特許異議申立
2025-700073
電源ポール及びそれを用いた照明装置並びに多機能装置
- 審判番号
- 2025-700073
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2023-549760
- 登録番号
- 7515941
- 請求日
- 2025年01月16日
- 審決日
- 2025年04月11日
- 公報発行日
- 2025年05月30日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】株式会社次世代商品開発研究所
- 【異議申立人】河南 満洋
- 審判長/審判官
- 審判長 土居 仁士
- 審判官 寺谷 大亮
- 審判官 丸山 高政
- 分類
- P1651.113-Y (H02J) / P1651.121-Y (H02J)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7515941号発明「電源ポール及びそれを用いた照明装置並びに多機能装置」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7515941号の請求項1~8に係る特許を維持する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7515941号(以下「本件特許」という。)の請求項1~8に係る特許についての出願は、2022年(令和4年)9月22日(優先権主張 令和3年9月27日)を国際出願日とする出願であって、令和6年7月5日にその特許権の設定登録がされ、同年7月16日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許に対し、令和7年1月16日に特許異議申立人 河南 満洋(以下「特許異議申立人」という。)は、特許異議の申立てをした。
第2 本件発明
本件特許の請求項1~8の特許に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」~「本件発明8」といい、これらを総称して「本件発明」という。)は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1~8に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。なお、請求項1の符号A~Eは、請求項1をそれぞれ分説するために当審で付与したものであり、分説した発明特定事項を、以下では「発明特定事項A」のように参照する。
「【請求項1】
A 電源ポールと、外部ユニットとを含む多機能装置であって、
B1 前記電源ポールは、ポール本体と、太陽電池モジュールと、蓄電池と、電源側コネクタとを含み、
B2 前記太陽電池モジュール及び前記電源側コネクタは、前記ポール本体の外部に配置され、
B3 前記太陽電池モジュールにより発電された電力により、前記蓄電池が充電され、
B4 前記蓄電池の電力が、前記電源側コネクタから外部に出力され、
C1 前記外部ユニットは、受電側コネクタ及び中間電源側コネクタを含み、
C2 前記外部ユニットが、発光ユニット、カメラユニット、センサユニット及び通信ユニットからなる群から選択される少なくとも1種を含み、
D 前記電源ポールの前記電源側コネクタと、前記外部ユニットの前記受電側コネクタとは、直接的、又は、前記中間電源側コネクタを介して間接的に接続されている
E ことを特徴とする多機能装置。
【請求項2】
前記電源側コネクタ及び前記中間電源側コネクタが、レセプタクルソケットからなる請求項1に記載の多機能装置。
【請求項3】
前記電源側コネクタは、着脱可能な取付部を介して前記ポール本体に取り付けられている請求項1に記載の多機能装置。
【請求項4】
前記取付部は、キャップ状に形成され、前記ポール本体の先端部に設置されている請求項3に記載の多機能装置。
【請求項5】
前記取付部は、前記ポール本体の中心軸に対して回転可能である請求項3に記載の多機能装置。
【請求項6】
前記太陽電池モジュールは、可撓性を有する太陽光発電シート体を前記ポール本体の外周面に巻き付けられてなる請求項1に記載の多機能装置。
【請求項7】
前記電源側コネクタ、前記受電側コネクタ及び前記中間電源側コネクタが、それぞれ電流線と通信線とを含む請求項1に記載の多機能装置。
【請求項8】
前記受電側コネクタが、プラグピンからなる請求項1に記載の多機能装置。」
第3 特許異議申立理由の概要
1 申立理由
特許異議申立人が主張する特許異議申立理由の概要は、次のとおりであると認められる。
(1)申立理由1(新規性)
請求項1及び6に係る発明は、甲第1号証に記載された発明であり、特許法29条1項3号に掲げる発明に該当するから、請求項1及び6に係る特許は、特許法29条1項の規定に違反してされたものである。(同法113条2号)
(2)申立理由2(進歩性)
ア 申立理由2-1
請求項1及び6に係る発明は、甲第1号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、請求項2及び8に係る発明は、甲第1号証に記載された発明と甲第4号証に記載された事項とに基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、請求項3~5及び7に係る発明は、甲第1号証に記載された発明と甲第2号証に記載された発明とに基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1~8に係る特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものである。(同法113条2号)
イ 申立理由2-2
請求項1及び6に係る発明は、甲第1号証に記載された発明と甲第3号証に記載された事項とに基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、請求項2及び8に係る発明は、甲第1号証に記載された発明と甲第3号証に記載された事項と甲第4号証に記載された事項とに基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、請求項3~5及び7に係る発明は、甲第1号証に記載された発明と甲第3号証に記載された事項と甲第2号証に記載された発明とに基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1~8に係る特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものである。(同法113条2号)
ウ 申立理由2-3
請求項1、3~5及び7に係る発明は、甲第2号証に記載された発明と甲第3号証に記載された事項とに基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、請求項2及び8に係る発明は、甲第2号証に記載された発明と甲第3号証に記載された事項と甲第4号証に記載された事項とに基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、請求項6に係る発明は、甲第2号証に記載された発明と甲第3号証に記載された事項と甲第1号証に記載された発明とに基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1~8に係る特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものである。(同法113条2号)
2 証拠方法
特許異議申立人が特許異議申立書に添付した証拠方法は、次のとおりである(以下、甲第1号証~甲第4号証を「甲1」等という。)。
甲1:特開2021-141693号公報
甲2:特開2016-185037号公報
甲3:国際公開第2019/123880号
甲4:特開2018-156894号公報
第4 甲号証の記載
甲1~甲4の記載は、以下のとおりである。
1 甲1
(1)甲1の記載事項
甲1には、次の事項が記載されている。なお、下線は、強調のために当審で付したものである(以下、同じ。)。
ア 「【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明が前述の状況に鑑み解決しようとするところは、太陽電池モジュールの必要数を抑えつつ、高い効率で発電することができるポール型等の立設式の太陽光発電機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るポール型太陽光発電機は、太陽電池モジュールを有し、略垂直に立設した状態で該太陽電池モジュールを用いた太陽光による発電が可能なポール型太陽光発電機であって、ポール本体と、該ポール本体の外周面側に、該ポール本体に対して回動可能に設けられた略円筒形状の筒体と、該筒体の外周面側の少なくとも一部に設けられた前記太陽電池モジュールと、該太陽電池モジュールにより発電された電力を蓄電するバッテリとを備えてなるものである。」
イ 「【0020】
さらにまた、上述のポール型太陽光発電機に、外方に向けて光を放つ発光部を更に設けてなる照明装置によれば、電気供給がない場所にも発電効率の高い太陽光発電機によって容易に照明を設置することができる。
【0021】
また、上述のポール型太陽光発電機に、設置場所の環境情報を取得するセンサ及び/又はカメラと、少なくともセンサ及び/又はカメラにより得られた情報を外部の通信手段に発信する通信機とを更に設けてなる監視情報通信装置によれば、電気供給がない場所にも発電効率の高い太陽光発電機によって容易に監視情報通信装置を設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第一実施形態に係るポール型太陽光発電機を備えた照明付き監視情報通信装置の構成を示す側面図である。
・・・(略)・・・」
ウ 「【0024】
図1乃至図5に示すように、本発明の第一実施形態に係る照明付き監視情報通信装置1は、ポール型太陽光発電機2の上部に、発光部としてライト9が設けられ、更に、環境情報を取得するセンサ18と、少なくともセンサ18により得られた情報を外部の通信手段に発信する通信機19とカメラ20が設けられたものである。また、ポール型太陽光発電機2は、太陽電池モジュールとして太陽光発電シート体5を有し、略垂直に立設した状態で太陽光発電シート体5を用いた太陽光による発電が可能なポール型太陽光発電機2であって、ポール本体4と、ポール本体4の外周面側に、ポール本体4に対して回動可能に設けられた略円筒形状の筒体3と、筒体3の外周面側の少なくとも一部に設けられた太陽光発電シート体5と、この太陽光発電シート体5により発電された電力を蓄電するバッテリ6とを備えてなるものである。
【0025】
ここで、ポール型太陽光発電機2は、太陽光発電機能を有するポール型のものであるが、ポール型とは、例えば、図示するような略垂直に立設された一本の円柱状のものを含み、また、四角柱等の多角柱状・楕円柱状のもの、一本ではなく二本以上が連結されたもの、地形や用途に合わせて若干の立設角度が調整されたもの、及び、折畳みや伸縮、地中への収納可能なもの等、少なくとも一部分を立てて設けるものを広く含むものとする。また、太陽電池モジュールとは、太陽光等の光エネルギーを電気エネルギーに変換する全てのものをいい、一例として可撓性があるものとして図示しているが、これに限らず、円柱形状に形成された板状のパネル等であってもよいし、また他の構成のものを採用してもよい。
【0026】
ポール型太陽光発電機2は、筒体3と、この筒体3を所定高さで回動可能に保持するポール本体4とを主な構成部材とし、筒体3に太陽光発電シート体5の一部に巻き付けられ、この太陽光発電シート体5によって発電された電力が筒体3の内部に設けられたバッテリ6に蓄電され、又は電子機器等に使用されるものとなっている。
【0027】
筒体3は、細長く円筒状に形成されたものであって、内部にポール本体4が挿通され、ポール本体4によって、所定の高さで回動可能に保持されている。また、筒体3の外周面側には太陽電池モジュールとして可撓性を有する太陽光発電シート体5が設けられている。この筒体3は、その上端部と下端部が、ポール本体4の外周面に形成された案内面7に、ポール本体4に対して軸心回りで回動可能且つ上下スライド可能に係合するものとなっており、これらが固定手段である固定用螺子10によって、回動不能且つ上下スライド不能に固定されていることで、通常の使用中においては、ポール本体4に対して筒体3が安定した状態で固定されている。」
エ 「【0031】
ポール本体4の上端部には、ライト9等の機器を取り付けるための取付部15が設けられ、ライト9がこの取付部15に固定されることで、全体として照明として使用できるものとなっている。また、取付部15には、センサ18、通信機19、カメラ20が取り付けられており、センサ18やカメラ20によって得られた設置場所の環境情報等を通信機19によって、外部の通信手段に対して発信できるものとなっている。このような構成によれば、農業用サーバーや工業用サーバー、災害監視装置等に広く活用することが可能である。さらに、上記のようなセンサ18や通信機19、カメラ20に限らず、設置場所や目的に合わせた電子機器等を追加することで、電気供給がない場所であっても必要とされる監視・管理設備を容易に設置することができるものとなる。」
オ 「【図1】
[図:0001422480000001.jpg]
」
(2)甲1発明
前記(1)の下線部に着目すると、甲1には、次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。なお、後の参照の便宜のため、甲1発明を1a~1gに分説し、「構成1a」のように参照する。
「1a 照明付き監視情報通信装置1であって、(【0024】)
1b ポール型太陽光発電機2の上部に、発光部としてライト9が設けられ、更に、環境情報を取得するセンサ18と、少なくともセンサ18により得られた情報を外部の通信手段に発信する通信機19とカメラ20が設けられ、(【0024】)
1c ポール型太陽光発電機2は、ポール本体4と、ポール本体4の外周面側に、ポール本体4に対して回動可能に設けられた略円筒形状の筒体3と、筒体3の外周面側の少なくとも一部に設けられた太陽光発電シート体5と、この太陽光発電シート体5により発電された電力を蓄電するバッテリ6とを備え、(【0024】)
1d 太陽光発電シート体5によって発電された電力が筒体3の内部に設けられたバッテリ6に蓄電され、又は電子機器等に使用され、(【0026】)
1e ポール本体4の上端部には、取付部15が設けられ、ライト9がこの取付部15に固定されることで、全体として照明として使用でき、また、取付部15には、センサ18、通信機19、カメラ20が取り付けられており、センサ18やカメラ20によって得られた設置場所の環境情報等を通信機19によって、外部の通信手段に対して発信でき、(【0031】)
1f 電気供給がない場所にも発電効率の高い太陽光発電機によって容易に照明を設置することができ、電気供給がない場所にも発電効率の高い太陽光発電機によって容易に監視情報通信装置を設置することができる(【0020】、【0021】)
1g 照明付き監視情報通信装置。」
2 甲2
(1)甲2の記載事項
甲2には、次の事項が記載されている。
ア 「【0010】
しかしながら、特許文献1では、電源装置からの電力の供給を受ける電気機器(外部機器)としてのカメラが、電源装置の所定の位置に固定されており、他の外部機器に交換されることは想定されていない。つまり、特許文献1のような従来技術では、特定の外部機器のみに電力が供給され、他の外部機器に対して電力を供給することは想定されておらず、電力を使用する自由度が低いという課題がある。また、一方で、この課題を解決するために、他の外部機器でも電源システムに対する電気的な接続が容易な構成にした場合、外部機器の接続の解除も容易になりうるため、外部機器が容易に盗難されるおそれがある。
【0011】
つまり、本開示では、複数種類の外部機器に電力を供給することが可能な電源システムであって、当該複数種類の外部機器が盗難されることを抑制できる電源システムについて開示する。
【0012】
以上の検討を踏まえ、本発明者は、上記課題を解決するために、下記の改善策を検討した。
【0013】
本開示の一態様に係る電源システムは、太陽光発電を行う太陽電池と、前記太陽電池で発生した電力を蓄電する蓄電池と、前記蓄電池を内包し、外面に前記太陽電池が設けられた筐体と、前記筐体に外部機器を固定する第1固定部と、前記筐体の上面に設けられ、前記蓄電池から前記外部機器に電力を供給する出力部と、前記筐体の側面の少なくとも一部を構成する開閉自在な蓋部と、を備え、前記筐体に固定された前記蓋部により前記第1固定部が前記筐体に内封される。
【0014】
これによれば、外部機器が固定される第1固定部が、開閉自在な蓋部により筐体に内封されるため、蓋部が閉じている状態では第1固定部が筐体の外側から視認されることを抑制できる。このため、外部機器の固定が解除されることを抑制することができ、外部機器が盗難されることを抑制できる。」
イ 「【0050】
[1-1.構成]
図1は、実施の形態に係る電源システムおよび外部機器の外観の一例を示す斜視図である。図2は、実施の形態に係る、蓋部を開放したときの電源システムおよび外部機器の外観を示す斜視図である。図3は、実施の形態に係る外部機器を外したときの電源システムの外観を示す斜視図である。なお、これらの図及び以降の図では、説明の便宜のため、X軸方向を前後方向とし、Z軸方向を上下方向として示しており、以下ではX軸方向を前後方向(つまり、X軸方向プラス側を前方、X軸方向マイナス側を後方)として説明している。
【0051】
電源システム100の上方には、外部機器200が固定されている。また、電源システム100および外部機器200は、互いに電気的に接続されており、電源システム100の電力が当該外部機器200に供給される。図1および図2に示すように、電源システム100は、太陽電池110と、蓄電池120と、充放電部130と、筐体140と、出力部150とを備える。
【0052】
太陽電池110は、太陽光発電を行う。太陽電池110は、具体的には、複数の太陽電池素子が直列接続及び/または並列接続されることにより構成された、矩形板状の太陽電池モジュールである。本実施の形態では、4枚の太陽電池110が、筐体140の4面ある側面のそれぞれに設けられる。
【0053】
蓄電池120は、太陽電池110で発生した電力を蓄電する。蓄電池120は、具体的には、充放電部130と電気的に接続され、太陽電池110で発電された電力が充放電部130により充電される。蓄電池120は、筐体140の開口部146a(後述参照)を介して筐体140と着脱可能である。具体的には、蓄電池120の接続部121は、筐体140に固定されている充放電部130と、電気的および機械的に着脱可能である。
【0054】
充放電部130は、太陽電池110で発生した電力を用いて蓄電池120を充電する充電部と、蓄電池120の電力を出力部150に放電する放電部とを備える。充放電部130の充電部は、具体的には、太陽電池110および蓄電池120に電気的に接続され、太陽電池110で発電された電力を、蓄電池120に充電するための適切な電圧に変換することで、蓄電池120を充電する充電回路である。また、充放電部130の放電部は、具体的には、蓄電池120からの電力を適切な電圧の直流電力に変換することで出力部150に放電する放電回路である。蓄電池120および充放電部130は、着脱自在に、電気的および機械的に接続される。また、充放電部130は、筐体140の底部に固定されている。
【0055】
筐体140は、蓄電池120と充放電部130とを内包し、外面に太陽電池110が設けられる。具体的には、筐体140は、外形が略直方体形状の箱状部材である。また、筐体140は、略直方体形状の4面ある外側の側面のそれぞれに、太陽電池110が設けられる。筐体140は、例えば、金属で構成されていてもよいし、樹脂で構成されていてもよい。
【0056】
筐体140は、矩形筒状で底を備えている本体部146と、本体部146の開口部146aを覆う接続部141とを備えていてもよい。本体部146は、蓄電池120と、充放電部130とを内包し、外面に太陽電池110が設けられる。また、本体部146は、開口部146aの前面側において、開口部146aから上方に向かって延びる固定板147を備える。
【0057】
接続部141は、本体部146から着脱可能である。要するに、接続部141は、本体部146の開口部146aを着脱自在に閉塞する蓋である。」
ウ 「【0062】
外部機器200は、電源システム100の外部に設けられる電気機器であって、電源システム100から供給された電力で動作する電気機器である。外部機器200は、例えば、内部にLED(Light Electro Luminescence)を備える照明装置である。また、外部機器200は、電源システム100に固定されるための2枚の固定板202を備える。2枚の固定板202は、外部機器200の前面側において、外部機器200の下方に向かって延びており、X軸方向に沿って並んで配置される。」
エ 「【0065】
接続部141には、第1固定部142と出力部150とが設けられる。接続部141は、具体的には、略直方体形状であり、接続部141の下面が本体部146の開口部146aを覆い、接続部141の前側の側面には、第1固定部142が設けられる。また、接続部141の前側の側面には、当該前側の側面に設けられた第1固定部を覆うための蓋部143が設けられる。
【0066】
第1固定部142は、筐体140に外部機器200を固定する。具体的には、第1固定部142は、外部機器200を、接続部141の側面に固定するための締結部材である。第1固定部142は、外部機器200の2枚の固定板202を接続部141の側面に固定することにより、外部機器200を接続部141に固定する。また、第1固定部142は、筐体140に固定された蓋部143により筐体140に内封される。第1固定部142は、例えば、図3に示すように、2本のボルト142aと、接続部141の内方に設けられ、2本のボルト142aと螺合する2つのナット142bとにより構成される。ここで、2つのナット142bは、例えば、接続部141の内方に配置されるインサートナットである。」
オ 「【0072】
また、接続部141の上面には、出力部150が設けられる。出力部150は、外部機器200と接する出力接点部151を備え、出力接点部151を介して蓄電池120から外部機器200に電力を供給する。
【0073】
出力接点部151は、具体的には、筐体140の上面から突出している略直方体形状の部位であり、当該出力接点部151の側面に出力端子152が設けられる。出力端子152は、具体的には、上下方向に長い矩形の金属板であり、外部機器200が筐体140の上方に設けられた状態で、外部機器200に設けられた接続端子(図示せず)と接触することで、外部機器200と電気的に接続される。また、出力部150は、蓄電池120の電力を外部機器200に出力するだけでなく、信号を外部機器200に出力してもよい。つまり、出力部150の出力端子152は、信号を出力するための端子を含んでいてもよい。出力端子152から出力される信号は、例えば、外部機器200を制御するための制御信号である。」
カ 「【0086】
また、外部機器200の電気回路201は、図5に示すように、制御部211と、LED(Light Emitting Diode)212と、受電部213とを備える。外部機器200は、LED212を点灯させることで、周囲を照明する照明装置である。なお、外部機器200は、機能的にも、制御部211と、LED212と、受電部213とを備える。」
キ 「【0091】
受電部213は、電源システム100の出力部150から蓄電池120の電力を受電するための受電端子である。受電部213は、図示しないが、図3で示す出力部150に対応した形状の凹部を有しており、当該凹部に出力部150の出力端子152と接触する受電端子を備える。」
ク 「【0110】
例えば、上記実施の形態では、外部機器200は、照明装置であったが、これに限らない。以下、外部機器の照明装置以外の例について、図6A~図9を用いて説明する。」
ケ 「【0112】
図6A、図6B、および図7に示すように、外部機器200Aは、制御部211Aと、LED212と、受電部213と、表示部214Aとを備える。また、外部機器200Aは、さらに、外部と通信する通信部215Aを備えてもよい。」
コ 「【0121】
図8および図9に示すように、外部機器200Bは、制御部211Bと、スピーカ212Bと、受電部213とを備える。また、外部機器200Bは、さらに、外部と通信する通信部215Aを備えてもよい。」
サ 「【0131】
また、上記の各実施の形態では、筐体140は、外形が直方体形状であるが、直方体形状に限らずに、他の形状の箱状部材であってもよい。例えば、筐体の外形は、円柱形状であってもよいし、球体形状であってもよいし、三角柱、五角柱などの他の角柱形状であってもよい。」
シ 「【図1】
[図:0001422480000002.jpg]
」
ス 「【図3】
[図:0001422480000003.jpg]
」
(2)甲2発明
前記(1)の下線部に着目すると、甲2には、次の発明(以下「甲2発明」という。)が記載されていると認められる。なお、後の参照の便宜のため、甲2発明を2a~2qに分説し、「構成2a」のように参照する。
「2a 電源システム100および外部機器200であって、(【0050】)
2b 電源システム100の上方には、外部機器200が固定され、電源システム100および外部機器200は、互いに電気的に接続され、電源システム100の電力が当該外部機器200に供給され、(【0051】)
2c 電源システム100は、太陽電池110と、蓄電池120と、充放電部130と、筐体140と、出力部150とを備え、(【0051】)
2d 太陽電池110は、太陽光発電を行い、(【0052】)
2e 蓄電池120は、太陽電池110で発生した電力を蓄電し、(【0053】)
2f 充放電部130は、太陽電池110で発生した電力を用いて蓄電池120を充電する充電部と、蓄電池120の電力を出力部150に放電する放電部とを備え、(【0054】)
2g 筐体140は、外形が円柱形状または角柱形状の箱状部材であり、(【0055】、【0131】)
2h 筐体140は、本体部146と、本体部146の開口部146aを覆う接続部141とを備え、(【0056】)
2i 本体部146は、蓄電池120と、充放電部130とを内包し、外面に太陽電池110が設けられ、(【0056】)
2j 接続部141には、第1固定部142と出力部150とが設けられ、接続部141の前側の側面には、当該前側の側面に設けられた第1固定部を覆うための蓋部143が設けられ、(【0065】)
2k 第1固定部142は、外部機器200を接続部141に固定し、第1固定部142は、筐体140に固定された蓋部143により筐体140に内封され、(【0066】)
2l 接続部141の上面には、出力部150が設けられ、出力部150は、外部機器200と接する出力接点部151を備え、出力接点部151を介して蓄電池120から外部機器200に電力を供給し、(【0072】)
2m 出力接点部151は、筐体140の上面から突出している略直方体形状の部位であり、当該出力接点部151の側面に出力端子152が設けられ、(【0073】)
2n 外部機器200は、電源システム100の外部に設けられる電気機器であって、電源システム100から供給された電力で動作する電気機器であり、(【0062】)
2o 外部機器200は、制御部211と、LED212と、受電部213とを備える照明装置であり、(【0086】)
2p 受電部213は、電源システム100の出力部150から蓄電池120の電力を受電するための受電端子であり、出力部150に対応した形状の凹部を有しており、当該凹部に出力部150の出力端子152と接触する受電端子を備える(【0091】)
2q 電源システム100および外部機器200。」
3 甲3
(1)甲3の記載事項
甲3には、次の事項が記載されている。
ア 「[0007] この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の電力配線装置は、第1コネクタと、第2コネクタと、をそれぞれ備える複数の回路モジュールと、前記第1コネクタと機械的かつ電気的に着脱可能な第3コネクタと、前記第2コネクタと機械的かつ電気的に着脱可能な第4コネクタと、を備え、前記第3コネクタと前記第4コネクタとを互いに導通させる配線部材と、を備え、前記複数の回路モジュールは、環境発電による電力を前記第1コネクタ及び前記第2コネクタから出力可能な回路モジュールとしての環境発電モジュールと、前記第1コネクタから入力される電力及び前記第2コネクタから入力される電力を消費可能な回路モジュールとしての負荷モジュールと、を含むことを特徴とする。このような構成とすることで、環境発電モジュールを含む複数の回路モジュールを任意の配置で着脱することができる。従って、環境発電モジュールを発電効率の良い位置に配置されるように適宜着脱することで、外部環境による発電効率の低下を抑制できる。」
イ 「[0030] 図1に示すように、環境発電モジュール20は、第1コネクタ21と、第2コネクタ22と、を備える。環境発電モジュール20は、環境発電による電力を第1コネクタ21及び第2コネクタ22から出力可能である。本実施形態では、第1コネクタ21は環境発電モジュール20の一端(図1の左端)に位置し、第1コネクタ21の一端側(図1の左側)で配線部材10の第3コネクタ12と着脱可能である。また、第2コネクタ22は環境発電モジュール20の他端(図1の右端)に位置し、第2コネクタ22の他端側(図1の右側)で配線部材10の第4コネクタ13と着脱可能である。」
ウ 「[0033] 図2Aに示すように、環境発電モジュール20の第1の構成例としての環境発電モジュール20aは、上述の第1コネクタ21及び第2コネクタ22に加えて、環境発電部23と、逆電流防止部24と、を備える。第1コネクタ21、第2コネクタ22、及び逆電流防止部24は、それぞれ互いに電気配線を介して電気的に接続されている。逆電流防止部24及び環境発電部23は、互いに電気配線を介して電気的に接続されている。すなわち、第1コネクタ21及び第2コネクタ22は、逆電流防止部24を介して、環境発電部23と電気的に接続されている。環境発電モジュール20内で互いに電気的に接続された各構成部は、それぞれ互いに電気配線を介さずに、直接的に接続されていてもよい。
[0034] 環境発電部23は、環境発電による電力を生成可能である。すなわち、環境発電部23は、外部環境に応じた電力を発電する。従って、環境発電部23によって発電される電力は、外部環境に依存して変化する。環境発電部23は、例えば、太陽光、室内光などの光エネルギーを利用して発電する太陽電池を有する。或いは、環境発電部23は、例えば、地熱等の熱エネルギーを利用して発電する熱電変換素子を有する。環境発電部23は、生成した電力を、逆電流防止部24を介して、第1コネクタ21及び第2コネクタ22に出力する。」
エ 「[0041] 図1に示すように、負荷モジュール30は、第1コネクタ31と、第2コネクタ32と、を備える。負荷モジュール30は、第1コネクタ31から入力される電力、及び第2コネクタ32から入力される電力を、消費可能である。本実施形態では、第1コネクタ31は負荷モジュール30の一端(図1の左端)に位置し、第1コネクタ31の一端側(図1の左側)で配線部材10の第3コネクタ12と着脱可能である。また、第2コネクタ32は負荷モジュール30の他端(図1の右端)に位置し、第2コネクタ32の他端側(図1の右側)で配線部材10の第4コネクタ13と着脱可能である。」
オ 「[0044] 図3Aに示すように、負荷モジュール30の第1の構成例としての負荷モジュール30aは、上述の第1コネクタ31及び第2コネクタ32に加えて、負荷33と、電圧制御部34と、を備える。第1コネクタ31、第2コネクタ32、及び電圧制御部34は、それぞれ互いに電気配線を介して電気的に接続されている。電圧制御部34及び負荷33は、互いに電気配線を介して電気的に接続されている。すなわち、第1コネクタ31及び第2コネクタ32は、電圧制御部34を介して、負荷33と電気的に接続されている。負荷モジュール30内で互いに電気的に接続された各構成部は、それぞれ互いに電気配線を介さずに、直接的に接続されていてもよい。
[0045] 負荷33は、電力を消費可能な任意の負荷である。負荷33は、例えば、ラジオ等の電子機器、LED照明等である。負荷33が消費する電力は、負荷33の駆動状態等によって変化し得る。」
カ 「[0061][第2の使用状態]
図6は、電力配線装置1の第2の使用状態を示す図である。図6に示すように、本使用状態の電力配線装置1は、2つの配線部材10と、1つの環境発電モジュール20と、2つの負荷モジュール30と、を備える。詳細には、本使用状態の電力配線装置1では、1つの環境発電モジュール20に、2つの配線部材10を介して2つの負荷モジュールが接続されている。図6に示す例では、1つの環境発電モジュール20に対して、第2コネクタ22に2つの負荷モジュール30が電気的に接続されている。
[0062] 本使用状態のように、1つの環境発電モジュール20に対して複数の負荷モジュール30を設けることで、環境発電モジュール20の発電電力が十分である場合に、複数の負荷モジュール30に同時に電力を供給することができる。なお、複数の負荷モジュール30それぞれが備える負荷33(図3A参照)、又はそれぞれが接続する外部の負荷36(図3B参照)の動作に必要な電圧が異なる場合であっても、複数の負荷モジュール30それぞれが備える電圧制御部34によって適切に電圧制御されるので、複数の負荷モジュール30は共通の環境発電モジュール20によって動作可能である。
[0063] また、上述の第1の使用状態及び第2の使用状態を含む、任意の使用状態に応じて、使用者が回路モジュールを自由に配置することができるので、使用状態に適した配置を自由に構成することができる。従って、環境発電モジュール20を発電効率の良い位置に配置されるように適宜着脱することで、外部環境による発電効率の低下を抑制できる。また、負荷モジュール30を、その負荷モジュール30の使用に適した位置に配置されるように適宜着脱することができる。」
キ 「[図6]
[図:0001422480000004.jpg]
」
(2)甲3技術
電力配線装置1の第2の使用状態を示す図6([0061])には、2つの配線部材10と、1つの環境発電モジュール20と、2つの負荷モジュール30とが示されており、2つの配線部材10のうちの図左側のものを「第1の配線部材10」、図右側のものを「第2の配線部材10」、2つの負荷モジュール30のうちの図中央のものを「第1の負荷モジュール30」、図右側のものを「第2の負荷モジュール30」と称すると、図6からは、「環境発電モジュール20の第2コネクタ22に第1の配線部材10を介して第1の負荷モジュール30の第1コネクタ31が接続され、第1の負荷モジュール30の第2コネクタ32に第2の配線部材10を介して第2の負荷モジュール30の第1コネクタ31が接続されている」ことが見て取れる。
よって、前記(1)の下線部及び図6に着目すると、甲3には、次の技術(以下「甲3技術」という。)が記載されていると認められる。
「電力配線装置1は、2つの配線部材10と、1つの環境発電モジュール20と、2つの負荷モジュール30と、を備え、([0061])
環境発電モジュール20は、第1コネクタ21と、第2コネクタ22と、環境発電部23と、を備え、環境発電による電力を第1コネクタ21及び第2コネクタ22から出力可能であり、第1コネクタ21で配線部材10の第3コネクタ12と着脱可能であり、第2コネクタ22で配線部材10の第4コネクタ13と着脱可能であり、環境発電部23は、太陽電池を有し、([0030]、[0033]、[0034])
負荷モジュール30は、第1コネクタ31と、第2コネクタ32と、負荷33と、を備え、第1コネクタ31から入力される電力、及び第2コネクタ32から入力される電力を、消費可能であり、第1コネクタ31で配線部材10の第3コネクタ12と着脱可能であり、第2コネクタ32で配線部材10の第4コネクタ13と着脱可能であり、負荷33は、ラジオ等の電子機器、LED照明等であり、([0041]、[0044]、[0045])
環境発電モジュール20の第2コネクタ22に第1の配線部材を介して第1の負荷モジュール30の第1コネクタ31が接続され、第1の負荷モジュール30の第2コネクタ32に第2の配線部材を介して第2の負荷モジュール30の第1コネクタ31が接続され、([図6])
複数の負荷モジュール30に同時に電力を供給することができる([0062])技術。」
4 甲4
甲4には、次の事項が記載されている。
「【0014】
照明器具1は、図2に示すように、本体10と、光源ユニット2と、電池ユニット3と、点灯ユニット4と、カバー5と、複数(図1では2つ)の支持具6と、複数(図1では2つ)の取付ばね7とを備える。照明器具1は、電池内蔵型の非常灯(非常用照明器具)として構成されており、建物の通路や廊下などの天井に埋込配設される。」
「【0030】
(2.5)点灯ユニット
点灯ユニット4は、図1及び図3に示すように、光源ユニット2のLEDモジュール20を点灯させるように構成されている。点灯ユニット4は、点灯装置40(図1参照)と、点灯装置40を収容する筐体41と、コネクタ42(第2接続部)とを備える。」
「【0044】
まず、組立作業を行う作業者は、本体10内に点灯ユニット4を収容し、本体10の底板の固定片に点灯ユニット4の筐体41をかしめ固定する(図2参照)。それから、作業者は、光源ユニット2を点灯ユニット4の筐体41に取り付ける。ここで、筐体41の下面には、放熱部材21の2つの丸孔2100にそれぞれ個別に挿通される2つの突起411と、放熱部材21の角孔2101に挿通される引掛部412とが下向きに突設されている。作業者は、放熱部材21の固定部211に設けられている2つの丸孔2100に2つの突起411を個別に挿通し、かつ、角孔2101に挿通した引掛部412を角孔2101の周囲に引っ掛けて、光源ユニット2を筐体41に仮止めする。このとき、作業者は、本体10の左側の平坦壁15と点灯ユニット4との間に放熱部材21の固定部211を差し込み、かつ、電池ケース31の内側(左側)に突板部212を配置する。なお、光源ユニット2のプラグコネクタ26は、筐体41の中央の開口部の奥に配置されているレセプタクルコネクタと電気的かつ機械的に接続される。そして、作業者は、本体10の外から平坦壁15のねじ挿通孔150にねじ151を挿通し、放熱部材21の固定部211のねじ孔2110にねじ151をねじ込む。その結果、放熱部材21は、固定部211が本体10にねじ止めされることにより、本体10と熱的及び機械的に結合される。」
第5 当審の判断
1 申立理由1、申立理由2-1、申立理由2-2について
甲1を主たる証拠とする申立理由1、申立理由2-1、申立理由2-2について、以下、検討する。
(1)本件発明1について
ア 対比
本件発明1と甲1発明とを対比する。
(ア)発明特定事項A、Eについて
甲1発明の「ポール型太陽光発電機2」(構成1c)は、「太陽光発電シート体5によって発電された電力」が「電子機器等に使用され」る(構成1d)点で、「電気機器等」の電源といえるから、本件発明1の「電源ポール」に相当する。
甲1発明の前記「電子機器等」である「ライト9」、「センサ18」、「通信機19」及び「カメラ20」(構成1b)(以下、総称して「ライト9等」という。)は、それぞれ、「ポール型太陽光発電機2」の「ポール本体4」に設けられた「取付部15」(構成1c、1e)に「取り付けられ」(構成1e)ものであり、「ポール型太陽光発電機2」とは別体の機器であるから、本件発明1の「外部ユニット」に相当する。
甲1発明の「照明付き監視情報通信装置」(構成1a、1g)は、「ポール型太陽光発電機2」に前記「ライト9」、「センサ18」及び「カメラ20」、「通信機19」を取り付けたものであり、「照明」(構成1e)の機能、「環境情報等」(構成1e)を取得する機能、該「環境情報等」を「発信」(構成1e)する機能を有する点で、多機能の装置といえる。そうすると、甲1発明の「照明付き監視情報通信装置」は、本件発明1の「多機能装置」に相当し、本件発明1と甲1発明とは、「電源ポールと、外部ユニットとを含む多機能装置であ」る点で一致する。
(イ)発明特定事項B1について
甲1発明の「ポール型太陽光発電機2」が備える「ポール本体4」、「太陽光発電シート体5」、「バッテリ6」(構成1c)は、それぞれ、本件発明1の「ポール本体」、「太陽電池モジュール」、「蓄電池」に相当する。
甲1発明の「ポール型太陽光発電機2」は、前記(ア)のとおり、発電した電力を「ライト9等」に供給するから、「ライト9等」と電気的に接続していることは明らかであり、そのための接続手段(以下「甲1電源側接続手段」という。)を当然に備えると認められる。他方、甲1発明は、「甲1電源側接続手段」の構成が明らかでないため、本件発明1の「電源側コネクタ」と甲1発明の「甲1電源側接続手段」とは、「電源側接続手段」である点で共通するに留まる。
よって、本件発明1と甲1発明とは、「前記電源ポールは、ポール本体と、太陽電池モジュールと、蓄電池と、電源側接続手段とを含」む点で共通するが、「電源側接続手段」が、本件発明1は「電源側コネクタ」であるのに対し、甲1発明は「甲1電源側接続手段」がコネクタであるか明らかでない点で相違する。
(ウ)発明特定事項B2について
甲1発明の「太陽光発電シート体5」は、「ポール本体4の外周面側」の「筒体3の外周面側」に設けられた(構成1c)ものであるから、本件発明1と甲1発明とは、「前記太陽電池モジュールは、前記ポール本体の外部に配置され」ている点で一致する。
甲1発明は、「甲1電源側接続手段」の配置が、図1等を参照しても明らかでない。そのため、本件発明1と甲1発明とは、本件発明1の「電源側コネクタ」が「前記ポール本体の外部に配置され」ているのに対し、甲1発明の「甲1電源側接続手段」が「ポール本体4」の外部に配置されているか明らかでない点で相違する。
(エ)発明特定事項B3について
甲1発明の「ポール型太陽光発電機2」は、「太陽光発電シート体5によって発電された電力」を「バッテリ6」に「蓄電」する(構成1d)から、本件発明1と甲1発明とは、「前記太陽電池モジュールにより発電された電力により、前記蓄電池が充電され」る点で一致する。
(オ)発明特定事項B4について
甲1発明では、少なくとも夜間等の太陽光発電ができない時間帯には、「バッテリ6」に「蓄電」された「電力」(前記(エ))が、「甲1電源側接続手段」を介して「ライト9等」に出力される(前記(イ))と解される。よって、前記(イ)を踏まえると、本件発明1と甲1発明とは、「前記蓄電池の電力が、前記電源側接続手段から外部に出力され」る点で共通する。
(カ)発明特定事項C1について
甲1発明の「ライト9等」は、前記(イ)のとおり、「ポール型太陽光発電機2」の「甲1電源側接続手段」を介して出力される「電力」を受電するから、該「甲1電源側接続手段」と電気的に接続するための接続手段(以下「甲1受電側接続手段」という。)を備えると認められる。他方、甲1発明は、前記「甲1受電側接続手段」の構成が明らかでないため、本件発明1の「受電側コネクタ」と甲1発明の「甲1受電側接続手段」とは、「受電側接続手段」である点で共通するに留まる。
また、甲1発明には、「ライト9等」が本件発明1の「中間電源側コネクタ」に対応する構成を備えることは特定されていない。そして、甲1発明のようなポール型の太陽光発電機の分野において、該発電機に取り付けられる機器が、他の機器等に電力を出力するためのコネクタを必ず有する、との技術常識は存在しないことに鑑みると、甲1発明の「ライト9等」は、本件発明1の「中間電源側コネクタ」に対応する構成を有するとはいえない。
よって、本件発明1と甲1発明とは、「前記外部ユニットは、受電側接続手段を含」む点で共通するが、「受電側接続手段」が、本件発明1は「受電側コネクタ」であるのに対し、甲1発明は「甲1受電側接続手段」がコネクタであるか明らかでない点で相違する。さらに、本件発明1の「前記外部ユニット」は「中間電源側コネクタ」を含むのに対し、甲1発明の「ライト9等」は対応する構成を備えるか不明である点で相違する。
(キ)発明特定事項C2について
甲1発明の「ライト9」、「カメラ20」、「センサ18」及び「通信機19」(構成1b)は、それぞれ、本件発明1の「発光ユニット」、「カメラユニット」、「センサユニット」及び「通信ユニット」に相当するから、本件発明1と甲1発明とは、「前記外部ユニットが、発光ユニット、カメラユニット、センサユニット及び通信ユニットからなる群から選択される少なくとも1種を含」む点で一致する。
(ク)発明特定事項Dについて
甲1発明の「ポール型太陽光発電機2」の「甲1電源側接続手段」と「ライト9等」の「甲1受電側接続手段」は、電気的に接続していることは明らかである。そして、前記(カ)のとおり、甲1発明の「ライト9等」は、本件発明1の「中間電源側コネクタ」に対応する構成を備えているとはいえないから、「ポール型太陽光発電機2」から「ライト9等」の各機器への電力供給は、他の該機器を介さず行われると解するのが合理的である。そのため、甲1発明において、「甲1電源側接続手段」と「甲1受電側接続手段」との接続は、直接的であるといえる一方、前記「甲1電源側接続手段」と「甲1受電側接続手段」とは、「中間電源側コネクタを介して間接的に」接続されるとはいえない。
よって、本件発明1と甲1発明とは、「前記電源ポールの前記電源側接続手段と、前記外部ユニットの前記受電側接続手段とは、直接的に接続されている」点で共通するが、前記(イ)、(カ)の相違点に加えて、本件発明1は、「電源側コネクタ」と「受電側コネクタ」とが「直接的」又は「中間電源側コネクタを介して間接的に」接続されるのに対し、甲1発明は、「甲1電源側接続手段」と「甲1受電側接続手段」とが「直接的」に接続されるが、「中間電源側コネクタを介して間接的に」は接続されるとはいえない点で相違する。
(ケ)一致点、相違点
前記(ア)~(ク)によれば、本件発明1と甲1発明とは、次の点で一致し、相違する。
[一致点]
電源ポールと、外部ユニットとを含む多機能装置であって、
前記電源ポールは、ポール本体と、太陽電池モジュールと、蓄電池と、電源側接続手段とを含み、
前記太陽電池モジュールは、前記ポール本体の外部に配置され、
前記太陽電池モジュールにより発電された電力により、前記蓄電池が充電され、
前記蓄電池の電力が、前記電源側接続手段から外部に出力され、
前記外部ユニットは、受電側接続手段を含み、
前記外部ユニットが、発光ユニット、カメラユニット、センサユニット及び通信ユニットからなる群から選択される少なくとも1種を含み、
前記電源ポールの前記電源側接続手段と、前記外部ユニットの前記受電側接続手段とは、直接的に接続されている
多機能装置。
[相違点]
(相違点1)「電源側接続手段」が、本件発明1は「電源側コネクタ」であるのに対し、甲1発明は「甲1電源側接続手段」がコネクタであるか明らかでない点。加えて、本件発明1の前記「電源側コネクタ」は「前記ポール本体の外部に配置され」ているのに対し、甲1発明の「甲1電源側接続手段」が「ポール本体4」の外部に配置されているか明らかでない点。
(相違点2)「受電側接続手段」が、本件発明1は「受電側コネクタ」であるのに対し、甲1発明は「甲1受電側接続手段」がコネクタであるか明らかでない点。
(相違点3)本件発明1の「前記外部ユニット」は「中間電源側コネクタ」を含むのに対し、甲1発明の「ライト9等」は対応する構成を備えるか不明な点。
これに付随して、本件発明1は、「電源側コネクタ」と「受電側コネクタ」とが、「直接的」又は「中間電源側コネクタを介して間接的に」接続されているのに対し、甲1発明は、「甲1電源側接続手段」と「甲1受電側接続手段」とは「直接的」に接続されるが、「中間電源側コネクタを介して間接的に」は接続されるとはいえない点。
イ 相違点についての判断
事案に鑑み、相違点3について検討する。
(ア)相違点3は、本件発明1の「多機能装置」の「外部ユニット」を構成する「中間電源側コネクタ」と、該「中間電源側コネクタ」を介した「多機能装置」の「電源ポール」と前記「外部ユニット」との接続構成に係るものであるから、相違点3は、実質的な相違点である。
(イ)甲1発明は、「ポール型太陽光発電機2」から出力される電力を「ライト9等」の一の機器を介して「ライト9等」の別の機器に供給するものではなく、そのように電力供給を行う示唆も、甲1にはない。また、前記ア(ア)のとおり、甲1発明の「ライト9等」は全て「ポール型太陽光発電機2」の「ポール本体4」に設けられた「取付部15」に取り付けられており、この配置のもとで、「ポール型太陽光発電機2」から「ライト9等」への電力供給を、あえて、いずれかの機器を介するように構成する必要性は見出せない。加えて、甲1発明のようなポール型の太陽光発電機において、該発電機に取り付けられた一の機器を介して間接的に別の機器に電力を供給することを動機付ける証拠もない。
したがって、甲1発明において、「ポール型太陽光発電機2」からの電力を、「ライト9等」の一の機器を介して間接的に「ライト9等」の別の機器に供給すること、そのために、本件発明1の「中間電源側コネクタ」に相当するコネクタを「ライト9等」に設けるとともに、該「中間電源側コネクタ」を介して「ポール型太陽光発電機2」と「ライト9等」とを間接的に接続可能にして、相違点3に係る構成とすることは、甲1発明に基づいて当業者が容易に想到し得たことであるということはできない。
(ウ)甲3技術は、前記第4、3(2)のとおりであり、環境発電モジュール20、第1の負荷モジュール30、第2の負荷モジュール30がこの順に接続され、複数の負荷モジュール30に同時に電力を供給することができることからして、環境発電モジュール20の発電した電力は、第1の負荷モジュール30を介して、第2の負荷モジュール30に供給されるものと解される。
しかしながら、第1及び第2の負荷モジュール30が備える第1コネクタ31、第2コネクタ32はともに、負荷33が消費する電力を入力(受電)可能なコネクタであるから、そのどちらかが本件発明1の「外部ユニット」の「中間電源側コネクタ」に相当するものということはできない。図6の接続態様に限れば、第1の負荷モジュール30の第2コネクタ32は、第2の負荷モジュールに電力を供給するコネクタとして機能するが、甲3技術は、「環境発電モジュールを発電効率の良い位置に配置されるように適宜着脱することで、外部環境による発電効率の低下を抑制できる。」([0007])ものであるから、外部環境に応じて接続態様が変わることが想定されており、甲3技術のシステム全体の動作に鑑みれば、第1の負荷モジュール30の第2コネクタ32が電力を供給するコネクタとして機能するとは必ずしもいえない。そのため、甲3技術は、本件発明1の「中間電源側コネクタ」に相当するコネクタを開示するものでなく、ひいては、相違点3に係る構成を示すものではない。
加えて、甲3技術は、環境発電モジュール20、負荷モジュール30それぞれに適した位置に配置されるように、適宜着脱可能にモジュール間を配線部材で接続する技術であると解される([0063])。これに対し、甲1発明は、前記(イ)のとおり、「ライト9等」を「ポール型太陽光発電機2」の「ポール本体4」に設けられた「取付部15」に取り付けた配置であり、甲1発明と甲3技術とは、機器の配置の態様が大きく異なっているため、甲1発明に甲3技術を適用する動機付けは存在しない。仮に、甲1発明に甲3技術を適用したとしても、前述のとおり甲3技術は「中間電源側コネクタ」に相当する構成を開示するものではないから、相違点3に係る構成には到達し得ない。
そのため、相違点3に係る構成は、甲1発明及び甲3技術から当業者が容易に想到し得たということはできない。
(エ)前記(ア)~(ウ)のとおりであるから、その余の相違点について検討するまでもなく、本件発明1は、甲1発明と同一ではなく、また、甲1発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではなく、甲1発明及び甲3技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。
ウ 特許異議申立人の主張について
(ア)申立理由1及び申立理由2-1に関し、特許異議申立人は、「図1を参照すると、カメラ20は、通信機19を介して、取付部15に間接的に取り付けられていることが記載されているといえる。上述したように、甲第1号証には、太陽光発電シート体5によって発電された電力は、取付部15に取り付けられている機器に使用されることが記載されている。このため、通信機19は、カメラ20に接続し、太陽光発電シート体5によって発電された電力を供給する中間電源側コネクタを有し、一方、カメラ20は、通信機19の中間電源側コネクタを介して取付部15の電源側コネクタに接続し、上記の電力を受け取る受電側コネクタを有することが記載されているといえる。」(特許異議申立書12頁)として甲1発明1を認定した上で、本件発明1は、甲1発明1と同一であり、甲第1号証に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであると主張する(特許異議申立書21頁)。
しかしながら、甲1の図1は、照明付き監視情報通信装置全体の構成を示す側面図(【0022】)であって、図1からは、取付部15への通信機19及びカメラ20の取り付けの詳細は不明であり、これは、甲1のその他の記載を参酌しても変わらない。さらに、仮に、カメラ20が通信機19を介して取付部15に間接的に取り付けられているとしても、そのことが直ちに、通信機19が中間電源側コネクタを有し、カメラ20が該中間電源側コネクタを介して電力を受け取る構成であるともいえない。
したがって、特許異議申立人が認定する甲1発明1は、甲1に記載されている発明とはいえないものであるから、該甲1発明1に基づく前記主張は採用できない。
(イ)申立理由2-2に関し、特許異議申立人は、甲3の図6の記載を根拠に、「環境発電モジュール20の第1コネクタ21及び第2コネクタ22の各々と、負荷モジュール30の第1コネクタ31とは、直接的、又は、中間電源側コネクタを介して間接的に接続されている」構成が記載されているとし(特許異議申立書19~20頁)、甲1と甲3とは、「双方とも太陽光を利用して発電する太陽光発電シート体5(環境発電モジュール20)を備える装置に関する技術という点で共通している」ため、甲1に甲3を適用する動機付けがあり、甲1発明1に甲3記載事項1を適用して、本件特許発明1の構成F、構成H(相違点3に係る構成)は容易に想到し得る旨主張する(特許異議申立書21~22頁)。
しかしながら、前記イ(ウ)のとおり、甲3は、相違点3に係る構成を開示するものではなく、甲1に甲3を適用する動機付けがあるともいえないから、前記主張も採用することはできない。
エ 小括
以上のとおり、本件発明1は、甲1に記載された発明ではない。また、本件発明1は、甲1に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではなく、甲1に記載された発明及び甲3に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。
(2)本件発明2~8について
本件発明2~8は、本件発明1の発明特定事項を全て備え、さらに別の発明特定事項を備えるものであるから、甲1発明とは少なくとも前記(1)ア(ケ)の相違点1~3で相違する。
そして、相違点3については、前記(1)イのとおりであり、甲2発明は、相違点3に係る構成を示すものではなく(後述)、甲4にも相違点3に係る構成は記載されていない。
したがって、本件発明6は、甲1に記載された発明ではない。また、本件発明2~8は、甲1に記載された発明及び甲1~甲4に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(3)申立理由1、申立理由2-1、申立理由2-2についてのまとめ
以上のとおりであるから、申立理由1、申立理由2-1及び申立理由2-2は、いずれも理由がない。
2 申立理由2-3について
甲2を主たる証拠とする申立理由2-3について、以下、検討する。
(1)本件発明1について
ア 対比
本件発明1と甲2発明とを対比する。
(ア)発明特定事項A、Eについて
甲2発明の「電源システム100」(構成2a、2p)は、「筐体140」を備え(構成2c)、該「筐体140」は、「外形」が「円柱形状または角柱形状」(構成2g)の柱状であるから、ポールといえる。よって、甲2発明の「電源システム100」は、本件発明1の「電源ポール」に相当する。
甲2発明の「外部機器200」(構成2a、2q)は、「電源システム100の外部に設けられる電気機器」(構成2n)であるから、本件発明1の「外部ユニット」に相当する。
甲2発明の「電源システム100および外部機器200」(構成2a、2p)は、「電源システム100」に「外部機器200」が「固定」され(構成2b)、「電源システム100」が「電力」を「外部機器200」に「供給」し(構成2b)、該「電力」で「外部機器200」が「動作」する(構成2n)ものであるから、「電源システム100および外部機器200」は、一体となって稼働する装置といえる。他方、「外部機器200」は、「電源システム100」の「第1固定部142」(構成2k)に「固定」されるものであって、図1からも複数の「外部機器200」があるとはいえない。そして、前記「外部機器200」によって「電源システム100および外部機器200」に備わる機能は、「照明」(構成2o)というただ一つの機能であるから、「電源システム100および外部機器200」は、多機能とはいえない。そのため、本件発明1の「多機能装置」と甲2発明の「電源システム100および外部機器200」とは、「装置」である点で共通するが、甲2発明の「電源システム100および外部機器200」は「多機能」とはいえない点で相違する。
したがって、本件発明1と甲2発明とは、「電源ポールと、外部ユニットとを含む装置であ」る点で共通するが、「装置」が、本件発明1は「多機能装置」であるのに対し、甲2発明の「電源システム100および外部機器200」は「多機能」とはいえない点で相違する。
(イ)発明特定事項B1について
甲2発明の「電源システム100」が備える「太陽電池110」、「蓄電池120」(構成2c)は、それぞれ、本件発明1の「太陽電池モジュール」、「蓄電池」に相当する。
甲2発明の「電源システム100」が備える「筐体140」は、「本体部146」と「接続部141」を備え(構成2h)、該「筐体140」はポールといえるものである(前記(ア))から、その「本体部146」は、本件発明1の「ポール本体」に相当する。
甲2発明の前記「接続部141」に設けられた「出力部150」は、「蓄電池120」からの「電力」を「外部機器200」に供給する「出力接点部151」を備える(構成2l)ものである。そして、「筐体140の上面から突出している略直方体形状」の前記「出力接点部151」(構成2m)によって、「出力部150」は「出力部150に対応した形状の凹部を有し」た「外部機器200」の「受電部213」(構成2o、2p)と嵌合すると解されるから、「出力部150」は、電力供給側のコネクタといえる。よって、前記「出力部150」は、本件発明1の「電源側コネクタ」に相当する。
したがって、本件発明1と甲2発明とは、「前記電源ポールは、ポール本体と、太陽電池モジュールと、蓄電池と、電源側コネクタとを含」む点で一致する。
(ウ)発明特定事項B2について
甲2発明の「太陽電池110」は、「本体部146」の「外面」に設けられる(構成2i)ものである。また、甲2発明の「出力部150」は、「本体部146」の「開口部146a」を覆う「接続部141」に設けられる(構成2i、2l)から、「本体部146」の外部にあることは明らかである。
よって、本件発明1と甲2発明とは、「前記太陽電池モジュール及び前記電源側コネクタは、前記ポール本体の外部に配置され」る点で一致する。
(エ)発明特定事項B3について
甲2発明の「電源システム100」の「蓄電池120」は、「太陽電池110」で発生した「電力」を用いて「充電」される(構成2f)から、本件発明1と甲2発明とは、「前記太陽電池モジュールにより発電された電力により、前記蓄電池が充電され」る点で一致する。
(オ)発明特定事項B4について
甲2発明の「電源システム100」の「蓄電池120」の「電力」は、「出力接点部151」を介して「外部機器200」に「供給」される(構成2l)から、本件発明1と甲2発明とは、「前記蓄電池の電力が、前記電源側コネクタから外部に出力され」る点で一致する。
(カ)発明特定事項C1について
甲2発明の「外部機器200」の「受電部213」(構成2o)は、「電源システム100」の「出力部150」から「電力を受電する受電端子」であり、また、前記(イ)のとおり、「出力部150に対応した形状の凹部を有し」(構成2p)、「出力部150」と嵌合すると解されるから、コネクタといえる。そうすると、前記「受電部213」は、本件発明1の「受電側コネクタ」に相当する。
他方、甲2発明には、「外部機器200」が本件発明1の「中間電源側コネクタ」に対応する構成を備えることは特定されていない。そして、甲2発明のような太陽光発電機の分野において、該発電機に取り付けられる機器が、他の機器等に電力を出力するためのコネクタを必ず有する、との技術常識は存在しないことに鑑みると、甲2発明の「外部機器200」は、本件発明1の「中間電源側コネクタ」に対応する構成を有するとはいえない。
よって、本件発明1と甲2発明とは、「前記外部ユニットは、受電側コネクタを含」む点で共通するが、本件発明1の「外部ユニット」は「中間電源側コネクタ」を含むのに対し、甲2発明の「外部機器200」は対応する構成を備えるか不明である点で相違する。
(キ)発明特定事項C2について
甲2発明の「外部機器200」は、「LED212」を備える「照明装置」である(構成2o)から、本件発明1の「発光ユニット」に相当する。そうすると、甲2発明の「外部機器200」は、本件発明1の「発光ユニット、カメラユニット、センサユニット及び通信ユニットからなる群から選択される少なくとも1種を含」むに包含されるから、本件発明1と甲2発明とは、「前記外部ユニットが、発光ユニット、カメラユニット、センサユニット及び通信ユニットからなる群から選択される少なくとも1種を含」む点で一致する。
(ク)発明特定事項Dについて
前記(イ)のとおり、甲2発明の「電源システム100」の「出力部150」と、「外部機器200」の「受電部213」とは嵌合し、「出力部150」の「出力端子152」と「受電部213」の「受電端子」が「接触」するから、「出力部150」と「受電部213」との接続は、直接的といえる。他方、甲2発明は、前記(カ)のとおり、甲2発明の「外部機器200」は、本件発明1の「中間電源側コネクタ」に対応する構成を有するとはいえず、また、前記(ア)のとおり、「外部機器200」は1つであって、他の「外部機器200」を介して「電源システム100」と接続するとは解されないから、前記「出力部150」と「受電部213」との接続は、「前記中間電源コネクタを介して間接的に」は接続されるとはいえない。
よって、本件発明1と甲2発明とは、「前記電源ポールの前記電源側コネクタと、前記外部ユニットの前記受電側コネクタとは、直接的に接続されている」点で共通するが、本件発明1は、「電源側コネクタ」と「受電側コネクタ」とが「直接的」又は「中間電源側コネクタを介して間接的に」接続されるのに対し、甲2発明は、「出力部150」と「受電部213」とが「直接的」に接続されるが、「中間電源側コネクタを介して間接的に」は接続されるとはいえない点で相違する。
(ケ)一致点、相違点
前記(ア)~(ク)によれば、本件発明1と甲2発明とは、次の点で一致し、相違する。
[一致点]
電源ポールと、外部ユニットとを含む装置であって、
前記電源ポールは、ポール本体と、太陽電池モジュールと、蓄電池と、電源側コネクタとを含み、
前記太陽電池モジュール及び前記電源側コネクタは、前記ポール本体の外部に配置され、
前記太陽電池モジュールにより発電された電力により、前記蓄電池が充電され、
前記蓄電池の電力が、前記電源側コネクタから外部に出力され、
前記外部ユニットは、受電側コネクタを含み、
前記外部ユニットが、発光ユニット、カメラユニット、センサユニット及び通信ユニットからなる群から選択される少なくとも1種を含み、
前記電源ポールの前記電源側コネクタと、前記外部ユニットの前記受電側コネクタとは、直接的に接続されている
装置。
[相違点]
(相違点4)「装置」が、本件発明1は「多機能装置」であるのに対し、甲2発明の「電源システム100および外部機器200」は、「多機能」とはいえない点。
(相違点5)本件発明1の「外部ユニット」は、「中間電源側コネクタ」を含むのに対し、甲2発明の「外部機器200」は対応する構成を備えるか不明な点。
これに付随して、本件発明1は、「電源側コネクタ」と「受電側コネクタ」とが、「直接的」又は「中間電源側コネクタを介して間接的に」接続されているのに対し、甲2発明は、「甲1電源側接続手段」と「甲1受電側接続手段」とは「直接的」に接続されるが、「中間電源側コネクタを介して間接的に」は接続されるとはいえない点。
イ 相違点についての判断
事案に鑑み、相違点5について検討する。
甲3技術については、前記1(1)イ(ウ)のとおりであり、本件発明1の「中間電源側コネクタ」に相当するコネクタを開示するものでなく、ひいては、相違点5に係る構成を示すものではない。そのため、仮に、甲3技術を甲2発明に適用したとしても、相違点5に係る構成には到達し得ない。
さらに、甲2発明は、「第1固定部142」に「外部機器200」を「電源システム100」の「接続部141」に固定し、「第1固定部142」を「蓋部143」により「電源システム100」の「筐体140」に内封する(構成2k)構成により、外部機器の盗難を抑制する(【0010】、【0011】)ものである。これに対し、甲3技術は、前記1(1)イ(ウ)のとおり、環境発電モジュール20、負荷モジュール30それぞれに適した位置に配置されるように、適宜着脱可能にモジュール間を配線部材で接続する技術([0063])であるから、甲3技術を甲2発明に適用することには阻害要因があるといえる。
よって、相違点5に係る構成は、甲2発明及び甲3技術から当業者が容易に想到し得たということはできない。
したがって、その余の相違点について検討するまでもなく、本件発明1は、甲2発明及び甲3技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
ウ 特許異議申立人の主張について
申立理由2-3に関し、特許異議申立人は、甲3の図6の記載を根拠に、「環境発電モジュール20の第1コネクタ21及び第2コネクタ22の各々と、負荷モジュール30の第1コネクタ31とは、直接的、又は、中間電源側コネクタを介して間接的に接続されている」構成が記載されているとし(特許異議申立書19~20頁)、甲2と甲3とは、「双方とも太陽光を利用して発電する太陽電池110(環境発電モジュール20)を備える装置に関する技術という点で共通している」ため、甲2に甲3を適用する動機付けがあり、甲2発明1に甲3記載事項1を適用して、本件特許発明1の構成F、構成H(相違点5に係る構成)は容易に想到し得る旨主張する(特許異議申立書23頁)。
しかしながら、前記イのとおり、甲3は、相違点5に係る構成を開示するものではなく、また、甲2に甲3を適用するには阻害要因があるから、前記主張は採用することはできない。
なお、特許異議申立人は、外部装置200が、LED212、表示部214A及び通信部215Aを備える外部装置200A(【0112】)、スピーカ212B及び通信部215Aを備える外部装置200B(【0121】)である態様を踏まえて甲2発明1を認定して、対比を行っていると解される(特許異議申立書14~15頁、22~23頁)。しかしながら、甲2発明1が、外部装置200Aまたは外部装置200Bを備えるものとしても、本件発明1との間に相違点5が存在することに変わりはなく、相違点5に係る構成が容易に想到し得ないことは、前記イのとおりである。
エ 小括
以上のとおり、本件発明1は、甲2に記載された発明及び甲3に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(2)本件発明2~8について
本件発明2~8は、本件発明1の発明特定事項を全て備え、さらに別の発明特定事項を備えるものであるから、甲2発明とは少なくとも前記(1)ア(ケ)の相違点4及び5で相違する。
そして、相違点5については、前記(1)イのとおりであり、また、前記1(1)のとおり、甲1発明も、相違点5に係る構成を示すものではなく、甲4にも相違点5に係る構成は記載されていない。
したがって、本件発明2~8は、甲2に記載された発明及び甲1~甲4に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(3)申立理由2-3についてのまとめ
以上のとおりであるから、申立理由2-3は、理由がない。
第6 むすび
したがって、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、請求項1~8に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に上記請求項に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2025-700073