2020-004007
半導体発光素子
- 審判番号
- 2020-004007
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2017-223481外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2020年03月25日
- 審決日
- 2020年10月26日
- 公報発行日
- 2021年02月26日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .575-Z (H01L) / P18 .121-Z (H01L)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第6項、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第29条
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
結論
理由
目次 ▾ 16項目
第1 手続の経緯
折りたたみ中(クリックで表示)
本願は、平成24年12月19日に出願した特願2012-276461号の一部を平成29年11月21日に新たな特許出願としたものであって、その後の主な手続きの経緯は、以下のとおりである。
同年12月 3日 :意見書・手続補正書の提出
第2 令和2年3月25日付け手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和2年3月25日付け手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[補正の却下の決定の理由]
1 補正内容
本件補正は、特許請求の範囲についてするものであり、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1を引用する請求項4(平成30年12月3日付け手続補正後のもの)に、
「【【請求項1】基板と、前記基板上に形成された第1導電型の第1クラッド層と、前記第1クラッド層上に形成された発光層と、続きを表示(全15行)前記発光層上に形成された第2導電型層の第2クラッド層と、前記第2クラッド層上に形成されたウィンドウ層と、前記ウィンドウ層上に形成された第2導電型のコンタクト層と、前記コンタクト層上に形成された表面電極層と、を備え、前記基板と垂直方向の第1方向視において、前記コンタクト層若しくは前記ウィンドウ層の表面は、前記表面電極層を囲むように相対的に粗い凹凸が形成されるとともに、前記相対的に粗い凹凸面上に相対的に微細な凹凸がさらに形成されたダブルフロスト処理層と、前記表面電極層と前記ダブルフロスト処理層とに囲まれて前記ダブルフロスト処理層よりも平坦な凹凸非形成領域とを有していることを特徴とする半導体発光素子。【請求項4】前記第1クラッド層と前記基板との間に、パターニングされた金属コンタクト層および絶縁層を備えたことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の半導体発光素子。」とあったものを、
本件補正後に、独立形式に書き改めて、
「【請求項1】基板と、前記基板上に形成された第1導電型の第1クラッド層と、前記第1クラッド層上に形成された発光層と、続きを表示(全17行)前記発光層上に形成された第2導電型層の第2クラッド層と、前記第2クラッド層上に形成されたウィンドウ層と、前記ウィンドウ層上に形成された第2導電型のコンタクト層と、前記コンタクト層上に形成された表面電極層と、前記第1クラッド層と前記基板との間に形成された、パターニングされた金属コンタクト層および絶縁層と、を備え、前記基板と垂直方向の第1方向視において、前記コンタクト層若しくは前記ウィンドウ層の表面は、前記表面電極層を囲むように相対的に粗い凹凸が形成されるとともに、前記相対的に粗い凹凸面上に相対的に微細な凹凸がさらに形成されたダブルフロスト処理層と、前記表面電極層と前記ダブルフロスト処理層とに囲まれて前記ダブルフロスト処理層よりも平坦な凹凸非形成領域とを有し、前記表面電極層は、前記第1方向視で前記基板の中央部に形成される第1の電極層と、前記第1の電極層から外方に延伸する複数の第2の電極層とを含み、前記複数の第2の電極層の各々は、前記第1の電極層から外方に延びる第1の線状部分と、前記第1の線状部分の端部から両側方に直角に屈曲するように延びる第2の線状部分とを含み、前記金属コンタクト層は、前記第1方向視で前記基板の表面の全体の領域にわたって配置された分散的パターンまたは周期的パターンを有し、前記絶縁層により取り囲まれるように形成されていることを特徴とする半導体発光素子。」と補正する内容を含むものである(なお、下線は、請求人が手続補正書において付したものである。)。
2 補正目的
(1)本件補正は、本件補正前の請求項1を引用する請求項4に係る発明を特定するために必要な「表面電極層」及び「金属コンタクト層」について、
ア 「表面電極層は、第1方向視で基板の中央部に形成される第1の電極層と、第1の電極層から外方に延伸する複数の第2の電極層とを含み、前記複数の第2の電極層の各々は、前記第1の電極層から外方に延びる第1の線状部分と、前記第1の線状部分の端部から両側方に直角に屈曲するように延びる第2の線状部分とを含み、」と特定し、
イ 「金属コンタクト層は、第1方向視で基板の表面の全体の領域にわたって配置された分散的パターンまたは周期的パターンを有し、前記絶縁層により取り囲まれるように形成されている」と特定するものであり、
その補正前後で、発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であることから、「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。
(2)よって、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものと認められることから、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本願補正発明」という。)について、これが特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否か)を、以下に検討する。
3 独立特許要件
(1)本願補正発明
本願補正発明は、上記「第2 1」に、本件補正後の請求項1として記載したとおりのものである。
(2)引用文献及び引用発明
ア 原査定の拒絶の理由において、引用文献1として引用された特開2012-129234号公報(平成24年7月5日公開 以下、「引用文献1」という。)には、図面とともに、以下の記載がある(なお、下線は、当審で付した。以下同様。)。
(ア)「【発明の詳細な説明】【技術分野】【0001】本発明の実施形態は、半導体発光素子に関する。続きを表示(全17行)【背景技術】【0002】照明装置、表示装置、信号機などに用いる半導体発光素子には、高い光取り出し効率(発光層で放出された光を半導体発光素子の外部へ取り出す効率)が要求される。【0003】積層構造からなる半導体発光素子の発光層の下方に反射層を設けると、半導体発光素子の光取り出し効率を高めることができる。さらに、発光層を挟んで反射層の反対の側に設けられた光取り出し面に微小凹凸を設けると、光取り出し効率をさらに高めることができる。しかしながら、十分に光取り出し効率を高めることが困難な凹凸形状も多い。【先行技術文献】【特許文献】【0004】【特許文献1】特開2009-206265号公報【発明の概要】【発明が解決しようとする課題】【0005】半導体発光素子の光取り出し面に設けられた凸部の形状を制御することにより、光取り出し効率が改善された半導体発光素子を提供する。」
(イ)「【発明を実施するための形態】【0008】以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態にかかる半導体発光素子の模式断面図である。続きを表示(全34行)半導体発光素子は、パッド電極42、半導体からなる第1の積層体30、発光層40、半導体からなるなる第2の積層体20、および支持体10、を備えている。【0009】……【0010】第1の積層体30は、第1の導電形を有しており、In0.5Al0.5Pからなるクラッド層31、電流拡散層32、およびGaAsからなるコンタクト層39、を有している。なお、第1導電形をnとするが本発明はこれに限定されない。【0011】……【0012】第2の積層体20は、第2の導電形を有しており、発光層40と支持体10とけられる。第2の積層体20は、支持体10の側から、GaPまたはAlGaAsなどからなるコンタクト層21、InGaAlPなどからなる中間層24、およびIn0.5Al0.5Pなどからなるクラッド層25、を有している。【0013】……【0014】なお、第1の積層体30、発光層40、第2の積層体20は、例えばGaAs基板の上に、結晶成長される。続いてコンタクト層21の表面にSiO2などの絶縁膜を成膜し、さらにパターニングにより、パッド電極42の下方領域や電流を狭窄する部分に電流ブロック層15として残す。パターニングされた誘電体膜の上からITO膜14およびAuなどの金属膜12aが形成される。金属膜12aを表面に有するGaAs基板側と、Auなどを含む金属膜12bを表面に有する基板11と、の2つの表面を重ね合わせ加熱しウェーハ接合をすることにより、接合金属層12が形成される。なお、破線は接合界面を表す。【0015】電流拡散層32は、第1の面32aおよび第2の面を含み、第1導電形を有する。発光層40は、電流拡散層32の第1の面32aの側に配置される。また、第2の面には、複数の凸部を有する光取り出し面32dと、結晶成長面を表面とする平坦面32bと、を含む。なお、パッド電極42は、電流拡散層32の平坦面32bの上に、例えばコンタクト層39を介して設けられる。【0016】……【0018】図4は(a)は底角が2つとも鋭角の場合の光取り出しの方向、図4(b)は第1の実施形態の場合の光取り出しの方向、を説明する模式図である。図4(a)において、発光層からの放出光g1は、凸部132の第2の側面132bに入射角θi1で入射する。入射角θi1が臨界角θcよりも小さい場合、透過光g1tおよび反射光g1rを生じる。なお、入射角θi1が臨界角θcよりも大きい場合、全反射を生じる。反射光g1rが第1の側面132aに入射し、入射角θi2が臨界角θcよりも小さい場合、透過光g1rtおよび反射光g1rrを生じる。入射角θi2が臨界角θcよりも大きい場合、全反射により放出光をこれ以上取り出すことが困難となる。凸部がない場合の光取り出し効率を100%とすると図4(a)の凸部が設けられた場合の光取り出し効率は130%であった。なお、電流拡散層32の屈折率を3.2、チップ表面を覆う封止層の屈折率を1.4、とすると、臨界角θcは、略26度となる。【0019】図4(b)において、発光層からの放出光G1は、凸部32cの第1の側面32dに入射し入射角θi1が臨界角θcよりも小さい場合、透過光G1tおよび反射光G1rを生じる。なお、入射角θi1が臨界角θcよりも大きい場合、全反射を生じる。反射光G1rが第2の側面32eに入射し入射角θi2が臨界角θcよりも小さい場合、透過光G1rtおよび反射光G1rrを生じる。さらに、反射光G1rrが、第1の側面32dに入射し入射角θi3が臨界角θよりも小さい場合、透過する。【0020】第1の実施形態では、凸部32cの表面積を大きくできるため、凸部32c内における光の反射回数が図4(a)に示す形状よりも多くなり、より多くの光を取り出すことが可能となる。このため、光取り出し効率を高めることが可能である。図4(b)のような凸部32cを有する半導体発光素子の光取り出し効率は145%であった。さらに、発明者らの実験によれば、第1の側面32dの底角αの範囲を35度以上、45度以下の範囲とすると、凸部が設けられない平坦な光取り出し面を有する発光素子の光取り出し効率と比較して150%とできることが判明した。【0021】……【0023】電流拡散層32は、パッド電極42から注入されたキャリアを発光層40の面内に広げ放出光の出力を高めることができる。電流拡散層32とパッド電極42との間に設けられたコンタクト層39がGaAsからなるものとする。電流拡散層32の第2の面のうち、凸部32cが設けられ、光取り出し面32dとしたい領域のみコンタクト層39を除去することができる。すなわち、コンタクト層39をフロストマスクとして、電流拡散層32をエッチングし凸部32cを有するフロスト凹凸面を形成する。図1では、パッド電極42の下方にコンタクト層39が残っているが、GaAs層を除去して平坦な電流拡散層32にパッド電極42を設けてもよい。【0024】また、パッド電極42の周囲に、例えば10μm以下の幅の細線電極を設ける場合には、残したGaAs層の上に細線電極を設けることができる。または、GaAs層の上に細線電極をパターニングしたのち、細線電極をマスクにGaAsをエッチングしたセルフアライン構造としてもよい。このようにすると、細線電極の近傍まで均一に同一形状のフロスト凹凸面を形成でき、光取り出し効率をより高めることができる。」
(ウ) 第1の実施形態に関する図1は、以下のものである。
(エ)図4(a)及び図4(b)は、以下のものである。
(オ)引用文献1に記載された発明
a 上記ア(ア)の記載からして、引用文献1には、
「光取り出し面に微小凹凸を設けた、光取り出し効率が改善された半導体発光素子」が記載されているものと認められる。
b 上記ア(イ)の記載を踏まえて、第1の実施形態に関する図1を見ると、以下のことが理解できる。
(a)上記アの「半導体発光素子」は、図1に示された、具体的には、
基板11と、基板11上に積層された、接合金属層12、ITO膜14、電流ブロック層15、コンタクト層21、中間層24、クラッド層25、発光層40、クラッド層31、電流拡散層32、コンタクト層39、パッド電極42を備えていること。
(b)「電流ブロック層15」は、パターニングされたSiO2などの絶縁膜からなること(【0014】)。
(c)「接合金属層12」は、「Auなどの金属膜12a」と「Auなどを含む金属膜12b」を接合することにより形成されること(【0014】)。
(d)第1の積層体30の第1導電形はn形である(【0010】)から、発光層40の上側がn形、下側がp形となること。
以下、第1導電形を「n型」、第2導電形を「p型」と表記する。
(e)電流拡散層32の表面の一部に、電流拡散層32をエッチングしてフロスト凹凸面が形成されていること(【0023】)。
(f)パッド電極42の周囲には、例えば、10μm以下の幅の細線電極を設けてもよいこと(【0024】)。
c また、ア(イ)の記載を踏まえて、図4(a)及び図4(c)を見ると、以下のことが理解できる。
(ア)図4(a)と図4(c)とは、図1に示された「半導体発光素子」のうち、「電流拡散層32」をエッチングして形成したフロスト凹凸面の形状のみが異なること。
(イ)凸部がない場合の光取り出し効率を100%とした場合、図4(a)の形状では130%であり、図4(c)の形状では145%であること。
d 上記aないしcの検討からして、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。
「基板11と、基板11上に積層された、接合金属層12、ITO膜14、電流ブロック層15、p型コンタクト層21、中間層24、p型クラッド層25、発光層40、n型クラッド層31、n型電流拡散層32、n型コンタクト層39及びパッド電極42を備え、前記電流ブロック層15は、パターニングされた絶縁膜からなり、前記接合金属層12は、Auなどの金属膜12aとAuなどを含む金属膜12bを接合することにより形成され、前記電流拡散層32の表面の一部に、電流拡散層32をエッチングしてフロスト凹凸面が形成され、前記パッド電極42の周囲には、例えば、10μm以下の幅の細線電極が設けられた、半導体発光素子。」
イ 原査定の拒絶の理由において、引用文献2として引用された特開平6-334218号公報(平成6年12月2日公開 以下、「引用文献2」という。)には、図面とともに、以下の記載がある(なお、下線は、当審で付した。以下同様。)。
(ア)「【請求項1】 GaP基板上に液相エピタキシャル結晶成長法を用いてN型エピタキシャル結晶層及びP型エピタキシャル結晶層を成長させPN接合を形成した発光ダイオード素子において、同発光ダイオード素子の天面電極外周に、同天面のエッチング粗化部から分離する所定幅の非粗化領域を配置したことを特徴とする発光ダイオード素子。」
(イ)「【0009】次に、詳細にP電極端部の構造を説明する。図2は本発明の一実施例に係るP電極端部の拡大断面図である。図2ではP電極5の下端に0.5μm以下のサイドエッチング量8に相当する構造が見られるが、これは電極エッチングによるものであり、クラック発生の現象からみると、実用上ほとんど問題にならない。こうして発光ダイオード素子天面のエッチング部6は非エッチング部7があるためにP電極5に達することがない。この結果、実際に同一組立条件のもとで、従来の発光ダイオード素子と本発明の発光ダイオード素子のクラック発生率を比較したところ、従来構造の発光ダイオード素子において数百ppmのクラック発生率が本発明の発光ダイオード素子ではゼロであることが確認された。【0010】【発明の効果】本発明によれば、発光ダイオード素子天面のエッチングによる粗化が電極下部まで進行することがなく、発光ダイオードの組立て(特にダイスボンディング及びワイヤーボンディング)時に電極下部にクラックが発生することがない。したがって、発光ダイオードの高輝度化と高信頼性化に大きく寄与することができる。」
(ウ)図2は、以下のものである。
3 P型エピタキシャル結晶層
5 P電極
6 エッチング部
7 非エッチング部
8、8’ サイドエッチング量
(エ)引用文献2に記載された技術事項
上記(ア)ないし(ウ)の記載からして、引用文献2には、以下の技術事項(以下「技術事項1」という。)が記載されている。
「発光ダイオード素子の天面電極外周に、同天面のエッチング粗化部から分離する所定幅の非粗化領域を配置することにより、電極下部にクラックが発生することを防止すること。」
(3)対比
ア 本願補正発明と引用発明とを対比すると、以下のことがいえる。
(ア)引用発明の「基板11」は、本願補正発明の「基板」に相当する。
以下、同様に、
「p型クラッド層25」は、「基板上に形成された第1導電型の第1クラッド層」に、
「発光層40」は、「第1クラッド層上に形成された発光層」に、
「n型クラッド層31」は、「発光層上に形成された第2導電型層の第2クラッド層」に、
「n型電流拡散層32」は、「第2クラッド層上に形成されたウィンドウ層」に、
「n型コンタクト層39」は、「ウィンドウ層上に形成された第2導電型のコンタクト層」に、
「パッド電極42」は、「コンタクト層上に形成された表面電極層」に、
「半導体発光素子」は、「半導体発光素子」に、それぞれ、相当する。
(イ)引用発明の「『パターニングされた絶縁膜』からなる『電流ブロック層15』」は、「基板11」と「p型クラッド層25」との間に位置し、引用文献の図1からして、「ITO膜14」は、「『パターニングされた絶縁膜』の開口部等」を介して「発光層40」に電流を供給する役割を果たしていることは明らかである。
よって、本願補正発明と引用発明とは、「第1クラッド層と基板との間に形成された、パターニングされた導電層および絶縁層と、を備える」点で一致する。
(ウ)ここで、上記(ア)及び(イ)を整理すると、本願補正発明と引用発明とは、
「基板と、前記基板上に形成された第1導電型の第1クラッド層と、前記第1クラッド層上に形成された発光層と、前記発光層上に形成された第2導電型層の第2クラッド層と、前記第2クラッド層上に形成されたウィンドウ層と、前記ウィンドウ層上に形成された第2導電型のコンタクト層と、前記コンタクト層上に形成された表面電極層と、前記第1クラッド層と前記基板との間に形成された、パターニングされた導電層および絶縁層と、を備えた、半導体発光素子。」で一致する。
(エ)引用発明の「電流拡散層32の表面の一部」には、「電流拡散層32をエッチングしてフロスト凹凸面が形成され」ていることから、
本願補正発明と引用発明とは、「基板と垂直方向の第1方向視において、コンタクト層若しくはウィンドウ層の表面は、粗い凹凸が形成されたフロスト処理層を有する」点で一致する。
(オ)引用発明の「パッド電極42」の周囲には、「例えば、10μm以下の幅の細線電極が設けられた」ものであるから、本願補正発明と引用発明とは、
「表面電極層は、第1方向視で基板の所定領域に形成される第1の電極層と、前記第1の電極層から外方に延伸する第2の電極層とを含み、前記第2の電極層は、前記第1の電極層から外方に延びる第1の線状部分を含む」点で一致する。
(カ)上記(イ)で検討したように、引用発明の「ITO膜14」は、「『パターニングされた絶縁膜』の開口部等」を介して「発光層40」に電流を供給する役割を果たしているから、「ITO膜14」は、基板と垂直方向の第1方向視(上面から見て)で所定領域にわたって配置されたパターンを有することは、明らかである。
よって、本願補正発明と引用発明とは、
「導電層は、第1方向視で前記基板の表面の所定領域にわたって配置されたパターンを有し、前記絶縁層により取り囲まれるように形成されている」点で一致する。
(キ)以上のことから、本願補正発明と引用発明とは、以下の点で一致する。
〈一致点〉
「基板と、前記基板上に形成された第1導電型の第1クラッド層と、前記第1クラッド層上に形成された発光層と、前記発光層上に形成された第2導電型層の第2クラッド層と、続きを表示(全13行)前記第2クラッド層上に形成されたウィンドウ層と、前記ウィンドウ層上に形成された第2導電型のコンタクト層と、前記コンタクト層上に形成された表面電極層と、前記第1クラッド層と前記基板との間に形成された、パターニングされた導電層および絶縁層と、を備え、前記基板と垂直方向の第1方向視において、前記コンタクト層若しくは前記ウィンドウ層の表面は、粗い凹凸が形成されたフロスト処理層を有し、前記表面電極層は、前記第1方向視で前記基板の所定領域に形成される第1の電極層と、前記第1の電極層から外方に延伸する第2の電極層とを含み、前記第2の電極層は、前記第1の電極層から外方に延びる第1の線状部分を含み、前記導電層は、前記第1方向視で前記基板の所定領域にわたって配置されたパターンを有し、前記絶縁層により取り囲まれるように形成されている、半導体発光素子。」
(ク)一方で、両者は、以下の点で相違する。
〈相違点1〉
フロスト処理層に関して、
本願補正発明は、「表面電極層を囲むように相対的に粗い凹凸が形成されるとともに、前記相対的に粗い凹凸面上に相対的に微細な凹凸がさらに形成されたダブルフロスト処理層と、前記表面電極層と前記ダブルフロスト処理層とに囲まれて前記ダブルフロスト処理層よりも平坦な凹凸非形成領域とを有し」ているのに対して、
引用発明は、そのような構造ではない点。
〈相違点2〉
表面電極層に関して、
本願補正発明は、「第1方向視で前記基板の中央部に形成される第1の電極層と、前記第1の電極層から外方に延伸する複数の第2の電極層とを含み、前記複数の第2の電極層の各々は、前記第1の電極層から外方に延びる第1の線状部分と、前記第1の線状部分の端部から両側方に直角に屈曲するように延びる第2の線状部分とを含」むのに対して、
引用発明は、そのような構造ではない点。
〈相違点3〉
導電層に関して、
本願補正発明は、「金属コンタクト層」であって、「第1方向視で基板の表面の全体の領域にわたって配置された分散的パターンまたは周期的パターンを有し」ているのに対して、
引用発明は、金属ではなく、そのようなパターンであるか否か不明である点。
(4)判断
ア 上記〈相違点1〉について検討する。
(ア)光取出効率を高めるために、パッド電極を囲むようにダブルフロスト処理層を設けることは、原査定の拒絶の理由で引用された引用文献4(特開2010-50157号公報の図1及び図2を参照。)以外にも、下記の文献に記載されているように、当該技術分野においてよく知られていることである(以下「周知技術1」という。)。
必要ならば、下記の文献を参照。
a 特開2003-209283号公報(図1を参照。)
b 特開2008-47861号公報(図3を参照。)
c 特開2010-258039号公報(【0013】、【0014】、図1及び図6を参照。)
ちなみに、上記引用文献4の図1及び図2は、以下のものである。
(イ)また、引用文献2には、上記3(2)イ(エ)で示した「技術事項1」が記載されている。
(ウ)そして、引用発明は光取出効率を高めることを課題にしており(上記3(2)ア(ア))、また、引用発明においても電極下部にクラックが発生することを防止することは自明の課題であるといえるから、引用発明において、「パッド電極42」を囲むようにダブルフロスト処理層を形成するとともに、「パッド電極42」の近傍に凹凸を設けないようにすることは、当業者が容易になし得ることである。
(エ)よって、引用発明において、上記〈相違点1〉に係る本願補正発明の構成を採用することは、当業者が上記周知技術1及び技術事項1に基づいて容易になし得ることである。
イ 上記〈相違点2〉について検討する。
(ア)引用発明の「『パッド電極42の周囲に』に設けられた『10μm以下の幅の細線電極』」は、局所的な電流集中を防止するためのものであることは当業者にとって明らかであるところ、該「細線電極」から両側方に直角に屈曲するように延びる細線電極を設けることは、原査定の拒絶の理由で引用された引用文献3(特開2010-251531号公報の図11を参照。)以外にも、下記の文献に記載されているように、当該技術分野においてよく知られていることである(以下「周知技術2」という。)。
文献d 特開平6-5921号公報(図4(a))
文献e 特開平8-111544号公報(図10(a))
文献f 特開平8-335717号公報(図2)
文献g 特開2012-231014号公報(図1(a))
文献h 特開2012-33800号公報(【要約】、図1及び図2)
ちなみに、上記文献hの特開2012-33800号公報の図1は、以下のものである。
(イ)してみると、引用発明の「『パッド電極42の周囲に』設けられた『10μm以下の幅の細線電極』」の端部から両側方に直角に屈曲するように延びる細線電極(第2の線状部分)を設けることは、当業者が必要に応じて適宜なし得ることである。
(ウ)よって、引用発明において、上記〈相違点2〉に係る本願補正発明の構成を採用することは、当業者が上記周知技術2に基づいて容易になし得ることである。
ウ 上記〈相違点3〉について検討する。
(ア)引用発明の「ITO膜14」は、「『パッド電極42の周囲』に設けられた『10μm以下の幅の細線電極』」とともに、局所的な電流集中を防止するためのものであることは当業者にとって明らかであるところ、より広い範囲にわたって局所的な電流集中を防止できるように、「ITO膜14」を「『基板11の表面の全体の領域にわたって配置された分散的パターンまたは周期的パターン』を有する『金属コンタクト層』」とすることは、当業者が必要に応じて適宜なし得ることである。
必要ならば、例えば、引用文献1の【0004】に記載された「【特許文献1】特開2009-206265号公報」の図1を参照。
(イ)よって、引用発明において、上記〈相違点3〉に係る本願補正発明の構成を採用することは、当業者が容易になし得ることである
エ 効果
本願補正発明の奏する効果は、当業者が引用発明、技術事項1、周知技術1及び周知技術2から予測し得る範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。
オ まとめ
本件補正発明は、当業者が引用発明、技術事項1、周知技術1及び周知技術2に基づいて容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
(5)審判請求書における主張について
ア 請求人は、本願の図15に示したように内部のODR金属層(11)と表面側の表面電極層(20・20a)との間に電流を導通させることは、引用文献3に開示の表面電極のパターンからは期待することができず、上記の本願構成にとって顕著な作用効果であり、単なる設計事項ではない旨主張する(「3.本願発明が特許されるべき理由(c)進歩性(第29条第2項)について」を参照。)。
(ア)しかしながら、本願補正発明の「表面電極層」は、本願の図15に示された形状のものに限定されるものではなく、本願の図40や引用文献3の図11に示された形状の表面電極層を包含する。また、本願明細書には、図15に示された形状を採用することにより、図40等の形状を採用した場合と比較して格別顕著な効果を奏することは記載されていない。
本願の図15
本願の図40
引用文献3の図11
(イ)そして、引用発明の「10μm以下の幅の細線電極」の端部から両側方に直角に屈曲するように延びる細線電極(第2の線状部分)を採用すれば、より広い範囲において局所的な電流集中が生じなくなることは予測し得ることである。
(エ)よって、請求人の主張は、採用できない。
4 本件補正についてのむすび
よって、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するので、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明
1 本願発明
(1)本件補正は上記のとおり却下されたため、本願の請求項1を引用する請求項4に係る発明(以下「本願発明」という。)は、前記「第2 2 補正目的」の検討によれば、下記ア及びイの限定を省いたものに相当する。
ア 「表面電極層は、第1方向視で基板の中央部に形成される第1の電極層と、第1の電極層から外方に延伸する複数の第2の電極層とを含み、前記複数の第2の電極層の各々は、前記第1の電極層から外方に延びる第1の線状部分と、前記第1の線状部分の端部から両側方に直角に屈曲するように延びる第2の線状部分とを含み、」
イ 「金属コンタクト層は、第1方向視で基板の表面の全体の領域にわたって配置された分散的パターンまたは周期的パターンを有し、前記絶縁層により取り囲まれるように形成されている」
(2)念のため、本願発明を再掲すると、以下のとおりのものである。
「【【請求項1】基板と、前記基板上に形成された第1導電型の第1クラッド層と、前記第1クラッド層上に形成された発光層と、続きを表示(全15行)前記発光層上に形成された第2導電型層の第2クラッド層と、前記第2クラッド層上に形成されたウィンドウ層と、前記ウィンドウ層上に形成された第2導電型のコンタクト層と、前記コンタクト層上に形成された表面電極層と、を備え、前記基板と垂直方向の第1方向視において、前記コンタクト層若しくは前記ウィンドウ層の表面は、前記表面電極層を囲むように相対的に粗い凹凸が形成されるとともに、前記相対的に粗い凹凸面上に相対的に微細な凹凸がさらに形成されたダブルフロスト処理層と、前記表面電極層と前記ダブルフロスト処理層とに囲まれて前記ダブルフロスト処理層よりも平坦な凹凸非形成領域とを有していることを特徴とする半導体発光素子。【請求項4】前記第1クラッド層と前記基板との間に、パターニングされた金属コンタクト層および絶縁層を備えたことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の半導体発光素子。」
2 引用文献及び引用発明
(1)引用文献1(特開2012-129234号公報)
引用文献1の記載事項及び引用発明については、上記「第2 3(2)引用文献及び引用発明」を参照。
(2)引用文献2(特開平6-334218号公報)
引用文献2の記載事項及び技術事項1については、上記「第2 3(2)引用文献及び引用発明」を参照。
(3)原査定の拒絶の理由において、引用文献4として引用された特開2010-50157号公報(平成22年3月4日 公開)には、図面とともに、以下の記載がある。
ア 「【0003】化合物半導体からなる発光素子においては、素子内部から素子の表面(光取出領域)に向かう光のうち、臨界角度よりも大角度で光取出領域に入射する光(入射角は、光束入射方向と領域面法線とのなす角度)が全反射により素子内部に戻るので、その全てを取り出せるわけではない。そこで、特許文献1あるいは特許文献2には、光取出層の第一主表面を適当なエッチング液により面粗し処理(フロスト処理とも称される)して微細な凹凸を形成し、発光光束が大角度入射する確率を減じて光取出し効率を高める技術が開示されている。【発明の開示】【発明が解決しようとする課題】続きを表示(全11行)【0004】しかしながら、上記特許文献1,2に開示された異方性エッチングによる面粗し処理では、面粗し突起の形成密度の増大ひいてはそれによる光取出面積の拡大に限界があり、発光素子の光取出効率をさらに向上させる方法が求められている。【0005】本発明の課題は、素子の光取出面積をより拡大することができ、ひいては光取出効率の更なる向上を図ることができる発光素子と、その製造方法とを提供することにある。【課題を解決するための手段及び発明の効果】【0006】上記の課題を解決するために、本発明の発光素子は、一方の主表面に光取出面が形成される化合物半導体の積層体からなり、該光取出面をなす化合物半導体層がGaP光取出層であり、かつ、該GaP光取出層の光取出面はGaPの(100)面を基面とする形で異方性エッチング処理による面粗し突起部が分散形成されるとともに、該面粗し突起部の頂部が基面の向きに平坦化され、該平坦化された頂面に該面粗し突起部よりも小さい微小突起がさらに分散形成されてなることを特徴とする。」
【0007】
GaP光取出層の(100)主表面を異方性エッチングして面粗し突起部を分散形成し、さらに、その頂面を平坦化して、該面粗し突起部よりも小さい微小突起をさらに分散形成することで、面粗し突起部の頂面の総評面積が微小突起により拡大し、光取出効率を大幅に向上することができる。」
イ 「【0059】第一のエッチング液はGaPの{111}面に対する優先エッチング性が顕著であり、面粗し突起部Fを効率よく安価に形成できる。該第一のエッチング工程が終了した時点では、図6A~図6Fに破線で示すように、面粗し突起部Fの頂部は平坦化されていない。そこで、上記のような面粗し突起部Fを第一のエッチング工程で形成した後、有機酸、無機酸又はそれらの混合物の水溶液からなる第二のエッチング液を接触させる第二のエッチング工程を行なう。このような酸水溶液からなる第二のエッチング液は、GaPの{100}面に対する優先エッチング性を有しており、エッチング電位の集中しやすい面粗し突起部Fの頂点に顕著なエッチング効果を発揮して、GaP光取出層20の主表面と同じ(100)面を出す形でこれを平坦化する。さらに、酸水溶液なのでGaPを酸化物に転換しながらエッチング反応が進み、生成した酸化物の介在によりエッチング進行の面内不均一化等も要因となって、平坦化された面粗し突起部Fの頂面に微小突起SFが効果的に分散形成される。」
ウ 図2及び図6Aは、以下のものである。
20p 光取出面
SS 側面部
F 面粗し突起部
SF 微小突起
LP 孔(凹部)
ウ 上記ア及びイからして、引用文献4には、次の技術事項(以下「技術事項2」という。)が記載されているものと認められる。
「発光素子の光取出面に、第一のエッチング工程により面粗し突起部Fを形成した後、第二のエッチング液を接触させる第二のエッチング工程により微小突起SFを形成することにより、光取出効率を大幅に向上することができること。」
3 対比・判断
(1)対比
ア 本願発明と引用発明とを対比すると、以下の点で一致する。
〈一致点〉
「基板と、前記基板上に形成された第1導電型の第1クラッド層と、前記第1クラッド層上に形成された発光層と、前記発光層上に形成された第2導電型層の第2クラッド層と、続きを表示(全11行)前記第2クラッド層上に形成されたウィンドウ層と、前記ウィンドウ層上に形成された第2導電型のコンタクト層と、前記コンタクト層上に形成された表面電極層と、前記第1クラッド層と前記基板との間に、パターニングされた導電層および絶縁層と、を備え、前記基板と垂直方向の第1方向視において、前記コンタクト層若しくは前記ウィンドウ層の表面は、粗い凹凸が形成されたフロスト処理層を有している、半導体発光素子。」
イ 一方、両者は、以下の点で相違する。
〈相違点4〉
フロスト処理層に関して、
本願発明は、「表面電極層を囲むように相対的に粗い凹凸が形成されるとともに、前記相対的に粗い凹凸面上に相対的に微細な凹凸がさらに形成されたダブルフロスト処理層と、前記表面電極層と前記ダブルフロスト処理層とに囲まれて前記ダブルフロスト処理層よりも平坦な凹凸非形成領域とを有し」ているのに対して、
引用発明は、そのような構造ではない点。
〈相違点5〉
本願発明は、「金属コンタクト層」であるのに対して、
引用発明は、「ITO膜14」である点。
(2)判断
ア 上記〈相違点4〉について検討する。
(ア)引用文献2及び引用文献4には、以下の技術事項が記載されている。
a 技術事項1
「発光ダイオード素子の天面電極外周に、同天面のエッチング粗化部から分離する所定幅の非粗化領域を配置することにより、電極下部にクラックが発生することを防止すること。」
b 技術事項2
「発光素子の光取出面に、第一のエッチング工程により面粗し突起部Fを形成した後、第二のエッチング液を接触させる第二のエッチング工程により微小突起SFを形成することにより、光取出効率を大幅に向上することができること。」
(イ)してみると、引用発明において、「パッド電極42」を囲むようにダブルフロスト処理層を形成するとともに、「パッド電極42」の近傍に凹凸を設けないようにすることは、当業者が上記二つの技術事項に基づいて容易になし得ることである。
イ 上記〈相違点5〉について検討する。
引用発明の「ITO膜14」を「金属コンタクト層」とすることに何ら困難性は認められない。
ウ 効果
本願発明の奏する効果は、当業者が引用発明の奏する効果、及び上記二つの技術事項から予測し得る範囲内のものである。
4 まとめ
本願発明は、当業者が引用発明、上記技術事項1及び上記技術事項2に基づいて容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
【付言】
令和2年8月6日提出の上申書における補正案について
請求人は、「4.特許請求の範囲の補正案」において、本願補正発明に対して、「前記基板は、前記第1方向視で矩形状を有し、前記第2の電極層は、前記第1方向視で前記基板の4辺方向に延伸しており、前記金属コンタクト層は、前記第1の電極層と、第2の電極層の前記第1の線状部分と前記第2の線状部分とによって、すべて囲まれて配置されている」との発明特定事項を追加する補正案を提示している。
しかしながら、補正案のとおり補正したとしても、下記の理由により、進歩性は認められない。
理由
(1)引用文献1には、引用発明の「基板11」の具体的な形状については明記されていないものの、第1方向視で矩形とすることに何ら困難性は認められない。
(2)引用発明の「『パッド電極42の周囲に』に設けられた『10μm以下の幅の細線電極』」は、局所的な電流集中を防止するためのものであることは当業者にとって明らかであるところ、該「パッド電極42」の周囲に、例えば、特開2012-33800号公報の図1に示された細線電極(下記の図を参照。)を配置することに何ら困難性は認められない。
(3)また、本願明細書には、図15に示された形状を採用することにより、図40等の形状を採用した場合と比較して格別顕著な効果を奏することは記載されていない。
(4)よって、補正案のとおり補正されたとしても、進歩性は認められない。
第4 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
2020-004007