商標拒絶査定不服審判
2021-012767
ケアナナデシコ、ナデシコ
- 審判番号
- 2021-012767
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-020776
- 請求日
- 2021年09月24日
- 審決日
- 2022年05月24日
- 公報発行日
- 2022年06月24日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】株式会社石澤研究所
- 【請求人代理人】特許業務法人浅村特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 齋藤 貴博
- 審判官 馬場 秀敏
- 審判官 綾 郁奈子
- 分類
- T18 .261-WY (W03) / T18 .262-WY (W03) / T18 .263-WY (W03)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、商標法第4条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-20776拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。
理由
理 由
1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第3類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、令和2年2月27日に登録出願されたものである。
本願は、令和3年2月3日付けで拒絶理由の通知がされ、同年3月30日に意見書及び手続補正書が提出され、指定商品は、第3類「せっけん類,化粧品(頭髪用を除く。),歯磨き,口臭用消臭剤,香料,薫料,入浴用化粧品(頭髪用を除く。)」と補正されたが、同年6月15付けで拒絶査定がされたものである。
これに対して令和3年9月24日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。
2 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下に掲げるとおりであり、現に有効に存続しているものである。
(1)登録第4044830号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:なでしこ
登録出願日:平成7年7月5日
設定登録日:平成9年8月15日
存続期間の更新登録日:平成19年8月7日及び同29年8月8日
指定商品:第30類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(2)登録第5401698号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
登録出願日:平成22年8月30日
設定登録日:平成23年3月25日
存続期間の更新登録日:令和3年3月11日
指定商品:第35類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務
以下、これらをまとめていうときは、「引用商標」という。
3 当審の判断
(1)本願商標
本願商標は、別掲1のとおり、上段に太字で「毛穴撫子」の文字を、下段中央に小さく「NADESHIKO」の文字(以下「文字部分」という。)を表し、これらの文字の右に人の顔の図形(以下「図形部分」という。)を配してなるところ、文字部分と図形部分は視覚上明確に分離して認識されるものといえる。
そこで、文字部分について検討すると、下段中央の「NADESHIKO」の文字は、上段の「毛穴撫子」の文字に比して、かなり小さく表されていること、また、これが上段の文字の構成中「撫子」の文字の読みを表記したものであることは明らかである。
そうすると、本願商標の文字部分の構成からすれば、これに接した一般の取引者、需要者が、下段の「NADESHIKO」の文字について、上段の「撫子」の文字の読みを表記した程度の付記的なものと解する可能性が十分にある。このように解した取引者、需要者は、本願商標の文字部分について、読みを表記したと認識した「NADESHIKO」ではなく「毛穴撫子」こそが、その要部であると理解することになる。
よって、本願商標の文字部分の要部である「毛穴撫子」の文字に相応して「ケアナナデシコ」の称呼が生じ、「NADESHIKO」の文字のみが殊更に着目され、「ナデシコ」のみの称呼をもって取引に資されるものとはいい難い。
また、「毛穴撫子」の文字のうち「毛穴」は「毛の生える皮膚の小さな孔」を、「撫子」は「ナデシコ科の多年草」(出典:いずれも広辞苑第七版)をそれぞれ意味するものであるが、これらを結合した場合に、全体として特定の意味を生じるものとはいえない。
したがって、本願商標の文字部分からは、「ケアナナデシコ」の称呼が生じ、特定の観念は生じない。
(2)引用商標
引用商標1は、「なでしこ」の文字を横書きしてなるところ、当該文字に相応して「ナデシコ」の称呼が生じ、「ナデシコ科の多年草」の観念が生じるものである。また、引用商標2は、「なでしこ」の文字を上段に、「撫子」の文字を下段に二段で横書きしてなるところ、上段の文字は、下段の文字の読みを表したものと容易に認識されるものであるから、これらの文字に相応して「ナデシコ」の称呼が生じ、「ナデシコ科の多年草」の観念が生じるものである。
(3)本願商標と引用商標の類否
本願商標と引用商標の外観は、図形の有無、書体・文字種の相違及び全体の文字構成において、区別し得る差異を有するものである。
次に、本願商標の文字部分から生じる「ケアナナデシコ」の称呼と引用商標から生じる「ナデシコ」の称呼とを比較すると、両称呼は、その音構成及び構成音数において明らかな差異を有するものであるから、明瞭に聴別できるものである。
そして、本願商標は、前記(1)のとおり、特定の観念を生じないのに対し、引用商標は、前記(2)のとおり、「ナデシコ科の多年草」の観念を生じるものであるから、観念上相紛れるおそれはない。
してみれば、本願商標の文字部分と引用商標とは、外観、称呼及び観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合してみれば、両者は、相紛れるおそれのない非類似の商標と判断するのが相当である。
(4)結語
したがって、両商標の指定商品・役務の類否について検討するまでもなく、本願商標が商標法第4条1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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