特許訂正審判
2019-390117
軸受装置
- 審判番号
- 2019-390117
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2012-181083
- 登録番号
- 特許第6035996号(P6035996)
- 請求日
- 2019年11月22日
- 審決日
- 2020年01月20日
- 公報発行日
- 2020年04月24日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】日本精工 株式会社
- 【請求人代理人】松山 美奈子
- 審判長/審判官
- 審判長 平田 信勝
- 審判官 小関 峰夫
- 審判官 井上 信
- 分類
- P141 .851-Y (F16C) / P141 .853-Y (F16C) / P141 .854-Y (F16C) / P141 .855-Y (F16C) / P141 .856-Y (F16C) / P141 .857-Y (F16C)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第36条第4項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第6035996号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第6035996号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第6035996号(以下「本件特許」という。)は、平成24年8月17日に出願され、平成28年11月11日に特許権の設定登録がされ、令和1年11月22日に本件訂正審判が請求されたものである。
第2 請求の趣旨及び訂正の内容
本件訂正審判の請求の趣旨は、審判請求書の請求の趣旨に記載されるとおり、特許第6035996号の明細書及び特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付した訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものであって、その内容は次のとおりである(審決注:下線部分が訂正箇所である。)。
1 訂正事項1
特許請求の範囲の【請求項1】を削除する。
2 訂正事項2
特許請求の範囲の【請求項2】を他の請求項の記載を引用しない形へと書き換え、下記のように訂正する(請求項2を直接的又は間接的に引用する請求項3~6においても同様に訂正する。)。
「【請求項2】
回転軸と、円筒状のハウジングと、該ハウジングに該回転軸を回転可能に支持する軸受と、を備えた軸受装置であって、
前記ハウジングは、円筒外周部に軸方向に延びる複数の外周フィンと、上面部に径方向に放射状に延びる複数の上面フィンと、を有し、
前記回転軸は、前記ハウジングの上面部と対向するようにファンを有し、
前記ファンによって発生した隣り合う前記上面フィンの間を通る空気は、隣り合う前記外周フィンの間に導かれるように構成され、
前記ハウジングの外周部には、隣り合う前記外周フィンの間に導かれた空気の拡散を抑制するカバー部材が設けられ、
前記カバー部材は、内周部から内径側に延びる円環部を有し、
前記上面フィンは、上面が前記回転軸と直交する方向に延びる水平面をなしており、
前記円環部と前記上面フィンの前記上面とが接触しており、
前記外周フィンの外周面と前記カバー部材の内周面とが接触していることを特徴とする軸受装置。」
3 訂正事項3
特許請求の範囲の【請求項3】の「請求項1又は2」との記載を、
「請求項2」に訂正する(請求項3を直接的又は間接的に引用する請求項4~6においても同様に訂正する。)。
4 訂正事項4
特許請求の範囲の【請求項4】の「請求項1~3のいずれか1項」との記載を、
「請求項2又は3のいずれか1項」に訂正する(請求項4を直接的又は間接的に引用する請求項5及び6においても同様に訂正する。)。
5 訂正事項5
特許請求の範囲の【請求項5】の「請求項1~4のいずれか1項」との記載を、
「請求項2~4のいずれか1項」に訂正する(請求項5を直接的に引用する請求項6においても同様に訂正する。)。
6 訂正事項6
特許請求の範囲の【請求項6】の「請求項1~5のいずれか1項」との記載を、
「請求項2~5のいずれか1項」に訂正する。
7 訂正事項7
明細書の段落【0017】の【図5】の「本発明に係る軸受装置の第2実施形態の縦断面図である。」との記載を、
「軸受装置の第2参考形態の縦断面図である。」に訂正し、
同段落の【図9】の「第2実施形態の軸受装置の冷却効果を示すグラフである。」との記載を、
「第2参考形態の軸受装置の冷却効果を示すグラフである。」に訂正する。
8 訂正事項8
明細書の段落【0042】の「(第2実施形態) 次に、図5を参照して、本発明に係る軸受装置の第2実施形態について説明する。本実施形態」との記載を、
「(第2参考形態) 次に、図5を参照して、軸受装置の第2参考形態について説明する。本参考形態」に訂正する。
9 訂正事項9
明細書の段落【0049】の「試験2は、第1実施形態の軸受装置10からカバー部材15を取り外した軸受装置を想定した実施例であり、試験3が上記した第1実施形態の軸受装置10を想定した実施例であり、試験4が第2実施形態の軸受装置10Aを想定した実施例である。」との記載を、
「試験2は、第1実施形態の軸受装置10からカバー部材15を取り外した軸受装置を想定した参考例であり、試験3が上記した第1実施形態の軸受装置10を想定した実施例であり、試験4が第2参考形態の軸受装置10Aを想定した参考例である。」に訂正する。
10 訂正事項10
明細書の段落【0058】の「試験2は、第1実施形態の軸受装置10からカバー部材15を取り外した軸受装置を想定した実施例」との記載を、
「試験2は、第1実施形態の軸受装置10からカバー部材15を取り外した軸受装置を想定した参考例」に訂正する。
11 訂正事項11
明細書の段落【0061】の「例えば、上記実施形態では、ハウジング11の外周部にカバー部材15を配設したが、必ずしもカバー部材15を配設する必要はない。」との記載を削除する。
第3 当審の判断
1 訂正事項1について
(1)訂正の目的について
訂正事項1は、特許請求の範囲の請求項1を削除するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。
(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて
訂正事項1は、特許請求の範囲の請求項1を削除するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
訂正事項1は、特許請求の範囲の請求項1を削除するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合する。
2 訂正事項2について
(1)訂正の目的について
訂正事項2は、訂正前の請求項2が請求項1の記載を引用する記載であるところ、その内容を変更することなく当該請求項1の記載を引用しない形へと書き換えるものであって、特許法第126条第1項ただし書第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものである。
(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて
訂正事項2は、何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
訂正事項2は、何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合する。
3 訂正事項3~6について
(1)訂正の目的について
訂正前の請求項3~6は請求項1の記載を引用する記載であるところ、訂正事項3~6は、訂正事項1(請求項1の削除)に伴って、当該請求項3~6の記載を請求項1を引用しない形へと書き換えるものであるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。
また、訂正事項1により請求項1を削除したため、請求項1を引用する訂正前の請求項3~6の記載は不明瞭となるところ、訂正事項3~6は、訂正事項1により生じる不明瞭な記載を是正するために、訂正後の請求項3~6が請求項1を引用しない形へと書き換えたものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものでもある。
(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて
訂正事項3~6は、訂正事項1により削除した請求項1を引用しないことを明記する訂正であるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
訂正事項3~6は、訂正事項1により削除した請求項1を引用しないことを明記する訂正であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合する。
4 訂正事項7~11について
(1)訂正の目的について
訂正前の明細書の段落【0017】の【図5】及び【図9】に記載の「第2実施形態」、段落【0042】に記載の「(第2実施形態)」、「本発明に係る軸受装置の第2実施形態」及び「本実施形態」、並びに段落【0049】に記載の「第2実施形態の軸受装置10Aを想定した実施例」は、外周フィンの外周面とカバー部材の内周面との間に隙間が設けられている軸受装置に関するものである。
また、訂正前の明細書の段落【0049】に記載の「第1実施形態の軸受装置10からカバー部材15を取り外した軸受装置を想定した実施例」、及び段落【0058】に記載の「第1実施形態の軸受装置10からカバー部材15を取り外した軸受装置を想定した実施例」は、カバー部材を有していない軸受装置を想定した試験2に関するものである。
更に、訂正前の明細書の段落【0061】に記載の「例えば、上記実施形態では、ハウジング11の外周部にカバー部材15を配設したが、必ずしもカバー部材15を配設する必要はない。」は、カバー部材が任意構成要素と解釈しうる態様に関する記載である。
ところで、上記訂正事項1及び2により、本件特許に係る発明の軸受装置は、外周フィンの外周面とカバー部材とが接触していることが発明特定事項となる。
そうすると、訂正前の明細書の段落【0017】の【図5】及び【図9】に記載の「第2実施形態」、段落【0042】に記載の「(第2実施形態)」、「本発明に係る軸受装置の第2実施形態」及び「本実施形態」、段落【0049】に記載の「第1実施形態の軸受装置10からカバー部材15を取り外した軸受装置を想定した実施例」及び「第2実施形態の軸受装置10Aを想定した実施例」、段落【0058】に記載の「第1実施形態の軸受装置10からカバー部材15を取り外した軸受装置を想定した実施例」、並びに段落【0061】に記載の「例えば、上記実施形態では、ハウジング11の外周部にカバー部材15を配設したが、必ずしもカバー部材15を配設する必要はない。」は、訂正後の特許請求の範囲の記載との関係で不明瞭となる。
そこで、訂正事項7~11は、発明の詳細な説明の記載を訂正後の特許請求の範囲に整合させるものであり、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて
訂正事項7~11は、発明の詳細な説明の記載を訂正後の特許請求の範囲に整合させるために、訂正後の特許請求の範囲に含まれなくなる「実施形態」及び「実施例」を、それぞれ「参考形態」及び「参考例」とするとともに、訂正後の特許請求の範囲に含まれなくなると解釈しうる態様についての記載を削除するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
訂正事項7~11は、上記「(2)」に示した理由と同じ理由から、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合する。
5 独立特許要件について
訂正事項1、及び3~6は、「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであるところ、訂正事項3~6は訂正事項1による請求項1の削除に伴う訂正である。
そして、訂正事項3~6により訂正される訂正後の請求項3~6に係る発明は、訂正前の請求項2に係る発明に等しい訂正後の請求項2に係る発明を更に限定したものであるから、特許要件の適否について見直すべき新たな事情は存在せず、また、訂正事項3~6により特許法第36条第4項第1項又は第6項(第4号を除く)に規定する要件を満たさなくなる理由も発見しない。
よって、特許法第126条第7項の規定に適合する。
第4 まとめ
以上のとおり、本件訂正審判に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1、3及び4号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項から第7項までの規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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