特許訂正審判
2020-390010
遊技機
- 審判番号
- 2020-390010
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2013-157493
- 登録番号
- 特許第5500533号(P5500533)
- 請求日
- 2020年02月04日
- 審決日
- 2020年03月25日
- 公報発行日
- 2020年06月26日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】ネット 株式会社
- 審判長/審判官
- 審判長 石井 哲
- 審判官 ▲高▼橋 祐介
- 審判官 長崎 洋一
- 分類
- P141 .851-Y (A63F) / P141 .853-Y (A63F) / P141 .856-Y (A63F) / P141 .841-Y (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法126条1項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第3項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第5500533号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第5500533号の明細書および特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書および特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-2〕について訂正することを認める。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本件特許第5500533号(以下「本件特許」という。)は、平成25年7月30日に出願され、平成26年3月20日に特許権の設定の登録がなされ、令和2年2月4日に訂正審判(以下「本件審判」という。)の請求がなされた。
第2 審判請求の趣旨
本件審判の請求の趣旨は、本件特許の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正後の請求項1、2について訂正することを認める、との審決を求めるものである。
第3 訂正の内容
本件特許の訂正の内容は、次のとおりである。
1 訂正事項1(請求項1に係る訂正事項)
本件特許の特許請求の範囲の請求項1における「前記操作手段を操作する操作ゲームの制御及びアシスト機能を発動させる制御を行う制御手段とを具備し、」を、「前記操作手段を操作する操作ゲームの制御を行う操作ゲーム制御手段及びアシスト機能を発動させる制御を行うアシスト制御手段とを具備し、」に訂正する(下線部は訂正箇所を示す。以下同様。)。
2 訂正事項2(請求項1に係る訂正事項)
本件特許の特許請求の範囲の請求項1における「前記制御手段は、アシスト機能の上乗せ抽選の当選結果である上乗せ数に基づいて、前記操作手段の操作回数を決定し、」を、「前記操作ゲーム制御手段は、アシスト機能の上乗せ抽選の当選結果であって、前記アシスト制御手段が決定した上乗せ数に基づいて、前記操作手段の操作回数を決定し、」に訂正する。
3 訂正事項3(請求項2に係る訂正事項)
本件特許の特許請求の範囲の請求項2における「前記制御手段は、」を、「前記操作ゲーム制御手段は、」に訂正する。
4 訂正事項4(【課題を解決するための手段】の項に係る訂正事項)
本件特許の願書に添付した明細書の【課題を解決するための手段】の【0025】における
「請求項1に係る本発明の遊技機は、上記の目的を達成する為に、複数の図柄列に複数種類の図柄を移動させて表示する図柄表示ゲームで役抽選を行って、各々の図柄列に対応して設けられた停止手段が、役抽選で内部当選した押し順役に応じた操作順序で操作されると、対応する図柄列を停止させて、押し順役を入賞させると共に、アシスト機能が発動すると、押し順役を入賞させる為の停止手段の操作順序を表示手段に表示する遊技機において、操作手段が操作されると、操作信号を出力する出力手段と、前記操作手段を操作する操作ゲームの制御及びアシスト機能を発動させる制御を行う制御手段とを具備し、前記制御手段は、アシスト機能の上乗せ抽選の当選結果である上乗せ数に基づいて、前記操作手段の操作回数を決定し、前記表示手段は、前記操作回数だけ前記操作手段が操作されると、前記上乗せ数を表示することを特徴とする。
請求項2に係る本発明の遊技機は、請求項1に記載の遊技機において、前記操作回数の抽選に用いられ、且つ、決定される操作回数の平均値が異なる複数の抽選テーブルを具備し、前記制御手段は、アシスト機能の上乗せ抽選の当選結果である上乗せ数に基づいて、前記複数の抽選テーブルの中から一つの抽選テーブルを選択して、抽選により前記操作手段の操作回数を決定することを特徴とする。」を、
「請求項1に係る本発明の遊技機は、上記の目的を達成する為に、複数の図柄列に複数種類の図柄を移動させて表示する図柄表示ゲームで役抽選を行って、各々の図柄列に対応して設けられた停止手段が、役抽選で内部当選した押し順役に応じた操作順序で操作されると、対応する図柄列を停止させて、押し順役を入賞させると共に、アシスト機能が発動すると、押し順役を入賞させる為の停止手段の操作順序を表示手段に表示する遊技機において、操作手段が操作されると、操作信号を出力する出力手段と、前記操作手段を操作する操作ゲームの制御を行う操作ゲーム制御手段及びアシスト機能を発動させる制御を行うアシスト制御手段とを具備し、前記操作ゲーム制御手段は、アシスト機能の上乗せ抽選の当選結果であって、前記アシスト制御手段が決定した上乗せ数に基づいて、前記操作手段の操作回数を決定し、前記表示手段は、前記操作回数だけ前記操作手段が操作されると、前記上乗せ数を表示することを特徴とする。
請求項2に係る本発明の遊技機は、請求項1に記載の遊技機において、前記操作回数の抽選に用いられ、且つ、決定される操作回数の平均値が異なる複数の抽選テーブルを具備し、前記操作ゲーム制御手段は、アシスト機能の上乗せ抽選の当選結果である上乗せ数に基づいて、前記複数の抽選テーブルの中から一つの抽選テーブルを選択して、抽選により前記操作手段の操作回数を決定することを特徴とする。」に訂正する。
第4 当審の判断
1 訂正事項1について
(1)訂正の目的の適否について
訂正事項1は、本件特許の特許請求の範囲の請求項1における「遊技機」が備える「制御手段」を「操作ゲーム制御手段」および「アシスト制御手段」の2つに特定した上で、「制御手段」が「行う」「操作手段を操作する操作ゲームの制御及びアシスト機能を発動させる制御」のうち、「操作手段を操作する操作ゲームの制御」を、「制御手段」のうちの「操作ゲーム制御手段」が担うことを限定し、「アシスト機能を発動させる制御」を、「制御手段」のうちの「アシスト制御手段」が担うことを限定するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当する。
(2)訂正が、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件特許明細書等」という。)に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて
訂正後の「操作ゲーム制御」に関し、本件特許明細書等の【0272】に「副制御部160は、ステップS1850に移行すると、クリアゲーム数の15回に到達したか否かを判断する。この場合、1ゲーム目なのでNO(非到達)となり、消化ゲーム数の1を記憶して、ステップS1860に移行する一方、到達していればステップS1855に移行して後述の操作ゲームを実行する。」こと、すなわち、「副制御部160」が、「操作ゲーム」の制御を実行することが記載されている。してみると、訂正後の「操作ゲームの制御を行う操作ゲーム制御手段」は、本件特許明細書等に「副制御部160」として記載されていたものである。
また、「アシスト制御」に関し、本件特許明細書等の【0277】に「主制御部100は、所定数のメダル投入後に、スタート操作されると役抽選を行って、副制御部160に役抽選結果を送信し、副制御部160はステップS1910で役抽選結果を受信する。副制御部160は、ステップS1920で、受信した役抽選の結果に基づいて、アシスト機能の上乗せ抽選を実行する。例えば、役抽選の結果がボーナス2やレア小役(チェリー、スイカ、チャンス目等)であれば、上乗せ抽選の上乗せ期待値が高い抽選テーブルを用いるが、押し順ベル小役やリプレイの場合には、上乗せ期待値が低い抽選テーブルを用いて上乗せ抽選を行う。なお、アシスト機能の上乗せ抽選とは、アシストゲーム数、アシストセット数、ナビ回数、獲得枚数等を上乗せするものである。」こと、すなわち、「主制御部100」および「副制御部160」が、「アシスト機能」の実現手段であることが記載されている。してみると、訂正後の「アシスト機能を発動させる制御を行うアシスト制御手段」は、本件特許明細書等に「主制御部100」および「副制御部160」として記載されていたものである。
したがって、訂正事項1は、本件特許明細書等の記載に基づくものであって、本件特許明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内のものである。
よって、訂正事項1は、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
上記(1)において検討したように、訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明を拡張又は変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第126条第6項の規定に適合する。
2 訂正事項2について
(1)訂正の目的の適否について
訂正事項2は、訂正前の特許請求の範囲の請求項1の「上乗せ数に基づいて、操作手段の操作回数を決定」することを実行する手段が、訂正前は「制御手段」であったものを、「操作ゲーム制御手段」であると限定し、さらに、訂正前の特許請求の範囲の請求項1の「上乗せ数」に関して、「アシスト制御手段が決定」することを限定するものである。
したがって、訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当する。
(2)訂正が本件特許明細書等に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて
訂正後の「上乗せ数」に関し、本件特許明細書等の【0277】に「副制御部160は、ステップS1920で、受信した役抽選の結果に基づいて、アシスト機能の上乗せ抽選を実行する。例えば、役抽選の結果がボーナス2やレア小役(チェリー、スイカ、チャンス目等)であれば、上乗せ抽選の上乗せ期待値が高い抽選テーブルを用いるが、押し順ベル小役やリプレイの場合には、上乗せ期待値が低い抽選テーブルを用いて上乗せ抽選を行う。なお、アシスト機能の上乗せ抽選とは、アシストゲーム数、アシストセット数、ナビ回数、獲得枚数等を上乗せするものである。」こと、すなわち、「副制御部160」が、「アシスト機能の上乗せ抽選」により上乗せ数を決定することが記載されている。そして、上記1(2)で検討したとおり、「主制御部100」および「副制御部160」は、訂正後の「アシスト機能を発動させる制御を行うアシスト制御手段」に対応するものである。
また、訂正後の「操作手段の操作回数」に関し、本件特許明細書等の【0278】に「副制御部160は、ステップS1930に移行すると、スペシャルボタン14の操作回数を抽選で決定する。例えば、上乗せ数が5~10であれば平均3回となるような抽選テーブル又は演算処理により操作回数を決定する。また、上乗せ数が15~20であれば平均5回、上乗せ数が25~30であれば平均7回、上乗せ数が35~50であれば平均10回、上乗せ数が100以上であれば平均15回となるように操作回数を決定する。従って、遊技者は操作回数が多い程、上乗せ数が多いことが分かるので、大変熱くなれる。」こと、すなわち、「副制御部160」が、「上乗せ数」に基づいて、「スペシャルボタン14の操作回数を抽選で決定する」ことが記載されている。そして、上記1(2)で検討したとおり、「副制御部160」は、訂正後の「操作ゲームの制御を行う操作ゲーム制御手段」に対応するものである。
したがって、訂正事項2は、本件特許明細書等の記載に基づくものであって、本件特許明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内のものである。
よって、訂正事項2は、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
上記1(3)における検討内容と同様であるから、訂正事項2は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第126条第6項の規定に適合する。
3 訂正事項3について
(1)訂正の目的の適否について
訂正事項3は、訂正前の特許請求の範囲の請求項2の「アシスト機能の上乗せ抽選の当選結果である上乗せ数に基づいて、複数の抽選テーブルの中から一つの抽選テーブルを選択して、抽選により操作手段の操作回数を決定する」ことを実行する手段が、訂正前は「制御手段」であったものを、「操作ゲーム制御手段」であると限定するものである。
したがって、訂正事項3は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当する。
(2)訂正が本件特許明細書等に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて
上記2(2)における検討内容と同様に、訂正後の「操作手段の操作回数」に関し、本件特許明細書等の【0278】に、「副制御部160」が、「上乗せ数」に基づいて、「スペシャルボタン14の操作回数を抽選で決定する」ことが記載されている。そして、上記1(2)で検討したとおり、「副制御部160」は、訂正後の「操作ゲームの制御を行う操作ゲーム制御手段」に対応するものである。
したがって、訂正事項3は、本件特許明細書等の記載に基づくものであって、本件特許明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内のものである。
よって、訂正事項3は、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
上記1(3)における検討内容と同様であるから、訂正事項3は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第126条第6項の規定に適合する。
4 訂正事項4について
(1)訂正の目的の適否について
訂正事項4は、訂正事項1~3に係る訂正に伴って、特許請求の範囲の請求項1、2の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るために、本件特許明細書等の【0025】の記載を訂正するものである。
したがって、訂正事項4は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。
(2)訂正が本件特許明細書等に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて
訂正事項4は、訂正事項1~3と同様の内容を含むものであるのだから、記1(2)、2(2)および3(2)で検討したとおり、本件特許明細書等の記載に基づくものである。
そして、訂正事項4は、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではないから、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内のものである。 したがって、訂正事項4に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
訂正事項4は、訂正事項1~3と同様の内容を含むものであるのだから、上記1(3)、2(3)および3(3)における検討内容と同様に、訂正事項4は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第126条第6項の規定に適合する。
5 一群の請求項について
訂正事項1~3および願書に添付された明細書に係る訂正事項4は、訂正前に引用関係を有する請求項1~2に対して請求されたものである。
したがって、本件訂正請求は、一群の請求項ごとに請求されている。
よって、本件訂正審判は、特許法第126条第3項、4項の規定に適合した請求である。
6 独立特許要件について
訂正後の請求項1および2に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を見いだせない。
したがって、本件訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
第5 むすび
以上のとおりであるから、訂正事項1~3に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、訂正事項4に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものであり、本件訂正は、同条第3~7項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
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