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特許訂正審判

2019-390045

転がり軸受

審判番号
2019-390045
法域
特許
審判種別
訂正審判(訂正の審決)
出願番号
特願2007-112995外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2019年04月12日
審決日
2019年06月07日
公報発行日
2019年08月30日
結論
訂正認容
当事者
審判長/審判官
分類
P141 .851-Y (C21D) / P141 .852-Y (C21D) / P141 .853-Y (C21D) / P141 .857-Y (C21D) / P141 .854-Y (C21D) / P141 .856-Y (C21D)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法126条1項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特許第5194538号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 特許第5194538号の明細書、特許請求の範囲及び図面を本件審判請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲及び図面のとおり訂正することを認める。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本件訂正審判に係る特許第5194538号(以下、「本件特許」という。)は、平成19年4月23日を出願日とする特願2007-112995号の請求項1~3に係る発明について、平成25年2月15日に特許権の設定登録がされたものであり、その後、平成31年4月12日付けで本件訂正審判の請求がされたものである。 第2 請求の趣旨及び訂正事項 1 請求の趣旨 本件訂正審判の請求の趣旨は「特許第5194538号の明細書、特許請求の範囲及び図面を、本件審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲及び図面のとおり訂正することを認める、との審決を求める。」というものである。 2 訂正事項 本件訂正審判の請求に係る訂正(以下、「本件訂正」という。)の内容は、以下の訂正事項1~13のとおりである。なお、下線は、訂正箇所を示すために当審が付したものである。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1及び請求項2を削除する。 (2)訂正事項2 (2a)請求項1において、「Z=0.045dにおける硬さがHV650~850であり、Z=0.18dにおける硬さがHV400~800」という記載を「Z=0.045dにおける硬さがHV770~816であり、Z=0.18dにおける硬さがHV700~771」という記載に訂正し、「転動面の表面におけるSi及びMnを含有する窒化物の面積率が1%以上20%以下」という記載を「転動面の表面におけるSi及びMnを含有する窒化物の面積率が2%以上10%以下」という記載に訂正し、 (2b)請求項2において、「C:0.3~1.2質量%、Si:0.3~2.2質量%、Mn:0.3~2.0質量%、Cr:0.5~2.0質量%」という記載を「C:0.95~1.10質量%、Si:0.4~0.7質量%、Mn:0.9~1.15質量%、Cr:0.9~1.2質量%」という記載に訂正し、「窒素濃度が0.2~2.0質量%」という記載を「窒素濃度が0.45~0.64質量%」という記載に訂正し、 (2c)その上で、請求項1及び請求項2を引用する請求項3を以下のように独立形式に訂正する。 「内周面に軌道面を有する外方部材と、外周面に軌道面を有する内方部材と、外方部材の転動面と内方部材の転動面との間に転動自在に配設された複数の転動体とを備えた転がり軸受において、 前記軌道面からの深さまたは前記転動体の転動面からの深さをZとし、前記転動体の直径をdとしたとき、前記内方部材、前記外方部材及び前記転動体の少なくとも1つの表面における硬さがHV750以上であり、Z=0.045dにおける硬さがHV770~816であり、Z=0.18dにおける硬さがHV700~771であり、前記転動面の表面におけるSi及びMnを含有する窒化物の面積率が2%以上10%以下で、かつ、面積375μm2の範囲において0.05μm以上1μm以下の前記窒化物が100個以上であり、 前記転動体がC:0.95~1.10質量%、Si:0.4~0.7質量%、Mn:0.9~1.15質量%、Cr:0.9~1.2質量%、残部Feと不可避不純物からなる鋼を浸炭窒化処理もしくは窒化処理してなり、かつ、表面における窒素濃度が0.45~0.64質量%であり、 前記軌道面の残留オーステナイト量をγrAB、前記転動体転動面の残留オーステナイト量をγrCとしたとき、γrAB-15≦γrC≦γrAB+15(但し、0≦γrAB、γrC≦50。また、単位は体積%。)であることを特徴とする転がり軸受。」 (3)訂正事項3 明細書の【0010】の「(1)内周面に軌道面を有する外方部材と、外周面に軌道面を有する内方部材と、外方部材の転動面と内方部材の転動面との間に転動自在に配設された複数の転動体とを備えた転がり軸受において、前記軌道面からの深さまたは前記転動体の転動面からの深さをZとし、前記転動体の直径をdとしたとき、前記内方部材、前記外方部材及び前記転動体の少なくとも1つの表面における硬さがHV750以上であり、Z=0.045dにおける硬さがHV650~850であり、Z=0.18dにおける硬さがHV400~800であり、前記転動面の表面におけるSi及びMnを含有する窒化物の面積率が1%以上20%以下で、かつ、面積375μm2の範囲において0.05μm以上1μm以下の前記窒化物が100個以上であることを特徴とする転がり軸受。 (2)前記転動体がC:0.3~1.2質量%、Si:0.3~2.2質量%、Mn:0.3~2.0質量%、Cr:0.5~2.0質量%、残部Feと不可避不純物からなる鋼を浸炭窒化処理もしくは窒化処理してなり、 かつ、表面における窒素濃度が0.2~2.0質量%であることを特徴とする上記(1)記載の転がり軸受。 (3)前記軌道面の残留オーステナイト量をγrAB、前記転動体転動面の残留オーステナイト量をγrCとしたとき、γrAB-15≦γrC≦γrAB+15(但し、0≦γrAB、γrC≦50。また、単位は体積%。)であることを特徴とする上記(2)記載の転がり軸受。」という記載を 「(1)内周面に軌道面を有する外方部材と、外周面に軌道面を有する内方部材と、外方部材の転動面と内方部材の転動面との間に転動自在に配設された複数の転動体とを備えた転がり軸受において、前記軌道面からの深さまたは前記転動体の転動面からの深さをZとし、前記転動体の直径をdとしたとき、前記内方部材、前記外方部材及び前記転動体の少なくとも1つの表面における硬さがHV750以上であり、Z=0.045dにおける硬さがHV770~816であり、Z=0.18dにおける硬さがHV700~771であり、前記転動面の表面におけるSi及びMnを含有する窒化物の面積率が2%以上10%以下で、かつ、面積375μm2の範囲において0.05μm以上1μm以下の前記窒化物が100個以上であり、 (2)前記転動体がC:0.95~1.10質量%、Si:0.4~0.7質量%、Mn:0.9~1.15質量%、Cr:0.9~1.2質量%、残部Feと不可避不純物からなる鋼を浸炭窒化処理もしくは窒化処理してなり、かつ、表面における窒素濃度が0.45~0.64質量%であり、 (3)前記軌道面の残留オーステナイト量をγrAB、前記転動体転動面の残留オーステナイト量をγrCとしたとき、γrAB-15≦γrC≦γrAB+15(但し、0≦γrAB、γrC≦50。また、単位は体積%。)であることを特徴とする転がり軸受。」という記載に訂正する。 (4)訂正事項4 明細書の【0013】の「荷重が負荷させる」という記載を「荷重が負荷される」という記載に訂正する。 (5)訂正事項5 明細書の【0023】の【表2】において、「鋼種1」の1~3及び6~9を「本発明」から「参考例」に訂正し、「寿命化」という記載を「寿命比」という記載に訂正する。 「【表2】 」 (6)訂正事項6 明細書の【0052】の【表4】において、「実施例1」~「実施例12」及び「実施例14」~「実施例17」を、それぞれ、「参考例1」~「参考例12」及び「参考例14」~「参考例17」に訂正する。 「【表4】 」 (7)訂正事項7 明細書の【0053】の【表5】において、「実施例23」、「実施例25」、「実施例31」~「実施例34」、「実施例40」及び「実施例41」を、それぞれ、「参考例23」、「参考例25」、「参考例31」~「参考例34」、「参考例40」及び「参考例41」に訂正する。 「【表5】 」 (8)訂正事項8 図面の【図4】(a)及び(b)において、「本発明範囲」を示す矢印の始点を「表面窒素濃度(質量%)」の「0.2」の位置から「0.45」の位置に訂正する。 「【図4】」 」 (9)訂正事項9 図面の【図5】において、「本発明範囲」を示す矢印の始点を「表面窒素濃度(質量%)」の「2」の位置から「0.64」の位置に訂正する。 「【図5】」 」 (10)訂正事項10 図面の【図6】(a)及び(b)において、「本発明範囲」を示す矢印の始点を「Si・Mn系窒化物の面積率(%)」の「1」の位置から「2」の位置に訂正する。 「【図6】」 」 (11)訂正事項11 図面の【図10】において、「本発明範囲」を示す矢印の始点を「Si・Mn系窒化物の面積率(%)」の「20」の位置から「10」の位置に訂正する。 「【図10】」 」 第3 当審の判断 1 訂正の目的の適否,新規事項の有無,特許請求の範囲の拡張・変更の存否について (1)訂正事項1について 訂正事項1に係る本件訂正は、本件訂正前の特許請求の範囲の請求項1及び請求項2を削除するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであり、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものであるから、特許法第126条第5項の規定に適合し、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第126条第6項の規定にも適合する。 (2)訂正事項2について ア 訂正の目的の適否 (ア)訂正事項2に係る本件訂正のうち、前記(2a)及び(2b)の訂正 は、いずれも、請求項1における「Z=0.045dにおける硬さ」及び「転動面の表面におけるSi及びMnを含有する窒化物の面積率」並びに、請求項2における「C」「Si」「Mn」「Cr」の各含有量(質量%)及び「窒素濃度」の各数値範囲を、それぞれ、本件訂正前の範囲内でさらに狭い範囲に限定するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 (イ)訂正事項2に係る本件訂正のうち、前記(2c)の訂正は、請求項1及び請求項2を引用する請求項3を独立形式に訂正するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること。」を目的とするものである。 イ 新規事項の有無 (ア)本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「本件明細書等」という。)には、以下の記載がある。なお、「・・・」は記載の省略を表し、下線は当審にて付与した。 a 「軌道面からの深さまたは転動体の転動面からの深さをZとし、転動体の直径をdとしたとき・・・Z=0.045dにおける硬さをHV650~850、好ましくはHV770~816とし、Z=0.18dにおける硬さをHV400~800、好ましくはHV700~771・・・とする」(【0015】) b 「Si・Mn系窒化物の面積率が1%を超えると顕著に効果が現れるが、より好ましくは2%以上である。」(【0018】) c 「Si・Mn系窒化物の面積率の上限は20%であり、より好ましくは10%である。」(【0025】) d 「[C:0.3~1.2質量%] ・・・炭素含有量は・・・0.95質量%以上が好ましい。また・・・上限を・・・好ましくは1.10質量%とする。」(【0031】) e 「<Si含有量:0.3~2.2質量%> ・・・好ましくは0.4~0.7質量%とする。」(【0033】) f 「<Mn含有量:0.3~2.0質量%> ・・・好ましくは0.9~1.15質量%とする。」(【0034】) g 「[Cr:0.5~2.0質量%] ・・・0.9~1.2質量%とすることがより好ましい。」(【0036】) h 「表面窒素濃度が高いほど耐摩耗性、耐圧痕性に優れており、表面窒素濃度が0.2質量%を超えると顕著に効果が現れるが、より好ましくは0.45質量%以上とする。」(【0016】) i また、表2(訂正事項5)の「本発明」「鋼種1」「5」では、「窒素濃度」の値が「0.64」と記載されているところ、前記hの記載を踏まえれば、上記「窒素濃度」が「表面窒素濃度」を意味し、「0.64」が「0.64質量%」を意味することは明らかである。 (イ)前記(ア)によれば、訂正事項2に係る本件訂正のうち、前記(2a)の訂正は、前記(ア)のa~cの記載に基づくものであり、前記(2b)の訂正は、前記(ア)のd~iの記載に基づくものである。 したがって、訂正事項2に係る本件訂正は、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものであるから、特許法第126条第5項の規定に適合する。 ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否 訂正事項2に係る本件訂正は、前記アのとおり、各数値範囲を本件訂正前の範囲内でさらに狭い範囲に限定するものであって、前記イのとおり、新規事項を追加するものでもないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第126条第6項の規定に適合する。 (2)訂正事項3,6~11について 訂正事項3,6~11に係る本件訂正は、本件訂正後の請求項3の記載と整合させるために、【0010】(訂正事項3),【0052】の【表4】(訂正事項6),【0053】の【表5】(訂正事項7),【図4】(a)及び(b)(訂正事項8),【図5】(訂正事項9),【図6】(a)及び(b)(訂正事項10),【図10】(訂正事項11)の記載をそれぞれ訂正するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものであり、訂正事項2に係る本件訂正と同様の理由により、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものであるから、特許法第126条第5項の規定に適合し、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第126条第6項の規定にも適合する。 (3)訂正事項4について 訂正事項4に係る本件訂正は、「荷重が負荷させる」という明らかな誤記を「荷重が負荷される」という記載に訂正するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる「誤記又は誤訳の訂正」を目的とするものであり、本件特許の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の範囲内においてされたものであるから、特許法第126条第5項の規定に適合し、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第126条第6項の規定にも適合する。 (4)訂正事項5について ア 訂正事項5に係る本件訂正のうち、【表2】における「鋼種1」の1~3及び6~9を「本発明」から「参考例」にする訂正は、本件訂正後の請求項3の記載と整合させるためのものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものであり、訂正事項2に係る本件訂正と同様の理由により、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものであるから、特許法第126条第5項の規定に適合し、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第126条第6項の規定にも適合する。 イ 訂正事項5に係る本件訂正のうち、【表2】における「寿命化」という明らかな誤記を「寿命比」という記載にする訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる「誤記又は誤訳の訂正」を目的とするものであり、本件特許の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の範囲内においてされたものであるから、特許法第126条第5項の規定に適合し、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第126条第6項の規定にも適合する。 2 独立特許要件 本件訂正後の特許請求の範囲の請求項3に記載されている事項により特定される発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである理由は見いだせないから、本件訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合する。 第4 むすび 以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書第1号~第4号に掲げる事項を目的とするものであって、かつ、同条第5~7項の規定に適合する。 よって、結論のとおり審決する。

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2019-390045

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