特許訂正審判
2023-390103
しぼ加工樹脂製食器
- 審判番号
- 2023-390103
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2005-142479
- 登録番号
- 4683413
- 請求日
- 2023年08月07日
- 審決日
- 2023年11月13日
- 公報発行日
- 2024年02月22日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】三信化工 株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人愛宕綜合特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 村上 聡
- 審判官 八木 敬太
- 審判官 長馬 望
- 分類
- P141 .851-Y (A47G) / P141 .852-Y (A47G) / P141 .853-Y (A47G) / P141 .854-Y (A47G) / P141 .855-Y (A47G) / P141 .856-Y (A47G)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法126条1項2号特許法126条1項3号特許法126条5項特許法126条6項特許法126条7項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第36条第4項第1号、特許法第126条第7項、特許法第36条第6項第2号、特許法第36条第5項、特許法第2条第3項第1号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第4683413号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第4683413号の明細書、及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書、及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第4683413号は、平成17年5月16日に特許出願され、その請求項1ないし2に係る発明は、平成23年2月18日にその特許権の設定登録がなされたものであって、令和5年8月7日に本件訂正審判が請求された。
第2 請求の趣旨及び訂正の内容
1.請求の趣旨及び訂正の内容
本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第4683413号の特許権全体に対し、明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された、訂正明細書、訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを求めるものであり、その訂正の内容は、以下のとおりである。(審決注:下線部分が訂正箇所である。)
ア 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に「成形食器の内表面積の30%以上に相当する金型表面の全面に、エッチング法によって断面視で滑らかな曲線を描いて凹凸が形成されているしぼ加工した金型を用いて、射出成形法によって成形することによって得られた樹脂製食器。」とあるのを、「上方に拡径すると共に食品が直接収容される積み重ね可能な椀型又は皿型の樹脂製食器において前記樹脂製食器を積み重ねた際に上方の樹脂製食器の糸尻が直接接触する部位を含む内表面積の30%以上に相当する金型表面の全面に、エッチング法によって断面視で滑らかな曲線を描いて凹凸が形成されているしぼ加工した金型を用いて、射出成形法によって皮しぼ又は梨地と呼ばれる凹凸を備えた樹脂製食器を成形する製造方法。」に訂正する。
イ 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2に「前記樹脂が、ポリプロピレン、ポリカーボネートおよびポリエチレンナフタレートから選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂製食器」とあるのを、「前記樹脂製食器を構成する樹脂が、ポリプロピレン、ポリカーボネートおよびポリエチレンナフタレートから選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂製食器を成形する製造方法。」に訂正する。
ウ 訂正事項3
明細書の【発明の名称】に「しぼ加工樹脂製食器」とあるのを、「樹脂製食器を成形する製造方法」に訂正する。
エ 訂正事項4
明細書の段落【0001】に「本発明は、表面がしぼ加工された樹脂製食器に関する。さらに詳しくは表面がしぼ加工され耐傷つき性が改善された樹脂製食器に関する。」とあるのを、「本発明は、表面がしぼ加工された樹脂製食器を成形する製造方法に関する。さらに詳しくは表面がしぼ加工され耐傷つき性が改善された樹脂製食器を成形する製造方法に関する。」に訂正する。
オ 訂正事項5
明細書の段落【0006】に「すなわち本発明は、軽量で割れにくく、形状および品質が均質なものを安価で入手しうるという樹脂製食器の利点を維持しながら、その表面の耐傷つき性が改善された樹脂製食器を提供するものである。」とあるのを、「すなわち本発明は、軽量で割れにくく、形状および品質が均質なものを安価で入手しうるという樹脂製食器の利点を維持しながら、その表面の耐傷つき性が改善された樹脂製食器を成形する製造方法を提供するものである。」に訂正する。
カ 訂正事項6
明細書の段落【0007】に「本発明は、成形食器の内表面積の30%以上に相当する金型表面の全面に、エッチング法によって断面視で滑らかな曲線を描いて凹凸が形成されているしぼ加工した金型を用いて、射出成形法によって成形することによって得られた樹脂製食器を提供する。」とあるのを、「本発明は、上方に拡径すると共に食品が直接収容される積み重ね可能な椀型又は皿型の樹脂製食器において前記樹脂製食器を積み重ねた際に上方の樹脂製食器の糸尻が直接接触する部位を含む内表面積の30%以上に相当する金型表面の全面に、エッチング法によって断面視で滑らかな曲線を描いて凹凸が形成されているしぼ加工した金型を用いて、射出成形法によって皮しぼ又は梨地と呼ばれる凹凸を備えた樹脂製食器を成形する製造方法を提供する。」に訂正する。
キ 訂正事項7
明細書の段落【0008】を削除する。
ク 訂正事項8
明細書の段落【0009】を削除する。
ケ 訂正事項9
明細書の段落【0010】を削除する。
コ 訂正事項10
明細書の段落【0011】に「前記樹脂が、ポリプロピレン、ポリカーボネート及びポリエチレンナフタレートから選ばれた少なくとも1種である前記の樹脂製食器は本発明の好ましい態様である。」とあるのを、「前記樹脂製食器を構成する樹脂が、ポリプロピレン、ポリカーボネートおよびポリエチレンナフタレートから選ばれた少なくとも1種である樹脂製食器を成形する製造方法は本発明の好ましい態様である。」に訂正する。
サ 訂正事項11
明細書の段落【0013】に「本発明は、表面にしぼ加工が施された樹脂製食器を提供するものである。しぼ加工を施すことによって、軽量で割れにくく、形状および品質が均質なものを安価で入手しうるという樹脂製食器の利点を維持しながら、その表面の耐傷つき性が改善された樹脂製食器が提供される。」とあるのを、「本発明は、表面にしぼ加工が施された樹脂製食器を成形する製造方法を提供するものである。しぼ加工を施すことによって、軽量で割れにくく、形状および品質が均質なものを安価で入手しうるという樹脂製食器の利点を維持しながら、その表面の耐傷つき性が改善された樹脂製食器を成形する製造方法が提供される。」に訂正する。
シ 訂正事項12
明細書の段落【0014】に「樹脂製食器において、食器同士が接触して内面に傷が生じ、傷による汚れや食品成分が傷に浸透することによる汚れを生じにくくするという観点からは、少なくとも内表面にしぼ加工を施こすことが好ましい。なお、本発明において「しぼ加工」とは、表面に多数の微細な凹凸を形成させることをいう。本発明のしぼは、通常皮しぼとか梨地と呼ばれる表面の凹凸も含むものである。凹凸のうち滑らかな曲線を描く凹凸は、本発明のしぼのうちでより好ましい態様である。」とあるのを、「樹脂製食器において、食器同士が接触して内面に傷が生じ、傷による汚れや食品成分が傷に浸透することによる汚れを生じにくくするという観点からは、少なくとも内表面にしぼ加工を施す。なお、本発明において「しぼ加工」とは、表面に多数の微細な凹凸を形成させることをいう。本発明のしぼは、通常皮しぼとか梨地と呼ばれる表面の凹凸である。凹凸のうち滑らかな曲線を描く凹凸は、本発明のしぼの態様である。」に訂正する。
ス 訂正事項13
明細書の段落【0015】に「本発明の樹脂製食器は、通常調理済食品を収容して食事に供される器をいい、その目的に使用される形状であれば特に制限はなく、椀型であっても、皿型であっても、その他の形状であってもよい。」とあるのを、「本発明の樹脂製食器は、通常調理済食品を収容して食事に供される器をいい、その目的に使用される形状であって、椀型又は皿型である。」に訂正する。
セ 訂正事項14
明細書の段落【0016】に「本発明の樹脂製食器の好ましい態様においては、少なくとも内表面にしぼ加工が施されている。しぼ加工は、内表面積の30%以上に施されていればよく、内表面全面に施されていてもよい。表面の耐傷つき性が改善されるという目的のためには、内表面のほぼ全面にしぼ加工が施されているのが好ましい。」とあるのを、「本発明によって成形される樹脂製食器の態様においては、少なくとも内表面にしぼ加工が施されている。しぼ加工は、内表面積の30%以上に施されていればよく、内表面全面に施されていてもよい。表面の耐傷つき性が改善されるという目的のためには、内表面のほぼ全面にしぼ加工が施されているのが好ましい。」に訂正する。
ソ 訂正事項15
明細書の段落【0019】に「このような食器にしぼ加工を施す方法の好ましい例としては、樹脂製食器を成形するときに、用いる金型表面で、食器にしぼ加工を施す箇所に相当する部分をしぼ加工しておく方法を挙げることができる。金型の表面加工は、化学的又は物理的処理によって金型の表面に多数の微細な凹凸を形成し,その加工面をしぼ加工することによって行うことができる。このようなしぼ加工は、例えばサンドブラストやショットブラストなどのブラスト法によって物理的に行うことができるし、またエッチング法などで表面を腐蝕させる化学的方法によって行うこともできる。」とあるのを、「このような食器にしぼ加工を施す方法の好ましい例としては、樹脂製食器を成形するときに、用いる金型表面で、食器にしぼ加工を施す箇所に相当する部分をしぼ加工しておく方法を挙げることができる。金型の表面加工は、化学的又は物理的処理によって金型の表面に多数の微細な凹凸を形成し,その加工面をしぼ加工することによって行うことができる。このようなしぼ加工は、エッチング法で表面を腐蝕させる化学的方法によって行うことができる。」に訂正する。
タ 訂正事項16
明細書の段落【0020】に「しぼ加工による凹凸は、断面視で種々の形状を取ることができるが、滑らかな曲線を描いていると、使用による食器の汚染を除去しやすいので、本発明の好ましい態様である。このような滑らかな曲線を描いている凹凸を金型に形成させるには、エッチング法の採用が好ましい。」とあるのを、「しぼ加工による凹凸は、滑らかな曲線を描いていると、使用による食器の汚染を除去しやすいので、本発明の好ましい態様である。このような滑らかな曲線を描いている凹凸を金型に形成させるには、エッチング法が採用される。」に訂正する。
チ 訂正事項17
明細書の段落【0021】に「樹脂製食器を成形する方法としては、従前公知の成形方法を採用することができるが、中でも射出成形法が好ましい。」とあるのを、「樹脂製食器を成形する方法としては、射出成形法が好ましい。」に訂正する。
ツ 訂正事項18
明細書の段落【0025】に「本発明の樹脂製食器は、表面にしぼ加工が施されているので、従来の樹脂製食器とは異なった外観と触感を与える樹脂製食器となる。その特徴を活かして、表面光沢がなく高級感を出すなど新たな価値を付加するのに利用することも可能となる。」とあるのを、「本発明の製造方法により成形される樹脂製食器は、表面にしぼ加工が施されているので、従来の樹脂製食器とは異なった外観と触感を与える樹脂製食器となる。その特徴を活かして、表面光沢がなく高級感を出すなど新たな価値を付加するのに利用することも可能となる。」に訂正する。
テ 訂正事項19
明細書の段落【0026】に「本発明の樹脂製食器は、食器同士が接触しても、内面に傷が生じにくいため、その結果食器内面に傷による汚れや、食品成分が傷に浸透することによる汚れが生じにくいので、学校、病院や企業の社員食堂など大規模に給食する施設において、耐傷つき性が改善された樹脂製食器として安心して使用できる樹脂製食器である。」とあるのを、「本発明の製造方法により成形される樹脂製食器は、食器同士が接触しても、内面に傷が生じにくいため、その結果食器内面に傷による汚れや、食品成分が傷に浸透することによる汚れが生じにくいので、学校、病院や企業の社員食堂など大規模に給食する施設において、耐傷つき性が改善された樹脂製食器として安心して使用できる樹脂製食器である。」に訂正する。
ト 訂正事項20
明細書の段落【0034】に
「【図1】内表面にしぼ加工が施された椀型樹脂製食器を示す斜視図
【図2】図1の樹脂製弁当箱蓋の一部断面図」とあるのを、
「【図1】内表面にしぼ加工が施された椀型樹脂製食器を示す斜視図
【図2】図1の椀型樹脂製食器の一部断面図」に訂正する。
第3 当審の判断
1.訂正事項1について
訂正事項1は、以下の2つの訂正を含むものであると認められる。
・訂正前請求項1の「成形食器の内表面積の30%以上に相当する金型表面の全面に、エッチング法によって断面視で滑らかな曲線を描いて凹凸が形成されているしぼ加工した金型を用いて、射出成形法によって成形する」との事項を、「前記樹脂製食器を積み重ねた際に上方の樹脂製食器の糸尻が直接接触する部位を含む内表面積の30%以上に相当する金型表面の全面に、エッチング法によって断面視で滑らかな曲線を描いて凹凸が形成されているしぼ加工した金型を用いて、射出成形法によって」成形することと訂正し、訂正前請求項1の「樹脂製食器」を、「上方に拡径すると共に食品が直接収容される積み重ね可能な椀型又は皿型の樹脂製食器において」「皮しぼ又は梨地と呼ばれる凹凸を備えた」ものとする訂正(以下「訂正事項1-1」という。)。
・訂正前請求項1の「樹脂製食器」を、「樹脂製食器を成形する製造方法」とする訂正(以下「訂正事項1-2」という。)。
したがって以下では、必要に応じて、訂正事項1を訂正事項1-1及び訂正事項1-2に分けて検討を行う。
(1)訂正の目的について
ア 訂正事項1-1
訂正事項1-1は、射出成形法に用いるしぼ加工された金型について、訂正前請求項1の「内表面積の30%以上に相当する金型表面の全面に、…凹凸が形成されている」との事項を、「前記樹脂製食器を積み重ねた際に上方の樹脂製食器の糸尻が直接接触する部位を含む内表面積の30%以上に相当する金型表面の全面に、…凹凸が形成されている」とするとともに、当該製造方法により得られる樹脂製食器について、訂正前請求項1では単に「樹脂製食器」としているのを、「上方に拡径すると共に食品が直接収容される積み重ね可能な椀型又は皿型の樹脂製食器において」「皮しぼ又は梨地と呼ばれる凹凸を備えた」ものとする訂正であり、射出成形法に用いられる金型における凹凸を形成する金型表面や、得られる樹脂製食器の態様を限定するものである。
そうすると、訂正事項1-1は、訂正前請求項1に発明を特定するための事項を直列的に付加するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当する。
イ 訂正事項1-2
訂正前請求項1の記載は、「~射出成形法によって成形することによって得られた樹脂製食器。」であるから、訂正前請求項1に係る発明(以下「訂正前請求項1発明」といい、訂正後について「訂正後請求項1発明」という。請求項2についても同様。)の対象は、「樹脂製食器」という「物」であることは明らかである。
そして、訂正前請求項1には、「成形食器の内表面積の30%以上に相当する金型表面の全面に、エッチング法によって断面視で滑らかな曲線を描いて凹凸が形成されているしぼ加工した金型を用いて、射出成形法によって成形する」と特定されていることから、樹脂製食器の「製造方法」が記載されている。
ここで、「物の発明についての特許に係る特許請求の範囲にその物の製造方法が記載されている場合において、当該特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第2号にいう『発明が明確であること』という要件に適合するといえるのは、出願時において当該物をその構造又は特性により直接特定することが不可能であるか、又はおよそ実際的でないという事情が存在するときに限られると解するのが相当である」(最高裁第二小法廷判決平成27年6月5日(平成24年(受)第1204号))と判示されている。
そこで、上記判示事項を踏まえて検討すると、訂正前請求項1には「成形食器の内表面積の30%以上に相当する金型表面の全面に、エッチング法によって断面視で滑らかな曲線を描いて凹凸が形成されているしぼ加工した金型を用いて、射出成形法によって成形する」との「樹脂製食器」の製造方法が記載されているから、「発明が明確であること」という要件を欠くおそれがあるものである。
そして、訂正事項1-2は、「発明が明確であること」という要件を欠くおそれがある訂正前請求項1を、「樹脂製食器を成形する製造方法」として、「上方に拡径すると共に食品が直接収容される積み重ね可能な椀型又は皿型の樹脂製食器において…(中略)…内表面積の30%以上に相当する金型表面の全面に、…(中略)…凹凸が形成されているしぼ加工した金型を用いて、射出成形法によって皮しぼ又は梨地と呼ばれる凹凸を備えた樹脂製食器を成形する」ことを特定する訂正後請求項1に訂正するものであって、「発明が明確であること」という要件を満たすものである。
したがって、当該訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものに該当する。
以上のとおり、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」及び同条第1項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものに該当する。
(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて
本件の願書に添付した明細書及び図面には、以下の記載がある(下線は強調のため当審で付した。)。
・「【0014】
樹脂製食器において、食器同士が接触して内面に傷が生じ、傷による汚れや食品成分が傷に浸透することによる汚れを生じにくくするという観点からは、少なくとも内表面にしぼ加工を施こすことが好ましい。
なお、本発明において「しぼ加工」とは、表面に多数の微細な凹凸を形成させることをいう。本発明のしぼは、通常皮しぼとか梨地と呼ばれる表面の凹凸も含むものである。凹凸のうち滑らかな曲線を描く凹凸は、本発明のしぼのうちでより好ましい態様である。」
・「【0015】
本発明の樹脂製食器は、通常調理済食品を収容して食事に供される器をいい、その目的に使用される形状であれば特に制限はなく、椀型であっても、皿型であっても、その他の形状であってもよい。」
・「【0016】
本発明の樹脂製食器の好ましい態様においては、少なくとも内表面にしぼ加工が施されている。しぼ加工は、内表面積の30%以上に施されていればよく、内表面全面に施されていてもよい。表面の耐傷つき性が改善されるという目的のためには、内表面のほぼ全面にしぼ加工が施されているのが好ましい。
【0017】
樹脂製食器の内表面の一部にしぼ加工を施す場合、食器底部を中心に施すのが効果的である。食器を積み重ねるとき、食器底部の内表面は、上方の食器の糸尻と当接して傷がつき易いからである。」
・「【0019】
このような食器にしぼ加工を施す方法の好ましい例としては、樹脂製食器を成形するときに、用いる金型表面で、食器にしぼ加工を施す箇所に相当する部分をしぼ加工しておく方法を挙げることができる。金型の表面加工は、化学的又は物理的処理によって金型の表面に多数の微細な凹凸を形成し,その加工面をしぼ加工することによって行うことができる。このようなしぼ加工は、例えばサンドブラストやショットブラストなどのブラスト法によって物理的に行うことができるし、またエッチング法などで表面を腐蝕させる化学的方法によって行うこともできる。
【0020】
しぼ加工による凹凸は、断面視で種々の形状を取ることができるが、滑らかな曲線を描いていると、使用による食器の汚染を除去しやすいので、本発明の好ましい態様である。このような滑らかな曲線を描いている凹凸を金型に形成させるには、エッチング法の採用が好ましい。」
・「【0021】
樹脂製食器を成形する方法としては、従前公知の成形方法を採用することができるが、中でも射出成形法が好ましい。」
・図1から、樹脂製食器が上方に拡径している態様が看取される。
以上から、本件の願書に添付した明細書及び図面には、訂正後請求項1発明に対応する「上方に拡径すると共に食品が直接収容される積み重ね可能な椀型又は皿型の樹脂製食器において前記樹脂製食器を積み重ねた際に上方の樹脂製食器の糸尻が直接接触する部位を含む内表面積の30%以上に相当する金型表面の全面に、エッチング法によって断面視で滑らかな曲線を描いて凹凸が形成されているしぼ加工した金型を用いて、射出成形法によって皮しぼ又は梨地と呼ばれる凹凸を備えた樹脂製食器を成形する」ことが記載されていると解されるから、訂正事項1は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものである。
よって、訂正事項1は、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
ア 発明が解決しようとする課題とその解決手段について
特許法第126条第6項は、第1項に規定する訂正がいかなる場合にも実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであってはならない旨を規定したものである。
また、特許法第36条第4項第1号の規定により委任された特許法施行規則の第24条の2には、「特許法第36条第4項第1号の経済産業省令で定めるところによる記載は、発明が解決しようとする課題及びその解決手段その他のその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が発明の技術上の意義を理解するために必要な事項を記載することによりしなければならない。」と規定されているから、訂正前請求項1発明と訂正後請求項1発明において、発明が解決しようとする課題及びその解決手段が、実質的に変更されたものか否かにより、訂正後請求項1発明の技術的意義が、訂正前請求項1発明の技術的意義を実質上拡張し、又は変更されたものであるか否かについて検討する。
訂正前の本件特許明細書には、訂正前請求項1発明が解決しようとする課題について、以下の記載がなされている(下線は強調のため当審で付した。)。
・「【0004】
しかしながら、樹脂製食器は表面が傷つきやすいため、樹脂性食器を洗浄や乾燥するとき、貯蔵や運搬するときなど、食器の内表面と外表面が触れ合う結果、食器表面に細かい傷が生じ易い。そのためその傷による汚れや、食品成分が傷に浸透することによる汚れが目立ってくるという問題がある。特に食器内表面の汚れが目立つと、感覚的に食器の美観や衛生感を損なうこととなる。」
・「【0014】
樹脂製食器において、食器同士が接触して内面に傷が生じ、傷による汚れや食品成分が傷に浸透することによる汚れを生じにくくするという観点からは、少なくとも内表面にしぼ加工を施こすことが好ましい。
なお、本発明において「しぼ加工」とは、表面に多数の微細な凹凸を形成させることをいう。本発明のしぼは、通常皮しぼとか梨地と呼ばれる表面の凹凸も含むものである。凹凸のうち滑らかな曲線を描く凹凸は、本発明のしぼのうちでより好ましい態様である。」
・「【0017】
樹脂製食器の内表面の一部にしぼ加工を施す場合、食器底部を中心に施すのが効果的である。食器を積み重ねるとき、食器底部の内表面は、上方の食器の糸尻と当接して傷がつき易いからである。」
訂正前の本件特許明細書の段落【0004】の記載から、訂正前請求項1発明は、「樹脂製食器は表面が傷つきやすいため、樹脂性食器を洗浄や乾燥するとき、貯蔵や運搬するときなど、食器の内表面と外表面が触れ合う結果、食器表面に細かい傷が生じ易い。そのためその傷による汚れや、食品成分が傷に浸透することによる汚れが目立ってくるという問題がある。」ということを解決しようとする課題とし、「軽量で割れにくく、形状および品質が均質なものを安価で入手しうるという樹脂製食器の利点を維持しながら、その表面の耐傷つき性が改善された樹脂製食器」を得ることを目的とするものである。
一方、訂正後の本件特許明細書には、上記した訂正前の本件特許明細書の段落【0004】~【0006】と同じ記載がなされているが、訂正後請求項1発明は、「樹脂製食器を積み重ねた際に上方の樹脂製食器の糸尻が直接接触する部位を含む内表面積の30%以上に相当する金型表面の全面に、…凹凸が形成されているしぼ加工した金型を用いて、射出成形法によって…樹脂製食器を成形する」ものであるから、特に、「食器を積み重ねるとき、食器底部の内表面は、上方の食器の糸尻と当接して傷がつき易い」(段落【0017】)という課題に着目したものであるといえる。
しかしながら、訂正後請求項1発明が解決しようとする上記課題は、訂正前請求項1発明が解決しようとする上記課題が生じ得るより具体的な状況についての課題に限定したものである。してみると、訂正前請求項1発明と訂正後請求項1発明の課題には実質的な変更はない。
また、訂正後請求項1発明における課題解決手段は、上記(1)アで検討したとおり、訂正前請求項1発明における課題解決手段に対して直列的要素を付加するものであるから、実質的な拡張や変更はない。
したがって、訂正後請求項1発明の技術的意義は、訂正前請求項1発明の技術的意義を実質上拡張し、又は変更するものではない。
イ 訂正による第三者の不測の不利益について
特許請求の範囲は、「特許を受けようとする発明を特定するために必要と認める事項のすべて」が記載されたもの(特許法第36条第5項)である。
また、特許法第126条第6項は、第1項に規定する訂正がいかなる場合にも実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであってはならない旨を規定したものであって、訂正前の特許請求の範囲には含まれないとされた発明が訂正後の特許請求の範囲に含まれることとなる、言い換えれば、訂正前の発明の「実施」に該当しないとされた行為が訂正後の発明の「実施」に該当する行為となる場合、第三者にとって不測の不利益が生じるおそれがあるため、そうした事態が生じないことを担保したものである。
以上を踏まえ、訂正前請求項1発明と訂正後請求項1発明において、それぞれの発明の「実施」に該当する行為の異同により、訂正後請求項1発明の「実施」に該当する行為が、訂正前請求項1発明の「実施」に該当する行為を実質上拡張し、又は変更するものであるか否かについて検討する。
ここで、特許法第2条第3項第1号に規定された「物の発明」(訂正前請求項1発明)及び第3号に規定された「物を生産する方法の発明」(訂正後請求項1発明)の実施について比較する。
「物の発明」の実施(第1号)とは、「その物の生産、使用、譲渡等、輸出若しくは輸入又は譲渡等の申出をする行為(当審注:以下「生産等」という。)」であり、「物を生産する方法」の実施(第3号)とは、「その方法の使用をする行為」(第2号)のほか、その方法により生産した「物の使用、譲渡等、輸出若しくは輸入又は譲渡等の申出をする行為」である。ここで、「物を生産する方法」の実施における「その方法の使用をする行為」とは、「その方法の使用により生産される物の生産をする行為」と解されることから、「物の発明」の実施における「その物の生産」をする行為に相当する。
すると、「物の発明」の実施においては、物の生産方法を特定するものではないのに対して、「物を生産する方法の発明」の実施においては、物の生産方法を「その方法」に特定している点で相違するが、その実施行為の各態様については、全て対応するものである。
そして、訂正前請求項1発明は、「成形食器の内表面積の30%以上に相当する金型表面の全面に、エッチング法によって断面視で滑らかな曲線を描いて凹凸が形成されているしぼ加工した金型を用いて、射出成形法によって成形する」という製造方法(以下「特定の製造方法」という)により「樹脂製食器」という物が特定された「物の発明」であるから、前記特定の製造方法により製造された「樹脂製食器」に加え、前記特定の製造方法により製造された「樹脂製食器」と同一の構造・特性を有する物の生産等を、訂正前請求項1発明の実施に含むものである。
一方、訂正事項1は、射出成形法に用いるしぼ加工された金型について、訂正前請求項1の「内表面積の30%以上に相当する金型表面の全面に、…凹凸が形成されている」との事項を、「前記樹脂製食器を積み重ねた際に上方の樹脂製食器の糸尻が直接接触する部位を含む内表面積の30%以上に相当する金型表面の全面に、…凹凸が形成されている」と訂正し、当該製造方法により得られる樹脂製食器について、訂正前請求項1では単に「樹脂製食器」としているのを、「上方に拡径すると共に食品が直接収容される積み重ね可能な椀型又は皿型の樹脂製食器において」「皮しぼ又は梨地と呼ばれる凹凸を備えた」もの(以下「特定の態様を備えた樹脂製食器」という。)と訂正するものであり、樹脂製食器の製造方法及び得られる樹脂製食器の態様について、訂正前請求項1を更に限定するものである。
そして、訂正後請求項1発明は「物を生産する方法の発明」であるから、前記特定の製造方法を更に限定した上記の製造方法を使用し、上記特定の態様を備えた樹脂製食器を生産すること等を、その実施に含むものである。
してみれば、訂正後請求項1は、樹脂製食器の製造方法及び得られる樹脂製食器の態様について、訂正前請求項1を更に限定するものであり、「物の発明」(訂正前請求項1発明)及び「物を生産する方法の発明」(訂正後請求項1発明)の実施行為の各態様は、全て対応するものであるから、訂正後請求項1発明の「実施」に該当する行為は、訂正前請求項1発明の「実施」に該当する行為に全て含まれる。
したがって、訂正後請求項1の実施により、第三者にとって不測の不利益が生じるおそれはないから、訂正前請求項1発明の「実施」に該当する行為を実質上拡張し、又は変更するものとはいえない。
ウ 小括
訂正後請求項1発明の技術的意義は、訂正前請求項1発明の技術的意義を実質上拡張し、又は変更するものではなく、訂正後請求項1発明の「実施」に該当する行為は、訂正前請求項1発明の「実施」に該当する行為を実質上拡張し、又は変更するものとはいえないから、訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第126条第6項の規定に適合する。
(4)独立して特許を受けることができるものであるか否かについて
訂正事項1は、発明特定事項を限定するものであるから、訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される請求項1に係る発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否かについて検討すべきところ、訂正後請求項1発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しない。
したがって、訂正後請求項1発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるから、当該訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
2.訂正事項2について
訂正事項2は、以下の2つの訂正を含むものであると認められる。
・訂正前請求項2の「前記樹脂」を、「前記樹脂製食器を構成する樹脂」とする訂正(以下「訂正事項2-1」という。)。
・訂正前請求項2の「請求項1に記載の樹脂製食器」を「請求項1に記載の樹脂製食器を成形する製造方法」とする訂正(以下「訂正事項2-2」という。)。
したがって以下では、必要に応じて、訂正事項2を訂正事項2-1及び訂正事項2-2に分けて検討を行う。
(1)訂正の目的について
ア 訂正事項2-1
訂正前請求項2に「前記樹脂」と記載されているが、当該記載以前に「樹脂」の記載がないため、訂正前請求項2の「前記樹脂」なる記載は、その意味するところが明らかでないから、「発明が明確であること」という要件を欠くおそれがあるものである。
そして、訂正事項2-1は、「発明が明確であること」という要件を欠くおそれがある訂正前請求項2において、「前記樹脂」を「前記樹脂製食器を構成する樹脂」と訂正するものであって、「発明が明確であること」という要件を満たすものである。
したがって、当該訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものに該当する。
イ 訂正事項2-2
上記訂正事項1-2と同様の理由により、当該訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものに該当する。
以上のとおり、訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものに該当する。
(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて
上記1.(2)で摘記した事項に加え、本件の願書に添付した明細書には、以下の記載がある(下線は強調のため当審で付した。)。
・「【0022】
樹脂製食器用の樹脂としては、従来樹脂製食器に使用されている樹脂から適宜選択して使用することができるが、特に射出成形法に適する樹脂が好ましい。好ましい樹脂の例としては、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)及びポリエチレンナフタレート(PEN)を挙げることができる。」
以上から、本件の願書に添付した明細書及び図面には、訂正後請求項2発明に対応する「前記樹脂製食器を構成する樹脂が、ポリプロピレン、ポリカーボネートおよびポリエチレンナフタレートから選ばれた少なくとも1種であること」が記載されているから、訂正事項2は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものである。
よって、訂正事項2は、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
上記1.(3)と同様の理由により、訂正後請求項2発明の技術的意義は、訂正前請求項2発明の技術的意義を実質上拡張し、又は変更するものではなく、訂正後請求項2発明の「実施」に該当する行為は、訂正前請求項2発明の「実施」に該当する行為を実質上拡張し、又は変更するものとはいえないから、訂正事項2は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第126条第6項の規定に適合する。
3.訂正事項3~19について
訂正事項3~19は、上記訂正事項1~2の訂正に伴って、特許請求の範囲と発明の詳細な説明の記載及び発明の名称との整合を図るものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
したがって、当該訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものに該当し、また、特許法第126条第5項、第6項の規定に適合する。
4.訂正事項20について
(1)訂正の目的について
訂正前の本件特許明細書の段落【0034】には、以下の記載がある(下線は強調のため当審で付した。)。
「【図1】 内表面にしぼ加工が施された椀型樹脂製食器を示す斜視図
【図2】 図1の樹脂製弁当箱蓋の一部断面図」
上記のとおり、段落【0034】では、図1について「椀型樹脂製食器を示す斜視図」であると説明しているのに対して、図2については「図1の樹脂製弁当箱蓋の一部断面図」と説明しており、両者の記載には齟齬がある。
そして、本件特許明細書の段落【0023】には「図1の食器の一部の断面図が図2に示されているが、」と記載されていることも合わせると、訂正前の本件特許明細書の段落【0034】の「【図2】 図1の樹脂製弁当箱蓋の一部断面図」における「樹脂製弁当箱蓋」なる記載は、「椀型樹脂製食器」の誤記であると解するのが自然である。
したがって、訂正事項20は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる「誤記の訂正」を目的とするものに該当する。
(2)願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて
本件の願書に最初に添付した明細書の段落【0023】には「図1の食器の一部の断面図が図2に示されているが、」と記載されており、当該記載から、本件の願書に最初に添付した明細書において、図2は図1の食器の一部の断面図を示すことを意図していることが理解される。
してみれば、本件特許明細書の段落【0034】について、本件訂正前の「【図2】 図1の樹脂製弁当箱蓋の一部断面図」を、本件訂正後に「【図2】 図1の椀型樹脂製食器の一部断面図」と訂正することは、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、訂正事項20は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
上記(1)に示すように、訂正事項20は、誤記の訂正を目的とするものであり、訂正前の本件特許明細書の段落【0034】における説明の齟齬を解消するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではなく、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(4)独立特許要件について
訂正事項20は誤記の訂正を目的とするものであるから、訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される請求項1及び2に係る発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否かについて検討すべきところ、当該訂正により、訂正後請求項1発明及び訂正後請求項2発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しない。
したがって、訂正後請求項1発明及び訂正後請求項2発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるから、当該訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
第4 むすび
以上のとおりであるから、本件審判の請求に係る訂正事項1ないし20は、特許法第126条第1項ただし書第1号、第2号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ同条第5項、第6項、及び第7項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2023-390103