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特許拒絶査定不服審判

2024-013631

受光IC、近接センサ、および電子機器

審判番号
2024-013631
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2020-045258
請求日
2024年08月23日
審決日
2025年06月24日
公報発行日
2025年09月26日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】ローム株式会社
  • 【請求人代理人】弁理士法人深見特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 土居 仁士
  • 審判官 丸山 高政
  • 審判官 衣鳩 文彦
分類
P18 .121-Z (H03K) / P18 .561-Z (H03K) / P18 .575-Z (H03K)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第3項、特許法第29条、特許法第17条の2第5項、特許法第36条第6項第2号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2020-45258「受光IC、近接センサ、および電子機器」拒絶査定不服審判事件〔令和3年9月27日出願公開、特開2021-150671〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、令和2年3月16日の出願であって、その手続の経緯の概要は以下のとおりである。 令和 5年 8月22日付け 拒絶理由通知書 10月23日 意見書・手続補正書 令和 6年 1月11日付け 拒絶理由通知書(最後) 3月15日 意見書・手続補正書 6月13日付け 補正の却下の決定 拒絶査定 8月23日 審判請求書・手続補正書 12月12日 前置報告書 令和6年6月13日付け補正の却下の決定により、同年3月15日の手続補正書による補正は却下された。 以下では、令和6年6月13日付け拒絶査定を「原査定」といい、同年8月23日の手続補正書による補正を「本件補正」という。 第2 補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 本件補正を却下する。 [理由] 1 本件補正の内容 本件補正前の請求項1の記載を以下の(1)に示し、本件補正後の請求項1の記載を以下の(2)に示す。 本件補正前後の請求項1の記載によれば、 本件補正は、 本件補正前の「受光IC。」との記載を、 「前記物体と前記受光素子との距離に応じて前記受光素子の受光量が変化し、前記物体と前記受光素子との距離が第1の距離のときの前記受光量の第1のピークは、前記物体と前記受光素子との距離が前記第1の距離よりも遠い第2の距離のときの前記受光量の第2のピークよりも大きい、受光IC。」との記載に補正すること(以下「受光IC補正事項」という。) を含む。 (1)本件補正前の請求項1の記載 本件補正前の特許請求の範囲(令和5年10月23日の手続補正書により補正されたもの)の請求項1の記載は次のとおりである。 「【請求項1】 OLEDパネルを有する電子機器に搭載可能な受光ICであって、 各々が、光を出射する第1の光源および第2の光源を駆動する駆動部と、 反射された光を検出する受光素子とを備え、 前記受光IC、前記第1の光源および前記第2の光源は、前記OLEDパネルの下側の前記OLEDパネルで覆われる領域に配置され、 前記第1の光源は、前記第2の光源よりも、前記受光素子に近い位置に配置され、 前記駆動部は、前記第1の光源から出射される光の強度を、前記第2の光源から出射される光の強度よりも小さくし、 前記駆動部は、前記第1の光源と前記第2の光源とを異なるタイミングで駆動することによって、前記第1の光源と前記第2の光源とは、異なるタイミングで光を出射し、 前記第1の光源が光を出射したときには、前記受光素子の受光量が第1の閾値以上であるか否かを判定する第1の判定を実行し、前記第2の光源が光を出射したときには、前記受光素子の受光量が第2の閾値以上であるか否かを判定する第2の判定を実行し、前記第1の判定の結果と前記第2の判定の結果の論理和を算出する制御ロジックを備え、 前記制御ロジックは、前記第1の判定において前記受光素子の受光量が前記第1の閾値未満と判定し、かつ前記第2の判定において前記受光素子の受光量が前記第2の閾値未満と判定した場合に、物体が受光素子から遠い距離に存在すると判定し、前記第1の判定において前記受光素子の受光量が前記第1の閾値以上と判定し、かつ前記第2の判定において前記受光素子の受光量が前記第2の閾値未満と判定した場合、前記第1の判定において前記受光素子の受光量が前記第1の閾値未満と判定し、かつ前記第2の判定において前記受光素子の受光量が前記第2の閾値以上と判定した場合、あるいは、前記第1の判定において前記受光素子の受光量が前記第1の閾値以上と判定し、かつ前記第2の判定において前記受光素子の受光量が前記第2の閾値以上と判定した場合、前記物体が受光素子から近い距離に存在すると判定する、受光IC。」 (2)本件補正後の請求項1の記載 本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載は、以下のとおりである。なお、下線は補正箇所を示すために請求人が付した。 「【請求項1】 OLEDパネルを有する電子機器に搭載可能な受光ICであって、 各々が、光を出射する第1の光源および第2の光源を駆動する駆動部と、 反射された光を検出する受光素子とを備え、 前記受光IC、前記第1の光源および前記第2の光源は、前記OLEDパネルの下側の前記OLEDパネルで覆われる領域に配置され、 前記第1の光源は、前記第2の光源よりも、前記受光素子に近い位置に配置され、 前記駆動部は、前記第1の光源から出射される光の強度を、前記第2の光源から出射される光の強度よりも小さくし、 前記駆動部は、前記第1の光源と前記第2の光源とを異なるタイミングで駆動することによって、前記第1の光源と前記第2の光源とは、異なるタイミングで光を出射し、 前記第1の光源が光を出射したときには、前記受光素子の受光量が第1の閾値以上であるか否かを判定する第1の判定を実行し、前記第2の光源が光を出射したときには、前記受光素子の受光量が第2の閾値以上であるか否かを判定する第2の判定を実行し、前記第1の判定の結果と前記第2の判定の結果の論理和を算出する制御ロジックを備え、 前記制御ロジックは、前記第1の判定において前記受光素子の受光量が前記第1の閾値未満と判定し、かつ前記第2の判定において前記受光素子の受光量が前記第2の閾値未満と判定した場合に、物体が受光素子から遠い距離に存在すると判定し、前記第1の判定において前記受光素子の受光量が前記第1の閾値以上と判定し、かつ前記第2の判定において前記受光素子の受光量が前記第2の閾値未満と判定した場合、前記第1の判定において前記受光素子の受光量が前記第1の閾値未満と判定し、かつ前記第2の判定において前記受光素子の受光量が前記第2の閾値以上と判定した場合、あるいは、前記第1の判定において前記受光素子の受光量が前記第1の閾値以上と判定し、かつ前記第2の判定において前記受光素子の受光量が前記第2の閾値以上と判定した場合、前記物体が受光素子から近い距離に存在すると判定する、 前記物体と前記受光素子との距離に応じて前記受光素子の受光量が変化し、前記物体と前記受光素子との距離が第1の距離のときの前記受光量の第1のピークは、前記物体と前記受光素子との距離が前記第1の距離よりも遠い第2の距離のときの前記受光量の第2のピークよりも大きい、受光IC。」 2 補正の目的について 受光IC補正事項(前記1)は、本件補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「受光IC」に、「前記物体と前記受光素子との距離に応じて前記受光素子の受光量が変化し、前記物体と前記受光素子との距離が第1の距離のときの前記受光量の第1のピークは、前記物体と前記受光素子との距離が前記第1の距離よりも遠い第2の距離のときの前記受光量の第2のピークよりも大きい」との限定を付加するものであって、本件補正前の請求項1に係る発明と本件補正後の請求項1に係る発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法17条の2第5項2号の特許請求の範囲の減縮(いわゆる限定的減縮)を目的とするものに該当すると認められる。 3 新規事項の追加について 受光IC補正事項において追加される「ピーク」という語は、本願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「当初明細書等」という。)において、「 図8の応答特性では、距離が5[mm]において反射光の受光量がピークを示す。距離が5[mm]よりも大きい範囲では、距離が大きくなるにつれて、反射光の受光量が急激に減少した後、増加する。極小値の反射光の受光量は、閾値THC以上を維持しているが、ノイズなどの影響によって、極小値の反射光の受光量が閾値THCを下回る危険性がある。」(【0095】)との記載以外には存在しない。 また、上記記載で言及される図8以外に、受光量についてのグラフは、図4、図5及び図14がある。(図4、5、8及び14を下掲) [図:0001426618000001.jpg] [図:0001426618000002.jpg] [図:0001426618000003.jpg] [図:0001426618000004.jpg] 上記記載及び図は、いずれも、受光素子34と物体RFとの距離を変化させたときの受光量が、所定の距離においてピークを有することを説明するものであるが、受光IC補正事項にあるように、物体と受光素子との距離を「第1の距離」に固定したときの受光量のピークや、物体と受光素子との距離を「第2の距離」に固定したときの受光量のピークについて説明するものではない。 当初明細書等のその他の記載を参照しても、物体と受光素子とを所定の距離に固定したときの受光量のピークについては記載がなく、また、技術常識を勘案しても、そのような受光量のピークが当初明細書等から導出されるものではない。 したがって、受光IC補正事項を含む本件補正は、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであるということはできないため、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものとは認められず、特許法17条の2第3項に規定する要件に違反する。 4 独立特許要件違反について 本件補正の目的は前記2のとおり限定的減縮に該当するので、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項に規定する要件(いわゆる独立特許要件)に適合するかについて、以下、検討する。 (1)本件補正発明 本件補正発明は、前記1(2)に記載したとおりのものと認める。 なお、後の参照の便宜のため、請求項1を以下のA~Kに分説し、「発明特定事項A」のようにして参照する。 【請求項1】 A OLEDパネルを有する電子機器に搭載可能な受光ICであって、 B 各々が、光を出射する第1の光源および第2の光源を駆動する駆動部と、 C 反射された光を検出する受光素子とを備え、 D 前記受光IC、前記第1の光源および前記第2の光源は、前記OLEDパネルの下側の前記OLEDパネルで覆われる領域に配置され、 E 前記第1の光源は、前記第2の光源よりも、前記受光素子に近い位置に配置され、 F 前記駆動部は、前記第1の光源から出射される光の強度を、前記第2の光源から出射される光の強度よりも小さくし、 G 前記駆動部は、前記第1の光源と前記第2の光源とを異なるタイミングで駆動することによって、前記第1の光源と前記第2の光源とは、異なるタイミングで光を出射し、 H1 前記第1の光源が光を出射したときには、前記受光素子の受光量が第1の閾値以上であるか否かを判定する第1の判定を実行し、 H2 前記第2の光源が光を出射したときには、前記受光素子の受光量が第2の閾値以上であるか否かを判定する第2の判定を実行し、 H3 前記第1の判定の結果と前記第2の判定の結果の論理和を算出する制御ロジックを備え、 I 前記制御ロジックは、 I1 前記第1の判定において前記受光素子の受光量が前記第1の閾値未満と判定し、かつ前記第2の判定において前記受光素子の受光量が前記第2の閾値未満と判定した場合に、物体が受光素子から遠い距離に存在すると判定し、 I2A 前記第1の判定において前記受光素子の受光量が前記第1の閾値以上と判定し、かつ前記第2の判定において前記受光素子の受光量が前記第2の閾値未満と判定した場合、 I2B 前記第1の判定において前記受光素子の受光量が前記第1の閾値未満と判定し、かつ前記第2の判定において前記受光素子の受光量が前記第2の閾値以上と判定した場合、あるいは、 I2C 前記第1の判定において前記受光素子の受光量が前記第1の閾値以上と判定し、かつ前記第2の判定において前記受光素子の受光量が前記第2の閾値以上と判定した場合、 I2 前記物体が受光素子から近い距離に存在すると判定する、 J1 前記物体と前記受光素子との距離に応じて前記受光素子の受光量が変化し、 J2 前記物体と前記受光素子との距離が第1の距離のときの前記受光量の第1のピークは、前記物体と前記受光素子との距離が前記第1の距離よりも遠い第2の距離のときの前記受光量の第2のピークよりも大きい、 K 受光IC。 (2)引用文献1の記載 原査定で引用された米国特許出願公開第2019/0018136号明細書(以下「引用文献1」という。)には、以下の記載がある。 「[0080] FIG. 1 shows a cross-section through an exemplary implementation of an optical proximity sensor arrangement according to the improved concept. The sensor arrangement comprises a first sensor unit SU1 comprising a first emitter E1, for example implemented as an infrared emitting LED, with an active area AE1 and a first detector D1, for example implemented as an infrared sensitive photodiode, with an active area AD1. A distance between the first emitter active area AE1 and the first detector active area AD1 is given by a first distance DS1. The first distance DS1 may for example lie in the order of several millimeters, for example 1 to 5 mm, for example 2 to 3 mm.」 (当審訳:[0080] 図1は、改善された概念に従う光学式近接センサ配置の例示的な実施形態の断面図を示す。該センサ配置は、第1センサユニットSU1を含み、第1センサユニットSU1は、例えば赤外線を発するLEDとして実装される、アクティブ領域AE1を持つ第1放出器E1、及び、例えば赤外線感応性フォトダイオードとして実装される、アクティブ領域AD1を持つ第1検出器D1を含む。第1放出器のアクティブ領域AE1と、第1検出器のアクティブ領域AD1との距離は、第1距離DS1によって示される。第1距離DS1は、例えば数ミリメートル程度、例えば1~5ミリメートル、例えば2~3ミリメートルであってもよい。) 「[0081] The sensor arrangement further comprises a second sensor unit SU2 comprising a second emitter E2, for example implemented as an infrared emitting LED, with an active area AE2. A distance between the first detector active area AD1 and the second emitter active area AE2 is given by a second distance DS2 being greater than the first distance DS1. For example, the second distance DS2 may lie in the order of several centimeters, for example 1 to 5 cm, for example 2 to 3 cm.」 (当審訳:[0081] 該センサ配置は、さらに、例えば赤外線を発するLEDとして実装される、アクティブ領域AE2を持つ第2放出器E2を含んだ第2センサユニットSU2を含む。第1検出器のアクティブ領域AD1と、第2放出器のアクティブエリアAE2との距離は、第1距離DS1よりも大きい第2距離DS2によって示される。例えば、第2距離DS2は、数センチメートル程度、例えば1~5cm、例えば2~3cmであってもよい。) 「[0083] The sensor arrangement for example further comprises a cover arrangement covering the first and the second sensor unit SU1, SU2 with a cover plate CP having a first surface S1 facing the sensor units SU1, SU2 and a second surface S2 opposite to the first surface S1. The cover plate CP is for example translucent or transparent for light being emitted by the first or the second emitter E1, E2. The cover plate may be translucent or transparent for infrared and visible light.」 (当審訳:[0083] 該センサ配置は、例えば、さらに、第1及び第2センサユニットSU1、SU2をカバー板CPで覆うカバー配置を含み、カバー板CPは、センサユニットSU1、SU2に面した第1表面S1と、第1表面S1の反対の第2表面S2を有する。カバー板CPは、例えば、第1又は第2放出器E1、E2が発する光に対して半透明又は透明である。該カバー板は、赤外光及び可視光に対して半透明又は透明であってもよい。) 「[0086] The optical proximity sensor arrangement may for example be comprised by a portable electronic device such as a smart phone or a tablet computer. In particular, the cover plate CP may correspond to or be a part, for example a bezel, of a display, in particular a display glass or plastic, of the portable electronic device.」 (当審訳:[0086] 光学式近接センサ配置は、例えば、スマートフォン又はタブレットコンピュータのような携帯型電子機器に含まれてもよい。特に、カバー板CPは、該携帯型電子機器のディスプレイ、特にディスプレイガラス又はプラスチック、例えばベゼル、に対応する又はその一部であってもよい。) 「[0087] The first emitter E1 and the first detector D1 form for example a first proximity sensing pair with a first detection range R1 as shown in FIG. 1. …(略)… The light L1 is then for example partially reflected by the first object O1 and may reach the first detector active area AD1 through the cover arrangement. Consequently, the first detector D1 may detect the partially reflected light L1 and generate a first detector signal depending on the detected light.」 (当審訳:[0087] 第1放出器E1及び第1検出器D1は、例えば、図1に示されるように、第1検出範囲R1を有する第1近接センサ対を形成する。…(略)…そして、光L1は、例えば、第1物体O1によって部分的に反射され、カバー配置を介して第1検出器のアクティブ領域AD1に到達する。その結果、第1検出器D1は、部分的に反射された光L1を検出し、検出された光に応じて第1検出器信号を生成してもよい。) 「[0090] The first minimum detection distance is for example defined by an intersection of an emission cone of the first emitter E1 and a detection cone of the first detector D1. …(略)…」 (当審訳:[0090] 第1最小検出距離は、例えば、第1放出器E1の放出円錐と第1検出器D1の検出円錐の交点によって定義される。…(略)…) 「[0091] The first maximum detection distance is for example defined by a first intensity of the light L1 being emitted by the first emitter E1 during the first measurement cycle and/or by a first sensitivity of the first detector D1 during the first measurement cycle. …(略)…」 (当審訳:[0091] 第1最大検出距離は、例えば、第1測定サイクル中に第1放出器E1によって放出される光L1の第1強度によって、及び/又は、第1測定サイクル中の第1検出器D1の第1感度によって定義される。…(略)…) 「[0093] The second emitter E2 and the first detector D1 form for example a second proximity sensing pair with a first detection range R2 as shown in FIG. 1. …(略)…」 (当審注:上記記載のうち、「a first detection range R2」は、「a second detection range R2」の誤記と認める。) (当審訳:[0093] 第2放出器E2及び第1検出器D1は、例えば、図1に示されるように、第2検出範囲R2を有する第2近接センサ対を形成する。…(略)…) 「[0096] The second minimum detection distance is for example defined by an intersection of an emission cone of the second emitter E2 and a detection cone of the first detector D1 analogously as described above for the first sensing pair. …(略)…」 (当審訳:[0096] 第2最小検出距離は、例えば、第1センサ対について上述したのと同様に、第2放出器E2の放出円錐と第1検出器D1の検出円錐の交点によって定義される。…(略)…) 「[0097] The second maximum detection distance is for example defined by a second intensity of the light L2 being emitted by the second emitter E2 during the second measurement cycle and/or by a second sensitivity of the first detector D1 during the second measurement cycle. …(略)…」 (当審訳:[0097] 第2最大検出距離は、例えば、第2測定サイクル中に第2放出器E2によって放出される光L2の第2強度によって、及び/又は、第2測定サイクル中の第1検出器D1の第2感度によって定義される。…(略)…) 「[0098] Since the second distance DS2 is greater, in particular significantly greater, than the first distance DS1, optical crosstalk between the first detector D1 and the second emitter E1 may be significantly reduced. In particular, an amount of optical crosstalk may for example decay with a squared distance between the respective emitter and detector. Thus, the second intensity and/or the second sensitivity may be chosen larger than the first intensity and/or sensitivity, respectively, without leading to an inadmissible amount of crosstalk. Thus, the second maximum detection distance may be larger than the first maximum detection distance.」 (当審訳:[0098] 第2距離DS2は、第1距離DS1よりも、特に有意に大きく、第1検出器D1及び第2放出器E1との間の光学的クロストークは、有意に低減されるかもしれない。特に、光学的クロストークの量は、例えば、それぞれの放出器及び検出器間の距離の2乗に反比例して減衰するかもしれない。それゆえ、第2強度及び/又は第2感度は、それぞれ、許容できない量のクロストークを引き起こすことなく、第1強度及び/又は感度よりも大きく選択してもよい。それゆえ、第2最大検出距離は、第1最大検出距離よりも大きくなるかもしれない。) 「[0100] Due to the combination of the first proximity sensing pair with the first detection range R1 and the second proximity sensing pair with the second detection range R2, a total detection range of the optical proximity sensor arrangement extending for example from the second surface S2 of the cover plate CP to a relatively large distance defined by the second maximum detection distance may be achieved. …(略)…」 (当審訳:[0100] 第1検出範囲R1を有する第1近接センサ対と、第2検出範囲R2を有する第2近接センサ対との組み合わせにより、例えば、カバー板CPの第2表面S2から第2最大検出距離によって定義される比較的大きな距離まで延びる光学式近接センサ配置の総検出範囲が達成されるかもしれない。…(略)…) 「[0101] The optical proximity sensor arrangement of FIG. 1 may further comprise a control unit (not shown) for controlling a timing of the first and the second measurement cycle, in particular for controlling the first and the second intensities and the first and the second sensitivities as well as the respective timings. The control unit may for example be comprised by a first photodetector integrated circuit, IC, of the first detector D1. The first photodetector IC may also comprise the first detector active area AD1.」 (当審訳:[0101] 図1の光学式近接センサ配置は、さらに、第1及び第2測定サイクルのタイミングを制御する制御ユニット(図示せず)を含んでもよく、この制御ユニットは、特に、それぞれのタイミングだけでなく、第1及び第2の強度並びに第1及び第2の感度も制御してもよい。該制御ユニットは、例えば、第1検出器D1の第1光検出器集積回路、ICに含まれてもよい。第1光検出器ICは、第1検出器のアクティブ領域AD1も含んでもよい。) 「[0102] In particular, the control unit is for example configured to drive the first emitter E1 during the first measurement cycle to emit the light L1 with the first intensity and to drive the second emitter during the second measurement cycle to emit the light L2 with the second intensity. Further, the control unit is for example configured to control the sensitivity of the first detector D1 to the first sensitivity during the first measurement cycle and to the second sensitivity during the second measurement cycle.」 (当審訳:[0102] 特に、該制御ユニットは、例えば、第1放出器E1を駆動して第1測定サイクル中に第1放出器E1を第1強度の光L1を放出させ、第2放出器を駆動して第2測定サイクル中に第2強度の光L2を放出させるように構成される。さらに、該制御ユニットは、例えば、第1検出器D1を制御して第1測定サイクル中に第1検出器D1の感度を第1感度とし、第2測定サイクル中に第2感度とするように構成される。) FIG.1 [図:0001426618000005.jpg] FIG.1によれば、第1検出範囲R1は、第2検出範囲R2よりも第1検出器D1の近くにまで及び、第2検出範囲R2は、第1検出範囲R1よりも第1検出器D1の遠くにまで及ぶと解される。 (3)引用発明1の認定 前記(2)の記載によれば、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。なお、後の参照の便宜のため、引用発明1を以下のa~tの記号を付して分説し、「構成a」のようにして参照する。 〈引用発明1〉 a 光学式近接センサ配置であって、([0080]) b 該センサ配置は、第1センサユニットSU1を含み、第1センサユニットSU1は、赤外線を発するLEDとして実装される、アクティブ領域AE1を持つ第1放出器E1、及び、赤外線感応性フォトダイオードとして実装される、アクティブ領域AD1を持つ第1検出器D1を含み、([0080]) c 第1放出器のアクティブ領域AE1と、第1検出器のアクティブ領域AD1との距離は、第1距離DS1によって示され、([0080]) d 該センサ配置は、赤外線を発するLEDとして実装される、アクティブ領域AE2を持つ第2放出器E2を含んだ第2センサユニットSU2を含み、([0081]) e 第1検出器のアクティブ領域AD1と、第2放出器のアクティブエリアAE2との距離は、第1距離DS1よりも大きい第2距離DS2によって示され、([0081]) f 該センサ配置は、第1及び第2センサユニットSU1、SU2をカバー板CPで覆うカバー配置を含み、該カバー板は、赤外光及び可視光に対して半透明又は透明であり、([0083]) g 光学式近接センサ配置は、スマートフォンのような携帯型電子機器に含まれ、カバー板CPは、該携帯型電子機器のディスプレイガラスの一部であり、([0086]) h 第1放出器E1及び第1検出器D1は、第1検出範囲R1を有する第1近接センサ対を形成し、第1検出器D1は、部分的に反射された光L1を検出し、([0087]) i 第2放出器E2及び第1検出器D1は、第2検出範囲R2を有する第2近接センサ対を形成し、([0093]) j 第1最小検出距離は、第1放出器E1の放出円錐と第1検出器D1の検出円錐の交点によって定義され、([0090]) k 第1最大検出距離は、第1測定サイクル中に第1放出器E1によって放出される光L1の第1強度によって、及び、第1測定サイクル中の第1検出器D1の第1感度によって定義され、([0091]) l 第2最小検出距離は、第2放出器E2の放出円錐と第1検出器D1の検出円錐の交点によって定義され、([0096]) m 第2最大検出距離は、第2測定サイクル中に第2放出器E2によって放出される光L2の第2強度によって、及び、第2測定サイクル中の第1検出器D1の第2感度によって定義され、([0097]) n 第2強度及び第2感度は、それぞれ、第1強度及び感度よりも大きく選択し、([0098]) o 第1検出範囲R1を有する第1近接センサ対と、第2検出範囲R2を有する第2近接センサ対との組み合わせにより、光学式近接センサ配置の総検出範囲が達成され、([0100]) p 第1検出範囲R1は、第2検出範囲R2よりも第1検出器D1の近くにまで及び、第2検出範囲R2は、第1検出範囲R1よりも第1検出器D1の遠くにまで及び、(FIG.1) q 光学式近接センサ配置は、第1及び第2測定サイクルのタイミングを制御する制御ユニットを含み、([0101]) r 該制御ユニットは、第1検出器D1の第1光検出器ICに含まれ、([0101]) s 該制御ユニットは、第1放出器E1を駆動して第1測定サイクル中に第1放出器E1を第1強度の光L1を放出させ、第2放出器を駆動して第2測定サイクル中に第2強度の光L2を放出させるように構成され、該制御ユニットは、第1検出器D1を制御して第1測定サイクル中に第1検出器D1の感度を第1感度とし、第2測定サイクル中に第2感度とするように構成される、([0102]) t 光学式近接センサ配置。 (4)引用発明2の記載 原査定で引用された米国特許出願公開第2019/0379781号明細書(以下「引用文献2」という。)には、以下の記載がある。 「[0026] As illustrated in FIGS. 1-3, embodiments of the present disclosure provide an electronic device 100. The electronic device 100 includes a touch display screen 103, a proximity sensor 16, a light sensor 5, and a processor 23. The touch display screen 103 includes a display layer 13, the display layer 13 includes a display area 1311, and the proximity sensor 16 is disposed under the display area 1311. Infrared light emitted by the proximity sensor 16 can pass through the display area 1311. The proximity sensor 16 is configured to emit infrared light and receive the infrared light reflected by an object to detect a distance between the object and the electronic device 100.」 (当審訳:[0026] 図1~3に示されるように、本開示の実施形態は、電子デバイス100を提供する。電子デバイス100は、タッチディスプレイスクリーン103と、近接センサ16と、光センサ5と、プロセッサ23とを含む。タッチディスプレイスクリーン103は、ディスプレイ層13を含み、ディスプレイ層13は表示領域1311を含み、近接センサ16は表示領域1311の下に配置される。近接センサ16によって放射された赤外光は、表示領域1311を通過することができる。近接センサ16は、赤外光を放射し、物体によって反射された赤外光を受光して、物体と電子デバイス100との間の距離を検出するように構成されている。) 「[0027] Embodiments of the present disclosure are illustrated by taking the electronic device 100 being a mobile phone as an example. …(略)…」 (当審訳:[0027] 本開示の実施形態は、携帯電話である電子機器100を例にとって説明される。…(略)…) 「[0028] In some embodiments, the display layer 13 includes an OLED display layer.」 (当審訳:[0028] いくつかの実施形態において、ディスプレイ層13は、OLEDディスプレイ層を含む。) FIG.1 [図:0001426618000006.jpg] FIG.2 [図:0001426618000007.jpg] (5)引用発明2の認定 前記(4)の記載によれば、引用文献2には、次の発明(以下「引用発明2」という。)が記載されていると認められる 〈引用発明2〉 携帯電話である電子デバイス100であって、 OLEDディスプレイ層であるディスプレイ層13を含むタッチディスプレイスクリーン103の表示領域1311の下に近接センサ16が配置され、 近接センサ16は、赤外光を放射し、物体によって反射された赤外光を受信して、物体と電子デバイス100との間の距離を検出し、 近接センサ16によって放射された赤外光は、表示領域1311を通過できる、 電子デバイス100。 (6)対比 本件補正発明と引用発明1とを対比する。 ア 発明特定事項A及びKについて 発明特定事項Aは「OLEDパネルを有する電子機器に搭載可能な受光ICであって、」というものであり、発明特定事項Kは「受光IC。」というものである。 引用発明1の「第1検出器D1の第1光検出器IC」(構成r)は、本件補正発明の「受光IC」に相当する。 引用発明1の「第1検出器D1」は、「光学式近接センサ配置」に含まれ(構成b、a)、「光学式近接センサ配置」は、「携帯型電子機器」に含まる(構成g)から、引用発明1の「第1検出器D1の第1光検出器IC」は、「携帯型電子機器」に搭載可能なものと解される。よって、引用発明1の「第1検出器D1の第1光検出器IC」は、本件補正発明の「電子機器に搭載可能な受光IC」に相当する。 引用発明1の「携帯型電子機器」は、「ディスプレイガラスの一部」として「カバー板CP」を備える(構成g)。携帯型電子機器のディスプレイガラスは、パネルといえるので、引用発明1の「カバー板CP」は、本件補正発明の「パネル」に対応し、引用発明1の「携帯型電子機器」は、本件補正発明の「パネルを有する電子機器」に対応する。 以上によれば、本件補正発明と引用発明1の「第1検出器D1の第1光検出器IC」とは、「パネルを有する電子機器に搭載可能な受光ICであ」る点で共通するものの、電子機器が備えるパネルが、本件補正発明では「OLEDパネル」であるのに対し、引用発明1では、「ディスプレイガラスの一部」である「カバー板CP」である点で相違する。 イ 発明特定事項Bについて 発明特定事項Bは「各々が、光を出射する第1の光源および第2の光源を駆動する駆動部と、」というものである。 引用発明1の「赤外線を発するLEDとして実装される」「第1放出器E1」(構成b)は、本件補正発明の「第1の光源」に相当し、引用発明1の「赤外線を発するLEDとして実装される」「第2放出器E2」(構成d)は、本件補正発明の「第2の光源」に相当する。よって、引用発明1の「第1放出器E1」及び「第2放出器E2」は、本件補正発明の「各々が、光を出射する第1の光源および第2の光源」に相当する。 引用発明1の「制御ユニット」は、「第1検出器D1の第1光検出器ICに含まれ」(構成r)、該「制御ユニット」は、「第1放出器E1を駆動し」、「第2放出器E2を駆動」する(構成s)から、本件補正発明の「第1の光源および第2の光源を駆動する駆動部」に相当する。 以上によれば、本件補正発明と引用発明1の「第1検出器D1の第1光検出器IC」とは、「各々が、光を出射する第1の光源および第2の光源を駆動する駆動部」を備える点で一致する。 ウ 発明特定事項Cについて 発明特定事項Cは「反射された光を検出する受光素子とを備え、」というものである。 引用発明1の「第1検出器D1」は、「部分的に反射された光L1を検出」するもの(構成h)であり、「第1検出器D1」は、「赤外線感応性フォトダイオードとして実装される」(構成b)ものである。引用発明1の「部分的に反射された光L1」は、本件補正発明の「反射された光」に相当し、引用発明1の「赤外線感応性フォトダイオード」は、本件補正発明の「反射された光を検出する受光素子」に相当する。 引用発明1の「第1検出器D1の第1光検出器IC」は、光を検出するIC(集積回路)であると解されるから、「赤外線感応性フォトダイオード」を当該ICの構成要素として集積していると解される。 そうすると、本件補正発明と引用発明1の「第1検出器D1の第1光検出器IC」とは、「反射された光を検出する受光素子とを備え」る点で一致する。 エ 発明特定事項Dについて 発明特定事項Dは「前記受光IC、前記第1の光源および前記第2の光源は、前記OLEDパネルの下側の前記OLEDパネルで覆われる領域に配置され、」というものである。 引用発明1の「光学式近接センサ配置」は、「第1及び第2センサユニットSU1、SU2をカバー板CPで覆」っており(構成f)、「第1センサユニットSU1」は、「第1放出器E1」及び「第1検出器D1を含み」(構成b)、「第2センサユニットSU2」は、「第2放出器E2を含」む(構成d)から、引用発明1の「第1放出器E1」、「第1検出器D1」及び「第2放出器E2」は、「カバー板CP」で覆われていると解される。 そして、引用発明1の「第1検出器D1」が「カバー板CP」で覆われている以上、「第1検出器D1の第1光検出器IC」(構成r)も「カバー板CP」で覆われていると解される。 そうすると、本件補正発明と引用発明1とは、「前記受光IC、前記第1の光源および前記第2の光源は、前記パネルの下側の前記パネルで覆われる領域に配置され」る点で共通するものの、前記アのとおり、電子機器が備えるパネルが、本件補正発明では「OLEDパネル」であるのに対し、引用発明1では、「ディスプレイガラスの一部」である「カバー板CP」である点で相違する。 オ 発明特定事項Eについて 発明特定事項Eは「前記第1の光源は、前記第2の光源よりも、前記受光素子に近い位置に配置され、」というものである。 引用発明1において、「第1放出器のアクティブ領域AE1と、第1検出器のアクティブ領域AD1との距離は、第1距離DS1によって示され」(構成c)、「第1検出器のアクティブ領域AD1と、第2放出器のアクティブエリアAE2との距離は、第1距離DS1よりも大きい第2距離DS2によって示され」る(構成e)から、第1放出器E1と第1検出器D1の赤外線感応性フォトダイオードとの距離(第1距離DS1)は、第2放出器E2と第1検出器D1の赤外線感応性フォトダイオードとの距離(第2距離DS2)よりも小さいと解されるため、「第1放出器E1」は、「第2放出器E2」よりも、「第1検出器D1」の「赤外線感応性フォトダイオード」に近い位置に配置されているといえる。 よって、本件補正発明と引用発明1とは、「前記第1の光源は、前記第2の光源よりも、前記受光素子に近い位置に配置され」る点で一致する。 カ 発明特定事項Fについて 発明特定事項Fは「前記駆動部は、前記第1の光源から出射される光の強度を、前記第2の光源から出射される光の強度よりも小さくし、」というものである。 引用発明1では、「第1放出器E1によって放出される光L1の第1強度」(構成k)と、「第2放出器E2によって放出される光L2の第2強度」(m)とについて、「第2強度」は「第1強度」「よりも大きく選択」する(構成n)とされている。よって、「第1放出器E1」から出射される光の強度(第1強度)は、「第2放出器E2」から出射される光の強度(第2強度)よりも小さいと解される。 また、「第1放出器E1」及び「第2放出器E2」が放出する光の強度は、「制御ユニット」により制御されていると解される(構成s)。 そうすると、本件補正発明と引用発明1とは、「前記駆動部は、前記第1の光源から出射される光の強度を、前記第2の光源から出射される光の強度よりも小さく」する点で一致する。 キ 発明特定事項Gについて 発明特定事項Gは「前記駆動部は、前記第1の光源と前記第2の光源とを異なるタイミングで駆動することによって、前記第1の光源と前記第2の光源とは、異なるタイミングで光を出射し、」というものである。 引用発明1の「制御ユニット」は、「第1及び第2測定サイクルのタイミングを制御する」ものであり(構成q)、「第1放出器E1を駆動して第1測定サイクル中に第1放出器E1を第1強度の光L1を放出させ、第2放出器を駆動して第2測定サイクル中に第2強度の光L2を放出させる」(構成s)から、「第1放出器E1」と「第2放出器E2」とを、異なるタイミング(それぞれ「第1測定サイクル」と「第2測定サイクル」)で「駆動する」ことによって、「第1放出器E1」と「第2放出器E2」とは、異なるタイミングで光を出射していると解される。 よって、本件補正発明と引用発明1とは、「前記駆動部は、前記第1の光源と前記第2の光源とを異なるタイミングで駆動することによって、前記第1の光源と前記第2の光源とは、異なるタイミングで光を出射」する点で一致する。 ク 発明特定事項H1、H2について 発明特定事項H1は「前記第1の光源が光を出射したときには、前記受光素子の受光量が第1の閾値以上であるか否かを判定する第1の判定を実行し、」というものであり、発明特定事項H2は「前記第2の光源が光を出射したときには、前記受光素子の受光量が第2の閾値以上であるか否かを判定する第2の判定を実行し、」というものである。 前記キのとおり、「第1測定サイクル」は、「第1放出器E1」が光を出射するときであり、「第2測定サイクル」は、「第2放出器E2」が光を出射するときである。 そして、引用発明1では、「第1測定サイクル中に第1検出器D1の感度を第1感度とし、第2測定サイクル中に第2感度とする」(構成s)から、「第1放出器E1」が「第1強度の光L1」を放出する「第1測定サイクル」では、「第1検出器D1」の感度を「第1感度」とし、「第2放出器E2」が「第2強度の光L2」を放出する「第2測定サイクル」では、「第1検出器D1」の感度を「第2感度」としている。 ここで、引用発明1の「第1感度」及び「第2感度」について、「第1最大検出距離は、第1測定サイクル中に第1放出器E1によって放出される光L1の第1強度によって、及び、第1測定サイクル中の第1検出器D1の第1感度によって定義され」ること(構成k)、及び、「第2最大検出距離は、第2測定サイクル中に第2放出器E2によって放出される光L2の第2強度によって、及び、第2測定サイクル中の第1検出器D1の第2感度によって定義され」ること(構成m)に鑑みれば、「第1感度」及び「第2感度」は、「第1検出器D1」が検出できる最小の光の強度を決定するものと解され、該最小の光の強度を、それぞれ「第1の閾値」及び「第2の閾値」と呼ぶことは任意である。 そうすると、本件補正発明と引用発明1とは、「前記第1の光源が光を出射したときには、前記受光素子の受光量が第1の閾値以上であるか否かを判定する第1の判定を実行し、」「前記第2の光源が光を出射したときには、前記受光素子の受光量が第2の閾値以上であるか否かを判定する第2の判定を実行」する点で一致する。 ケ 発明特定事項H3について 発明特定事項H3は「前記第1の判定の結果と前記第2の判定の結果の論理和を算出する制御ロジックを備え、」というものである。 引用発明1における前記クの動作は、「制御ユニット」において実行されるものと解され(構成s)、「第1検出器D1」の感度を、「第1測定サイクル」のときは「第1感度」に設定し、「第2測定サイクル」のときは「第2感度」に設定することは、ロジックの一種であると解される。 よって、本件補正発明と引用発明1とは、「制御ロジックを備え」る点で共通するものの、本件補正発明の「制御ロジック」は、「前記第1の判定の結果と前記第2の判定の結果の論理和を算出する」のに対し、引用発明1の制御ロジックは、第1測定サイクルの結果と第2測定サイクルの結果との論理和を算出することが特定されていない点で相違する。 コ 発明特定事項I~I2について 発明特定事項I~I2は「前記制御ロジックは、」「前記第1の判定において前記受光素子の受光量が前記第1の閾値未満と判定し、かつ前記第2の判定において前記受光素子の受光量が前記第2の閾値未満と判定した場合に、物体が受光素子から遠い距離に存在すると判定し、」「前記第1の判定において前記受光素子の受光量が前記第1の閾値以上と判定し、かつ前記第2の判定において前記受光素子の受光量が前記第2の閾値未満と判定した場合、」「前記第1の判定において前記受光素子の受光量が前記第1の閾値未満と判定し、かつ前記第2の判定において前記受光素子の受光量が前記第2の閾値以上と判定した場合、あるいは、」「前記第1の判定において前記受光素子の受光量が前記第1の閾値以上と判定し、かつ前記第2の判定において前記受光素子の受光量が前記第2の閾値以上と判定した場合、」「前記物体が受光素子から近い距離に存在すると判定する、」というものである。 本件補正発明は発明特定事項I~I2を備えるのに対し、引用発明1は、そのようなロジックを特定していない点で相違する。 サ 発明特定事項J1について 発明特定事項J1は「前記物体と前記受光素子との距離に応じて前記受光素子の受光量が変化し、」というものである。 引用発明1においては、「第1最小検出距離は、第1放出器E1の放出円錐と第1検出器D1の検出円錐の交点によって定義され」る(構成j)から、前記ウにおいて該交点よりも近くに光を反射する物体が存在する場合には、該物体は「放出円錐」又は「検出円錐」から外れるため、「第1検出器D1」の「赤外線感応性フォトダイオード」において検出される「部分的に反射された光L1」は存在せず、受光量は0となると解される。 そして、該交点よりもわずかに遠くに該物体が位置すると、該物体のうち「放出円錐」かつ「検出円錐」の内部に位置する部分が現れ、受光量が増加すると解される。 さらに、該物体が、完全に「放出円錐」かつ「検出円錐」の内部に位置する程度の遠方に位置すると、距離に応じた減衰により、より遠方に位置する場合にはより受光量が減少すると解される。 そうすると、引用発明1の「部分的に反射された光L1」の受光量は、物体と「第1検出器D1」の「赤外線感応性フォトダイオード」との距離に応じて変化するといえる。 したがって、本件補正発明と引用発明1とは、「前記物体と前記受光素子との距離に応じて前記受光素子の受光量が変化」する点で一致する。 シ 発明特定事項J2について 発明特定事項J2は「前記物体と前記受光素子との距離が第1の距離のときの前記受光量の第1のピークは、前記物体と前記受光素子との距離が前記第1の距離よりも遠い第2の距離のときの前記受光量の第2のピークよりも大きい、」というものである。 (ア)前記3のとおり、当初明細書等には、物体と受光素子とを所定の距離に固定したときの受光量のピークについては記載がなく、また、技術常識を勘案しても、そのような受光量のピークが当初明細書等から導出されるものではないので、発明特定事項J2が本願の明細書及び図面の何を指しているのかは明らかではない。 (イ)他方、本願の明細書には、「ピーク」について、「図8の応答特性では、距離が5[mm]において反射光の受光量がピークを示す。距離が5[mm]よりも大きい範囲では、距離が大きくなるにつれて、反射光の受光量が急激に減少した後、増加する。極小値の反射光の受光量は、閾値THC以上を維持しているが、ノイズなどの影響によって、極小値の反射光の受光量が閾値THCを下回る危険性がある。」(【0095】)との記載がある。 上記記載と図8(以下に再掲)を参照すると、図8の応答特性は、物体との距離が5mmのときに最大値かつ極大値をとり、物体との距離が15mmのときに最大値よりも小さい第2の極大値をとると解される。 【図8】(再掲) [図:0001426618000008.jpg] また、図8について、本願の明細書には、「図4および図8を参照して、物体RFが受光素子34から近いときの応答特性の主成分は、受光素子34から近い位置にある第1のLED21-aの応答特性である。図5および図8を参照して、物体RFが受光素子34から遠いときの応答特性の主成分は、受光素子34から遠い位置にある第2のLED21-bの応答特性である。」(【0069】)との記載がある。該記載によれば、距離が5mmのときの極大値(ピーク)は、「第1のLED21-a」(本件補正発明の「第1の光源」)による応答特性によるものであり、距離が15mmのときの極大値(ピーク)は、「第2のLED21-b」の応答特性によるものであると解される。 (ウ)発明特定事項J2が、図8の応答特性(前記(イ))を特定しようとしていると解するのであれば、発明特定事項J2は、「受光量は、第1の距離及び第2の距離においてそれぞれ第1のピーク及び第2のピークを有し、第1の距離よりも第2の距離は遠く、第1のピークは第2のピークよりも大きい」ということを特定しようとしていると解釈する余地もある。 (エ)以下では、本願の明細書及び図面との整合性の観点から、発明特定事項J2の解釈を前記(ウ)の解釈とするのが相当と仮定して、対比を進める。 (オ)前記サのとおり、光を反射する物体が極めて近くの場合(「放出円錐」及び「検出円錐」の外側に位置する場合)、受光量は0であり、そこから徐々に物体を遠ざけるにつれて受光量が増加し、さらに物体を遠ざけると受光量が減少に転じる。すなわち、受光量の極大値(ピーク)となる距離が存在する。 そして、引用発明1の「放出円錐」は、「第1放出器E1」のもの(構成j)と、「第2放出器E2」のもの(構成l)があるため、受光量のピークも、それぞれの放出器に対応する2つの距離において生じると認められる。 ここで、引用発明1において「第1検出範囲R1は、第2検出範囲R2よりも第1検出器D1の近くにまで及」ぶこと(構成p)を考慮すると、受光量のピークは、「第1検出範囲R1」のもの(FIG.1によれば、「第1放出器E1」によるもの)の方が、「第2検出範囲R2」のもの(FIG.Iによれば、「第2放出器E2」によるもの)の方が近くにあると解されるため、前者のピークの方が後者のものよりも大きいと解される。 そうすると、前記(ウ)の解釈によれば、本件補正発明と引用発明1とは、「前記物体と前記受光素子との距離が第1の距離のときの前記受光量の第1のピークは、前記物体と前記受光素子との距離が前記第1の距離よりも遠い第2の距離のときの前記受光量の第2のピークよりも大きい」点で一致する。 ス 前記ア~シによれば、本件補正発明と引用発明1との一致点及び相違点は以下のとおりである。 〈一致点〉 「パネルを有する電子機器に搭載可能な受光ICであって、 各々が、光を出射する第1の光源および第2の光源を駆動する駆動部と、 反射された光を検出する受光素子とを備え、 前記受光IC、前記第1の光源および前記第2の光源は、前記パネルの下側の前記パネルで覆われる領域に配置され、 前記第1の光源は、前記第2の光源よりも、前記受光素子に近い位置に配置され、 前記駆動部は、前記第1の光源から出射される光の強度を、前記第2の光源から出射される光の強度よりも小さくし、 前記駆動部は、前記第1の光源と前記第2の光源とを異なるタイミングで駆動することによって、前記第1の光源と前記第2の光源とは、異なるタイミングで光を出射し、 前記第1の光源が光を出射したときには、前記受光素子の受光量が第1の閾値以上であるか否かを判定する第1の判定を実行し、前記第2の光源が光を出射したときには、前記受光素子の受光量が第2の閾値以上であるか否かを判定する第2の判定を実行する制御ロジックを備え、 前記物体と前記受光素子との距離に応じて前記受光素子の受光量が変化し、前記物体と前記受光素子との距離が第1の距離のときの前記受光量の第1のピークは、前記物体と前記受光素子との距離が前記第1の距離よりも遠い第2の距離のときの前記受光量の第2のピークよりも大きい、受光IC。」である点。 〈相違点1〉 電子機器が備えるパネルが、本件補正発明では「OLEDパネル」であるのに対し、引用発明1では、「ディスプレイガラスの一部」である「カバー板CP」である点。(発明特定事項A、D) 〈相違点2〉 本件補正発明の「制御ロジック」は、「前記第1の判定の結果と前記第2の判定の結果の論理和を算出する」のに対し、引用発明1の制御ロジックは、第1測定サイクルの結果と第2測定サイクルの結果との論理和を算出することが特定されていない点。(発明特定事項H3) 〈相違点3〉 本件補正発明は、「前記制御ロジックは、」「前記第1の判定において前記受光素子の受光量が前記第1の閾値未満と判定し、かつ前記第2の判定において前記受光素子の受光量が前記第2の閾値未満と判定した場合に、物体が受光素子から遠い距離に存在すると判定し、」「前記第1の判定において前記受光素子の受光量が前記第1の閾値以上と判定し、かつ前記第2の判定において前記受光素子の受光量が前記第2の閾値未満と判定した場合、」「前記第1の判定において前記受光素子の受光量が前記第1の閾値未満と判定し、かつ前記第2の判定において前記受光素子の受光量が前記第2の閾値以上と判定した場合、あるいは、」「前記第1の判定において前記受光素子の受光量が前記第1の閾値以上と判定し、かつ前記第2の判定において前記受光素子の受光量が前記第2の閾値以上と判定した場合、」「前記物体が受光素子から近い距離に存在すると判定する、」というものであるのに対し、引用発明1は、そのようなロジックを特定していない点。(発明特定事項I、I1、I2A、I2B、I2C、I2) (7)相違点1についての判断 まず、相違点1について判断する。 ア 本件補正発明は、「OLEDパネルを有する電子機器に搭載可能な受光IC」(発明特定事項A)である。 本件補正発明においては、「受光IC」を「OLEDパネルを有する電子機器に搭載」する上で特徴的な「受光IC」の構成は特定されておらず、かつ、「OLEDパネル」は「電子機器」に備わることが特定されているに過ぎず、「受光IC」が「電子機器」を備えるとも、「受光IC」が「OLEDパネル」を備えるとも特定されていないから、当該「受光IC」が、「OLEDパネルを有する電子機器に搭載可能」であるか否かは、当該「受光IC」の構成を何ら特定していない。 加えて、「受光IC」は、「OLEDパネル」を備えるものではなく、「電子機器に搭載可能」なだけであって「電子機器に搭載」されたものと特定されていない以上、「電子機器」に備わる「OLEDパネル」が「受光IC」、「第1の光源」及び「第2の光源」を覆っているか否かも、「受光IC」の構成を何ら特定していない。 したがって、相違点1は、実質的な相違点とは認められない。 イ 仮に、相違点1が実質的な相違点であったとしても、相違点1に係る構成は、当業者が引用発明1及び引用発明2から容易に想到し得たものである。 引用発明1も引用発明2も、共に、携帯型電子機器(携帯電話、スマートフォンなど)であり、赤外光の反射による近接センサを、ディスプレイの一部の下に配置するものである。 引用発明2によれば、OLEDディスプレイ層の表示領域は、近接センサ16の赤外光を通過できるのであるから、引用発明1の光学式近接センサ(第1検出器D1、第1放出器E1及び第2放出器E2)を引用発明2のように、OLEDディスプレイ層に覆われるように配置することは、当業者が容易に想到し得たことである。 (8)相違点2についての判断 引用発明1は、「第1検出範囲R1を有する第1近接センサ対と、第2検出範囲R2を有する第2近接センサ対との組み合わせにより、光学式近接センサ配置の総検出範囲が達成され」る(構成o)から、検出範囲R1又は検出範囲R2のどちらか一方又は両方に入る範囲が、「総検出範囲」となると解され、その「総検出範囲」は、「第1近接センサ対」(FIG.1によれば「第1放出器E1」と「第1検出器D1」)及び「第2近接センサ対」(FIG.1によれば「第2放出器E2」と「第1検出器D1」)の検出結果により得られるものである。 そうすると、「総検出範囲」に物体があるということは、「第1近接センサ対」により赤外線が検出されるか、又は、「第2近接センサ対」により赤外線が検出されることに他ならず、これを、慣用されている論理和のロジックとして具現化し、相違点2に係る構成とすることは、当業者の通常の創作能力の発揮に過ぎず、格別のこととは認められない。 (9)相違点3についての判断 相違点3に係る発明特定事項I~I2は、発明特定事項H3で特定される「前記第1の判定の結果と前記第2の判定の結果の論理和を算出する制御ロジック」の論理和の動作を具体的に記載したに過ぎない。 したがって、相違点2に係る構成を当業者が具現化すると、相違点3に係る構成となる。 よって、相違点3に係る構成は、当業者の通常の創作能力の発揮により容易になし得たものである。 (10)効果についての判断 本件補正発明の効果は、引用発明1の効果に比して格別のものとは認められない。 (11)請求人の主張についての判断 請求人は、「前記物体と前記受光素子との距離に応じて前記受光素子の受光量が変化し、前記物体と受光素子との距離が第1の距離のときの前記受光量の第1のピークは、前記物体と受光素子との距離が前記第1の距離よりも遠い第2の距離のときの前記受光量の第2のピークよりも大きい」(当審注:発明特定事項J1及びJ2)という条件が満たされない場合は、図8の応答特性の曲線の形が大きく変化し、図8に示す閾値THCをうまく設定することができず、その結果、物体が受光素子から近い距離に存在するか、あるいは遠い距離に存在するかを適切に検出することができない。これらの特徴は、引用文献1~5には開示されておらず、よって、本願の請求項1~14は、引用文献1~5の記載に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではないと確信する旨、主張する。(審判請求書2~3頁) しかしながら、前記(6)サ及び(6)シ(オ)に示したとおり、引用発明1は、発明特定事項J1及びJ2の特徴を備えるものであるから、請求人の主張は採用できない。 (12)小括 以上によれば、本件補正発明は、当業者が引用発明1及び引用発明2に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。 よって、本件補正発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものではなく、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項に規定する要件に違反する。 5 本件補正についてのむすび 前記3によれば、特許法17条の2第3項に規定する要件に違反する。 加えて、前記4(12)によれば、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項に規定する要件に違反する。 したがって、本件補正は、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。 よって、前記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明 本件補正は上述のとおり却下されたため、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、前記第2[理由]1(1)の記載のとおりのものと認める。 第4 原査定の概要 原査定の概要は、以下のとおりである。 1.(進歩性)この出願の請求項1に係る発明は、文献1に記載された発明及び文献2に示される周知技術に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 この出願の請求項2、3及び5~8に係る発明は、文献1に記載された発明、文献3に記載された発明及び文献2に示される周知技術に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 この出願の請求項4に係る発明は、文献1に記載された発明、文献3に記載された発明、文献2に示される周知技術及び文献4に示される周知技術に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 この出願の請求項9~12に係る発明は、文献1に記載された発明、文献3に記載された発明、文献2に示される周知技術及び文献5に示される周知技術に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 この出願の請求項13~15に係る発明は、文献1に記載された発明、文献3に記載された発明、文献2に示される周知技術、文献4に示される周知技術及び文献5に示される周知技術に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 2.(明確性)この出願は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 文献1.米国特許出願公開第2019/0018136号明細書 文献2.米国特許出願公開第2019/0379781号明細書(周知技術を示す文献) 文献3.米国特許出願公開第2018/0375513号明細書 文献4.特開2013-55330号公報(周知技術を示す文献) 文献5.特開平6-209123号公報(周知技術を示す文献) 第5 文献の記載事項 原査定の拒絶の理由で引用された文献1(この審決における引用文献1)及び文献2(この審決における引用文献2)の記載事項は、前記第2[理由]4(2)及び(4)に記載したとおりである。 第6 本願発明と引用発明との対比・判断 本願発明は、前記第2[理由]4で検討した本件補正発明から、発明特定事項J1及びJ2を削除したものである。 そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、第2[理由]4に示したとおり、引用発明1及び引用発明2に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用発明1及び引用発明2に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第7 むすび 以上のとおり、本願発明は、引用発明1及び引用発明2に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2024-013631

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