特許拒絶査定不服審判
2025-008882
情報処理装置、認証器、それら方法およびプログラム
- 審判番号
- 2025-008882
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2021-009130
- 請求日
- 2025年06月09日
- 審決日
- 2026年08月18日
- 公報発行日
- 2026年09月25日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】キヤノン株式会社
- 【請求人代理人】阿部 琢磨
- 【請求人代理人】高橋 佳子
- 【請求人代理人】中辻 七朗
- 【請求人代理人】冨田 一史
- 【請求人代理人】大朋 靖尚
- 審判長/審判官
- 審判長 林 毅
- 審判官 吉田 美彦
- 審判官 円子 英紀
- 分類
- P18 .121-WY (G06F) / 標準データ:手続:不服 / 標準データ:80・121-WY (G06F) / 標準データ:確定ステータス:1 維持(出訴無し) / 標準データ:参考文献:特開2019-101504(JP,A) / 標準データ:参考文献:特開2017-050810(JP,A)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)、特許情報標準データ(審判)
事件の表示
特願2021- 9130「情報処理装置、認証器、それら方法およびプログラム」拒絶査定不服審判事件〔令和 4年 8月 3日出願公開、特開2022-113035、請求項の数(13)〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和3年1月22日の出願であって、令和6年9月27日付けで拒絶理由通知がされ、令和6年11月27日付けで手続補正がされ、令和7年2月25日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、令和7年6月9日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされたものである。
第2 原査定の概要
原査定(令和7年2月25日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
この出願の請求項1-13に係る発明は、引用文献1に記載された発明、及び、引用文献3に記載された技術に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献等一覧
1.特開2019-101504号公報
3.特開2017-50810号公報
第3 本願発明
本願請求項1-13に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明13」という。)は、令和7年6月9日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-13に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりの発明である。
「 【請求項1】
情報処理装置に接続される外部認証器を用いた認証処理を制御できるアプリケーションを実行する情報処理装置であって、
ネットワークを介して通信するシステムに対してリクエストを送信する第1送信手段と、
検証用のデータを前記システムから受信する第1受信手段と、
前記検証用のデータを含む認証要求をユーザに装着された外部認証器に送信する要求手段と、
前記外部認証器での前記認証要求に従う認証の実行後に前記外部認証器により前記ユーザに対して第1通知が行われた後に、当該認証により特定される秘密鍵を用いて前記外部認証器で生成された署名データを前記外部認証器から受信する第2受信手段と、
前記署名データを前記システムに対して送信する第2送信手段と、
前記システムに登録済みの公開鍵を用いた前記署名データの検証処理の結果に基づくデータを受信する第3受信手段と、
前記第3受信手段によるデータの受信に応じて、前記外部認証器により前記ユーザに対して第2通知を行わせるために、前記外部認証器に対して通知要求を送信する第3送信手段と、を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
さらに、前記認証要求に応じた生体認証の結果、および、前記第3受信手段によるデータの受信、のすくなくとも何れかに応答した、前記外部認証器を装着する前記ユーザのための表示を制御する制御手段を、有することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記外部認証器が前記通知のための機能をサポートしていない場合、前記表示の制御を行うことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記外部認証器による前記ユーザに対しての前記第1通知は、前記認証要求に含まれる通知に関する制御情報に従い行われることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記外部認証器は、前記ユーザに装着されたままで生体認証が可能な、スマートウォッチ、イヤホン、およびスマートリングの何れかであることを特徴とする請求項1乃至4に1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
情報処理装置に接続される外部認証器を用いた認証処理を制御するための該情報処理装置における方法であって、
ネットワークを介して通信するシステムに対してリクエストを送信する第1送信工程と、
検証用のデータを前記システムから受信する第1受信工程と、
前記検証用のデータを含む認証要求をユーザに装着された外部認証器に送信する要求工程と、
前記外部認証器での前記認証要求に従う認証の実行後に前記外部認証器により前記ユーザに対して第1通知が行われた後に、当該認証により特定される秘密鍵を用いて前記外部認証器で生成された署名データを前記外部認証器から受信する第2受信工程と、
前記署名データを前記システムに対して送信する第2送信工程と、
前記システムに登録済みの公開鍵を用いた前記署名データの検証処理の結果に基づくデータを受信する第3受信工程と、
前記第3受信工程でのデータの受信に応じて、前記外部認証器により前記ユーザに対して第2通知を行わせるために、前記外部認証器に対して通知要求を送信する第3送信工程と、
を有することを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1乃至5の何れか1項に記載の手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項8】
外部認証器を用いた認証処理を制御できるアプリケーションを実行する情報処理装置に対して外部認証器として接続でき、前記情報処理装置のユーザに装着され、通知手段を備える認証器であって、
前記情報処理装置から認証要求を受け付けたことに応じて、前記ユーザの生体情報を検出する検出手段と、
前記生体情報を用いた生体認証を実行する認証手段と、
前記認証要求に従い前記生体認証の実行されたときに当該生体認証が実行されたことに応じた第1通知を、前記通知手段により行う制御手段と、
前記生体認証が成功した場合に、前記認証要求に含まれる検証用のデータと前記生体情報に対応する秘密鍵を用いて、署名データを生成する生成手段と、
前記署名データを前記情報処理装置に送信する送信手段と、
前記情報処理装置から前記署名データの検証処理の結果に基づく通知要求を受信する受信手段と、を有し、
前記制御手段は、さらに、前記情報処理装置から受信した前記通知要求に応答して、前記ユーザに対して第2通知を、前記通知手段により行うことを特徴とする認証器。
【請求項9】
前記認証器による前記ユーザに対しての前記第1通知は、前記認証要求に含まれる通知に関する制御情報に従い行われることを特徴とする請求項8に記載の認証器。
【請求項10】
前記認証器は、前記ユーザに装着されたままで生体認証が可能な、スマートウォッチ、イヤホン、およびスマートリングの何れかであることを特徴とする請求項8または9に記載の認証器。
【請求項11】
前記通知は、音、または振動による通知であることを特徴とする請求項8乃至10の何れか1項に記載の認証器。
【請求項12】
外部認証器を用いた認証処理を制御できるアプリケーションを実行する情報処理装置に対して外部認証器として接続でき、前記情報処理装置のユーザに装着され、通知手段を備える認証器における方法であって、
前記情報処理装置から認証要求を受け付けたことに応じて、前記ユーザの生体情報を検出する検出工程と、
前記生体情報を用いた生体認証を実行する認証工程と、
前記認証要求に従い前記生体認証の実行されたときに当該生体認証が実行されたことに応じた第1通知を、前記通知手段により行う工程と、
前記生体認証が成功した場合に、前記認証要求に含まれる検証用のデータと前記生体情報に対応する秘密鍵を用いて、署名データを生成する生成工程と、
前記署名データを前記情報処理装置に送信する送信工程と、
前記情報処理装置から前記署名データの検証処理の結果に基づく通知要求を受信する受信工程と、
前記情報処理装置から受信した前記通知要求に応答して、前記ユーザに対して第2通知を、前記通知手段により行う工程と、
を有することを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項8乃至11の何れか1項に記載の手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。」
第4 引用文献、引用発明等
1.引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。(強調のため、下線を当審で付した。以下、同様。)
「【0016】
[第1実施形態]
図1は、本発明の一実施形態に係るシステムの全体構成の一例を示す図である。
図1に示すシステムは、サーバ102、スマートフォン103、スマートウォッチ104、および音声アシスタント105を備える。サーバ102と、スマートフォン103、スマートウォッチ104、音声アシスタント105とは、ネットワーク101を介して接続される。」
「【0018】
サーバ102は、サービスを提供する外部システム(サービス提供システム)であって、複数台の装置により構成されていてもよく、一部または全部を仮想マシンやストレージなどのリソースを用いて構築してもよい。スマートフォン103は、PCやタブレット型端末などでもよい。スマートウォッチ104は、ウェアラブル端末であり、スマートグラス、アクセサリ(イヤホン、ヘッドホン、指輪、ネックレス、ネイルなど)、シューズ、下着、心拍計、内服用デバイス、人体埋め込み型デバイスなど他の形態のウェアラブル端末であってもよい。
【0019】
ウェアラブル端末は、例えば、時計型の携帯端末(スマートウォッチ)や眼鏡型の携帯端末(スマートグラス)等、ユーザが持ち歩くことができる携帯端末(端末)の総称である。なお、ウェアラブル端末は必ずしもユーザが装着可能であることを要しない。スマートウォッチは、静脈認証機能を有し、スマートグラスは虹彩認証機能を有するものとする。」
「【0021】
また、音声アシスタント105は、ユーザの声による入力を解析して、解析結果に基づいて上述したスマートフォン103やスマートウォッチ104等の携帯端末およびサーバ102等と通信する情報処理装置である。なお、音声アシスタント105は、音声解析機能を持つPCなどであってもよい。また、上述したスマートフォン103やスマートウォッチ104等の携帯端末およびサーバ102等と通信することが可能であれば、音声解析機能を有していない情報処理装置であってもよい。この場合、以降の処理において、ユーザの声による入力の代わりに、例えば、キーボード等の入力装置から入力を受け付ける。」
「【0032】
図5は、サーバ102の機能構成の一例を示す図である。
サーバ102では、ユーザに提供するサービスの一例として通信販売サービス310が動作する。通信販売サービス310は、サーバ102が有するROM203に格納されているプログラムを、CPU201がRAM202に読み出して実行することで実現される。なお、本実施形態では、ユーザに提供するサービスとして通信販売サービスを例に説明するが、これに限られるものではない。例えば、インターネット上に公開されている音楽配信サービスなどであってもよく、ネットワーク上のサービスであればどのようなものでもよい。」
「【0063】
【表4】
[図:0001439014000001.jpg]
【0064】
表Dに示すAuthenticator情報管理テーブルは、通信販売サービス310のAuthenticator情報格納部314が管理するデータである。Authenticator情報管理テーブルは、1つのレコードが1つのAuthenticator情報を示す。サーバ102においてAuthenticator330の登録を行うと、Authenticator情報管理テーブルにレコードが追加される。Authenticator330の登録は、スマートフォン103やスマートウォッチ104等の各端末が作成したクレデンシャルに含まれる登録情報に基づき行われる。
【0065】
認証情報ID列には、登録されたAuthenticator330が認証情報管理テーブル(表A)にて管理する認証情報の認証情報ID列の値が格納される。公開鍵列には、Authenticator330が作成し、認証情報管理テーブル(表A)にて管理する秘密鍵に対応する(ペアになる)公開鍵を格納する。
【0066】
すなわち、認証情報管理テーブル(表A)とAuthenticator情報管理テーブル(表D)において認証情報IDの値が同一の秘密鍵と公開鍵では、表Aの秘密鍵で暗号化されたデータは、表Dの公開鍵で復号化できるということである。ユーザID列には、通信販売サービス310がユーザを一意に識別するためのIDを格納する。表Dに示す例では、ユーザIDが「user001」のユーザに関して、2つのAuthenticator情報が登録されていることがわかる。」
「【0121】
次に、図12および図13を用いて、ユーザが音声アシスタント105を介して通信販売サービス310を利用する処理を説明する。
図12および図13は、スマートフォン103、スマートウォッチ104、音声アシスタント105、およびサーバ102によるサービス利用時の処理のシーケンスを示す図である。
【0122】
ユーザは、音声アシスタント105に対して、発話(音声)により通信販売サービス310の利用要求を行う。例えば、通信販売サービス310を利用して特定の商品情報を検索する等といった要求を行う。なお、商品情報の検索は、通信販売サービス310が提供するサービスの一例であり、これに限られるものではない。
【0123】
ステップS501で、音声アシスタント105が有する音声サービス360の音声受信部361は、ユーザからの音声によるサービス利用の要求を受信する。ステップS502で、音声解析部362は、受信した音声を解析し、要求の内容を判断する。ステップS503で、音声解析部362は、受信した音声から声紋解析を行い、ユーザの声紋情報の特徴量に対応するIDを作成し、一時的に保存する。
【0124】
ステップS504で、通信部365は、通信販売サービス310に対してステップS502で解析した処理要求を送信する。通信販売サービス310の通信部317は、音声アシスタント105から要求を受信する。ステップS505で、通信販売サービス310のサービス処理部316は、受信した要求に従った処理を実行する。詳細には、まず、サービス処理部316は、受信した要求を実行する場合にユーザ認証が必要か否か判断する。ユーザ認証の要不要は、予め通信販売サービス310にサービスに関する情報を登録する際に設定しておく。
【0125】
例えば、決済を伴う商品購入等の要求は、ユーザ認証が必要であると設定しておく。また、商品の検索はユーザ認証が不要であると設定してもよい。サービス処理部316は、要求を実行する場合にユーザ認証が不要であると判断した場合、ユーザ認証を求めることなく、要求に従った処理を実行する。ここでは、要求の内容が、特定の商品の検索であった場合について説明する。
【0126】
特定の商品の検索の要求は、決済を伴う要求ではないため、サービス処理部316は、ユーザ認証が不要であると判断する。そして、サービス処理部316は、要求に従った処理として、特定の商品の検索を行い、ステップS506で、該当商品についての金額や商品番号などの商品情報を、通信部317を介して音声アシスタント105に対して返却する。なお、ユーザ認証が必要な場合の処理については、ステップS512以降で後述する。
【0127】
音声サービス360の通信部365は、通信販売サービス310から商品情報を受信する。ステップ507で、音声サービス360の音声発話部363は、受信した商品情報をユーザに対して音声で案内する。ユーザは、さらに、音声アシスタント105に対して、発話(音声)により特定の商品の購入を要求する。要求を受けた音声アシスタント105がユーザの要求を通信販売サービス310に送信するステップS508~S511の処理は、ステップS501~S504の処理と同様のため、その説明を省略する。
【0128】
ステップS512で、通信販売サービス310のサービス処理部316は、通信部317を介して受信した要求を実行する場合にユーザ認証が必要か否か判断する。ここでは、要求の内容が商品購入であり、決済を伴う要求であるため、サービス処理部316は、ユーザ認証が必要であると判断する。そこで、ステップS513で、通信販売サービス310のAuthenticator情報処理部313は、通信部317を介して音声アシスタント105にユーザ認証、すなわち生体認証の要求を行う。このとき、Authenticator情報処理部313は、生体認証パラメータを作成し、該要求に生成した生体認証パラメータを含める。
【0129】
以下、生体認証パラメータについて説明する。
生体認証パラメータは、通信販売サービス310がアプリケーション320の認証を行う際に使用するデータである。生体認証パラメータは、AssertionチャレンジおよびAssertion拡張領域から構成される。
【0130】
Assertionチャレンジには、チャレンジレスポンス認証を行うために利用する検証用データが格納される。Assertion拡張領域には、通信販売サービス310がAuthenticator330等の動作を制御するために利用する、通信販売サービス310が指定可能な拡張パラメータが格納される。
【0131】
図12の説明に戻る。ステップS513にて音声アシスタント105が、生体認証の要求を受けると、音声サービス360の生体認証制御部364が、ステップS510で一時的に保存されたユーザの声紋情報IDに紐付くユーザIDを声紋情報管理テーブル(表E)から取得する。」
「【0133】
ステップS514で、生体認証制御部364は、Authenticator管理テーブル(表F)を用いて、生体認証の要求を行うAuthenticator(端末)を特定する。詳細には、Authenticator管理テーブル(表F)において、該当ユーザIDに紐付いたAuthenticator330、350のうち、認証デバイスとして優先順位の高い端末を特定する。
【0134】
なお、本実施形態では、Authenticator管理テーブル(表F)において、スマートフォン103およびスマートウォッチ104が登録されており、スマートウォッチ104の優先度が高く設定されているものとする。生体認証制御部364は、通信部365を介して、優先順位が高い端末、本実施系形態では、スマートウォッチ104に対して生体認証の要求を行う。なお、該要求には、Auth生体認証パラメータが含まれる。
【0135】
以下、Auth生体認証パラメータについて説明する。
Auth生体認証パラメータは、上述したステップS513にて、通信販売サービス310のAuthenticator情報処理部313が作成し、通信販売サービス310から音声アシスタント105へ送信された生体認証パラメータを含む。さらに、Auth生体認証パラメータは、サービスIDおよびWeb Originを含む。」
「【0137】
図12の説明に戻る。ステップS515で、上述したように、音声アシスタント105から生体認証の要求を受けたスマートウォッチ104は、生体認証処理を実行する。なお、スマートウォッチ104は、生体認証の要求を受けたときに、ユーザが該スマートウォッチ104を身に着けていた場合、自動で静脈認証を行うことができる。以下、スマートウォッチ104において実行される生体認証処理について説明する。なお、以下では、生体認証処理を実行する端末としてスマートウォッチ104について説明するが、スマートフォン103およびその他の端末が生体認証処理を行う場合においても同様である。
【0138】
スマートウォッチ104は、生体認証の要求を受信すると、Authenticator350の生体認証処理部352は、生体情報センサ228により自動で生体情報を読み取る。このように、ウェアラブル端末であって、自動で生体認証が可能な機能を有するウェアラブル端末の場合、ユーザが明示的に生体情報を提示する必要がなく、自動で生体情報の読み取りが行われる。以下、自動で生体情報の読み取りを行い、生体認証を行うことを自動認証と呼ぶ。
【0139】
生体認証処理部352は、ユーザの生体情報の特徴量を取得し、取得した特徴量を基に、認証情報格納部353が管理する認証情報管理テーブル(表A)からレコードを特定する。具体的には、特徴量が示す生体情報IDが特定されることから、認証情報管理テーブル(表A)において、該生体情報に対応する認証情報IDおよび秘密鍵が特定される。
【0140】
すなわち、Authenticator350が生体認証を実行し、認証成功であれば、秘密鍵が取り出される。なお、表Aにおいて、特徴量のみならず、Auth生体認証パラメータに含まれるサービスIDが一致するかの検証を行ってもよい。そして、ステップS516で、生体認証処理部352は、Auth生体認証パラメータに含まれるAssertionチャレンジを、特定した秘密鍵を用いて暗号化した署名データを作成する。
【0141】
さらに、生体認証処理部352は、特定した認証情報IDと作成した署名データを含むAssertion情報を作成する。ステップS517で、生体認証処理部352は、作成したAssertion情報を音声アシスタント105に返却する。」
「【0152】
ステップ523で、音声サービス360の通信部365は、ステップS517またはS522で受信したAssertion情報を通信販売サービス310に返却する。なお、リトライ先の端末、ここではスマートフォン103において、ステップS520の生体認証処理の結果が認証失敗であった場合、該スマートフォン103は、ステップS522において、以下の処理を行う。すなわち、スマートフォン103は、音声アシスタント105に対して生体認証処理の結果が認証失敗であったことを示す情報を返却する。」
「【0155】
ステップS524で、通信販売サービス310のAuthenticator情報処理部313は、ステップS523で受信したAssertion情報の検証を行う。具体的には、Authenticator情報処理部313は、Assertion情報に含まれる署名データが、ステップS513で作成および送信した認証パラメータに含まれるAssertionチャレンジと一致するかの検証を行う。
【0156】
検証では、Assertion情報に含まれる署名データを、Assertion情報に含まれる認証情報IDで特定される公開鍵を用いて復号化する。公開鍵の特定には、Authenticator情報管理テーブル(表D)を用いる。そして、復号化した値が、ステップS513で作成および送信した生体認証パラメータに含まれるAssertionチャレンジと一致するかの検証を行う。
【0157】
復号化した値がステップS513で作成および送信した生体認証パラメータに含まれるAssertionチャレンジと一致する場合、処理はステップS525に進む。ステップS525で、通信販売サービス310のサービス処理部316は、ステップS511で受信した要求に従いサービスの提供、ここでは商品の購入処理を行う。
【0158】
そして、ステップS526で、サービス処理部316は、ステップS508で音声アシスタント105から受信したサービス利用の要求の受け付け結果を音声アシスタント105に返却する。ステップS527で、音声サービス360の音声発話部363は、ステップS526で受信した受け付け結果をユーザに対して音声で通知する。」
「【図12】
[図:0001439014000002.jpg]
」
「【図13】
[図:0001439014000003.jpg]
」
したがって、上記引用文献1(特に下線部)には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。なお、括弧の中は、関連する記載箇所を示す。
「 サーバ102と、スマートウォッチ104、音声アシスタント105とは、ネットワーク101を介して接続され(【0016】)、サーバ102では、通信販売サービス310が動作し(【0032】)、Authenticator情報管理テーブルは、通信販売サービス310のAuthenticator情報格納部314が管理するデータであり、サーバ102においてAuthenticator330の登録を行うと、Authenticator情報管理テーブルにレコードが追加され(【0064】)、公開鍵列には、Authenticator330が作成し、認証情報管理テーブル(表A)にて管理する秘密鍵に対応する(ペアになる)公開鍵を格納し(【0065】)、すなわち、認証情報管理テーブル(表A)とAuthenticator情報管理テーブル(表D)において認証情報IDの値が同一の秘密鍵と公開鍵では、表Aの秘密鍵で暗号化されたデータは、表Dの公開鍵で復号化できるということであり(【0066】)、
スマートウォッチ104、音声アシスタント105、およびサーバ102によるサービス利用時の処理のシーケンスであって(【0121】)、
音声アシスタント105がユーザの要求を通信販売サービス310に送信し(【0127】)、
ステップS513で、通信販売サービス310のAuthenticator情報処理部313は、通信部317を介して音声アシスタント105にユーザ認証、すなわち生体認証の要求を行い、このとき、Authenticator情報処理部313は、生体認証パラメータを作成し、該要求に生成した生体認証パラメータを含め(【0128】)、生体認証パラメータは、通信販売サービス310がアプリケーション320の認証を行う際に使用するデータであり、AssertionチャレンジおよびAssertion拡張領域から構成され(【0129】)、Assertionチャレンジには、チャレンジレスポンス認証を行うために利用する検証用データが格納され(【0130】)、ステップS513にて音声アシスタント105が、生体認証の要求を受け(【0131】)、
ステップS514で(【0133】)、音声アシスタント105が有する音声サービス360(【0123】)の生体認証制御部364は、通信部365を介して、スマートウォッチ104に対して生体認証の要求を行い、該要求には、Auth生体認証パラメータが含まれ(【0134】)、Auth生体認証パラメータは、上述したステップS513にて、通信販売サービス310のAuthenticator情報処理部313が作成し、通信販売サービス310から音声アシスタント105へ送信された生体認証パラメータを含み(【0135】)、
スマートウォッチ104は、生体認証の要求を受けたときに、ユーザが該スマートウォッチ104を身に着けていた場合、自動で静脈認証を行うことができ(【0137】)、
スマートウォッチ104は、生体認証の要求を受信すると、Authenticator350の生体認証処理部352は、生体情報センサ228により自動で生体情報を読み取り(【0138】)、認証情報管理テーブル(表A)において、該生体情報に対応する認証情報IDおよび秘密鍵が特定され(【0139】)、すなわち、Authenticator350が生体認証を実行し、認証成功であれば、秘密鍵が取り出され(【0140】)、
ステップS516で、生体認証処理部352は、Auth生体認証パラメータに含まれるAssertionチャレンジを、特定した秘密鍵を用いて暗号化した署名データを作成し(【0140】)、特定した認証情報IDと作成した署名データを含むAssertion情報を作成し、ステップS517で、生体認証処理部352は、作成したAssertion情報を音声アシスタント105に返却し(【0141】)、
ステップ523で、音声サービス360の通信部365は、ステップS517で受信したAssertion情報を通信販売サービス310に返却し(【0152】)、
ステップS524で、通信販売サービス310のAuthenticator情報処理部313は、ステップS523で受信したAssertion情報の検証を行い(【0155】)、検証では、Assertion情報に含まれる署名データを、Assertion情報に含まれる認証情報IDで特定される公開鍵を用いて復号化し、公開鍵の特定には、Authenticator情報管理テーブル(表D)を用い、復号化した値が、ステップS513で作成および送信した生体認証パラメータに含まれるAssertionチャレンジと一致するかの検証を行い(【0156】)、復号化した値がステップS513で作成および送信した生体認証パラメータに含まれるAssertionチャレンジと一致する場合、ステップS525で、通信販売サービス310のサービス処理部316は、ステップS511で受信した要求に従いサービスの提供、ここでは商品の購入処理を行い(【0157】)、ステップS526で、音声アシスタント105から受信したサービス利用の要求の受け付け結果を音声アシスタント105に返却し、ステップS527で、音声サービス360の音声発話部363は、ステップS526で受信した受け付け結果をユーザに対して音声で通知する(【0158】)、
シーケンス。」
2.引用文献3について
また、原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献3には、図面とともに次の事項が記載されている。
「【0039】
(実施の形態)
[全体構成]
まず、本実施の形態に係る通信システム1の全体構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る通信システムの全体構成の一例を示す図である。図2は、本実施の形態に係る通信システムの全体構成の別の一例を示す図である。
【0040】
図1に示される通信システム1は、通信端末10と、ウェアラブル端末11とを備える。なお、通信システム1は、図2に示すような通信システム1Aでもよい。つまり、通信システム1Aに示すように、通信端末10は、外部サーバ15と通信可能であるとしてもよい。外部サーバ15は、通信システム1Aの構成であってもなくてもどちらでも構わない。
【0041】
図1および図2には、ユーザの腕12にバンド型(腕時計型)の機器としてのウェアラブル端末11が装着されている例が示されている。
【0042】
ウェアラブル端末11は、ユーザの身体の一部に装着可能な機器であり、ネットワーク13を介して通信端末10と接続可能である。ウェアラブル端末11は、ユーザに対して情報の報知が可能である。また、ウェアラブル端末11は、ユーザに装着されているか否かを検出可能であってもよい。ウェアラブル端末11の報知方法は、例えば、ウェアラブル端末11がディスプレイを有する場合には、報知対象の情報を表示する。また、ウェアラブル端末11がスピーカ機構を有する場合には、報知対象の情報があることや報知対象の情報そのものを音で発してもよい。ウェアラブル端末11がバイブレーション機構を有する場合には、振動により報知してもよい。
【0043】
なお、ウェアラブル端末11は、図1および図2に示されるようなバンド型(腕時計型)の機器に限らない。ウェアラブル端末11は、メガネ型の機器であってもよく、ヘッドマウント型の機器であってもよい。つまり、ウェアラブル端末11は、ユーザの身体の一部に装着可能な機器であり、ユーザに対して情報の報知が可能であればどのような機器であってもよい。
【0044】
ネットワーク13は、例えばbluetooth(登録商標)、wifiなどの無線通信ネットワークである。
【0045】
通信端末10は、例えばスマートフォンやタブレットなど、ユーザが携帯可能なコンピュータであり、ウェアラブル端末11とネットワーク13を介して接続可能である。以下では、通信端末10は、タッチパネルディスプレイ106aを有するスマートフォンであるとして説明する。詳細は後述するが、例えば、通信端末10は、自端末(通信端末10)に導入されているアプリケーションにおけるプッシュ通知をタッチパネルディスプレイ106aに表示させたり、当該プッシュ通知をウェアラブル端末11に送信したりする。図1に示す例では、通信端末10は、特定のアプリケーションにおけるプッシュ通知を自端末(通信端末10)で生成する。なお、通信端末10は、さらに、図2に示すように、ネットワーク14を介して、外部サーバ15と接続可能であるとしてもよい。この場合、通信端末10は、当該プッシュ通知は外部サーバ15から受信する。
【0046】
ネットワーク14は、例えばインターネットやwifiである。外部サーバ15は、通信端末10の特定のアプリケーションにおけるプッシュ通知を生成して、ネットワーク14を介して通信端末10に送信する。」
「【0081】
図8は、本実施の形態に係る通信端末10の別の動作例を示すシーケンス図である。図9は、図8に示す通信端末10の動作例を示すフローチャートである。なお、図8のシーケンス図では、通信端末10は外部サーバ15からプッシュ通知を受信する場合について示されている。また、図7と同様の要素には同一の符号を付している。
【0082】
まず、外部サーバ15は、通信端末10のあるアプリケーションにおけるプッシュ通知を送信する(図8のS20)。
【0083】
すると、通信端末10は、通信端末に導入されているアプリケーションにおけるプュシュ通知を取得(受信)するので(図9のS11でYes)、通信端末10に導入されているアプリケーションにおけるプッシュ通知を通信端末10の記憶部103に格納する(S13)。
【0084】
次に、通信端末10は、自端末(通信端末10)が操作されているか否かを検知する(S15)。
【0085】
通信端末10は、自端末(通信端末10)が操作されていないことが検知されているときには(S15でNo)、さらに、ウェアラブル端末装着判断処理(S26)を行う。より具体的には、S26において、通信端末10は、ウェアラブル端末11から、ウェアラブル端末が11ユーザに装着されているか否かを示す装着情報を受信し(S261)、受信した装着情報に基づいて、ウェアラブル端末11がユーザに装着されているか否かを判定する(S262)。
【0086】
S262において、通信端末10は、ウェアラブル端末11がユーザに装着されていると判定したとき(S262でYes)、S13で記憶部103に格納したプッシュ通知を示す情報を含む通知情報をウェアラブル端末11に送信させる制御を行う。すると、プッシュ通知を示す情報を含む通知情報を受信したウェアラブル端末11は、プッシュ通知を示す情報をユーザに対して報知する(S171)。
【0087】
なお、通信端末10は、自端末(通信端末10)が操作されていることが検知されているとき(S15でYes)、または、ウェアラブル端末11がユーザに装着されていないと判定したとき(S262でNo)には、当該通知情報をウェアラブル端末11に送信させずに、S13で記憶部103に格納したプッシュ通知を示す情報を通信端末10の通知部105に通知させる制御を行う(S19)。」
「【図2】
[図:0001439014000004.jpg]
」
「【図8】
[図:0001439014000005.jpg]
」
「【図9】
[図:0001439014000006.jpg]
」
したがって、上記引用文献3には、
「 外部サーバ15は、通信端末10のあるアプリケーションにおけるプッシュ通知を送信し、
通信端末10は、通信端末に導入されているアプリケーションにおけるプッシュ通知を取得(受信)し、通信端末10に導入されているアプリケーションにおけるプッシュ通知を通信端末10の記憶部103に格納し、記憶部103に格納したプッシュ通知を示す情報を含む通知情報をウェアラブル端末11に送信させる制御を行い、
プッシュ通知を示す情報を含む通知情報を受信したウェアラブル端末11は、プッシュ通知を示す情報をユーザに対して報知する」
という技術的事項が記載されている。
第5 対比・判断
1.請求項6について
(1)対比
本願発明6と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。
引用発明から把握できるシステム構成に鑑みれば、引用発明の「音声アシスタント105」、「スマートウォッチ104」、「サーバ102」はそれぞれ、後述する相違点を除いて、本願発明6の「情報処理装置」、「外部認証器」、「システム」に対応したものといえる。
引用発明の「スマートウォッチ104、音声アシスタント105、およびサーバ102によるサービス利用時の処理のシーケンス」は、「スマートウォッチ104、音声アシスタント105」が、「ネットワーク101を介して接続され」た環境において、「音声アシスタント105」が、「通信部365を介して、スマートウォッチ104に対して生体認証の要求を行い」、「スマートウォッチ104は、生体認証の要求を受信すると」、「生体認証を実行」する処理を含む手順に関するものであるから、後述する相違点を除いて、本願発明6の「情報処理装置に接続される外部認証器を用いた認証処理を制御するための該情報処理装置における方法」に相当する。
引用発明の「サーバ102」と「音声アシスタント105とは、ネットワーク101を介して接続され、サーバ102では、通信販売サービス310が動作し」ている環境において、「音声アシスタント105がユーザの要求を通信販売サービス310に送信」するステップは、本願発明6の「ネットワークを介して通信するシステムに対してリクエストを送信する第1送信工程」に相当する。
引用発明の「チャレンジレスポンス認証を行うために利用する検証用データ」が格納される「Assertionチャレンジ」は、本願発明6の「検証用のデータ」に相当し、引用発明の当該「Assertionチャレンジ」を構成要素とする「生体認証パラメータ」を含む「生体認証の要求」を、「音声アシスタント105」が「通信販売サービス310」から受ける「ステップS513」は、本願発明6の「検証用のデータを前記システムから受信する第1受信工程」に相当する。
引用発明において、「音声アシスタント105」が「スマートウォッチ104」に対して行う「ステップS514」の「生体認証の要求」には、「通信販売サービス310から音声アシスタント105へ送信された生体認証パラメータ」を含む「Auth生体認証パラメータ」が含まれ、当該「生体認証パラメータ」は、「チャレンジレスポンス認証を行うために利用する検証用データ」が格納される「Assertionチャレンジ」を含むものである。また、当該「生体認証の要求」を受信した「スマートウォッチ104」は、「ユーザが該スマートウォッチ104を身に着けていた場合」に「自動で生体情報を読み取り」、「生体認証を実行」するものであるところ、「ステップS514」における「生体認証の要求」の送信は、本願発明6の「前記検証用のデータを含む認証要求をユーザに装着された外部認証器に送信する要求工程」に相当する。
引用発明では、「スマートウォッチ104」が、「生体認証の要求を受信すると」、「生体情報を読み取り」、「生体認証を実行し、認証成功であれば、秘密鍵が取り出され」る。ここで、当該「秘密鍵」は、「生体認証」の過程において「生体情報に対応する」ものとして特定されるから、本願発明6の「当該認証により特定される秘密鍵」に相当する。さらに、引用発明では、「スマートウォッチ104」が、「Auth生体認証パラメータに含まれるAssertionチャレンジを、特定した秘密鍵を用いて暗号化した署名データを作成し」、「署名データを含むAssertion情報を作成し」、「ステップS517」において、「作成したAssertion情報を音声アシスタント105に返却」するところ、「ステップS517」において「音声アシスタント105」が「Assertion情報」を「スマートウォッチ104」から「返却」されることは、本願発明6の「前記外部認証器での前記認証要求に従う認証の実行後に前記外部認証器により前記ユーザに対して第1通知が行われた後に、当該認証により特定される秘密鍵を用いて前記外部認証器で生成された署名データを前記外部認証器から受信する第2受信工程」と、「前記外部認証器での前記認証要求に従う認証の実行後に、当該認証により特定される秘密鍵を用いて前記外部認証器で生成された署名データを前記外部認証器から受信する」点で共通する。
引用発明の「ステップS517で受信したAssertion情報を通信販売サービス310に返却」する「ステップ523」は、本願発明6の「前記署名データを前記システムに対して送信する第2送信工程」に相当する。
引用発明において、「ステップS526」で「音声アシスタント105」に「返却」される「サービス利用の要求の受け付け結果」は、「ステップS524」における「署名データ」の「検証」が成功した場合に、「ステップS525」において「商品の購入処理」が行われた後に「返却」されるものである。また、当該「検証」に用いられる「公開鍵」は、「サーバ102においてAuthenticator330の登録」を行う際に、「Authenticator情報管理テーブル」に「格納」されたものである。したがって、「ステップS526」において「音声アシスタント105」が「サービス利用の要求の受け付け結果」を「返却」されることは、本願発明6の「前記システムに登録済みの公開鍵を用いた前記署名データの検証処理の結果に基づくデータを受信する第3受信工程」に相当する。
以上から、本願発明6と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。
(一致点)
「 情報処理装置に接続される外部認証器を用いた認証処理を制御するための該情報処理装置における方法であって、
ネットワークを介して通信するシステムに対してリクエストを送信する第1送信工程と、
検証用のデータを前記システムから受信する第1受信工程と、
前記検証用のデータを含む認証要求をユーザに装着された外部認証器に送信する要求工程と、
前記外部認証器での前記認証要求に従う認証の実行後に、当該認証により特定される秘密鍵を用いて前記外部認証器で生成された署名データを前記外部認証器から受信する第2受信工程と、
前記署名データを前記システムに対して送信する第2送信工程と、
前記システムに登録済みの公開鍵を用いた前記署名データの検証処理の結果に基づくデータを受信する第3受信工程と、
を有することを特徴とする方法。」
(相違点)
(相違点1)本願発明6では、第2受信工程において、情報処理装置が外部認証器から署名データを受信することが、「前記外部認証器によりユーザに対して第1通知が行われた後」に行われるのに対し、引用発明においては、「スマートウォッチ104」からユーザに対して何らかの通知が行われることは想定されておらず、よって、当該通知の後で、「音声アシスタント105」が「スマートウォッチ104」から「Assertion情報」を返却されるように構成されていない点。
(相違点2)本願発明6は、「第3受信工程でのデータの受信に応じて、前記外部認証器により前記ユーザに対して第2通知を行わせるために、前記外部認証器に対して通知要求を送信する第3送信工程」、すなわち、情報処理装置が、認証要求を受けて認証を実行した外部認証器から署名データを受信した後、当該署名データの検証処理の結果に基づくデータをシステムから受信したことに応じて、第2通知を、再度、認証要求を受けて認証を実行した外部認証器と同一の外部認証器により行わせるために、当該外部認証器に対して通知要求を送信する工程を備えるのに対し、引用発明は、「音声アシスタント105」が、「生体認証の要求」を受けて「生体認証を実行」した「スマートウォッチ104」から「署名データを含むAssertion情報」を「返却」された後、すなわち受信した後、当該「Assertion情報」の「検証」結果に基づく「サービス利用の要求の受け付け結果」を「返却」されたこと、すなわち受信したことに応じて、当該「受け付け結果」をユーザに対して「通知」するものの、当該「通知」は、「音声アシスタント105」自身の「音声サービス360の音声発話部363」が行っており、当該「通知」を、再度、認証の要求を受けて認証を実行した「スマートウォッチ104」により行わせるために、当該「スマートウォッチ104」に対して通知要求を送信することは特定されていない点。
(2)相違点についての判断
上記相違点1及び相違点2についてまとめて検討するに、まず、本願発明6は、外部認証器での認証の実行後における「第1通知」と、署名データの検証処理の後における「第2通知」がいずれも「外部認証器」によりなされることを構成として含むものと解される。
引用文献3には、上記第4の2で認定した技術的事項、すなわち、通信端末が、外部サーバから受信したプッシュ通知を、ウェアラブル端末がユーザに装着されておりかつ操作中である場合に、ウェアラブル端末に通知させることが記載されているが、当該技術的事項は、認証や署名とは無関係であるため、上記相違点1及び相違点2に係る本願発明6の構成に対応したものではないから、仮に引用発明に引用文献3に係る技術的事項を組み合わせたとしても、本願発明6の構成には到達しない。また、引用発明では、サービス利用の要求の入力から処理結果の通知までを「音声アシスタント105」を介して行う構成が一貫して採用されており、ユーザが「音声アシスタント」に対して入力をした場合に、当該ユーザが、「音声アシスタント」から入力に対する応答がなされることを期待することは本願優先日前における技術常識であるところ、引用発明において、引用文献3に記載された技術的事項を適用し、「音声アシスタント105」に代えて、又はこれに加えて、「スマートウォッチ104」から通知をするように構成を変更することの動機付けがあるとはいえない。
よって、本願発明6は、当業者であっても引用発明及び引用文献3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。
2.本願発明1-5、7について
本願発明1は、本願発明6に対応する「情報処理装置」の発明であり、少なくとも上記1.(1)の各相違点に係る本願発明6の構成に対応する構成を備えるものである。また、本願発明2-5は、本願発明1の発明特定事項を全て備えるものであり、本願発明7は、請求項1-5のいずれかに記載の手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムの発明である。したがって、本願発明1-5、7は、本願発明6と同様の理由により、当業者であっても、引用発明及び拒絶査定において引用された引用文献3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。
3.本願発明12について
本願発明12は、本願発明6における「情報処理装置」に「外部認証器」として接続される「認証器」を処理主体とした方法の発明であり、上記1.(1)の各相違点に係る本願発明6の構成と対応する「認証器」による「前記認証要求に従い前記生体認証の実行されたとき当該生体認証が実行されたことに応じた第1通知を、前記通知手段により行う工程」及び「前記情報処理装置から前記署名データの検証処理の結果に基づく通知要求を受信する受信工程と、前記情報処理装置から受信した前記通知要求に応答して、前記ユーザに対して第2通知を、前記通知手段により行う工程」という構成を備えるものである。そして、上記各相違点について述べたのと同様に、当業者であっても、引用発明及び拒絶査定において引用された引用文献3に記載された技術的事項に基づいて、認証を実行した外部認証器が、署名データの検証処理の結果に基づく通知要求を受信し、これに応答して第2通知を行う構成を容易に想到し得るとはいえない。
4.本願発明8-11、13について
本願発明8は、本願発明12に対応する「認証器」の発明であり、本願発明12の各工程に対応する手段を備えるものである。また、本願発明9-11は、本願発明8の発明特定事項を全て備えるものであり、本願発明13は、請求項8-11のいずれかに記載の手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムの発明である。したがって、本願発明8-11、13は、本願発明12と同様の理由により、当業者であっても、引用発明及び拒絶査定において引用された引用文献3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。
第6 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2025-008882