特許訂正審判
2017-390132
遊技機
- 審判番号
- 2017-390132
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2014-048063外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2017年11月28日
- 審決日
- 2018年01月17日
- 公報発行日
- 2018年04月27日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】京楽産業. 株式会社
- 【請求人代理人】特許業務法人 エビス国際特許事務所
- 分類
- P141 .851-Y (A63F) / P141 .853-Y (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法126条1項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第29条第2号、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第6030592号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第6030592号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第6030592号(以下、「本件特許」という。)は、平成26年3月11日に出願したものであって、その請求項1に係る発明は、平成28年10月28日に特許権の設定登録がなされ、平成29年11月28日に本件訂正審判の請求がなされたものである。
第2 請求の趣旨
本件訂正審判の趣旨は、本件特許の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものである。
第3 訂正事項
1 訂正事項1
本件特許の特許請求の範囲の請求項1に「前記第1リーチ演出を実行する場合と、前記第2リーチ演出を実行する場合とで、前記確定演出の実行態様を異ならせるものとし」とあるのを、「前記第1リーチ演出を実行する場合と、前記第2リーチ演出を実行する場合とで、前記確定演出の実行タイミングを異ならせるものとし」に訂正する。
2 訂正事項2
本件特許の明細書の段落【0008】に「前記第1リーチ演出を実行する場合と、前記第2リーチ演出を実行する場合とで、前記確定演出の実行態様を異ならせるものとし、」とあるのを、「前記第1リーチ演出を実行する場合と、前記第2リーチ演出を実行する場合とで、前記確定演出の実行タイミングを異ならせるものとし、」に訂正する。
第4 当審の判断
1 訂正事項1について
(1)訂正の目的について
訂正前の請求項1記載の特許発明では、「前記第1リーチ演出を実行する場合と、前記第2リーチ演出を実行する場合とで、前記確定演出の実行態様を異ならせるものとし」として、確定演出の実行態様が実行割合や実行タイミング等の複数の要素を含むものの、如何なるものであるのかについては何ら特定されていない。
これに対し、訂正後の請求項1記載の特許発明では、確定演出の実行態様という上位概念を実行タイミングという下位概念に限定しており、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、当該訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(2)新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
本件特許の明細書において、段落【0502】には、「そして、この「スペシャルリーチ(大当たり)1」では、サブCPU120aは、後述の図40(d)に示す演出制御情報に基づいて、大当たり判定の判定結果が大当たりであることが確定した旨を報知する「大当たり確定演出」を実行する。この「大当たり確定演出」は、例えば、音声出力装置32から所定の効果音を出力するとともに盤用照明装置34aのLED等を点灯させるものである。サブCPU120aはこのような「大当たり確定演出」を実行する場合には、例えば図32(a)に示すタイミングP11~P14のうちの何れのタイミングで実行するかを決定する。なお、「大当たり確定演出」の実行タイミングは、この図32(a)に示すタイミングタイミングP11~P14に限定されない。」との記載があり、段落【0550】には、「そして、サブCPU120aは、この「スペシャルリーチ(大当たり)3-2」において、後述の図41B(d-2)に示す演出制御情報に基づいて、大当たりの判定結果が大当たりであることが確定した旨を報知する「大当たり確定演出」を実行する。この「大当たり確定演出」は、例えば、音声出力装置32から所定の効果音を出力するとともに盤用照明装置34aのLED等を点灯させるものである。サブCPU120aは、このような「大当たり確定演出」を実行する場合には、後述の図41B(d-2)に示す演出制御情報に基づいて、タイミングP31~P34のうちの何れかのタイミングで実行するようにする。なお、この「大当たり確定演出」を実行する場合には、タイミングP31~P34のうちの何れかのタイミングに限定されない。」との記載がある。
また、本件特許の明細書において、段落【0528】には、「また、図40(d)の演出制御情報は、「スペシャルリーチ(大当たり)1」において、大当たり確定演出の実行タイミング割合を示している。サブCPU120aは、実行するカットイン予告に応じて、取得した「乱数値F」によってスペシャルリーチ開始前のタイミングP11、P12、スペシャルリーチ開始後のタイミングP13、P14のうちの何れのタイミングで大当たり確定演出を実行するかを決定する。」との記載があり、段落【0529】には、「「スペシャルリーチ(大当たり)1」において「剣士B」が登場するカットイン予告を実行する場合には、大当たり確定演出を40%の割合(乱数値Fが0~39)でスペシャルリーチ開始前のタイミングP11に実行し、30%の割合(乱数値Fが40~69)でスペシャルリーチ開始前のタイミングP12に実行し、20%の割合(乱数値Fが70~89)でスペシャルリーチ開始後のタイミングP13に実行し、10%の割合(乱数値Fが90~99)でスペシャルリーチ開始後のタイミングP14に実行する。また、「スペシャルリーチ(大当たり)1」において「剣2本」が出現する中信頼度のカットイン予告を実行する場合には、大当たり確定演出を25%の割合(乱数値Fが0~24)でスペシャルリーチ開始前のタイミングP11に実行し、25%の割合(乱数値Fが25~49)でスペシャルリーチ開始前のタイミングP12に実行し、25%の割合(乱数値Fが50~74)でスペシャルリーチ開始後のタイミングP13に実行し、25%の割合(乱数値Fが75~99)でスペシャルリーチ開始後のタイミングP14に実行する。また、「スペシャルリーチ(大当たり)1」において「剣1本」が出現する低信頼度のカットイン予告を実行する場合には、大当たり確定演出を10%の割合(乱数値Fが0~9)でスペシャルリーチ開始前のタイミングP11に実行し、20%の割合(乱数値Fが10~29)でスペシャルリーチ開始前のタイミングP12に実行し、30%の割合(乱数値Fが30~59)でスペシャルリーチ開始後のタイミングP13に実行し、40%の割合(乱数値Fが60~99)でスペシャルリーチ開始後のタイミングP14に実行する。」との記載があり、段落【0586】には、「また、図41B(d-2)の演出制御情報は、「スペシャルリーチ(大当たり)3-2」における、カットイン予告に応じた大当たり確定演出の実行タイミング割合を示している。サブCPU120aは、実行するカットイン予告に応じて、取得した「乱数値F」によってスペシャルリーチ開始前のタイミングP31、P32、スペシャルリーチ開始後の夕イミングP33、P34のうちの何れのタイミングで大当たり確定演出を実行するかを決定する。」との記載があり、段落【0587】には、「また、「スペシャルリーチ(大当たり)3-2」の「剣士A」が登場する高信頼度のカットイン予告を実行する場合、「手裏剣2枚」が出現する中信頼度のカットイン予告を実行する場合、「手裏剣1枚」が出現する低信頼度のカットイン予告を実行する場合の何れにおいても、大当たり確定演出を45%の割合(乱数値E〈当審注:「乱数値E」は「乱数値F」の誤記と認められる。以下、同様。〉が0~44)でスペシャルリーチ開始前のタイミングP31で実行し、35%の割合(乱数値Eが45~79)でスペシャルリーチ開始前のタイミングP32で実行し、15%の割合(乱数値Eが80~94)でスペシャルリーチ開始後のタイミングP33で実行し、5%の割合(乱数値Eが95~99)でスペシャルリーチ開始後のタイミングP34で実行する。」との記載がある。
そして、図32には、スペシャルリーチ(大当たり)1における大当たり確定演出の実行タイミングと、スペシャルリーチ(大当たり3-2)における大当たり確定演出の実行タイミングが記載されている。
そうすると、これらの記載から、第1リーチ演出たるスペシャルリーチ(大当たり)1を実行する場合と、第2リーチ演出たるスペシャルリーチ(大当たり3-2)を実行する場合とで、確定演出の実行タイミングを異ならせることが開示されているといえるから、訂正事項1は、本件特許の明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「本件特許明細書等」という。)の記載に基づくものであって、本件特許明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。
さらに、訂正事項1は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
2 訂正事項2について
訂正事項2は、本件特許の明細書の段落【0008】の請求項1に対応する記載を、訂正事項1に対応させて訂正したものである。
したがって、訂正事項2は、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正事項1に伴って生じる訂正であるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
また、上記1で検討したのと同様に、訂正事項2は、本件特許明細書等の記載に基づくものであって、本件特許明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。
さらに、訂正事項2は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項2は、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
第5 独立特許要件について
訂正後の請求項1記載の発明(以下、「本件訂正発明1」という)の「前記変動演出中の複数のタイミングで前記確定演出を実行可能であるが、前記変動演出中であっても前記有効期間の発生中には前記確定演出を実行しない」という構成は、原出願の拒絶理由において提出された甲第1号証(特開2013-236850号公報)に記載された発明、甲第2号証(「CRプリティバンド」、パチンコ必勝ガイド2004年11月21日号、株式会社白夜書房,2004年11月21日,pp.78-81)、甲第3号証(特開2011-019767号公報)、甲第4号証(特開2011-143204号公報)に記載された発明及び周知技術のいずれにも開示も示唆もされておらず、本件訂正発明1の属する技術の分野における通常の知識を有するものであっても、本件特許出願前に、本件訂正発明1に係る発明を容易にすることができたものではなく、特許法第29条第2号には該当せず、特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであり、特許法第126条第7項に適合するものである。
第6 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求に係る訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同法同条第5~7項の規定に適合するものであり、また、本件訂正審判の請求に係る訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同法同条第5~6項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
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