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特許拒絶査定不服審判

2025-012362

管理サーバ、情報提供方法及びコンピュータプログラム

審判番号
2025-012362
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2024-009143
請求日
2025年08月06日
審決日
2026年07月02日
公報発行日
2026年09月25日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】日本電気株式会社
  • 【請求人代理人】浜野 絢子
  • 【請求人代理人】北嶋 啓至
審判長/審判官
  • 審判長 脇岡 剛
  • 審判官 坂庭 剛史
  • 審判官 吉田 美彦
分類
P18 .121-Z (G06F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2024- 9143「管理サーバ、情報提供方法及びコンピュータプログラム」拒絶査定不服審判事件〔令和 6年 3月 4日出願公開、特開2024- 28612〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2020年(令和2年)4月24日を国際出願日(PCT/JP2020/017661)とする特願2022-516788号の一部を令和6年1月25日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯の概略は以下のとおりである。 令和6年 1月25日 審査請求 令和6年11月 6日付け 拒絶理由 令和7年 1月 8日 意見書及び手続補正書の提出 令和7年 4月21日付け 拒絶査定(以下、「原査定」という。) 令和7年 8月 6日 審判請求書及び手続補正書の提出 令和7年 9月29日 前置報告 第2 令和7年8月6日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和7年8月6日にされた手続補正を却下する。 [理由] 1.補正の内容 令和7年8月6日付けでされた手続補正(以下、「本件手続補正」という。)の内容は次のとおりである。 ・補正前の請求項1 「利用者に提供されるサービスの利用に関する前記利用者の個人情報を記憶する記憶部と、 前記利用者の生体情報を用いて前記利用者の生体認証を行う認証サーバによって前記サービスの利用にともなう前記利用者の生体認証が成功し、かつ、前記記憶部に記憶されている前記利用者の個人情報を、前記サービスの利用に関する利用者の個人情報を収集している第三者に提供することを承諾する前記利用者の意思を、前記利用者が操作する端末から取得した場合に、前記記憶部に記憶されている前記利用者の個人情報を前記第三者に送信する情報提供部と を備える管理サーバ。」 ・本件手続補正後の請求項1 「利用者に提供されるサービスの利用に関する前記利用者の個人情報を記憶する記憶部と、 前記利用者の生体情報を用いて前記利用者の生体認証を行う認証サーバによって前記サービスの利用にともなう前記利用者の生体認証が成功し、かつ、前記記憶部に記憶されている前記利用者の個人情報を、前記サービスの利用に関する前記利用者の個人情報を収集している第三者に提供することを承諾する前記利用者の意思を、前記利用者の生体認証の成功に応じて、前記利用者が操作する端末から取得した場合に、前記記憶部に記憶されている前記利用者の個人情報を前記第三者に送信する情報提供部と を備える管理サーバ。」 同様に、 ・補正前の請求項6 「コンピュータによって、 利用者に提供されるサービスの利用に関する前記利用者の個人情報を記憶部に記憶し、 前記利用者の生体情報を用いて前記利用者の生体認証を行う認証サーバによって前記サービスの利用にともなう前記利用者の生体認証が成功し、かつ、前記記憶部に記憶されている前記利用者の個人情報を、前記サービスの利用に関する利用者の個人情報を収集している第三者に提供することを承諾する前記利用者の意思を、前記利用者が操作する端末から取得した場合に、前記記憶部に記憶されている前記利用者の個人情報を前記第三者に送信する 情報提供方法。」 ・本件手続補正後の請求項6 「コンピュータによって、 利用者に提供されるサービスの利用に関する前記利用者の個人情報を記憶部に記憶し、 前記利用者の生体情報を用いて前記利用者の生体認証を行う認証サーバによって前記サービスの利用にともなう前記利用者の生体認証が成功し、かつ、前記記憶部に記憶されている前記利用者の個人情報を、前記サービスの利用に関する前記利用者の個人情報を収集している第三者に提供することを承諾する前記利用者の意思を、前記利用者の生体認証の成功に応じて、前記利用者が操作する端末から取得した場合に、前記記憶部に記憶されている前記利用者の個人情報を前記第三者に送信する 情報提供方法。」 同様に、 ・補正前の請求項7 「利用者に提供されるサービスの利用に関する前記利用者の個人情報を記憶部に記憶する処理と、 前記利用者の生体情報を用いて前記利用者の生体認証を行う認証サーバによって前記サービスの利用にともなう前記利用者の生体認証が成功し、かつ、前記記憶部に記憶されている前記利用者の個人情報を、前記サービスの利用に関する利用者の個人情報を収集している第三者に提供することを承諾する前記利用者の意思を、前記利用者が操作する端末から取得した場合に、前記記憶部に記憶されている前記利用者の個人情報を前記第三者に送信する処理と をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム。」 ・本件手続補正後の請求項7 「利用者に提供されるサービスの利用に関する前記利用者の個人情報を記憶部に記憶する処理と、 前記利用者の生体情報を用いて前記利用者の生体認証を行う認証サーバによって前記サービスの利用にともなう前記利用者の生体認証が成功し、かつ、前記記憶部に記憶されている前記利用者の個人情報を、前記サービスの利用に関する前記利用者の個人情報を収集している第三者に提供することを承諾する前記利用者の意思を、前記利用者の生体認証の成功に応じて、前記利用者が操作する端末から取得した場合に、前記記憶部に記憶されている前記利用者の個人情報を前記第三者に送信する処理と をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム。」 2.補正の適否 (1)補正事項1 補正事項1は、補正前の請求項1、請求項6、請求項7に記載された「前記利用者が操作する端末から取得した場合に」の前段に、「前記利用者の生体認証の成功に応じて、」という文言を加えるというものである。 (2)補正事項2 補正事項2は、補正前の請求項1の末尾に記載された「を備える管理サーバ」の前段、補正前の請求項6の末尾に記載された「情報提供方法」の前段、及び、補正前の請求項7の末尾に記載された「をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム」の前段にそれぞれ1文字分の空欄を設けるというものである。 (3)上記補正事項の適否の判断 ア.補正事項1について 補正事項1は、「利用者が操作する端末から取得した場合に」に限定事項を付加する体裁を採っているが、上記引用の補正前の請求項の各項には、「利用者の生体情報を用いて前記利用者の生体認証を行う認証サーバによって前記サービスの利用にともなう前記利用者の生体認証が成功し、かつ、前記記憶部に記憶されている前記利用者の個人情報を、前記サービスの利用に関する利用者の個人情報を収集している第三者に提供することを承諾する前記利用者の意思を、前記利用者が操作する端末から取得した場合に」と記載されていて、「利用者が操作する端末から取得した場合」が、「利用者の生体認証が成功」していることに応じていることは、本件手続補正前の時点で明らかであると認められる。 そうすると、補正事項1は、補正事項1が加えられる前段に説明されている内容を、単に繰り返しているに過ぎないものと言える。 従って、補正事項1は、特許請求の減縮を目的としているものとは認められない。 そして、補正事項1が、明瞭でない記載の釈明ではないこと、誤記の訂正に該当しないことも、各請求項の記載内容から明らかである。 イ.補正事項2について 当該補正事項2は、記載の整理をするといった意味合いのものと解され、本件手続補正前の当該箇所の記載内容が、不明瞭であるとか、誤記が存在するとか、或いは、何らの発明特定事項を限定するものでないことは明らかである。 以上ア及びイにおいて検討したとおりであるから、補正事項1及び補正事項2は、特許法17条の2第5項1号~4号の何れにも該当しないことは明らかであるから、本件手続補正は、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。 (4)独立特許要件についての検討 仮に、補正事項1が、特許法17条の2第5項2号を満たすもの、即ち、請求項の限定的減縮を目的とするものであったとした場合、補正後の請求項1に記載された発明(以下、「本件補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法17条の2第6項において準用する同法126条第7項の規定に適合するか)について検討する。 ア.引用文献1 (ア)引用文献記載の事項 原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願前に既に公知である、特開2020-024511号公報(令和2年2月13日出願公開、以下、これを「引用文献1」という)には、関連する図面と共に、次の事項が記載されている。 a.「【0005】 例えば、ユーザが健康診断の際に保健センターに提示した個人情報や健康診断の診断結果に関するデータをPDSに預託すると、PDSは病院などの第三者にデータを提供する際、データを安全に第三者に提供する必要性から、ユーザ本人の同意を取得してから、データを提供する。これにより、第三者はPDSから提供された情報を利活用することができる。」 b.「【0014】 センター端末100はパーソナルデータをPDSサーバ200に提供する施設に設置される。第1実施形態では、図1に示すように、センター端末100は健康診断を実施する保健センターに設置されている。センター端末100としては例えばPersonal Computer(PC)などがある。保健センターにおいて例えばユーザUAの健康診断が終了すると、健診担当者10はユーザUAに由来する各種のパーソナルデータをセンター端末100に入力する。第1実施形態に係るパーソナルデータとしては、ユーザUAの氏名や住所といった個人情報を含む基本データ、身長や体重といった健康診断の結果を含む健診データ、ユーザUAが患った病気の病歴を含む病歴データ、血圧や脈拍などを含むバイタルデータなどがある。センター端末100はパーソナルデータが入力されると、入力されたパーソナルデータをPDSサーバ200に登録する。尚、センター端末100がパーソナルデータをユーザ端末400に送信し、ユーザ端末400がパーソナルデータをPDSサーバ200に登録してもよい。」 c.「【0017】 ユーザ端末400はユーザUAが利用する端末装置である。ユーザ端末400としては例えばスマートフォンやタブレット端末などがある。ユーザ端末400としてPCが利用されてもよい。ユーザ端末400はPDSサーバ200からパーソナルデータの提供の同意が要求された場合、提供同意確認画面を表示する。ユーザUAは提供同意確認画面に対し、パーソナルデータのデータ項目毎に提供同意の許可又は拒否を選択する。PDSサーバ200はユーザ端末400で選択された提供同意に基づいて、ユーザUAのパーソナルデータの提供先への提供を判断する。」 d.「【0024】 図3はPDSサーバ200のブロック図の一例である。図4はデータ記憶部210の一例である。図5は同意情報記憶部220の一例である。図3に示すように、PDSサーバ200はデータ記憶部210、同意情報記憶部220、データ管理部230、処理部240、及び通信部250を備えている。尚、データ記憶部210及び同意情報記憶部220は例えば上述したHDD200Eによって実現することができる。データ管理部230及び処理部240は例えば上述したCPU200Aによって実現することができる。通信部250は例えば上述したネットワークI/F200Dによって実現することができる。」 e.「【0035】 ここで、処理部240は同意情報記憶部220を確認して、同意済でないと判断した場合(ステップS102:NO)、提供同意を要求する(ステップS103)。例えば、ユーザUAが富士病院の診察を初めて受ける場合、同意情報記憶部220はユーザUAの同意情報を記憶していないため(図5参照)、処理部240は同意済でないと判断し、提供同意を要求する。この場合、処理部240はユーザ端末400に向けてPDSサーバ200との接続を指定するリンク情報(具体的にはハイパーリンク)を含む電子メールを送信する。 【0036】 ユーザ端末400が電子メールを受信すると、ユーザUAは電子メールに含まれるリンク情報に対して指示(例えばタップ操作やクリック操作など)を行う。これにより、ユーザ端末400はPDSサーバ200へのログイン画面を表示する。ログイン画面に対し、ユーザUAが認証情報(例えば暗証情報や生体情報など)を入力する操作を行うと、ユーザ端末400は、図8に示すように、提供同意確認画面を表示する。 【0037】 提供同意確認画面は、パーソナルデータの利用目的、パーソナルデータの提供先、パーソナルデータのデータ項目、及び操作ボタンBT1,BT2を含んでいる。特に、データ項目は、データ項目の項目名とデータ項目に該当するパーソナルデータの提供の許否を選択可能な複数の選択欄Bxを含んでいる。ユーザUAはパーソナルデータの提供に同意できるデータ項目の選択欄Bxを選択し、操作ボタンBT1を押下する。図8では、ユーザUAはデータ項目に該当する全てのパーソナルデータの提供に同意している。 【0038】 処理部240はユーザ端末400において操作ボタンBT1の押下を検出すると、図6に示すように、全てのパーソナルデータの提供に同意しているか否かを判断する(ステップS104)。上述したように、ユーザUAはデータ項目に該当する全てのパーソナルデータの提供に同意しているため、処理部240は全てのパーソナルデータの提供に同意していると判断する(ステップS104:YES)。この場合、処理部240は全部のデータ項目のパーソナルデータの提供に同意することを表す肯定の同意情報を生成して同意情報記憶部220に登録する(ステップS105)。したがって、図9(a)に示すように、管理テーブルT6は、ユーザUAのユーザID「A」、データ取得要求に含まれるデータ項目、全部のデータ項目のパーソナルデータの提供に同意することを表す情報、同意の取得日時を含む同意情報を管理する。」 f.「【0040】 ステップS105又はステップS106の処理が完了すると、図6に示すように、データ管理部230は通信部250を介して同意済のパーソナルデータを提供する(ステップS107)。より詳しくは、データ取得要求に含まれるデータ項目のパーソナルデータの中から同意を取得できたパーソナルデータを提供する。これにより、ユーザUAが初めて富士病院で診察を受ける場合には、医療端末300はデータ取得要求に応じたユーザUAの全てのパーソナルデータを取得でき、医療端末300を操作する医師20はユーザUAのパーソナルデータを確認してから、ユーザUAを診察することができる。」 (イ)引用文献1に記載の発明(引用発明) a. 上記(ア)aに引用した「ユーザが健康診断の際に保健センターに提示した個人情報や健康診断の診断結果に関するデータをPDSに預託する」という記載、上記(ア)bに引用した「パーソナルデータとしては、ユーザUAの氏名や住所といった個人情報を含む基本データ、身長や体重といった健康診断の結果を含む健診データ、ユーザUAが患った病気の病歴を含む病歴データ、血圧や脈拍などを含むバイタルデータなどがある。センター端末100はパーソナルデータが入力されると、入力されたパーソナルデータをPDSサーバ200に登録する」という記載と、上記(ア)dの「PDSサーバ200はデータ記憶部210、同意情報記憶部220、データ管理部230、処理部240、及び通信部250を備えている」という記載から、 引用文献1においては、“パーソナルデータが、PDSサーバに登録される”ものであることが読み取れ、“パーソナルデータが登録される”ということは、引用文献1における「PDSサーバ」が、「パーソナルデータ」を記憶する“記憶部”を有していることは明らかである。 そして、前記「パーソナルデータ」は、上記(ア)aの「第三者にデータを提供する際、データを安全に第三者に提供する必要性から、ユーザ本人の同意を取得してから、データを提供する」という記載から、「第三者」に提供されるものである。 以上に検討した事項から、引用文献1においては、「PDSサーバ」は、“第三者に提供されるパーソナルデータを記憶する記憶部”を有するものであることが読み取れる。 b. 上記aにおいて引用した引用文献1の記載内容、上記(ア)cの「PDSサーバ200はユーザ端末400で選択された提供同意に基づいて、ユーザUAのパーソナルデータの提供先への提供を判断する」、上記(ア)eの「同意情報記憶部220はユーザUAの同意情報を記憶していないため(図5参照)、処理部240は同意済でないと判断し、提供同意を要求する」、上記(ア)cの「ユーザ端末400はPDSサーバ200からパーソナルデータの提供の同意が要求された場合、提供同意確認画面を表示する。ユーザUAは提供同意確認画面に対し、パーソナルデータのデータ項目毎に提供同意の許可又は拒否を選択する」、上記(ア)eの「ユーザ端末400はPDSサーバ200へのログイン画面を表示する。ログイン画面に対し、ユーザUAが認証情報(例えば暗証情報や生体情報など)を入力する操作を行うと、ユーザ端末400は、図8に示すように、提供同意確認画面を表示する」という記載から、 引用文献1においては、“PDSサーバは、ユーザのパーソナルデータを提供先への提供する判断において、ユーザの提供同意が得られていないと判断した場合に、ユーザ端末に対して提供同意を要求する”ものであることが読み取れ、さらに、上記引用の記載から、 引用文献1においては、“ユーザ端末は、PDSサーバから提供要求を受けると、前記PDSサーバへのログイン画面を表示し、ユーザが生体情報などの認証情報の入力操作を行うと、提供情報確認画面を表示する”ものであることが読み取れる。 c. 上記bにおいて引用した引用文献1の記載内容、上記(ア)eの「提供同意確認画面は、パーソナルデータの利用目的、パーソナルデータの提供先、パーソナルデータのデータ項目、及び操作ボタンBT1,BT2を含んでいる」、同じく上記(ア)eの「ユーザUAはパーソナルデータの提供に同意できるデータ項目の選択欄Bxを選択し、操作ボタンBT1を押下する」という記載から、 引用文献1においては、“ユーザは、ユーザ端末に表示された提供情報確認画面に含まれるパーソナルデータの提供に同意できるデータ項目を選択して、操作ボタンを操作する”ものであることが読み取れる。 d. 上記cにおいて引用した引用文献1の記載内容、上記(ア)dの「PDSサーバ200はデータ記憶部210、同意情報記憶部220、データ管理部230、処理部240、及び通信部250を備えている」、上記(ア)eの「処理部240はユーザ端末400において操作ボタンBT1の押下を検出すると・・・パーソナルデータの提供に同意しているか否かを判断する」という記載から、 引用文献1においては、“PDSサーバが備える処理部は、ユーザ端末において操作ボタンの操作を検出すると、パーソナルデータの提供に同意しているか否かを判断する”ものであることが読み取れる。 e. 上記dにおいて検討した「パーソナルデータの提供に同意しているか否かを判断する」点に関して、引用文献1においては、上記(ア)eの「ユーザUAはデータ項目に該当する全てのパーソナルデータの提供に同意している」、同じく、上記(ア)eの「ユーザUAはデータ項目に該当する全てのパーソナルデータの提供に同意しているため、処理部240は全てのパーソナルデータの提供に同意していると判断する・・・処理部240は全部のデータ項目のパーソナルデータの提供に同意することを表す肯定の同意情報を生成して同意情報記憶部220に登録する」という記載から、“ユーザが、全てのパーソナルデータの提供に同意している”例が挙げられているが、上記c.において引用した、上記(ア)eの「ユーザUAはパーソナルデータの提供に同意できるデータ項目の選択欄Bxを選択し、操作ボタンBT1を押下する」という記載と、上記(ア)fの「データ取得要求に含まれるデータ項目のパーソナルデータの中から同意を取得できたパーソナルデータを提供する」という記載から、 引用文献1においては、“処理部は、提供の同意が取得できたパーソナルデータについて、提供に同意することを表す肯定の同意情報を生成して、PDSサーバが備える同意情報記憶部に登録する”ものであることが読み取れる。 f. 上記d.において引用した上記(ア)dの記載内容、及び、上記(ア)fの「データ管理部230は通信部250を介して同意済のパーソナルデータを提供する」、及び、上記e.においても引用した、上記(ア)fの「データ取得要求に含まれるデータ項目のパーソナルデータの中から同意を取得できたパーソナルデータを提供する」という記載から、 引用文献1においては、“PDSサーバが備えるデータ管理部は、同じくPDSサーバが備える通信部を介して、データ取得要求に含まれるデータ項目のパーソナルデータの中から同意を取得できたパーソナルデータを提供する”ものであることが読み取れる。 g. 以上、上記a.~f.において検討した事項は、引用文献1に記載の“ユーザのパーソナルデータを第三者に提供するPDSサーバ”に関するものであることは明らかであるから、上記a.~f.において検討した事項から、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という)が記載されているものと認める。 ユーザのパーソナルデータを第三者に提供するPDSサーバであって、 前記第三者に提供される前記パーソナルデータを記憶する記憶部を有し、 前記ユーザのパーソナルデータの前記第三者への提供の判断において、前記ユーザの提供同意が得られていないと判断した場合に、ユーザ端末に対して提供同意を要求し、 前記ユーザ端末は、前記PDSサーバから提供要求を受けると、前記PDSサーバへのログイン画面を表示し、前記ユーザが生体情報などの認証情報の入力操作を行うと、提供同意確認画面を表示し、 前記ユーザは、前記ユーザ端末に表示された提供同意確認画面に含まれるパーソナルデータの提供に同意できるデータ項目を選択して、操作ボタンを操作し、 前記PDSサーバが備える処理部は、前記ユーザ端末において前記操作ボタンの操作を検出すると、パーソナルデータの提供に同意しているか否かを判断し、 前記処理部は、提供の同意が取得できたパーソナルデータについて、提供に同意することを表す肯定の同意情報を生成して前記PDSサーバが備える同意情報記憶部に登録し、 前記PDSサーバが備えるデータ管理部は、同じく前記PDSサーバが備える通信部を介して、データ取得要求に含まれるデータ項目のパーソナルデータの中から同意を取得できたパーソナルデータを提供する、 PDSサーバ。 イ. 周知技術 原査定時に提示された本願の出願前に既に公知である、国際公開第2019/168144号公報(2019年9月6日出願公開、以下、これを「引用文献3」という)、特開2007-011747号公報(平成19年1月18日出願公開、以下、これを「引用文献4」という)には、以下の周知技術が記載されていると認められる。 (ア)引用文献3記載事項 「【0003】ただし、個人情報の扱いにおいては、機微情報(センシティブ情報)の保護を考慮する必要がある。例えば、分析などのために個人情報を第三者に提供する場合、その個人(本人)からの同意が必要である。大量の個人情報を分析するためには、多数の個人から同意を得ることが必要である。その工数は膨大であり、費用は非常に高くなる。あるいは、本人が承諾しない、又は、本人を所在地が不明であるなど、本人の同意を得ることができない場合もある。そのため、個人情報の第三者での利用は、容易ではなかった。」 (イ)引用文献4記載事項 「【0057】 ここで、第三者組織7とは、予め導入元6との間で業務提携している組織を意味しており、例えば、医療機関、スポーツセンター、健康食品販売会社、調査・分析会社、人材(例えば、被験者)紹介会社などが挙げられる。そして、これらの各第三者組織7毎に関する組織情報が格納されて管理される。さらに、データベース56には、過去の診断結果が蓄積されて管理されており、診断端末4がイントラネット10を介して過去の診断結果を抽出することで、現状の診断結果と比較した場合の診断結果がサンプル主2に提供される 。 【0058】 このような管理サーバー5により、診断結果又は個人情報が、分析診断端末4又は健康診断支援システム1を導入した導入元6に対する対価の支払に基づいて要請のある第三者組織7に提供されるようになる。なお、管理サーバー5は、例えば、分析診断端末4と共に薬局の内部、すなわち各店舗で個別に設置されるようにしてもよいし、一方で、薬局の外部に設置されるようにして薬局などにおける複数の店舗の情報を統一的に管理できるセンターとして構成してもよい。」 (ウ)周知技術 上記(ア)、(イ)の記載事項から、本願の出願前に以下の事項は周知技術であったと認められる。 個人情報の提供先として、個人情報の収集・分析を行う者に提供を行うこと ウ.本件補正発明と引用発明との対比 (ア)引用発明における「パーソナルデータ」は、「ユーザ」が、引用文献1に記載の“医療サービス”等を受ける際に用いられる情報であることは明らかであるから、引用発明における「ユーザ」、「パーソナルデータ」が、本件手続補正における「利用者」、「個人情報」に相当し、 引用発明において、「パーソナルデータ」は、「PDSサーバ」が備える「記憶部」に記憶されるのであるから、引用発明における「記憶部」が、本件補正発明における「個人情報を記憶する記憶部」に相当するので、 引用発明における「第三者に提供される前記パーソナルデータを記憶する記憶部」が、 本件補正発明における「利用者に提供されるサービスの利用に関する前記利用者の個人情報を記憶する記憶部」に相当する。 (イ)引用発明においては、“パーソナルデータの第三者への提供の判断において、ユーザの提供同意が得られていないと判断した場合に、PDSサーバが、ユーザに対して、提供同意を要求し、要求されたユーザは、ユーザ端末において「生体情報などの認証情報の入力操作を行う」ことで、生体情報を用いたユーザ認証を行って、認証されると、提供同意確認画面が表示されるものである”と解される。 そして、引用発明において、「提供同意確認画面」が表示されると、“ユーザは、前記ユーザ端末に表示された提供同意確認画面に含まれるパーソナルデータの提供に同意できるデータ項目を選択して、操作ボタンを操作”することは、“ユーザがパーソナルデータを第三者に提供することに同意する意思を示す”ことに他ならない。 したがって、引用発明において、「ユーザ端末は、前記PDSサーバから提供要求を受けると、前記PDSサーバへのログイン画面を表示し、前記ユーザが生体情報などの認証情報の入力操作を行うと、提供同意確認画面を表示」することと、 本件補正発明において、「利用者の生体情報を用いて前記利用者の生体認証を行う認証サーバによって前記サービスの利用にともなう前記利用者の生体認証が成功」することとは、 “利用者の生体情報を用いて利用者の生体認証が成功する”ものである点で共通するが、 本件補正発明においては、「生体認証」を「認証サーバ」が行っているのに対して、 引用発明においては、「生体情報を用いたユーザ認証」において、「認証サーバ」用いる点については言及されていないことで相違する。 (ウ)上記(イ)において言及した、引用発明における“ユーザがパーソナルデータを第三者に提供することに同意する提供同意”は、“PDSサーバが備える処理部が、前記ユーザ端末において前記操作ボタンの操作を検出する”ことで得られるものであるから、 引用発明において、“提供同意は、PDSサーバの処理部が、ユーザ端末から取得する”ものであることは明らかである。 そして、上記(ア)において検討したとおり、引用発明における「パーソナルデータ」は、「PDSサーバ」の「記憶部」に記憶されているものである。 そうすると、引用発明において、“ユーザが生体情報などの認証情報の入力操作を行うと、提供同意確認画面が表示され、前記ユーザは、前記ユーザ端末に表示された提供同意確認画面に含まれるパーソナルデータの提供に同意できるデータ項目を選択して、操作ボタンを操作し、 前記PDSサーバが備える処理部は、前記ユーザ端末において前記操作ボタンの操作を検出すると、パーソナルデータの提供に同意しているか否かを判断し提供の同意が取得できたパーソナルデータについて、提供に同意することを表す肯定の同意情報を生成”することは、 即ち、“パーソナルデータの提供同意が得られた場合”といえるので、 本件手続補正において、「利用者の生体認証が成功し、かつ、前記記憶部に記憶されている前記利用者の個人情報を、前記サービスの利用に関する前記利用者の個人情報を収集している第三者に提供することを承諾する前記利用者の意思を、前記利用者の生体認証の成功に応じて、前記利用者が操作する端末から取得した場合」とは、 “利用者の生体認証が成功し、かつ、前記記憶部に記憶されている前記利用者の個人情報を、前記サービスの利用に関する前記利用者の個人情報を収集している第三者に提供することを承諾する前記利用者の意思を、利用者が操作する端末から取得した場合”である点で共通し、 本件補正発明においては、“承諾する利用者の意思を、利用者の生体認証の成功に応じて、利用者が操作する端末から取得した場合”であるのに対して、 引用発明においては、“パーソナルデータの提供同意を、生体認証の成功に応じて、ユーザ端末から取得する”点について明確な示唆がない点で相違する。 (エ)本件補正発明においても、「個人情報」を「第三者に送信する」ためには、何らかの“通信部”が存在することは明らかであって、 引用発明における「PDSサーバが備えるデータ管理部」が、「パーソナルデータ」を第三者に提供するものであるから、引用発明における「データ管理部」が、本件補正発明における「情報提供部」に相当するので、上記(ア)で指摘の点を踏まえれば、 引用発明における“PDSサーバが備える通信部を介して、データ取得要求に含まれるデータ項目のパーソナルデータの中から同意を取得できたパーソナルデータを提供するPDSサーバが備えるデータ管理部」が、 本件補正発明における「記憶部に記憶されている前記利用者の個人情報を前記第三者に送信する情報提供部」に相当するといえる。 (オ)そして、引用発明における「PDSサーバ」は、“第三者へのパーソナルデータの提供を管理するサーバ”と言えるので、上記(ア)~(エ)において検討した事項を踏まえると、 本件補正発明と、引用発明との一致点、及び、相違点は、次のとおりである。 [一致点] 利用者に提供されるサービスの利用に関する前記利用者の個人情報を記憶する記憶部と、 前記利用者の生体情報を用いて利用者の生体認証が成功し、かつ、前記記憶部に記憶されている前記利用者の個人情報を、第三者に提供することを承諾する前記利用者の意思を、利用者が操作する端末から取得した場合に、前記記憶部に記憶されている前記利用者の個人情報を前記第三者に送信する情報提供部と を備える管理サーバ。 [相違点1] 生体認証に関して、本件補正発明においては、「生体認証を行う認証サーバ」が存在しているのに対して、 引用発明においては、「認証サーバ」についての言及がない点。 [相違点2] 本件補正発明においては、“承諾する利用者の意思を、利用者の生体認証の成功に応じて、利用者の操作する端末から取得する”ものであるのに対して、 引用発明においては、「生体認証」と、「PDSサーバ」による「同意情報」の取得について、明確な言及がない点。 [相違点3] 本件補正発明では、個人情報の提供先が「サービスの利用に関する前記利用者の個人情報を収集している第三者」であるのに対し、引用発明では、パーソナルデータの提供先が第三者であることは記載されているものの、当該第三者が「サービスの利用に関する利用者の個人情報を収集している第三者」であることまでは明示されていない点。 エ.相違点についての当審の判断 (ア)[相違点1]について 「管理サーバ」とは別途に「認証サーバ」を設ける構成を採用することは、本願の出願前に、当業者には周知の技術事項である(必要であれば、特開2019-168843号公報<令和1年10月3日公開>の【図1】等を参照されたい)。 したがって、引用発明においても、“ユーザの生体認証を行う際に、別途、認証サーバを設ける構成を採用する”ことは、当業者が適宜なし得る事項である。 (イ)[相違点2]について 引用発明においても、「ユーザ」の複数の「パーソナルデータ」が存在し、それぞれの「パーソナルデータ」に対して、個々に、提供が求め得られた場合であって、それぞれの「パーソナルデータ」について、「提供同意」が得られていない場合、それぞれの「パーソナルデータ」に対する「提供同意」を得るために、ユーザが「生体認証」を行って、ユーザ端末に「提供情報確認画面」を表示して、「提供同意」の情報を「PDSサーバ」に送信するという構成を含むことは明らかである。 したがって、明文の記載はないものの、引用発明においても、「生体認証の成功に応じて」、「提供同意」の情報を、「ユーザ端末」から、「PDSサーバ」に送信する構成を含むものであるといえる。 よって、上記相違点2は実質的な相違点ではない。 仮に、本件補正発明と引用発明とは、相違点2において実質的に相違するとしても、引用発明においても、「生体認証の成功に応じて」、「提供同意」の情報を、「ユーザ端末」から、「PDSサーバ」に送信する構成とすることは、格別のものとはいえない。 (ウ)[相違点3]について 引用発明は、例えば、「(第1実施形態)」(段落【0012】~【0060】)に記載されているように、医療サービスを提供するために、健康診断を受診した人や、診察を受けた人から、健康診断結果や、病歴等の情報を収集したもの(個人情報に相当)を、他の病院(第三者に相当)等に提供するものであって、当該第三者は、自身の提供する医療サービスのために、前記個人情報を収集しているものと解される上、上記イ(ウ)のように、個人情報の提供先として、個人情報の収集・分析を行う者に提供を行うことは周知技術である。 よって相違点3は、格別のものではない。 (エ)小括 以上(ア)、(イ)、(ウ)に検討したとおりであるから、[相違点1]、[相違点2]及び、[相違点3]は格別のものではない。 従って、本件補正発明は、引用発明、及び、本願の出願前に当業者に周知の技術事項により、当業者が容易になし得たものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。 オ.請求人の主張について 請求人は、審判請求書において、 「今般の補正では、請求項1は上記のように補正されました。この補正により、補正後の請求項1に記載された管理サーバに係る発明(以下、「本発明」といいます。)は、利用者の生体認証が成功し、かつ、個人情報を利用者の個人情報を収集している第三者に提供することを承諾するという当該利用者の意思を、当該利用者の生体認証の成功に応じて端末から取得した場合に、記憶部に記憶されている利用者の個人情報を情報提供部が当該第三者に送信する、という特徴を備えるものとなりました。すなわち、本発明では、利用者がその個人情報を第三者に送信することを承諾する意思は、管理サーバにおいて、利用者の生体認証の成功に応じて、利用者が操作する端末から取得されます。いいかえれば、生体認証の成功を契機として、利用者が個人情報の送信を承諾した旨を管理サーバが取得した場合に、管理サーバは利用者の個人情報を第三者に送信します。このような補正により、請求項1に係る発明は、「利用者は、生体認証を受けた覚えがないのに、(生体認証の成功を示す)認証通知を受け取った場合には、他人による『なりすまし』を疑うことができる。」(当初明細書の段落[0086])という本発明に特有の効果をさらに備えるものとなりました。 一方、引用文献1-4のいずれにも本発明の「個人情報を利用者の個人情報を収集している第三者に提供することを承諾するという当該利用者の意思を、当該利用者の生体認証の成功に応じて、端末から取得した場合に、記憶部に記憶されている利用者の個人情報を当該第三者に送信する」という特徴、及び上述の本発明の特徴的な効果に係る記載も示唆もありません。従いまして、本発明は引用文献1-4及びこれらの組み合わせに対しまして高い進歩性を備えるものと確信します。また、請求項1に係る発明及びこれらをカテゴリの異なる発明として記載した請求項6-7に係る発明、並びに請求項1に従属する請求項2-5に係る発明はいずれも理由1に係る拒絶理由を有さないものと思料します。従いまして、今般の補正により、本願の拒絶理由は解消されたものと思料します。」 と主張しているが、「利用者の生体認証の成功に応じて、利用者が操作する端末から取得されます。いいかえれば、生体認証の成功を契機として、利用者が個人情報の送信を承諾した旨を管理サーバが取得した場合に、管理サーバは利用者の個人情報を第三者に送信します。」とする点については、上記「イ.[相違点2]について」で指摘したとおり、引用発明の構成においても同様のことが行い得るといえるので、請求人の主張は採用できない。 カ.結び 上記で検討したとおり、仮に限定的減縮を満たすものであるとしても、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1.本願発明 本件手続補正は、上記第2のとおり却下されたので、本件手続補正前の請求項1に記載された発明(以下、「本願発明」という。)は、上記第2の「1.補正の内容」において、「・補正前の請求項1」として引用した、次のとおりのものである。 「利用者に提供されるサービスの利用に関する前記利用者の個人情報を記憶する記憶部と、 前記利用者の生体情報を用いて前記利用者の生体認証を行う認証サーバによって前記サービスの利用にともなう前記利用者の生体認証が成功し、かつ、前記記憶部に記憶されている前記利用者の個人情報を、前記サービスの利用に関する利用者の個人情報を収集している第三者に提供することを承諾する前記利用者の意思を、前記利用者が操作する端末から取得した場合に、前記記憶部に記憶されている前記利用者の個人情報を前記第三者に送信する情報提供部と を備える管理サーバ。」 2.原査定の拒絶の理由 本願発明についての原査定の拒絶の理由の概要は、以下のとおりである。 本願請求項1に係る発明は、以下の引用文献1、3、4に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献等一覧 1.特開2020-024511号公報 2.特開2004-78302号公報 3.国際公開第2019/168144号(周知技術を示す文献:新たに引用した文献) 4.特開2007-011747号公報(周知技術を示す文献:新たに引用した文献) 3.引用文献1に記載の事項及び引用発明 引用文献1に記載された事項、及び、引用発明は、上記「第2 2.補正の適否」の「(4)独立特許要件についての検討」における「ア.(ア)引用文献記載の事項」、及び、「ア.(イ)引用文献1に記載の発明」に示したとおりである。 4.本願発明と引用発明との対比及び相違点の判断 本願発明は、上記「(4)独立特許要件についての検討」において検討した本件補正発明における「前記利用者の生体認証の成功に応じて」という記載を削除するものであるから、 本願発明と引用発明とは、本件補正発明と引用発明との一致点において一致し、本件補正発明と引用発明との相違点1及び相違点3において相違するものである。 そして、相違点1については、上記「エ.相違点についての当審の判断」の「(ア)「相違点1」について」において検討したとおりであり、相違点3については、同「(ウ)「相違点3」について」において検討したとおりである。 よって、本願発明は、引用発明、及び、本願の出願前に当業者に周知の技術事項により、当業者が容易になし得たものである。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。 したがって、本願のその余の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2025-012362

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