訂正発明10は、上記相違点1ないし5に係る発明特定事項について論及するまでもなく、当業者であっても、乙5発明、及び乙6技術事項に基いて、容易に発明をすることができたものとはいえない。 (6) 本件訂正発明11と乙5発明の対比 本件訂正後の請求項11の段落1ないし4の「アイドルモードにいるMSSの利用可能性・・・前記MSSに伝送する段階とを含み、」という記載は、本件訂正前の請求項9に対応するから、本件訂正後の請求項10の段落1ないし4の記載と同一である。 そうすると、本件訂正発明11と乙5発明は、上記「(4)」で検討したことと同様、以下の点で一致し、また、以下の相違点1ないし3で相違する。 (一致点) 「 アイドルモードにいるMSSに関する方法であって、 前記MSSからアイドルモードに進入するための要請を受信する段階として、基地局が複数の基地局と動作可能に連結したページンググループに係る段階と、 ページング識別子、ページングサイクル及びページングサイクルオフセットの少なくとも一つを含むコマンドを前記MSSに伝送して、アイドルモードに進入する段階と、 前記MSSがアイドルモードにいる間、レンジング遂行に係るアクションコードを含むページングコマンドを前記MSSに伝送する段階とを含む、 方法。」 (相違点1) 本件訂正発明11は、「アイドルモードにいるMSSの利用可能性を検証する方法」であるのに対して、乙5発明は、アイドルモードにいるMSSに関する方法ではあるが「アイドルモードにいるMSSの利用可能性を検証する」ことは特定されていない点。 (相違点2) コマンドを前記MSSに伝送して、アイドルモードに進入する段階について、本件訂正発明11では、コマンドは「アイドルモード応答コマンド」であり、また、アイドルモードへの進入は、「アイドルモードに進入するための要請に応答して」なされるのに対して、乙5発明では、コマンドが「アイドルモード応答コマンド」であることは特定されておらず、また、アイドルモードへの進入が「アイドルモードに進入するための要請に応答して」なされることも特定されていない点。 (相違点3) ページングコマンドを前記MSSに伝送する段階について、本件訂正発明11では、「前記基地局に対する前記MSSの利用可能性を検証するために」伝送するのに対して、乙5発明では、「前記基地局に対する前記MSSの利用可能性を検証するために」伝送することは特定されていない点。 加えて、本件訂正発明11と乙5発明は、以下の点でも相違する。 (相違点4) 本件訂正発明11では、「所定周期の間、基地局に対してレンジングが成功的に遂行されないと、前記基地局はページングリトライカウントが所定のしきい値に到達するまで前記ページングコマンドを継続的に伝送する」という発明特定事項を有するのに対して、乙5発明では、当該発明特定事項を特定していない点。 (相違点5) 本件訂正発明11では、「前記ページングリトライカウントが所定のしきい値に到達するとき、前記MSSは前記基地局により維持されたアイドルモードリストから除去される」という発明特定事項を有するのに対して、乙5発明では、当該発明特定事項を特定していない点。 (相違点6) 本件訂正発明11では、「前記MSSに係る利用可能性の更新情報を伝達するバックボーンメッセージを用いて前記ページンググループに属する複数の基地局に、前記複数の基地局のそれぞれのアイドルモードリストから前記MSSを除去することが前記基地局から通知され、(改行) 前記複数の基地局の前記アイドルモードリストの前記MSSの除去は、前記ページンググループ内の複数の基地局の各々で遂行される」という発明特定事項を有するのに対して、乙5発明では、当該発明特定事項を特定していない点。 (7) 本件訂正発明11についての当審の判断 上記各相違点について検討するに当たり、事案に鑑みて、上記「(相違点6)」に係る発明特定事項について、始めに検討する。 上記相違点6に係る、「前記MSSに係る利用可能性の更新情報を伝達するバックボーンメッセージを用いて前記ページンググループに属する複数の基地局に、前記複数の基地局のそれぞれのアイドルモードリストから前記MSSを除去することが前記基地局から通知され、(改行) 前記複数の基地局の前記アイドルモードリストの前記MSSの除去は、前記ページンググループ内の複数の基地局の各々で遂行される」ことは、乙6には記載も示唆もされておらず、また、「前記MSSに係る利用可能性の更新情報を伝達するバックボーンメッセージを用いて前記ページンググループに属する複数の基地局に、前記複数の基地局のそれぞれのアイドルモードリストから前記MSSを除去することが前記基地局から通知され、(改行) 前記複数の基地局の前記アイドルモードリストの前記MSSの除去は、前記ページンググループ内の複数の基地局の各々で遂行される」ことが技術常識であると認めるに足りる証拠も見当たらない。 したがって、本件訂正発明11は、上記相違点1ないし5に係る発明特定事項について論及するまでもなく、当業者であっても、乙5発明、及び乙6技術事項に基いて、容易に発明をすることができたものとはいえない。 (8) 独立特許要件についてのまとめ したがって、本件訂正発明10及び11について、別件訴訟において主張された乙5に記載された発明、及び6に記載された技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえず、その他、独立特許要件を満たさないとする理由はないから、訂正事項1及び2は、いずれも特許法第126条第7項の規定に適合する。 第5 むすび 以上のとおり、本件訂正審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書第1号ないし第4号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第3項、及び第5項ないし第7項の規定に適合するものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2023-390053

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