特許拒絶査定不服審判
2016-019586
携帯電子機器および携帯電子機器の制御プログラム
- 審判番号
- 2016-019586
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2014-125374外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2016年12月27日
- 審決日
- 2017年07月18日
- 公報発行日
- 2017年10月27日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .121-Z (G06F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2014-125374「携帯電子機器および携帯電子機器の制御プログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成26年10月30日出願公開、特開2014-207000〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
1.手続の経緯
本願は、平成18年10月30日に出願された特願2006-294066号(以下、「原出願」という。)の一部を、平成24年11月5日に新たな特許出願とした特願2012-243782号の一部を、さらに、平成26年6月18日に新たな特許出願としたものであって、平成27年7月13日付けで拒絶理由通知がなされ、同年9月18日付けで手続補正がされるとともに意見書が提出され、平成28年2月24日付けで拒絶理由通知(最後)がなされ、同年5月2日付けで手続補正がされるとともに意見書が提出され、平成28年5月2日付け手続補正が同年9月30日付けで却下されるとともに同日付で拒絶査定がなされ(発送日:同年10月4日)、同年12月27日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。
2.本願発明
本願の請求項1ないし6に係る発明は、平成27年9月18日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし6に記載された事項により特定されるものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次のとおりのものである。
「 【請求項1】
操作キー群を含むキーレイアウト全体が表示される表示部と、タッチパネルと、を備え、
前記タッチパネル上で前記キーレイアウト全体における任意の位置に接触した状態で当該接触位置が移動した場合、前記キーレイアウト全体の大きさを変更せずに、前記キーレイアウト全体の位置を移動する携帯電子機器。」
3.引用文献、引用発明について
(1) 引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用され、原出願の出願前に公開された、特開2006-138779号公報(以下、「引用文献1」という。)には、図面とともに以下の記載がある(下線は、特に着目した箇所を示す。以下同様。)。
ア 段落【0019】-【0020】
「【0019】
図1は、本発明を効果的に利用できる自動分析装置および自動分析装置支援システムの全体構成を示す概略図である。自動分析装置101は、操作部102と分析部103から構成される。図1において、操作部102と分析部103は、インターフェイス111を介して情報の伝達を行う。分析部103内は、A/Dコンバータ112,試薬用ポンプ113,試薬ディスク114,試薬バーコード読み取り装置115,試薬容器116,試薬分注プローブ117,反応槽118,反応容器119,洗浄機構120,多波長光度計121,攪拌機構122,検体用ポンプ123,検体分注機構124,サンプルディスク125,検体容器126で構成され、自動分析装置101の動作は、上記それぞれの構成要素を用いてサンプリング,試薬分注,攪拌,測光,反応容器の洗浄、の順番に実施される。実施される分析動作については、当該技術分野においてよく知られており、例えば、特願2004-015047号に記載されている。
【0020】
一方、操作部102は、分析の統括制御を行うコンピュータ104と、それに接続された入力部105、および出力部106とを含む。出力部としては、CRT109やプリンタ110が挙げられる。入力部としては、一般的なキーボード108,CRT109と連携したポインティングデバイスとしてのマウス107や、操作画面(CRT109)に触れることで操作するタッチパネル等が挙げられる。その場合、CRT109は入力部兼出力部であると言える。また、入力方法としては、例えば一般的なキーボードにおけるTABキーや矢印キーにより選択すべき部分を順次遷移し、Enter キーによる選択する方法も望ましい方法と言える。操作部102としては、価格が安く、操作性の優れたパーソナルコンピューターを利用することができる。」
イ 段落【0025】
「【0025】
操作画面上において、上記グローバルアクションボタンエリア201とインフォメーションエリア207以外の領域が、ワークエリア209として使用される。ワークエリア209には自動分析装置支援システムのアプリケーション特定機能およびデータを表示する。図3は、図2に示した操作画面の構成の一例において、入力操作ガイドが表示されたインフォメーションエリアを示す図である。操作画面上の任意の入力域301が編集状態になった時に、対応する入力操作ガイド302を、インフォメーションエリア207内に表示する。編集状態とは、具体的には、タッチパネル入力時においては当該入力域がタッチされた時、それ以外の入力方法においては、マウスポインタあるいはカーソルが当該入力域にある時、を意味する。図3では、日本語環境における自動分析装置支援システム中の一操作画面において、「時刻」が編集状態にある場合の例を示した。時刻情報として入力可能な値域を示し、かつ、入力を確定するためにEnter キーを押下するよう、ガイドしている。これにより、作業者が、すべてのパラメータの値域を暗記しているような熟練のオペレータでなくとも、迷うことなく適切な値を設定する事を可能にしている。また言うまでもなく、他国語環境においては、当該ガイドは対応する適切な他国語を用いて示される。」
ウ 段落【0027】
「【0027】
図4は、図2に示した操作画面の構成の一例であり、さらに、本発明の具体例である編集エリア付きフルキー配列ソフトキーボードを示す図である。ソフトキーボード401内に起動元ID表示エリア402を設け、当該エリアには現在編集状態にある入力域のIDを表示する。図4においては、「Dec.(Decrease) Volume(2)」がIDとして表示されている例を示した。この時、ソフトキーボード401の移動可能範囲をワークエリア209内に制限する事により、当該IDの値域として、インフォメーションエリア207に例えば「希釈後の検体量を入力してください。0,2.0~20.0:入力後、Enter キー」と表示することができ、オペレータはその操作ガイドに従って、適切な値を入力することができる。オペレータはソフトキーボード401の表示部分のタッチパネルを押圧しながら押圧位置を移動させることにより、マウスのドラッグと同様にソフトキーボード401の表示位置を変えることができる。その場合でも、オペレータがグローバルアクションボタン(表示)エリア201にソフトキーボード401の一部がかぶるように指示すると、ソフトキーボード401の表示がグローバルアクションボタン(表示)エリア201を蔽わないようにソフトキーボード401の移動が停止する。」
エ 段落【0030】-【0035】
「【0030】
図5は、図2に示した操作画面の構成の一例であり、さらに、本発明の具体例である編集エリア無しフルキー配列ソフトキーボードを示す図である。図4と同様に、オペレータの操作により任意の入力域が編集状態にされた時、操作画面上にソフトキーボード501を提供し、ユーザのデータ入力を可能とする例であり、移動可能範囲をワークエリア209内に制限する事により得られる効果もまた、図4と同様である。図4に示した内容と異なるのは、ソフトキーボード501が、図4のソフトキーボード401が備える起動元ID表示エリア402および編集エリア403を含まない点にある。この形式においては、編集内容は、現在編集状態にある入力域502に対して直接反映されるため、オペレータは、図4に示す形式よりもさらに、従来のキーボードを用いた入力操作に近い感覚で操作することができ、かつ、ソフトキーボードが操作画面上に占める面積も図4に示した形式に比べ、小さく抑える事が可能である。
【0031】
図6は、図2に示した操作画面の構成の一例であり、さらに、本発明の具体例であるテンキー配列ソフトキーボードを示す図である。図4と同様に、オペレータの操作により任意の入力域が編集状態にされた時、操作画面上にソフトキーボード601を提供し、ユーザのデータ入力を可能とする例であり、移動可能範囲をワークエリア209内に制限する事により得られる効果もまた、図4と同様である。図4と異なるのは、任意の入力域が編集状態にされた時、その入力域の属性を判断し、もし数値データのみ入力可能なものであったならば、テンキー配列ソフトキーボード601を表示する、という点にある。これにより、ソフトキーボードが操作画面上に占める面積を図5の形式以上に小さく抑える事が可能である。
【0032】
その他に図4に示した内容と異なるのは、図5と同様に、ソフトキーボード601が図4のソフトキーボード401が備える起動元ID表示エリア402および編集エリア403を含まず、編集内容が現在編集状態にある入力域602に対して直接反映されることにより、オペレータに従来の入力操作に近い操作感覚を提供できる点である。
【0033】
図7は、図2に示した操作画面の構成の一例であり、さらに、本発明の具体例である携帯電話風キー配列ソフトキーボードを示す図である。図4と同様に、オペレータの操作により任意の入力域が編集状態にされた時、操作画面上にソフトキーボード701を提供し、ユーザのデータ入力を可能とする例であり、移動可能範囲をワークエリア209内に制限する事により得られる効果もまた、図4と同様である。
【0034】
図4と異なるのは、入力モード切替キー702により、同一ソフトキーボードサイズにて数値と文字の両方を入力できる点にある。入力モード切替キー702上に「ABC」が表示されている場合は数値入力モードであり、ソフトキーボードはテンキー配列ソフトキーボード601と同様に動作する。入力モード切替キー702上に「123」が表示されている場合は文字入力モードであり、ソフトキーボードは日常生活において一般的に用いられる携帯電話のキー配列と同様に、1キーに対して複数のアルファベットを割当てられたソフトキーボードとして動作する。
【0035】
その他、ソフトキーボード701が、図4のソフトキーボード401が備える起動元ID表示エリア402および編集エリア403を含まないことによって、編集内容は、現在編集状態にある入力域703に対して直接反映されるため、オペレータが、図4に示す形式よりもさらに、従来のキーボードを用いた入力操作に近い感覚で操作することができ、かつ、ソフトキーボードが操作画面上に占める面積も、文字入力が可能でありながら図6に示したテンキー配列ソフトキーボードと同程度まで小さく抑える事ができる、という効果もある。」
よって、上記各記載事項を関連図面と技術常識に照らし、下線部に着目すれば、引用文献1には、自動分析装置101の操作部102に係る、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているといえる。
「自動分析装置101を構成する操作部102は、分析の統括制御を行うコンピュータ104と、それに接続された入力部105、および出力部106とを含み、
出力部は、CRT109であり、
入力部は、操作画面(CRT109)に触れることで操作するタッチパネルであり、
操作部102としては、操作性の優れたパーソナルコンピューターを利用し、
操作画面上において、グローバルアクションボタンエリア201とインフォメーションエリア207以外の領域が、ワークエリア209として使用され、
オペレータはソフトキーボードの表示部分のタッチパネルを押圧しながら押圧位置を移動させることにより、マウスのドラッグと同様にソフトキーボードの表示位置を変えることができ、その場合でも、オペレータがグローバルアクションボタン(表示)エリア201にソフトキーボードの一部がかぶるように指示すると、ソフトキーボードの表示がグローバルアクションボタン(表示)エリア201を蔽わないようにソフトキーボードの移動が停止し、
操作画面の構成は、携帯電話風キー配列ソフトキーボードを含み、オペレータの操作により任意の入力域が編集状態にされた時、操作画面上にソフトキーボード701を提供し、ユーザのデータ入力を可能とし、移動可能範囲をワークエリア209内に制限し、
入力モード切替キー702により、同一ソフトキーボードサイズにて数値と文字の両方を入力でき、入力モード切替キー702上に「ABC」が表示されている場合は数値入力モードであり、ソフトキーボードはテンキー配列ソフトキーボードと同様に動作し、入力モード切替キー702上に「123」が表示されている場合は文字入力モードであり、ソフトキーボードは日常生活において一般的に用いられる携帯電話のキー配列と同様に、1キーに対して複数のアルファベットを割当てられたソフトキーボードとして動作する、
自動分析装置101を構成する操作部102。」
(2) 引用文献2について
原査定の拒絶の理由に引用され、原出願の出願前に公開された、米国特許出願公開第2006/0007178号明細書(以下、「引用文献2」という。)には、図面とともに以下の記載がある(訳は、当審訳。)。
ア 段落[0029]
「[0029] In the telecommunication system of FIG.1 , a mobile terminal 100 is connected across a wireless communication link 110 to a base station 120 of a mobile telecommunications network 130. The mobile telecommunications network 130 is connected to another telecommunications network 140, a public switched telephone network (PSTN). In this way, a user of the mobile terminal 100 may communicate with another user of a stationary telephone 150. The mobile terminal may be any commercially available device - such as a mobile (cellular) telephone, a portable digital assistant (PDA) or a communicator which is adapted for any known mobile telecommunications system, such as GSM, UMTS or D-AMPS. 」
(訳:
[0029] 図1の通信システムにおいて、モバイル端末100が、無線通信リンク110を介して、モバイル通信ネットワーク130の基地局120と接続する。モバイル通信ネットワーク130は、公衆電話交換ネットワーク(PSTN)である、他の長距離通信ネットワーク140と接続する。このようにして、モバイル端末100のユーザは、他の固定電話器150のユーザと通信することができる。モバイル端末は、任意の市販の装置-例えば、携帯(セルラ-)電話、ポータブル・デジタル・アシスタント(PDA)、あるいは、GSM、UMTS、D-AMPSなど、任意の周知のモバイル通信システムに適合した通信機である。)
イ 段落[0047]-[0048]
「[0047] The virtual keypad could also be moved by pressing down on the virtual keypad representation and then dragging it to either side and letting go, whereby the virtual keypad and the associated virtual keys would be moved and, if needed, reshaped to the new position. Possibly the user would have to press down and hold the finger pressed for a short time before moving the virtual keypad to differentiate the move action from normal keypresses that might be done shakily (for instance when standing in a rocking subway train) or to differentiate the move action from various possible shortpress and longpress actions.
[0048] It should be clear that the invention is applicable to other handheld, portable, electronic devices, that are meant or designed to be carried and operated in one or two hands leisurely without needing other support, having a graphical user interface based on a touch screen. 」
(訳:
[0047] 仮想キーパッドは、仮想キーパッドの表示の上で押下してから、どちらか一方の側にドラッグして、放すことによって、移動させることもでき、それによって、仮想キーパッドと関連する仮想キーとを移動させて、さらに、必要ならば変形されて新たな位置に置かれる。あるいは、(例えば、揺れる地下鉄の車内で立っているときに)震えている場合に、または、多様な可能な短押しや長押しから、移動のアクションを区別する場合に、通常のキー押下から、移動のアクションを区別するために、仮想キーパッドを移動させる前に、ユーザは押下してから、ある短い時間だけ指の押圧を保持しなければならない。
[0048] 本発明は、タッチスクリーンに基づくグラフィカルユーザインタフェースを備えた、他の支持部を必要とせずに、片手または両手でゆっくり持ち運び、操作できることが意図され、設計されている、他の手持ちの、携帯電子装置に適用できることは明らかである。)
4.対比
本願発明と引用発明とを対比する。
(1) 引用発明の操作部102の「出力部106」である「CRT109」は、本願発明の「表示部」に相当する。
引用発明の「ソフトキーボード」(「携帯電話風キー配列ソフトキーボード」)は、本願発明の「キーレイアウト」に対応する。
ここで、引用発明の「(携帯電話風キー配列)ソフトキーボード」は、操作画面上で他の表示要素より前面に表示されることは明らかであって、「オペレータがグローバルアクションボタン(表示)エリア201にソフトキーボードの一部がかぶるように指示すると、ソフトキーボードの表示がグローバルアクションボタン(表示)エリア201を蔽わないようにソフトキーボードの移動が停止し」、「移動可能範囲をワークエリア209内に制限し」ているから、引用発明の操作画面上で、位置を移動しても、「ソフトキーボードの全体が表示される」ことは明らかである。
よって、操作画面のワークエリア209内に「ソフトキーボード」が表示される、引用発明の「CRT109」は、本願発明の「操作キー群を含むキーレイアウト全体が表示される表示部」と、「キーレイアウト全体が表示される表示部」である点で共通するといえる。
(2) 引用発明の操作部102の「入力部105」である「タッチパネル」は、本願発明の「タッチパネル」に相当する。
(3) 引用発明において「オペレータはソフトキーボードの表示部分のタッチパネルを押圧しながら押圧位置を移動させることにより、マウスのドラッグと同様にソフトキーボードの表示位置を変えることができ」ることは、本願発明の「前記タッチパネル上で前記キーレイアウト全体における任意の位置に接触した状態で当該接触位置が移動した場合、前記キーレイアウト全体の大きさを変更せずに、前記キーレイアウト全体の位置を移動する」ことと、「前記タッチパネル上で前記キーレイアウトに接触した状態で当該接触位置が移動した場合、前記キーレイアウト全体の位置を移動する」点で共通するといえる。
(4) 引用発明の自動分析装置101を構成する「操作部102」として、「操作性の優れたパーソナルコンピューターを利用」しているものは、本願発明の「携帯電子機器」と、「電子機器」である点で共通するといえる。
したがって、本願発明と引用発明との一致点・相違点は次のとおりである。
[一致点]
「キーレイアウト全体が表示される表示部と、タッチパネルと、を備え、
前記タッチパネル上で前記キーレイアウトに接触した状態で当該接触位置が移動した場合、前記キーレイアウト全体の位置を移動する、電子機器。」
[相違点1]
キーレイアウトについて、本願発明では、「操作キー群を含む」キーレイアウトであるのに対して、引用発明では、「携帯電話風キー配列ソフトキーボード」であって、「操作キー群を含む」キーレイアウトであることは、特定がなされていない点。
[相違点2]
キーレイアウトの移動に関して、本願発明では、「前記タッチパネル上で前記キーレイアウト全体における任意の位置に接触した状態で当該接触位置が移動した場合」、移動するのに対して、引用発明では、「オペレータはソフトキーボードの表示部分のタッチパネルを押圧しながら押圧位置を移動させることにより」、ソフトキーボードの表示位置を変えるものであって、「キーレイアウト全体における任意の位置」への接触で移動することは、特定がなされていない点。
[相違点3]
キーレイアウトの移動において、本願発明では、「前記キーレイアウト全体の大きさを変更せずに」移動するのに対して、引用発明では、「前記キーレイアウト全体の大きさを変更せずに」移動することは、特定がなされていない点。
[相違点4]
本願発明が「携帯電子機器」に係るのに関して、引用発明の「自動分析装置101の操作部102」は、「操作部102」として、「操作性の優れたパーソナルコンピューターを利用」するものであって、「携帯電子機器」ではない点。
5.当審の判断
[相違点1]について
引用発明の「携帯電話風キー配列ソフトキーボード」に含まれている、「入力モード切替キー702」や、「テンキー配列のソフトキー」、「携帯電話のキー配列と同様に、1キーに対して複数のアルファベットを割当てられたソフトキーボード」は、それぞれ、入力モードを切替する操作、数字入力の操作、文字入力の操作という、所定の「操作」のためのキーであるから、「操作キー」にほかならない。
よって、これらキー全体は、「操作キー群」といえる。
よって、上記[相違点1]は、実質的な相違点ではない。
なお、この点が実質的な相違点であるとしても、引用発明の「携帯電話風キー配列ソフトキーボード」(図7)以外にも、引用文献1には、用途やソフトキーボードの面積等を考慮して、例えば、「編集エリア付きフルキー配列ソフトキーボード」(図4)、「編集エリア無しフルキー配列ソフトキーボード」(図5)、「テンキー配列ソフトキーボード」(図6)などの、各種キーボードを用いることが記載されているから、引用発明を適用する電子機器の用途などに応じて、例えば、携帯電話に特有の「電話」、「マナー」、「切」キーのように、各電子機器に特有の「操作キー群」を、引用発明のソフトキーボードに付加することで、「操作キー群を含む」キーレイアウトである、上記[相違点1]に係る構成とすることは、必要に応じて当業者が適宜選択すべき設計的事項にすぎない。
[相違点2]について
引用発明は、「オペレータはソフトキーボードの表示部分のタッチパネルを押圧しながら押圧位置を移動させることにより」、ソフトキーボードの表示位置を変えるものであって、「ソフトキーボードの表示部分」の一部だけが、移動に用いられることは規定されていない以上、ソフトキーボードの任意の部分が、移動に用いられると解するのが自然である。
よって、上記[相違点2]は、実質的な相違点ではない。
なお、この点が実質的な相違点であるとしても、すなわち、引用発明のソフトキーボードの表示部分の一部分が、移動に用いられないとしても、引用文献2に「通常のキー押下から、移動のアクションを区別するために、仮想キーパッドを移動させる前に、ユーザは押下してから、短い時間だけ指の押圧を保持しなければならない」ことが開示されており、長押しで他の操作と移動とを区別することによって、たとえ「キー」部分でも、移動に用いることができるから、引用発明において、上記引用文献2に記載された、長押しで他の操作と移動とを区別する技術的事項を付加することで、引用発明のソフトキーボードの全体における任意の位置への接触で移動を可能にする、上記[相違点2]に係る構成とすることは、必要に応じて当業者が適宜選択すべき設計的事項にすぎない。
[相違点3]について
引用発明は、「オペレータはソフトキーボードの表示部分のタッチパネルを押圧しながら押圧位置を移動させることにより、マウスのドラッグと同様にソフトキーボードの表示位置を変えることができ」るものであって、ソフトキーボードの移動中に、その大きさを変化させることは規定されていない。
むしろ、引用発明のソフトキーボードは、「入力モード切替キー702により、同一ソフトキーボードサイズにて数値と文字の両方を入力でき」るものであることからも、「全体の大きさを変更せずに」移動するものと解するのが自然である。
よって、上記[相違点3]は、実質的な相違点ではない。
なお、この点が実質的な相違点であるとしても、すなわち、引用発明のソフトキーボードが移動中に大きさを変えるとしても、引用発明において、ソフトキーボードの移動時に、大きさを変えるか否かは、引用発明を適用する電子機器の用途や使い勝手等を考慮して選択すべき設計的事項であって、「全体の大きさを変更せずに」移動する、上記[相違点3]に係る構成とすることは、必要に応じて当業者が適宜選択すべき設計的事項にすぎない。
[相違点4]について
ソフトキーボードが、自動分析装置を制御するためのパーソナルコンピューターに限らず、ノートパソコン、PDA、携帯電話などの「携帯電子機器」でも用いられていることは、必要ならば、例えば、上記引用文献2(上記3(2)、段落[0029]、[0048]を参照。)に記載されるように、周知技術であるから、引用発明の「自動分析装置101を構成する操作部102」のソフトキーボードを携帯電子機器に採用することで、上記[相違点4]に係る構成とすることは、当業者が容易に推考し得ることである。
さらに、本願発明の効果も、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が予測し得る範囲内のものである。
6.むすび
したがって、本願発明は、引用発明、及び、周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、その余の請求項について論及するまでもなく拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2016-019586