特許訂正審判
2018-390129
潤滑剤組成物及び転がり軸受
- 審判番号
- 2018-390129
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2012-108714外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2018年08月30日
- 審決日
- 2018年11月12日
- 公報発行日
- 2019年02月22日
- 結論
- 訂正認容
- 分類
- P141 .851-Y (C10M) / P141 .852-Y (C10M) / P141 .853-Y (C10M) / P141 .854-Y (C10M) / P141 .855-Y (C10M) / P141 .841-Y (C10M)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法126条1項2号特許法126条1項3号特許法126条5項特許法126条7項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第7項、特許法第36条第4項第1号、特許法第126条第3項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第5884628号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第5884628号の明細書、特許請求の範囲及び図面を、本件審判請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲及び図面のとおり訂正することを認める。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本件訂正審判に係る特許第5884628号(以下、「本件特許」という。)についての出願は、平成24年5月10日に出願され、その請求項1~2に係る発明について、平成28年2月19日に特許権の設定登録がされたものであり、その後、平成30年8月30日に特許権者日本精工株式会社(以下、「請求人」という。)より、本件特許に対して本件訂正審判の請求(以下、「本件訂正請求」という。)がなされたものである。
第2 請求の趣旨、訂正の内容
本件訂正審判の請求の趣旨は、本件特許の明細書、特許請求の範囲及び図面を、本件審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲及び図面のとおり訂正することを認める、との審決を求めるというものであり、その訂正事項は以下のとおりである。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1の「N-2-エチルヘキシサノイル-L-グルタミン酸ジブチルアミド」との記載を、「N-2-エチルヘキサノイル-L-グルタミン酸ジブチルアミド」に訂正する(請求項1の記載を直接的に引用する請求項2も同様に訂正する)。
(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項1の「前記ゲル化剤の含有量が、基油との合計量に対して8~11質量%であり」との記載を、「前記ゲル化剤の含有量が、基油との合計量に対して8~10質量%であり」に訂正し、同請求項1の「降伏応力が1.1×104~1.5×104Paである」との記載を、「降伏応力が1.1×104~1.3×104Paである」に訂正する(請求項1の記載を直接的に引用する請求項2も同様に訂正する)。
(3)訂正事項3
明細書の段落[0006]の「N-2-エチルヘキシサノイル-L-グルタミン酸ジブチルアミド」との記載を、「N-2-エチルヘキサノイル-L-グルタミン酸ジブチルアミド」に訂正し、同段落の「前記ゲル化剤の含有量が、基油との合計量に対して8~11質量%であり」との記載を、「前記ゲル化剤の含有量が、基油との合計量に対して8~10質量%であり」に訂正し、同段落の「降伏応力が1.1×104~1.5×104Paである」との記載を、「降伏応力が1.1×104~1.3×104Paである」に訂正する。
(4)訂正事項4
明細書の段落[0011]の「降伏応力が1.1×104~1.5×104Pa」との記載を、「降伏応力が1.1×104~1.3×104Pa」に訂正し、明細書の段落[0014]の「基油との合計量に対して8~11質量%」との記載を、「基油との合計量に対して8~10質量%」に訂正する。
(5)訂正事項5
明細書の段落[0012]及び[0014]の「N-2-エチルヘキシサノイル-L-グルタミン酸ジブチルアミド」との記載を、「N-2-エチルヘキサノイル-L-グルタミン酸ジブチルアミド」に訂正し、明細書の段落[0027][表1]中の「N-2-エチルサノイル-L-グルタミン酸ジブチルアミド」との記載を、「N-2-エチルヘキサノイル-L-グルタミン酸ジブチルアミド」に訂正する。
(6)訂正事項6
明細書の段落[0027][表1]中の「実施例3」を「参考例3」に訂正し、明細書の段落[0023]、[0028]、[0029]の「実施例1~3」との記載を、「実施例1、2、参考例3」に訂正する。
(7)訂正事項7
図面の[図2]の「本発明の範囲」について、降伏応力の上限「1.5」を示す矢印、直線、及び説明を、以下に示すように、降伏応力の上限「1.3」を示すものに訂正する。
「
」
第3 当審の判断
1.訂正の目的(特許法第126条第1項)について
まず、上記訂正事項1~7に係る本件訂正が、特許法第126条第1項ただし書各号に掲げるいずれの事項を目的とするものか、検討する。
(1)訂正事項1について
訂正前の請求項1には、ゲル化剤の一成分として「N-2-エチルヘキシサノイル-L-グルタミン酸ジブチルアミド」という化合物名が記載されているが、「2-エチルヘキシサノイル」という基が存在しないことは当業者の技術常識に照らして明らかであるから、上記の記載に誤記があることは、それ自体で明らかである。また、本件特許に係る出願の出願日前に、本件発明が属する潤滑剤組成物の技術分野において、「N-2-エチルヘキサノイル-L-グルタミン酸ジブチルアミド」という化合物が、アミノ酸系ゲル化剤の代表的なものとして周知(例えば、特開2011-26432号公報の[0013]、特開2009-114161号公報の[0006]及び国際公開第2013/118921号の[0002]を参照。)であったことを参酌すると、当業者は、上記訂正前の請求項1に記載されたゲル化剤の一成分である化合物が、正しくは「N-2-エチルヘキサノイル-L-グルタミン酸ジブチルアミド」であることを容易に理解する。
そうすると、訂正事項1は、訂正前の請求項1における明らかな誤記を、本来その意であることが明らかな字句に正すものであり、訂正前の記載が当然に訂正後の記載と同一の意味を表示するものと客観的に認められるから、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものである。
また、訂正事項1による請求項2の訂正は、請求項1の訂正に連動して行われるものであるから、当該訂正も特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものといえる。
(2)訂正事項2について
訂正事項2による請求項1の訂正は、訂正前の請求項1に記載されていた基油との合計量に対するゲル化剤の含有量を「8~11質量%」から「8~10質量%」に減縮し、同降伏応力を「1.1×104~1.5×104Pa」から「1.1×104~1.3×104Pa」に減縮するものであるから、いずれも特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、訂正事項2による請求項2の訂正は、請求項1の訂正に連動して行われるものであるから、当該訂正も特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものといえる。
(3)訂正事項3について
訂正前明細書の段落[0006]には、訂正前請求項1及び2と同じ事項が記載されているところ、訂正事項3は、上記訂正事項1及び2による訂正後の特許請求の範囲と、明細書の段落[0006]の記載とが一致せず不明瞭となることを避けるため、同段落の記載を訂正後の請求項1及び2の記載と整合するように訂正するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(4)訂正事項4について
訂正前明細書の段落[0011]には、本件発明の潤滑剤組成物について、降伏応力が「1.1×104~1.5×104Pa」に調整されていることが記載され、訂正前明細書の段落[0014]には、総ゲル化剤量が「基油との合計量に対して8~11質量%」であることが記載されているところ、訂正事項4は、上記訂正事項2による訂正後の請求項1に記載された降伏応力及び総ゲル化剤量と、明細書の段落[0011]に記載された降伏応力及び段落[0014]に記載された総ゲル化剤量とが一致せず不明瞭となることを避けるため、両段落の記載を訂正後の請求項1の記載と整合するように訂正するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(5)訂正事項5について
訂正前明細書の段落[0012]及び[0014]には、ゲル化剤の一成分として「N-2-エチルヘキシサノイル-L-グルタミン酸ジブチルアミド」という化合物名が記載され、訂正前明細書の段落[0027][表1]には、「N-2-エチルサノイル-L-グルタミン酸ジブチルアミド」という化合物名が記載されているが、「2-エチルヘキシサノイル」という基及び「2-エチルサノイル」という基がいずれも存在しないことは当業者の技術常識に照らして明らかであるから、上記の記載に誤記があることは、それ自体で明らかである。また、上記第3 1.(1)「訂正事項1について」に記載したように、本件特許に係る出願の出願日前に、本件発明が属する潤滑剤組成物の技術分野において、「N-2-エチルヘキサノイル-L-グルタミン酸ジブチルアミド」という化合物が、アミノ酸系ゲル化剤の代表的なものとして周知であったことを参酌すると、当業者は、上記訂正前の段落[0012]、[0014]及び[0027][表1]に記載されたゲル化剤の一成分である化合物が、いずれも正しくは「N-2-エチルヘキサノイル-L-グルタミン酸ジブチルアミド」であることを容易に理解する。
そうすると、訂正事項5は、訂正前の段落[0012]、[0014]及び[0027][表1]における明らかな誤記を、本来その意であることが明らかな字句に正すものであり、訂正前の記載が当然に訂正後の記載と同一の意味を表示するものと客観的に認められるから、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものである。
(6)訂正事項6について
訂正前明細書の段落[0027][表1]には、訂正前の請求項1の発明特定事項を充足する実施例1~3が記載されている。特に、実施例3については、訂正前明細書の段落[0023]に、「表1に示すように、基油にゲル化剤または増ちょう剤を配合して潤滑剤組成物を調製した。尚、基油、ゲル化剤及び増ちょう剤の各数値は、基油とゲル化剤との合計量、または基油と増ちょう剤との合計量に対する割合(質量%)である。」と記載されていることを勘案すると、基油とゲル化剤との合計量に対して、ゲル化剤が5.5+5.5=11.0質量%配合された例であり、その降伏応力は1.5×104Paであることが読み取れる。
ここで、上記訂正事項2による訂正後の請求項1に記載された総ゲル化剤量及び降伏応力は、訂正前よりも数値範囲が減縮され、上記表1に記載された「実施例3」の総ゲル化剤量及び降伏応力を含まないことになるから、当該実施態様を「実施例」と表記することは、訂正後の特許請求の範囲の記載と整合せず不明瞭となる。
訂正事項6による段落[0027][表1]の訂正は、上記のように記載が不明瞭となることを避けるため、訂正事項2による特許請求の範囲の訂正と整合するように、「実施例3」を「参考例3」という表記に訂正するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
訂正事項6による、段落[0023]、[0028]、[0029]の「実施例1~3」との記載を、「実施例1、2、参考例3」とする訂正も、同様に、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものといえる。
(7)訂正事項7について
訂正前の図面[図2]は、訂正前明細書の段落[0009]の記載を参酌すると、「実施例で得られた、降伏応力と相対トルクとの関係を示すグラフである」ところ、当該図2には、訂正前明細書の段落[0027][表1]に記載された実施例1~3及び比較例1~5の降伏応力及び相対トルク値に対応する各点が図示されていることが読み取れる。また、「本発明の範囲」として、訂正前の請求項1に記載された降伏応力の要件(1.1×104~1.5×104Pa)を充足する実施例1~3の降伏応力を含む範囲が矢印、直線及び数値で示されており、その上限は実施例3に相当する1.5×104Paとされている。
ここで、上記訂正事項2による訂正後の請求項1に記載された降伏応力は、訂正前よりも数値範囲が減縮され、上記表1に記載された「実施例3」の降伏応力を含まないことになり、具体的には、上記表1に記載された「実施例2」に対応する1.3×104Paが上限となるから、図2における「本発明の範囲」は、訂正後の特許請求の範囲の記載と整合せず不明瞭となる。
訂正事項7による図面[図2]の訂正は、上記のように記載が不明瞭となることを避けるため、訂正事項2による特許請求の範囲の訂正と整合するように、降伏応力の上限が1.3×104Paであることを示すように矢印、直線及び数値の記載を訂正するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
2.新規事項の追加の有無及び特許請求の範囲の拡張又は変更(特許法第126条第5項及び第6項)について
(1)訂正事項1について
上記第3 1.(1)「訂正事項1について」に記載したように、訂正事項1による化合物名の訂正は、当業者にとって明らかな誤記を、本来その意であることが明らかな字句に正すものであり、訂正前の記載が当然に訂正後の記載と同一の意味を表示するものと客観的に認められるから、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲及び図面に記載した事項の範囲内で行われるものである。また、当該訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことも明らかである。よって、訂正事項1は特許法第126条第5項及び第6項に規定する要件に適合するものである。
さらに、訂正事項1による請求項2の訂正は、請求項1の訂正に連動して行われるものであるから、当該訂正も特許法第126条第5項及び第6項に規定する要件に適合するものである。
(2)訂正事項2について
訂正前明細書の段落[0027][表1]には、実施例1として、ゲル化剤がN-2-エチルサノイル-L-グルタミン酸ジブチルアミド(訂正事項5により「N-2-エチルヘキサノイル-L-グルタミン酸ジブチルアミド」に訂正される。)とジベンジリデンソルビトールとを等量ずつ混合したものであり、基油とゲル化剤との合計量に対して、ゲル化剤が4+4=8質量%配合されており、降伏応力が1.1×104Paである例と、実施例2として、上記と同じゲル化剤が5+5=10質量%配合されており、降伏応力が1.3×104Paである例が記載されている。
訂正事項2による訂正後の請求項1に記載されたゲル化剤の含有量及び降伏応力は、上記実施例1を下限とし、上記実施例2を上限とするものであるから、訂正事項2は願書に添付した明細書、特許請求の範囲及び図面に記載した事項の範囲内で行われるものである。また、当該訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことも明らかである。よって、訂正事項2は特許法第126条第5項及び第6項に規定する要件に適合するものである。
さらに、訂正事項2による請求項2の訂正は、請求項1の訂正に連動して行われるものであるから、当該訂正も特許法第126条第5項及び第6項に規定する要件に適合するものである。
(3)訂正事項3について
上記第3 1.(3)「訂正事項3について」に記載したとおり、訂正事項3は、訂正事項1及び2による特許請求の範囲の訂正と整合するように、訂正前明細書の段落[0006]の記載を訂正するものである。そこで、訂正事項1及び2についての検討を踏まえると、訂正事項3も願書に(最初に)添付した明細書、特許請求の範囲及び図面に記載した事項の範囲内で行われるものといえる。また、当該訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことも明らかである。よって、訂正事項3は特許法第126条第5項及び第6項に規定する要件に適合するものである。
(4)訂正事項4について
上記第3 1.(4)「訂正事項4について」に記載したとおり、訂正事項4は、訂正事項2による特許請求の範囲の訂正と整合するように、訂正前明細書の段落[0011]及び[0014]の記載を訂正するものである。そこで、訂正事項2についての検討を踏まえると、訂正事項4も願書に添付した明細書、特許請求の範囲及び図面に記載した事項の範囲内で行われるものといえる。また、当該訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことも明らかである。よって、訂正事項4は特許法第126条第5項及び第6項に規定する要件に適合するものである。
(5)訂正事項5について
上記第3 1.(5)「訂正事項5について」に記載したように、訂正事項5は、訂正前の段落[0012]、[0014]及び[0027][表1]における化合物名の明らかな誤記を、本来その意であることが明らかな字句に正すものであり、訂正前の記載が当然に訂正後の記載と同一の意味を表示するものと客観的に認められるから、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲及び図面に記載した事項の範囲内で行われるものである。また、当該訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことも明らかである。よって、訂正事項5は特許法第126条第5項及び第6項に規定する要件に適合するものである。
(6)訂正事項6について
上記第3 1.(6)「訂正事項6について」に記載したとおり、訂正事項6は、訂正事項2による特許請求の範囲の訂正と整合するように、訂正前明細書の段落[0027][表1]、[0023]、[0028]及び[0029]の記載を訂正するものである。そこで、訂正事項2についての検討を踏まえると、訂正事項6も願書に添付した明細書、特許請求の範囲及び図面に記載した事項の範囲内で行われるものといえる。また、当該訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことも明らかである。よって、訂正事項6は特許法第126条第5項及び第6項に規定する要件に適合するものである。
(7)訂正事項7について
上記第3 1.(7)「訂正事項7について」に記載したとおり、訂正事項7は、訂正事項2による特許請求の範囲の訂正と整合するように、訂正前の図面[図2]に示された矢印、直線及び数値の記載を実施例1及び2の記載に基づいて訂正するものである。そこで、訂正事項2についての検討を踏まえると、訂正事項7も願書に添付した明細書、特許請求の範囲及び図面に記載した事項の範囲内で行われるものといえる。また、当該訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことも明らかである。よって、訂正事項7は特許法第126条第5項及び第6項に規定する要件に適合するものである。
3.独立特許要件(特許法第126条第7項)について
(1)訂正事項1及び5について
上記第3 1.(1)及び同(5)に記載したように、訂正事項1及び5による化合物名の訂正は、いずれも当業者にとって明らかな誤記を、本来その意であることが明らかな字句に正すものであり、訂正前の記載は当然に訂正後の記載と同一の意味を表示するものと客観的に認められるから、訂正により独立特許要件の適否について見直すべき新たな事情は存在しない。また、訂正事項1及び5による訂正により、特許法第36条第4項第1号及び第6項に規定する要件を満たさなくなるものでもないことも明らかである。よって、訂正事項1及び5は、いずれも特許法第126条第7項に規定する要件に適合するものである。
(2)訂正事項2について
上記第3 1.(2)及び同2.(2)に記載したように、訂正事項2による訂正後の特許請求の範囲に記載された事項により特定される請求項1~2に係る発明は、いずれも発明特定事項を訂正前よりも限定するものであるから、独立特許要件の適否について見直すべき新たな事情は存在しない。また、訂正事項2による訂正により、特許法第36条第4項第1号及び第6項に規定する要件を満たさなくなるものでもないことも明らかである。よって、訂正事項2は特許法第126条第7項に規定する要件に適合するものである。
(3)訂正事項3、4、6及び7について
上記第3 1.「訂正の目的(特許法第126条第1項)について」において検討したとおり、これらの訂正事項は、いずれも特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるから、特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。
なお、本件訂正審判の請求の趣旨は、上記第2のとおりであり、特許権全体に対して訂正審判を請求する場合に該当するから、特許法第126条第3項及び第4項の規定に適合するか否かについての検討は不要である。
第4 むすび
以上のとおり、本件訂正請求に係る訂正事項1~7は、特許法第126条第1項ただし書第1号、第2号又は第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、いずれも同条第5項から第7項に規定する要件に適合するものである。
よって、結論のとおり決定する。
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