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特許訂正審判

2019-390049

転がり軸受

審判番号
2019-390049
法域
特許
審判種別
訂正審判(訂正の審決)
出願番号
特願2006-150375外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2019年04月16日
審決日
2019年06月07日
公報発行日
2019年08月30日
結論
訂正認容
当事者
審判長/審判官
分類
P141 .851-Y (C21D) / P141 .853-Y (C21D) / P141 .857-Y (C21D) / P141 .854-Y (C21D) / P141 .856-Y (C21D)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法126条1項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特許第4997832号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 特許第4997832号の明細書及び特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付した訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本件訂正審判に係る特許第4997832号(以下、「本件特許」という。)は、平成18年5月30日を出願日とする特願2006-150375号の請求項1~2に係る発明について、平成24年5月25日に特許権の設定登録がされたものであり、その後、平成31年4月16日付けで本件訂正審判の請求がされたものである。 第2 請求の趣旨及び訂正事項 1 請求の趣旨 本件訂正審判の請求の趣旨は「特許第4997832号の明細書及び特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付した訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求める。」というものである。 2 訂正事項 本件訂正審判の請求に係る訂正(以下、「本件訂正」という。)の内容は、以下の訂正事項1~13のとおりである。なお、下線は、訂正箇所を示すために当審が付したものである。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1を削除する。 (2)訂正事項2 (2a)請求項1において、「転動体の表面窒素濃度を0.2wt%以上」という記載を「転動体の表面窒素濃度を0.5wt%以上」という記載に訂正し、「転動体表面のSi・Mn系窒化物の面積率を2.0%以上」という記載を「転動体表面のSi・Mn系窒化物の面積率を3.8%以上」という記載に訂正し、 (2b)その上で、請求項1を引用する請求項2を以下のように独立形式に訂正する。 「内周面に軌道面を有する外方部材と、外周面に軌道面を有する内方部材と、前記外方部材の軌道面と内方部材の軌道面との間に転動自在に配設された複数の転動体とを備えた転がり軸受において、前記内方部材及び外方部材の軌道面の表面窒素濃度を0.05wt%以下、転動体の表面窒素濃度を0.5wt%以上、転動体表面のSi・Mn系窒化物の面積率を3.8%以上とし、前記転動体材料のSi含有量+Mn含有量が1.0wt%以上であることを特徴とする転がり軸受。」 (3)訂正事項3 明細書の【0009】の「具体的な数値限定理由は後述するが、軌道輪と転動体の組合せにおいて最も長寿命となる特徴として請求項1に示すように、内外輪、転動体からなる転がり軸受において、その軌道輪軌道面の表面窒素濃度が0.05wt%以下、転動体の表面窒素濃度が0.20wt%以上となるような軌道輪と転動体の組合せ、更には請求項2に示すように、軌道輪軌道面の窒素濃度が0.05wt%以下、転動体の表面窒素濃度が0.20wt%以上、転動体材料のSi含有量+Mn含有量が1.0wt%以上であるような軌道輪と転動体の組合せが寿命に最も有効であることを見出した。」という記載を 「具体的な数値限定理由は後述するが、軌道輪と転動体の組合せにおいて最も長寿命となる特徴として、内外輪、転動体からなる転がり軸受において、その軌道輪軌道面の表面窒素濃度が0.05wt%以下、転動体の表面窒素濃度が0.5wt%以上、転動体材料のSi含有量+Mn含有量が1.0wt%以上であるような軌道輪と転動体の組合せが寿命に最も有効であることを見出した。」という記載に訂正する。 (4)訂正事項4 明細書の【0014】の「而して、本発明のうち請求項1に係る転がり軸受によれば、内周面に軌道面を有する外方部材と、外周面に軌道面を有する内方部材と、外方部材の軌道面と内方部材の軌道面との間に転動自在に配設された複数の転動体とを備えた転がり軸受において、内方部材及び外方部材の軌道面の表面窒素濃度を0.05wt%以下、転動体の表面窒素濃度を0.2wt%以上、転動体表面のSi・Mn系窒化物の面積率を2.0%以上としたことにより、従動側に相当する軌道輪表面には圧痕がつきやすいが、駆動側に相当する転動体表面には圧痕がつきにくく、全体としての耐圧痕性を向上することができるので、異物混入潤滑環境下でも長寿命を達成することができる。 また、本発明のうち請求項2に係る転がり軸受によれば、転動体材料のSi含有量+Mn含有量を1.0wt%以上ですることにより、より硬度の高いSi・Mn系窒化物の析出量を増加させ、より一層、耐圧痕性を向上することができる。」という記載を 「而して、本発明の転がり軸受によれば、内周面に軌道面を有する外方部材と、外周面に軌道面を有する内方部材と、外方部材の軌道面と内方部材の軌道面との間に転動自在に配設された複数の転動体とを備えた転がり軸受において、内方部材及び外方部材の軌道面の表面窒素濃度を0.05wt%以下、転動体の表面窒素濃度を0.5wt%以上、転動体表面のSi・Mn系窒化物の面積率を3.8%以上としたことにより、従動側に相当する軌道輪表面には圧痕がつきやすいが、駆動側に相当する転動体表面には圧痕がつきにくく、全体としての耐圧痕性を向上することができるので、異物混入潤滑環境下でも長寿命を達成することができる。 また、本発明の転がり軸受によれば、転動体材料のSi含有量+Mn含有量を1.0wt%以上とすることにより、より硬度の高いSi・Mn系窒化物の析出量を増加させ、より一層、耐圧痕性を向上することができる。」という記載に訂正する。 (5)訂正事項5 明細書の【0019】の【表1】において、「実施例1」~「実施例9」を、それぞれ、「参考例1」~「参考例9」に訂正する。 「【表1】 」 第3 当審の判断 1 訂正の目的の適否,新規事項の有無,特許請求の範囲の拡張・変更の存否について (1)訂正事項1について 訂正事項1に係る本件訂正は、本件訂正前の特許請求の範囲の請求項1を削除するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであり、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものであるから、特許法第126条第5項の規定に適合し、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第126条第6項の規定にも適合する。 (2)訂正事項2について ア 訂正の目的の適否 (ア)訂正事項2に係る本件訂正のうち、前記(2a)の訂正は、請求項1における「転動体の表面窒素濃度」及び「転動体表面のSi・Mn系窒化物の面積率」の各数値範囲を、それぞれ、本件訂正前の範囲内でさらに狭い範囲に限定するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 (イ)訂正事項2に係る本件訂正のうち、前記(2b)の訂正は、請求項1を引用する請求項2を独立形式に訂正するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること。」を目的とするものである。 イ 新規事項の有無 (ア)本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「本件明細書等」という。)には、以下の記載がある。なお、「・・・」は記載の省略を表し、下線は当審にて付与した。 a 「本発明では・・・転動体表面の窒素濃度を0.2wt%以上とし、より好ましくは0.35wt%以上とする。また・・・転動体表面のSi・Mn系窒化物の面積率を2%以上とすることが好ましい。」(【0011】) b 表1(訂正事項5)の「実施例10」では、「転動体」の「表面窒素濃度(%)」の値が「0.5」と記載され、「転動体のSi+Mn系窒化物面積率(%)」の値が「3.8」と記載されている。 (イ)前記(ア)によれば、訂正事項2に係る本件訂正のうち、前記(2a)の訂正は、「0.2wt%以上」とする必要のある「転動体の表面窒素濃度」の下限値を「実施例10」に基づいて「0.5wt%」とした上で、「2%以上」とすることが好ましい「転動体表面のSi・Mn系窒化物の面積率」の下限値を「実施例10」に基づいて「3.8%」としたものである。 したがって、訂正事項2に係る本件訂正は、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものであるから、特許法第126条第5項の規定に適合する。 ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否 訂正事項2に係る本件訂正は、前記アのとおり、各数値範囲を本件訂正前の範囲内でさらに狭い範囲に限定するものであって、前記イのとおり、新規事項を追加するものでもないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第126条第6項の規定に適合する。 (2)訂正事項3,5について 訂正事項3,5に係る本件訂正は、本件訂正後の請求項2の記載と整合させるために、【0009】(訂正事項3)及び【0019】の【表1】(訂正事項5)の記載をそれぞれ訂正するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものであり、訂正事項2に係る本件訂正と同様の理由により、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものであるから、特許法第126条第5項の規定に適合し、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第126条第6項の規定にも適合する。 (3)訂正事項4について ア 訂正事項4に係る本件訂正のうち、「本発明のうち請求項1に係る転がり軸受」という記載を「本発明の転がり軸受」という記載にする訂正、「転動体の表面窒素濃度を0.2wt%以上」という記載を「転動体の表面窒素濃度を0.5wt%以上」という記載にする訂正、「転動体表面のSi・Mn系窒化物の面積率を2.0%以上とした」という記載を「転動体表面のSi・Mn系窒化物の面積率を3.8%以上とした」という記載にする訂正、及び「本発明のうち請求項2に係る転がり軸受」という記載を「本発明の転がり軸受」という記載にする訂正は、【0014】の記載を本件訂正後の請求項2の記載と整合させるためのものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものであり、訂正事項2に係る本件訂正と同様の理由により、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものであるから、特許法第126条第5項の規定に適合し、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第126条第6項の規定にも適合する。 イ 訂正事項4に係る本件訂正のうち、「転動体材料のSi含有量+Mn含有量を1.0wt%以上でする」という記載を「転動体材料のSi含有量+Mn含有量を1.0wt%以上とする」という記載にする訂正は、【0014】における明らかな誤記を訂正するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる「誤記又は誤訳の訂正」を目的とするものであり、本件特許の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の範囲内においてされたものであるから、特許法第126条第5項の規定に適合し、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第126条第6項の規定にも適合する。 2 独立特許要件 本件訂正後の特許請求の範囲の請求項2に記載されている事項により特定される発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである理由は見いだせないから、本件訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合する。 第4 むすび 以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書第1号~第4号に掲げる事項を目的とするものであって、かつ、同条第5~7項の規定に適合する。 よって、結論のとおり審決する。

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2019-390049

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