特許訂正審判
2022-390105
遊技機
- 審判番号
- 2022-390105
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2017-012875
- 登録番号
- 6870841
- 請求日
- 2022年06月13日
- 審決日
- 2022年09月06日
- 公報発行日
- 2022年12月28日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】株式会社 サンセイアールアンドディ
- 【請求人代理人】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 鉄 豊郎
- 審判官 ▲吉▼川 康史
- 審判官 蔵野 いづみ
- 分類
- P141 .851-Y (A63F) / P141 .853-Y (A63F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第6870841号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第6870841号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第6870841号(以下「本件特許」という。)は、平成29年1月27日(優先権主張 特願2016-129490(平成28年6月30日)、特願2016-152856(平成28年8月3日))に特願2017-12875として出願され、令和3年4月19日に特許権の設定登録がなされ、令和4年6月13日に訂正審判の請求がなされたものである。
第2 請求の趣旨
本件訂正審判請求の趣旨は、本件特許の願書に添付した明細書(以下「本件明細書」という。)及び特許請求の範囲(以下「本件特許請求の範囲」という。)を本件審判請求書に添付した訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものである。
第3 訂正の内容
本件訂正審判請求による訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、次のものである。
1 訂正事項1
本件特許請求の範囲の請求項1に、「遊技者が獲得した総賞球数を計測可能な総賞球数計測手段」、「前記通常遊技状態で前記総賞球数計測手段により計測された通常総賞球数」と記載されているものを、それぞれ、「前記通常遊技状態で遊技者が獲得した通常総賞球数を計測可能な通常総賞球数計測手段」、「前記通常総賞球数計測手段により計測された通常総賞球数」に訂正する(下線は当審において付与したものであり、訂正箇所及び訂正に関連する箇所等を表す。以下同様。)。
2 訂正事項2
本件明細書の【0009】に、「遊技者が獲得した総賞球数を計測可能な総賞球数計測手段」、「前記通常遊技状態で前記総賞球数計測手段により計測された通常総賞球数」と記載されているものを、それぞれ、「前記通常遊技状態で遊技者が獲得した通常総賞球数を計測可能な通常総賞球数計測手段」、「前記通常総賞球数計測手段により計測された通常総賞球数」に訂正する。
第4 当審の判断
1 訂正事項1について
(1)訂正の目的
訂正事項1に係る訂正は、訂正前の請求項1で「遊技者が獲得した総賞球数を計測可能な総賞球数計測手段」と特定されているところ、総賞球数の獲得が「前記通常遊技状態で」あるという限定を加え、「総賞球数」、「総賞球数計測手段」をそれぞれ具体的に、「通常総賞球数」、「通常総賞球数計測手段」と限定するとともに、
訂正前の請求項1で「前記通常遊技状態で前記総賞球数計測手段により計測された通常総賞球数」と特定されているところ、上述と同様に、「総賞球数計測手段」を具体的に「通常総賞球数計測手段」と限定するとともに、上述で、「通常総賞球数」が「前記通常遊技状態で」獲得した総賞球数を計測したものであることの特定がなされたことに伴い、「前記通常遊技状態で」あるという重複した記載を削除するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
(2)本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「願書に添付した明細書等」という。)に記載した事項の範囲内の訂正であること
ア 願書に添付した明細書等には、次の事項が記載されている(下線は当審において付与したものである。)。
「【0275】
<第1形態の変形例>
図63~図73に基づいて第1形態の変形例のパチンコ遊技機1について説明する。上記第1形態では、出率表示器300に出率を表示できるように構成した。これに対して第1形態の変形例では、ベース表示器にベースを表示できように構成されている。ベース(特定割合値)は、遊技者が発射した遊技球の数である発射球数(総発射球数,特定遊技球数)に対して遊技者が獲得した総賞球数の割合のことである。・・・
・・・
【0280】
この変形例において、ベースには3種類ある。通常遊技状態(非時短状態)でのベースと、時短状態(高確率状態且つ時短状態、又は低確率状態且つ時短状態)でのベースと、大当たり遊技状態(大当たり遊技の開始から終了までの)でのベースである。通常遊技状態でのベースは、通常遊技状態に限ってカウントされた発射球数に対する総賞球数の割合である。・・・
・・・
【0285】
図65(C)に示すように、変形例の特別メモリ89は、ベースを演算するための処理情報を格納する専用のメモリである。具体的に特別メモリ89には、通常100球用カウンタ、通常発射球数カウンタ、通常総賞球数カウンタ、通常ベース記憶領域、時短100球用カウンタ、時短発射球数カウンタ、時短総賞球数カウンタ、時短ベース記憶領域、大当たり100球用カウンタ、大当たり発射球数カウンタ、大当たり総賞球数カウンタ、大当たりベース記憶領域、変動回数カウンタ、チェックサム記憶領域が設けられている。・・・
・・・
【0292】
[カウンタ加算処理]図67に示すように、カウンタ加算処理(S151)ではまず、通常遊技状態(通常確率状態且つ非時短状態)であるか否かを判定する(S160)。即ち、高確率状態であることを示す高確フラグがOFFであり且つ時短状態であることを示す時短フラグがOFFであるか否かを判定する。通常遊技状態であれば(S160でYES)、通常100球用カウンタの値を「1」だけ加算する(S161)。・・・
【0293】
ステップS165では、アウト口16への入球であるか否かを判定する。つまり、図66のステップS110で読み込んだ入球検知信号がアウト口センサ16aによる検出信号であるか否かを判定する。アウト口16への入球であれば(S165でYES)、本処理を終える。一方、アウト口への入球でなければ(S165でNO)、入賞口(第1始動口20、第2始動口21、第1大入賞口30、第2大入賞口35、普通入賞口27)への入賞であることになる。この場合には、図66のステップS110で読み込んだ入球検知信号の種類と、図65(A)に示す賞球数カウンタ加算テーブルとに基づいて、通常総賞球数カウンタの値を加算させて(S166)、本処理を終える。例えば、通常遊技状態で普通入賞口27への入賞であれば、通常総賞球カウンタの値を「8」だけ加算する。」
イ 上記アより、願書に添付した明細書等には、第1形態の変形例のパチンコ遊技機1について、通常遊技状態(非時短状態)でのベースと、時短状態(高確率状態且つ時短状態、又は低確率状態且つ時短状態)でのベースと、大当たり遊技状態(大当たり遊技の開始から終了までの)でのベースという3種類あるベースのうち、通常遊技状態に限ってカウントされた発射球数に対する総賞球数の割合である通常遊技状態(非時短状態)でのベースの演算を行うために、通常遊技状態で入賞口(第1始動口20、第2始動口21、第1大入賞口30、第2大入賞口35、普通入賞口27)への入賞がある場合には、入球検知信号の種類と、賞球数カウンタ加算テーブルとに基づいて、通常総賞球数カウンタの値を加算させるカウンタ加算処理を行うことが記載されている。
ウ したがって、訂正事項1に係る訂正は、願書に添付した明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(3)特許請求の範囲の拡張又は変更
上記(1)で検討したとおり、訂正事項1に係る訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、かつ、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合する。
(4)独立特許要件
上記(1)で検討したとおり、訂正事項1に係る訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるところ、本件訂正後における特許請求の範囲の請求項1に記載されている事項により特定される発明について、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由は見いだせないから、特許法第126条第7項の規定に適合する。
(5)小括
したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5~7項の規定に適合する。
2 訂正事項2について
(1)訂正の目的
訂正事項2に係る訂正は、本件明細書の段落【0009】の記載を、訂正事項1に係る特許請求の範囲の訂正に伴い、整合性を図るために訂正するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。
(2)願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項2に係る訂正は、特許請求の範囲の請求項1に対応する明細書の【0009】について、訂正事項1に係る訂正と同様の訂正をするものである。
したがって、訂正事項2に係る訂正は、訂正事項1に係る訂正と同様の理由により、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(3)特許請求の範囲の拡張又は変更
訂正事項2に係る訂正は、特許請求の範囲の請求項1に対応する明細書の【0009】について、訂正事項1に係る訂正と同様の訂正をするものである。
したがって、訂正事項2に係る訂正は、訂正事項1に係る訂正と同様の理由により、実質上特許請求の範囲を拡張するものではなく、かつ、実質上特許請求の範囲を変更するものでもなく、特許法第126条第6項の規定に適合する。
(4)小括
したがって、訂正事項2に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5、6項の規定に適合する。
第5 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号及び同条同項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ同条第5項ないし第7項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
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