特許異議申立
2019-700295
発電可能な廃棄物処理施設の最適操業支援システム
- 審判番号
- 2019-700295
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2014-201999外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2019年04月16日
- 審決日
- 2020年03月23日
- 公報発行日
- 2020年07月31日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】JFEエンジニアリング株式会社
- 【権利者代理人】特許業務法人MTS国際特許事務所
- 【権利者代理人】高矢 諭
- 【権利者代理人】松山 圭佑
- 【権利者代理人】藤田 崇
- 【権利者代理人】須藤 修三
- 【異議申立人】山田 宏基
- 分類
- P1652.121-XA (H02J)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法120条の5第2項3号特許法120条の5第2項4号特許法120条の5第4項特許法120条の5第9項特許法120条の8第1項特許法126条5項特許法126条6項特許法126条7項特許法135条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第120条の5第4項、特許法第120条の8第1項、特許法第135条
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第6405853号発明「発電可能な廃棄物処理施設の最適操業支援システム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
【結 論】
特許第6405853号の明細書及び特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-7〕について訂正することを認める。
本件特許異議の申立てを却下する。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
特許第6405853号の請求項1ないし7に係る特許についての出願は、平成26年9月30日に出願され、平成30年9月28日にその特許権の設定登録がされ、同年10月17日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許に対して、平成31年4月16日に特許異議申立人山田宏基(以下「異議申立人」という。)により特許異議の申立てがされた。そして、令和1年7月24日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である同年9月30日付けで特許権者により意見書の提出及び訂正の請求がされ、異議申立人に対して同年11月5日付けで訂正請求があった旨の通知がされ、その指定期間内である同年12月6日付けで異議申立人から意見書が提出され、さらに、同年12月26日付けで取消理由(決定の予告)が通知され、その指定期間内である令和2年2月28日付けで特許権者により意見書の提出及び訂正の請求がされたものである。
第2 訂正の適否
1.訂正の内容
令和2年2月28日付けの訂正請求による訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は以下の訂正事項のとおりである(下線は訂正部分を示す。)。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1を削除する。
(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2に
「前記集中監視センターに、前記監視操作端末を複数の廃棄物処理施設に割り付けるためのコントロールサーバーが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の廃棄物処理施設の最適操業支援システム。」と記載されているのを、
「複数の発電可能な廃棄物処理施設の運転状況を集中監視センターで監視して制御するための廃棄物処理施設の最適操業支援システムであって、
情報を伝送する高速通信ネットワークと、
廃棄物処理施設に設けられ、前記高速通信ネットワークに接続され廃棄物処理施設を監視する監視手段及び廃棄物処理施設を制御する制御手段と、
廃棄物処理施設から電力を調達し需要家へ電力を供給する電力小売事業者に設けられ、前記高速通信ネットワークに接続され需要家からの電力需要に応じた電力供給を行うように管理するとともに電力需給情報を送受信する電力小売事業者電力需給管理端末と、
集中監視センターに設けられ、前記高速通信ネットワークに接続される、廃棄物処理施設の操業状況を監視し制御する監視操作端末と、
前記電力小売事業者電力需給管理端末から送信される電力需給情報に基づき廃棄物処理施設からの電力供給を管理する集中監視センター電力需給管理端末とを備え、
前記集中監視センター電力需給管理端末は、複数の廃棄物処理施設からの供給電力を一括管理し、前記電力小売事業者電力需給管理端末から送信される電力需要計画量に応じた電力を複数の廃棄物処理施設から供給される電力の総和で供給するように、各廃棄物処理施設から供給する電力を割り付け、各廃棄物処理施設から割り付けられた電力を供給するように、前記監視操作端末が廃棄物処理施設の運転状況を常時監視し、発電量の推移を予測して、廃棄物処理施設からの供給電力の不足や余剰が発生しないようにリアルタイムで廃棄物処理施設の発電量を制御するようにされている廃棄物処理施設の最適操業支援システムにおいて、
前記集中監視センターに、前記監視操作端末を複数の廃棄物処理施設に割り付けるためのコントロールサーバーが設けられていることを特徴とする廃棄物処理施設の最適操業支援システム。」に訂正する(請求項2の記載を引用する請求項4ないし7も同様に訂正する)。
(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項3に
「前記監視手段として、各機器の操業データが設定範囲の許容値を外れたり、外れる前の段階になると、予め設定したロジックに従い、自動的にアラームを発するアラームシステムが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の廃棄物処理施設の最適操業支援システム。」と記載されているのを、
「複数の発電可能な廃棄物処理施設の運転状況を集中監視センターで監視して制御するための廃棄物処理施設の最適操業支援システムであって、
情報を伝送する高速通信ネットワークと、
廃棄物処理施設に設けられ、前記高速通信ネットワークに接続され廃棄物処理施設を監視する監視手段及び廃棄物処理施設を制御する制御手段と、
廃棄物処理施設から電力を調達し需要家へ電力を供給する電力小売事業者に設けられ、前記高速通信ネットワークに接続され需要家からの電力需要に応じた電力供給を行うように管理するとともに電力需給情報を送受信する電力小売事業者電力需給管理端末と、
集中監視センターに設けられ、前記高速通信ネットワークに接続される、廃棄物処理施設の操業状況を監視し制御する監視操作端末と、
前記電力小売事業者電力需給管理端末から送信される電力需給情報に基づき廃棄物処理施設からの電力供給を管理する集中監視センター電力需給管理端末とを備え、
前記集中監視センター電力需給管理端末は、複数の廃棄物処理施設からの供給電力を一括管理し、前記電力小売事業者電力需給管理端末から送信される電力需要計画量に応じた電力を複数の廃棄物処理施設から供給される電力の総和で供給するように、各廃棄物処理施設から供給する電力を割り付け、各廃棄物処理施設から割り付けられた電力を供給するように、前記監視操作端末が廃棄物処理施設の運転状況を常時監視し、発電量の推移を予測して、廃棄物処理施設からの供給電力の不足や余剰が発生しないようにリアルタイムで廃棄物処理施設の発電量を制御するようにされている廃棄物処理施設の最適操業支援システムにおいて、
前記監視手段として、各機器の操業データが設定範囲の許容値を外れたり、外れる前の段階になると、予め設定したロジックに従い、自動的にアラームを発するアラームシステムが設けられていることを特徴とする廃棄物処理施設の最適操業支援システム。」に訂正する。
(4)訂正事項4
明細書の段落【0012】を削除する。
(5)訂正事項5
明細書の段落【0013】に
「ここで、前記集中監視センターに、前記監視操作端末を複数の廃棄物処理施設に割り付けるためのコントロールサーバーを設けることができる。」と記載されているのを、
「複数の発電可能な廃棄物処理施設の運転状況を集中監視センターで監視して制御するための廃棄物処理施設の最適操業支援システムであって、情報を伝送する高速通信ネットワークと、廃棄物処理施設に設けられ、前記高速通信ネットワークに接続され廃棄物処理施設を監視する監視手段及び廃棄物処理施設を制御する制御手段と、廃棄物処理施設から電力を調達し需要家へ電力を供給する電力小売事業者に設けられ、前記高速通信ネットワークに接続され需要家からの電力需要に応じた電力供給を行うように管理するとともに電力需給情報を送受信する電力小売事業者電力需給管理端末と、集中監視センターに設けられ、前記高速通信ネットワークに接続される、廃棄物処理施設の操業状況を監視し制御する監視操作端末と、前記電力小売事業者電力需給管理端末から送信される電力需給情報に基づき廃棄物処理施設からの電力供給を管理する集中監視センター電力需給管理端末とを備え、前記集中監視センター電力需給管理端末は、複数の廃棄物処理施設からの供給電力を一括管理し、前記電力小売事業者電力需給管理端末から送信される電力需要計画量に応じた電力を複数の廃棄物処理施設から供給される電力の総和で供給するように、各廃棄物処理施設から供給する電力を割り付け、各廃棄物処理施設から割り付けられた電力を供給するように、前記監視操作端末が廃棄物処理施設の運転状況を常時監視し、発電量の推移を予測して、廃棄物処理施設からの供給電力の不足や余剰が発生しないようにリアルタイムで廃棄物処理施設の発電量を制御するようにされている廃棄物処理施設の最適操業支援システムにおいて、前記集中監視センターに、前記監視操作端末を複数の廃棄物処理施設に割り付けるためのコントロールサーバーを設けるようにして、前記課題を解決したものである。」に訂正する。
(6)訂正事項6
明細書の段落【0014】に
「又、前記監視手段として、各機器の操業データが設定範囲の許容値を外れたり、外れる前の段階になると、予め設定したロジックに従い、自動的にアラームを発するアラームシステムを設けることができる。」と記載されているのを、
「複数の発電可能な廃棄物処理施設の運転状況を集中監視センターで監視して制御するための廃棄物処理施設の最適操業支援システムであって、情報を伝送する高速通信ネットワークと、廃棄物処理施設に設けられ、前記高速通信ネットワークに接続され廃棄物処理施設を監視する監視手段及び廃棄物処理施設を制御する制御手段と、廃棄物処理施設から電力を調達し需要家へ電力を供給する電力小売事業者に設けられ、前記高速通信ネットワークに接続され需要家からの電力需要に応じた電力供給を行うように管理するとともに電力需給情報を送受信する電力小売事業者電力需給管理端末と、集中監視センターに設けられ、前記高速通信ネットワークに接続される、廃棄物処理施設の操業状況を監視し制御する監視操作端末と、前記電力小売事業者電力需給管理端末から送信される電力需給情報に基づき廃棄物処理施設からの電力供給を管理する集中監視センター電力需給管理端末とを備え、前記集中監視センター電力需給管理端末は、複数の廃棄物処理施設からの供給電力を一括管理し、前記電力小売事業者電力需給管理端末から送信される電力需要計画量に応じた電力を複数の廃棄物処理施設から供給される電力の総和で供給するように、各廃棄物処理施設から供給する電力を割り付け、各廃棄物処理施設から割り付けられた電力を供給するように、前記監視操作端末が廃棄物処理施設の運転状況を常時監視し、発電量の推移を予測して、廃棄物処理施設からの供給電力の不足や余剰が発生しないようにリアルタイムで廃棄物処理施設の発電量を制御するようにされている廃棄物処理施設の最適操業支援システムにおいて、前記監視手段として、各機器の操業データが設定範囲の許容値を外れたり、外れる前の段階になると、予め設定したロジックに従い、自動的にアラームを発するアラームシステムを設けるようにして、同様に前記課題を解決したものである。」に訂正する。
(7)訂正事項7
明細書の段落【0015】に
「又、前記アラームに重要度を設け、前記コントロールサーバーに、該アラームの重要度を利用して、自動的に監視操作画面を切り替える判定機能を組み込み、該アラームの重要度に応じて、前記集中監視センター側の監視操作端末に割り付けられた廃棄物処理施設の画面を、重要と判定された廃棄物処理施設の画面に自動的に切り替えることができる。」と記載されているのを、
「ここで、前記アラームに重要度を設け、前記コントロールサーバーに、該アラームの重要度を利用して、自動的に監視操作画面を切り替える判定機能を組み込み、該アラームの重要度に応じて、前記集中監視センター側の監視操作端末に割り付けられた廃棄物処理施設の画面を、重要と判定された廃棄物処理施設の画面に自動的に切り替えることができる。」に訂正する。
2.訂正の適否についての判断
(1)一群の請求項について
訂正前の請求項1ないし7について、請求項2ないし7は請求項1を直接又は間接的に引用するものであって、訂正事項1によって訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。よって、本件訂正前の請求項1ないし7に対応する訂正後の請求項1ないし7は、特許法第120条の5第4項の規定する関係を有する一群の請求項である。
(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
ア.訂正事項1について
訂正事項1は、請求項1を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
また、訂正事項1は、上記のとおり請求項1を削除するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもないことから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。
イ.訂正事項2について
訂正事項2は、訂正前の請求項2が請求項1を引用する記載であったものを、請求項間の引用関係を解消して独立形式の請求項に改めるものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものに該当する。
また、訂正事項2は上記のとおり、独立形式の請求項に改めるものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもないことから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。
ウ.訂正事項3について
訂正事項3は、訂正前の請求項3が請求項1を引用する記載であったものを、請求項間の引用関係を解消して独立形式の請求項に改めるものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものに該当する。
また、訂正事項3は上記のとおり、独立形式の請求項に改めるものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもないことから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。
エ.訂正事項4について
訂正事項4は、上記訂正事項1に係る訂正に伴い明細書の記載を特許請求の範囲の請求項1の記載と整合性を図るための訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものに該当する。
また、訂正事項4は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもないことから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。
オ.訂正事項5について
訂正事項5は、上記訂正事項2に係る訂正に伴い明細書の記載を特許請求の範囲の請求項2の記載と整合性を図るための訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものに該当する。
また、訂正事項5は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもないことから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。
カ.訂正事項6について
訂正事項6は、上記訂正事項3に係る訂正に伴い明細書の記載を特許請求の範囲の請求項3の記載と整合性を図るための訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものに該当する。
また、訂正事項6は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもないことから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。
キ.訂正事項7について
訂正事項7は、文頭の記載を整理するための訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものに該当する。
また、訂正事項7は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもないことから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。
3.訂正の適否についてのむすび
本件においては、訂正前の請求項1について特許異議の申立てがされているので、訂正事項1によって訂正される訂正後の請求項1に係る発明については特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第7項の独立特許要件は課されない。
また、特許異議の申立てがされていない訂正前の請求項2ないし7は、訂正事項2及び3により「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とした訂正がなされているので、訂正後の請求項2ないし7に係る発明については特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第7項の独立特許要件は課されない。
以上のとおりであるから、本件訂正による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号、第3号及び第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項及び同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、本件訂正を認める。
第3 特許異議の申立について
異議申立人は、本件特許の請求項1に係る特許について特許異議の申立てをしているところ、本件訂正の訂正事項1により請求項1は削除されたことから、申立ての対象が存在しないものとなった。
したがって、本件特許異議の申立ては、不適法な特許異議の申立てであって、その補正をすることができないものであるから、特許法第120条の8第1項で準用する特許法第135条の規定によって却下すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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