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特許訂正審判

2018-390038

転がり軸受用グリースの製造方法

審判番号
2018-390038
法域
特許
審判種別
訂正審判(訂正の審決)
出願番号
特願2000-234739外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2018年02月28日
審決日
2018年05月10日
公報発行日
2018年08月31日
結論
訂正認容
当事者
審判長/審判官
分類
P141 .851-Y (C10M) / P141 .853-Y (C10M) / P141 .854-Y (C10M) / P141 .855-Y (C10M) / P141 .841-Y (C10M)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法126条1項3号特許法126条5項特許法126条7項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項、特許法第131条の2第1項、特許法第36条第4項第1号、特許法第126条第4項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特許第4566360号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 特許第4566360号の明細書及び特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付された訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本件訂正審判に係る特許第4566360号(以下、「本件特許」という。)についての出願は、平成12年8月2日に出願され、その請求項1~3に係る発明について、平成22年8月13日に特許権の設定登録がされたものである。 その後、平成30年2月28日に特許権者日本精工株式会社及び協同油脂株式会社(以下、「請求人」という。)より、本件特許に対して本件訂正審判の請求(以下、「本件訂正請求」という。)がなされ、その後の手続の経緯は次のとおりである。 平成30年 3月26日付け:訂正拒絶理由通知 平成30年 4月13日  :手続補正書、意見書の提出 第2 訂正拒絶理由の概要 当審が平成30年3月26日付けで請求人に通知した訂正拒絶理由の要旨は、次のとおりである。 1.訂正事項3の訂正は、特許法第126条第1項ただし書各号に掲げるいずれの事項を目的とするものでもないから、同法同条同項に規定する要件に適合しないものである。 2.訂正事項3の訂正は、願書に添付された特許請求の範囲、明細書及び図面(以下、「特許明細書等」という。)に、新たな技術的事項を導入する訂正を含むから、特許法第126条第5項に規定する要件に適合しないものである。 第3 手続補正の適否 1.補正の内容 請求人が平成30年4月13日に提出した手続補正書による補正(以下、「本件補正」という。)は、審判請求書の「(2)訂正事項」から「ウ 訂正事項3」を削除し、「(3)訂正の理由」から「(ウ) 訂正事項3」に関する記載を削除し、審判請求書に添付した訂正明細書の段落[0021]の記載を特許査定時の記載に戻すものである。 2.本件補正についての当審の判断 本件補正による訂正事項3の削除は、審判請求書の要旨を変更するものではない。よって、本件補正は特許法第131条の2第1項の規定に適合するから、本件補正を認める。 そして、当審による上記訂正拒絶理由(第2 1.及び2.)は、いずれも解消した。 第4 請求の趣旨、訂正の内容 本件訂正審判の請求の趣旨は、本件特許の明細書及び特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付した訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるというものであり、その訂正事項は以下のとおりである。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1の「基油全量の30~90質量%を占める量の無極性潤滑油」との記載を、「基油全量の60~85質量%を占める量の無極性潤滑油」に訂正し、同請求項1の「極性基を有する潤滑油を、基油全量の10~70質量%を占める量」との記載を、「極性基を有する潤滑油を、基油全量の15~40質量%を占める量」に訂正する(請求項1を直接又は間接的に引用する請求項2及び3も同様に訂正する)。 (2)訂正事項2 明細書の段落[0010]の「基油全量の30~90質量%を占める量の無極性潤滑油」との記載を、「基油全量の60~85質量%を占める量の無極性潤滑油」に訂正し、同[0010]の「極性基を有する潤滑油を、基油全量の10~70質量%を占める量」との記載を、「極性基を有する潤滑油を、基油全量の15~40質量%を占める量」に訂正する。 第5 当審の判断 1.訂正の目的(特許法第126条第1項)について まず、上記訂正事項1及び2に係る本件訂正が、特許法第126条第1項ただし書各号に掲げるいずれの事項を目的とするものか、検討する。 (1)訂正事項1について 訂正事項1による請求項1の訂正は、訂正前の請求項1に記載されていた基油中の無極性潤滑油の占める量「30~90質量%」を「60~85質量%」に減縮し、同極性基を有する潤滑油の占める量「10~70質量%」を「15~40質量%」に減縮するものであるから、いずれも特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 また、訂正事項1による請求項2及び3の訂正は、請求項1の訂正に連動して行われるものであるから、これらの請求項についての訂正も特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものといえる。 (2)訂正事項2について 訂正事項2は、訂正事項1による訂正後の特許請求の範囲の記載と、明細書の段落[0010]の記載とが一致せず不明瞭となることを避けるため、訂正前の同段落に記載されていた基油中の無極性潤滑油の占める量「30~90質量%」を、訂正事項1に合わせて「60~85質量%」に減縮し、同極性基を有する潤滑油の占める量「10~70質量%」を、訂正事項1に合わせて「15~40質量%」に減縮するものであるから、いずれも特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 2.新規事項の追加の有無(特許法第126条第5項)について (1)訂正事項1について 訂正前の明細書の段落[0045][表1]には、実施例1~3のグリース組成物の配合組成が記載されており、その基油構成については、実施例1は「ポリαオレフィン(60) ポリオールエステル(40)」、実施例2は「ポリαオレフィン(85) ポリオールエステル(15)」、実施例3は「ポリαオレフィン(80) ポリオールエステル(4) アルキルジフェニルエーテル(16)」と記載されている。ここで、「ポリαオレフィン」は、請求項1の「無極性潤滑油」に相当し(段落[0020])、「ポリオールエステル」及び「アルキルジフェニルエーテル」は、請求項1の「極性基を有する潤滑油」に相当する(段落[0012]~[0019])から、実施例1~3は、基油全量中の「無極性潤滑油」の占める量が、それぞれ60質量%、85質量%、80質量%であり、基油全量中の「極性基を有する潤滑油」の占める量が、それぞれ40質量%、15質量%、20質量%である実施例に相当する。 そして、本件発明の課題は、音響耐久性に優れるとともに、軸受トルクの低減を実現し得るグリース組成物を提供すること(段落[0008])であるところ、段落[0046]~[0047]及び図3には実施例2及び3のグリース組成物の高速回転トルク試験を行った結果が記載され、段落[0048]~[0049]及び図5には実施例1のグリース組成物の低速回転トルク試験を行った結果が記載され、段落[0050]及び図6には実施例2に従ってポリオールエステルの配合比率を変えてグリース組成物を調製し、高速回転トルク試験を行った結果が記載され、段落[0051]及び図7には実施例1に従って基油の動粘度を変えてグリース組成物を調製し、低速回転トルク試験を行った結果が記載され、実施例1~3は、いずれも本件発明の課題を解決することが確認されている。 そうすると、本件発明について、訂正前の明細書、特許請求の範囲及び図面には、基油全量中の「無極性潤滑油」の占める量が60質量%~85質量%の範囲であり、基油全量中の「極性基を有する潤滑油」の占める量が15質量%~40質量%の範囲であるグリース組成物が記載されていたといえる。 したがって、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲及び図面に記載した事項の範囲内で行われたものであるから、特許法第126条第5項に規定する要件に適合するものである。 (2)訂正事項2について 訂正事項2は、訂正事項1に合わせて明細書の段落[0010]の記載を訂正するものであるところ(第5 1.(2))、訂正事項1についての上記(第5 2.(1))における検討を踏まえると、訂正事項2も願書に添付した明細書、特許請求の範囲及び図面に記載した事項の範囲内で行われたものといえる。 よって、訂正事項2は特許法第126条第5項に規定する要件に適合するものである。 3.特許請求の範囲の拡張又は変更(特許法第126条第6項)について (1)訂正事項1について 上記(第5 1.(1)及び同2.(1))において検討したとおり、訂正事項1の請求項1についての訂正は、訂正前の請求項1に記載されていた基油全量中の「無極性潤滑油」の占める量及び基油全量中の「極性基を有する潤滑油」の占める量の数値範囲を、願書に添付した明細書、特許請求の範囲及び図面に記載された事項に基づいて減縮したものであり、発明のカテゴリーや対象、目的を拡張し、又は変更するものではないことは明らかである。 よって、訂正事項1による請求項1の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものには該当しないから、特許法第126条第6項に規定する要件に適合するものである。 また、訂正事項1による請求項2及び3の訂正は、請求項1の訂正に連動して行われるものであるから、これらの請求項についての訂正も特許法第126条第6項に規定する要件に適合するものである。 (2)訂正事項2について 訂正事項2は、訂正事項1に合わせて明細書の段落[0010]の記載を訂正するものであるところ(第5 1.(2))、訂正事項1についての上記(第5 3.(1))における検討を踏まえると、訂正事項2も実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものには該当しない。 よって、訂正事項2は特許法第126条第6項に規定する要件に適合するものである。 4.独立特許要件(特許法第126条第7項)について (1)訂正事項1について 訂正事項1による訂正後の特許請求の範囲に記載された事項により特定される請求項1~3に係る発明は、いずれも発明特定事項を訂正前よりも限定するものであるから、独立特許要件の適否について見直すべき新たな事情は存在しない。また、訂正事項1による訂正により、特許法第36条第4項第1号及び第6項に規定する要件を満たさなくなるものでもないことも明らかである。 よって、訂正事項1は、特許法第126条第7項に規定する要件に適合するものである。 (2)訂正事項2について 上記(第5 1.(2))において検討したとおり、訂正事項2は特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるから、特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。 なお、本件訂正審判の請求の趣旨は、上記第4のとおりであり、特許権全体に対して訂正審判を請求する場合に該当するから、特許法第126条第4項の規定に適合するか否かについての検討は不要である。 第6 むすび 以上のとおり、本件訂正請求に係る訂正事項1及び2は、いずれも特許法第126条第1項ただし書第1号又は第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第5項から第7項までの規定に適合するものである。 よって、結論のとおり決定する。

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2018-390038

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