特許訂正審判
2024-390141
遊技機
- 審判番号
- 2024-390141
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2022-035413
- 登録番号
- 7540742
- 請求日
- 2024年11月26日
- 審決日
- 2025年01月29日
- 公報発行日
- 2025年05月30日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】京楽産業. 株式会社
- 【請求人代理人】田中 信介
- 審判長/審判官
- 審判長 ▲吉▼川 康史
- 審判官 大浜 康夫
- 審判官 蔵野 いづみ
- 分類
- P141 .851-Y (A63F) / P141 .853-Y (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法126条1項3号特許法126条5項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7540742号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第7540742号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第7540742号(以下「本件特許」という。)は、令和1年12月24日を出願日とする特願2019-233023の一部を、令和4年3月8日に新たな特許出願(特願2022-35413)としたものであって、令和6年8月19日に特許権の設定登録がなされ、その後、同年11月26日に本件訂正審判の請求がなされたものである。
第2 請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、本件特許の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものである。
第3 訂正の内容
本件訂正審判請求による訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、次のとおりである(下線は当審合議体が付した。以下同様。)。
1 訂正事項1
本件特許の特許請求の範囲(以下「本件特許請求の範囲」という。)の請求項1に「前記従制御手段が前記所定個数よりも2つ以上少ない特定個数の保留記憶の信号を前記主制御手段から受信した場合、」と記載されているのを、「前記従制御手段が前記所定個数よりも2つ以上少ない特定個数の保留記憶を含む前記変動演出を開始する信号を前記主制御手段から受信した場合、」に訂正する。
2 訂正事項2
本件特許請求の範囲の請求項1に「変動演出を開始すると共に前記第1シフト表示とは異なる減少態様として前記所定個数よりも1つ少ない数の前記保留情報を表示することなく保留記憶を前記所定個数から前記特定個数へ減少させる第2シフト表示を実行可能であり、」と記載されているのを、「前記変動演出を開始すると共に前記第1シフト表示とは異なる減少態様として前記所定個数よりも1つ少ない数の前記保留情報を表示することなく保留記憶を前記所定個数から前記特定個数へ減少させる第2シフト表示を実行可能であり、」に訂正する。
3 訂正事項3
本件特許の明細書(以下「本件明細書」という。)の【0007】に「前記従制御手段が前記所定個数よりも2つ以上少ない特定個数(例えば2個)の保留記憶の信号を前記主制御手段から受信した場合、」と記載されているのを、「前記従制御手段が前記所定個数よりも2つ以上少ない特定個数(例えば2個)の保留記憶を含む前記変動演出を開始する信号を前記主制御手段から受信した場合、」に訂正する。
4 訂正事項4
本件明細書の【0007】に「変動演出を開始すると共に前記第1シフト表示(例えば4個から3個)とは異なる減少態様として前記所定個数よりも1つ少ない数の前記保留情報を表示することなく保留記憶を前記所定個数から前記特定個数へ減少させる第2シフト表示(例えば4個から2個)を実行可能であり、」と記載されているのを、「前記変動演出を開始すると共に前記第1シフト表示(例えば4個から3個)とは異なる減少態様として前記所定個数よりも1つ少ない数の前記保留情報を表示することなく保留記憶を前記所定個数から前記特定個数へ減少させる第2シフト表示(例えば4個から2個)を実行可能であり、」に訂正する。
第4 訂正の適否についての判断
1 訂正事項1について
(1)特許法第126条第1項ただし書(訂正の目的)
訂正事項1は、主制御手段から受信する信号について、「特定個数の保留記憶」の信号が「変動演出を開始する信号」に含まれていることを限定したものである。
したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
(2)特許法第126条第5項に規定する要件(新規事項の有無)
本件特許の願書に添付した特許請求の範囲、明細書又は図面(以下「本件特許明細書等」という。)の【0282】には、「メインCPU110aは、ステップS230-5において、第1特別図柄保留数(U1)に「1」を加算して更新(U1←U1+1)する処理を行い、ステップS230-6において、更新後の第1特別図柄保留数(U1)に対応する第1特別図柄記憶指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。これにより、第1特別図柄記憶指定コマンドが演出制御基板130に送信され、演出制御基板130では第1特別図柄保留数を把握することが可能となる。」と記載され、【1672】には、「次に、P10のタイミングにおいて、特別図柄の停止時間が経過すると、主制御部110mが記憶(把握)している第1保留数U1が「2」から「1」に減少することに伴って、第1特別図柄表示器60において第1特別図柄の変動表示が開始される。また、第1特別図柄保留表示器63においてLEDで示される第1保留数U1が「2」から「1」となる。このタイミングで主制御部110mから送信される開始時コマンド(第1特別図柄記憶指定コマンド、演出図柄指定コマンド、第1特別図柄用変動パターン指定コマンド)を演出制御部130mが受信すると、演出制御部130mが記憶(把握)している第1保留数U1が「3」から「1」となって変動演出を開始するための処理が行われる。」と記載されている。
そして、【0282】の記載において「第1特別図柄記憶指定コマンド」は「第1特別図柄保留数」を示す信号であることから、特定個数を示す「第1特別図柄記憶指定コマンド」は、「特定個数の保留記憶」の信号に対応するものである。
また、【1672】の記載から「開始時コマンド」は「変動演出を開始する信号」に対応し、「第1特別図柄記憶指定コマンド」は「開始時コマンド」に含まれることが記載されていることから、訂正事項1に係る訂正は、本件特許の特許請求の範囲の記載を、本件特許明細書等の【0282】、【1672】等の記載に基づいて限定するものである。
したがって、訂正事項1は、本件特許明細書等の記載に基づくものであって、本件特許明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。
よって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3)特許法第126条第6項に規定する要件(特許請求の範囲の拡張又は変更の有無)
訂正事項1に係る訂正は、前記(1)で検討したとおり、本件特許請求の範囲の請求項1において、発明特定事項を限定するものであって、発明の対象やカテゴリーを変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものにも該当しない。
したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合する。
2 訂正事項2について
(1)特許法第126条第1項ただし書(訂正の目的)
本件特許請求の範囲では、「前記第2表示手段で演出図柄を変動させてから所定の停止表示期間にわたって停止表示する変動演出」における「変動演出」と同じ「変動演出」という用語が用いられているにも関わらず「前記」が付されていないので、両者が同じ用語を意味するのか必ずしも明瞭でなかった。そこで、訂正事項2は、本件特許請求の範囲の請求項1の「変動演出を開始すると共に前記第1シフト表示とは異なる減少態様として前記所定個数よりも1つ少ない数の前記保留情報を表示することなく保留記憶を前記所定個数から前記特定個数へ減少させる第2シフト表示を実行可能であり、」における「変動演出」に「前記」を付加することで、本件特許請求の範囲の請求項1で特定された「前記第2表示手段で演出図柄を変動させてから所定の停止表示期間にわたって停止表示する変動演出」における「変動演出」との相互の関係を明瞭にするものである。
したがって、訂正事項2に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。
(2)特許法第126条第5項に規定する要件(新規事項の有無)
前記(1)に示したとおり、訂正事項2は、特許請求の範囲の記載について、「変動演出」において、相互の関係を明瞭にするものであるから、本件明細書等により導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものでない。
したがって、訂正事項2は、本件特許明細書等の記載に基づくものであって、本件特許明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。
したがって、訂正事項2に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3)特許法第126条第6項に規定する要件(特許請求の範囲の拡張又は変更の有無)
訂正事項2は、前記(1)で検討したとおり、本件特許請求の範囲の請求項1において、発明特定事項の相互の関係を明瞭にするものであって、発明の対象やカテゴリーを変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものにも該当しない。
したがって、訂正事項2に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合する。
3 訂正事項3について
(1)特許法第126条第1項ただし書(訂正の目的)
訂正事項3は、本件明細書の【0007】について、訂正事項1に係る特許請求の範囲の訂正に伴い、特許請求の範囲と整合させるために行う訂正である。
したがって、訂正事項3に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。
(2)特許法第126条第5項に規定する要件(新規事項の有無)
前記(1)に示したとおり、訂正事項3に係る訂正は、訂正事項1に係る特許請求の範囲の訂正に伴い、特許請求の範囲と整合させるために行う訂正である。
したがって、訂正事項3は、前記1(2)の検討と同様に、本件特許明細書等の記載に基づくものであって、本件特許明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。
よって、訂正事項3に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3)特許法第126条第6項に規定する要件(特許請求の範囲の拡張又は変更の有無)
前記(1)に示したとおり、訂正事項3に係る訂正は、訂正事項1に係る特許請求の範囲の訂正に伴い、特許請求の範囲と整合させるために行う訂正である。
したがって、訂正事項3に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合する。
4 訂正事項4について
(1)特許法第126条第1項ただし書(訂正の目的)
訂正事項4は、本件明細書の【0007】について、訂正事項2に係る特許請求の範囲の訂正に伴い、特許請求の範囲と整合させるために行う訂正である。
したがって、訂正事項4に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。
(2)特許法第126条第5項に規定する要件(新規事項の有無)
前記(1)に示したとおり、訂正事項4に係る訂正は、訂正事項2に係る特許請求の範囲の訂正に伴い、特許請求の範囲と整合させるために行う訂正である。
したがって、訂正事項4は、前記2(2)の検討と同様に、本件特許明細書等の記載に基づくものであって、本件特許明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。
よって、訂正事項4に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3)特許法第126条第6項に規定する要件(特許請求の範囲の拡張又は変更の有無)
前記(1)に示したとおり、訂正事項4に係る訂正は、訂正事項2に係る特許請求の範囲の訂正に伴い、特許請求の範囲と整合させるために行う訂正である。
したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合する。
5 独立特許要件について
前記1(1)のとおり、訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮を目的とするから、訂正後の請求項1に係る発明が独立特許要件を満たすかどうかを検討する。
本件訂正後の請求項1に係る発明は、本件訂正前の請求項1に係る発明と同様に、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しないから、本件訂正は特許法第126条第7項の規定に適合する。
第5 むすび
以上のとおり、訂正事項1~4は、特許法第126条第1項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ同条第5項~第7項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
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