特許訂正審判
2017-390129
車輪支持用転がり軸受装置
- 審判番号
- 2017-390129
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2007-066867外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2017年11月24日
- 審決日
- 2018年03月07日
- 公報発行日
- 2018年06月29日
- 結論
- 訂正認容
- 分類
- P141 .851-Y (F16C) / P141 .853-Y (F16C) / P141 .854-Y (F16C) / P141 .855-Y (F16C) / P141 .856-Y (F16C)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法126条1項3号特許法126条5項特許法126条7項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項、特許法第131条の2、特許法第36条第4項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第5050587号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第5050587号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第5050587号は、平成19年3月15日に出願され、その請求項1~3に係る発明は、平成24年8月3日に特許権の設定登録がされたものであって、平成29年11月24日に本件訂正審判請求がされ、その後、同年12月28日付けで訂正拒絶理由が通知され、その指定期間内である平成30年2月5日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。
第2 平成30年2月5日付け手続補正書による訂正審判の審判請求書の補正、及びその適否
1 訂正審判の審判請求書の補正
平成30年2月5日付け手続補正書の補正の内容のうち、訂正の要旨に関する補正は、以下のとおりである。
(1)補正事項1
平成29年11月24日付け審判請求書の訂正事項1の「(請求項2を直接的に引用する請求項3についても同様に訂正する)」との記載を削除する。
(2)補正事項2
訂正事項4として、「特許請求の範囲の請求項3を削除する。」を追加する。
(3)補正事項3
訂正事項5として、「明細書の段落【0013】の『さらに、本発明に係る請求項3の車輪支持用転がり軸受装置は、請求項1又は請求項2に記載の車輪支持用転がり軸受装置において、前記ハブホイール及び前記外輪は焼入れが施されていない非焼入れ部を有しており、前記非焼入れ部の硬さは、前記冷間鍛造での加工硬化によりHv200以上350以下とされていることを特徴とする。非焼入れ部の硬さがHv200未満であると、ハブホイールや外輪の疲労強度が不十分となるおそれがある。一方、Hv350超過であると、衝撃的な荷重が負荷された場合に破損するおそれがある。』との記載を削除する。」を追加する。
(4)補正事項4
訂正事項6として、「明細書の段落【0032】の『実施例3』を『参考例3』に訂正する。」を追加する(下線は特許権者が付与。以下同様。)。
2 補正の適否
平成29年11月24日付け訂正審判の審判請求書に記載の訂正事項1では、特許請求の範囲の請求項2を訂正するとともに、請求項2を直接的に引用する請求項3についても同様に訂正することを請求していた。
そこで、補正事項2は、訂正事項1の一部である請求項3の訂正について、当該請求項3の削除という事項を、訂正事項4として追加するものであり、また、補正事項1は、補正事項2による請求項3の削除にともなって、訂正事項1の記載を修正するものであり、更に、補正事項3及び4は、この請求項3の削除に整合させるために、明細書についての訂正事項を追加するものである。
ところで、特許法第131条の2の趣旨は、審理対象の拡張変更による審理遅延を防止することと解されるところ、上記補正事項1~4による補正は、審理の対象としての請求項3がなくなることにすぎず、審理遅延を生じさせるものではない。
したがって、当該補正は、請求書の要旨を変更するものとはせず、当該補正を認める。
第3 請求の要旨
本件訂正審判の請求の要旨は、審判請求書の請求の趣旨に記載されるとおり、特許第5050587号の明細書、及び特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付した訂正明細書、及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものであって、その内容は次のとおりである(以下、「本件訂正」という。)。
1 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項2の「球状化セメンタイトの最大粒径が1μm以上7μm以下」との記載を、「球状化セメンタイトの最大粒径が1.1μm」に訂正する。
2 訂正事項2
明細書の段落【0009】の「球状化セメンタイトの最大粒径が1μm以上7μm以下」との記載を、「球状化セメンタイトの最大粒径が1.1μm」に訂正する。
3 訂正事項3
明細書の段落【0027】の表1の「実施例2~4」を、「参考例2~4」に訂正する。
4 訂正事項4
特許請求の範囲の請求項3を削除する。
5 訂正事項5
明細書の段落【0013】の「さらに、本発明に係る請求項3の車輪支持用転がり軸受装置は、請求項1又は請求項2に記載の車輪支持用転がり軸受装置において、前記ハブホイール及び前記外輪は焼入れが施されていない非焼入れ部を有しており、前記非焼入れ部の硬さは、前記冷間鍛造での加工硬化によりHv200以上350以下とされていることを特徴とする。非焼入れ部の硬さがHv200未満であると、ハブホイールや外輪の疲労強度が不十分となるおそれがある。一方、Hv350超過であると、衝撃的な荷重が負荷された場合に破損するおそれがある。」との記載を削除する。
6 訂正事項6
明細書の段落【0032】の「実施例3」を「参考例3」に訂正する。
第4 当審の判断
1 訂正事項1について
(1)訂正の目的について
訂正事項1は、訂正前の特許請求の範囲の請求項2において、「球状化セメンタイトの最大粒径」の数値範囲について、「1μm以上7μm以下」と記載されているのを、「1.1μm」に狭めるものであるから、当該訂正事項は、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて
願書に添付した明細書、特許請求の範囲及び図面(以下、「本件特許明細書等」という。)の段落【0027】の表1には、実施例1として、球状化セメンタイトの最大粒径が1.1μmの場合の割れ発生率が0%であり、良好であったことが示されているから、訂正事項1の「球状化セメンタイトの最大粒径が1.1μm」との事項は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内のものである。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
前記「(1)」のとおり、訂正事項1は、「球状化セメンタイトの最大粒径」の数値範囲について、より狭くするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第6項の規定に適合する。
(4)独立特許要件について
訂正事項1は、前記「(1)」のとおり、「球状化セメンタイトの最大粒径」の数値範囲について、より狭くするものであるから、当該請求項に係る発明について特許要件の適否について見直すべき新たな事情は存在せず、訂正事項1により当該請求項に係る発明が特許法第36条第4項第1項又は第6項(第4号を除く)に規定する要件を満たさなくなるものでもない。
そして、訂正後の請求項2に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
2 訂正事項4について
訂正事項4は、請求項3を削除するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当し、また、特許法第126条第5項、第6項の規定に適合する。
なお、訂正事項4は、請求項を削除する訂正であるから、特許法第126条第7項に規定する独立特許要件についての判断を要しない。
3 訂正事項2、3、5及び6について
(1)訂正の目的について
訂正事項2、3、5及び6は、上記訂正事項1及び4に係る訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合を図るための訂正である、
したがって、当該訂正事項は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて
前記「1(2)」と同様の理由により、訂正事項2、3、5及び6は、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
訂正事項2、3、5及び6は、特許請求の範囲の記載との整合を図るために、明細書の記載を訂正するものであるから、特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項2及び3は、特許法第126条第6項の規定に適合する。
4 当審が通知した訂正拒絶理由について
当審では、平成30年2月5日付けの手続補正書による補正の、その補正前の訂正請求のうち、訂正事項3は、訂正事項1に係る訂正に伴って生じる発明の詳細な説明中の明瞭でない記載以外の事項を含むものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものとはいえず、また、特許請求の範囲の減縮、誤記又は誤訳の訂正、又は他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることの、いずれかを目的とするものともいえないから、特許法第126条第1項ただし書各号のいずれにも該当しないと認められるので、訂正事項3を含む本件訂正は不適法なものであり、これを認めることはできない旨を、平成29年12月28日付けで通知した。
しかし、前記「第2」に記載したように、平成30年2月5日付けの手続補正書の補正事項1~4によって、訂正事項3は、訂正事項4に係る訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合を図るための訂正となり、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものとなった。
その結果、この訂正拒絶理由は解消した。
第5 まとめ
以上のとおり、本件訂正審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項から第7項までの規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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