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特許訂正審判

2018-390063

動画像符号化装置、動画像復号装置、動画像符号化・復号システム、動画像符号化方法および動画像復号方法

審判番号
2018-390063
法域
特許
審判種別
訂正審判(訂正の審決)
出願番号
特願2016-004964外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2018年03月29日
審決日
2018年06月11日
公報発行日
2018年09月28日
結論
訂正認容
審判長/審判官
分類
P141 .853-Y (H04N) / P141 .852-Y (H04N)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法126条1項3号特許法126条5項特許法126条6項特許法126条7項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第126条第1項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特許第6097415号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 特許第6097415号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。

理由

【理 由】 第1 経緯 本件特許第6097415号に係る発明についての出願は、2010年(平成22年)10月20日(優先権主張2009年10月20日、日本国、2009年11月13日、日本国)を国際出願日とする特願2011-537276号の一部を平成26年6月5日に新たな特許出願とした特願2014-116865号の一部をさらに、平成28年1月14日に新たな特許出願としたものであって、平成29年2月24日に特許権の設定登録がなされ、その後、平成30年3月29日付けで本件審判が請求され、平成30年5月11日に手続補正(請求の理由)がなされたものである。 第2 請求 1 請求の趣旨 本件審判請求の趣旨は、特許第6097415号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものである。 2 訂正事項 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に「前記周波数変換領域分割部は、前記予測単位構造決定部により分割された一つの予測単位の一部のみと一つの変換対象領域の一部のみが重なり、前記一つの予測単位に隣接した予測単位の一部のみと前記一つの変換対象領域の他の部分のみが重なるように前記一つの変換対象領域を分割するものであり、」と記載されているのを、「前記周波数変換領域分割部は、前記予測単位構造決定部により分割された一つの予測単位の一部のみと一つの変換対象領域の一部のみが重なり、前記一つの予測単位に隣接した予測単位の一部のみと前記一つの変換対象領域の他の部分のみが重なるように前記符号化対象ブロックを分割するものであり、」に訂正する。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項2に「前記局所復号画像生成部は、一つの予測単位の一部のみと一つの変換対象領域の一部のみが重なり、前記一つの予測単位に隣接した予測単位の一部のみと前記一つの変換対象領域の他の部分のみが重なるように前記一つの変換対象領域を分割するものであり、」と記載されているのを、「前記局所復号画像生成部は、一つの予測単位の一部のみと一つの変換対象領域の一部のみが重なり、前記一つの予測単位に隣接した予測単位の一部のみと前記一つの変換対象領域の他の部分のみが重なるように前記復号対象ブロックを分割するものであり、」に訂正する(以下「訂正事項2-1」という。)。 また、特許請求の範囲の請求項2に「復号対象ブロックを分割した変換対象領域であって、少なくとも一つの変換対象領域が予測画像を生成する際の単位領域である予測単位をまたぐ変換対象領域を含む変換対象領域毎に、当該変換対象領域に応じた逆量子化および逆周波数変換を適用した局所復号画像を生成する局所復号画像生成部と、」と記載されているのを、「復号対象ブロックを分割した変換対象領域であって、少なくとも一つの変換対象領域が予測画像を生成する際の単位領域である予測単位をまたぐ変換対象領域を含む変換対象領域毎に、当該変換対象領域に応じた逆量子化および逆周波数変換を適用して局所復号画像を生成する局所復号画像生成部と、」に訂正する(以下「訂正事項2-2」という。)。 (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項3に「前記周波数変換領域分割ステップで、前記予測単位構造決定ステップで分割された一つの予測単位の一部のみと一つの変換対象領域の一部のみが重なり、前記一つの予測単位に隣接した予測単位の一部のみと前記一つの変換対象領域の他の部分のみが重なるように前記一つの変換対象領域を分割するものであり、」と記載されているのを、「前記周波数変換領域分割ステップで、前記予測単位構造決定ステップで分割された一つの予測単位の一部のみと一つの変換対象領域の一部のみが重なり、前記一つの予測単位に隣接した予測単位の一部のみと前記一つの変換対象領域の他の部分のみが重なるように前記符号化対象ブロックを分割するものであり、」に訂正する。 (4)訂正事項4 特許請求の範囲の請求項4に「前記局所復号画像生成ステップで、一つの予測単位の一部のみと一つの変換対象領域の一部のみが重なり、前記一つの予測単位に隣接した予測単位の一部のみと前記一つの変換対象領域の他の部分のみが重なるように前記一つの変換対象領域を分割するものであり、」と記載されているのを、「前記局所復号画像生成ステップで、一つの予測単位の一部のみと一つの変換対象領域の一部のみが重なり、前記一つの予測単位に隣接した予測単位の一部のみと前記一つの変換対象領域の他の部分のみが重なるように前記復号対象ブロックを分割するものであり、」に訂正する(以下「訂正事項4-1」という。)。 また、特許請求の範囲の請求項4に「前記動画像復号装置が、復号対象ブロックを分割した変換対象領域であって、少なくとも一つの変換対象領域が予測画像を生成する際の単位領域である予測単位をまたぐ変換対象領域を含む変換対象領域毎に、当該変換対象領域に応じた逆量子化および逆周波数変換を適用した局所復号画像を生成する局所復号画像生成ステップと、」と記載されているものを、「前記動画像復号装置が、復号対象ブロックを分割した変換対象領域であって、少なくとも一つの変換対象領域が予測画像を生成する際の単位領域である予測単位をまたぐ変換対象領域を含む変換対象領域毎に、当該変換対象領域に応じた逆量子化および逆周波数変換を適用して局所復号画像を生成する局所復号画像生成ステップと、」に訂正する(以下「訂正事項4-2」という。)。 第3 当審の判断 1 訂正事項1 (1)分説 訂正事項1を判断するに当たり、訂正前の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下「訂正前発明1」という。)及び訂正後の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下「訂正後発明1」という。)を分説すると次のとおりである。下線は、訂正の箇所である。 1A~1Hは、構成要件を区別するために当審で付与した。訂正前発明1と訂正後発明1の同じ構成要件には同じ記号を付与し、訂正前発明1の構成要件に対応する訂正後の構成要件には、訂正前発明1の構成要件の記号に「’」を付与した。訂正事項2~4も同様である。 (訂正前発明1) 1A 入力動画像のフレームを符号化対象ブロック単位に分割する画像入力部と、 1B 前記符号化対象ブロックをさらに、予測画像を生成する際の単位領域である予測単位に分割する予測単位構造決定部と、 1C 前記符号化対象ブロックを、少なくとも一つの変換対象領域が前記予測単位をまたぐ領域を含む変換対象領域に分割する周波数変換領域分割部と、 1D 前記周波数変換領域分割部が分割した変換対象領域の各々に周波数変換および量子化を適用して量子化された変換係数を生成する変換係数生成部と、 1E 前記変換係数を可変長符号化した符号化データを出力する符号化データ出力部と、 を具備し、 1F 前記周波数変換領域分割部は、前記予測単位構造決定部により分割された一つの予測単位の一部のみと一つの変換対象領域の一部のみが重なり、 前記一つの予測単位に隣接した予測単位の一部のみと前記一つの変換対象領域の他の部分のみが重なるように前記一つの変換対象領域を分割するものであり、 1G 前記分割された一つの予測単位の一部と前記分割された一つの変換対象領域が重なる領域の縦横の大きさが、最小の変換対象領域の縦横の大きさの整数倍であること 1H を特徴とする動画像符号化装置。 (訂正後発明1) 1A 入力動画像のフレームを符号化対象ブロック単位に分割する画像入力部と、 1B 前記符号化対象ブロックをさらに、予測画像を生成する際の単位領域である予測単位に分割する予測単位構造決定部と、 1C 前記符号化対象ブロックを、少なくとも一つの変換対象領域が前記予測単位をまたぐ領域を含む変換対象領域に分割する周波数変換領域分割部と、 1D 前記周波数変換領域分割部が分割した変換対象領域の各々に周波数変換および量子化を適用して量子化された変換係数を生成する変換係数生成部と、 1E 前記変換係数を可変長符号化した符号化データを出力する符号化データ出力部と、を具備し、 1F’前記周波数変換領域分割部は、前記予測単位構造決定部により分割された一つの予測単位の一部のみと一つの変換対象領域の一部のみが重なり、 前記一つの予測単位に隣接した予測単位の一部のみと前記一つの変換対象領域の他の部分のみが重なるように前記符号化対象ブロックを分割するものであり、 1G 前記分割された一つの予測単位の一部と前記分割された一つの変換対象領域が重なる領域の縦横の大きさが、最小の変換対象領域の縦横の大きさの整数倍であること 1H を特徴とする動画像符号化装置。 (2)訂正の目的 ア 構成要件1Cの「周波数変換領域分割部」は、「前記符号化対象ブロックを、少なくとも一つの変換対象領域が前記予測単位をまたぐ領域を含む変換対象領域に分割する」ものである。 一方、構成要件1Fは、「前記周波数変換領域分割部は、・・・前記一つの変換対象領域を分割するものであり」と記載されており、「前記周波数変換領域分割部」が「前記一つの変換対象領域を分割する」ものである。 ここで、「変換対象領域」は、構成要件1Dの「変換係数生成部」が「周波数変換および量子化を適用して量子化された変換係数を生成する」領域であり、このことは、願書に添付された明細書の段落【0076】の「変換対象領域とは、1回の周波数変換により変換係数に変換されるマクロブロック内の領域である」との記載と一致する。すなわち、当該「変換対象領域」は、「分割」されるものではない。また、「周波数変換領域分割部」が「変換対象領域」を分割することは、願書に添付された明細書に記載されていない。 そうすると、構成要件1Fの「前記周波数変換領域分割部は、・・・前記一つの変換対象領域を分割する」の記載は、明瞭でない記載である。 イ 以上によると、「周波数変換領域分割部」は、「前記符号化対象ブロック」を「変換対象領域」に分割する(構成要件1C)ものであって、「変換対象領域」を分割する(構成要件1F)ものではない。 したがって、「前記周波数変換領域分割部」は、「前記予測単位構造決定部により分割された一つの予測単位の一部のみと一つの変換対象領域の一部のみが重なり、前記一つの予測単位に隣接した予測単位の一部のみと前記一つの変換対象領域の他の部分のみが重なるように前記一つの変換対象領域に前記符号化対象ブロックを分割するものであ」るものと認められる。 上記の記載の「前記予測単位構造決定部により分割された一つの予測単位の一部のみと一つの変換対象領域の一部のみが重なり、前記一つの予測単位に隣接した予測単位の一部のみと前記一つの変換対象領域の他の部分のみが重なるように」の部分は、「一つの変換対象領域」の説明であることを勘案すれば、 「前記周波数変換領域分割部は、前記予測単位構造決定部により分割された一つの予測単位の一部のみと一つの変換対象領域の一部のみが重なり、 前記一つの予測単位に隣接した予測単位の一部のみと前記一つの変換対象領域の他の部分のみが重なるように前記一つの変換対象領域を分割するものであり、」を 「前記周波数変換領域分割部は、前記予測単位構造決定部により分割された一つの予測単位の一部のみと一つの変換対象領域の一部のみが重なり、 前記一つの予測単位に隣接した予測単位の一部のみと前記一つの変換対象領域の他の部分のみが重なるように前記符号化対象ブロックを分割するものであり、」 に訂正することは、明瞭でない記載の釈明を目的とするものと認められる。 (3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でないこと 上記(2)のとおりであるから、訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でない。 (4)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 「前記周波数変換領域分割部は、前記予測単位構造決定部により分割された一つの予測単位の一部のみと一つの変換対象領域の一部のみが重なり、 前記一つの予測単位に隣接した予測単位の一部のみと前記一つの変換対象領域の他の部分のみが重なるように前記符号化対象ブロックを分割するものであり、」は、願書に添付した明細書の段落【0076】、【0078】~【0084】、図8、図10、図11に記載されている。 したがって、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。 (5)まとめ 訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書き第3号に掲げる事項を目的とし、同条第5項及び第6項の規定に適合する。 2 訂正事項2 (1)分説 訂正事項2を判断するに当たり、訂正前の特許請求の範囲の請求項2に係る発明(以下「訂正前発明2」という。)及び訂正後の特許請求の範囲の請求項2に係る発明(以下「訂正後発明2」という。)を分説すると次のとおりである。下線は、訂正の箇所である。 (訂正前発明2) 2A 動画像を符号化した符号化データについて、可変長符号の復号を行う可変長符号復号部と、 2B 復号対象ブロックを分割した変換対象領域であって、少なくとも一つの変換対象領域が予測画像を生成する際の単位領域である予測単位をまたぐ変換対象領域を含む変換対象領域毎に、当該変換対象領域に応じた逆量子化および逆周波数変換を適用した局所復号画像を生成する局所復号画像生成部と、 2C 前記局所復号画像を結合して動画像を生成し、出力する動画像出力部と、 を具備し、 2D 前記局所復号画像生成部は、一つの予測単位の一部のみと一つの変換対象領域の一部のみが重なり、 前記一つの予測単位に隣接した予測単位の一部のみと前記一つの変換対象領域の他の部分のみが重なるように前記一つの変換対象領域を分割するものであり、 2E 前記一つの予測単位の一部と前記一つの変換対象領域が重なる領域の縦横の大きさが、最小の変換対象領域の縦横の大きさの整数倍であること 2F を特徴とする動画像復号装置。 (訂正後発明2) 2A 動画像を符号化した符号化データについて、可変長符号の復号を行う可変長符号復号部と、 2B’復号対象ブロックを分割した変換対象領域であって、少なくとも一つの変換対象領域が予測画像を生成する際の単位領域である予測単位をまたぐ変換対象領域を含む変換対象領域毎に、当該変換対象領域に応じた逆量子化および逆周波数変換を適用して局所復号画像を生成する局所復号画像生成部と、 2C 前記局所復号画像を結合して動画像を生成し、出力する動画像出力部と、 を具備し、 2D’前記局所復号画像生成部は、一つの予測単位の一部のみと一つの変換対象領域の一部のみが重なり、 前記一つの予測単位に隣接した予測単位の一部のみと前記一つの変換対象領域の他の部分のみが重なるように前記復号対象ブロックを分割するものであり、 2E 前記一つの予測単位の一部と前記一つの変換対象領域が重なる領域の縦横の大きさが、最小の変換対象領域の縦横の大きさの整数倍であること 2F を特徴とする動画像復号装置。 (2)訂正事項2-1 ア 訂正の目的 (ア)構成要件2Bの「局所復号画像生成部」は、「局所復号画像」を生成するものであって、「変換対象領域毎に、当該変換対象領域に応じた逆量子化および逆周波数変換を適用」することによって、「局所復号画像」を生成するものである。ここで、「変換対象領域」は、「復号対象ブロックを分割した」ものである。 「変換対象領域」は、「局所復号画像」を生成するための領域であって、当該「変換対象領域」は、「分割」されるものではない。また、「局所復号画像生成部」が、「変換対象領域」を分割することは、願書に添付した明細書には記載されていない。 そうすると、構成要件2Dの「前記局所復号画像生成部は、・・・前記一つの変換対象領域を分割する」の記載は、明瞭でない記載である。 (イ)以上によると、「局所復号画像生成部」は、「前記復号対象ブロック」を分割するものであって、「変換対象領域」を分割するものではない。 したがって、「前記局所復号画像生成部」は、「一つの予測単位の一部のみと一つの変換対象領域の一部のみが重なり、前記一つの予測単位に隣接した予測単位の一部のみと前記一つの変換対象領域の他の部分のみが重なるように前記一つの変換対象領域に前記復号対象ブロックを分割するものであ」ると認められる。 上記の記載の「一つの予測単位の一部のみと一つの変換対象領域の一部のみが重なり、前記一つの予測単位に隣接した予測単位の一部のみと前記一つの変換対象領域の他の部分のみが重なるように」の部分は、「一つの変換対象領域」の説明であることを勘案すれば、 「前記局所復号画像生成部は、一つの予測単位の一部のみと一つの変換対象領域の一部のみが重なり、 前記一つの予測単位に隣接した予測単位の一部のみと前記一つの変換対象領域の他の部分のみが重なるように前記一つの変換対象領域を分割するものであり、」を、 「前記局所復号画像生成部は、一つの予測単位の一部のみと一つの変換対象領域の一部のみが重なり、 前記一つの予測単位に隣接した予測単位の一部のみと前記一つの変換対象領域の他の部分のみが重なるように前記復号対象ブロックを分割するものであり、」 に訂正することは、明瞭でない記載の釈明を目的とするものと認められる。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でないこと 上記アのとおりであるから、訂正事項2-1は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でない。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 「前記局所復号画像生成部は、一つの予測単位の一部のみと一つの変換対象領域の一部のみが重なり、 前記一つの予測単位に隣接した予測単位の一部のみと前記一つの変換対象領域の他の部分のみが重なるように前記復号対象ブロックを分割するものであり、」は、願書に添付した明細書の段落【0110】~【0112】、図17に記載されている。 したがって、訂正事項2-1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。 (3)訂正事項2-2 ア 訂正の目的 構成要件2Bの「局所復号画像生成部」は、「局所復号画像」を生成するものであって、「変換対象領域毎に、当該変換対象領域に応じた逆量子化および逆周波数変換を適用」することによって、「局所復号画像」を生成するものであることは、明らかである。 そうすると、「変換対象領域毎に、当該変換対象領域に応じた逆量子化および逆周波数変換を適用した局所復号画像を生成する」は、「変換対象領域毎に、当該変換対象領域に応じた逆量子化および逆周波数変換を適用して局所復号画像を生成する」の誤記である。 したがって、訂正事項2-2は、誤記の訂正を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でないこと 構成要件2B’の「局所復号画像生成部」も、「局所復号画像」を生成するものであって、「変換対象領域毎に、当該変換対象領域に応じた逆量子化および逆周波数変換を適用」することによって、「局所復号画像」を生成するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でない。 ウ 願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 訂正事項2-2は、願書に最初に添付した明細書の段落【0110】~【0112】、【0058】、【0101】に記載されている。 したがって、訂正事項2-2は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。 (4)独立特許要件 訂正事項2-2が誤記の訂正を目的とするものであることは上記(3)アのとおりであるところ、訂正後発明2について、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しない。 したがって、訂正後発明2は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。 (5)まとめ 訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書き第2号及び第3号に掲げる事項を目的とし、同条第5項、第6項及び第7号の規定に適合する。 3 訂正事項3 (1)分説 訂正事項3を判断するに当たり、訂正前の特許請求の範囲の請求項3に係る発明(以下「訂正前発明3」という。)及び訂正後の特許請求の範囲の請求項3に係る発明(以下「訂正後発明3」という。)を分説すると次のとおりである。下線は、訂正の箇所である。 (訂正前発明3) 3A 動画像符号化装置が、入力動画像のフレームを符号化対象ブロック単位に分割する画像入力ステップと、 3B 前記動画像符号化装置が、前記符号化対象ブロックをさらに、予測画像を生成する際の単位領域である予測単位に分割する予測単位構造決定ステップと、 3C 前記動画像符号化装置が、前記符号化対象ブロックを、少なくとも一つの変換対象領域が前記予測単位をまたぐ領域を含む変換対象領域に分割する周波数変換領域分割ステップと、 3D 前記動画像符号化装置が、前記周波数変換領域分割ステップにて分割した変換対象領域の予測残差の各々に周波数変換および量子化を適用して量子化された変換係数を生成する変換係数生成ステップと、 3E 前記動画像符号化装置が、前記変換係数を可変長符号化した符号化データを出力する符号化データ出力ステップと、 を有し、 3F 前記周波数変換領域分割ステップで、前記予測単位構造決定ステップで分割された一つの予測単位の一部のみと一つの変換対象領域の一部のみが重なり、 前記一つの予測単位に隣接した予測単位の一部のみと前記一つの変換対象領域の他の部分のみが重なるように前記一つの変換対象領域を分割するものであり、 3G 前記分割された一つの予測単位の一部と前記分割された一つの変換対象領域が重なる領域の縦横の大きさが、最小の変換対象領域の縦横の大きさの整数倍であること 3H を特徴とする動画像符号化方法。 (訂正後発明3) 3A 動画像符号化装置が、入力動画像のフレームを符号化対象ブロック単位に分割する画像入力ステップと、 3B 前記動画像符号化装置が、前記符号化対象ブロックをさらに、予測画像を生成する際の単位領域である予測単位に分割する予測単位構造決定ステップと、 3C 前記動画像符号化装置が、前記符号化対象ブロックを、少なくとも一つの変換対象領域が前記予測単位をまたぐ領域を含む変換対象領域に分割する周波数変換領域分割ステップと、 3D 前記動画像符号化装置が、前記周波数変換領域分割ステップにて分割した変換対象領域の予測残差の各々に周波数変換および量子化を適用して量子化された変換係数を生成する変換係数生成ステップと、 3E 前記動画像符号化装置が、前記変換係数を可変長符号化した符号化データを出力する符号化データ出力ステップと、 を有し、 3F’前記周波数変換領域分割ステップで、前記予測単位構造決定ステップで分割された一つの予測単位の一部のみと一つの変換対象領域の一部のみが重なり、 前記一つの予測単位に隣接した予測単位の一部のみと前記一つの変換対象領域の他の部分のみが重なるように前記符号化対象ブロックを分割するものであり、 3G 前記分割された一つの予測単位の一部と前記分割された一つの変換対象領域が重なる領域の縦横の大きさが、最小の変換対象領域の縦横の大きさの整数倍であること 3H を特徴とする動画像符号化方法。 (2)訂正の目的 ア 構成要件3Cの「周波数変換領域分割ステップ」は、「前記符号化対象ブロックを、少なくとも一つの変換対象領域が前記予測単位をまたぐ領域を含む変換対象領域に分割する」ものである。 一方、構成要件3Fは、「前記周波数変換領域分割ステップで、・・・前記一つの変換対象領域を分割するものであり」と記載されており、「前記周波数変換領域分割ステップ」で「前記一つの変換対象領域を分割する」ものである。 ここで、「変換対象領域」は、構成要件3Dの「変換係数生成ステップ」が「周波数変換および量子化を適用して量子化された変換係数を生成する」領域であり、このことは、願書に添付された明細書の段落【0076】の「変換対象領域とは、1回の周波数変換により変換係数に変換されるマクロブロック内の領域である」と記載と一致する。すなわち、当該「変換対象領域」は、「分割」されるものではない。また、「周波数変換領域分割ステップ」で「変換対象領域」を分割することは、願書に添付された明細書に記載されていない。 そうすると、構成要件3Fの「前記周波数変換領域分割部は、・・・前記一つの変換対象領域を分割する」の記載は、明瞭でない記載である。 イ 以上によると、「周波数変換領域分割ステップ」は、「前記符号化対象ブロック」を「変換対象領域」に分割する(構成要件3C)ものであって、「変換対象領域」を分割する(構成要件3F)ものではない。 したがって、「前記周波数変換領域分割ステップ」において、「前記予測単位構造決定部により分割された一つの予測単位の一部のみと一つの変換対象領域の一部のみが重なり、前記一つの予測単位に隣接した予測単位の一部のみと前記一つの変換対象領域の他の部分のみが重なるように前記一つの変換対象領域に前記符号化対象ブロックを分割するものであ」るものと認められる。 上記の記載の「前記予測単位構造決定部により分割された一つの予測単位の一部のみと一つの変換対象領域の一部のみが重なり、前記一つの予測単位に隣接した予測単位の一部のみと前記一つの変換対象領域の他の部分のみが重なるように」の部分は、「一つの変換対象領域」の説明であることを勘案すれば、 「前記周波数変換領域分割部は、前記予測単位構造決定部により分割された一つの予測単位の一部のみと一つの変換対象領域の一部のみが重なり、 前記一つの予測単位に隣接した予測単位の一部のみと前記一つの変換対象領域の他の部分のみが重なるように前記一つの変換対象領域を分割するものであり、」を 「前記周波数変換領域分割部は、前記予測単位構造決定部により分割された一つの予測単位の一部のみと一つの変換対象領域の一部のみが重なり、 前記一つの予測単位に隣接した予測単位の一部のみと前記一つの変換対象領域の他の部分のみが重なるように前記符号化対象ブロックを分割するものであり、」 に訂正することは、明瞭でない記載の釈明を目的とするものと認められる。 (3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でないこと 上記(2)のとおりであるから、訂正事項3は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でない。 (4)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 「前記周波数変換領域分割部は、前記予測単位構造決定部により分割された一つの予測単位の一部のみと一つの変換対象領域の一部のみが重なり、 前記一つの予測単位に隣接した予測単位の一部のみと前記一つの変換対象領域の他の部分のみが重なるように前記符号化対象ブロックを分割するものであり、」は、願書に添付した明細書の段落【0076】、【0078】~【0084】、図8、図10、図11に記載されている。 したがって、訂正事項3は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。 (5)まとめ 訂正事項3は、特許法第126条第1項ただし書き第3号に掲げる事項を目的とし、同条第5項及び第6項の規定に適合する。 4 訂正事項4 (1)分説 訂正事項4を判断するに当たり、訂正前の特許請求の範囲の請求項4に係る発明(以下「訂正前発明4」という。)及び訂正後の特許請求の範囲の請求項4に係る発明(以下「訂正後発明4」という。)を分説すると次のとおりである。下線は、訂正の箇所である。 (訂正前発明4) 4A 動画像復号装置が、動画像を符号化した符号化データについて、可変長符号の復号を行う可変長復号ステップと、 4B 前記動画像復号装置が、復号対象ブロックを分割した変換対象領域であって、少なくとも一つの変換対象領域が予測画像を生成する際の単位領域である予測単位をまたぐ変換対象領域を含む変換対象領域毎に、当該変換対象領域に応じた逆量子化および逆周波数変換を適用した局所復号画像を生成する局所復号画像生成ステップと、 4C 前記動画像復号装置が、前記局所復号画像を結合して動画像を生成し、出力する動画像出力ステップと、 を有し、 4D 前記局所復号画像生成ステップで、一つの予測単位の一部のみと一つの変換対象領域の一部のみが重なり、 前記一つの予測単位に隣接した予測単位の一部のみと前記一つの変換対象領域の他の部分のみが重なるように前記一つの変換対象領域を分割するものであり、 4E 前記一つの予測単位の一部と前記一つの変換対象領域が重なる領域の縦横の大きさが、最小の変換対象領域の縦横の大きさの整数倍であること 4F を特徴とする動画像復号方法。 (訂正後発明4) 4A 動画像復号装置が、動画像を符号化した符号化データについて、可変長符号の復号を行う可変長復号ステップと、 4B’前記動画像復号装置が、復号対象ブロックを分割した変換対象領域であって、少なくとも一つの変換対象領域が予測画像を生成する際の単位領域である予測単位をまたぐ変換対象領域を含む変換対象領域毎に、当該変換対象領域に応じた逆量子化および逆周波数変換を適用して局所復号画像を生成する局所復号画像生成ステップと、 4C 前記動画像復号装置が、前記局所復号画像を結合して動画像を生成し、出力する動画像出力ステップと、 を有し、 4D’前記局所復号画像生成ステップで、一つの予測単位の一部のみと一つの変換対象領域の一部のみが重なり、 前記一つの予測単位に隣接した予測単位の一部のみと前記一つの変換対象領域の他の部分のみが重なるように前記復号対象ブロックを分割するものであり、 4E 前記一つの予測単位の一部と前記一つの変換対象領域が重なる領域の縦横の大きさが、最小の変換対象領域の縦横の大きさの整数倍であること 4F を特徴とする動画像復号方法。 (2)訂正事項4-1 ア 訂正の目的 (ア)構成要件4Bの「局所復号画像生成ステップ」は、「局所復号画像」を生成するものであって、「変換対象領域毎に、当該変換対象領域に応じた逆量子化および逆周波数変換を適用」することによって、「局所復号画像」を生成するものである。ここで、「変換対象領域」は、「復号対象ブロックを分割した」ものである。 「変換対象領域」は、「局所復号画像」を生成するための領域であって、当該「変換対象領域」は、「分割」されるものではない。また、「局所復号画像生成ステップ」で、「変換対象領域」を分割することは、願書に添付した明細書には記載されていない。 そうすると、構成要件4Dの「前記局所復号画像生成ステップで、・・・前記一つの変換対象領域を分割する」の記載は、明瞭でない記載である。 (イ)以上によると、「局所復号画像生成部」は、「前記復号対象ブロック」を分割するものであって、「変換対象領域」を分割するものではない。 したがって、「前記局所復号画像生成ステップ」は、「一つの予測単位の一部のみと一つの変換対象領域の一部のみが重なり、前記一つの予測単位に隣接した予測単位の一部のみと前記一つの変換対象領域の他の部分のみが重なるように前記一つの変換対象領域に前記復号対象ブロックを分割するものであ」ると認められる。 上記の記載の「一つの予測単位の一部のみと一つの変換対象領域の一部のみが重なり、前記一つの予測単位に隣接した予測単位の一部のみと前記一つの変換対象領域の他の部分のみが重なるように」の部分は、「一つの変換対象領域」の説明であることを勘案すれば、 「前記局所復号画像生成部は、一つの予測単位の一部のみと一つの変換対象領域の一部のみが重なり、 前記一つの予測単位に隣接した予測単位の一部のみと前記一つの変換対象領域の他の部分のみが重なるように前記一つの変換対象領域を分割するものであり、」を、 「前記局所復号画像生成部は、一つの予測単位の一部のみと一つの変換対象領域の一部のみが重なり、 前記一つの予測単位に隣接した予測単位の一部のみと前記一つの変換対象領域の他の部分のみが重なるように前記復号対象ブロックを分割するものであり、」 に訂正することは、明瞭でない記載の釈明を目的とするものと認められる。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でないこと 上記アのとおりであるから、訂正事項4-1は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でない。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 「前記局所復号画像生成ステップで、一つの予測単位の一部のみと一つの変換対象領域の一部のみが重なり、 前記一つの予測単位に隣接した予測単位の一部のみと前記一つの変換対象領域の他の部分のみが重なるように前記復号対象ブロックを分割するものであり、」は、願書に添付した明細書の段落【0110】~【0112】、図17、【0114】~【0117】、図19に記載されている。 したがって、訂正事項4-1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。 (3)訂正事項4-2 ア 訂正の目的 構成要件4Bの「局所復号画像生成ステップ」は、「局所復号画像」を生成するものであって、「変換対象領域毎に、当該変換対象領域に応じた逆量子化および逆周波数変換を適用」することによって、「局所復号画像」を生成するものであることは、明らかである。 そうすると、「変換対象領域毎に、当該変換対象領域に応じた逆量子化および逆周波数変換を適用した局所復号画像を生成する」は、「変換対象領域毎に、当該変換対象領域に応じた逆量子化および逆周波数変換を適用して局所復号画像を生成する」の誤記である。 したがって、訂正事項4-2は、誤記の訂正を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でないこと 構成要件4B’の「局所復号画像生成ステップ」も、「局所復号画像」を生成するものであって、「変換対象領域毎に、当該変換対象領域に応じた逆量子化および逆周波数変換を適用」することによって、「局所復号画像」を生成するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でない。 ウ 願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 訂正事項4-2は、願書に最初に添付した明細書の段落【0110】~【0112】、【0114】~【0117】、【0058】、【0101】に記載されている。 したがって、訂正事項4-2は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。 (4)独立特許要件 訂正事項4-2が誤記の訂正を目的とするものであることは上記(3)アのとおりであるところ、訂正後発明4について、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しない。 したがって、訂正後発明4は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。 (5)まとめ 訂正事項4は、特許法第126条第1項ただし書き第2号及び第3号に掲げる事項を目的とし、同条第5項、第6項及び第7号の規定に適合する。 第4 むすび 以上、本件審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書き第2号及び第3号に揚げる事項を目的とし、同条第5項、第6項及び第7項の規定に適合する。 よって、結論のとおり審決する。

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2018-390063

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