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特許異議申立

2018-700902

錠剤印刷装置

審判番号
2018-700902
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2017-002483外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2018年11月09日
審決日
2019年05月27日
公報発行日
2019年08月30日
結論
訂正認容
当事者
審判長/審判官
分類
P1651.121-YAA(A61J) / P1651.537-YAA(A61J)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法120条の8第1項特許法135条
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第36条第6項第1号、特許法第120条の5第2項、特許法第29条第2項、特許法第120条の8第1項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特許第6325699号発明「錠剤印刷装置」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

【結 論】 特許第6325699号の明細書、特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-4〕について訂正することを認める。 特許第6325699号の請求項1、3ないし4に係る特許を維持する。 特許第6325699号の請求項2に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。

理由

【理 由】 I 手続の経緯 特許第6325699号の請求項1~4に係る特許についての出願は、平成26年5月28日に出願した特願2014-109859号の一部を平成29年1月11日に新たな特許出願としたものであって、平成30年4月20日にその特許権の設定登録がされ、平成30年5月16日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許について、平成30年11月9日に特許異議申立人早房長隆により特許異議の申立てがされ、当審は、平成31年1月31日付けで取消理由を通知した。特許権者は、その指定期間内である平成31年3月13日に意見書の提出及び訂正の請求を行った。その訂正の請求に対して、当審は、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、特許異議申立人は応答しなかった。 II 訂正の適否についての判断 (1)訂正の内容 本件訂正請求による訂正の内容は、以下のア~クのとおりである(下線は訂正箇所を示す。)。 ア 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に 「複数の錠剤を搬送する搬送機構と、 前記搬送機構によって搬送される前記複数の錠剤の一方面を撮像する第1撮像部と、 前記搬送機構によって搬送される前記複数の錠剤の他方面を撮像する第2撮像部と、 前記搬送機構による搬送方向に沿って前記第1撮像部および前記第2撮像部よりも下流に設けられ、前記複数の錠剤の他方面に印刷処理を行う第1印刷部と、 前記搬送機構による搬送方向に沿って前記第1撮像部および前記第2撮像部よりも下流に設けられ、前記複数の錠剤の一方面に印刷処理を行う第2印刷部と、 前記第1撮像部および前記第2撮像部によって取得された画像データに基づいて前記第1印刷部および前記第2印刷部を制御する印刷制御部と、 を備え、 前記印刷制御部は、前記画像データに基づいて前記複数の錠剤のそれぞれにおける前記割線の方向を特定し、前記複数の錠剤の裏面に対して前記割線に対する所定方向に沿って印刷処理を行うように前記第1印刷部および前記第2印刷部を制御する」 と記載されているのを、 「搬送方向と垂直な方向の複数の錠剤を搬送する搬送機構と、 前記搬送機構によって搬送される搬送方向と垂直な方向の前記複数の錠剤の一方面を撮像する第1撮像部と、 前記搬送機構によって搬送される搬送方向と垂直な方向の前記複数の錠剤の他方面を撮像する第2撮像部と、 前記搬送機構による搬送方向に沿って前記第1撮像部および前記第2撮像部よりも下流に設けられ、搬送方向と垂直な方向の前記複数の錠剤の他方面に印刷処理を行う第1印刷部と、 前記搬送機構による搬送方向に沿って前記第1撮像部および前記第2撮像部よりも下流に設けられ、搬送方向と垂直な方向の前記複数の錠剤の一方面に印刷処理を行う第2印刷部と、 前記第1撮像部および前記第2撮像部によって取得された画像データに基づいて前記第1印刷部および前記第2印刷部を制御する印刷制御部と、 を備え、 前記印刷制御部は、前記画像データに基づいて搬送方向と垂直な方向の前記複数の錠剤のそれぞれにおける前記割線の方向を特定し、搬送方向と垂直な方向の前記複数の錠剤の裏面に対して前記割線に対する所定方向に沿って印刷処理を行うように前記第1印刷部および前記第2印刷部を制御し、 前記印刷制御部は、前記画像データに基づいて搬送方向と垂直な方向の前記複数の錠剤のそれぞれにおける前記割線の方向を特定し、搬送方向と垂直な方向の前記複数の錠剤の表面に対して前記所定方向と同一方向に沿って印刷処理を行うように前記第1印刷部および前記第2印刷部を制御する」に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項3および請求項4も同様に訂正する)。 イ 訂正事項2 特許請求の範囲の請求項2を削除する。 ウ 訂正事項3 特許請求の範囲の請求項3に 「請求項1または請求項2に記載の錠剤印刷装置において、」 と記載されているのを、 「請求項1に記載の錠剤印刷装置において、」 に訂正する(請求項3の記載を引用する請求項4も同様に訂正する)。 エ 訂正事項4 特許請求の範囲の請求項4に 「請求項1から請求項3のいずれかに記載の錠剤印刷装置において、 前記搬送機構による搬送方向に沿って前記第1印刷部と前記第2印刷部との間に設けられ、前記搬送機構によって搬送される前記複数の錠剤の位置ずれを検出する第3撮像部をさらに備え、 前記印刷制御部は、前記第3撮像部によって検出された前記位置ずれに基づいて前記第2印刷部による前記複数の錠剤のそれぞれに対する印刷位置を調整する」 と記載されているのを、 「請求項1または請求項3に記載の錠剤印刷装置において、 前記搬送機構による搬送方向に沿って前記第1印刷部と前記第2印刷部との間に設けられ、前記搬送機構によって搬送される搬送方向と垂直な方向の前記複数の錠剤の位置ずれを検出する第3撮像部をさらに備え、 前記印刷制御部は、前記第3撮像部によって検出された前記位置ずれに基づいて前記第2印刷部による搬送方向と垂直な方向の前記複数の錠剤のそれぞれに対する印刷位置を調整する」 に訂正する。 オ 訂正事項5 願書に添付した明細書の段落【0009】に 「上記課題を解決するため、請求項1の発明は、表面に割線が刻設された錠剤に対して印刷処理を行う錠剤印刷装置において、複数の錠剤を搬送する搬送機構と、前記搬送機構によって搬送される前記複数の錠剤の一方面を撮像する第1撮像部と、前記搬送機構によって搬送される前記複数の錠剤の他方面を撮像する第2撮像部と、前記搬送機構による搬送方向に沿って前記第1撮像部および前記第2撮像部よりも下流に設けられ、前記複数の錠剤の他方面に印刷処理を行う第1印刷部と、前記搬送機構による搬送方向に沿って前記第1撮像部および前記第2撮像部よりも下流に設けられ、前記複数の錠剤の一方面に印刷処理を行う第2印刷部と、前記第1撮像部および前記第2撮像部によって取得された画像データに基づいて前記第1印刷部および前記第2印刷部を制御する印刷制御部と、を備え、前記印刷制御部は、前記画像データに基づいて前記複数の錠剤のそれぞれにおける前記割線の方向を特定し、前記複数の錠剤の裏面に対して前記割線に対する所定方向に沿って印刷処理を行うように前記第1印刷部および前記第2印刷部を制御することを特徴とする。」 と記載されているのを、 「上記課題を解決するため、請求項1の発明は、表面に割線が刻設された錠剤に対して印刷処理を行う錠剤印刷装置において、搬送方向と垂直な方向の複数の錠剤を搬送する搬送機構と、前記搬送機構によって搬送される搬送方向と垂直な方向の前記複数の錠剤の一方面を撮像する第1撮像部と、前記搬送機構によって搬送される搬送方向と垂直な方向の前記複数の錠剤の他方面を撮像する第2撮像部と、前記搬送機構による搬送方向に沿って前記第1撮像部および前記第2撮像部よりも下流に設けられ、搬送方向と垂直な方向の前記複数の錠剤の他方面に印刷処理を行う第1印刷部と、前記搬送機構による搬送方向に沿って前記第1撮像部および前記第2撮像部よりも下流に設けられ、搬送方向と垂直な方向の前記複数の錠剤の一方面に印刷処理を行う第2印刷部と、前記第1撮像部および前記第2撮像部によって取得された画像データに基づいて前記第1印刷部および前記第2印刷部を制御する印刷制御部と、を備え、前記印刷制御部は、前記画像データに基づいて搬送方向と垂直な方向の前記複数の錠剤のそれぞれにおける前記割線の方向を特定し、搬送方向と垂直な方向の前記複数の錠剤の裏面に対して前記割線に対する所定方向に沿って印刷処理を行うように前記第1印刷部および前記第2印刷部を制御し、前記印刷制御部は、前記画像データに基づいて搬送方向と垂直な方向の前記複数の錠剤のそれぞれにおける前記割線の方向を特定し、搬送方向と垂直な方向の前記複数の錠剤の表面に対して前記所定方向と同一方向に沿って印刷処理を行うように前記第1印刷部および前記第2印刷部を制御することを特徴とする。」 に訂正する。 カ 訂正事項6 願書に添付した明細書の段落【0010】の記載を削除する。 キ 訂正事項7 願書に添付した明細書の段落【0011】に 「また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明に係る錠剤印刷装置において、前記所定方向は前記割線に対して平行な方向であることを特徴とする。 また、請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれかの発明に係る錠剤印刷装置において、前記搬送機構による搬送方向に沿って前記第1印刷部と前記第2印刷部との間に設けられ、前記搬送機構によって搬送される前記複数の錠剤の位置ずれを検出する第3撮像部をさらに備え、前記印刷制御部は、前記第3撮像部によって検出された前記位置ずれに基づいて前記第2印刷部による前記複数の錠剤のそれぞれに対する印刷位置を調整することを特徴とする。」 と記載されているのを、 「また、請求項3の発明は、請求項1の発明に係る錠剤印刷装置において、前記所定方向は前記割線に対して平行な方向であることを特徴とする。 また、請求項4の発明は、請求項1または請求項3の発明に係る錠剤印刷装置において、前記搬送機構による搬送方向に沿って前記第1印刷部と前記第2印刷部との間に設けられ、前記搬送機構によって搬送される搬送方向と垂直な方向の前記複数の錠剤の位置ずれを検出する第3撮像部をさらに備え、前記印刷制御部は、前記第3撮像部によって検出された前記位置ずれに基づいて前記第2印刷部による搬送方向と垂直な方向の前記複数の錠剤のそれぞれに対する印刷位置を調整することを特徴とする。」 に訂正する。 ク 訂正事項8 願書に添付した明細書の段落【0012】に 「請求項1から請求項4の発明によれば、複数の錠剤の一方面を撮像する第1撮像部および複数の錠剤の他方面を撮像する第2撮像部によって取得された画像データに基づいて前記複数の錠剤のそれぞれにおける前記割線の方向を特定し、複数の錠剤の裏面に対して割線に対する所定方向に沿って印刷処理を行うため、割線が刻設された錠剤の裏面に対しても印刷処理を行うことができる。」 と記載されているのを、 「請求項1、請求項3および請求項4の発明によれば、搬送方向と垂直な方向の複数の錠剤の一方面を撮像する第1撮像部および搬送方向と垂直な方向の複数の錠剤の他方面を撮像する第2撮像部によって取得された画像データに基づいて搬送方向と垂直な方向の前記複数の錠剤のそれぞれにおける前記割線の方向を特定し、搬送方向と垂直な方向の複数の錠剤の裏面に対して割線に対する所定方向に沿って印刷処理を行うため、割線が刻設された錠剤の裏面に対しても印刷処理を行うことができる。」 に訂正する。 本件訂正請求は、一群の請求項〔1~4〕に対して請求されたものである。また、明細書に係る訂正は、一群の請求項〔1~4〕について請求されたものである。 (2)訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 ア 訂正事項1について 訂正事項1は、請求項1における、方向について特定されていない「複数の錠剤」(7か所)について「搬送方向と垂直な方向の複数の錠剤」と限定するとともに、複数の錠剤の表面に対する印刷処理について特定されていない「印刷制御部」について、「前記印刷制御部は、前記画像データに基づいて搬送方向と垂直な方向の前記複数の錠剤のそれぞれにおける前記割線の方向を特定し、搬送方向と垂直な方向の前記複数の錠剤の表面に対して前記所定方向と同一方向に沿って印刷処理を行うように前記第1印刷部および前記第2印刷部を制御する」と限定するものである。したがって、訂正事項1は特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、「搬送方向と垂直な方向の複数の錠剤」及び「前記印刷制御部は、前記画像データに基づいて搬送方向と垂直な方向の前記複数の錠剤のそれぞれにおける前記割線の方向を特定し、搬送方向と垂直な方向の前記複数の錠剤の表面に対して前記所定方向と同一方向に沿って印刷処理を行うように前記第1印刷部および前記第2印刷部を制御する」は、明細書において図1~10に係る実施例として記載されているから、訂正事項1は、明細書に記載した事項の範囲内においてしたものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 イ 訂正事項2について 訂正事項2は、請求項2を削除するものであるから、訂正事項2は特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、訂正事項2は、明細書に記載した事項の範囲内においてしたものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかである。 ウ 訂正事項3について 訂正事項3は、請求項3の記載を、請求項1または請求項2の記載を引用するものから請求項2の記載を引用しないものとするものであるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものである。 そして、訂正事項3は、明細書に記載した事項の範囲内においてしたものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかである。 エ 訂正事項4について 訂正事項4は、請求項4の記載を、請求項1から請求項3のいずれかの記載を引用するものから請求項2の記載を引用しないものとするとともに、方向について特定されていない「複数の錠剤」(2か所)について「搬送方向と垂直な方向の複数の錠剤」と限定するものである。したがって、訂正事項4は、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることと、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、上記アに記載したとおり、「搬送方向と垂直な方向の複数の錠剤」は、明細書に記載されているから、訂正事項4は、明細書に記載した事項の範囲内においてしたものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 オ 訂正事項5~8について 訂正事項5~8は、それぞれ、発明の詳細な説明の記載を上記訂正事項1~4に係る訂正に伴い特許請求の範囲の記載と整合させるためのものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 そして、訂正事項5~8は、明細書に記載した事項の範囲内においてしたものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (3)小括 以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号、第3号及び第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 したがって、明細書、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-4〕について訂正することを認める。 III  訂正後の本件発明 本件訂正請求により訂正された請求項1~4に係る発明(以下、「本件発明1~4」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1~4に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。 「【請求項1】 表面に割線が刻設された錠剤に対して印刷処理を行う錠剤印刷装置であって、 搬送方向と垂直な方向の複数の錠剤を搬送する搬送機構と、 前記搬送機構によって搬送される搬送方向と垂直な方向の前記複数の錠剤の一方面を撮像する第1撮像部と、 前記搬送機構によって搬送される搬送方向と垂直な方向の前記複数の錠剤の他方面を撮像する第2撮像部と、 前記搬送機構による搬送方向に沿って前記第1撮像部および前記第2撮像部よりも下流に設けられ、搬送方向と垂直な方向の前記複数の錠剤の他方面に印刷処理を行う第1印刷部と、 前記搬送機構による搬送方向に沿って前記第1撮像部および前記第2撮像部よりも下流に設けられ、搬送方向と垂直な方向の前記複数の錠剤の一方面に印刷処理を行う第2印刷部と、 前記第1撮像部および前記第2撮像部によって取得された画像データに基づいて前記第1印刷部および前記第2印刷部を制御する印刷制御部と、 を備え、 前記印刷制御部は、前記画像データに基づいて搬送方向と垂直な方向の前記複数の錠剤のそれぞれにおける前記割線の方向を特定し、搬送方向と垂直な方向の前記複数の錠剤の裏面に対して前記割線に対する所定方向に沿って印刷処理を行うように前記第1印刷部および前記第2印刷部を制御し、 前記印刷制御部は、前記画像データに基づいて搬送方向と垂直な方向の前記複数の錠剤のそれぞれにおける前記割線の方向を特定し、搬送方向と垂直な方向の前記複数の錠剤の表面に対して前記所定方向と同一方向に沿って印刷処理を行うように前記第1印刷部および前記第2印刷部を制御することを特徴とする錠剤印刷装置。 【請求項2】 (削除) 【請求項3】 請求項1に記載の錠剤印刷装置において、 前記所定方向は前記割線に対して平行な方向であることを特徴とする錠剤印刷装置。 【請求項4】 請求項1または請求項3に記載の錠剤印刷装置において、 前記搬送機構による搬送方向に沿って前記第1印刷部と前記第2印刷部との間に設けられ、前記搬送機構によって搬送される搬送方向と垂直な方向の前記複数の錠剤の位置ずれを検出する第3撮像部をさらに備え、 前記印刷制御部は、前記第3撮像部によって検出された前記位置ずれに基づいて前記第2印刷部による搬送方向と垂直な方向の前記複数の錠剤のそれぞれに対する印刷位置を調整することを特徴とする錠剤印刷装置。」 IV 取消理由通知に記載した取消理由について 1 取消理由の概要 訂正前の請求項1~4に係る特許に対して、当審が平成31年1月31日付けで特許権者に通知した取消理由(以下、単に「取消理由」という。)の要旨は、次のとおりである。 理由1:(サポート要件)請求項1~4に係る特許は、特許請求の範囲の記載が「複数の錠剤」に関して不備のため、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。 理由2:(進歩性)請求項1に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された甲第1号証及び甲第2号証に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであり、また、請求項3に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された甲第1号証、甲第2号証及び甲第3号証に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1及び3に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 2 甲号証の記載 (1)甲第1号証(国際公開第2014/013973号) 取消理由において引用した文献である甲第1号証には、次のとおり記載されている。 (1-1)「[0002] 本発明は、錠剤に印刷する印刷機に関するものである。また、本発明は、当該印刷機で製造される錠剤に関するものである。」 (1-2)「[0006]・・・本発明は、・・・搬送されている錠剤の両方側の面に印刷したり、搬送されている錠剤の一方側の面及び他方側の面のうち、所望の一方の面に印刷したりできる印刷機を提供することを課題とする。 [0007] また、本発明は、一方側の面及び他方側の面の少なくとも一方に印刷された錠剤を提供することを課題とする。」 (1-3)「[0013] また、前記錠剤が、前記一方側を向いた面及び前記他方側を向いた面の何れか一方に前記割線を有する場合がある。この場合、前記印刷機は、前記第1の撮像装置によって撮像された画像に基づいて、前記錠剤の一方側を向いた面の溝状の割線の有無を判定する第1の割線判定部と、前記第2の撮像装置によって撮像された画像に基づいて、前記割線の有無を判定する第2の割線判定部とを備える。そして、前記第1の印刷判定部は、前記第1の割線判定部が割線有りと判定した際に、当該錠剤の一方側を向いた面に印刷しないと判定し、前記第2の印刷判定部は、前記第2の割線判定部が割線有りと判定した際に、当該錠剤の他方側を向いた面に印刷しないと判定することが好ましい。 [0014] かかる構成によれば、搬送装置は、前記一方側を向いた面及び前記他方側を向いた面の何れか一方の面に、分割するための割線を有する錠剤を搬送する。また、第1の割線判定部は、第1の撮像装置で撮像された画像に基づいて、割線の有無を判定する。そして、第1の割線判定部が、割線有りと判定した際に、第1の印刷判定部は、当該錠剤の前記一方側を向いた面に印刷しないと判定する。 [0015] また、第2の割線判定部は、第2の撮像装置で撮像された画像に基づいて、割線の有無を判定する。そして、第2の割線判定部が、割線有りと判定した際に、第2の印刷判定部は、当該錠剤の前記他方側を向いた面に印刷しないと判定する。これにより、印刷機は、搬送されている錠剤のうち、割線を有する側の面に印刷することを防止でき、割線を有していない側の面に印刷することができる。」 (1-4)「[0032] 本実施形態に係る印刷機は、図1に示すように、錠剤1を搬送する搬送ユニット2と、・・・搬送される錠剤1における搬送方向(図1では右側)と直交する方向(図1では上下方向)の一方側を向いた面(本実施形態では下方側の面)を撮像及び印刷する第1の撮像印刷ユニット4と、搬送される錠剤1における前記直交する方向の他方側を向いた面(本実施形態では上方側を向いた面)を撮像及び印刷する第2の撮像印刷ユニット5とを備える。また、印刷機は、当該印刷機の各構成を制御し且つ錠剤1を検査する制御ユニット(制御部)6を備える。 [0033] 搬送ユニット2は、図1に示すように、上流側から供給された錠剤1を貯留する貯留装置21と、貯留装置21で貯留された錠剤1を整列させて搬入する搬入装置22と、搬入された錠剤1を搬送する搬送装置23と、搬送された錠剤1を下流側に搬出する搬出装置26とを備える。・・・ [0034]・・・搬入装置22は、錠剤1を搬送する方向(以下「搬送方向」という)Xに沿う部位を上部に有して無端回転する搬入ベルト221と、搬入ベルト221に載置される錠剤1を複数列(本実施形態において4列)に整列させる整列部222とを備える。これにより、搬入装置22は、複数列に整列した状態の錠剤1を搬送装置23に供給できる。 [0035] 搬送装置23は、錠剤1の上方側に接した状態で錠剤1を搬送方向Xに搬送する第1の搬送部24と、第1の搬送部24の下流側に配置され、錠剤1の下方側に接した状態で錠剤1を搬送方向Xに搬送する第2の搬送部25と、を備える。なお、図示していないが、搬送装置23は、搬入装置22で整列させた錠剤1の列数に応じて、複数(本実施形態では、例えば4つ)並列されている。それに伴って、各撮像印刷ユニット4,5も、搬送装置23の数に応じて、複数(本実施形態では、例えば4つずつ)並列されている。」 (1-5)「[0036] 第1の搬送部24は、図1及び図2に示すように、搬送方向Xに沿う部位を下部に有して無端回転する第1の搬送ベルト241と、・・・を備える。また、第1の搬送部24は、錠剤1を吸引するための吸引部243と、・・・を備える。 [0037] これにより、吸引部243が錠剤1を吸引することで、第1の搬送部24は、第1の搬送ベルト241の下部に錠剤1を吸着させる。そして、第1の搬送部24は、錠剤1の下方側の面を露出するようにして、錠剤1を搬送している。 [0038] また、第1の搬送部24は、上流側の端部を搬入装置22の下流側の端部と上下方向に重なるように配置される。これにより、第1の搬送部24は、搬入ベルト221に載置されている錠剤1を、第1の搬送ベルト241の下部に吸着させる。・・・」 (1-6)「[0041] 第2の搬送部25は、図1及び図5に示すように、搬送方向Xに沿う部位を上部に有して無端回転する第2の搬送ベルト251と、・・・を備える。また、第2の搬送部25は、錠剤1を吸引するための吸引部253と、・・・を備える。 [0042] 吸引部253が錠剤1を吸引することにより、第2の搬送部25が第2の搬送ベルト251の上部に錠剤1を吸着させる。これにより、第2の搬送部25は、錠剤1の上方側の面を露出するようにして錠剤1を搬送する。 [0043] また、第2の搬送部25は、上流側を第1の搬送部24の下流側と上下方向に重なるように配置される。これにより、第2の搬送部25は、第1の搬送ベルト241の下部に吸着されている錠剤1を、第2の搬送ベルト251の上部に吸着させる。・・・」 (1-7)「[0045] 第1の撮像印刷ユニット4は、図2に示すように、第1の搬送部24に搬送されている錠剤1を検出する第1の検出部41と、錠剤1の変位量を測定する第1の変位測定部42とを備える。そして、第1の撮像印刷ユニット4は、錠剤1の下方側の面を撮像する下方撮像装置(「第1の撮像装置」ともいう)43と、錠剤1の下方側の面に印刷する下方印刷装置(「第1の印刷装置」ともいう)44と・・・を備える。 [0046] 第1の検出部41は、錠剤1が第1の搬送部24の所定の基準位置に到達したことを検出する。例えば、第1の検出部41は、光電センサ等である。また、第1の変位測定部42は、第1の搬送部24の走行量を測定することにより、錠剤1の変位量を測定する。例えば、第1の変位測定部42は、第1の搬送部24の回転体242に取り付けられるエンコーダ等である。したがって、錠剤1が基準位置に到達したことを第1の検出部41が検出すると共に、第1の変位測定部42が基準位置からの変位量を測定することにより、第1の搬送部24における錠剤1の位置が検出される。 [0047] 下方撮像装置43は、第1の検出部41よりも下流側に配置されると共に、第1の搬送部24よりも下方側に配置される。そして、下方撮像装置43は、制御ユニット6の制御に基づいて、錠剤1の下方側の面を撮像する。・・・ [0048] 下方印刷装置44は、下方撮像装置43よりも下流側に配置されると共に、第1の搬送部24よりも下方側に配置される。そして、下方印刷装置44は、制御ユニット6の制御に基づいて、錠剤1の下方側の面に印刷する。・・・」 (1-8)「[0050] 第2の撮像印刷ユニット5は、第2の搬送部25に搬送されている錠剤1を検出する第2の検出部51と、錠剤1の変位量を測定する第2の変位測定部52とを備える。そして、第2の撮像印刷ユニット5は、・・・錠剤1の上方側の面を撮像する上方撮像装置(「第2の撮像装置」ともいう)54と、錠剤1の上方側の面に印刷する上方印刷装置(「第2の印刷装置」ともいう)55と、・・・を備える。 [0051] 第2の検出部51は、錠剤1が第2の搬送部25の所定の基準位置に到達したことを検出する。また、第2の変位測定部52は、第2の搬送部25の走行量を測定することで、錠剤1の変位量を測定する。このように、錠剤1が基準位置に到達したのを第2の検出部51が検出すると共に、第2の変位測定部52が基準位置からの変位量を測定することにより、第2の搬送部25における錠剤1の位置が検出される。・・・ [0053] 上方撮像装置54は、側方撮像装置53よりも下流側に配置されると共に、第2の搬送部25よりも上方側に配置される。そして、上方撮像装置54は、制御ユニット6の制御に基づいて、錠剤1の上方側の面を撮像する。・・・ [0054] 上方印刷装置55は、上方撮像装置54よりも下流側に配置されると共に、第2の搬送部25よりも上方側に配置される。そして、上方印刷装置55は、制御ユニット6の制御に基づいて、錠剤1の上方側の面に印刷する。・・・」 (1-9)「[0056] 制御ユニット6は、図6に示すように、各情報を入力する入力装置61と、各装置を制御する制御装置62と、各情報を出力する出力装置63とを備える。 [0057] 入力装置61は、検査及び印刷する錠剤1の情報を制御装置62に入力する。・・・そして、錠剤1の情報(種類に応じた番号等)が入力装置61を経由して制御装置62に入力されることで、制御装置62は、対象となる錠剤1の情報(割線11の有無、形状等)を認識する。 制御装置62は、錠剤1の位置を演算する位置演算部621と、下方印刷装置44を制御する下方印刷制御部(「第1の印刷制御部」ともいう)622と、・・・を備える。・・・ [0058] そして、制御装置62は、上方印刷装置55を制御する上方印刷制御部(「第2の印刷制御部」ともいう)626と、・・・を備える。さらに、制御装置62は、割線11の判定結果を検査する割線検査部629を備える。 [0059] 位置演算部621は、各検出部41,51及び各変位測定部42,52からの情報に基づいて、錠剤1の位置を演算する。そして、制御装置62は、位置演算部621で演算された結果に基づいて、所定のタイミングで各撮像装置43,45,53,54,56により錠剤1を撮像させると共に、所定のタイミングで各印刷装置44,55に錠剤1へ印刷させる。」 (1-10)「[0113] 上記実施形態に係る印刷機において、各印刷装置44、45及び各印刷制御部622、626は、錠剤1の割線11の向きに関わらず、割線11が設けられた面と反対側の面に印刷する構成である。しかしながら、本発明に係る印刷機は、かかる構成に限られない。例えば、印刷機は、割線11がさまざまな位置(向き)の状態で、錠剤1が搬送されていても、割線11が設けられた面と反対側の面において割線11と対応する部位110を避けた状態で、当該部位110を基準として同じように印刷できる構成であってもよい。かかる構成の印刷機の5つの具体例が、以下に説明されている。」 (1-11)「[0114] まず、割線11と対応する部位110を基準として同じように印刷できる印刷機の第1の具体例が、図15~図20を参酌して、以下に説明されている。 [0115] この印刷機では、上方撮像装置54が搬送装置23の上流側(例えば搬入装置22等)に配置されている。 [0116] また、かかる印刷機の制御装置62において、図15に示すように、下方印刷制御部622は、上方割線判定部1622a、上方印刷判定部1622b及び印刷情報記憶部1622cを備える。また、下方印刷制御部622は、上方撮像装置54によって撮像された画像に基づいて割線11の位置を演算する割線位置演算部1622dと、割線位置演算部1622dにおいて演算された結果に基づいて、下方印刷装置45によって印刷する情報を演算する印刷情報演算部1622eと、をさらに備える。 [0117] また、上方印刷制御部626は、下方割線判定部1626a、下方印刷判定部1626b及び印刷情報記憶部1626cを備える。また、上方印刷制御部626は、下方撮像装置43によって撮像された画像に基づいて割線11の位置を演算する割線位置演算部1626dと、割線位置演算部1626dにおいて演算された結果に基づいて、下方印刷装置45によって印刷する情報を演算する印刷情報演算部1626eと、をさらに備える。」 (1-12)「[0119] まず、上方撮像装置54は、例えば、搬入装置22で搬送されている錠剤1の上方側の面を撮像する(ステップ101a)。その後、上方割線判定部1622aは、上方撮像装置54によって撮像された画像に基づいて、割線11の有無を判定する(ステップ102a)。・・・ [0121] まず、上方割線判定部1622aは、上方撮像装置54によって撮像された画像に基づいて、割線11の有無を判定する(ステップ105b)。そして、錠剤1の上方側の面に割線11が有る場合(ステップ105bの「Y」)、割線位置演算部1622dは、上方撮像装置54によって撮像された画像に基づいて、割線11が所定の位置に対して何度回転した角度であるかを演算する(ステップ105c)。その後、印刷情報演算部1622eは、印刷情報記憶部1622cに記憶されている印刷情報を呼び出し、呼び出した情報を、割線位置演算部1622dによって演算した角度だけ回転させるように演算する(ステップ105d)。そして、下方印刷装置44は、印刷情報演算部622eにおいて演算した情報に基づいて、錠剤1の下方側の面に印刷する。 [0122] 反対に、錠剤1の上方側の面に割線11が無い場合(ステップ105bの「N」)、下方印刷が終了する。 [0123] また、かかる印刷機においては、下方撮像装置43は、第1の搬送部24で搬送されている錠剤1の下方側の面を撮像する(ステップ110a)。その後、下方割線判定部1626aは、下方撮像装置43で撮像した画像に基づいて、割線11の有無を判定する(ステップ111a)。・・・ [0124] まず、下方割線判定部1626aは、下方撮像装置43によって撮像された画像に基づいて、割線11の有無を判定する(ステップ114b)。そして、錠剤1の下方側の面に割線11が有る場合(ステップ114bの「Y」)、割線位置演算部1626dは、下方撮像装置43によって撮像された画像に基づいて、割線11が所定の位置に対して何度回転した角度であるかを演算する(ステップ114c)。その後、印刷情報演算部1626eは、印刷情報記憶部1626cに記憶されている印刷情報を呼び出し、呼び出した情報を、割線位置演算部1626dにおいて演算した角度だけ回転させるように演算する(ステップ114d)。上方印刷装置55は、印刷情報演算部1626eにおいて演算した情報に基づいて、錠剤1の上方側の面に印刷する。 [0125] 反対に、錠剤1の下方側の面に割線11が有る場合(ステップ114bの「N」)、上方印刷が終了する。 [0126] かかる構成によれば、割線11がさまざまな位置(向き)の状態で、錠剤1が搬送ベルト241によって搬送されていても、図19及び図20に示すように、下方印刷装置44は、割線11と対応する部位110を避けた状態で当該部位110を基準として、同じように印刷できる。例えば、印刷部位(符号)12は、錠剤1の割線11と対応する部位110に沿って印字されたものでもよい。具体的には、下方印刷装置44は、錠剤1における割線11の設けられた面と反対側の面102において、割線11と対応する部位110に対して一方側の領域113に第1の符号121を印刷すると共に、他方側の領域114に第2の符号122を印刷してもよい。 [0127] 同様に、割線11がさまざまな位置(向き)の状態で、錠剤1が搬送ベルト251によって搬送されていても、上方印刷装置55は、割線11と対応する部位110を避けた状態で当該部位110を基準として、同じように印刷できる。」 (1-13)図19の記載から、錠剤1は、一方側の面に割線を有し、下方印刷装置44は、錠剤1の割線を有しない面に向き合っていることが窺える。 (1-14)図20の記載から、第1の符号121である「ABC」と第2の符号122である「DEF」は、割線と対応する部位110に沿って錠剤1に印刷されていることが窺える。 以上の記載から、次の事項が認められる。 (認定事項1) 摘記事項(1-11)と図示内容(1-13)とを併せてみて、図15~20に係る印刷機は、「上方側の面または下方側の面のいずれか一方側の面に割線11を有する錠剤1に対して印刷する印刷機」といえる。 (認定事項2) 摘記事項(1-4)の「本実施形態に係る印刷機は、図1に示すように、錠剤1を搬送する搬送ユニット2と、・・・」との記載からみて、印刷機は、「錠剤1を搬送する搬送ユニット2」を備えるといえる。 (認定事項3) 摘記事項(1-11)の「この印刷機では、上方撮像装置54が搬送装置23の上流側(例えば搬入装置22等)に配置されている。」との記載からみて、印刷機は、「搬送ユニット2によって搬送される錠剤1の上方側の面を撮像する「搬送装置23の上流側に配置された上方撮像装置54」」を備えるといえる。 (認定事項4) 摘記事項(1-4)の「本実施形態に係る印刷機は、図1に示すように、錠剤1を搬送する搬送ユニット2と、・・・搬送される錠剤1における搬送方向(図1では右側)と直交する方向(図1では上下方向)の一方側を向いた面(本実施形態では下方側の面)を撮像及び印刷する第1の撮像印刷ユニット4と、・・・を備える。」との記載と、摘記事項(1-7)の「第1の撮像印刷ユニット4は、錠剤1の下方側の面を撮像する下方撮像装置(「第1の撮像装置」ともいう)43と、・・・を備える。」との記載とを併せてみて、印刷機は、「搬送ユニット2によって搬送される錠剤1の下方側の面を撮像する下方撮像装置43」を備えるといえる。 (認定事項5) 摘記事項(1-7)の「下方印刷装置44は、下方撮像装置43よりも下流側に配置されると共に、第1の搬送部24よりも下方側に配置される。そして、下方印刷装置44は、制御ユニット6の制御に基づいて、錠剤1の下方側の面に印刷する。」との記載と、上記認定事項3とを併せてみると、印刷機は、「搬送ユニット2による搬送方向に沿って「搬送装置23の上流側に配置された上方撮像装置54」および下方撮像装置43よりも下流に設けられ、錠剤1の下方側の面に印刷する下方印刷装置44」を備えるといえる。 (認定事項6) 摘記事項(1-4)の「本実施形態に係る印刷機は、・・・搬送される錠剤1における前記直交する方向の他方側を向いた面(本実施形態では上方側を向いた面)を撮像及び印刷する第2の撮像印刷ユニット5とを備える。」との記載と、摘記事項(1-8)の「第2の撮像印刷ユニット5は、・・・錠剤1の上方側の面に印刷する上方印刷装置(「第2の印刷装置」ともいう)55と、・・・を備える。・・・上方印刷装置55は、上方撮像装置54よりも下流側に配置されると共に、第2の搬送部25よりも上方側に配置される。そして、上方印刷装置55は、制御ユニット6の制御に基づいて、錠剤1の上方側の面に印刷する。」との記載と、摘記事項(1-6)の「第2の搬送部25は、上流側を第1の搬送部24の下流側と上下方向に重なるように配置される。」との記載と、上記認定事項3及び5とを総合してみて、印刷機は、「搬送ユニット2による搬送方向に沿って「搬送装置23の上流側に配置された上方撮像装置54」および下方撮像装置43よりも下流に設けられ、錠剤1の上方側の面に印刷する上方印刷装置55」を備えるといえる。 (認定事項7) 摘記事項(1-2)及び摘記事項(1-3)の記載からみて、本発明の課題は、錠剤が一方側の面及び他方側の面の何れか一方に割線を有する場合には、錠剤の両面に印刷するのではなく、割線を有しない面に印刷し、割線を有する面に印刷しないということであることは明らかである。 また、摘記事項(1-11)の「下方印刷制御部622は、上方割線判定部1622a、上方印刷判定部1622b及び印刷情報記憶部1622cを備える。また、下方印刷制御部622は、上方撮像装置54によって撮像された画像に基づいて割線11の位置を演算する割線位置演算部1622dと、割線位置演算部1622dにおいて演算された結果に基づいて、下方印刷装置45(注:「下方印刷装置44」の誤記と認める。)によって印刷する情報を演算する印刷情報演算部1622eと、をさらに備える。」との記載と、摘記事項(1-12)の「上方割線判定部1622aは、上方撮像装置54によって撮像された画像に基づいて、割線11の有無を判定する(ステップ105b)。そして、錠剤1の上方側の面に割線11が有る場合(ステップ105bの「Y」)、割線位置演算部1622dは、上方撮像装置54によって撮像された画像に基づいて、割線11が所定の位置に対して何度回転した角度であるかを演算する(ステップ105c)。その後、印刷情報演算部1622eは、印刷情報記憶部1622cに記憶されている印刷情報を呼び出し、呼び出した情報を、割線位置演算部1622dによって演算した角度だけ回転させるように演算する(ステップ105d)。そして、下方印刷装置44は、印刷情報演算部622eにおいて演算した情報に基づいて、錠剤1の下方側の面に印刷する。・・・反対に、錠剤1の上方側の面に割線11が無い場合(ステップ105bの「N」)、下方印刷が終了する。」の記載からみて、「下方印刷制御部622は、(a1)上方割線判定部1622aにおいて、「搬送装置23の上流側に配置された上方撮像装置54」によって撮像された画像に基づいて前記錠剤1の上方側の面の割線11の有無を判定し、(a2)前記錠剤1の上方側の面の割線11が有る場合、割線位置演算部1622dにおいて、前記画像に基づいて前記錠剤1の割線11が所定の位置に対して何度回転した角度であるかを演算し、その後、印刷情報演算部1622eにおいて、印刷情報記憶部1622cに記憶されている印刷情報を呼び出し、呼び出した情報を、割線位置演算部1622dによって演算した角度だけ回転させるように演算し、演算した情報に基づいて、前記錠剤1の下方側の面に印刷し、(a3)前記錠剤1の上方側の面の割線11が無い場合、前記錠剤1の下方側の面に印刷しないように下方印刷装置44を制御する」といえる。 また、摘記事項(1-11)の「上方印刷制御部626は、下方割線判定部1626a、下方印刷判定部1626b及び印刷情報記憶部1626cを備える。また、上方印刷制御部626は、下方撮像装置43によって撮像された画像に基づいて割線11の位置を演算する割線位置演算部1626dと、割線位置演算部1626dにおいて演算された結果に基づいて、下方印刷装置45(注:「上方印刷装置55」の誤記と認める。)によって印刷する情報を演算する印刷情報演算部1626eと、をさらに備える。」との記載と、摘記事項(1-12)の「下方撮像装置43は、第1の搬送部24で搬送されている錠剤1の下方側の面を撮像する(ステップ110a)。・・・下方割線判定部1626aは、下方撮像装置43によって撮像された画像に基づいて、割線11の有無を判定する(ステップ114b)。そして、錠剤1の下方側の面に割線11が有る場合(ステップ114bの「Y」)、割線位置演算部1626dは、下方撮像装置43によって撮像された画像に基づいて、割線11が所定の位置に対して何度回転した角度であるかを演算する(ステップ114c)。その後、印刷情報演算部1626eは、印刷情報記憶部1626cに記憶されている印刷情報を呼び出し、呼び出した情報を、割線位置演算部1626dにおいて演算した角度だけ回転させるように演算する(ステップ114d)。上方印刷装置55は、印刷情報演算部1626eにおいて演算した情報に基づいて、錠剤1の上方側の面に印刷する。・・・反対に、錠剤1の下方側の面に割線11が有る場合(ステップ114bの「N」)、上方印刷が終了する。」の記載からみて、「上方印刷制御部626は、(b1)下方割線判定部1626aにおいて、下方撮像装置43によって撮像された画像に基づいて前記錠剤1の下方側の面の割線11の有無を判定し、(b2)前記錠剤1の下方側の面の割線11が有る場合、割線位置演算部1626dにおいて、前記画像に基づいて前記錠剤1の割線11が所定の位置に対して何度回転した角度であるかを演算し、その後、印刷情報演算部1626eにおいて、印刷情報記憶部1626cに記憶されている印刷情報を呼び出し、呼び出した情報を、割線位置演算部1626dによって演算した角度だけ回転させるように演算し、演算した情報に基づいて、前記錠剤1の上方側の面に印刷し、(b3)前記錠剤1の下方側の面の割線11が無い場合、前記錠剤1の上方側の面に印刷しないように上方印刷装置55を制御する」といえる。 ところで、上記認定事項1に記載したとおり、図15~20に係る印刷機は、「上方側の面または下方側の面のいずれか一方側の面に割線11を有する錠剤1に対して印刷する印刷機」である。 したがって、搬送される一方側の面に割線11を有する錠剤1に対して、当該印刷機は、下方印刷制御部622に係る「(a1)上方割線判定部1622aにおいて、「搬送装置23の上流側に配置された上方撮像装置54」によって撮像された画像に基づいて前記錠剤1の上方側の面の割線11の有無を判定し、(a2)前記錠剤1の上方側の面の割線11が有る場合、割線位置演算部1622dにおいて、前記画像に基づいて前記錠剤1の割線11が所定の位置に対して何度回転した角度であるかを演算し、その後、印刷情報演算部1622eにおいて、印刷情報記憶部1622cに記憶されている印刷情報を呼び出し、呼び出した情報を、割線位置演算部1622dによって演算した角度だけ回転させるように演算し、演算した情報に基づいて、前記錠剤1の下方側の面に印刷し、(a3)前記錠剤1の上方側の面の割線11が無い場合、前記錠剤1の下方側の面に印刷しないように下方印刷装置44を制御する」ことと、上方印刷制御部626に係る「(b1)下方割線判定部1626aにおいて、下方撮像装置43によって撮像された画像に基づいて前記錠剤1の下方側の面の割線11の有無を判定し、(b2)前記錠剤1の下方側の面の割線11が有る場合、割線位置演算部1626dにおいて、前記画像に基づいて前記錠剤1の割線11が所定の位置に対して何度回転した角度であるかを演算し、その後、印刷情報演算部1626eにおいて、印刷情報記憶部1626cに記憶されている印刷情報を呼び出し、呼び出した情報を、割線位置演算部1626dによって演算した角度だけ回転させるように演算し、演算した情報に基づいて、前記錠剤1の上方側の面に印刷し、(b3)前記錠剤1の下方側の面の割線11が無い場合、前記錠剤1の上方側の面に印刷しないように上方印刷装置55を制御する」こととを択一的に行うものといえる。 そして、摘記事項(1-9)の「制御装置62は、・・・下方印刷装置44を制御する下方印刷制御部(「第1の印刷制御部」ともいう)622と、・・・を備える。・・・そして、制御装置62は、上方印刷装置55を制御する上方印刷制御部(「第2の印刷制御部」ともいう)626と、・・・を備える。」との記載からみて、「制御装置62は下方印刷制御部622と上方印刷制御部626を有する」といえる。 以上から、上方側の面または下方側の面のいずれか一方側の面に割線11を有する錠剤1に対して、制御装置62は、「上方割線判定部1622aまたは下方割線判定部1626aにおいて、「搬送装置23の上流側に配置された上方撮像装置54」または下方撮像装置43によって撮像された画像に基づいて割線11が前記錠剤1の上方側の面と下方側の面との何れに有るかを判定し、 上方の割線位置演算部1622dまたは下方の割線位置演算部1626dにおいて、前記画像に基づいて前記錠剤1の割線11が所定の位置に対して何度回転した角度であるかを演算し、その後、上方の印刷情報演算部1622eまたは下方の印刷情報演算部1626eにおいて、上方の印刷情報記憶部1622cまたは下方の印刷情報記憶部1626cに記憶されている印刷情報を呼び出し、呼び出した情報を、上方の割線位置演算部1622dまたは下方の割線位置演算部1626dによって演算した角度だけ回転させるように演算し、演算した情報に基づいて、前記錠剤1の割線11の無い面に印刷し、前記錠剤1の割線11の有る面に印刷しないように下方印刷装置44および上方印刷装置55を制御する」といえる。 (認定事項8) 摘記事項(1-4)の「印刷機は、当該印刷機の各構成を制御し且つ錠剤1を検査する制御ユニット(制御部)6を備える。」との記載と、摘記事項(1-9)の「制御ユニット6は、図6に示すように、・・・各装置を制御する制御装置62と、・・・を備える。」との記載と、上記認定事項7を総合してみて、印刷機は、「「搬送装置23の上流側に配置された上方撮像装置54」または下方撮像装置43によって撮像された画像に基づいて下方印刷装置44および上方印刷装置55を制御する制御装置62」を備えるといえる。 以上から、甲第1号証には、次の発明が記載されている(以下、「甲第1号証発明」という。)。 「上方側の面または下方側の面のいずれか一方側の面に割線11を有する錠剤1に対して印刷する印刷機であって、 錠剤1を搬送する搬送ユニット2と、 搬送ユニット2によって搬送される前記錠剤1の上方側の面を撮像する「搬送装置23の上流側に配置された上方撮像装置54」と、 搬送ユニット2によって搬送される前記錠剤1の下方側の面を撮像する下方撮像装置43と、 搬送ユニット2による搬送方向に沿って「搬送装置23の上流側に配置された上方撮像装置54」および下方撮像装置43よりも下流に設けられ、前記錠剤1の下方側の面に印刷する下方印刷装置44と、 搬送ユニット2による搬送方向に沿って「搬送装置23の上流側に配置された上方撮像装置54」および下方撮像装置43よりも下流に設けられ、前記錠剤1の上方側の面に印刷する上方印刷装置55と、 「搬送装置23の上流側に配置された上方撮像装置54」または下方撮像装置43によって撮像された画像に基づいて下方印刷装置44および上方印刷装置55を制御する制御装置62とを備え、 制御装置62は、上方割線判定部1622aまたは下方割線判定部1626aにおいて、「搬送装置23の上流側に配置された上方撮像装置54」または下方撮像装置43によって撮像された画像に基づいて割線11が前記錠剤1の上方側の面と下方側の面との何れに有るかを判定し、 上方の割線位置演算部1622dまたは下方の割線位置演算部1626dにおいて、前記画像に基づいて前記錠剤1の割線11が所定の位置に対して何度回転した角度であるかを演算し、その後、上方の印刷情報演算部1622eまたは下方の印刷情報演算部1626eにおいて、上方の印刷情報記憶部1622cまたは下方の印刷情報記憶部1626cに記憶されている印刷情報を呼び出し、呼び出した情報を、上方の割線位置演算部1622dまたは下方の割線位置演算部1626dによって演算した角度だけ回転させるように演算し、演算した情報に基づいて、前記錠剤1の割線11の無い面に印刷し、前記錠剤1の割線11の有る面に印刷しないように下方印刷装置44および上方印刷装置55を制御する印刷機。」 また、上記認定事項5と上記(1-13)及び(1-14)の図示内容とを総合してみて、甲第1号証には、次の技術事項が記載されている(以下、「甲第1号証に記載された技術事項」という。)。 「一方の面に割線11を有する錠剤1において、割線11を有しない面の印刷を割線11に対して平行な方向とすること。」 (2)甲第2号証(特開2013-13711号公報) 同じく取消理由において引用した文献である甲第2号証には、次のとおり記載されている。 (2-1)「【請求項1】 錠剤に印刷を行う錠剤印刷装置であって、 錠剤を供給する錠剤供給部と、 前記錠剤供給部により供給された多数の錠剤を所定列数の複数列に振り分ける複数列振分けユニットと、 前記複数列振分けユニットにより振り分けられた各錠剤を複数列のままランダムに搬送する錠剤搬送部と、 前記錠剤搬送部による搬送中に各錠剤を検出する錠剤検出部と、 前記錠剤検出部で検出された各錠剤の検出データに基づいて搬送中の各錠剤に非接触で印刷を行う印刷部と、 前記印刷部による各錠剤への印刷状態を検査する錠剤検査部と、 前記錠剤検査部での検査結果に基づいた印刷不良を含む不良品を各錠剤の複数列での搬送中に排出する不良品排出部と、 を備えた錠剤印刷装置。」 (2-2)「【0001】 本発明は、連続してランダムに供給される錠剤に印刷を行う錠剤印刷装置および錠剤印刷方法に関し、詳細には、多数の錠剤を所定列数の複数列で供給しつつ、各錠剤に対して非接触で印刷を行うものに関する。」 (2-3)「【0039】 <全体構成の説明> 図1は、本発明の一実施例による錠剤印刷装置の概略構成を示している。 同図に示すように、この錠剤印刷装置1は、錠剤を供給するホッパ2と、ホッパ2から供給されてきた多数の錠剤を所定列数の複数列に振り分ける複数列振分けユニット3と、複数列振分けユニット3により振り分けられた各錠剤を複数列のまま矢印方向(第1の方向)にランダムに搬送する第1の搬送コンベア4と、第1の搬送コンベア4による搬送中に各錠剤を検出するための第1の検出用ラインセンサカメラ5と、第1の検出用ラインセンサカメラ5で検出された各錠剤の検出データに基づいて搬送中の各錠剤に印刷を行う第1のインクジェットプリンタ部6と、・・・を備えている。 【0040】 また、錠剤印刷装置1は、第1の搬送コンベア4の下流端に設けられ、当該第1の搬送コンベア4上の各錠剤の表裏を反転させるための反転ローラ80を有する反転装置8と、第1の搬送コンベア4の下方に配設され、反転装置8により反転された各錠剤を複数列のまま矢印方向(前記第1の方向と逆方向の第2の方向)にランダムに搬送する第2の搬送コンベア4’と、第2の搬送コンベア4’による搬送中に各錠剤を検出するための第2の検出用ラインセンサカメラ5’と、第2の検出用ラインセンサカメラ5’で検出された各錠剤の検出データに基づいて搬送中の各錠剤に印刷を行う第2のインクジェットプリンタ部6’と、・・・を備えている。」 (2-4)「【0109】 <制御部> 次に、錠剤印刷装置1の制御部について、図29を用いて説明する。 同図に示すように、制御部200の入力ポートには、第1、第2の搬送ベルト4、4’の移動位置をそれぞれ検出するためのロータリーエンコーダ42、42’と、第1、第2の検出用ラインセンサカメラ5、5’と、第1、第2の検査用ラインセンサカメラ7、7’と、第1、第2の検出用ラインセンサカメラ5、5’で検出された各錠剤の検出データに基づいて各錠剤に印刷すべき印刷パターンを作成する画像処理装置150と、不良品位置検出用のセンサ91sと、不良品位置確認用のセンサ91’sと、キーボード等のその他の入力部151とが接続されている。 【0110】 制御部200の出力ポートには、第1の搬送コンベア4を駆動するサーボモータ85および第2の搬送コンベア4’を駆動するサーボモータと、第1、第2のインクジェット(IJP)ヘッド60、60’と、これらを駆動するIJPコントローラ152と、不良品排出ユニット9と、不良品排出ダンパー17と、振動フィーダ20a、33と、モニター等の他の出力部153とが接続されている。 【0111】 <錠剤に対する検出・印刷・検査処理> 次に、第1、第2の搬送コンベア4、4’上の各錠剤Tに対する検出処理、印刷処理および検査処理について、図30ないし図35を用いて説明する。・・・ 【0112】 各図においては、図示の便宜上、第1、第2の搬送コンベア4、4’上の各錠剤Tが、搬送方向と直交する幅方向に整列した状態を示している。実際の運転においては、第1、第2の搬送コンベア4、4’上の各錠剤Tは、搬送方向と直交する幅方向に整列しておらず、ランダムに配置されている。しかしながら、この場合でも、第1、第2の搬送コンベア4、4’の幅方向に隣り合う各錠剤Tの間隔は一定に維持されている。また、図示の簡略化のために、錠剤Tが幅方向に7列ではなく、4列で搬送される状態を示している。なお、錠剤Tとしては、一方の面に割線が形成された割線錠を例にとって示しており、ここでは、割線の形成されていない側の面にのみ印刷処理を施す場合を例にとって説明する。 【0113】 また、各図中、「検出」と記された一点鎖線の位置は、第1、第2の検出用ラインセンサカメラ5、5’による検出位置を示し、「IJP」と記された一点鎖線の位置は、第1のインクジェットプリンタ部6、6’による印刷位置を示し、「検査」と記された一点鎖線の位置は、第1、第2の検査用ラインセンサカメラ7、7’による検査位置を示している。 【0114】 ホッパ2(図1)から供給され、複数列振分けユニット3(図1)により所定列数の複数列に振り分けられた多数の錠剤Tは、図30に示すように、第1の搬送コンベア4により、複数列のまま図示矢印方向(第1の搬送方向)にランダムに搬送されてくる(図13参照)。このとき、各錠剤Tは、表裏がばらばらになっており、割線の向きもランダムであるが、上述したように、搬送方向と直交する幅方向において隣り合う各錠剤Tの間隔は一定である。 【0115】 各錠剤Tは、図30に示す検出位置において、第1の検出用ラインセンサカメラ5により検出される。このとき、各錠剤Tは、第1の検出用ラインセンサカメラ5のカメラレンズ51により撮影され、撮影された画像データがラインセンサ50により検出される。ラインセンサ50により検出された各錠剤Tの検出データには、錠剤Tの種別や位置、姿勢(向き)、表裏の情報等を含んでいる。また、第1の検出用ラインセンサカメラ5による撮影は、錠剤Tの移動速度(第1の搬送コンベア4の搬送速度)と同期して行われる。 【0116】 第1の検出用ラインセンサカメラ5により検出された各錠剤Tは、図31に示すように、印刷位置において、第1のインクジェットプリンタ部6により印刷処理を受ける。このとき、第1のインクジェットプリンタ部6は、第1の検出用ラインセンサカメラ5で検出された各錠剤Tの検出データに基づいて、搬送中の各錠剤Tに印刷を行う。この例では、割線が形成された側の面には印刷処理が行われず、割線が形成されていない側の面にのみ印刷処理が行われる。また、印刷時には、第1のインクジェットプリンタ部6による印字タイミングは、錠剤Tの移動速度(第1の搬送コンベア4の搬送速度)と同期しており、これにより、移動中の錠剤Tに正確に印刷処理を施すことができる。」 (2-5)「【0120】 このように、第1の搬送コンベア4上で検出・印刷・検査処理を受けた各錠剤Tは、反転装置8(図1)により表裏を反転されて、第2の搬送コンベア4’上に受け渡される。受け渡された各錠剤Tは、図33に示すように、第2の搬送コンベア4’により、複数列のまま図示矢印方向(第2の搬送方向)にランダムに搬送されてくる。このとき、各錠剤Tの表裏は、第1の搬送コンベア4上での表裏の状態と逆になっている。また、この場合でも、搬送方向と直交する幅方向において隣り合う各錠剤Tの間隔は一定である。 【0121】 各錠剤Tは、図33に示す検出位置において、第2の検出用ラインセンサカメラ5’により検出される。このとき、各錠剤Tは、第2の検出用ラインセンサカメラ5’のカメラレンズ51’により撮影され、撮影された画像データがラインセンサ50’により検出される。ラインセンサ50’により検出された各錠剤Tの検出データには、錠剤Tの位置や姿勢(向き)、表裏の情報等を含んでいる。また、第2の検出用ラインセンサカメラ5’による撮影は、錠剤Tの移動速度(第2の搬送コンベア4’の搬送速度)と同期して行われる。 【0122】 第2の検出用ラインセンサカメラ5’により検出された各錠剤Tは、図34に示すように、印刷位置において、第2のインクジェットプリンタ部6’により印刷処理を受ける。このとき、第2のインクジェットプリンタ部6’は、第2の検出用ラインセンサカメラ5’で検出された各錠剤Tの検出データに基づいて、搬送中の各錠剤Tに印刷を行う。この例では、割線が形成された側の面には印刷処理が行われず、割線が形成されていない側の面にのみ印刷処理が行われる。また、印刷時には、第2のインクジェットプリンタ部6’による印字タイミングは、錠剤Tの移動速度(第2の搬送コンベア4’の搬送速度)と同期しており、これにより、移動中の錠剤Tに正確に印刷処理を施すことができる。」 以上の記載から、次の事項が認められる。 摘記事項(2-4)の「【0112】・・・各図においては、図示の便宜上、第1、第2の搬送コンベア4、4’上の各錠剤Tが、搬送方向と直交する幅方向に整列した状態を示している。実際の運転においては、第1、第2の搬送コンベア4、4’上の各錠剤Tは、搬送方向と直交する幅方向に整列しておらず、ランダムに配置されている。しかしながら、この場合でも、第1、第2の搬送コンベア4、4’の幅方向に隣り合う各錠剤Tの間隔は一定に維持されている。・・・ 【0114】・・・ホッパ2(図1)から供給され、複数列振分けユニット3(図1)により所定列数の複数列に振り分けられた多数の錠剤Tは、図30に示すように、第1の搬送コンベア4により、複数列のまま図示矢印方向(第1の搬送方向)にランダムに搬送されてくる(図13参照)。このとき、各錠剤Tは、表裏がばらばらになっており、割線の向きもランダムであるが、上述したように、搬送方向と直交する幅方向において隣り合う各錠剤Tの間隔は一定である。」との記載と、摘記事項(2-5)の「【0120】・・・第1の搬送コンベア4上で検出・印刷・検査処理を受けた各錠剤Tは、反転装置8(図1)により表裏を反転されて、第2の搬送コンベア4’上に受け渡される。受け渡された各錠剤Tは、図33に示すように、第2の搬送コンベア4’により、複数列のまま図示矢印方向(第2の搬送方向)にランダムに搬送されてくる。このとき、各錠剤Tの表裏は、第1の搬送コンベア4上での表裏の状態と逆になっている。また、この場合でも、搬送方向と直交する幅方向において隣り合う各錠剤Tの間隔は一定である。」との記載とを併せてみて、「錠剤印刷装置1は、搬送方向と直交する方向の複数の錠剤Tを搬送する第1の搬送コンベア4と第2の搬送コンベア4’とを備える」といえる。 摘記事項(2-4)の「【0115】・・・各錠剤Tは、図30に示す検出位置において、第1の検出用ラインセンサカメラ5により検出される。このとき、各錠剤Tは、第1の検出用ラインセンサカメラ5のカメラレンズ51により撮影され、撮影された画像データがラインセンサ50により検出される。ラインセンサ50により検出された各錠剤Tの検出データには、錠剤Tの種別や位置、姿勢(向き)、表裏の情報等を含んでいる。・・・」との記載から、「錠剤印刷装置1は、第1の搬送コンベア4によって搬送される搬送方向と直交する方向の複数の錠剤Tの第1の面を撮像する第1のラインセンサ50を備える」といえる。 摘記事項(2-5)の「【0121】・・・各錠剤Tは、図33に示す検出位置において、第2の検出用ラインセンサカメラ5’により検出される。このとき、各錠剤Tは、第2の検出用ラインセンサカメラ5’のカメラレンズ51’により撮影され、撮影された画像データがラインセンサ50’により検出される。ラインセンサ50’により検出された各錠剤Tの検出データには、錠剤Tの位置や姿勢(向き)、表裏の情報等を含んでいる。・・・」との記載から、「錠剤印刷装置1は、第2の搬送コンベア4’によって搬送される搬送方向と直交する方向の複数の錠剤Tの第2の面を撮像する第2のラインセンサ50’を備える」といえる。 摘記事項(2-4)の「【0116】・・・第1の検出用ラインセンサカメラ5により検出された各錠剤Tは、図31に示すように、印刷位置において、第1のインクジェットプリンタ部6により印刷処理を受ける。・・・」との記載から、「錠剤印刷装置1は、第1の搬送コンベア4によって搬送される搬送方向と直交する方向の複数の錠剤Tの第1の面に印刷する第1のインクジェットプリンタ部6を備える」といえる。 摘記事項(2-5)の「【0122】・・・第2の検出用ラインセンサカメラ5’により検出された各錠剤Tは、図34に示すように、印刷位置において、第2のインクジェットプリンタ部6’により印刷処理を受ける。・・・」との記載から、「錠剤印刷装置1は、第2の搬送コンベア4’によって搬送される搬送方向と直交する方向の複数の錠剤Tの第2の面に印刷する第2のインクジェットプリンタ部6’を備える」といえる。 摘記事項(2-4)の「【0109】・・・制御部200の入力ポートには、・・・第1、第2の検出用ラインセンサカメラ5、5’で検出された各錠剤の検出データに基づいて各錠剤に印刷すべき印刷パターンを作成する画像処理装置150と、」及び「【0110】・・・制御部200の出力ポートには、・・・第1、第2のインクジェット(IJP)ヘッド60、60’と、これらを駆動するIJPコントローラ152と、・・・が接続されている。」との記載から、「錠剤印刷装置1は、第1の検出用ラインセンサカメラ5及び第2の検出用ラインセンサカメラ5’で検出された各錠剤の検出データに基づいて第1のインクジェットプリンタ部6及び第2のインクジェットプリンタ部6’を制御する制御部200を備える」といえる。 摘記事項(2-4)の「【0116】・・・第1のインクジェットプリンタ部6は、第1の検出用ラインセンサカメラ5で検出された各錠剤Tの検出データに基づいて、搬送中の各錠剤Tに印刷を行う。この例では、割線が形成された側の面には印刷処理が行われず、割線が形成されていない側の面にのみ印刷処理が行われる。・・・」との記載と、摘記事項(2-5)の「【0122】・・・第2のインクジェットプリンタ部6’は、第2の検出用ラインセンサカメラ5’で検出された各錠剤Tの検出データに基づいて、搬送中の各錠剤Tに印刷を行う。この例では、割線が形成された側の面には印刷処理が行われず、割線が形成されていない側の面にのみ印刷処理が行われる。・・・」との記載からみて、「制御部200は、第1の検出用ラインセンサカメラ5および第2の検出用ラインセンサカメラ5’で検出された各錠剤の検出データに基づいて、第1の搬送コンベア4および第2の搬送コンベア4’によって搬送される搬送方向と直交する方向の複数の錠剤Tについて、割線が形成された面の反対の面に対して印刷を行うように、第1のインクジェットプリンタ部6および第2のインクジェットプリンタ部6’を制御する」といえる。 以上から、甲第2号証には、次の発明が記載されている(以下、「甲第2号証発明」という。)。 「一方の面に割線が形成された割線錠に対して印刷処理を行う錠剤印刷装置1であって、 搬送方向と直交する方向の複数の錠剤Tを搬送する第1の搬送コンベア4及び第2の搬送コンベア4’と 第1の搬送コンベア4によって搬送される搬送方向と直交する方向の複数の錠剤Tの第1の面を撮像する第1のラインセンサ50と、 第1の搬送コンベア4によって搬送される搬送方向と直交する方向の複数の錠剤Tの第1の面に印刷する第1のインクジェットプリンタ部6と、 第2の搬送コンベア4’によって搬送される搬送方向と直交する方向の複数の錠剤Tの第2の面を撮像する第2のラインセンサ50’と、 第2の搬送コンベア4’によって搬送される搬送方向と直交する方向の複数の錠剤Tの第2の面に印刷する第2のインクジェットプリンタ部6’と 第1の検出用ラインセンサカメラ5および第2の検出用ラインセンサカメラ5’で検出された各錠剤の検出データに基づいて第1のインクジェットプリンタ部6および第2のインクジェットプリンタ部6’を制御する制御部200を備え、 制御部200は、第1の検出用ラインセンサカメラ5および第2の検出用ラインセンサカメラ5’で検出された各錠剤の検出データに基づいて、第1の搬送コンベア4および第2の搬送コンベア4’によって搬送される搬送方向と直交する方向の複数の錠剤Tについて、割線が形成された面の反対の面に対して印刷を行うように、第1のインクジェットプリンタ部6および第2のインクジェットプリンタ部6’を制御する錠剤印刷装置1。」 (3)甲第3号証(国際公開第2014-013974号) 同じく取消理由において引用した文献である甲第3号証には、次のとおり記載されている。 (3-1)「[0002] 本発明は、錠剤に印刷する印刷機に関するものである。また、本発明は、当該印刷機で製造される錠剤に関するものである。」 (3-2)「[0105] また、上記実施形態に係る印刷機において、各印刷装置44,55及び各印刷制御部622,626は、錠剤1の一方側(上記実施例では下方側)を向いた面及び他方側(上記実施例では上方側)を向いた面のうち、割線11を有する面に、印刷しない構成である。しかしながら、本発明に係る印刷機は、かかる構成に限られない。例えば、各印刷装置44,55及び各印刷制御部622,626は、錠剤1の割線11を有する面にも、印刷する構成でもよい。かかる構成の印刷機の6つの具体例が、以下に説明されている。 [0106] まず、割線11を有する面にも印刷する印刷機の第1の具体例が、図15~図20を参酌して、以下に説明されている。 [0107] かかる印刷機の制御装置62において、図15に示すように、下方印刷制御部622は、下方割線判定部622a、下方印刷判定部622b及び印刷情報記憶部622cを備える。また、下方印刷制御部622は、下方撮像装置43によって撮像された画像に基づいて割線11の位置を演算する割線位置演算部622dと、割線位置演算部622dにおいて演算された結果に基づいて、下方印刷装置44によって印刷する情報を演算する印刷情報演算部622eと、をさらに備える。 [0108] また、上方印刷制御部626は、上方割線判定部626a、上方印刷判定部626b及び印刷情報記憶部626cを備える。また、上方印刷制御部626は、上方撮像装置54によって撮像された画像に基づいて割線11の位置を演算する割線位置演算部626dと、割線位置演算部626dにおいて演算された結果に基づいて、上方印刷装置55によって印刷する情報を演算する印刷情報演算部626eと、をさらに備える。・・・ [0110] かかる印刷機においては、下方検査部623が、錠剤1の下方側の面が正常か異常かを検査した(ステップ103)後に、下方印刷装置44が、錠剤1の下方側の面に印刷する(ステップ105a)。この印刷(ステップ105a)は、以下の通りである。 [0111] まず、下方割線判定部622aは、下方撮像装置43によって撮像された画像に基づいて、割線11の有無を判定する(ステップ105b)。・・・ [0112]・・・錠剤1の下方側の面に割線11が有る場合(ステップ105bの「Y」)、割線位置演算部622dは、下方撮像装置43によって撮像された画像に基づいて、割線11が所定の位置に対して何度回転した角度であるかを演算する(ステップ105c)。その後、印刷情報演算部622eは、印刷情報記憶部622cに記憶されている印刷情報を呼び出し、呼び出した情報を、割線位置演算部622dによって演算した角度だけ回転させるように演算する(ステップ105d)。そして、下方印刷装置44は、印刷情報演算部622eにおいて演算した情報に基づいて、錠剤1の下方側の面に印刷する。 [0113] また、かかる印刷機においては、錠剤1の上方側の面が正常か異常かを上方検査部627が検査した(ステップ112)後、上方印刷装置55が錠剤1の上方側の面に印刷する(ステップ114a)。この印刷(ステップ114a)は、以下の通りである。 [0114] まず、上方割線判定部626aは、上方撮像装置54によって撮像された画像に基づいて、割線11の有無を判定する(ステップ114b)。・・・ [0115] 反対に、錠剤1の上方側の面に割線11が有る場合(ステップ114bの「Y」)、割線位置演算部626dは、上方撮像装置54によって撮像された画像に基づいて、割線11が所定の位置に対して何度回転した角度であるかを演算する(ステップ114c)。その後、印刷情報演算部626eは、印刷情報記憶部626cに記憶されている印刷情報を呼び出し、呼び出した情報を、割線位置演算部626dにおいて演算した角度だけ回転させるように演算する(ステップ114d)。上方印刷装置55は、印刷情報演算部626eにおいて演算した情報に基づいて、錠剤1の上方側の面に印刷する。 [0116] かかる構成によれば、割線11がさまざまな位置の状態で、錠剤1が搬送ベルト241によって搬送されていても、図19及び図20に示すように、下方印刷装置44は、割線11を基準として、同じように印刷できる。したがって、例えば、印刷部位(符号)12は、錠剤1の割線11に沿って印字されたものでもよい。具体的には、下方印刷装置44は、錠剤1における割線11の設けられた面101において、割線11に対して一方側の領域111に第1の符号121を印刷すると共に、他方側の領域112に第2の符号122を印刷してもよい。」 (3-3)「[0143] 次に、割線11を有する面にも印刷する印刷機の第6の具体例が、図32~図34を参酌して、以下に説明されている。尚、本具体例の錠剤1の表面は、図32~図34に示すように、一方側(図34では上側)を向いた面である第1の面101と、他方側(図34では下側)を向いた面である第2の面102と、第1の面101と第2の面102との周縁同士を接続する円筒状の周面103と、によって構成されている。また、本具体例の錠剤1では、割線11が第1の面101に設けられている。 [0144] かかる印刷機において、錠剤1が割線11の設けられた第1の面101を下方に向けて第1の搬送部24によって搬送されている場合には、下方印刷装置45と上方印刷装置55とが錠剤1の各面101、102に対して以下の通りに印刷する。 [0145] 下方印刷装置45は、図32及び図34に示すように、第1の面101において、割線11に対して一方側(図32では左側)の第1領域111に第1の符号121を印刷すると共に、他方側(図32では右側)の第2領域112に第2の符号122を印刷する。この第2の符号122は、第1の符号121と異なる符合である。また、上方印刷装置55は、図33及び図34に示すように、第2の面102において、第1領域111と対応する第3領域(即ち、第1の面101の割線11と対応する部位110に対して一方側(図33では左側)の領域)113に第2の符号122を印刷すると共に、第2領域112と対応する第4領域(即ち、第1の面101の割線11と対応する部位110に対して他方側(図33では右側)の領域)114に第1の符号121を印刷する。 [0146] 一方、錠剤1が割線11のない第2の面102を下方に向けて第1の搬送部24によって搬送されている場合には、下方印刷装置45と上方印刷装置55が錠剤1の各面101、102に対して以下の通りに印刷する。 [0147] 下方印刷装置45は、第2の面102において、第3領域113に第1の符号121を印刷すると共に第4領域114に第2の符号122を印刷する。また、上方印刷装置55は、第1の面101において、第1の領域111に第2の符号122を印刷すると共に第2領域に第1の符号121を印刷する。 [0148] かかる構成によれば、当該印刷機によって印刷された錠剤1は、割線11の位置において分割されたときにいずれの分割片においても第1の符号121と第2の符号122との両符号がそれぞれ印刷されている状態となる。」 (3-4)図32の記載から、第1の符号121である「ABC」と第2の符号122である「DEF」は、錠剤1の割線11を有する面において、割線11に沿って印刷されていることが窺える。 (3-5)図33の記載から、第1の符号121である「ABC」と第2の符号122である「DEF」は、錠剤1の割線11を有しない面において、割線11と対応する部位110に沿って印刷されていることが窺える。 上記摘記事項と図示内容とを総合してみて、甲第3号証には次の技術事項が記載されている(以下、「甲第3号証に記載された技術事項」という。)。 「一方の面に割線11を有する錠剤1において、割線11を有する面の印刷を割線11に沿ったものとすること(特に上記摘記事項(3-2)及び図示内容(3-4)を参照。)、および、割線11を有する面およびその割線11を有しない面の印刷を割線11に対して平行な方向とすること(特に上記摘記事項(3-3)及び図示内容(3-5)を参照。)。」 3 当審の判断 3-1 サポート要件について (1)訂正前の請求項1~4の記載に対するサポート要件の取消理由は次のとおりである。 「請求項1の「・・・複数の錠剤を搬送する搬送機構と、・・・前記複数の錠剤の一方面を撮像する第1撮像部と、・・・前記複数の錠剤の他方面を撮像する第2撮像部と、・・・前記複数の錠剤の他方面に印刷処理を行う第1印刷部と、・・・前記複数の錠剤の一方面に印刷処理を行う第2印刷部と、・・・前記印刷制御部は、・・・前記複数の錠剤のそれぞれにおける前記割線の方向を特定し、前記複数の錠剤の裏面に対して前記割線に対する所定方向に沿って印刷処理を行う・・・錠剤印刷装置。」(下線を付与した。以下同様。)との記載からみて、発明特定事項としての「複数の錠剤」は、何らの限定もなされていない。 したがって、当該請求項に係る発明は、「複数の錠剤」に関し、錠剤印刷装置における錠剤の搬送方向と直交する方向の複数の錠剤のみならず、例えば搬送方向に沿った複数の錠剤をも含むものである。 一方、発明の詳細な説明には、錠剤印刷装置の第1撮像部及び第2撮像部で撮像する「複数の錠剤」として、あくまでも搬送方向と直交する方向の「複数の錠剤」が記載されているにすぎず・・・、それ以外の「複数の錠剤」・・・の記載はない。・・・ よって、請求項1に係る発明は発明の詳細な説明に記載したものではない。 ・・・ 請求項2~4は、請求項1を直接あるいは間接的に引用して記載するものであり、一方、これらの請求項の記載は、「複数の錠剤」を特定するものではない。 したがって、請求項2~4に係る発明も、・・・同様の理由により、発明の詳細な説明に記載したものではない。」 (2)これに対して、本件訂正請求による訂正により、請求項1の「複数の錠剤」は「搬送方向と垂直な方向の」「複数の錠剤」に訂正された。これは、明細書の「【0044】・・・搬送ドラム10には、搬送方向(搬送ドラム10の周方向)に垂直な方向、つまり搬送ドラム10の中心軸方向に沿って5列に吸着孔11が形設されている。従って、搬送ドラム10は、搬送方向と垂直な方向に5個の錠剤を整列させた5列にて複数の錠剤2を搬送する。本明細書では、搬送ドラム10の搬送方向と垂直な方向に5個の錠剤を配列した単位を「行」と表記する。」との記載からも明らかなように、発明の詳細な説明に記載された範囲内のものであるといえる。 したがって、請求項1の記載について、上記サポート要件の取消理由は解消した。 また、請求項3及び4は、請求項1を直接あるいは間接的に引用して記載するものであり、また、請求項4の「複数の錠剤」も上記した請求項1についての訂正と同様に「搬送方向と垂直な方向の」「複数の錠剤」に訂正された。 したがって、請求項3及び4の記載についても、上記サポート要件の取消理由は解消した。 (3)小括 以上のとおりであるから、請求項1、3~4に係る特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たすものである。 3-2 進歩性について (1)本件発明1について (1-1)対比 本件発明1と甲第1号証発明とを対比すると、その構造または機能からみて、甲第1号証発明の「印刷機」は、本件発明1の「錠剤印刷装置」に相当し、以下同様に、「上方側の面または下方側の面のいずれか一方側の面」は「表面」に、「割線11」は「割線」に、「錠剤1」は「錠剤」に、それぞれ相当する。 そして、甲第1号証発明の「上方側の面または下方側の面のいずれか一方側の面に割線11を有する錠剤1に対して印刷する印刷機」は、本件発明1の「表面に割線が刻設された錠剤に対して印刷処理を行う錠剤印刷装置」に相当する。 同様に、「搬送ユニット2」は「搬送機構」に、「上方側の面」は「一方面」に、「搬送装置23の上流側に配置された上方撮像装置54」は「第1撮像部」に、「下方側の面」は「他方面」に、「下方撮像装置43」は「第2撮像部」に、「下方印刷装置44」は「第1印刷部」に、「上方印刷装置55」は「第2印刷部」に、「画像」は「画像データ」に、「制御装置62」は「印刷制御部」に、それぞれ相当する。 そして、甲第1号証発明の「「搬送装置23の上流側に配置された上方撮像装置54」または下方撮像装置43によって撮像された画像に基づいて下方印刷装置44および上方印刷装置55を制御する制御装置62」は、本件発明1の「前記第1撮像部および前記第2撮像部によって取得された画像データに基づいて前記第1印刷部および前記第2印刷部を制御する印刷制御部」に相当する。 また、甲第1号証発明の「錠剤1の割線11の無い面」、「錠剤1の割線11の有る面」は、それぞれ、本件発明1の「錠剤の裏面」、「錠剤の表面」に相当する。 甲第1号証発明の「上方の割線位置演算部1622dまたは下方の割線位置演算部1626dにおいて、前記画像に基づいて前記錠剤1の割線11が所定の位置に対して何度回転した角度であるかを演算し、その後、上方の印刷情報演算部1622eまたは下方の印刷情報演算部1626eにおいて、上方の印刷情報記憶部1622cまたは下方の印刷情報記憶部1626cに記憶されている印刷情報を呼び出し、呼び出した情報を、上方の割線位置演算部1622dまたは下方の割線位置演算部1626dによって演算した角度だけ回転させるように演算し、演算した情報に基づいて」「印刷し」は、本件発明1の「画像データに基づいて」「錠剤の」「割線の方向を特定し、」「割線に対する所定方向に沿って印刷処理を行う」に相当し、また、甲第1号証発明の「上方割線判定部1622aまたは下方割線判定部1626aにおいて、「搬送装置23の上流側に配置された上方撮像装置54」または下方撮像装置43によって撮像された画像に基づいて割線11が前記錠剤1の上方側の面と下方側の面との何れに有るかを判定し、」「錠剤1の割線11の無い面に印刷し」は、本件発明1の「錠剤の裏面に対して」「印刷処理を行う」に相当する。 以上から、本件発明1と甲第1号証発明とは、 「表面に割線が刻設された錠剤に対して印刷処理を行う錠剤印刷装置であって、 錠剤を搬送する搬送機構と、 前記搬送機構によって搬送される前記錠剤の一方面を撮像する第1撮像部と、 前記搬送機構によって搬送される前記錠剤の他方面を撮像する第2撮像部と、 前記搬送機構による搬送方向に沿って前記第1撮像部および前記第2撮像部よりも下流に設けられ、前記錠剤の他方面に印刷処理を行う第1印刷部と、 前記搬送機構による搬送方向に沿って前記第1撮像部および前記第2撮像部よりも下流に設けられ、前記錠剤の一方面に印刷処理を行う第2印刷部と、 前記第1撮像部および前記第2撮像部によって取得された画像データに基づいて前記第1印刷部および前記第2印刷部を制御する印刷制御部と、 を備え、 前記印刷制御部は、前記画像データに基づいて前記錠剤の前記割線の方向を特定し、前記錠剤の裏面に対して前記割線に対する所定方向に沿って印刷処理を行うように前記第1印刷部および前記第2印刷部を制御する錠剤印刷装置。」である点で一致し、次の点で相違する。 (相違点1) 本件発明1は、搬送機構が搬送する錠剤が搬送方向と垂直な方向の複数の錠剤であり、第1撮像部及び第2撮像部が前記複数の錠剤を撮像し、第1印刷部及び第2印刷部が前記複数の錠剤に印刷処理し、印刷制御部が前記複数の錠剤について前記第1印刷部および前記第2印刷部を制御するものであるのに対し、甲第1号証発明は、搬送機構が搬送する錠剤が搬送方向と垂直な方向の複数の錠剤であるか不明であり、それゆえ、第1撮像部及び第2撮像部が前記複数の錠剤を撮像し、第1印刷部及び第2印刷部が前記複数の錠剤に印刷処理し、印刷制御部が前記複数の錠剤について前記第1印刷部および前記第2印刷部を制御するかも不明な点。 (相違点2) 印刷制御部の制御について、本件発明1は、画像データに基づいて錠剤の割線の方向を特定し、前記錠剤の表面に対して前記所定方向と同一方向に沿って印刷処理を行うように前記第1印刷部および前記第2印刷部を制御するものであるのに対し、甲第1号証発明は、前記錠剤の表面に対して印刷しないように前記第1印刷部および前記第2印刷部を制御するものである点。 (1-2)判断 最初に、甲第1号証発明において、本件発明1の相違点2に係る発明特定事項を備えることについて動機付けがあるかどうか検討する。 甲第1号証発明は、印刷制御部に関し、「制御装置62は、・・・前記錠剤1の割線11の無い面に印刷し、前記錠剤1の割線11の有る面に印刷しないように下方印刷装置45および上方印刷装置55を制御する」もの、すなわち、錠剤の裏面には印刷するが、その表面に対してはあえて印刷しないようにするものである。 してみると、甲第1号証発明には、そもそも錠剤の表面に割線がある場合においてその錠剤の両面に印刷をするという動機付けがあるとはいえない。 (1-3)小括 以上のとおり、甲第1号証発明において、本件発明1の相違点2に係る発明特定事項を備えるものとすることについての動機付けがあるとはいえないから、本件発明1は、甲第1号証~甲第3号証に記載された発明に基づいて当業者が容易になし得たものではない。 (2)本件発明3及び4について 本件発明3及び4は、本件発明1を更に減縮したものであるから、上記「(1)本件発明1について」の理由と同様の理由により、甲第1号証~甲第3号証に記載された発明に基づいて当業者が容易になし得たものではない。 (3)まとめ 以上のとおりであるから、本件発明1、3及び4は、甲第1号証~甲第3号証に記載された発明に基づいて当業者が容易になし得たものではない。 4 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について 本件発明1は、訂正前の請求項2に係る発明をさらに減縮したものである(特許権者の提出した意見書4頁参照。)ところ、訂正前の請求項2に係る発明に対し、特許異議申立人は、「表面(割線のある面)に対して割線に対する所定方向と同一方向に印刷を行う点は甲第3号証に記載されている(以下、「甲3記載事項1」という。)。」とした上で、「甲1発明に甲2記載事項1、及び甲3記載事項1を適用して、本件特許発明2のようにすることは、当業者にとって容易に想到し得ることである。」(特許異議申立書15~17及び19頁参照。)と主張している。 そこで、甲第3号証をみてみる。 (4-1)甲第3号証には、錠剤1の割線11を有する面に印刷する印刷機に関し、6つの具体例が記載されている(段落[0105]の記載を参照。)。そこで、それらの具体例について検討する。 (i)第1の具体例に関し 甲第3号証には、「[0106] まず、割線11を有する面にも印刷する印刷機の第1の具体例が、図15~図20を参酌して、以下に説明されている。・・・ [0111]・・・錠剤1の下方側の面に割線11が無い場合・・・下方印刷装置44が、印刷情報演算部622eによって呼び出された情報を、錠剤1の下方側の面に印刷する。 [0112] 反対に、錠剤1の下方側の面に割線11が有る場合・・・下方撮像装置43によって撮像された画像に基づいて、割線11が所定の位置に対して何度回転した角度であるかを演算する・・・。その後、印刷情報演算部622eは、・・・印刷情報を呼び出し、呼び出した情報を、・・・演算した角度だけ回転させるように演算する・・・。そして、下方印刷装置44は、・・・演算した情報に基づいて、錠剤1の下方側の面に印刷する。・・・ [0114]・・・錠剤1の上方側の面に割線11が無い場合・・・上方印刷装置55は、印刷情報演算部626eによって呼び出された情報を、錠剤1の上方側の面に印刷する。 [0115] 反対に、錠剤1の上方側の面に割線11が有る場合・・・上方撮像装置54によって撮像された画像に基づいて、割線11が所定の位置に対して何度回転した角度であるかを演算する・・・。その後、印刷情報演算部626eは、・・・印刷情報を呼び出し、呼び出した情報を、・・・演算した角度だけ回転させるように演算する・・・。上方印刷装置55は、印刷情報演算部626eにおいて演算した情報に基づいて、錠剤1の上方側の面に印刷する。・・・ [0116] かかる構成によれば、割線11がさまざまな位置の状態で、錠剤1が搬送ベルト241によって搬送されていても、・・・下方印刷装置44は、割線11を基準として、同じように印刷できる。」と記載されている。 したがって、甲第3号証には、第1の具体例に関して「割線が刻設された錠剤に対する印刷処理を、当該錠剤の印刷する側の面に撮像装置を設けることにより、当該錠剤の印刷する側の面に割線が有る場合、印刷情報を当該錠剤の割線を基準として印刷し、一方、当該錠剤の印刷する側の面に割線が無い場合、印刷情報を当該錠剤の割線を基準とせずに印刷する処理とすること。」が記載されていると認められる。 (ii)第2の具体例に関し 甲第3号証には、「[0117] 次に、割線11を有する面にも印刷する印刷機の第2の具体例が、図21~図23を参酌して、以下に説明されている。 [0118]・・・第1の搬送部24は、下方撮像装置43と下方印刷装置44と間に、割線11の位置(即ち、真っ直ぐに延びる溝状の割線11の方向)を揃える割線位置揃え装置245を備える。・・・ [0123]・・・割線位置揃え装置245は、錠剤1を回転させることで、割線11を所定の位置にすることができる。これにより、下方印刷装置44は、割線11を基準として、錠剤1に対して同じように印刷できる。 [0124] なお、第2の搬送部25も、・・・割線位置揃え装置を備えてもよい。・・・」と記載されている。 したがって、甲第3号証には、第2の具体例に関して「割線が刻設された錠剤に対する印刷処理を、錠剤の搬送部に割線位置揃え装置を設けることにより当該錠剤の割線を所定の位置とし、その後当該錠剤に印刷情報を印刷することにより、当該錠剤の印刷を割線を基準とする処理とすること。」が記載されていると認められる。 (iii )第3の具体例に関し 甲第3号証には、「[0125] 次に、割線11を有する面にも印刷する印刷機の第3の具体例が、図24~図26を参酌して、以下に説明されている。 [0126]・・・搬入装置22は、整列部222によって整列させられた錠剤1に対し、割線11の位置を揃える割線位置揃え装置223を備える。・・・ [0130] したがって、割線11がさまざまな位置(向き)の状態で、錠剤1が搬入ベルト221によって搬送されていても、割線位置揃え装置223が錠剤1を揺動させることで、割線11を所定の位置・・・にすることができる。これにより、下方印刷装置44は、割線11を基準として、錠剤1に対して同じように印刷できる。」と記載されている。 したがって、甲第3号証には、第3の具体例に関して「割線が刻設された錠剤に対する印刷処理を、錠剤の搬入装置に割線位置揃え装置を設けることにより当該錠剤の割線を所定の位置とし、その後当該錠剤に印刷情報を印刷することにより、当該錠剤の印刷を割線を基準とする処理とすること。」が記載されていると認められる。 (iv)第4の具体例に関し 甲第3号証には、「[0131] 次に、割線11を有する面にも印刷する印刷機の第4の具体例が、図27~図29を参酌して、以下に説明されている。 [0132]・・・搬入装置22は、整列部222によって整列させられた錠剤1に対して、割線11の位置を揃える割線位置揃え装置223を備える。・・・ [0137] したがって、割線11がさまざまな位置の状態で、錠剤1が搬入ベルト221によって搬送されていても、割線位置揃え装置223は、錠剤1を回転させることで、割線11を所定の位置(具体的には、突条部221aと平行な位置)にすることができる。これにより、下方印刷装置44は、割線11を基準として、錠剤1に対して同じように印刷できる。」と記載されている。 したがって、甲第3号証には、第4の具体例に関して「割線が刻設された錠剤に対する印刷処理を、錠剤の搬入装置に割線位置揃え装置を設けることにより当該錠剤の割線を所定の位置とし、その後当該錠剤に印刷情報を印刷することにより、当該錠剤の印刷を割線を基準とする処理とすること。」が記載されていると認められる。 (v)第5の具体例に関し 甲第3号証には、「[0138] 次に、割線11を有する側にも印刷する印刷機の第5の具体例が、図30及び図31を参酌して、以下に説明されている。 [0139]・・・搬入装置22は、整列部222によって整列させられた錠剤1に対して、割線11の位置を揃える割線位置揃え装置223を備える。・・・ [0142] したがって、割線11がさまざまな位置の状態で、錠剤1が搬送されていても、割線位置揃え装置223は、錠剤1を回転させることで、割線11を所定の位置(具体的には、突条部223jと平行な位置)にすることができる。これにより、下方印刷装置44は、割線11を基準として、錠剤1に対して同じように印刷できる。」と記載されている。 したがって、甲第3号証には、第5の具体例に関して「割線が刻設された錠剤に対する印刷処理を、錠剤の搬入装置に割線位置揃え装置を設けることにより当該錠剤の割線を所定の位置とし、その後当該錠剤に印刷情報を印刷することにより、当該錠剤の印刷を割線を基準とする処理とすること。」が記載されていると認められる。 (vi)第6の具体例に関し 甲第3号証には、「[0143] 次に、割線11を有する面にも印刷する印刷機の第6の具体例が、図32~図34を参酌して、以下に説明されている。尚、本具体例の錠剤1の表面は、図32~図34に示すように、一方側(図34では上側)を向いた面である第1の面101と、他方側(図34では下側)を向いた面である第2の面102と、第1の面101と第2の面102との周縁同士を接続する円筒状の周面103と、によって構成されている。また、本具体例の錠剤1では、割線11が第1の面101に設けられている。 [0144] かかる印刷機において、錠剤1が割線11の設けられた第1の面101を下方に向けて第1の搬送部24によって搬送されている場合には、下方印刷装置45と上方印刷装置55とが錠剤1の各面101、102に対して以下の通りに印刷する。 [0145] 下方印刷装置45は、図32及び図34に示すように、第1の面101において、割線11に対して一方側・・・の第1領域111に第1の符号121を印刷すると共に、他方側・・・の第2領域112に第2の符号122を印刷する。この第2の符号122は、第1の符号121と異なる符合である。また、上方印刷装置55は、図33及び図34に示すように、第2の面102において、第1領域111と対応する第3領域・・・113に第2の符号122を印刷すると共に、第2領域112と対応する第4領域・・・114に第1の符号121を印刷する。 [0146] 一方、錠剤1が割線11のない第2の面102を下方に向けて第1の搬送部24によって搬送されている場合には、下方印刷装置45と上方印刷装置55が錠剤1の各面101、102に対して以下の通りに印刷する。 [0147] 下方印刷装置45は、第2の面102において、第3領域113に第1の符号121を印刷すると共に第4領域114に第2の符号122を印刷する。また、上方印刷装置55は、第1の面101において、第1の領域111に第2の符号122を印刷すると共に第2領域に第1の符号121を印刷する。 [0148] かかる構成によれば、当該印刷機によって印刷された錠剤1は、割線11の位置において分割されたときにいずれの分割片においても第1の符号121と第2の符号122との両符号がそれぞれ印刷されている状態となる。」と記載されている。 したがって、甲第3号証には、第6の具体例に関して「割線が刻設された錠剤に対する印刷処理を、(あ)割線の設けられた第1の面を下方に向けて第1の搬送部によって搬送されている場合には、下方印刷装置は、第1の面において、割線に対して一方側の第1領域に第1の符号、他方側の第2領域に第2の符号を印刷すると共に、上方印刷装置は、第2の面において、第1領域と対応する第3領域に第2の符号、第2領域と対応する第4領域に第1の符号を印刷し、(い)錠剤1が割線のない第2の面を下方に向けて第1の搬送部によって搬送されている場合には、下方印刷装置は、第2の面において、第3領域に第1の符号、第4領域に第2の符号を印刷すると共に、上方印刷装置は、第1の面において、第1の領域に第2の符号、第2領域に第1の符号を印刷する処理とすること」が記載されていると認められる。 (4-3)したがって、甲第3号証には、錠剤1の割線11を有する面に印刷する印刷機について、 (i)具体例1に係る「割線が刻設された錠剤に対する印刷処理を、当該錠剤の印刷する側の面に撮像装置を設けることにより、当該錠剤の印刷する側の面に割線が有る場合、印刷情報を当該錠剤の割線を基準として印刷し、一方、当該錠剤の印刷する側の面に割線が無い場合、印刷情報を当該錠剤の割線を基準とせずに印刷する処理とすること。」(以下、「具体例1に係る技術事項」という。)と、 (ii)具体例2~5に係る「割線が刻設された錠剤に対する印刷処理を、錠剤の搬送部又は搬入装置に割線位置揃え装置を設けることにより当該錠剤の割線を所定の位置とし、その後当該錠剤に印刷情報を印刷することにより、当該錠剤の印刷を割線を基準とする処理とすること。」(以下、「具体例2~5に係る技術事項」という。)と (iii )具体例6に係る「割線が刻設された錠剤に対する印刷処理を、(あ)割線の設けられた第1の面を下方に向けて第1の搬送部によって搬送されている場合には、下方印刷装置は、第1の面において、割線に対して一方側の第1領域に第1の符号、他方側の第2領域に第2の符号を印刷すると共に、上方印刷装置は、第2の面において、第1領域と対応する第3領域に第2の符号、第2領域と対応する第4領域に第1の符号を印刷し、(い)錠剤1が割線のない第2の面を下方に向けて第1の搬送部によって搬送されている場合には、下方印刷装置は、第2の面において、第3領域に第1の符号、第4領域に第2の符号を印刷すると共に、上方印刷装置は、第1の面において、第1の領域に第2の符号、第2領域に第1の符号を印刷する処理とすること」(以下、「具体例6に係る技術事項」という。) が記載されている。 (4-4)次に、これらの技術事項を甲第1号証発明に適用することについて検討する。 具体例1に係る技術事項は、「割線が刻設された錠剤に対する印刷処理を、当該錠剤の印刷する側の面に撮像装置を設けることにより、当該錠剤の印刷する側の面に割線が有る場合、印刷情報を当該錠剤の割線を基準として印刷し、一方、当該錠剤の印刷する側の面に割線が無い場合、印刷情報を当該錠剤の割線を基準とせずに印刷する処理とすること」であるから、錠剤の印刷について、割線が有る側の面には割線を基準として印刷し、割線が無い側の面には割線を基準とせずに印刷するものである。したがって、具体例1に係る技術事項を甲第1号証発明に適用することは、甲第1号証発明における、割線が無い面についての錠剤の印刷は、印刷情報を当該錠剤の割線を基準として印刷するものから割線を基準とせずに印刷するものへと変更せざるを得なくなる、すなわち、具体例1に係る技術事項を甲第1号証発明に適用しても、その結果本件発明1とは異なったものとなるので、不適当である。 また、具体例2~5に係る技術事項は、錠剤の割線を基準として印刷するにあたって、予め割線位置揃え装置により錠剤の割線を所定の位置とするものであるから、錠剤の割線の位置を変更することなく錠剤への印刷を行う甲第1号証発明の技術思想とは異なるものであって、具体例2~5に係る技術事項を甲第1号証発明に適用することは、そもそもできないし、仮に適用したとしても割線位置揃え装置を備えることとなるので不適当である。 具体例6に係る技術事項は、割線が刻設された錠剤について、割線が有る側の面を下方に向けて搬送されている場合に、割線が有る側と無い側との両面に、割線を基準として印刷するものとであるが、具体例6には、その印刷をどのような印刷機を用いて行うかについての記載はない。そして、その印刷機が、仮に、具体例1に係る技術事項の印刷機であるとしてみると、上記したとおり具体例1に係る技術事項は割線が無い側の面には割線を基準とせずに印刷するものであるから、具体例6に係る技術事項を実現することができないことは明らかである。また、具体例2~5に係る技術事項の印刷機であるとしてみると、上記したとおり、具体例2~5に係る技術事項は、錠剤の割線を基準として印刷するにあたって、予め割線位置揃え装置により錠剤の割線を所定の位置とするものであるから、そのような印刷機による具体例6に係る技術事項は、甲第1号証発明に適用することができず、仮に適用したとしても不適当といわざるを得ない。 以上のとおりであるから、具体例1に係る技術事項、具体例2~5に係る技術事項、及び、具体例6に係る技術事項のいずれも、甲第1号証発明に適用することができないものである。 (4-5)以上のとおりであるから、特許異議申立人の上記主張は理由がない。 V むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項1、3及び4に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件請求項1、3及び4に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 さらに、請求項2に係る特許は、上記のとおり、訂正により削除された。これにより、特許異議申立人による特許異議の申立てについて、請求項2に係る申立ては、申立ての対象が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。 よって、結論のとおり決定する。

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2018-700902

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