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特許訂正審判

2021-390187

苗の移植装置

審判番号
2021-390187
法域
特許
審判種別
訂正審判(訂正の審決)
出願番号
特願2020-521844
登録番号
6733074
請求日
2021年12月03日
審決日
2022年02月24日
公報発行日
2022年05月27日
結論
訂正認容
当事者
  • 【請求人】有限会社 アイエムエイ
  • 【請求人代理人】塩田 康弘
審判長/審判官
  • 審判長 長井 真一
  • 審判官 住田 秀弘
  • 審判官 奈良田 新一
分類
P141 .851-Y (A01G) / P141 .852-Y (A01G) / P141 .853-Y (A01G) / P141 .854-Y (A01G) / P141 .855-Y (A01G) / P141 .856-Y (A01G)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第6733074号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 特許第6733074号の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。

理由

理 由 1 手続の経緯 本件訂正審判の請求に係る特許第6733074号(以下「本件特許」という。)は、令和1年5月16日に国際出願として出願され、令和2年7月10日にその特許権の設定登録がされ、その後、令和3年12月3日に本件訂正審判が請求されたものである。 2 訂正の趣旨及び訂正の内容 本件訂正審判の請求は、本件特許の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書及び特許請求の範囲の通り訂正することを認める、との審決を求めるものであって、その請求に係る訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、以下のとおりである。(下線は訂正箇所を示す。) (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1の 「前記フレームに鉛直軸回りに回動自在で、昇降自在に支持され、」を、 「前記フレームに鉛直軸回りに回動自在、且つ昇降自在で、前記苗トレイ側への前進と前記苗トレイからの後退が自在に支持され、」と訂正する。 請求項1を引用する訂正後の請求項2、3、5についても同様に訂正する。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項1の 「前記保持部材は前記苗床の最も外周側に配列し、前記単位苗床が隣接しない側面を有するいずれか1個、もしくは複数個の単位苗床を前記単位苗床の前記側面側から前記単位苗床の幅方向に保持して前記苗床から分離させる」を 「前記保持部材は前記苗床の最も外周側に配列し、前記単位苗床が隣接しない開放した側面を有するいずれか1個、もしくは複数個の単位苗床を、前記保持部材と向き合う前記単位苗床の前記開放した側面の幅方向両側から保持して前記苗床から分離させ、そのまま前記単位苗床を前記水耕パネルの前記孔上に降下させて前記孔内に挿入し(2-1)、 前記保持部材は前記フレームに鉛直軸回りに回動自在に支持されたアームに支持される本体部と、この本体部に、先端部が開閉自在に支持された一対の把持爪とを備え(2-2)、 前記一対の把持爪は開放状態で、前記保持部材が前記苗トレイ側へ前進したときに、前記単位苗床の開放した前記側面側から前記単位苗床の幅方向両側の、隣接する前記単位苗床間に差し込まれ、そのまま閉鎖して前記単位苗床を幅方向に挟み込んで保持し(2-3)、 前記一対の把持爪は前記保持部材が前記苗トレイから後退したときに、保持している前記単位苗床を前記苗床から分離させて離脱させる(2-4)」と訂正する。 請求項1を引用する訂正後の請求項2、3、5についても同様に訂正する。 (上記「(2-1)」~「(2-4)」は、請求人が訂正事項2を分説するために付したものである。) (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項3を 「前記拘束部材は前記フレームに、前記保持部材による前記単位苗床の分離の方向に交差する方向にスライド自在に支持され、前記保持部材による前記単位苗床の分離時に、この分離させられる単位苗床以外の部分の位置に移動させられることを特徴とする請求項2に記載の苗の移植装置。」と訂正する。 (4)訂正事項4 特許請求の範囲の請求項4を削除する。 (5)訂正事項5 特許請求の範囲の請求項5を 「前記把持爪を支持した一対の支持材が互いに距離を置き、前記本体部に、互いに線対称状態に回転可能に軸支され、前記一対の支持材はいずれかの向きに回転したときに前記一対の把持爪が互いに接近し、前記一対の支持材が復帰したときに前記一対の把持爪が互いに遠ざかることを特徴とする請求項1に記載の苗の移植装置。」と訂正する。 (6)訂正事項6(訂正事項6-1~6-5) 明細書の段落【0008】を 「請求項1に記載の苗の移植装置は、個別に苗が植えられ、互いに分離し得る単位苗床が平面上、二方向に配列して構成された苗床を支持し、フレームに支持された苗トレイと、 前記フレームに支持され、前記苗トレイ上の前記単位苗床の移植先となり、前記単位苗床が納まる孔が形成された水耕パネルと、 前記フレームに鉛直軸回りに回動自在で、昇降自在、且つ昇降自在で、前記苗トレイ側への前身と前記苗トレイからの後退が自在に支持され、前記苗トレイ上の単位苗床を前記苗床から分離させて保持し、前記水耕パネルの前記孔内に前記保持している単位苗床を挿入し、離脱させる保持部材とを備え(6-1)、 前記保持部材が、前記苗床の最も外周側に配列し、前記単位苗床が隣接しない開放した側面を有するいずれか1個、もしくは複数個の単位苗床を、前記保持部材と向き合う前記単位苗床の前記開放した側面の幅方向両側から保持して前記苗床から分離させ、そのまま前記単位苗床を前記水耕パネルの前記孔上に降下させて前記孔内に挿入し(6-2)、 前記保持部材は前記フレームに鉛直軸回りに回動自在に支持されたアームに支持される本体部と、この本体部に、先端部が開閉自在に支持された一対の把持爪とを備え(6-3)、 前記一対の把持爪は開放状態で、前記保持部材が前記苗トレイ側へ前進したときに、前記単位苗床の開放した前記側面側から前記単位苗床の幅方向両側の、隣接する前記単位苗床間に差し込まれ、そのまま閉鎖して前記単位苗床を幅方向に挟み込んで保持し(6-4)、 前記一対の把持爪は前記保持部材が前記苗トレイから後退したときに、保持している前記単位苗床を前記苗床から分離させて離脱させる(6-5)ことを構成要件とする。」と訂正する。 (上記「(6-1)」~「(6-5)」は、請求人が訂正事項6を分説するために付したものである。) (7)訂正事項7 明細書の段落【0010】を 「苗床7は保持部材5に保持される前には図2に示すように各単位苗床71の苗に水分を供給する役目を持つ容器状等の苗トレイ3上に配置されている。単位苗床71が移植先の水耕パネル4上に移動させられるときには、苗トレイ3は保持部材5が一度に保持する目標の移植単位となる1個、もしくは複数個の単位苗床71以外の残りの単位苗床71を元の位置に留める働きもする。」と訂正する。 (8)訂正事項8 明細書の段落【0012】を 「単位苗床71が苗トレイ3上で保持部材5に保持されるときに、保持される単位苗床71は他の(残りの)単位苗床71(苗床7)から分離させられる。保持部材5による単位苗床71の保持(把持)は具体的には、図6-(a)の状態から(b)に示すようにアーム8に支持される本体部51に開閉自在に支持される一対の把持爪52、52の閉鎖操作によりなされる(請求項1)。」と訂正する。 (9)訂正事項9 明細書の段落【0013】を 「保持部材5は苗トレイ3上で保持した単位苗床71を保持したまま、鉛直軸回りにいずれかの向きに回転(回動)すると共に、鉛直方向に(鉛直軸に沿って)降下し、水耕パネル4上で保持している単位苗床71を水耕パネル4に形成された孔41内に挿入し、保持している単位苗床71を切り離す。保持部材5による単位苗床71の切り離し(離脱)は図6-(b)の状態から(a)に示すように上記一対の把持爪52、52の開放操作によりなされる(請求項1)。保持部材5の降下とその後の上昇は例えばアーム8に回動自在に支持された鉛直軸となるロッド9が伸縮することにより、またはアーム8に対してロッド9が昇降することにより操作される。」と訂正する。 (10)訂正事項10 明細書の段落【0020】を 「一対の把持爪52、52の閉鎖により単位苗床71を保持する場合(請求項1)で言えば、図7、図8に示すように単位苗床71が隣接しない側面(正面)側から、保持部材5が目標の単位苗床71に向かって直線運動(前進)して接近し、開放している(距離を置いている)一対の把持爪52、52が隣接する単位苗床71、71間に差し込まれる。そのまま、図9に示すように一対の把持爪52、52が閉鎖(互いに接近)することにより保持すべき単位苗床71を幅方向に保持(把持)する状況になる。以下、「単位苗床71の幅方向」は単位苗床71が例えば直方体である場合に、単位苗床71の、単位苗床71が隣接しない側面に直交する面が対向する方向を意味する。但し、単位苗床71の形状は直方体に限らず、多角柱状、円柱状等、任意の形状に形成される。」と訂正する。 (11)訂正事項11 明細書の段落【0029】を 「保持部材5は具体的にはフレーム2に鉛直軸回りに回動自在に支持されたアーム8に支持される本体部51と、本体部51に、先端部が開閉自在に支持された一対の把持爪52、52を備える(請求項1)。「鉛直軸回りに回動自在」とは、例えば前記したロッド9の軸回りに、モータ等の駆動装置の動作により本体部51が正負の向きに回転することを言う。」と訂正する。 3 当審の判断 (1)訂正事項1 ア 訂正の目的について 訂正事項1のうち、訂正前の「保持部材」の「フレーム」に対する「支持」の態様について、「鉛直軸回りに回転自在で、昇降自在に」であったものを、「鉛直軸回りに回転自在、且つ昇降自在で、」と訂正することは、「鉛直軸回りに回転自在」であることと「昇降自在」であることとの両方の態様を備えることを強調するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 また、訂正事項1のうち、同じく「前記苗トレイ側への前進と前記苗トレイからの後退が自在」であることを加える訂正は、上記態様について、「前記苗トレイ側への前進と前記苗トレイからの後退が自在」なものに限定を加える訂正であるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 特許請求の範囲の拡張、変更の有無について 訂正事項1は、上記アのとおり、明瞭でない記載の釈明及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、請求項1に係る発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当しない。よって、訂正事項1は、特許法第126条第6項に適合する。 ウ 新規事項の追加について 本件特許明細書の段落【0011】に、「フレーム2に鉛直軸回りに回動自在に支持されたアーム8等に支持される保持部材5」と記載され、段落【0014】に、「保持部材5が単位苗床71を保持する前の状態からの、保持部材5の苗トレイ3上の目標となる単位苗床71への移動(前進)、及び保持部材5による目標の単位苗床71の保持の動作はアーム8等に内蔵された、またはアーム8等に接続されたコントローラからの指令に基づいて操作される。更に単位苗床71を保持したままの保持部材5の水耕パネル4への移動(後退と回転及び降下)、並びに水耕パネル4上での単位苗床71の切り離しと苗トレイ3への復帰(回転と上昇)の動作もコントローラからの指令に基づいて操作される。」と記載されていることからみて、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件特許明細書等」という。)のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。 よって、訂正事項1は、本件特許明細書等に記載された事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合する。 (2)訂正事項2 ア 訂正の目的について 訂正事項2は、訂正前の「保持部材」により保持する「単位苗床」の「隣接しない側面」について、該側面が「開放した」ものに限定を加え、該側面の「保持部材」との位置関係について「前記保持部材と向き合う」ものに限定を加え、「保持部材」が「単位苗床」を「幅方向に保持」して「分離させ」ることについて、「幅方向両側から保持」することに限定を加え、 そして、該分離させた後の手順について、 「そのまま前記単位苗床を前記水耕パネルの前記孔上に降下させて前記孔内に挿入し、 前記保持部材は前記フレームに鉛直軸回りに回動自在に支持されたアームに支持される本体部と、この本体部に、先端部が開閉自在に支持された一対の把持爪とを備え、 前記一対の把持爪は開放状態で、前記保持部材が前記苗トレイ側へ前進したときに、前記単位苗床の開放した前記側面側から前記単位苗床の幅方向両側の、隣接する前記単位苗床間に差し込まれ、そのまま閉鎖して前記単位苗床を幅方向に挟み込んで保持し、 前記一対の把持爪は前記保持部材が前記苗トレイから後退したときに、保持している前記単位苗床を前記苗床から分離させて離脱させ」るとの限定を加えるものである。 よって、訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 特許請求の範囲の拡張、変更の有無について 訂正事項2は、上記アのとおり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、請求項1に係る発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当しない。 よって、訂正事項2は、特許法第126条第6項に適合する。 ウ 新規事項の追加について 請求人が分説する(2-1)~(2-4)に分けて検討する。 (ア)(2-1) 本件特許明細書の段落【0016】に、「請求項1における「苗トレイ上の、苗床の最も外周側に配列し、単位苗床が隣接しない側面を有する単位苗床」とは、二方向に配列している単位苗床71からなる苗床7のいずれかの側の、最も外周側に配列(位置)し、単位苗床71が隣接していない側面がある単位苗床71を指す。「単位苗床が隣接しない側面」は開放した側面とも言い換えられる。」と記載され、段落【0019】に、「「単位苗床71の、単位苗床71が隣接しない側面」は保持部材5が単位苗床71を保持しようとするときに保持部材5と単位苗床71が互いに向き合う(対向する)面であるため、以下では「単位苗床71の正面」と言うことがある。」と記載され、段落【0030】には、「一対の把持爪52、52は保持部材5が保持すべき単位苗床71の保持時に、図7に示すように単位苗床71の開放した側面(正面)側から単位苗床71の幅方向両側位置、すなわち図8に示すように単位苗床71の幅方向に隣接している単位苗床71の、隣接する単位苗床71、71間に差し込まれる。一対の把持爪52、52はそのまま、単位苗床71毎に(1個ずつ)幅方向に挟み込み、苗床7(苗トレイ3)から離脱させる。」と記載されていることからみて、訂正事項(2-1)は、本件特許明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。 (イ)(2-2) 本件訂正前の請求項4に、「前記保持部材は前記フレームに鉛直軸回りに回動自在に支持されたアームに支持される本体部と、この本体部に、先端部が開閉自在に支持された一対の把持爪を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の苗の移植装置。」と記載されていることからみて、訂正事項2-2は、本件特許明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。 (ウ)(2-3) 本件特許明細書の段落【0019】に、「保持部材5は図9に示す単位苗床71の保持に先立ち、図7に示すように保持すべき単位苗床71に対向したまま接近する。」と記載され、段落【0020】に、「一対の把持爪52、52の閉鎖により単位苗床71を保持する場合(請求項4)で言えば、図7、図8に示すように単位苗床71が隣接しない側面(正面)側から、保持部材5が目標の単位苗床71に向かって直線運動(前進)して接近し、開放している(距離を置いている)一対の把持爪52、52が隣接する単位苗床71、71間に差し込まれる。そのまま、図9に示すように一対の把持爪52、52が閉鎖(互いに接近)することにより保持すべき単位苗床71を幅方向に保持(把持)する状況になる。」と記載されていることからみて、訂正事項2-3は、本件特許明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。 (エ)(2-4) 本件特許明細書の段落【0030】に、「一対の把持爪52、52は保持部材5が保持すべき単位苗床71の保持時に、図7に示すように単位苗床71の開放した側面(正面)側から単位苗床71の幅方向両側位置、すなわち図8に示すように単位苗床71の幅方向に隣接している単位苗床71の、隣接する単位苗床71、71間に差し込まれる。一対の把持爪52、52はそのまま、単位苗床71毎に(1個ずつ)幅方向に挟み込み、苗床7(苗トレイ3)から離脱させる。」と記載され、段落【0081】に、「一対の把持爪52、52が単位苗床71を保持した図2の状態からは、保持部材5は保持した単位苗床71を苗トレイ3上の苗床7から分離させるために、苗床7に対し、保持部材5が単位苗床71と対向する方向後方側へ直線運動(後退)し、保持部材5が保持した単位苗床71を他の単位苗床71から分離させる。」と記載されていることからみて、訂正事項2-4は、本件特許明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。 (オ)新規事項の追加のまとめ 以上のとおり、訂正事項2は、本件特許明細書等に記載された事項の範囲内の訂正であるから、特許法第126条第5項に適合する。 (3)訂正事項3 ア 訂正の目的について 訂正事項3は、訂正前の請求項3の「前記保持部材による単位苗床の分離時に」との記載の「単位苗床」について、「前記」を加えることで、訂正前の「単位苗床」が、それ以前に記載された「単位苗床」であることを示すことにより、該「単位苗床」を明瞭とする訂正であるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 特許請求の範囲の拡張、変更の有無について 訂正事項3は、上記アのとおり、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであって、請求項3に係る発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当しない。 よって、訂正事項3は、特許法第126条第6項に適合する。 ウ 新規事項の追加について 訂正事項3は、「単位苗床」について、その前に記載された「単位苗床」を意味することを明確にした訂正であるから、本件特許明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではないことは明らかである。 よって、訂正事項3は、本件特許明細書等に記載された事項の範囲内の訂正であるから、特許法第126条第5項に適合する。 (4)訂正事項4 訂正事項4は、請求項4の記載を削除するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、さらに、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当せず、本件特許明細書等に記載された事項の範囲内の訂正であることは明らかであるから、特許法第126条第5項及び第6項に適合する。 (5)訂正事項5 ア 訂正の目的について 訂正前の請求項5は、請求項4の記載を引用し、さらに請求項4は、請求項1乃至3のいずれか1項の記載を引用していたところ、上記(4)の訂正事項4に係る訂正により、請求項4の記載が削除され、さらに上記(2)の訂正事項2の(2-2)に係る訂正により、請求項1に訂正前の請求項4の記載が加えられたことにより、訂正後の請求項5は、実質的に請求項2または請求項3の記載を引用しないものとなったことからみて、訂正事項5は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 特許請求の範囲の拡張、変更の有無について 訂正事項5は、上記アのとおり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、請求項5に係る発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当しない。 よって、訂正事項5は、特許法第126条第6項に適合する。 ウ 新規事項の有無について 上記アのとおり、訂正後の請求項5は、実質的に請求項2または請求項3の記載を引用しないものとなったものであるから、訂正事項5は、本件特許明細書等に記載された事項の範囲内の訂正であることは明らかであり、特許法第126条第5項に適合する。 (6)訂正事項6 訂正事項6は、訂正事項1及び2に係る訂正に伴って、訂正前の明細書の段落【0008】の記載を、訂正後の請求項1の記載に整合させる訂正であるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であることは明らかであるから、特許法第126条第5項及び第6項に適合する。 (7)訂正事項7 明細書の段落【0010】に記載された「複数個の単位苗床71以外の残りの単位苗床71を元に位置に留める働きもする。」における「元に位置」は、「元の位置」の誤記であることが明らかであるから、訂正事項7の「元に位置」を「元の位置」に訂正することは、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである。 そして、当該訂正事項7は、上記のとおり誤記の訂正を目的としたものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当せず、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であることは明らかであり、よって、特許法第126条第5項及び第6項に適合する。 (8)訂正事項8~11 訂正事項8~11は、上記(4)の訂正事項4に係る請求項4の記載の削除、及び上記(2)の訂正事項2(2-2)に係る該請求項4の記載を請求項1に加える訂正に伴って、訂正前の明細書の段落【0012】、【0013】、【0020】、【0029】のそれぞれに記載された「請求項4」を、「請求項1」とすることにより、訂正後の請求項1の記載に整合させる訂正であるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当せず、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であることは明らかであり、よって、特許法第126条第5項及び第6項に適合する。 (9)独立特許要件について 上記(1)、(2)及び(5)で検討したとおり、訂正事項1、2及び5に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 また、上記(7)で検討したとおり、訂正事項7に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである。 そこで、特許法第126条第7項の規定により、訂正後の特許請求の範囲の請求項1ないし3、5に記載された事項により特定される請求項1ないし3、5に係る発明(以下「訂正後発明1」等という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができることが要件となるところ、当該要件について検討すると、訂正後発明1ないし3、5が特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるとする理由は発見しない。 したがって、訂正後発明1ないし3、5は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるから、請求項1ないし3、5についての訂正事項(1)、(2)、(5)及び(7)に係る訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合する。 なお、上記(4)で検討した訂正事項4に係る訂正についても、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、特許法第126条第7項の規定により、訂正後の特許請求の範囲の請求項4に記載された事項により特定される請求項4に係る発明(以下「訂正後発明4」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができることが要件となるところ、訂正後発明4は、訂正事項4に係る訂正により削除されているので、当該要件の判断の対象ではなくなった。 4 むすび 以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号、第2号又は第3号に掲げる事項を目的とするものであって、かつ、同条第5項、第6項及び第7項の規定に適合する。 よって、結論のとおり決定する。

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2021-390187

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