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特許訂正審判

2018-390124

転がり軸受

審判番号
2018-390124
法域
特許
審判種別
訂正審判(訂正の審決)
出願番号
特願2001-094258外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2018年08月29日
審決日
2018年11月06日
公報発行日
2019年02月22日
結論
訂正認容
当事者
審判長/審判官
分類
P141 .851-Y (F16C) / P141 .853-Y (F16C) / P141 .854-Y (F16C) / P141 .855-Y (F16C) / P141 .856-Y (F16C)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法126条1項3号特許法126条5項特許法126条7項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第36条第4項、特許法第126条第7項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特許第3918446号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 特許第3918446号の明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本件訂正審判の請求に係る特許第3918446号(以下、「本件特許」という。)は、平成13年3月28日に出願され、平成19年2月23日に特許権の設定登録がされ、平成30年8月29日に本件訂正審判請求がされた。 第2 請求の趣旨及び訂正の内容 本件訂正審判の請求の趣旨は、審判請求書の請求の趣旨に記載されるとおり、特許第3918446号の明細書を、本件審判請求書に添付した訂正明細書のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものであって、その内容は次のとおりである。(審決注:下線部分が訂正箇所である。) 1 訂正事項1 特許請求の範囲の【請求項1】の「内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に転動自在に配設された複数の転動体と、前記内輪と前記外輪との間に形成され前記転動体が内設された空隙部内に充填された導電性グリースと、を備える転がり軸受において、前記導電性グリースは、1~10wt%のカーボンブラックと、5~20wt%の増ちょう剤と、0.1~10wt%の正リン酸エステル又は亜リン酸エステルと、を含有するとともに、前記内輪の軌道面,前記外輪の軌道面,及び前記転動体の転動面に形成された酸化膜の厚さが100nm以下であることを特徴とする転がり軸受」との記載を、 「内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に転動自在に配設された複数の転動体と、前記内輪と前記外輪との間に形成され前記転動体が内設された空隙部内に充填された導電性グリースと、を備える転がり軸受において、前記導電性グリースは、1~10wt%のカーボンブラックと、5~20wt%の増ちょう剤と、5~10wt%の正リン酸エステル又は亜リン酸エステルと、を含有するとともに、前記内輪の軌道面,前記外輪の軌道面,及び前記転動体の転動面に形成された酸化膜の厚さが100nm以下であることを特徴とする転がり軸受」に訂正する(請求項1を直接的に引用する請求項2についても同様に訂正する。)。 2 訂正事項2 特許請求の範囲の【請求項2】の「前記カーボンブラックと前記増ちょう剤との総量が5.1~20.1wt%であることを特徴とする請求項1に記載の転がり軸受。」との記載を、 「前記カーボンブラックと前記増ちょう剤との総量が6~20.1wt%であることを特徴とする請求項1に記載の転がり軸受。」に訂正する。 3 訂正事項3 明細書の段落【0011】の「0.1~10wt%の正リン酸エステル又は亜リン酸エステル」との記載を、 「5~10wt%の正リン酸エステル又は亜リン酸エステル」に訂正する。 4 訂正事項4 明細書の段落【0015】の「導電性グリースの潤滑性及び流動性から、前記増ちょう剤と前記導電性付与添加剤との総量は5.1~20.1wt%とすることが好ましい」との記載を、 「導電性グリースの潤滑性及び流動性から、前記増ちょう剤と前記導電性付与添加剤との総量は6~20.1wt%とすることが好ましい」に訂正する。 5 訂正事項5 明細書の段落【0036】【表1】中の「実施例2」との記載を、「参考例2」に訂正し、 明細書の段落【0038】の3箇所の「実施例2」との記載を、「参考例2」に訂正する。 第3 当審の判断 1 訂正事項1について (1)訂正の目的について 訂正事項1は、訂正前の特許請求の範囲の請求項1において、導電性グリースに含まれる正リン酸エステル又は亜リン酸エステルの含有量について、「0.1~10wt%」とされていたのを、「5~10wt%」に狭めるものであるから、当該訂正事項は、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (2)願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて 願書に添付した明細書(以下、「本件特許明細書」という。)の、段落【0036】【表1】の実施例1には、封入するグリースとして、カーボンブラックを「5.0wt%」、増ちょう剤を「7.0wt%」、摩耗防止添加剤である亜リン酸エステルを「5.0wt%」含有したものが記載され、 また、願書に添付した図面の【図5】のグラフには、実施例1の軸受について、摩耗防止添加剤(亜リン酸エステル)の添加量が5~10wt%の範囲では、酸化膜の厚さが100nm以下となっていることが示されている。 そうすると、導電性グリースに含まれる正リン酸エステル又は亜リン酸エステルの含有量について、「5~10wt%」とした点は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものである。 したがって、訂正事項1は、特許法第126条第5項の規定に適合する。 (3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて 前記「(1)」のとおり、訂正事項1は、導電性グリースに含まれる正リン酸エステル又は亜リン酸エステルの含有量について、より狭くするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。 したがって、訂正事項1は、特許法第126条第6項の規定に適合する。 2 訂正事項2について (1)訂正の目的について 前記訂正事項1による訂正後の請求項1においては、「1~10wt%のカーボンブラックと、5~20wt%の増ちょう剤」を特定しているから、カーボンブラックと増ちょう剤との総量の下限は、「6wt%」となる。 これに対して、請求項1を引用する請求項2においては、「前記カーボンブラックと前記増ちょう剤との総量が5.1~20.1wt%」を特定しているから、カーボンブラックと増ちょう剤との総量の下限は、「5.1wt%」となり、引用している請求項1の記載との間で整合していない。 訂正事項2は、請求項2の記載を請求項1の記載に整合させて、カーボンブラックと増ちょう剤との総量の下限を「6wt%」に訂正するものであるから、当該訂正事項は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 また、訂正事項2は、訂正前の特許請求の範囲の請求項2において、カーボンブラックと増ちょう剤との総量について、「5.1~20.1wt%」とされていたのを、「6~20.1wt%」に狭めるものであるから、当該訂正事項は、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものでもある。 (2)願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて 訂正事項2は、実質的に、カーボンブラックと増ちょう剤との総量の下限を「6wt%」に訂正するものであるところ、訂正前の請求項1には、カーボンブラッの含有量範囲は、「1~10wt%」であり、増ちょう剤の含有量範囲は、「5~20wt%」であることが記載されているから、カーボンブラックと増ちょう剤との総量の下限が「6wt%」となることは明らかである。 そうすると、訂正事項2の、カーボンブラックと増ちょう剤との総量の下限を「6wt%」とした点は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものである。 したがって、訂正事項2は、特許法第126条第5項の規定に適合する。 (3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて 前記「(1)」のとおり、訂正事項2は、カーボンブラックと増ちょう剤との総量について、より狭くするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。 したがって、訂正事項2は、特許法第126条第6項の規定に適合する。 3 訂正事項3及び4について (1)訂正の目的について 訂正事項3及び4は、上記訂正事項1及び2に係る特許請求の範囲の訂正に伴って、対応する発明の詳細な説明の記載の整合を図るためにする訂正であるから、当該訂正事項は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 (2)願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて 訂正事項3及び4は、訂正事項1及び2に伴いする訂正であるので、前記「1(2)」及び「2(2)」と同様の理由により、訂正事項3及び4は、特許法第126条第5項の規定に適合する。 (3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて 訂正事項3及び4は、特許請求の範囲の記載との整合を図るために、発明の詳細な説明の記載を訂正するものであるから、特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 したがって、訂正事項3及び4は、特許法第126条第6項の規定に適合する。 4 訂正事項5について (1)訂正の目的について 前記訂正事項1による訂正後の請求項1においては、「5~10wt%の正リン酸エステル又は亜リン酸エステル」を特定している。 これに対して、訂正前の明細書の段落【0036】【表1】の「実施例2」は、摩耗防止添加剤としての正リン酸エステル又は亜リン酸エステルを含んでいないから、特許請求の範囲に対応するものではなく、実施例とはいえない。 訂正事項5は、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るため、明細書の段落【0036】【表1】中に記載の「実施例2」、及び明細書の段落【0038】の3箇所に記載の「実施例2」を、全て「参考例2」に訂正するものであるから、当該訂正事項は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 (2)願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて 訂正事項5は、特許請求の範囲に対応していない例について使用された「実施例2」との表記を、「参考例2」に訂正したにすぎないから、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものである。 したがって、訂正事項5は、特許法第126条第5項の規定に適合する。 (3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて 訂正事項5は、特許請求の範囲の記載との整合を図るために、発明の詳細な説明の記載を訂正するものであるから、特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 したがって、訂正事項5は、特許法第126条第6項の規定に適合する。 5 独立特許要件について (1)訂正後の請求項1について 訂正後の請求項1に係る発明は、訂正事項1により訂正されるものであるが、前記「1(1)」のとおり、訂正事項1は、訂正前の特許請求の範囲の請求項1において、導電性グリースに含まれる正リン酸エステル又は亜リン酸エステルの含有量について、より狭くするものであるから、当該請求項に係る発明について特許要件の適否について見直すべき新たな事情は存在せず、訂正事項1により当該請求項に係る発明が特許法第36条第4項第1項又は第6項(第4号を除く)に規定する要件を満たさなくなるものでもない。 (2)訂正後の請求項2について 訂正後の請求項2に係る発明は、訂正事項1により間接的に訂正されるとともに、訂正事項2により、カーボンブラックと増ちょう剤との総量について、より狭くするものであるが、訂正後の請求項1に係る発明を更に限定したものであるから、当該請求項に係る発明について特許要件の適否について見直すべき新たな事情は存在せず、訂正事項1及び2により特許法第36条第4項第1項又は第6項(第4号を除く)に規定する要件を満たさなくなるものでもない。 (3)小括 以上のことから、訂正後の請求項1及び2に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。 したがって、訂正事項1及び2は、特許法第126条第7項の規定に適合する。 第4 まとめ 以上のとおり、本件訂正審判に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項から第7項までの規定に適合する。 よって、結論のとおり審決する。

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2018-390124

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