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特許異議申立

2017-700806

III族窒化物半導体発光素子およびその製造方法

審判番号
2017-700806
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2015-151052外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2017年08月25日
審決日
2018年03月06日
公報発行日
2018年06月29日
結論
訂正認容
当事者
審判長/審判官
分類
P1652.113-XA (H01L) / P1652.121-XA (H01L)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法120条の8第1項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第4項、特許法第120条の8第1項、特許法第120条の5第2項第1号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特許第6092961号発明「III族窒化物半導体発光素子およびその製造方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

【結 論】 特許第6092961号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-6、11-14〕、〔7、10、15〕について訂正することを認める。 本件特許異議の申立てを却下する。

理由

【理 由】 1 手続の経緯 特許第6092961号(以下「本件特許」という。)の請求項1ないし10に係る特許についての出願は、平成27年7月30日に特許出願され、平成29年2月17日に特許権の設定登録がされ、その後、その特許について、平成29年8月25日に特許異議申立人尾田哲之(以下「申立人」という。)により特許異議の申立てがされ、当審において平成29年12月21日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である平成30年2月21日に意見書の提出及び訂正の請求(以下「本件訂正請求」という。)がされたものである。 2 訂正の適否についての判断 (1)訂正の内容 ア 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1を削除する。 イ 訂正事項2 特許請求の範囲の請求項2を削除する。 ウ 訂正事項3 特許請求の範囲の請求項3に、 「 前記III族窒化物半導体積層体における前記N層目の井戸層と、前記AlNガイド層とが接する、または、 前記III族窒化物半導体積層体における前記N層目の井戸層と、前記AlNガイド層との間に、バンドギャップが前記井戸層超かつ前記AlNガイド層未満のファイナルバリア層を有し、該ファイナルバリア層の厚みが1.5nm以下である、請求項1または2に記載のIII族窒化物発光素子。」と記載されているうち、請求項1を引用するものについて、独立形式に改め、 「 n型III族窒化物半導体層と、 障壁層および、該障壁層よりもバンドギャップの小さい井戸層をこの順に交互にN層ずつ(但し、Nは整数である)積層してなるIII族窒化物半導体積層体と、 AlNガイド層と、 p型III族窒化物半導体層と、をこの順に有し、 前記AlNガイド層の厚さが0.7nm以上1.7nm以下であり、 前記III族窒化物半導体積層体における前記N層目の井戸層と、前記AlNガイド層とが接する、または、 前記III族窒化物半導体積層体における前記N層目の井戸層と、前記AlNガイド層との間に、バンドギャップが前記井戸層超かつ前記AlNガイド層未満のファイナルバリア層を有し、該ファイナルバリア層の厚みが1.5nm以下である、III族窒化物半導体発光素子。」に訂正する(下線は訂正箇所を示す。以下同じ。)。 請求項3を直接又は間接的に引用する請求項4~6についても同様に訂正する。 エ 訂正事項4 特許請求の範囲の請求項4に「III族窒化物発光素子」記載されているのを、「III族窒化物半導体発光素子」に訂正する。 請求項4を直接又は間接的に引用する請求項5、6についても同様に訂正する。 オ 訂正事項5 特許請求の範囲の請求項5に「請求項1~4のいずれか1項に記載のIII族窒化物発光素子」と記載されているのを、「請求項3または4に記載のIII族窒化物半導体発光素子」に訂正する。 請求項5を引用する請求項6についても同様に訂正する。 カ 訂正事項6 特許請求の範囲の請求項6に「III族窒化物発光素子」と記載されているのを、「III族窒化物半導体発光素子」に訂正する。 キ 訂正事項7 特許請求の範囲の請求項7を削除する。 ク 訂正事項8 特許請求の範囲の請求項10に「請求項7~9のいずれか1項に記載の」と記載されているのを、「請求項8または9に記載の」に訂正する。 ケ 訂正事項9 特許請求の範囲の請求項3に、 「前記III族窒化物半導体積層体における前記N層目の井戸層と、前記AlNガイド層とが接する、または、 前記III族窒化物半導体積層体における前記N層目の井戸層と、前記AlNガイド層との間に、バンドギャップが前記井戸層超かつ前記AlNガイド層未満のファイナルバリア層を有し、該ファイナルバリア層の厚みが1.5nm以下である、請求項1または2に記載のIII族窒化物発光素子。」と記載されているうち、請求項2を引用するものについて、独立形式に改め、 「 n型III族窒化物半導体層と、 障壁層および、該障壁層よりもバンドギャップの小さい井戸層をこの順に交互にN層ずつ(但し、Nは整数である)積層してなるIII族窒化物半導体積層体と、 AlNガイド層と、 p型III族窒化物半導体層と、をこの順に有し、 前記AlNガイド層の厚さが0.7nm以上1.7nm以下であり、 前記AlNガイド層がi型であり、 前記III族窒化物半導体積層体における前記N層目の井戸層と、前記AlNガイド層とが接する、または、 前記III族窒化物半導体積層体における前記N層目の井戸層と、前記AlNガイド層との間に、バンドギャップが前記井戸層超かつ前記AlNガイド層未満のファイナルバリア層を有し、該ファイナルバリア層の厚みが1.5nm以下である、III族窒化物半導体発光素子。」に訂正し、新たに請求項11とする。 コ 訂正事項10 特許請求の範囲の請求項4に「請求項3に記載のIII族窒化物発光素子」と記載されているのを、「請求項11に記載のIII族窒化物半導体発光素子」に訂正し、新たに請求項12とする。 サ 訂正事項11 特許請求の範囲の請求項5に「請求項1~4のいずれか1項に記載のIII族窒化物発光素子」と記載されているのを、「請求項11または12に記載のIII族窒化物半導体発光素子」に訂正し、新たに請求項13とする。 シ 訂正事項12 特許請求の範囲の請求項6に「請求項5に記載のIII族窒化物発光素子。」と記載されているのを、「請求項13に記載のIII族窒化物半導体発光素子。」に訂正し、新たに請求項14とする。 ス 訂正事項13 特許請求の範囲の請求項10に、 「 前記AlNガイド層はi型である、請求項7~9のいずれか1項に記載の製造方法。」と記載されているうち、請求項7を引用するものについて、独立形式に改め、 「 n型III族窒化物半導体層を形成する第1工程と、 前記n型III族窒化物半導体層上に、障壁層および、該障壁層よりもバンドギャップの小さい井戸層をこの順に交互にN層ずつ(但し、Nは整数である)積層してなるIII族窒化物半導体積層体を形成する第2工程と、 前記III族窒化物半導体積層体上に、厚さ0.7nm以上1.7nm以下のAlNガイド層を形成する第3工程と、 前記AlNガイド層上に、p型III族窒化物半導体層を形成する第4工程と、を含み、 前記第3工程において、トリメチルアルミニウムガスおよびアンモニアガスからなる原料ガスを用いて前記AlNガイド層をエピタキシャル成長させ、 前記AlNガイド層はi型であることを特徴とするIII族窒化物半導体発光素子の製造方法。」に訂正し、新たに請求項15とする。 (2)訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否及び一群の請求項について ア 訂正事項1、2について 訂正事項1、2は、それぞれ請求項1、2を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当し、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「明細書等」という。)に記載した事項の範囲内においてするものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 訂正前の請求項1、2については特許異議の申立てがされているので、訂正事項1、2に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は課されない。 イ 訂正事項3、9について 訂正前の請求項3は請求項1または2の記載を引用するものであるところ、訂正事項3は、訂正前の請求項3のうち、請求項1を引用するものについて請求項間の引用関係を解消して、独立形式請求項へ改めるための訂正であり、訂正事項9は、訂正前の請求項3のうち、請求項2を引用するものについて請求項間の引用関係を解消して、新たな独立請求項11へ改めるための訂正であるから、訂正事項3、9は、いずれも、「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものに該当する。 併せて、訂正前の請求項3の「III族窒化物発光素子」との記載に関し、請求項3はIII族窒化物半導体発光素子に係る請求項1を直接又は間接的に引用しており、請求項3の記載内容が請求項1の記載との関係において不合理を生じているため、訂正事項3及び9は、訂正後の請求項3及び11において、当該記載の不合理を改めたものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものにも該当する。 また、訂正事項3及び9は、引用関係の解消及び明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正であるから、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 訂正事項3及び9は、引用関係の解消及び明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正であるから、訂正事項3、9に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は課されない。 ウ 訂正事項4、10について 訂正前の請求項4は請求項3を引用するものであり、訂正事項9は、訂正前の請求項3の引用関係を解消して、請求項2を引用するものについて新たな請求項11とする訂正であるところ、訂正事項10は、訂正前の請求項4において、引用請求項を請求項11とし、新たな請求項12とする訂正であるから、訂正事項9と同様に、「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものに該当する。 併せて、訂正前の請求項4の「III族窒化物発光素子」との記載に関し、訂正前の請求項4はIII族窒化物半導体発光素子に係る請求項1を間接的に引用しており、請求項4の記載内容が請求項1の記載との関係において不合理を生じているため、訂正事項4及び10は、訂正後の請求項4及び12において、当該記載の不合理を改めたものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。 また、訂正事項4は、明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正であり、訂正事項10は、引用関係の解消及び明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正であるから、訂正事項4及び10は、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 訂正事項4は、明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正であり、訂正事項10は、引用関係の解消及び明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正であるから、訂正事項4、10に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は課されない。 エ 訂正事項5、11について 訂正前の請求項5は請求項1~4を引用するものであり、引用請求項として請求項1、2が含まれたものであり、訂正事項1、2は、請求項1、2を削除するための訂正で、訂正事項3、9は、訂正前の請求項3の引用関係を解消するための訂正であるところ、訂正事項5は、訂正前の請求項5において、引用請求項を請求項3または4とする訂正であるから、訂正事項3と同様に、「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものに該当し、訂正事項11は、訂正前の請求項5において、引用請求項を請求項11または12とし、新たな請求項13とする訂正であるから、訂正事項9、10と同様に、「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものに該当する。 併せて、訂正前の請求項5の「III族窒化物発光素子」との記載に関し、訂正前の請求項5はIII族窒化物半導体発光素子に係る請求項1を間接的に引用しており、請求項5の記載内容が請求項1の記載との関係において不合理を生じているため、訂正事項5及び11は、訂正後の請求項5及び13において、当該記載の不合理を改めたものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。 また、訂正事項5及び11は、引用関係の解消及び明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正であるから、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 訂正事項5及び11は、引用関係の解消及び明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正であるから、訂正事項5、11に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は課されない。 オ 訂正事項6、12について 訂正前の請求項6は請求項3を間接的に引用するものであり、訂正事項9は、訂正前の請求項3の引用関係を解消して、請求項2を引用するものについて新たな請求項11とする訂正であるところ、訂正事項12は、訂正前の請求項6において、引用請求項を、請求項11を直接又は間接的に引用する請求項13とし、新たな請求項14とする訂正であるから、「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものに該当する。 併せて、訂正前の請求項6の「III族窒化物発光素子」との記載に関し、訂正前の請求項6はIII族窒化物半導体発光素子に係る請求項1を間接的に引用しており、請求項6の記載内容が請求項1の記載との関係において不合理を生じているため、訂正事項6及び12は、訂正後の請求項6及び14において、当該記載の不合理を改めたものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。 また、訂正事項6は、明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正であり、訂正事項12は、引用関係の解消及び明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正であるから、訂正事項6及び12は、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 訂正事項6は、明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正であり、訂正事項12は、引用関係の解消及び明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正であるから、訂正事項6、12に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は課されない。 カ 訂正事項7について 訂正事項7は、請求項7を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当し、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 訂正前の請求項7については特許異議の申立てがされているので、訂正事項7に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は課されない。 キ 訂正事項8、13について 訂正前の請求項10は請求項7~9の記載を引用するものであるところ、訂正事項8は、訂正前の請求項10において、引用請求項を請求項8または9とする訂正であり、訂正事項13は、訂正前の請求項10のうち、請求項7を引用するものについて請求項間の引用関係を解消して、独立形式請求項へ改め、新たな独立請求項15へ改めるための訂正であるから、訂正事項8、13は、いずれも、「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものに該当する。 訂正事項8及び13は、引用関係の解消、明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正であるから、訂正事項8、13に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は課されない。 ク 一群の請求項について 訂正事項1-6、9-12に係る訂正前の請求項1-6について、訂正前の請求項2-6は直接又は間接的に請求項1を引用するものであって、訂正事項1によって削除される請求項1に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前の請求項1-6は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項に該当する。 また、訂正事項7、8、13に係る訂正前の請求項7、10について、訂正前の請求項10は請求項7を引用するものであって、訂正事項7によって削除される請求項7に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前の請求項7、8、13は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項に該当する。 したがって、本件訂正請求は、一群の請求項に対してされたものである。 ケ 小括 以上のとおりであるから、本件訂正請求は、特許法第120条の5第2項第1号、第3号及び第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、及び同条第9項において準用する同法第126条第4項から第6項までの規定に適合するので、訂正後の請求項〔1-6、11-14〕及び〔7、10、15〕について訂正することを認める。 3 特許異議の申立てについて 申立人による特許異議の申立ては、請求項1、2、7に係る特許についてのみされたものであるが、上記2で述べたように、本件特許の請求項1、2、7は、適法な訂正により削除されたから、特許異議申立ての対象とする請求項が存在しないものとなった。 したがって、この特許異議の申立ては、不適法な特許異議の申立てであって、その補正をすることができないものであるから、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定によって却下すべきものである。 4 むすび 以上のとおり、本件特許異議の申立ては、特許法第120条の8第1項で準用する同法135条の規定によって却下すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。

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2017-700806

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