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特許訂正審判

2023-390011

画像形成装置

審判番号
2023-390011
法域
特許
審判種別
訂正審判(訂正の審決)
出願番号
特願2014-213661
登録番号
5756954
請求日
2023年01月23日
審決日
2023年06月29日
公報発行日
2024年09月27日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】坪内 和之
  • 【請求人】坪内 正子
審判長/審判官
  • 審判長 五十嵐 努
  • 審判官 渡辺 努
  • 審判官 木方 庸輔
分類
P141 .851-Z (H04N) / P141 .852-Z (H04N) / P141 .853-Z (H04N) / P141 .857-Z (H04N)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
行政事件訴訟法46条特許法126条1項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第126条第1項、特許法第1条、特許法第126条、特許法第134条の2第1項、特許法第44条第1項、特許法第29条第2項、特許法第126条第3項、特許法第120条の4第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第5756954号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 経緯 本件訂正審判に係る特許第5756954号(以下、「本件特許」という。)は、平成25年4月23日に出願した特願2013-90149号の一部を平成26年10月20日に新たな特許出願としたものであって、平成27年1月9日付けで拒絶理由が通知されたところ、平成27年2月20日に意見書及び手続補正書が提出され、平成27年6月12日に特許権の設定登録がされた。 そして、令和5年1月23日に特許権者である坪内和之より、本件特許に対して本件訂正審判の請求がなされ、令和5年2月19日に請求人を坪内和之、坪内正子とする補正がなされ、これに対して令和5年4月4日付けで訂正拒絶理由が通知されたところ、令和5年4月24日、令和5年5月7日に意見書が提出されたものである。 第2 請求の趣旨 本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第5756954号の明細書、特許請求の範囲及び図面を、本件審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲及び図面のとおり訂正することを認める、との審決を求める、というものである。 なお、審判請求書の「4 請求の趣旨」には、「特許第5756954号の明細書(図面を含む、以下明細書と言う。)、特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲(図面を含む)のとおり訂正することを認める、との審決を求める。」と記載されているが、図面は明細書や特許請求の範囲に含まれるものでなく、また、明細書、特許請求の範囲、図面のそれぞれを訂正しているものであるので、請求の趣旨を上記のように解した。 第3 訂正拒絶理由の概要 令和5年4月4日付けで当審において通知した訂正拒絶理由の概要は以下のとおりである。 訂正事項2~7、9~13、16~58は、特許法第126条第1項ただし書に掲げるいずれの事項を目的とするものではない。 第4 本件審判請求に対する当審の判断 1 訂正の内容 本件訂正審判に係る訂正の内容は、審判請求書に記載された以下のとおりである。 なお、下線は、訂正の箇所である。 (1)訂正事項1(請求項1及び請求項1の記載を引用する請求項2~3についても同様に訂正) ア 訂正事項1-1 特許請求の範囲の請求項1に 「複数の加工条件からなるコピーメニューの登録、登録した複数の加工条件からなるコピーメニューのコピー、複数の加工条件からなるプリントメニューの登録、登録した複数の加工条件からなるプリントメニューのプリント、原稿原画の情報の保存、保存した原稿原画の情報のコピーのいずれかの一つ或は複数の加工」と記載されているのを、 「複数の加工条件からなるコピーメニューの登録、登録した複数の加工条件からなるコピーメニューのコピー、原稿原画の情報の保存、保存した原稿原画の情報のコピーのいずれかの一つ或は複数の加工」に訂正する。 イ 訂正事項1-2 特許請求の範囲の請求項1に 「登録コピーメニュー名、登録コピーメニューの内容、登録プリントメニュー名、登録プリントメニューの内容、原稿原画の情報名、原稿原画の情報の内容、登録・保存番号のいずれかの一つ或は複数の確認」と記載されているのを、 「登録コピーメニュー名、登録コピーメニューの内容、原稿原画の情報名、原稿原画の情報の内容、登録・保存番号のいずれかの一つ或は複数の確認」に訂正する。 (2)訂正事項2 明細書の【0001】に 「コピー機や、製版印刷機や、プリンタや、コピー機能やプリント機能やスキャナー機能を装備した複合機等の画像形成装置に関する。」と記載されているのを、 「コピー機や、コピー機能を装備した複合機等の画像形成装置に関する。」に訂正する。 (3)訂正事項3 明細書の【0002】に、 「(2)、しかし、この画面の表示手段は、加工を行う為の指示手段による指示ミスが発生する。或いは、指示に手間や時間を要す。」と記載されているのを、 「(2)、しかし、この画面の表示手段は、加工を行う為の指示による指示ミスが発生する。或いは、指示に手間や時間を要す。」に訂正する。 (4)訂正事項4 明細書の【0003】に、 「現在の、コピー機や、製版印刷機や、プリンタや、コピー機能やプリント機能やスキャナー機能を装備した複合機等の画像形成装置は、使用者が選択できる加工内容を非常に多く備えている。」と記載されているのを、 「現在の、コピー機や、コピー機能を装備した複合機等の画像形成装置は、使用者が選択できる加工内容を非常に多く備えている。」に訂正する。 (5)訂正事項5 明細書の【0014】に、 「同様に、前記の画面表示手段を備えた画像形成装置において、原稿原画に記録された情報を保存する技術、保存した原稿原画に記録された情報の加工を行なう技術、登録した複数の加工条件から成るメニューの加工、従来技術のプリント技術、スキャン技術を行なう技術も、画面を表示し、手間を要する技術である。」と記載されているのを、 「同様に、前記の画面表示手段を備えた画像形成装置において、原稿原画に記録された情報を保存する技術、保存した原稿原画に記録された情報の加工を行なう技術も、画面を表示し、手間を要する技術である。」に訂正する。 (6)訂正事項6 明細書の【0016】を削除する。 (7)訂正事項7 明細書の【0017】に、 「【特許文献1】特開平11-24511号公報 【特許文献2】特開S62-81662号公報 【特許文献3】特願2011-250538号公報 【特許文献4】特願2012-083452号公報」と記載されているのを、 「【特許文献1】特開平11-24511号公報 【特許文献2】特開S62-81662号公報」に訂正する。 (8)訂正事項8 明細書の【0019】に、 「本願発明の「発明が解決しようとする課題」の要約は、前記の背景技術で挙げた画像形成装置設置において、前記の背景技術で挙げた画面等の表示手段、指示手段の問題を解決する事にある。」と記載されているのを、 「本願発明の「発明が解決しようとする課題」の要約は、前記の背景技術で挙げた画像形成装置設置において、前記の背景技術で挙げた画面の表示手段、指示手段の問題を解決する事にある。」に訂正する。 (9)訂正事項9 明細書の【0021】に、 「具体的には、倍率や用紙サイズなどの複数の加工条件からなるメニューの登録や、登録したメニューの加工や、原稿原画の情報の保存や、保存した原稿原画の情報の加工を実施する為の指示、告知を行う為の指示部、告知部を備える指示手段を、加工に関する表示内容を、分割して必要な表示に切り替えて表示する表示手段を備えた画像形成装置に設ける手段の提案にある。」と記載されているのを、 「具体的には、倍率や用紙サイズなどの複数の加工条件からなる登録したメニューの加工や、原稿原画の情報の保存や、保存した原稿原画の情報の加工を、加工に関する表示内容を分割して必要な表示に切り替えて表示する表示手段を備えた画像形成装置に設ける手段の提案にある。」に訂正する。 (10)訂正事項10 明細書の【0022】に、 「詳しくは、本発明の指示手段の指示部は、一つの指示により、(例えば、電源をON後にボタンの一押しで、)加工内容を選択し確定或いは選択し確定し開始する手段であり、この指示手段に関する表示手段は、一つで足り、加工内容を分割して必要な表示に切り替えて表示する必要性はない。」と記載されているのを、 「詳しくは、本発明の指示手段の指示部は、一つの指示により、(例えば、電源をON後にボタンの一押しで、)加工内容を選択し確定し開始する手段であり、この指示手段に関する表示手段は、一つで足り、加工内容を分割して必要な表示に切り替えて表示する必要性はない。」に訂正する。 (11)訂正事項11 明細書の【0023】に、 「又、本発明の指示手段の指示部は、一つの指示により、加工内容を選択し確定或いは選択し確定し開始する手段であり、人為的、自動的に加工内容を変更する余地がなく、使用者が気づかぬ間に、予定したメニューが勝手に変更され、簡単に加工内容の指示ミスを誘発するのを防止し、不要な手間を無くす。」と記載されているのを、 「又、本発明の指示手段の指示部は、一つの指示により、加工内容を選択し確定し開始する手段であり、自動的に加工内容を変更する余地がなく、簡単に加工内容の指示ミスを誘発するのを防止し、不要な手間を無くす。」に訂正する。 (12)訂正事項12 明細書の【0025】に、 「又、本発明の指示手段の告知部は、告知内容を、不変可能に告知する手段であり、人為的、自動的に加工内容を変更する余地がなく、使用者が気づかぬ間に、予定したメニューが勝手に変更され、簡単に加工内容の指示ミスを誘発するのを防止し、不要な手間を無くす。」と記載されているのを、 「又、本発明の指示手段の告知部は、告知内容を、自動的に加工内容を変更する余地がなく、使用者が気づかぬ間に、予定したメニューが勝手に変更され、簡単に加工内容の指示ミスを誘発するのを防止し、不要な手間を無くす。」に訂正する。 (13)訂正事項13 明細書の【0027】を削除する。 (14)訂正事項14 ア 訂正事項14-1 明細書の【0030】に、 「複数の加工条件からなるコピーメニューの登録、登録した複数の加工条件からなるコピーメニューのコピー、複数の加工条件からなるプリントメニューの登録、登録した複数の加工条件からなるプリントメニューのプリント、原稿原画の情報の保存、保存した原稿原画の情報のコピーのいずれかの一つ或は複数の加工」と記載されているのを、 「複数の加工条件からなるコピーメニューの登録、登録した複数の加工条件からなるコピーメニューのコピー、原稿原画の情報の保存、保存した原稿原画の情報のコピーのいずれかの一つ或は複数の加工」に訂正する。 イ 訂正事項14-2 明細書の【0030】に、 「登録コピーメニュー名、登録コピーメニューの内容、登録プリントメニュー名、登録プリントメニューの内容、原稿原画の情報名、原稿原画の情報の内容、登録・保存番号のいずれかの一つ或は複数の確認」と記載されているのを、 「登録コピーメニュー名、登録コピーメニューの内容、原稿原画の情報名、原稿原画の情報の内容、登録・保存番号のいずれかの一つ或は複数の確認」に訂正する。 (15)訂正事項15 明細書の【0033】に、 「概しては、「発明が解決しようとする課題」の要約で挙げた通り、前記の「背景技術」で挙げた画面等の表示手段、指示手段の問題を解決する。」と記載されているのを、 「概しては、「発明が解決しようとする課題」の要約で挙げた通り、前記の「背景技術」で挙げた画面の表示手段、指示手段の問題を解決する。」に訂正する。 (16)訂正事項16 明細書の【0034】に、 「詳しくは、倍率や用紙サイズなどの複数の加工条件からなるメニューの登録、登録したメニューの加工、原稿原画の情報の保存、保存した原稿原画の情報の加工の実施を、電源スイッチを「ON」後に、一つの指示で、選択し確定或は選択し確定し開始する指示部と、この加工内容を、不変可能に常時告知する告知部を備える本発明の指示手段を設ける事により、指示ミスを無くし、手間を減らし 、画面が非表示の状態でも、実行可能にして、画面に関する消費電力を減らし作業を短時間に開始し実施できる。」と記載されているのを、 「詳しくは、倍率や用紙サイズなどの複数の加工条件からなる登録したメニューの加工、原稿原画の情報の保存、保存した原稿原画の情報の加工の実施を、電源スイッチを「ON」後に、一つの指示で、選択し確定し開始する指示を出す指示部と、この加工内容を、常時告知する告知部を備える本発明の指示手段を設ける事により、指示ミスを無くし、手間を減らし、画面が非表示の状態でも、実行可能にして、画面に関する消費電力を減らし、作業を短時間に開始し実施できる。」に訂正する。 (17)訂正事項17 明細書の【0040】を削除する。 (18)訂正事項18 明細書の【0041】に、 「【図1】 従来技術の画面の概略図。 【図2】 本発明の操作盤、サブ操作盤、画面の概略図。 【図3】 本発明の操作盤の概略図。 【図4】 本発明のメニューの変更画面の概略図。 【図5】 本発明の登録・保存メニューの画面の概略図。 【図6】 本発明のサブ操作盤の概略図。 【図7】 本発明のサブ操作盤の概略図。 【図8】 本発明のサブ操作盤の概略図。 【図9】 本発明の操作盤の指示手段の概略図。 【図10】 本発明の操作盤の指示手段の概略図。 【図11】 従来技術の作用の概略図。 【図12】 本発明の作用の概略図。 【図13】 本発明の作用の概略図。 【図14】 本発明の作用の概略図。 【図15】 本発明の作用の概略図。」と記載されているのを、 「【図1】 従来技術の画面の概略図。 【図2】 本発明の操作盤、サブ操作盤、画面の概略図。 【図3】 本発明の操作盤の概略図。 【図4】 本発明のメニューの変更画面の概略図。 【図5】 本発明の登録・保存メニューの画面の概略図。 【図6】 本発明のサブ操作盤の概略図。」に訂正する。 (19)訂正事項19 明細書の【0042】に、 「図2は、本発明の概略を示す代表図であり、コピー機や、製版印刷機や、プリンタや、コピー機能やプリント機能やスキャナー機能を装備した複合機等の画像形成装置の操作部100に関する概略図であり、操作盤1、サブ操作盤20、画面2(メーン画面)の構成を示す。」と記載されているのを、 「図2は、本発明の概略を示す代表図であり、コピー機や、コピー機能を装備した複合機等の画像形成装置の操作部に関する概略図であり、操作盤1、サブ操作盤20、画面2(メーン画面)の構成を示す。」に訂正する。 (20)訂正事項20 明細書の【0043】に、 「操作盤1は、使用頻度の高い画像形成の加工の選択、変更、確認等の加工を実施する為の手段を設けている。 この操作盤に関して、図3、9、10で著している。」と記載されているのを、 「操作盤1に関して、図3で著している。」に訂正する。 (21)訂正事項21 明細書の【0044】に、 「サブ操作盤20は、操作盤と比較して使用頻度の低い画像形成の加工の選択、変更、確認等の加工を実施する為の手段を設けている。 このサブ操作盤に関して、図6、7、8で著している。」と記載されているのを、 「サブ操作盤20に関して、図6で著している。」に訂正する。 (22)訂正事項22 明細書の【0047】に、 「本発明の加工の実施の指示を出す為の指示手段は、告知部と指示部から構成され、告知部は、登録メニューの告知部3の固定式登録メニューの告知部3A、変更式登録メニューの告知部3B等に区分され、指示部は、登録メニューのスタート指示部4、原稿原画の情報の保存指示部5、メニューの確定指示部15、メニューの変更指示部6、登録・保存メニューのスタート指示部10B(数字キー)等に区分される。」と記載されているのを、 「本発明の加工の実施の指示を出す為の指示手段は、告知部と指示部から構成され、告知部は、登録メニューの告知部3の固定式登録メニューの告知部3A、変更式登録メニューの告知部3B等に区分され、指示部は、登録メニューのスタート指示部4、原稿原画の情報の保存指示部5、登録・保存メニューのスタート指示部10B(数字キー)等に区分される。」に訂正する。 (23)訂正事項23 明細書の【0048】に、 「登録メニューの告知部3は、加工内容を、常時不変可能に表示し、加工内容を使用者に告知する手段であり、加工内容を画面2(メーン画面)(図2)やその他に表示する必要がなく、特定の人だけでなく、使用者全員がメニュー内容を目視で理解し、利用でき、画面(メーン画面)表示の電力や時間を必要とせず、画像形成の加工を実施するエコ手段を可能にする。」と記載されているのを、 「登録メニューの告知部3は、加工内容を、常時表示し、加工内容を使用者に告知する手段であり、加工内容を画面2(メーン画面)(図2)やその他に表示する必要がなく、特定の人だけでなく、使用者全員がメニュー内容を目視で理解し、利用でき、画面(メーン画面)表示の電力や時間を必要とせず、画像形成の加工を実施するエコ手段を可能にする。」に訂正する。 (24)訂正事項24 明細書の【0049】に、 「登録メニューの告知部3に表示する加工内容は、登録メニュー名(例えば、「標準コピー」、「紙、インクを半分にする。」、「標準写真」)や登録メニューの内容(例えば、「倍率100%、サイズ自動、枚数1枚」、「倍率70%、サイズ自動、カラーモノクロ、枚数1枚」)や原稿原画の情報名(例えば、「生産日報」、「修理伝票」、「提案用紙」)や原稿原画の情報の内容(例えば、原稿原画の情報の一部の表示や原稿原画の情報を縮小した一部の表示)や登録・保存番号(登録メニューや保存した原稿原画の情報に付した番号)の一つ或いは複数を表示する告知手段である。」と記載されているのを、 「登録メニューの告知部3に表示する加工内容は、登録メニュー名(例えば、「標準コピー」、「紙、インクを半分にする。」)や登録メニューの内容(例えば、「倍率100%、サイズ自動、枚数1枚」、「倍率70%、サイズ自動、カラーモノクロ、枚数1枚」)や原稿原画の情報名(例えば、「生産日報」、「修理伝票」、「提案用紙」)や原稿原画の情報の内容(例えば、原稿原画の情報の一部の表示や原稿原画の情報を縮小した一部の表示)や登録・保存番号(登録メニューや保存した原稿原画の情報に付した番号)の一つ或いは複数を表示する告知手段である。」に訂正する。 (25)訂正事項25 明細書の【0052】に、 「変更式登録メニューの告知部3Bは、画像形成装置の使用者が希望する倍率や用紙サイズなどの複数の加工条件を、不変可能に常時表示し、変更可能に登録する部であり、一つの変更式登録メニューの告知部3Bは、登録したメニューを変更可能にし、複数の加工メニューの登録に対応する。」と記載されているのを、 「変更式登録メニューの告知部3Bは、画像形成装置の使用者が希望する倍率や用紙サイズなどの複数の加工条件を、常時表示し、変更可能に登録する部であり、一つの変更式登録メニューの告知部3Bは、登録したメニューを変更可能にし、複数の加工メニューの登録に対応する。」に訂正する。 (26)訂正事項26 明細書の【0053】に、 「図例では、変更式登録メニューの告知部3Bは、サブ画面或は印刷物或は照明手段や拡大手段を併設した印刷物などによる表示手段を設け、「紙、インクを半分にする。」のコピーメニュー(倍率が70%、用紙サイズが自動、カラーがモノクロ、加工枚数が1枚、などの加工条件からなるメニュー)と「標準写真」のプリントメニュー(倍率が100%、用紙サイズがL版、カラーが自動、速度がきれい、加工枚数が各1枚、などの加工条件からなるメニュー)を、変更式登録メニューとして、この変更式登録メニューの告知部3Bに登録している。」と記載されているのを、 「図例では、変更式登録メニューの告知部3Bは、サブ画面或は印刷物或は照明手段や拡大手段を併設した印刷物などによる表示手段を設け、「紙、インクを半分にする。」のコピーメニュー(倍率が70%、用紙サイズが自動、カラーがモノクロ、加工枚数が1枚、などの加工条件からなるメニュー)を、変更式登録メニューとして、この変更式登録メニューの告知部3Bに登録している。」に訂正する。 (27)訂正事項27 明細書の【0054】に、 「変更式登録メニューの登録(変更)手段は、メニューの変更画面2B(図4)、登録・保存メニューの画面2C(図5)、サブ操作盤20e(図7)に設けた操作盤にメニューの登録指示部13、サブ操作盤20f(図8)に設けた加工条件を収めたカード22、22A等であり、これらの登録(変更)手段は、この変更式登録メニューの告知部3B、3F、3FA(図3、9)以外の場所に設け、容易なメニューの変更を防止し(不変可能に常時表示し)、メニューの変更に係わる誤操作を防止する。」と記載されているのを、 「変更式登録メニューの登録(変更)手段は、メニューの変更画面2B(図4)、登録・保存メニューの画面2C(図5)等であり、これらの登録(変更)手段は、この変更式登録メニューの告知部3B(図3)以外の場所に設け、容易なメニューの変更を防止し、メニューの変更に係わる誤操作を防止する。」に訂正する。 (28)訂正事項28 明細書の【0056】に、 「固定式登録メニューの告知部3Aの表示用途は、例えば、「標準コピー」、「紙、インクを半分にする」、「エココピー」(縮小倍率指定、用紙サイズ自動)、「標準写真」、「用紙サイズ優先コピー」(用紙サイズ指定、倍率自動)等が適している。」と記載されているのを、 「固定式登録メニューの告知部3Aの表示用途は、例えば、「標準コピー」、「紙、インクを半分にする」、「エココピー」(縮小倍率指定、用紙サイズ自動)、「用紙サイズ優先コピー」(用紙サイズ指定、倍率自動)等が適している。」に訂正する。 (29)訂正事項29 明細書の【0068】から【0071】を削除する。 (30)訂正事項30 明細書の【0073】に、 「この音声指示手段は、(ア)複数の加工内容を一つの指示手段で実施する手段。 (イ)それぞれの加工内容に対応する、それぞれの指示手段を設ける手段。が可能である。」と記載されているのを、 「この音声指示手段は、(ア)複数の加工内容を一つの指示手段で実施する手段が可能である。」に訂正する。 (31)訂正事項31 明細書の【0074】に、 「前記(ア)は、(ア-1)加工内容を順次音声案内し、希望する加工内容が案内された時に使用者がキーワードを発音し、希望する加工を実施する。 (ア-2)使用者が希望する加工内容のキーワードを発音し、希望する加工を実施する。 前記(イ)は、使用者が希望する加工内容が収納されている音声指示手段を選択後、キーワードを発音し、希望する加工を実施する。」と記載されているのを、 「前記(ア)は、(ア-1)加工内容を順次音声案内し、希望する加工内容が案内された時に使用者がキーワードを発音し、希望する加工を実施する。 (ア-2)使用者が希望する加工内容のキーワードを発音し、希望する加工を実施する。」に訂正する。 (32)訂正事項32 明細書の【0076】に、 「画面切り替えスイッチ7が「非表示」の状態でも、(「表示」の状態でも、)登録メニューのスタート指示部4や原稿原画の情報の保存指示部5やメニューの確定指示部15やメニューの変更指示部6や数字キー10や、図7、10のサブ操作盤の加工条件の選択部195、196、196A等は、稼動可能である。」と記載されているのを、 「画面切り替えスイッチ7が「非表示」の状態でも、(「表示」の状態でも、)登録メニューのスタート指示部4、原稿原画の情報の保存指示部5、数字キー10は、稼動可能である。」に訂正する。 (33)訂正事項33 明細書の【0077】に、 「画面切り替えスイッチ7が「表示」の状態でも、画面(例えば、メニューの変更画面2B、登録・保存メニューの画面2C等)の表示が完了するのを待つ事無く、登録メニューのスタート指示部4や原稿原画の情報の保存指示部5やメニューの確定指示部15や数字キー10や、図7、10のサブ操作盤の加工条件の選択部195、196、196A等による作業の開始が可能である。」と記載されているのを、 「画面切り替えスイッチ7が「表示」の状態でも、画面(例えば、メニューの変更画面2B、登録・保存メニューの画面2C等)の表示が完了するのを待つ事無く、登録メニューのスタート指示部4、原稿原画の情報の保存指示部5、数字キー10による作業の開始が可能である。」に訂正する。 (34)訂正事項34 明細書の【0086】に、 「図3の例では、登録メニューの告知部3A、3Bの「標準コピー」や「紙、インクを半分にする。」や「標準写真」の各メニューの表示部の「枚数」の「1枚」又は「各1枚」の表示部分を加工枚数に応じて、例えば「2枚」、「3枚」、・・・・や「各2枚」、「各3枚」、・・・・等と変化して表示する表示部の手段を設ける事が可能である。」と記載されているのを、 「図3の例では、登録メニューの告知部3A、3Bの「標準コピー」、「紙、インクを半分にする。」の各メニューの表示部の「枚数」の「1枚」又は「各1枚」の表示部分を加工枚数に応じて、例えば「2枚」、「3枚」、・・・・や「各2枚」、「各3枚」、・・・・等と変化して表示する表示部の手段を設ける事が可能である。」に訂正する。 (35)訂正事項35 明細書の【0090】に、 「加工枚数の指定は、操作盤1上の登録メニューのスタート指示部4や登録・保存メニューのスタート指示部10B(数字キー)や原稿原画の情報の保存指示部5やメニューの確定指示部15やスタート指示部24や、更に後記で著す、操作盤にメニューの登録指示部13や画面にメニューの登録指示部14等を押す前に押す。」と記載されているのを、 「加工枚数の指定は、操作盤1上の登録メニューのスタート指示部4、登録・保存メニューのスタート指示部10B(数字キー)、原稿原画の情報の保存指示部5、スタート指示部24を押す前に押す。」に訂正する。 (36)訂正事項36 明細書の【0094】に、 「このメニューの変更画面2Bに表示されるメニュー内容の表示・変更部26Bは、表示されたメニュー内容の選択、変更、確認等を行う為の表示部であり、この表示部26bに最初に表示される画面は、選択した「変更」ボタン6の登録メニューの告知部3A、3Bのメニュー内容、或いは、使用頻度の高いコピーのメニュー内容や使用頻度の高いプリントのメニュー内容などを設定することができる。」と記載されているのを、 「このメニューの変更画面2Bに表示されるメニュー内容の表示・変更部26Bは、表示されたメニュー内容の選択、変更、確認等を行う為の表示部であり、この表示部26bに最初に表示される画面は、選択した「変更」ボタン6の登録メニューの告知部3A、3Bのメニュー内容、或いは、使用頻度の高いコピーのメニュー内容などを設定することができる。」に訂正する。 (37)訂正事項37 明細書の【0097】に、 「前記により変更した加工条件は、これを処理する為の表示部(操作盤にメニューの登録指示部13b、画面にメニューの登録指示部14b、スタート指示部24b、原稿原画の情報の保存指示部5b、メニューの指定キープ指示部16b、メニューの指定取消し指示部17b等)をタッチし、メニューとして処理する。」と記載されているのを、 「前記により変更した加工条件は、これを処理する為の表示部(操作盤にメニューの登録指示部13b、画面にメニューの登録指示部14b、原稿原画の情報の保存指示部5b等)をタッチし、メニューとして処理する。」に訂正する。 (38)訂正事項38 明細書の【0100】を削除する。 (39)訂正事項39 明細書の【0102】から【0109】を削除する。 (40)訂正事項40 明細書の【0111】に、 「この登録・保存メニューの画面2Cの表示内容は、「NO」、「区分」、「原稿原画の情報・加工条件」等の横方向の一列の並びを、一つの項目として、複数段の項目を表示するメニュー内容の表示・変更部26Cや、このメニュー内容の表示・変更部26Cの項目の表示や内容を変更等する為の表示部(項目の移動指示部191、メニュー名のかな入力指示部192、メニューの削除指示部193、登録番号の配置変更指示部194)や、変更等したメニュー内容の表示・変更部26Cを処理する為の表示部(操作盤にメニューの登録指示部13c、画面にメニューの登録指示部14c、スタート指示部24c、原稿原画の情報の保存指示部5c、メニューの指定キープ指示部16c、メニューの指定取消し指示部17c、画面変更の指示部18c等)を表示する。」と記載されているのを、 「この登録・保存メニューの画面2Cの表示内容は、「NO」、「区分」、「原稿原画の情報・加工条件」等の横方向の一列の並びを、一つの項目として、複数段の項目を表示するメニュー内容の表示・変更部26Cや、このメニュー内容の表示・変更部26Cの項目の表示や内容を変更等する為の表示部(項目の移動指示部191、メニュー名のかな入力指示部192、メニューの削除指示部193等)や、変更等したメニュー内容の表示・変更部26Cを処理する為の表示部(操作盤にメニューの登録指示部13c、画面にメニューの登録指示部14c、原稿原画の情報の保存指示部5c等)を表示する。」に訂正する。 (41)訂正事項41 明細書の【0124】から【0127】を削除する。 (42)訂正事項42 明細書の【0128】に、 「更に、この登録・保存番号は、削除不可や変更不可にする登録・保存番号の固定化を可能にする。」と記載されているのを、 「この登録・保存番号は、削除不可や変更不可にする登録・保存番号の固定化を可能にする。」に訂正する。 (43)訂正事項43 明細書の【0130】に、 「変更等した表示部を処理する為の表示部(操作盤にメニューの登録指示部13c、画面にメニューの登録指示部14c、スタート指示部24c、原稿原画の情報の保存指示部5c、メニューの指定キープ指示部16c、メニューの指定取消し指示部17c、画面変更の指示部18c等)は、すでに記載した要領に準じて実施する。」と記載されているのを、 「変更等した表示部を処理する為の表示部(操作盤にメニューの登録指示部13c、画面にメニューの登録指示部14c、原稿原画の情報の保存指示部5c等)は、すでに記載した要領に準じて実施する。」に訂正する。 (44)訂正事項44 明細書の【0133】を削除する。 (45)訂正事項45 明細書の【0135】から【0136】を削除する。 (46)訂正事項46 明細書の【0137】に、 「図6、7、8は、サブ操作盤20に関して示している。 この内、図6は、メモ板又はメモ入れ21に関して示している。 図7、8、(更に9、10)は、図4のその他の実施例として、変更(設定)したメニューを変更式登録メニューの告知部3B、3F、3FA、3G、3GAに登録する手段等に関して示している。」と記載されているのを、 「図6は、サブ操作盤20に関して示している。 図6は、メモ板又はメモ入れ21に関して示している。」に訂正する。 (47)訂正事項47 明細書の【0138】に、 「使用者が希望するサブ操作盤20(図6、7、8)は、図3で示すサブ操作盤の選択部12により、複数枚に設けたサブ操作盤の中から取り出される。」と記載されているのを、 「使用者が希望するサブ操作盤20(図6)は、図3で示すサブ操作盤の選択部12により、複数枚に設けたサブ操作盤の中から取り出される。」に訂正する。 (48)訂正事項48 明細書の【0139】に、 「図例では、メモ板又はメモ入れ21を収めたサブ操作盤や、画像形成の加工メニューをコピー、写真、プリント(写真以外のプリント)、ファクスの複数に分けたサブ操作盤を設けている。 このサブ操作盤20は、操作盤内に収納され、サブ操作盤の選択部12の押し下げにより、収納時に蓄えられた弾力或いは原動部より伝導する動力により自動で押し出される手段を備える。」と記載されているのを、 「このサブ操作盤20は、操作盤内に収納され、サブ操作盤の選択部12の押し下げにより、収納時に蓄えられた弾力或いは原動部より伝導する動力により自動で押し出される手段を備える。」に訂正する。 (49)訂正事項49 明細書の【0143】から【0183】を削除する。 (50)訂正事項50 明細書の【0184】に、 「以上、本発明に関する装置の各部の詳細、及び、作用図について示したが、これ以降は、具体的な実施例の代表例について示す。」と記載されているのを、 「以上、本発明に関する装置の各部の詳細について示したが、これ以降は、具体的な実施例の代表例について示す。」に訂正する。 (51)訂正事項51 明細書の【0185】から【0187】を削除する。 (52)訂正事項52 明細書の【0191】から【0194】を削除する。 (53)訂正事項53 明細書の【0198】から【0200】を削除する。 (54)訂正事項54 明細書の【0202】に、 「100 操作部 1 操作盤 2A 非表示の画面(メーン画面) 2B メニューの変更画面(メーン画面) 2C 登録・保存メニューの画面(メーン画面) 3A 固定式登録メニューの告知部(登録メニューの告知部) 3B 変更式登録メニューの告知部(登録メニューの告知部) 3F 変更式登録メニューの告知部(登録メニューの告知部) 3G 変更式登録メニューの告知部(登録メニューの告知部) 4 登録メニューのスタート指示部 5 原稿原画の情報の保存指示部 6 メニューの変更指示部 7 画面切り替えスイッチ 8 登録・保存番号表示部 9 枚数表示部 9A 枚数変更中を告知する表示部 10 数字キー 10A 枚数の変更指示部(数字キー) 10B 登録・保存メニューのスタート指示部(数字キー) 11 数字キーのロック部 12 サブ操作盤の選択部 13 操作盤にメニューの登録指示部 14 画面にメニューの登録指示部 15 メニューの確定指示部 16 メニューの指定キープ指示部 17 メニューの指定取消し指示部 18 画面変更の指示部 191 項目の移動指示部 192 メニュー名のかな入力指示部 193 メニューの削除指示部 194 登録番号の配置変更指示部 195 加工条件の選択部 196 加工条件(基本条件)の選択部 196A 加工条件(その他の条件)の選択部 20 サブ操作盤 21 メモ板又はメモ入れ 22 加工条件(倍率と用紙サイズと枚数)を収めたカード 22A 加工条件(倍率と用紙サイズと枚数以外)を収めたカード 23 電源スイッチ 24 スタート指示部 25 従来技術のメーン画面の表示画面 26B メニュー内容の表示・変更部 26C メニュー内容の表示・変更部 26E メニュー内容の表示・変更部」と記載されているのを、 「1 操作盤 2A 非表示の画面(メーン画面) 2B メニューの変更画面(メーン画面) 2C 登録・保存メニューの画面(メーン画面) 3A 固定式登録メニューの告知部(登録メニューの告知部) 3B 変更式登録メニューの告知部(登録メニューの告知部) 4 登録メニューのスタート指示部 5 原稿原画の情報の保存指示部 6 メニューの変更指示部 7 画面切り替えスイッチ 8 登録・保存番号表示部 9 枚数表示部 9A 枚数変更中を告知する表示部 10 数字キー 10A 枚数の変更指示部(数字キー) 10B 登録・保存メニューのスタート指示部(数字キー) 11 数字キーのロック部 12 サブ操作盤の選択部 13 操作盤にメニューの登録指示部 14 画面にメニューの登録指示部 18 画面変更の指示部 192 メニュー名のかな入力指示部 193 メニューの削除指示部 20 サブ操作盤 21 メモ板又はメモ入れ 23 電源スイッチ 24 スタート指示部 25 従来技術のメーン画面の表示画面」に訂正する。 (55)訂正事項55 【図2】に、 [図:0001414085000001.jpg] と記載されているのを、 [図:0001414085000002.jpg] に訂正する。 (56)訂正事項56 【図4】に、 [図:0001414085000003.jpg] と記載されているのを、 [図:0001414085000004.jpg] に訂正する。 (57)訂正事項57 【図5】に、 [図:0001414085000005.jpg] と記載されているのを、 [図:0001414085000006.jpg] に訂正する。 (58)訂正事項58 【図7】から【図15】を削除する。 2 訂正の適否の判断 以下では、上記訂正事項のうち訂正事項2~7、9~13、16~58の訂正の目的について検討する。 (1)特許法第126条第1項の規定 特許法第126条第1項には、 「特許権者は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の訂正をすることについて訂正審判を請求することができる。ただし、その訂正は、次に掲げる事項を目的とするものに限る。 一 特許請求の範囲の減縮 二 誤記又は誤訳の訂正 三 明瞭でない記載の釈明 四 他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること。」と規定されている。 ここで、訂正審判において訂正をすることができる「願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面」について検討する。 上記第1の経緯を参酌するに、明細書、特許請求の範囲、図面について、以下の書類が提出されている。 平成26年10月20日に願書とともに明細書、特許請求の範囲、図面。 平成27年2月20日に手続補正書。 (当該手続補正書において、特許請求の範囲の請求項1及び3と、明細書の【0030】及び【0032】が補正された。) その後、平成27年6月12日に特許権の設定登録がされ、令和5年1月23日に本件訂正請求がされたが、平成27年2月20日に手続補正書が提出された後、令和5年1月23日に本件訂正請求がされる前に、明細書、特許請求の範囲、図面に関して補正若しくは訂正はされていない。 そうすると、「願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面」とは、平成26年10月20日に提出された明細書、特許請求の範囲又は図面について、平成27年2月20日に提出された手続補正書により補正された明細書、特許請求の範囲又は図面であることから、特許権の設定登録時の明細書、特許請求の範囲又は図面のことと解釈すべきである。 (2)「特許請求の範囲の減縮」(ただし書第1号)及び「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること。」(ただし書第4号)を目的とするものであるかについて 訂正事項2~7、9~13、16~58は、明細書又は図面を訂正するものであって、特許請求の範囲を訂正するものではないから、「特許請求の範囲の減縮」及び「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること。」を目的とするものであると認めることができない。 (3)「誤記又は誤訳の訂正」(ただし書第2号)を目的とするものであるかについて 誤記の訂正とは、本来その意であることが明細書、特許請求の範囲又は図面の記載などから明らかな内容の字句、語句に正すことをいい、訂正前の記載が当然に訂正後の記載と同一の意味を表示するものと客観的に認められるものをいう。そして、誤記の訂正が認められるためには、特許権の設定登録時(訂正前)の明細書、特許請求の範囲又は図面中の記載に誤記が存在することが必要である。 しかし、訂正事項2~7、9~13、16~58において、訂正前の記載が当然に訂正後の記載と同一の意味を表示するものと客観的に認められるものとはいえず、また、特許権の設定登録時(訂正前)の明細書、特許請求の範囲又は図面の記載に誤記が存在するものと認めることができない。 したがって、訂正事項2~7、9~13、16~58は「誤記又は誤訳の訂正」を目的とするものであると認めることができない。 (4)「明瞭でない記載の釈明」(ただし書第3号)を目的とするものであるかについて 明瞭でない記載の釈明とは、特許権の設定登録時(訂正前)の明細書、特許請求の範囲又は図面中のそれ自体意味の不明瞭な記載、又は、特許権の設定登録時(訂正前)の明細書、特許請求の範囲又は図面中の他の記載との関係で不合理を生じているために不明瞭となっている記載等、明細書、特許請求の範囲又は図面に生じている記載上の不備を訂正し、その本来の意を明らかにすることをいう。そして、明瞭でない記載の釈明が認められるためには、特許権の設定登録時(訂正前)の明細書、特許請求の範囲又は図面に明瞭でない記載が存在することが必要である。 しかし、訂正事項2~7、9~13、16~58において、特許権の設定登録時(訂正前)の明細書、特許請求の範囲又は図面中にそれ自体意味の不明瞭な記載を含むものでなく、又、特許権の設定登録時(訂正前)の明細書、特許請求の範囲又は図面中の他の記載との関係で不合理を生じているために不明瞭となっている記載を含むものでもなく、特許権の設定登録時(訂正前)の明細書、特許請求の範囲又は図面に明瞭でない記載が存在するものと認めることもできない。 したがって、訂正事項2~7、9~13、16~58は「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものであると認めることができない。 (5)まとめ 本件訂正請求のうち、訂正事項2~7、9~13、16~58は、特許法第126条第1項ただし書各号に掲げる事項を目的とするものではない。 3 請求人の主張について 請求人は、審判請求書、令和5年4月24日に提出された意見書(以下、「第1意見書」という。)、令和5年5月7日に提出された意見書(以下、「第2意見書」という。)において、訂正の目的に関する主張をしているので、以下で検討する。 (1)審判請求書について ア 審判請求書における請求人の主張 請求人は、発明の目的に関して以下の主張をしている。 (ア)「a1 訂正事項2から58の本件特許の明細書の記載は、原出願の出願当初及び分割直前の明細書の記載の範囲内で行わなければならないところ、原出願の出願当初の明細書の記載の範囲内で行われており、この訂正前の訂正事項2から58の本件特許の明細書の記載は、分割出願が容認され特許が成立している根拠が明瞭でない記載となっている。 そこで、訂正事項2から58の本件特許の明細書の訂正前の記載を、原出願の出願当初の明細書の記載の範囲内から、原出願の出願当初及び分割直前の明細書に記載の範囲内に訂正して、明瞭でない記載を明瞭にする。(本来、特許審査請求時に拒絶理由を通知されなければなかった不適法のまま特許査定された特許を適法に正す。) すなわち、本件特許の訂正事項2から58の本件特許の明細書は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。」(審判請求書26頁4~16行) (イ)「a2 訂正事項2から58の本件特許の明細書は、原出願の出願当初及び分割直前の明細書の記載の範囲内で行わなければならないところ、原出願の出願当初の明細書の記載の範囲内で誤って記載しており、この記載は、「誤記」となっている。 尚、このa2は、訂正前の本件特許の明細書と原出願の出願当初の明細書を比較すれば、(「課題を解決するための手段」を除き)同じ文面、同じ図面の記載範囲であり、更に訂正後の本件特許の明細書と原出願の分割直前の明細書を比較すれば、(「課題を解決するための手段」を除き)同じ文面、同じ図面の記載範囲であり、(本件審判請求書に添付する訂正明細書は、分割当初と分割直前の明細書の記載範囲をそっくりそのまま差替えただけであり(「課題を解決するための手段」を除く)、仮に同じでない部分が存在したとしても、これは特許法第126条の各項に違反するものではなく、)本件特許の対象とすべき出願当初と出願当初及び分割直前の明細書の記載範囲の相互間の照合間違いであることは自明であり、「誤記」であることは自明である。 そこで、訂正事項2から58の本件特許の明細書の記載を、原出願の出願当初の明細書に記載の範囲内から、原出願の出願当初及び分割直前の明細書に記載の範囲内に訂正する。(本来、特許審査請求時に拒絶理由を通知されなければなかった不適法のまま特許査定された特許を適法に正す。) すなわち、本件特許の訂正事項2から58は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する「誤記又は誤訳の訂正」を目的とするものである。」(審判請求書26頁18~37行) (ウ)「a3 訂正事項2から58は、訂正事項1に対応する本件特許の発明の詳細な説明(図面を含む)を訂正するものである。 よって、訂正事項2から58は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。 尚、このa3は、特許庁インターネット「特許情報プラットフォーム」「審決検索」「無効2017-800060」「第4 訂正請求について、2訂正の適否についての判断、(4)本件訂正請求についての当審の判断、ア 訂正の目的について、(エ)訂正事項2及び訂正事項3について」に基づく。 同様に、訂正事項2から58は、請求項2、3に対応する本件特許の発明の詳細な説明(図面を含む)を訂正するものであり、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。」(審判請求書27頁1~11行) (エ)「a4 更に、訂正事項2、3、4、13、18、23、25、27、33、35の本件特許の明細書は、特許請求の範囲の訂正に伴い、特許請求の範囲と整合させるために行う訂正あり、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。」(審判請求書27頁13~16行) イ 審判請求書における請求人の主張に対する検討 (ア)上記ア(ア)及びア(イ)の主張について いったん特許となった発明については、その対象を確定して権利の安定を保証する趣旨から、特許明細書の訂正は、むやみに許容すべきではない。他方、明細書中に瑕疵が存在する場合、その瑕疵を是正して無効理由や取消理由を除去することができるようにしなければ、特許権者に酷であり発明を適切に保護することができない。特許法第126条第1項は、上記の相反する要請の調和の観点から、一定の事項を目的とする場合に限って特許明細書の訂正を許容することを規定したものである。このような特許法第126条第1項の趣旨に照らすと、特許査定がなされた後に訂正が認められるためには、特許法第126条第1項に規定された要件を満たすことが必要であることは、明らかなことというべきである。 そして、上記2(1)で検討したように、特許法第126条第1項にいう「願書に添付した明細書又は図面」とは、特許権の設定登録時の明細書、特許請求の範囲又は図面のことと解釈すべきである。この規定によれば、特許法第126条第1項に規定する訂正の目的の要件を満たすか否かは、特許権の設定登録時の明細書、特許請求の範囲又は図面と、訂正後の明細書、特許請求の範囲又は図面とを対比して判断すべきことが明らかである。本件特許のような分割出願である場合において、その原出願の願書に添付した明細書及び図面を基準とすることや、原出願の特許明細書との関係を考慮することはできないというべきである。 原出願の特許明細書に記載した事項の範囲を超える内容が分割出願に含まれているか否かは、訂正の目的要件を満たすか否かの判断とは無関係である。 特許法が、審査段階で登録要件を欠くことを指摘しなかったことを理由に訂正を広く認める立場を採用していないことは、訂正の事由を一定の場合に制限した特許法第126条第1項ただし書の規定から明らかというべきである。 そうすると、上記2(2)及び(3)で検討したように、訂正事項2~7、9~13、16~58は「誤記又は誤訳の訂正」、「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものであると認めることができない。 したがって、上記ア(ア)及びア(イ)の主張は、採用することができない。 (イ)上記ア(ウ)について 請求人は、無効2017-800060号の審決の第4の2(4)ア(エ)に基づいて、訂正事項2から58は、「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものであることを主張している。 なお、無効2017-800060号の審決の第4の2(4)ア(エ)には、 「訂正事項2及び訂正事項3は,訂正事項1-1ないし訂正事項1-3に対応する発明の詳細な説明を訂正するものである。 よって,訂正事項2及び訂正事項3は,特許法第134条の2第1項ただし書3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。」 と記載されている。 ここで、無効2017-800060号における訂正請求の訂正事項2及び訂正事項3は、訂正事項1-1ないし訂正事項1-3により特許請求の範囲が訂正されたことに伴い、特許請求の範囲の記載に対応する明細書の【0009】、【0013】~【0015】の記載内容が訂正された特許請求の範囲の記載との関係において不合理を生じている記載となったため、訂正された特許請求の範囲の記載と整合させるために行った訂正であるといえる。 そして、本件訂正請求のうち訂正事項14の訂正については、本件の訂正前の【0030】の「請求項1の発明は、加工の実施に関する表示内容を複数に分け必要な表示内容に切り替えて表示するメーン画面の表示手段と、このメーン画面の表示内容を実施する手段を設けた画像形成装置において、更に、複数の加工条件からなるコピーメニューの登録、登録した複数の加工条件からなるコピーメニューのコピー、複数の加工条件からなるプリントメニューの登録、登録した複数の加工条件からなるプリントメニューのプリント、原稿原画の情報の保存、保存した原稿原画の情報のコピーのいずれかの一つ或は複数の加工を実施する画像形成装置において、前記のメーン画面の画面を表示せずに更に画面を切り替えずに、前記の加工を実施する為の情報である登録コピーメニュー名、登録コピーメニューの内容、登録プリントメニュー名、登録プリントメニューの内容、原稿原画の情報名、原稿原画の情報の内容、登録・保存番号のいずれかの一つ或は複数の確認をして、前記の加工の実施の指示を出す手段を設けた画像形成装置である。」との記載が、請求項1の記載をそのまま記載したものであることから、訂正事項1によって特許請求の範囲が訂正されることに伴い、訂正前の【0030】の記載が訂正される特許請求の範囲の記載との関係において不合理を生じている記載となったため、訂正される特許請求の範囲の記載と整合させるために行う訂正であるといえる。 しかし、本件訂正請求の訂正事項2~13、15~58の訂正については、訂正事項1により特許請求の範囲が訂正されたことに伴い、訂正前の記載が訂正された特許請求の範囲の記載との関係において不合理を生じている記載となったものであると認めることはできない。 また、請求項2及び3で限定された構成は訂正されておらず、訂正事項2から58は、請求項2、3に対応する訂正ではない。 したがって、上記ア(ウ)の主張は、採用することができない。 (ウ)上記ア(エ)について 上記(イ)の検討と同様であって、訂正事項2、3、4、13、18、23、25、27、33、35の訂正については、訂正事項1により特許請求の範囲が訂正されたことに伴い、訂正前の記載が訂正された特許請求の範囲の記載との関係において不合理を生じている記載となったものであると認めることはできない。 したがって、上記ア(エ)の主張は、採用することができない。 (2)第1意見書について ア 第1意見書における請求人の主張 請求人は、第1意見書において、以下のような主張をしている。 (ア)「分割出願においては、特許登録後に出願当初と分割直前の明細書等の照合間違いによる瑕疵の発生は、事前に予測できることであり、今後も懸念されることであり、特許法第1条の「発明の保護」及び特許審判制度の制定目的から勘案すれば、分割出願の瑕疵を治癒するための審判は、審判の対象とすべきであり、「原出願の特許明細書との関係を考慮すべきである。」」。」(第1意見書2頁6~10行) (イ)「要するに、特許法第126条第1項の条文を条文とおりに「願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(全般)」と解釈して、分割出願においては、先ずは、特許権設定登録時の明細書等の出願当初と分割直前の明細書等の照合間違いによる瑕疵についての確認のうえ、特許法第126条第1項のただし書きの審議をすべきである。」(第1意見書2頁19~22行) (ウ)「要するに、本来保護されるべき特許を保護することは、論ずるまでもなく当然のことであり、特許法第126条第1項の規定の解釈は、特許法第1条の「発明の保護」及び特許審判制度の制定目的に基づき「願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面」は、条文とおり「願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(全般)」と解すべきである。」(第1意見書3頁9~13行) (エ)「要するに、特許法第126条第1項の規定の解釈は、「発明の奨励」に基づく特許取得の現場、現実に鑑みて、更に、特許法の基盤である特許法第1条の(「発明の奨励」及び)「発明の保護」に基づき「願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面」は、条文とおり「願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(全般)」と解すべきである。」(第1意見書3頁37~40行) (オ)「要するに、特許法第126条第1項の規定の解釈は、どのようにも受け取ることができる文言の解釈だけにとらわれず、一般社会の誰でもが理解し納得できる社会通念に基づきなされなければならず「願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面」は、条文とおり「願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(全般)」と解釈すべきである。」(第1意見書4頁23~26行) (カ)「以上、『ここで、訂正審判において訂正することができる「願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面」とは、(条文とおりに) 「願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(全般)」のことであると解釈すべきである。』(通知書24ページに対する意見)よって、「特許法第126条第1項に規定する訂正の目的の要件を満たすか否かは、願書に添付した(多様な形態がある)明細書をもって判断すべきことが明らかであって、(分割出願に関しては、)原出願の特許明細書との関係を考慮するべきである。原出願の分割直前の明細書に記載した事項の範囲を超える内容が分割出願に含まれているか判断すべきである」(通知書26ページに対する意見)として、「本件の訂正審判の請求は、訂正事項1~58の全てについて、特許法第126条第1項ただし書に掲げるいずれの事項を目的とするものである。したがって、特許第5756954号の明細書(図面を含む)、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲(図面を含む)のとおり訂正される。」と認定することを求めます(通知書28ページに対する意見)」(第1意見書4頁28~40行) イ 第1意見書における請求人の主張に対する検討 (ア)上記ア(ア)~(オ)の主張について 上記ア(ア)~(オ)の主張をまとめると、請求人は、分割出願の瑕疵を治癒するための審判は、審判の対象とすべきであり、原出願の特許明細書との関係を考慮すべきであること、分割出願においては、先ずは、特許権設定登録時の明細書等の出願当初と分割直前の明細書等の照合間違いによる瑕疵についての確認のうえ、特許法第126条第1項のただし書きの審議をすべきであること、「願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面」は、条文とおり「願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(全般)」と解すべきであることを主張している。 しかし、仮に、分割出願に瑕疵があったしても、上記(1)イ(ア)でも検討したように、特許査定がなされた後に訂正が認められるためには、特許法第126条第1項に規定された要件を満たすことが必要である。 そして、特許法第126条第1項にいう「願書に添付した明細書又は図面」とは、特許権の設定登録時の明細書、特許請求の範囲又は図面のことと解釈すべきであり、特許法第126条第1項に規定する訂正の目的の要件を満たすか否かは、特許権の設定登録時の明細書、特許請求の範囲又は図面と、訂正後の明細書、特許請求の範囲又は図面とを対比して判断すべきことが明らかであって、原出願の特許明細書との関係を考慮することはできず、原出願の特許明細書に記載した事項の範囲を超える内容が分割出願に含まれているか否かは、訂正の要件を満たすか否かの判断とは無関係である。 したがって、上記ア(ア)~(オ)の主張は、採用することができない。 (イ)上記ア(カ)について 上記2(1)で検討したように、「願書に添付した明細書又は図面」とは、特許権の設定登録時の明細書、特許請求の範囲又は図面のことと解釈すべきである。 そうすると、上記2(2)~(5)で検討したように、訂正事項2~7、9~13、16~58は、特許法第126条第1項ただし書各号に掲げる事項を目的とするものではない。 したがって、上記ア(カ)の主張(「本件の訂正審判の請求は、訂正事項1~58の全てについて、特許法第126条第1項ただし書に掲げるいずれの事項を目的とするものである。したがって、特許第5756954号の明細書(図面を含む)、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲(図面を含む)のとおり訂正される。」と認定することを求めますとの主張)を採用することができない。 (3)第2意見書について ア 第2意見書における請求人の主張 請求人は、第2意見書において、訂正2008-390097号の審決及び平成14年(行ケ)第188号の判決を利用して、以下のような主張をしている。 (ア)「審決例(当審注:訂正2008-390097号の審決を指す。以下同じ。)の「第3.訂正拒絶の理由」にて、「・・・・訂正事項1は特許請求の範囲の減縮を目的とするものに相当する。しかし、本件は適法な分割出願であるということはできない・・・・」と示し、「第5.分割が適法か否かについて」にて、「出願当初」「分割直前」の範囲であるか否かの審理がなされています。 通知書(当審注:本件の訂正拒絶理由通知書を指す。以下同じ。)は、「特許法第126条第1項に規定する訂正の目的の要件を満たすか否かは、設定登録時の特許明細書である本件明細書と、訂正後の明細書とを対比して判断すべきことが明らかであって、原出願の特許明細書との関係を考慮することはできないというべきである。」(通知書26ページ)と示されていますが、審決例は、「原出願の特許明細書との関係を考慮して」判断されています。(通知書と審決例とは、異なる判断です。)」(第2意見書1頁25~33行) (イ)「本件審判請求書の「本件特許」の瑕疵は、審査請求時に適切な審査がなされていれば存在しません。「本件特許」の瑕疵は、本件審判請求の出願人(本件請求人)が提出した本件審判請求書に記載した発明そのものの解釈に一切関係せず、特許審査官の「分割直前の明細書等」と「出願当初の明細書等」の事務的で単純な照合間違いに起因することが最も深刻な要因でありであり、特許庁が犯した瑕疵は重大と言えます。更に、本件審判請求の「本件訂正」の目的は、「分割直前の明細書等」と「出願当初の明細書等」の事務的で単純な差替えです。」(第2意見書2頁23~29行) (ウ)「判決例(当審注:平成14年(行ケ)第188号の判決を指す。以下同じ。)は、「願書に添付した明細書等」が「原当初明細書」の場合のみにおいて「原当初明細書との関係を考慮することはできないというべきである。原当初明細書に記載した事項の範囲を超える内容が分割出願に含まれているか否かは、訂正の要件を満たすか否かの判断とは無関係である。」と判断を示していると解することができます。 (判決例は、「願書に添付した明細書等」が「本件明細書」の場合は「原当初明細書との関係を考慮することはできないというべきである。原当初明細書に記載した事項の範囲を超える内容が分割出願に含まれているか否かは、訂正の要件を満たすか否かの判断とは無関係である。」の判断については示していないと解することができます。) これを通知書の判決文の解釈についていえば、通知書は、判決文の1つの文脈をあえて2つに区切り、『「願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面」とは、「特許権の設定登録時の明細書、特許請求の範囲又は図面(特許権設定登録時の明細書等)」のことである。』及び「原出願の特許明細書との関係を考慮することはできないというべきである。」と、2つの結論を導き出していますが、これは審決例とは異なる結論であり、不自然で難解な解釈になります。 この判決文の解釈は、判決文の1つの文脈に区切りを付けず、仮に「願書に添付した明細書等」が「原当初明細書」とした場合の補足説明として(説明の続きとして)、『「願書に添付した明細書等」とは、「特許権設定登録時の明細書等」である為、「本件原当初明細書」の判断(即ち、原出願の特許明細書との関係を考慮すること)をすべきでない。』と解釈すべきです。 (『「願書に添付した明細書等」が「原当初明細書」とした場合のみ「原出願の特許明細書との関係を考慮することはできない。」』と解すべきです。) 次に、審決例は、前記に記載するとおり、『「願書に添付した明細書等」とは「特許権設定登録時の明細書等」である。』更に「分割出願は、分割が適法か否かの判断をすべきである。」と示しています。 要するに、これらの事実に基づけば、特許法第126条第1項の規定の解釈の真理は、『「願書に添付した明細書等」とは「特許権設定登録時の明細書等(「本件明細書」)」である。』更に「分割出願は、分割が適法か否かの判断をすべきである。」と解すべきです。」(第2意見書3頁27行~4頁7行) (エ)特許法第126条第1項の規定の解釈の真理にあてはめた本件審判請求書の記載内容の解釈は、『「願書に添付した明細書等」とは「特許権設定登録時の明細書等」である。』と解釈でき、更に「分割出願は、分割が適法か否かの判断をすべきである。」と主張しています。(特許法第126条第1項の規定の解釈の真理に当てはまります。)」(第2意見書4頁18~21行) (オ)特許法第126条第1項の規定の解釈の真理にあてはめて、通知書の本件審判請求書についての解釈を示せば、(訂正拒絶理由が具体性を欠くため、本件請求人が正確に理解できているとは言えませんが、)通知書は、特許法第126条第1項の規定の解釈の真理の「分割出願は、分割が適法か否かの判断をすべきである。」を「原出願の特許明細書との関係を考慮することはできない」と、誤った条文解釈をしています。」(第2意見書4頁23~27行) (カ)通知書は「「特許権設定登録時の明細書等」の記載内容に存在する瑕疵を存在しないと否定するという誤った事実認定をしています。この根拠は、通知書24~25ページ「(3)」「しかし、訂正事項2~7、9~13、16~58において・・・・設定登録時の記載に誤記が存在するものと認めることができない。」及び「(4)」「しかし、訂正事項2~7、9~13、16~58において・・・・設定登録時の明細書、特許請求の範囲又は図面に明瞭でない記載が存在するものと認めることができない。」の記載内容が示しています。」(第2意見書4頁32~38行) (キ)通知書は「本件審判請求の「願書に添付した明細書等」の記載内容が「特許権設定登録時の明細書等」なのか「本件原当初明細書」なのか明確には示していません。」(第2意見書4頁39~40行) (ク)「本件審判請求書の「本件特許」の形態と判決例の「本件特許」の形態は、全く異なっており、判決例に本件審判請求をあてはめて審議をすることできません。更に、通知書(本件訂正拒絶理由通知書)は、誤った条文解釈、誤った事実認定をしていますので、真理に基づく審理ではありません。」(第2意見書4頁42~45行) イ 第2意見書における請求人の主張に対する検討 (ア)上記ア(ア)の主張について 請求人が引用する訂正2008-390097号の審決の第4~第6には、以下のように記載されている。 「第4.訂正事項1が特許請求の範囲の減縮に相当するか否かについて 上記訂正事項1は,訂正前の特許明細書の請求項1の記載において, ・排出されるものが「水」である点, ・排出を「減圧留去により」行う点, ・基質が「グリセリン」及び「脂肪酸」である点, ・脂質分解酵素が「担体に分散または吸着された酵素剤」である点, ・該「酵素剤」が「低水分系」でエステル交換活性を有する点, ・該酵素剤を作用させる温度が「40~75℃」である点, が特定されたものである。 ここで,これらの特定事項は,訂正前の請求項1に記載された発明の構成に欠くことができない事項を更に限定するものであり,特許請求の範囲の減縮を目的とするものに相当する。 そこで,訂正後の請求項1に係る発明(以下,「本件訂正後発明」という。)が,独立して特許を受けることができるものであるか否かを,訂正拒絶理由に対して提出された平成20年12月19日付意見書(以下,「意見書」という。)での請求人の主張も踏まえ,以下の「第5」及び「第6」で検討することとする。 第5.分割が適法か否かについて (中略) したがって,本件は,原出願において補正可能な範囲で分割出願をしたものではなく,二以上の発明を包含する特許出願の一部を新たな特許出願としたものではないから,特許法第44条第1項に規定する適法な分割出願であるということはできない。 よって,本件は原出願の時にしたものとみなすことはできず,本件特許の出願日はその現実の出願日である昭和62年9月26日(以下,「本件現実の出願日」という。)であるといえる。 第6.進歩性について (中略) 4.小括 よって,本件訂正後発明は特許法第29条第2項の規定により独立して特許を受けることができないものであり,上記訂正事項1は,平成6年改正前特許法第126条第3項の規定に違反するものであるので,上記訂正事項1を含む本件訂正は認められない。」 すなわち、訂正2008-390097号の審決は、訂正の目的の判断に際して、分割が適法か否かについての検討をすることなく、特許請求の範囲の減縮を目的とするものと判断し、その後、独立して特許を受けることができるものであるか否かの検討に際して、分割が適法か否かについて検討し、独立して特許を受けることができないと判断したものである。 そうすると、訂正2008-390097号の審決は、訂正の目的を検討する際に、「原出願の特許明細書との関係を考慮して」判断したものではない。 したがって、上記ア(ア)の主張は、採用することができない。 (イ)上記ア(イ)の主張について 請求人は、「分割直前の明細書等」と「出願当初の明細書等」に違いがあることが看過されたことについて、特許庁が犯した瑕疵が重大であり、訂正の目的は、「分割直前の明細書等」と「出願当初の明細書等」の事務的で単純な差替えであることを主張しているが、訂正の目的は、特許法第126条第1項ただし書に掲げる事項を目的とするものに限るものであって、請求人が主張する「分割直前の明細書等」と「出願当初の明細書等」の事務的で単純な差替えを訂正の目的とすることを認めることはできない。 したがって、上記ア(イ)の主張は、採用することができない。 (ウ)上記ア(ウ)の主張について 請求人は、平成14年(行ケ)第188号の判決及び訂正2008-390097号の審決より、「特許法第126条第1項の規定の解釈の真理は、『「願書に添付した明細書等」とは「特許権設定登録時の明細書等(「本件明細書」)」である。』更に「分割出願は、分割が適法か否かの判断をすべきである。」と解すべきです。」との主張をしている。 判決には、「特許法120条の4第2項にいう「願書に添付した明細書又は図面」とは,訂正請求時の特許明細書である本件明細書のことであると解すべきことは,条文の文理上明らかである。この規定によれば,同条項に規定する訂正の目的の要件を満たすか否かは,訂正請求時の特許明細書である本件明細書と,訂正後の明細書とを対比して判断すべきことが明らかであって,原当初明細書との関係を考慮することはできないというべきである。 原当初明細書に記載した事項の範囲を超える内容が分割出願に含まれているか否かは,訂正の要件を満たすか否かの判断とは無関係である。」(第5の1(3))と記載されており、「願書に添付した明細書又は図面」とは,訂正請求時の特許明細書である本件明細書のことであること、訂正の目的の要件を満たすか否かを検討する際には,原当初明細書との関係を考慮することはできないこと、すなわち、上記(1)イ(ア)で検討したとおりのことが説示されている。 また、訂正2008-390097号の審決については、上記(ア)で検討したとおりである。 したがって、特許法第126条第1項に規定する訂正の目的の要件を満たすか否かは、設定登録時の特許明細書である本件明細書と、訂正後の明細書とを対比して判断すべきことが明らかであって、原出願の特許明細書との関係を考慮することはできないというべきであるから、上記ア(ウ)の主張は、採用することができない。 (エ)上記ア(エ)、ア(オ)の主張について 上記(ウ)で検討したように、特許法第126条第1項に規定する訂正の目的の要件を満たすか否かは、設定登録時の特許明細書である本件明細書と、訂正後の明細書とを対比して判断すべきことが明らかであって、原出願の特許明細書との関係を考慮することはできないというべきであるから、上記ア(エ)、ア(オ)の主張は、採用することができない。 (オ)上記ア(カ)の主張について 訂正拒絶理由通知書においては、「特許権設定登録時の明細書等」の記載内容に瑕疵が存在するか否かを検討したものでなく、あくまで、誤記や明瞭でない記載が存在するか否かを検討し、結論として、誤記や明瞭でない記載が存在するものと認めることができないとしたまでであるから、上記ア(カ)の主張は、採用することができない。 (カ)上記ア(キ)の主張について 訂正拒絶理由通知書では、「訂正審判において訂正をすることができる「願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面」とは、特許権の設定登録時の明細書、特許請求の範囲又は図面のことであると解釈すべきである。」(2(1))としており、「願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面」とは、特許権の設定登録時の明細書、特許請求の範囲又は図面であることは明らかである。 したがって、上記ア(キ)の主張は、採用することができない。 (キ)上記ア(ク)の主張について 上記(ウ)でも記載したように、訂正拒絶理由通知書では、本件特許について特許法に基づいて審理をしており、誤った条文解釈、誤った事実認定をしているものでなく、上記ア(ク)の主張は、採用することができない。 (4)まとめ したがって、審判請求書、令和5年4月24日に提出された意見書、令和5年5月7日に提出された意見書における審判請求人の主張を採用することができない。 3 むすび 本件の訂正審判の請求は、訂正事項2~7、9~13、16~58について、特許法第126条第1項ただし書に掲げる事項を目的とするものではない。 したがって、特許第5756954号の明細書、特許請求の範囲及び図面を、訂正事項2~7、9~13、16~58を含む本件審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲及び図面のとおり訂正することを認めることはできない。

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2023-390011

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