特許訂正審判
2025-390149
二重接続の並列ランダムアクセス手順のためのMAC層とPHY層との間の通信
- 審判番号
- 2025-390149
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2016-516836
- 登録番号
- 6170244
- 請求日
- 2025年10月22日
- 審決日
- 2025年12月24日
- 公報発行日
- 2026年04月24日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
- 【請求人代理人】青木 篤
- 【請求人代理人】三橋 真二
- 【請求人代理人】河合 章
- 【請求人代理人】南山 知広
- 【請求人代理人】竹本 実
- 審判長/審判官
- 審判長 中木 努
- 審判官 廣川 浩
- 審判官 中元 淳二
- 分類
- P141 .852-Y (H04W) / P141 .853-Y (H04W)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法126条1項3号特許法126条3項特許法126条5項特許法126条6項特許法126条7項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第3項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第6170244号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第6170244号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-6〕、〔7-11〕について訂正することを認める。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第6170244号(以下、「本件特許」という。)は、2014年(平成26年)9月4日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理 2013年9月24日 アメリカ合衆国(US))を国際出願日とする特願2016-516836号(以下、「本件特許出願」という。)の請求項1から11に係る発明について、平成29年7月7日に特許権の設定登録がなされたものである。
そして、令和7年10月22日に本件訂正審判の請求がされた。
第2 請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第6170244号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1から6、7から11について訂正することを認める、との審決を求める、というものである。
第3 訂正事項
本件訂正審判の請求に係る訂正の内容は、以下の訂正事項1から3のとおりである。(「第3」において、下線は訂正箇所を示す。)
1 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に
「前記端末の第1MAC(Medium Access Control layer)エンティティが、前記端末の第1PHY(Physical layer)エンティティへランダムアクセス(Random Access)プリアンブル(Preamble)を指示するステップ」と記載されているのを、
「前記端末の第1MAC(Medium Access Control layer)エンティティが、前記端末の第1PHY(Physical layer)エンティティへランダムアクセス(Random Access)プリアンブル(Preamble)伝送を指示するステップ」に訂正する。
(請求項1の記載を引用する請求項2から6も同様に訂正する。)
2 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項3に
「前記端末の第2MACエンティティの他のランダムアクセス手順が前記第1MACテンティティのランダムアクセス手順と重複する時、前記ランダムアクセスプリアンブル伝送を中断するステップをさらに含み、
前記ランダムアクセス手順が中断した場合、前記第1PHYエンティティは前記第1MACテンティティへ前記指示を送信する」と記載されているのを、
「前記端末の第2MACエンティティの他のランダムアクセス手順が前記第1MACエンティティのランダムアクセス手順と重複する時、前記ランダムアクセスプリアンブル伝送を中断するステップをさらに含み、
前記ランダムアクセスプリアンブル伝送が中断した場合、前記第1PHYエンティティは前記第1MACエンティティへ前記指示を送信する」に訂正する。
3 訂正事項3
特許請求の範囲の請求項7に
「前記指示が前記第1PHYエンティティから受信されない場合」と記載されているのを、
「前記指示が前記第1PHYエンティティから受信される場合」に訂正する。
(請求項7の記載を引用する請求項8から11も同様に訂正する。)
第4 当審の判断
1 請求項1から6について
(1)一群の請求項について
本件訂正前の請求項2から6は、本件訂正前の請求項1の記載を引用するものであるから、本件訂正後の請求項2から6は、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。また、本件訂正前の請求項1を直接的又は間接的に引用する請求項は、本件訂正前の請求項2から6以外に存在しない。
そうすると、本件訂正前の請求項1から6に対応する本件訂正後の請求項1から6は、特許法第126条第3項に規定する一群の請求項である。
したがって、請求項1から6に係る本件訂正審判の訂正は、一群の請求項ごとに請求するものであるから、特許法第126条第3項の規定に適合する。
(2)訂正事項1について
ア 訂正の目的について
本件訂正前の請求項1には「前記端末の第1MAC(Medium Access Control layer)エンティティが、前記端末の第1PHY(Physical layer)エンティティへランダムアクセス(Random Access)プリアンブル(Preamble)を指示する」との記載がある。ここで、当該記載における「指示する」ことが、ランダムアクセスプリアンブルの何を指示するのか(ランダムアクセスプリアンブルの伝送であるのか、ランダムアクセスプリアンブルのインデックスであるのか、それ以外であるのか)、明瞭でない。
これに対して、訂正事項1は、本件訂正前の請求項1の「前記端末の第1MAC(Medium Access Control layer)エンティティが、前記端末の第1PHY(Physical layer)エンティティへランダムアクセス(Random Access)プリアンブル(Preamble)を指示するステップ」と記載されているのを、「前記端末の第1MAC(Medium Access Control layer)エンティティが、前記端末の第1PHY(Physical layer)エンティティへランダムアクセス(Random Access)プリアンブル(Preamble)伝送を指示するステップ」に訂正することによって、「指示する」ことが、ランダムアクセスプリアンブルの伝送であることを明瞭にするものといえる。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
設定登録時の明細書の段落[0109]及び[0118]には、以下の記載がある(なお、隅付き括弧は、角括弧で示す。また、下線は、当審で付与した。以下、同様である。)。
段落[0109]
「 S-MACがS-RAを開始すると、S-MACは、プリアンブルをSeNBに伝送するようにS-PHYに指示することができる(S1320)。ここで、プリアンブル伝送の伝送電力は、上述したように、‘preambleInitialReceivedTargetPower+DELTA_PREAMBLE+(PREAMBLE_TRANSMISSION_COUNTER-1)*powerRampingStep’として設定される。また、S-MACは、S-PHYに、選択されたPRACH、対応するRA-RNTI、プリアンブルインデックス及びプリアンブル_受信された_ターゲット_電力(PREAMBLE_RECEIVED_TARGET_POWER)を使用してプリアンブルを伝送するように指示することができる。」
段落[0118]
「 M-MACがM-RAを開始するとき、M-MACは、M-PHYに、選択されたPRACH及びPREAMBLE_RECEIVED_TARGET_POWERを使用してM-RAのためのプリアンブルを伝送するように指示する。S-MACがS-RAを開始するとき、S-MACは、S-PHYに、選択されたPRACH及びPREAMBLE_RECEIVED_TARGET_POWERを使用してS-RAのためのプリアンブルを伝送するように指示する(S1320)。」
そうすると、設定登録時の明細書には、S-MACが、S-PHYに、S-RAプリアンブル伝送を指示することが記載されているといえる。
したがって、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。
よって、訂正事項1は、特許法第126条第5項の規定に適合する。
ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
訂正事項1は、上記「ア」で説示したとおり、本件訂正前の請求項1の「前記端末の第1MAC(Medium Access Control layer)エンティティが、前記端末の第1PHY(Physical layer)エンティティへランダムアクセス(Random Access)プリアンブル(Preamble)を指示するステップ」と記載されているのを、「前記端末の第1MAC(Medium Access Control layer)エンティティが、前記端末の第1PHY(Physical layer)エンティティへランダムアクセス(Random Access)プリアンブル(Preamble)伝送を指示するステップ」に訂正することにより、明瞭でない記載を明瞭にするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第6項の規定に適合する。
エ 訂正事項1の小括
上記「(1)」、及び上記「ア」から「ウ」のとおり、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、かつ特許法第126条第3項、第5項及び第6項の規定に適合する。
(3)訂正事項2について
訂正事項2は、本件訂正前の請求項3に「前記第1MACテンティティ」と記載されているのを、「前記第1MACエンティティ」に訂正すること(以下、「訂正事項2-1」という。)、及び本件訂正前の請求項3に「前記ランダムアクセス手順が中断した場合」と記載されているのを、「前記ランダムアクセスプリアンブル伝送が中断した場合」に訂正すること(以下、「訂正事項2-2」という。)からなる。
そこで、訂正事項2-1と、訂正事項2-2のそれぞれについて訂正要件の判断を行い、最後にこれらをまとめた訂正事項2について訂正要件の判断を行う。
ア 訂正事項2-1について
(ア)訂正の目的について
本件訂正前の請求項3は、本件訂正前の請求項1を引用するものである。そして、本件訂正前の請求項1には「第1MAC(Medium Access Control layer)エンティティ」との記載はあるが、「第1MACテンティティ」との記載はない。そうすると、本件訂正前の請求項3の「前記第1MACテンティティ」との記載が、引用する本件訂正前の請求項1の「第1MAC(Medium Access Control layer)エンティティ」を表していることは明らかである。したがって、本件訂正前の請求項3の「前記第1MACテンティティ」との記載は、「前記第1MACエンティティ」の誤記であることは明らかである。
これに対して、訂正事項2-1は、本件訂正前の請求項3に「前記第1MACテンティティ」と記載されているのを、「前記第1MACエンティティ」に訂正することで、前記誤記を正すものである。
したがって、訂正事項2-1は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである。
(イ)願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
願書に最初に添付した特許請求の範囲の請求項1に「第1MAC(Medium Access Control layer)エンティティ」、「第1MACエンティティ」との記載があり、上記「(ア)」のとおり、本件訂正前の請求項3の「前記第1MACテンティティ」が「第1MAC(Medium Access Control layer)エンティティ」を表していることは明らかであるから、訂正事項2-1は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。
したがって、訂正事項2-1は、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(ウ)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
訂正事項2-1は、上記「(ア)」で説示したとおり、本件訂正前の請求項3における誤記を正すものにすぎず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでないことは明らかである。
したがって、訂正事項2-1は、特許法第126条第6項の規定に適合する。
(エ)独立特許要件について
本件特許の請求項3に係る発明は、拒絶の理由を発見しないものとして特許査定がなされ、また、上記「(ウ)」のとおり、訂正事項2-1による訂正の前後で、特許請求の範囲は実質上拡張又は変更されない。そして、本件訂正後の請求項3に係る発明について、新たな拒絶理由を発見しないから、本件訂正後の請求項3に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。
したがって、訂正事項2-1は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
イ 訂正事項2-2について
(ア)訂正の目的について
本件訂正前の請求項3は「前記ランダムアクセスプリアンブル伝送を中断するステップをさらに含み、
前記ランダムアクセス手順が中断した場合」と記載されている。そうすると、「前記ランダムアクセス手順を中断した場合」との記載が、その前に記載された「前記ランダムアクセスプリアンブル伝送を中断」した場合を表しているのか否か、明瞭でない。
これに対して、訂正事項2-2は、本件訂正前の請求項3に「前記ランダムアクセス手順が中断した場合」と記載されているのを、「前記ランダムアクセスプリアンブル伝送が中断した場合」に訂正することによって、「前記ランダムアクセス手順が中断した場合」が「前記ランダムアクセスプリアンブル伝送が中断した場合」であることを明瞭にするものといえる。
したがって、訂正事項2-2は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(イ)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
本件訂正前の請求項3の「前記ランダムアクセス手順を中断した場合」との記載の前に「前記ランダムアクセスプリアンブル伝送を中断する」ことが記載されている。ここで、ランダムアクセスプリアンブル伝送は、ランダムアクセス手順に含まれる処理であることは、移動体通信の技術分野における技術常識である。そうすると、ランダムアクセスプリアンブル伝送を中断することによって、ランダムアクセス手順が中断されることは、明らかである。したがって、本件訂正前の請求項3の「前記ランダムアクセス手順を中断した場合」との記載を、訂正事項2-2によって「前記ランダムアクセスプリアンブル伝送を中断した場合」に訂正されたものも、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。
したがって、訂正事項2-2は、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(ウ)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
訂正事項2-2は、上記「(ア)」で説示したとおり、本件訂正前の請求項3における明瞭でない記載を訂正するものにすぎず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでないことは明らかである。
したがって、訂正事項2-2は、特許法第126条第6項の規定に適合する。
ウ 訂正事項2の小括
上記「(1)」、及び上記「ア」及び「イ」のとおり、訂正事項2-1は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものであり、訂正事項2-2は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、かつ訂正事項2-1及び訂正事項2-2は特許法第126条第3項、第5項及び第6項の規定に適合し、訂正事項2-1は特許法第126条第7項の規定に適合する。
したがって、訂正事項2-1及び訂正事項2-2からなる訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正、及び特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、かつ特許法第126条第3項、第5項から第7項の規定に適合する。
2 請求項7から11について
(1)一群の請求項について
本件訂正前の請求項8から11は、本件訂正前の請求項7の記載を引用するものであるから、本件訂正後の請求項8から11は、訂正事項3によって記載が訂正される請求項7に連動して訂正されるものである。また、本件訂正前の請求項7を直接的又は間接的に引用する請求項は、本件訂正前の請求項8から11以外に存在しない。
そうすると、本件訂正前の請求項7から11に対応する本件訂正後の請求項7から11は、特許法第126条第3項に規定する一群の請求項である。
したがって、請求項7から11に係る本件訂正審判の訂正は、一群の請求項ごとに請求するものであるから、特許法第126条第3項の規定に適合する。
(2)訂正事項3について
ア 訂正の目的について
本件訂正前の請求項1には「前記端末の第1PHYエンティティから前記指示が受信された場合、前記端末の第1MACエンティティが、ランダムアクセスプリアンブル伝送の回数を増加させないでランダムアクセス手順を実行する」との記載がある。一方で、本件訂正前の請求項7には「前記指示が前記第1PHYエンティティから受信されない場合、ランダムアクセスプリアンブル伝送の回数を増加させずに前記第1MACエンティティがランダムアクセス手順を実行する」との記載となっており、ランダムアクセスプリアンブル伝送の回数を増加させずにランダムアクセス手順を実行する条件(場合)に誤記があることは明らかである。
これに対して、訂正事項3は、本件訂正前の請求項7に「前記指示が前記第1PHYエンティティから受信されない場合」と記載されているのを、「前記指示が前記第1PHYエンティティから受信される場合」に訂正することによって、ランダムアクセスプリアンブル伝送の回数を増加させずにランダムアクセス手順を実行する条件(場合)の誤記を正すものといえる。
したがって、訂正事項3は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである。
イ 願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
願書に最初に添付した明細書の段落[0106]及び[0124]には、以下の記載がある。
段落[0106]
「 したがって、本発明の一態様において、UE内に2つのMACエンティティ(M-MACとS-MAC)がある場合、S-PHYがS-MACの指示通りにS-RAのためのプリアンブルをSeNBに伝送できないとき、S-PHYは、SeNBにS-RAのためのプリアンブルを伝送しない。また、S-PHYは、S-MACに、S-RAのためのプリアンブル伝送が行われなかったことを通知する。前記通知をS-MACがS-PHYから受信すると、S-MACは、S-RAを継続するか、またはS-RAを中断する。S-MACが前記通知を受信してS-RAを続けるとき、S-MACは、プリアンブル_伝送_カウンター(PREAMBLE_TRANSMISSION_COUNTER)を増加させないか、またはバックオフ(Backoff)によってプリアンブル伝送を遅延する。この方式は、例示的な図面と共に詳細に説明する。」
段落[0124]
「 図15を参照すると、S-MACがS-PHYからプリアンブル伝送が不可能であるという通知を受信したとき、S-MACはS-RAを続けることに決定できる。具体的には、S-MACは、PREAMBLE_TRANSMISSION_COUNTERを増加させずにRAリソースの選択を進行することができる(S1420-1)。この場合、PREAMBLE_TRANSMISSION_COUNTERが増加しないので、PREAMBLE_RECEIVED_TARGET_POWERが増加しない。」
そうすると、願書に最初に添付した明細書には、S-MACがS-PHYからプリアンブル伝送が行われなかったという通知を受信したとき、PREAMBLE_TRANSMISSION_COUNTERを増加させずにS-RAを続けることが記載されているといえる。
したがって、訂正事項3は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。
よって、訂正事項3は、特許法第126条第5項の規定に適合する。
ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
訂正事項3は、上記「ア」で説示したとおり、本件訂正前の請求項7は、ランダムアクセスプリアンブル伝送の回数を増加させずにランダムアクセス手順を実行する条件(場合)の誤記を正すものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項3は、特許法第126条第6項の規定に適合する。
エ 独立特許要件について
本件特許の請求項7に係る発明、並びに本件特許の請求項1に係る発明は、拒絶の理由を発見しないものとして特許査定がなされ、また、上記「ウ」のとおり、訂正事項3による訂正の前後で、特許請求の範囲は実質上拡張又は変更されない。そして、本件訂正後の請求項7に係る発明について、新たな拒絶理由を発見しないから、本件訂正後の請求項7に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。
したがって、訂正事項3は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
オ 訂正事項3の小括
上記「(1)」、及び上記「ア」から「エ」のとおり、訂正事項3は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものであり、かつ特許法第126条第3項、第5項及び第6項の規定に適合する。
第5 むすび
以上のとおり、本件訂正審判の請求に係る訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ特許法第126条第3項、第5項及び第6項の規定に適合する。
また、本件訂正審判の請求に係る訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第2号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ特許法第126条第3項、第5項から第7項の規定に適合する。
そして、本件訂正審判の請求に係る訂正事項3は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ特許法第126条第3項、第5項から第7項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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