審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
特許異議申立

2018-700295

機械読取情報を有する缶エンド

審判番号
2018-700295
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2014-533311外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2018年04月10日
審決日
2019年09月11日
公報発行日
2020年04月24日
結論
請求成立(取消)
当事者
審判長/審判官
分類
P1652.121-ZDA(B65D) / P1652.113-ZDA(B65D)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項特許法113条2号
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第29条第2項、特許法第120条の2第7項、特許法第184条の19、特許法第120条の5第4項、特許法第29条第1項第3号、特許法第113条第2号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特許第6239516号発明「機械読取情報を有する缶エンド」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

【結 論】 特許第6239516号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔26-30、32-34〕、31について訂正することを認める。 特許第6239516号の請求項26ないし30、32ないし34に係る特許を取り消す。 同請求項31に係る特許を維持する。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 特許第6239516号の請求項1~34に係る特許についての出願は、平成24年9月27日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2011年9月27日 米国)を国際出願日とする出願であって、平成29年11月10日付けでその特許権の設定登録がされ、同月29日に特許掲載公報が発行され、その後、平成30年4月10日に異議申立人伊澤武登(以下「申立人」という。)により請求項26~34に係る特許に対して特許異議の申立てがされ、同年9月12日付けで取消理由が通知され、同年12月18日に特許権者から意見書の提出及び訂正の請求がされ、平成31年2月5日に申立人から意見書が提出され、同月12日に手続方式指令書(方式)が申立人に通知され、同月27日に意見書を補正する手続補正書(方式)が提出された。 その後、平成31年3月27日付で取消理由通知(決定の予告)がされ、令和元年7月1日に特許権者から意見書の提出及び訂正の請求がされ(この訂正の請求による訂正の内容を以下「本件訂正」という。また、前記平成30年12月18日提出の訂正の請求は、特許法第120条の2第7項の規定により取り下げられたものとみなす。)、同年8月8日に申立人から意見書が提出されたものである。 第2 本件訂正について 1 訂正の内容(当審注:訂正箇所に下線を付した。) (1)訂正事項1 登録時の請求項26における「前記プルタブは、カールされた縁部を含む外周を構成し、前記プルタブは、前記未開封の形態において前記缶エンドシェルの中央パネルに略平行の向きであり、」を「前記プルタブは、カールされた縁部を含む外周を構成し、前記プルタブは、金属シートよりなるプレス成形品であり、前記プルタブは、前記未開封の形態において前記缶エンドシェルの中央パネルに略平行の向きであり、」と訂正する(請求項26を引用する請求項27~30、32~34も同様に訂正する。)。 (2)訂正事項2 登録時の請求項26における「前記タブの下面に配置され」を「前記タブの構造本体の下面に配置され」と訂正する(請求項26を引用する請求項27~30、32~34も同様に訂正する。)。 (3)訂正事項3 登録時の請求項26における「6mm×6mmのサイズの二次元コード」を「5mm×5mmのサイズの二次元コード」と訂正する(請求項26を引用する請求項27~30、32~34も同様に訂正する。)。 (4)訂正事項4 登録時の請求項29の「前記コードのサイズは、少なくとも4mm×4mmであり、さらに5mm×5mm以下である」を「前記コードのサイズは、少なくとも4mm×4mmである」と訂正する。 (5)訂正事項5 登録時の請求項31に「前記コードは、前記タブの構造本体に配置される、請求項26に記載の缶エンド。」と記載されているのを、「(i)缶エンドが密封された未開封の形態と、(ii)缶エンドを缶体に付加した後に前記缶の中味にアクセスできる開封した形態と、を有することができる缶エンドであって、前記缶エンドは、 缶エンドシェル及びプルタブであって、前記プルタブは、カールされた縁部を含む外周を構成し、前記プルタブは、前記未開封の状態において下面が下方に向かって突出し、かつ、上面が下方に向かって凹むように突出する突部を含む、金属シートからなるプレス成形品であり、前記プルタブは、前記未開封の形態において前記缶エンドシェルの中央パネルに略平行の向きであり、前記プルタブは、前記プルタブの端部を持ち上げて前記中央パネルの切込み線を破断することによって部分的に垂直な位置に操作することができ、それにより前記開封した形態を達成する、プルタブと、 前記タブの構造本体の下面において前記突部上に配置され、缶エンドが開封した形態にあるときに手持ち型無線通信デバイスで読み取ることができ、5mm×5mm以下のサイズの二次元コードと、を備える、 ことを特徴とする缶エンド。」と訂正する。 (6)訂正事項6 登録時の請求項32の「前記中欧パネル」を「前記中央パネル」と訂正する。 2 訂正要件についての検討 (1)訂正事項1について ア 訂正の目的 訂正事項1は、プルタブが、金属シートからなるプレス成形品である点を限定するものである。したがって、訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものといえる。 イ 実質上の拡張・変更の有無 前記アの理由から、訂正事項1は、プルタブが、金属シートからなるプレス成形品である点を限定したものであり、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正には該当しない。したがって、訂正事項1は、特許法第120条の5第9項の規定により準用する特許法第126条第6項の規定に適合する。 ウ 新規事項の追加の有無 (ア)願書に添付した明細書の段落【0043】には、「図6に示すように、レーザーマーキングプロセスは、タブプレスに入る前のタブストックコイルに行うことができる。レーザーマーキングによって生成されたイメージに対してタブを正確に形成するために、公知の方法を使用してマーク付けされたコイルを位置合わせすることができる。従って、図6のタブプレスの生産物はマーク付きタブとなる。本明細書で用いる場合、用語「コイル」はコイル状に巻かれた金属ストックを呼び、ロールから切断された平らな金属シートを包含する。」と記載されており、金属シートをプレス成形する手段を含む成形手段により、本件発明に係るタブが成形されることが読み取れるから、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲、図面の範囲内においてされたものといえる。したがって、訂正事項1は、特許法第120条の5第9項の規定により準用する特許法第126条第5項の規定に適合する。 (イ)令和元年8月8日提出の意見書における申立人の主張に対して a 申立人は、前記意見書において、金属シートとの特定を追加する訂正は、コイルから得られる金属シート以外を含み得るから新規事項を追加するものであると主張する。 b しかしながら、金属シートがコイルを巻きだした金属シートであるか否かは、金属シートとしての性質に相違が生ずるともいえないし、また、本件特許の願書に添付された明細書の段落【0043】には、「用語「コイル」はコイル状に巻かれた金属ストックを呼び、ロールから切断された平らな金属シートを包含する。」と記載されている。 c したがって、申立人の主張は採用できない。 (2)訂正事項2について ア 訂正の目的 訂正事項2は、タブの下面における二次元コードが配置される部位が特定されていなかったものを、タブの「構造本体」の下面に配置される点を限定するものであるから、訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものといえる。 イ 実質上の拡張・変更の有無 前記アの訂正の目的から、訂正事項2は、タブの下面における二次元コードが配置される部位を限定するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正には該当しない。したがって、訂正事項2は、特許法第120条の5第9項の規定により準用する特許法第126条第6項の規定に適合する。 ウ 新規事項の追加の有無 登録時の請求項26を引用する訂正前の請求項31には、「前記コードは、前記タブの構造本体に配置される」と記載されており、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲、図面の範囲内においてされたものといえる。したがって、訂正事項1は、特許法第120条の5第9項の規定により準用する特許法第126条第5項の規定に適合する。 (3)訂正事項3について ア 訂正の目的について 訂正事項3は、二次元コードのサイズを「6mm×6mm以下」から「5mm×5mm以下」に限定するものである。訂正事項3は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものといえる。 イ 実質上の拡張・変更の有無 上記アの訂正の目的から、訂正事項3は、二次元コードのサイズを上記アのように、限定するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正には該当しない。したがって、訂正事項3は、特許法第120条の5第9項の規定により準用する特許法第126条第6項の規定に適合する。 ウ 新規事項の追加の有無 登録時の請求項26を引用する登録時の請求項29には、「前記コードのサイズは、少なくとも4mm×4mmであり、さらに5mm×5mm以下である」と記載されており、訂正事項3は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲、図面の範囲内においてされたものといえる。したがって、訂正事項3は、特許法第120条の5第9項の規定により準用する特許法第126条第5項の規定に適合する。 (4)訂正事項4について ア 訂正の目的について 前記1(3)に摘記した訂正事項3において、請求項29が引用する請求項26について、二次元コードのサイズを「6mm×6mm以下」から「5mm×5mm以下」に限定することに伴い、重複する限定事項を削除したものであり、訂正事項4は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 実質上の拡張・変更の有無 上記アの理由から、訂正事項4は訂正事項3により重複することとなった限定事項を削除したものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正には該当しない。したがって、訂正事項4は、特許法第120条の5第9項の規定により準用する特許法第126条第6項の規定に適合する。 ウ 新規事項の追加の有無 上記アの理由から、訂正事項4は、訂正事項3により重複することとなった限定事項を削除したものであって、新たな特定事項を追加する訂正ではないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲、図面の範囲内においてされたものといえる。したがって、訂正事項4は、特許法第120条の5第9項の規定により準用する特許法第126条第5項の規定に適合する。 (5)訂正事項5について ア 訂正の内容の詳細 訂正事項5の詳細は次の(ア)~(エ)のとおりである。 (ア)訂正事項5-1 訂正前の請求項31の記載が訂正前の請求項26の記載を引用する記載であったものを、請求項間の引用関係を解消し、請求項26の記載を引用しないものとした。 (イ)訂正事項5-2 プルタブが、未開封の形態において下面が下に向かって突出し、かつ上面が下方に右上に向かって凹むように突出する突部を含む、金属シートからなるプレス成形品であることを特定した。 (ウ)訂正事項5-3 訂正前の請求項31に特定のなかった、二次元コードが前記プルタブの下面側に突出する突部に設けられることを限定した。 (エ)訂正事項5-4 二次元コードのサイズを「6mm×6mm以下」から「5mm×5mm以下」に限定した。 イ 訂正の目的について (ア)訂正事項5-1 訂正事項5-1の訂正は、請求項間の引用関係を解消し、請求項26の記載を引用しないものとし、独立形式請求項へ改めるための訂正であって、特許法120条の5第2項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正である。 (イ)訂正事項5-2 訂正事項5-2の訂正は、プルタブが、未開封の形態において下面が下に向かって突出し、かつ上面が下方に右上に向かって凹むように突出する突部を含む、金属シートからなるプレス成形品である点を限定したものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものといえる。 (ウ)訂正事項5-3 訂正事項5-3の訂正は、二次元コードが前記プルタブの下面側に突出する突部に設けられることを限定したものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものといえる。 (エ)訂正事項5-4 訂正事項5-4の訂正は、二次元コードのサイズを「6mm×6mm以下」から「5mm×5mm以下」に限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものといえる。 (オ)前記(ア)~(エ)より、訂正事項5は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮及び同条同項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正である。 ウ 実質上の拡張・変更の有無 (ア)訂正事項5-1 訂正事項5-1の訂正は、独立形式請求項へ改めるための訂正であるから、特許請求の範囲の実質的な変更を伴うものでない。 (イ)訂正事項5-2 訂正事項5-2の訂正は、プルタブが、未開封の形態において下面が下に向かって突出し、かつ上面が下方に右上に向かって凹むように突出する突部を含む、金属シートからなるプレス成形品である点を限定したものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものということはできない。 (ウ)訂正事項5-3 訂正事項5-3の訂正は、二次元コードが前記プルタブの下面側に突出する突部に設けられることを限定したものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものということはできない。 (エ)訂正事項5-4 訂正事項5-4の訂正は、二次元コードのサイズを「6mm×6mm以下」から「5mm×5mm以下」に限定するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものということはできない。 (オ)前記(ア)~(エ)において検討したように、訂正事項5は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものということはできず、特許法第120条の5第9項の規定により準用する特許法第126条第6項の規定に適合する。 エ 新規事項の追加の有無 (ア)訂正事項5-1 訂正事項5-1の訂正は、独立形式請求項へ改めるための訂正であるから、特許請求の範囲の実質的な変更を伴うものでなく、新規事項を追加する訂正ではない。特許法第120条の5第9項の規定により準用する特許法第126条第5項の規定に適合する。 (イ)訂正事項5-2 a 訂正事項5-2の訂正は、プルタブが、未開封の形態において下面が下に向かって突出し、かつ上面が下方に右上に向かって凹むように突出する突部を含む、金属シートからなるプレス成形品である点を限定したものである。 b 願書に添付した明細書の段落【0043】には、「図6に示すように、レーザーマーキングプロセスは、タブプレスに入る前のタブストックコイルに行うことができる。レーザーマーキングによって生成されたイメージに対してタブを正確に形成するために、公知の方法を使用してマーク付けされたコイルを位置合わせすることができる。従って、図6のタブプレスの生産物はマーク付きタブとなる。本明細書で用いる場合、用語「コイル」はコイル状に巻かれた金属ストックを呼び、ロールから切断された平らな金属シートを包含する。」と記載されており、金属シートをプレス成形するというを含む成形手段を含む成型手段により、本件発明に係るタブが成形されることが読み取れる。 c 本件明細書の段落【0030】において、「DRTエンド」として知られる本件図面の【図1B】及び【図1C】並びに「Stollエンド」として知られる本件図面の【図1D】及び【図1E】を参照する。プルタブが、未開封の形態で下面となる【図1E】の手前側の面が開封後手前側に突出し、未開封の形態で上面となる【図1D】の手前側の面が【図1D】の奥側に凹むように突出する突部が掲載されている実施形態が示されているから、訂正事項5-2の訂正は、新規事項を追加するものでない。 (ウ)訂正事項5-3 訂正事項5-3の訂正は、二次元コードが前記プルタブの下面側に突出する突部に設けられることを限定したものである。本件特許明細書及び図面において、前記(イ)で示した箇所においては、二次元コードが前記プルタブの下面側に突出する突部に設けられることが視認できる。したがって、前記ア(ウ)の訂正は、新規事項を追加するものでない。 (エ)訂正事項5-4 訂正事項5-4の訂正は、二次元コードのサイズを「6mm×6mm以下」から「5mm×5mm以下」に限定するものである。本件特許明細書の段落【0024】には、「機械読取コードのサイズは、少なくとも2mm×2mm又は少なくとも3mm×3mmであることが好ましく、少なくとも4mm×4mmであり5mm×5mm以下であることがより好ましい。機械読取コードは、14×14のモジュールを有するマトリクスバーコードであることが好ましい。」と記載されており、補正後の5mm×5mmも記載されているから、前記ア(エ)の訂正は、新規事項を追加するものでない。 (オ)前記(ア)~(エ)において検討したように、訂正事項5は、特許法第120条の5第9項の規定により準用する特許法第126条第5項の規定に適合する。 (6)訂正事項6について ア 訂正の目的について 訂正事項6は、明らかな誤記と推認できる請求項32の「前記中欧パネル」を「前記中央パネル」に訂正するものであり、特許法第120条の5第2項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものといえる。 イ 実質上の拡張・変更の有無 前記アのとおり、訂正事項6は、明らかな誤記を訂正するものであるから、訂正事項6は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものということはできず、特許法第120条の5第9項の規定により準用する特許法第126条第6項の規定に適合する。 ウ 新規事項の追加の有無 (ア)特許法第120条の5第9項の規定により準用される特許法第126条第5項括弧書きの規定では、誤記または誤訳の訂正を目的とする訂正に関しては、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(外国語特許出願に係る特許においては外国語書面)に記載した事項の範囲内においてしなければならないと規定されている。 (イ)特許法第184条の19の規定により、外国語特許出願の場合は、「外国語書面」を「国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲、図面」と読み替えることから、以下、本件特許の国際出願に関する国際公開第2013/049313号を参照する。 (ウ)上記国際公開の7頁の段落[0041]には、「・・・End14 includes a center panel20 and chuckwall22.・・・」(当審訳)「・・・缶エンド14は、中央パネル20とチャック壁22を含む。・・・」と記載されており、訂正事項6は、新規事項を追加するものではない。 (エ)したがって、訂正事項6は、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項の規定に適合する。 (7)別の訂正単位とする求め 特許権者は、本件訂正後の請求項31については、当該請求項の訂正が認められる場合には、一群の請求項の他の請求項とは別途訂正することを請求した。 (8)一群の請求項について ア 訂正事項1~5に係る訂正前の請求項26~34について、請求項27~34は、それぞれ請求項26を引用しているものであって、訂正事項1~2によって記載が訂正される請求項26に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前の請求項26~34は、特許法120条の5第4項に規定する一群の請求項である。 イ ただし、上記(4)において検討したように、訂正後の請求項31は、独立請求項になったため、訂正後の一群の請求項は、請求項〔26-30、32-34〕である。 3 小括 以上のとおり、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号ないし第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、及び、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、訂正後の請求項〔26-30、32-34〕、31について訂正を認める。 第3 異議申立てにについて 1 本件発明 前記第2で検討したとおり、本件訂正は認められるから、訂正後の請求項26~34に係る発明(以下「本件発明26」~「本件発明34」という。)は、訂正特許請求の範囲に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。 「【請求項26】 (i)缶エンドが密封された未開封の形態と、(ii)缶エンドを缶体に付加した後に前記缶の中味にアクセスできる開封した形態と、を有することができる缶エンドであって、前記缶エンドは、 缶エンドシェル及びプルタブであって、前記プルタブは、カールされた縁部を含む外周を構成し、前記プルタブは、金属シートよりなるプレス成形品であり、前記プルタブは、前記未開封の形態において前記缶エンドシェルの中央パネルに略平行の向きであり、前記プルタブは、前記プルタブの端部を持ち上げて前記中央パネルの切込み線を破断することによって部分的に垂直な位置に操作することができ、それにより前記開封した形態を達成する、プルタブと、 前記タブの構造本体の下面に配置され、缶エンドが開封した形態にあるときに手持ち型無線通信デバイスで読み取ることができ、5mm×5mm以下のサイズの二次元コードと、を備える、 ことを特徴とする缶エンド。 【請求項27】 前記コードのサイズは、少なくとも2mm×2mmである、請求項26に記載の缶エンド。 【請求項28】 前記コードのサイズは、少なくとも3mm×3mmである、請求項26に記載の缶エンド。 【請求項29】 前記コードのサイズは、少なくとも4mm×4mmである、請求項26に記載の缶エンド。 【請求項30】 前記コードは、14×14のモジュールを有するマトリクスバーコードである、請求項26に記載の缶エンド。 【請求項31】 (i)缶エンドが密封された未開封の形態と、(ii)缶エンドを缶体に付加した後に前記缶の中味にアクセスできる開封した形態と、を有することができる缶エンドであって、前記缶エンドは、 缶エンドシェル及びプルタブであって、前記プルタブは、カールされた縁部を含む外周を構成し、前記プルタブは、前記未開封の状態において下面が下方に向かって突出し、かつ上面が下方に向かって凹むように突出する突部を含む、金属シートからなるプレス成形品であり、前記プルタブは、前記未開封の形態において前記缶エンドシェルの中央パネルに略平行の向きであり、前記プルタブは、前記プルタブの端部を持ち上げて前記中央パネルの切込み線を破断することによって部分的に垂直な位置に操作することができ、それにより前記開封した形態を達成する、プルタブと、 前記タブの構造本体の下面において前記突部上に配置され、缶エンドが開封した形態にあるときに手持ち型無線通信デバイスで読み取ることができ、5mm×5mm以下のサイズの二次元コードと、を備える、 ことを特徴とする缶エンド。 【請求項32】 前記コードは、構造本体、及び、前記中央パネルに連結されたヒンジ部分から本質的になる前記タブに配置される、請求項26に記載の缶エンド。 【請求項33】 前記タブの構造本体の下面は、覆われておらず、それによって、缶エンドが開封した形態にあるときに、前記タブの構造本体の下面に配置された二次元コートが読取可能になる、請求項26に記載の缶エンド。 【請求項34】 前記コードは、マトリクスバーコード及びQRコード(登録商標)のいずれか一方である、請求項26に記載の缶エンド。」 2 取消理由(決定の予告)の概要 (1)平成31年3月27日付の取消理由通知(決定の予告)の概要は以下のとおりである。なお、当該取消理由通知(決定の予告)には、特許異議申立書に記載した特許異議申立理由はすべて含まれている。 (2)本件発明26~本件発明34は、本件優先日前日本国内または外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、本件優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、または、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。 <引用文献一覧> ア 特開2011-16546号公報(以下「引用文献1」という。) イ 特表2001-513475号公報(以下「引用文献2」という。) ウ 特公平2-27223号公報(以下「引用文献3」という。) エ 実公昭63-33804号公報(以下「引用文献4」という。) オ 実公昭61-19057号公報(以下「引用文献5」という。) カ 特開2001-4412号公報(以下「引用文献6」という。) キ 特開2004-268258号公報(以下「引用文献7」という。) ク 特開2005-316977号公報(以下「引用文献8」という。) ケ 米国特許第4387827号明細書(以下「引用文献9」という。) コ 米国特許第4361251号明細書(以下「引用文献10」という。) サ 米国特許第6868627号明細書(以下「引用文献11」という。) 3 引用文献の記載事項 (1)引用文献1には、次の記載がある。 ア 段落【0043】 「本発明によれば、以下のような優れた効果を発揮する。これらはいずれも従来技術では不可能であったことである。」 イ 段落【0044】 「図1に示すプルタブの裏に二次元コードを表示することがもたらす特長は 1)不正利用防止に有効である。 2)開缶後でなければ読み取れない。 3)飲用後に読み取る操作になるように構成ができている。 4)飲用後に読み取る様にした構成は人間の行動形式に合致している。 5)二次元コードを飲用のタイミングに合わせて隠蔽と開示を自在にできる。 6)上記のようになるように構成したら、省資源、省エネ、リサイクル性能が向上した。」 ウ 段落【0045】 「プルタブと印字場と二次元コードとレーザマーカと管理コードで構成され、 1)缶胴に二次元コードを隠蔽と露出を可能な構造にしたラベルを添付する場合や、缶蓋上面側に二次元コードを設置し、プルタブで隠蔽すると言う方法の場合に対して、プルタブに固定され若しくは一体成形した印字場に二次元コードを設置する、としている。 2)プルタブ下に指を入れて引起す動作を開始すれば、引き上げ角度が約15度程度でスコア線に沿って缶蓋9に裂断が始まり、同時に「プシュー」又は「カパーッ」などの音響を発する。 3)同時に15度前後以上引き越すと、容器は非可逆的な形状の変化を起し、それに伴って内容物が溢出する。 4)しかし、この角度では携帯端末5で二次元コード2を読み取ることは出来ない。 5)未購入者は音響まで防止することは出来ないので、店内で二次元コードだけを読み取る不正行為を確実に防止出来るようになった。 6)不正に二次元コードを読み取ろうとして、リベットを旋回の中心にしてプルタブを旋回させて読み取ろうとしても、プルタブの本来の開缶動作に必要なトルクが損なわれ開缶できない。開缶せずには二次元コードが露出することは無く、読み取ることは出来ない。これは本発明の印字場がプルタブと固定され若しくは一体成形に形成されている効果である。 7)この発明によるプルタブによって、購入者以外は二次元コードが読み取れなくなった。 8)購入者でも、開缶しなければ二次元コードを読み取れない構造になったので、購入者が確実に開缶し飲用した直後の購入者の評価をアンケート収集できるようになった。 9)印字場とプルタブは固定され若しくは一体成形されて印字場はプルタブ裏に設置されているので、印字場は購入者に100%見えず、当然、二次元コードも100%購入者に見えない。見えたとしても携帯端末で読み取ることは出来ない。 10)少なくともプルタブを100度以上引き上げないと、スムーズに読み取ることは出来ない構造とした結果、二次元コードの表示は開缶後となった。 ・・・ 16)印字場とプルタブを同一素材にすることで素材の利用効率がよくなり、資源が有効に利用できるようになり、リサイクル効率が向上し製作コストの低減に有効となった。 17)レーザマーカで印字するようにした結果、プルタブの板金素材である金属に直接印字できるようになった。 18)板金素材で一体成形するようにしたから、レーザマーカで印字できて、同一の板金素材に、隠蔽される二次元コードと常時開示される管理コードを同時に印字できるようになった。 19)その結果、開缶動作の後に見える(内部データ)と常時みえる(外部データ)のデータに同値性を保証することが出来るようになった。 20)前記内部データと前記外部データ(管理コード)を同値にして使用できるから、メーカとして必要な単品管理などが行えるようになった。」 エ 段落【0052】以下、実施例1 (ア)段落【0055】 「図1は、開口部が開口され、缶蓋上面と対向した位置のプルタブ裏の印字場に二次元コードが印字され、携帯端末に読み取れる角度までプルタブが引起された飲料缶の概容の斜視図である。」 (イ)段落【0056】 「図1の符号1は印字場を、符号2は二次元コードを、符号4はプルタブ本体を、符号8はリベットを、符号9は缶蓋本体を、符号10は缶胴をそれぞれ示している。」 (ウ)段落【0057】 「印字場はプルタブに固定され若しくは一体成型されており、プルタブを引き起こして開缶操作を行った場合にのみ、印字場に印字された二次元コードの全体像が露出し読取り可能となる。」 (エ)段落【0058】、【0059】 「図2は、図1のように開缶される前の缶蓋の平面図である。 図3はプルタブを開口部の真上まで折り返した図である。プルタブと印字場が固定され若しくは一体成形されている事がわかる。携帯端末で読み取りやすい状態は本来この状態である。」 (オ)段落【0064】 「図3はプルタブを開口部の上180度まで折り返した図である。プルタブと印字場が固定され若しくは一体成形されている事を示している。符号1は印字場を、符号2は二次元コードを、符号4はプルタブ本体を、符号7は開口部を、符号8はリベットを、符号10は缶胴を、符号11は折り曲げ線を、符号70はシールをそれぞれ示している。」 (カ)段落【0065】 「図4-Aは、図5-Aに基づいて製作した完成プルタブ表(おもて)面の平面図である。符号4はプルタブ本体を、符号8Aはリベット穴を、符号21は半月穴を、符号22は舌形部を、符号24は指穴を、符号25は爪掛部を、符号17は管理コード表示部をそれぞれ示している。」 (キ)段落【0067】 「図4-Bは図4-Aの裏(うら)面の平面図である。印字場境界線12はリベットの取り付け作業に支障ない位置に印字場1があることを示す。符号1は印字場を、符号2は二次元コードを、符号4はプルタブ本体を、符号8Aはリベット穴を、符号12印字場境界線を、符号26はかしめ端部を、符号70はシールをそれぞれ示している。」 (ク)段落【0068】 「図5-Aは、本発明のプルタブの成形加工前の基本的な平面図である。符号2は二次元コードを、符号8Aはリベット穴を、符号11は折り曲げ線を、符号13は第1成形型部を、符号14は第2成形型部を、符号15は輪郭帯を、符号16は輪郭帯渡り部を、符号17は管理コード表示部を、符号70はシールを示している。第1成形型部と第2成形型部、印字場と印字される二次元コード、板金素材から第1成形型部と第2成形型部が切り出されても板金素材本体とは輪郭帯渡り部で接続されている、印字場の幅がプルタブより広い、管理コード表示部はどこに位置しても良いし缶蓋に取り付けたときに常時目視できることなどの関係を表している。」 (ケ)「【0070】 図13-1~5はプルタブと印字場と二次元コードが固定され若しくは一体成形される工程を示す。 【0071】 図13-1は板金素材上に二次元コードの印字区画を計算して、加えて塗装区画を確定させることを示す。 【0072】 印字区画とは二次元コードを印字する位置。 【0073】 塗装区画とは、携帯端末の二次元コード認識率向上のために、二次元コードを印字する位置を含めた区画を、予め黒色に塗装した区画を言う。塗装区画と印字区画の中心点は同じである。塗装する色は黒色に限定しない、レーザマーカで印字した時に明暗差が大きく表現され、携帯端末が二次元コードとし認識し、読み取れれば他の色でも構わない。概して濃い色はこの目的に適う。 【0074】 図13-2は確定した塗装区画に塗装し、二次元コードを印字したことを示す。印字後、請求項2記載のシール70を板金素材面全面又は適所に部分的に貼ってから、後段の切り出し工程に進めてもよい。 【0075】 図13-3は印字した二次元コードの位置を基準にして、第1成形型部と第2成形型部を輪郭帯で切り出し加工したことを示す。この時点では板金素材は平板である。リベット穴、半月穴、指穴は貫通している。 【0076】 図13-4は第1成形型部と第2成形型部を平板の下の位置まで押し下げてから、第1成形型部を成形し、第2成形型部を第1成形型部の下に折り曲げた図である。第2成形型部の一部(印字場境界線)が半月穴21に被って見え、適正に密接している事が解る。 【0077】 図13-5は第1成形型部と第2成形型部が密接し押圧されて一体となり、第2成形型部の左右両端部が,第1成形型部の両端を包み、かしめた図である。これで所期のプルタブは完成した。後は取り付けを待つ。」 オ 段落【0082】 「図2では二次元コードがプルタブと固定され若しくは一体成形されているために、二次元コードは100%露出しておらず、缶飲料の購入者は購入時点で二次元コードを見ることはない。若しくはその一部が見えたとしても携帯電話等を用いて読取ることは不可能である。」 カ 段落【0083】 「図2において、プルタブ下に指を入れて引起す動作を開始すれば、引き上げ角度が約15度程度でスコア線に沿って缶蓋9に裂断が始まり、同時に「プシュー」又は「カパーッ」などの音響を発する。容器は非可逆的形状の変化を起し、それに伴って内容物が溢出する。」 キ 段落【0084】~【0086】 「購入者は引き上げ角度15度前後、内容物が溢出する時点でもまだ二次元コードを目にすることは無い。 飲むことが出来る角度(引き上げ角度30度前後)まで引き上げれば、飲み、飲みきるのが人間の行動原理に適っている。 この角度では、まだ携帯端末で読み取ることは出来ない。」 ク 段落【0087】~【0089】 「二次元コードが読み取りやすい角度(引き上げ角度110度前後)までプルタブを引き上げたままで飲む人はいない。プルタブが上唇にあたって不快である。 故に、本発明の二次元コードのついた缶飲料は、開缶後でなければ読み取れず、飲用後でなければ読み取らない事が解る。 こうしてみれば、本発明のプルタブを取り付けた缶の特徴「開缶が先、読み取るのは後」ということが理解される。」 ケ 段落【0249】 「・・・ 7)二次元コードの表示サイズが大きすぎても、小さすぎても、携帯端末の読み取り能力が対応しきれない。 8)撮影モードで「遠近」の切り替えが出来ないと、二次元コードの表示サイズが大きすぎても、小さすぎても、画像として適切な読み取り画像サイズに収まらず、焦点合わせが出来ず、携帯端末が二次元コードとして解析できない。これら二次元コードの特徴を踏まえて、印字する必要がある。」 コ 段落【0282】 「二次元コードを高速で印字する場合に何が課題か。 1)二次元コードを小さくすることが望ましい。 2)同一サイズならば、二次元コードの印字密度を上げないことが望ましい。」 サ 段落【0350】~【0352】 「第三次印字テストについて。 印字条件は、黒塗装の板金素材(以後黒生地と呼ぶ)と、印字サイズを6X6MM(B-6と呼ぶ)、7X7MM(B-7と呼ぶ)、8X8MM(B-8と呼ぶ)、9X9MM(B-9と呼ぶ)、10X10MM(B-10と呼ぶ)、の5つに区分した。 エンコードされるデータ量は、60桁と80桁と、更に少ないものを準備した。」 シ 段落【0355】~【0356】 「一番知りたい情報は、「携帯端末で読み取れて、且つ、印字速度の速い条件は何か。」 結論は、YVO4レーザマーカを使用し、黒塗装生地の板金素材に、帯状の白地(以後区画帯と呼ぶ)があり、データ量が少ないものが、印字速度が速くほぼ1個につき約0.6秒平均で印字され、携帯端末での読み取り率もよく、実用に提供できる、と結論付けることが出来た。」 ス 段落【0357】~【0362】 「推奨できる二次元コードについて。 二次元コードの印字サイズは6~10mm角でよい。 6~10mm角の二次元コードを印字した場合印字速度が速く、マーカの生産性が一番高い。 6~10mm角で印字するのが、印字場1に印字するコストが一番安い。 プルタブの幅(短い方の辺)は12mm前後あり、本発明の印字場1を十分収納する位置が確保できる。 6~10mm角なら、平滑な歪のない平面スペースを印字場1に確保でき、4種類の印字場1の取り付け方法も支障なく選択して実施できる。」 セ 図面の簡単な説明、段落【0437】 (ア)【図1】 「【図1】は開口部が開口され、缶蓋上面と対向した位置のプルタブ裏の印字場に二次元コードは印字されており、携帯端末に読み取りやすい角度までプルタブが引起されていることを示す斜視図である。プルタブと固定され若しくは一体成形されている印字場に印字された二次元コードは図1のようにしか開示できない。」 (イ)【図2】 「【図2】は図1のように開缶される前の缶蓋の平面図である。水平面でプルタブをリベットを旋回の中心にして、左右90度以上旋回させて、開缶しようとしてもプルタブがスコア線に正しく作用しないことが示唆される。」 (ウ)【図3】 「【図3】はプルタブを開口部の上180度まで折り返した図である。プルタブと印字場が固定され若しくは一体成形されている事を示している。」 (エ)【図4-A】 「【図4-A】は実施例1で記述する図5-Aに基づいて製作した本発明の基本的なプルタブの完成品の表(おもて)面の平面図である。」 (オ)【図4-B】 「【図4-B】は図4-Aの裏(うら)面の平面図である。印字場境界線12はリベットの取り付け作業に支障ない位置に印字場1があることを示す。」 (カ)【図5-A】 「【図5-A】は、実施例1で記述する本発明の基本図である。第1成形型部と第2成形型部の関係、印字場と二次元コードの印字される関係、板金素材から第1成形型部と第2成形型部が切り出されても板金素材本体とは接続されている関係、印字場のかしめ端部がプルタブより幅が広いことの関係などを表している。」 (キ)【図5-C】 「【図5-C】は、第1成形型部の下に第2成形型部を折り返し、印字場とプルタブ本体が背中合わせに密接していることを示す図5-AのE-E断面図を示す。」 (ク)【図13-1】 「【図13-1】は板金素材上での工程を簡略に説明するために単品製造工程として表示したものである。板金素材上に印字区画を計算し、塗装区画が確定したことを示す。」 (ケ)【図13-2】 「【図13-2】は確定した塗装区画に、塗装を行い、塗装面上に二次元コードを印字したことを示す。」 (コ)【図13-3】 「【図13-3】は印字した二次元コードの位置を基準にして、第1成形型部と第2成形型部を輪郭帯で切り出し加工したことを示す。これで図5-Aが出来上がった。この時点では板金素材は平板である。」 (サ)【図13-4】 「【図13-4】は第2成形型部を第1成形型部の下に折り曲げた加工した図である。第2成形型部の一部の端部は半月穴21に被って見える。」 (シ)【図13-5】 「【図13-5】は第2成形型部の両端部を,第1成形型部の両端を包んでかしめめた図である。」 ソ 図面 (ア)【図1】 「 」 (イ)【図2】 「 」 (ウ)【図3】 「 」 (エ)【図4-A】 「 」 (オ)【図4-B】 「 」 (カ)【図5-A】 「 」 (キ)【図5-C】 「 」 (ク)【図13-1】 「 」 (ケ)【図13-2】 「 」 (コ)【図13-3】 「 」 (サ)【図13-4】 「 」 (シ)【図13-5】 「 」 (2)引用文献2には、次の記載がある。 ア 段落【0005】 「本発明に係われば、コンテナー端部で使用するための新規な形態を有するプルタブコンテナー開封装置が提供される。従来のプルタブは、鼻部と指を受けるためのリング形状の摘み部とがタブの装着ポイントの所でコンテナーに取着されている開封タブデザインである。そして、このタブは、2つのリングを形成するように打ち抜かれ、かつタブの下にカールされた端部を有するシート材の片により形成されている。この従来のデザインは、タブの重量を最初にし、また、最大の強度となるように意図されている。」 イ 段落【0006】 「・・・本発明のタブは、カールされたエッジを有してもカールされないエッジを有しても良い。」 (3)引用文献3には、次の記載がある。 ア 発明の名称 「レバータブつきイージーオープン缶蓋とレバータブの成形法」 イ 第2頁右欄8~10行 「一般にタブの剛性は肉厚のアルミニウムタブ材料を使用し、材料の端縁をカールさせてタブのリム部を形成することによって高くする。」 ウ 第4頁右欄42行~第5頁左欄1行 「タブのブランクは、個々に次のプレス台に供給され、ここでブランクの端縁部を折り曲げ加工してタブのリム部を形成する。」 エ 第5頁右欄9~11行 「第1図は本発明の実施態様を示す缶蓋の平面図を示す。第2図は第1図の線2-2に沿って切断した部分破断拡大断面図である。」 オ 第1図 「 」 カ 第2図 「 」 (4)引用文献4には、次の記載がある。 第4頁左欄11~15行 「このタブは、0.47mm(0.0185インチ)のタブ材料から成形され、カールした縁部を持っている。このように形成されたタブは十分に強くて、タブを変形させることなく注ぎ開けることができる。」 (5)引用文献5には、次の記載がある。 第2頁右欄20~22行 「タブ14の全周縁部は従来タブと同様にカールされていて開口操作中にタブの周縁部が屈曲しない構成であり、・・・」 (6)引用文献6には、次の記載がある。 ア 【請求項1】 「測定機器に関する情報を二次元コード化し、この二次元コードを前記測定機器の本体表面に表示することを特徴とする測定機器の情報管理方法。」 イ 明細書の段落【0012】 「【発明の実施の形態】 以下、本発明を用いた好適な実施の形態について図面を用いて説明する。なお、全図中において同一符号を付したものは同一構成要素を表わしている。 図1に本発明に係るダイヤルゲージ1を示す。ダイヤルゲージの文字板2上に業界で標準的に使われているQRコードと呼ばれる二次元コード3を表示する。この二次元コードの大きさは3mm角程度の大きさで白黒のパターンで描画される。この二次元コード(QRコード)の拡大図を図2に示す。」 (7)引用文献7には、次の記載がある。 ア 段落【0001】 「本発明は表面に情報コードが刻印された積層材料及び情報コードの観察方法、特に透明材料層に情報コードを形成した場合の情報読み取り性能の改良に関する。」 イ 段落【0034】 「コードの書き込みはレーザーマーキング法によって行った。上記の透明材料層の表面にCO2レーザーマーカー(LSS-S050VAH (株)堀内電機製作所製)によってレーザーを照射し、半径約100μm、深さ約50μmの凹部を形成し、凹凸コードを印字した。凹凸コードは、マトリックス方式(英数字30文字を4.0mm角で書きこみ)の二次元コードを用いた。」 (8)引用文献8には、次の記載がある。 ア 段落【0031】 「・・・情報コードが2次元コードなどのようにコードの大きさをできるだけ小さくすることおよびその中でさらに情報量を増やすためにセルサイズが小さくなり、かつ、複雑化している。情報コード読み取り機能付き携帯電話などで撮影した際に、カメラのCCDの画素数、焦点などに起因する撮影機器の分解能、また撮影条件などにより分解能が甘くなり、情報コードのバー画像やセル画像を映像情報として明白に確認できないおそれがある。「商品情報コード印刷インキ」を用いるバーやセルのサイズの印刷はできるだけ大きいほうが誤認あるいは確認不能といったミスが少なくなり、また撮影に際して焦点を合わせ易く、使用に便利である。QRコードのセルサイズの大きさ、およびバーコードのバー、マージンの線の太さ、中でも特に基準になる最も細い線の太さについて、大きさを変えて、情報コード読み取り機能付き携帯電話での認識性を調べた。」 イ 段落【0033】 「 」 (9)引用文献9 引用文献9には、次の記載がある。当審訳を併記する。 ア 明細書第2欄59行~第3欄7行 「Referring again to FIG. 1, the closure 10 further comprises an opening tab 24. The opening tab 24 is attached to the wall 12 by a fastening means which preferably comprises a rivet 26 extending through a portion of the opening tab 24. The rivet 26 is preferably a cylindrical hollow rivet defined by the wall 12 and an integral part thereof. The opening tab 24 includes a handle portion 28 and a forward portion 30. The opening tab 24 is adapted to pivot about a fulcrum at rivet 26 such that when the handle portion 28 is lifted, the forward portion 30 is depressed, thereby depressing the pour opening panel 16 into the interior of the container about the hinge region 22 (FIG. 3). To facilitate the lifting of the handle portion 28 with the fingers, the wall 12 preferably includes a depression 32 in the vicinity of the handle portion 28 so as to permit entry of either the fingers or an object thereunder.」 「再び図1を参照すると、端部閉鎖部材10は、開口タブ24を含む。開口タブ24は、好ましくは開口タブ24の一部を貫通して伸びるリベット26を含む固定手段によって壁12に取り付けられる。リベット26は、好ましくは中空の円筒状であり、壁12と他の部品を一体化する。開口タブ24は、ハンドル部分28と前方部分30とを含む。開口タブ24は、リベット26を軸として回動可能に取り付けられており、ハンドル部分28が持ち上げられると前方部分30が押し下げられ、それによって、注ぎ口パネル16がヒンジ領域22の辺りの容器の内部空間に移動することになる。指でハンドル部分28を持ち上げるのを容易にするために、壁12は、好ましくは、ハンドル部分28の近くに指などの進入を可能にするためのくぼみ32を含む。」 イ 図1(Fig.1)及び図2(Fig.2) 「 」 ウ 図4(Fig.4) 「 」 (10)引用文献11 引用文献11には、次の記載がある。当審訳を併記する。 ア 請求項10(Claim10) 「A method for conveying an order signal, said method comprising the steps of: providing a first beverage container including an upper end wall, the upper end Wall including a tear portion; providing a tab pivotally supported by said upper end wall of said first beverage container at a connection point; providing a visual indicia supported by said tab and configured to indicate a request for a second beverage container; pivoting said tab upwardly into a position substantially perpendicular to said upper end wall for contacting said tear portion and providing an opening within said first beverage container; pivoting said tab downwardly into a position substantially parallel to said upper end wall; removing beverage from said first beverage container so that said first beverage container is substantially empty; pivoting said tab upwardly into a position substantially perpendicular to said upper end wall of said first beverage container; and conveying an order signal comprising said request for a second beverage container by pivoting said tab upwardly into said position substantially perpendicular to said upper end wall and thereby displaying said visual indicia.」 「注文情報を伝達するための方法であって、前記方法は、次のステップを含む。 切り裂き部分を含む上端部壁を含む第1の飲料容器を供給するステップ、 前記第1の飲料容器のの前記上端部壁には、タブをその接続点において回動可能に支持させるステップ、 前記タブによって支持され、第2の飲料容器に対する要求を示すように構成された視覚的なしるしを供給するステップ、 前記引き裂き部分と接触し、前記第1の飲料容器に開口部を提供するために、前記タブを前記上端部壁に対して実質的に垂直な位置まで情報に回動させるステップ、 前記タブを前記上端部壁と実質的に平行な位置まで下方に回動させるステップ、 前記第1の飲料容器が実質的に空になるように前記第1の飲料容器から飲料を取り出すステップ、 前記タブを前記第1の飲料容器の前記上端部壁に対して実質的に垂直な位置まで情報に回動させるステップ及び 前記タブを前記上端部壁に実質的に垂直な前記位置に上方に回動させられていることにより、前記視覚的なしるしを表示することによって、第2の飲料容器に対する前記要求を含む注文信号を伝達するステップ。」 イ 公報第3欄50~54行(行数には、空行を含む) 「FIG. 5 is a perspective view of another illustrative embodiment of an easy opening can container in accordance with the present invention, illustrating the lower surface of the tab pivotally moved into substantially perpendicular disposition with the upper end wall;」 「図5は、本発明による易開封缶容器の別の例示的実施形態の斜視図であり、タブの下面が上端壁と実質的に垂直な配置になるように回動されているのを示している。」 ウ 公報第6欄24~31行 「Referring further to FIG. 5 , a further illustrative embodiment of the invention is shown wherein the visual indicia 15 resulting from the modification or shaping of the tab 4 is supported on the lower surface 16 of the tab 4. As such, the signal effected by the indicia 15 of tab 4 is only viewable when the tab 4 is placed into substantially perpendicular disposition with the upper end wal 3a of the can container 1.」 「図5を参照すると、本発明の他の実施例が示されており、そこではタブ4の改良または成形から生じる視覚的なしるし15がタブ4の下面16上に支持されている。それゆえ、タブ4の視覚的なしるし15は、タブ4が缶容器1の上端部壁3aと実質的に垂直な位置にあるときにだけ見ることができる。」 エ 図5(Fig.5) 「 」 第4 判断 1 引用発明について 引用文献1の前記第3、4(1)エに摘記した実施例1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「缶蓋9が開缶する前の状態と缶の内容物が溢出する状態とを有することができる缶蓋9であって、 缶蓋9は、開口部7を形成するスコア線を有し、かつプルタブ4を備えており、プルタブ4は、開缶する前の缶蓋と平行な状態から、プルタブ4の下に指を入れて引き起こす動作を開始すれば、引上げ角度が約15度程度でスコア線に沿って缶蓋に裂断が始まり、その後、プルタブ4は、缶蓋9に対して略垂直に立った状態にすることができ、これにより缶蓋9を開缶することができ、 プルタブ4の裏に、缶蓋9が開缶した状態にあるときに、携帯端末で読み取ることができるように、6~10mm角の二次元コード2を備える缶蓋9であって、 プルタブの二次元コードの形成された第2成形型部は、プルタブ本体を形成する第1成形型部の長手方向に延長して形成され、プルタブの下に折り返しされて、二次元コードとプルタブ本体とは、背中合わせに密着している缶蓋9。」 2 本件発明26についての検討 (1)対比 ア 引用発明と本件発明26とを対比する。 イ 引用発明における「缶蓋9」、「プルタブ4」、「スコア線」、「携帯端末」は、本件発明26における「缶エンド」、「プルタブ」、「切り込み線」、「手持ち型無線通信デバイス」にそれぞれ相当する。 ウ また、引用発明の「プルタブの二次元コードの形成された第2成形型部は、プルタブ本体を形成する第1成形型部の長手方向に延長して形成され、プルタブの下に折り返しされて、二次元コードとプルタブ本体とは、背中合わせに密着している」構成は、引用文献1の【図5-C】の断面図からみて、折り返した部分でカールされているから、「プルタブは、縁部がカールされた縁部を含む外周を構成している」ということができる。 (2)一致点・相違点について ア 一致点 そうすると、本件発明26と引用発明とは、 「(i)缶エンドが密封された未開封の形態と、(ii)缶エンドを缶体に付加した後に前記缶の中味にアクセスできる開封した形態と、を有することができる缶エンドであって、前記缶エンドは、 缶エンドシェル及びプルタブであって、前記プルタブは、カールされた縁部を含む外周を構成し、前記プルタブは、前記未開封の形態において前記缶エンドシェルの中央パネルに略平行の向きであり、前記プルタブは、前記プルタブの端部を持ち上げて前記中央パネルの切込み線を破断することによって部分的に垂直な位置に操作することができ、それにより前記開封した形態を達成する、プルタブと、 缶エンドが開封した形態にあるときに手持ち型無線通信デバイスで読み取ることができ、 二次元コードと、を備える缶エンド。」 である点で一致する。 イ 相違点 本件発明26と引用発明とは、次の3点で一応相違する。 (ア)相違点1 二次元コードの位置に関して、本件発明26においては「タブの構造本体の下面に配置され」るのに対して、引用発明においては、プルタブの下面の第2成形型部に表示されており、これが構造本体といえるかどうか明らかでない点。 (イ)相違点2 二次元コードのサイズに関して、本件発明26では、「5mm×5mm以下のサイズ」であるのに対して、引用発明においては、「6~10mm角」である点。 (ウ)相違点3 プルタブに関して、本件発明26では、「金属シートよりなるプレス成形品」であるのに対して、引用発明においては、その点が不明である点。 (3)相違点についての判断 ア 相違点1について (ア)引用文献1の前記第3、4(1)エ(ケ)の段落【0077】に「図13-5は第1成形型部と第2成形型部が密接し押圧されて一体となり、第2成形型部の左右両端部が,第1成形型部の両端を包み、かしめた図である。」と記載されているように、引用発明における第1成形型部と第2成形型部とは、一体となるのであるから、引用発明における二次元コードが表示される第2成形型部も構造本体と呼べるものである。 (イ)したがって、相違点1は実質的な相違点ではない。 イ 相違点2について (ア)二次元コードのサイズを変更しようとすることは、当業者(その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者)が容易に行い得ることにすぎない。 (イ)引用発明に対して、引用文献6に記載の3mm角程度の二次元コード及び引用文献7に記載の4mm角の二次元コードを利用することが困難であるということはできない。 (ウ)引用文献1に接した当業者は、「6~10mm角」という二次元コードのサイズは、前記3(1)コ~スに摘記した引用文献1の発明者による実験を前提として定められていることが読み取れる。すなわち、引用文献1において用いられた引用文献1の発明者が所有する携帯電話の性能等の条件に依存しており、その条件を変更すれば、最適な二次元コードのサイズは当然に変化することは認識できる。引用文献1の「6~10mm角」を変更しようとすることに阻害要因があるということはできない。 (エ)相違点2は、引用文献6、7に記載された事項に基いて容易に想到し得ることである。 ウ 相違点3について (ア)「金属シートよりなるプレス成形品」について 前記第2、2(1)ウにおいて検討したように、「金属シートよりなるプレス成形品」とは、金属シートをプレス成形手段により成形された成形品であると解される。(一般にプレス成形には、打ち抜き加工、曲げ加工、絞り加工、これらの組み合わせが含まれるところ、前記打ち抜き加工は、プレス機械を用いて型抜きし、金属板から所定の形状を切り出す加工を意味する。) (イ)前記3(1)エ(ク)に摘記した「板金素材から第1成形型部と第2成形型部が切り出されても板金素材本体とは輪郭帯渡り部で接続されている」という記載事項から、板金素材が「金属シート」に相当し、「切り出される」が「プレス成形」に相当する。 (ウ)そうすると、引用発明におけるタブも、前記(ア)で解釈したように、板金素材よりなるプレス成形手段により成形された成形品であるといえるから、相違点3は実質的な相違点ではない。 エ 作用効果の相違について (ア)前記ア~ウより、相違点1及び3は、実質的な相違点でないから、本件発明26と引用発明との作用効果上の相違は、相違点2に基づくものである。 (イ)二次元コードのサイズを、引用発明の「6~10mm角」から、本件発明26の「5mm×5mm以下」に変更することによって、予測できない作用効果上の差異が生ずるということはできない。 オ 小括 前記ア~ウより、相違点1及び3は、実質的な相違点でなく、相違点2については、引用文献6、7に記載された事項から当業者が容易に想到し得ることである。そして、前記エより、予測できない作用効果上の相違が生ずるといえないから、本件発明26は、引用発明及び引用文献6、7に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができた発明である。 (4)予備的検討 ア 前記(1)~(3)での検討は、本件発明26における「カールされた縁部を含む外周を構成」という発明特定事項が、縁部の一部でもカールされている場合も包含すると解して、引用発明との一致点としたが、縁部の全部がカールされている場合であると解すると、以下の相違点が存在することになる。 イ 相違点4 タブの外周に関して、本件発明26においては、外周がカールされているのに対して、引用発明においては、外周の一部のみがカールされている点。 ウ 検討 前記第3、4(3)~(5)に摘記した引用文献3~5には、タブ外周の全部をカールさせることが記載されており、上記相違点3は、本件優先日前にタブにおける周知技術であったと認められる。したがって、仮に相違点4が存在しても、本件発明26は、引用発明、引用文献6、7に記載された事項及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。 3 本件発明27、28に対して 本件発明27、28における二次元コードのサイズは、引用文献6、7に記載されており、本件発明26と同じ理由により、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない発明である。 4 本件発明29についての検討 本件発明29における二次元コードのサイズは、引用文献7に記載されており、本件発明26と同じ理由により、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない発明である。 5 本件発明30、34についての検討 二次元コードは、マトリクスバーコードであることは、技術常識である。 何行何列にモジュールを構成するかは、当業者が適宜定め得ることであるから、14×14のモジュールとすることも当業者が適宜選択可能である。 6 本件発明32についての検討 引用発明における第2成形型部が、第1成形型部と一体化することは、前記第4、2(3)アにおいて検討したとおりであるから、引用発明におけるタブは、構造本体及びヒンジ部からなっているといえ、新たな相違点を生じないから、本件発明32は、本件発明26と同じ理由により、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない発明である。 7 本件発明33についての検討 引用発明においても、第1成形型部と第2成形型部が一体化した構造本体の下面は覆われていないから、本件発明33は、本件発明26と同じ理由により、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない発明である。 8 本件発明31についての検討 (1)本件発明31と引用発明を対比する。 (2)一致点・相違点 ア 一致点 上記2(1)と同様に、本件発明31と引用発明とは次の点で一致する。 「(i)缶エンドが密封された未開封の形態と、(ii)缶エンドを缶体に付加した後に前記缶の中味にアクセスできる開封した形態と、を有することができる缶エンドであって、前記缶エンドは、 缶エンドシェル及びプルタブであって、前記プルタブは、カールされた縁部を含む外周を構成し、前記プルタブは、前記未開封の形態において前記缶エンドシェルの中央パネルに略平行の向きであり、前記プルタブは、前記プルタブの端部を持ち上げて前記中央パネルの切込み線を破断することによって部分的に垂直な位置に操作することができ、それにより前記開封した形態を達成する、プルタブと、 缶エンドが開封した形態にあるときに手持ち型無線通信デバイスで読み取ることができ、 二次元コードと、を備える缶エンド。」 イ 相違点 本件発明31と引用発明とは次の3点で一応相違する。 (ア)相違点31-1 二次元コードの位置に関して、本件発明31においては前記プルタブは、「前記未開封の状態において下面が下方に向かって突出し、かつ上面が下方に向かって凹むように突出する突部」(以下「本件突部」という。)を含み、そして二次元コードは「タブの構造本体の下面において前記突部上に配置され」るのに対して、引用発明においては、プルタブの下面の第2成形型部に表示されている点。 (イ)相違点31-2 二次元コードのサイズに関して、本件発明31では、「5mm×5mm以下のサイズ」であるのに対して、引用発明においては、「6~10mm角」である点。 (ウ)相違点31-3 プルタブに関して、本件発明31では、「金属シートよりなるプレス成形品」であるのに対して、引用発明においては、その点が不明である点。 (3)相違点についての判断 ア 相違点31-3について 前記相違点31-3は、前記2(2)イ(ウ)における本件発明26との相違点3と同じである。そして、前記2(3)ウと同様に相違点31-3は実質的な相違点ではない。 イ 相違点31-1及び相違点31-2について (ア)相違点31-1に係る本件発明31の構成、すなわち本件突部を設けることは、前記第2、2(5)エ(イ)cで指摘したとおり特許権者も認識している「DRTエンド」及び「Stollエンド」が備える構成であったと認められる。また、引用文献9及び11にも記載されている。 (イ)前記3(10)ウ~エに摘記したように引用文献11には、本件突部に視覚的なしるしを設けることも記載されている。 (ウ)しかしながら、引用発明は、6~10mm×6~10mm各の二次元コードを表示する場所を確保するために、第2成形型部を設ける構成であるから、二次元コードを表示する場所を確保できるとは限らない本件突部の下面について、二次元コードの表示場所として使用すべく、5mm×5mm以下の二次元コードに限って設けるようにすることには、動機づけがなく、当業者であっても容易に想到し得ることとはいえない。 ウ 小括 以上から、本件発明31は、引用発明及び引用文献9、11に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができた発明ということはできない。また、他に進歩性を欠くという証拠も見当たらない。 第5 むすび 以上のとおり、本件発明26~30、32~34は、引用発明及び引用文献5、6に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。そうすると、本件発明26~30、32~34に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。したがって、本件発明26~30、32~34に係る特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。 また、本件発明31に係る特許は、取消理由通知(決定の予告)及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては取り消すことはできない。さらに、他に本件発明31に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2018-700295

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ当事者の審決29件(クラウン パッケイジング テクノロジー インコーポレイテッド、伊澤 武登)
  • 2025-700276異議申立 / 2026-01-30 / 維持造粒物及び造粒物の製造方法
    同じ当事者: 伊澤 武登
  • 2024-700870異議申立 / 2025-11-06 / 訂正認容建具
    同じ当事者: 伊澤 武登
  • 2024-700888異議申立 / 2025-09-02 / 請求成立(取消)建具
    同じ当事者: 伊澤 武登
  • 2022-701229異議申立 / 2024-06-27 / 訂正認容照明具及び照明装置
    同じ当事者: 伊澤 武登
  • 2023-701236異議申立 / 2024-03-26 / 維持止水装置
    同じ当事者: 伊澤 武登
同じ根拠条文の審決7,823件(特許法113条2号、特許法29条2項)
  • 2025-700690異議申立 / 2026-04-10 / 請求成立(取消)二重容器、及びその分別方法
    共通の条文: 特許法113条2号、特許法29条2項
  • 2023-701299異議申立 / 2025-09-25 / 請求成立(取消)カバーテープおよび電子部品包装体
    共通の条文: 特許法113条2号、特許法29条2項
  • 2022-700038異議申立 / 2023-03-15 / 請求成立(取消)断熱容器用積層体、断熱容器、断熱容器用積層体の製造方法、および断熱容器の製造方法
    共通の条文: 特許法113条2号、特許法29条2項
  • 2020-700683異議申立 / 2022-11-25 / 請求成立(取消)植物由来ポリエチレンを用いた包装材用シーラントフィルム、包装材用積層フィルム、お…
    共通の条文: 特許法113条2号、特許法29条2項
  • 2019-700762異議申立 / 2022-03-15 / 請求成立(取消)ポリオレフィン樹脂フィルム
    共通の条文: 特許法113条2号、特許法29条2項
同じ論点・分野の審決(審決分類)1,342件(113・B65D、121・B65D)
  • 2025-700690異議申立 / 2026-04-10 / 請求成立(取消)二重容器、及びその分別方法
    共通の審決分類: 113・B65D、121・B65D
  • 2025-700255異議申立 / 2026-01-29 / 訂正認容カバーテープおよび電子部品包装体
    共通の審決分類: 113・B65D、121・B65D
  • 2025-700465異議申立 / 2025-12-11 / 訂正認容ポリエステル容器及びポリエステルプリフォーム
    共通の審決分類: 113・B65D、121・B65D
  • 2025-700022異議申立 / 2025-11-07 / 訂正認容電子部品包装用カバーテープおよび電子部品包装体
    共通の審決分類: 113・B65D、121・B65D
  • 2024-700315異議申立 / 2025-10-24 / 訂正認容電子レンジ用パウチ
    共通の審決分類: 113・B65D、121・B65D

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存