特許拒絶査定不服審判
2024-010537
熱式フローセンサ
- 審判番号
- 2024-010537
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2020-048825
- 請求日
- 2024年06月26日
- 審決日
- 2026年03月30日
- 公報発行日
- 2026年06月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ローム株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人深見特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 濱野 隆
- 審判官 関口 英樹
- 審判官 井海田 隆
- 分類
- P18 .537-Z (G01F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第36条、特許法第158条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2020- 48825「熱式フローセンサ」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年 9月27日出願公開、特開2021-148603〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和2年3月19日の特許出願であって、その手続の経緯の概略は、次のとおりである。
令和5年12月 6日付け:拒絶理由通知書
令和6年 3月 7日 :意見書、手続補正書の提出
同年 4月16日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。)
(同月23日 :原査定の謄本の送達)
同年 6月26日 :審判請求書、手続補正書の提出
同年10月 7日 :応対記録
同日付け:拒絶理由通知書(前置審査)
令和7年 1月 7日付け:前置報告書
2 本願発明について
本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和6年6月26日に提出された手続補正書により補正された請求項1に記載された次に示す事項により特定されるとおりのものである。
「【請求項1】
第1方向と前記第1方向に垂直な第2方向とに延在している第1主面を含むベース部材と、
前記第1主面に固定されているカバーとを備え、
前記ベース部材は、ヒータと、第2主面を含む基板と、前記第2主面上に設けられている第1絶縁膜と、第1温度センサまたは第2温度センサの少なくとも一つとを含み、前記ヒータは、前記第1絶縁膜上に設けられており、前記第1絶縁膜は、前記ヒータと前記基板との間に配置されており、
前記カバーは、シリコン基板と、前記シリコン基板上に設けられている二酸化シリコン膜と、前記二酸化シリコン膜上に設けられているシリコン膜とを含むSOI基板で形成されており、
前記シリコン膜には凹部が形成されており、前記凹部の底面は前記シリコン膜から露出している前記二酸化シリコン膜の露出面で規定されており、前記凹部の側面は前記シリコン膜で規定されており、
流路のうち前記第1主面に沿って延在する主流路部は、前記凹部の前記底面を規定する前記二酸化シリコン膜の前記露出面と、前記凹部の前記側面を規定する前記シリコン膜と、前記第1主面とによって規定されており、
前記第1主面の平面視において、前記主流路部の第1長手方向は、前記第1方向であり、
前記カバーに、前記流路の入口と出口とが形成されており(ただし、前記主流路部の両端側において、前記主流路部の流れ方向に直交する方向に整列された柱状部が、前記流れ方向に多段に、互い違いに配置されることにより構成された流体制御部を有する前記カバーを除く。)、
前記第1方向及び前記第2方向に垂直な第3方向において、前記ヒータは前記主流路部に対向しており、
前記第1温度センサまたは前記第2温度センサの前記少なくとも一つは、前記第1絶縁膜上に設けられており、
前記第1温度センサは、前記ヒータに対して前記流路の前記入口に近位して配置されており、
前記第2温度センサは、前記ヒータに対して前記流路の前記出口に近位して配置されており、
前記第3方向において、前記第1温度センサまたは前記第2温度センサの前記少なくとも一つは前記主流路部に対向しており、
前記第1絶縁膜に、第1スリットまたは第2スリットの少なくとも一つが設けられており、
前記第1スリットまたは前記第2スリットの少なくとも一つの第2長手方向は、前記第2方向であり、
前記第1スリットは、前記ヒータと前記第1温度センサとの間に設けられており、
前記第2スリットは、前記ヒータと前記第2温度センサとの間に設けられており、
前記基板のうち、前記ヒータと前記第1温度センサまたは前記第2温度センサの前記少なくとも一つとに対応する部分に、空洞が設けられており、
前記空洞の開口部は、前記基板の前記第2主面に形成されており、
前記空洞は、前記第1スリットまたは前記第2スリットの前記少なくとも一つに連通しており、
前記第2方向における前記第1スリットまたは前記第2スリットの前記少なくとも一つの第1両端は、前記第2方向における前記空洞の前記開口部の両端縁よりも、前記第2方向における前記主流路部の中心線から遠位している、熱式フローセンサ。」
3 前置審査において通知した拒絶の理由の概要
前置審査において通知した拒絶の理由のうち、本願発明についての理由(サポート要件違反)の概要は、次のとおりである。
(サポート要件違反)
本願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法36条6項1号に規定する要件を満たしていない。
記
請求項1には「前記カバー・・・(ただし、前記主流路部の両端側において、前記主流路部の流れ方向に直交する方向に整列された柱状部が、前記流れ方向に多段に、互い違いに配置されることにより構成された流体制御部を有する前記カバーを除く。)」と記載されているが、発明の詳細な説明には、カバーのうち、主流路部の両端側において、主流路部の流れ方向に直交する方向に整列された柱状部が、流れ方向に多段に、互い違いに配置されることにより構成された流体制御部を有するカバーを除くことは、記載されていない。
よって、請求項1に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものではない。
4 当審の判断
前記3に示したとおり、前置審査において、令和6年10月7日付けで拒絶理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、請求人からは何らの応答もなかった。
ここで、前置審査においてした手続は、拒絶査定不服審判においてもその効力を有するから(特許法158条及び162条)、審判段階においても、上記拒絶理由に対して、請求人には意見を述べる機会が既に与えられたといえる。
そして、上記の拒絶理由は妥当なものと認められるので、本願は、この拒絶理由によって拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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