特許訂正審判
2024-390077
遊技機
- 審判番号
- 2024-390077
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2019-233142
- 登録番号
- 7148084
- 請求日
- 2024年07月29日
- 審決日
- 2024年10月15日
- 公報発行日
- 2025年02月28日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】京楽産業. 株式会社
- 【請求人代理人】古部 次郎
- 【請求人代理人】伊與田 幸穂
- 【請求人代理人】尾形 文雄
- 審判長/審判官
- 審判長 渋谷 知子
- 審判官 稲荷 宗良
- 審判官 三橋 健二
- 分類
- P141 .853-Y (A63F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第5項、特許法第126条第1項、特許法第126条、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7148084号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第7148084号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
理 由
第1 手続の経緯
本件特許第7148084号(以下「本件特許」という。)は、令和1年12月24日に特願2019-233142として出願され、令和4年9月2日付けで特許査定がなされ、同年9月27日に特許権の設定登録がなされ、令和6年7月29日に本件訂正審判の請求がなされたものである。
第2 請求の趣旨
本件訂正審判請求の趣旨は、本件特許の明細書(以下「本件特許明細書」という。)及び特許請求の範囲(以下「本件特許請求の範囲」という。)を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものである。
第3 訂正の内容
本件訂正審判請求による訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、次のものである。なお、下線は訂正箇所を示す。
1 訂正事項1
本件特許請求の範囲の請求項1に
「前記判定に基づく判定情報を保留記憶として記憶する記憶手段」とあるのを、
「前記判定に用いられる判定情報を保留記憶として記憶する記憶手段」に訂正する。
2 訂正事項2
本件特許明細書の段落【0006】に
「前記判定に基づく判定情報を保留記憶として記憶する記憶手段(例えば、RAM203)」とあるのを、
「前記判定に用いられる判定情報を保留記憶として記憶する記憶手段(例えば、RAM203)」に訂正する。
第4 訂正の適否についての判断
1 特許法第126条第1項ただし書に規定する要件について
(1)訂正事項1について
ア 本件特許請求の範囲においては、「特別遊技を行うか否かを判定する判定手段と、前記判定に基づく判定情報を保留記憶として記憶する記憶手段」との記載により、「判定情報」が、「特別遊技を行うか否か」の「判定に基づく」情報であると特定されていた。
イ 一方で、本件特許請求の範囲、明細書又は図面(以下「本件明細書等」という。)には、「判定」及び「判定情報」に関して次のように記載されている。なお、下線は合議体が付した。
「【0062】
乱数取得部231は、特別図柄抽選に用いられる乱数値と、普通図柄抽選に用いられる乱数値とを取得する。特別図柄抽選に用いられる乱数値の場合、具体的には、第1始動口121や第2始動口122に遊技球が入賞したことを条件として、乱数の種類ごとに、所定の範囲の数値の中から1つの数値(乱数値)が選択(取得)される。取得された乱数値は、特別図柄判定部234による判定に用いられる。詳しくは後述するが、特別図柄抽選に用いられる乱数としては、大当たりか否かを示す大当たり乱数、大当たりの種類を示す図柄乱数、変動パターン乱数、リーチ乱数等が有る。
・・・
【0063】
特別図柄判定部234は、特別図柄の変動開始時に、後述する図20に示すような乱数テーブルを用いて、特別図柄抽選の抽選結果が「大当たりか否か」、「大当たりに当選した場合の大当たりの種類」、「大当たりに当選していない場合での小当たりかはずれか」を判定する。すなわち、乱数取得部231は、検知手段である第1始動口スイッチ211または第2始動口スイッチ212により遊技球の通過が検知されたことを契機として特別図柄に関する乱数値を取得し、特別図柄判定部234は、取得した乱数値に基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技(大当たり遊技等)を行うか否かを判定する。なお、前述した特別図柄の抽選(大当たり抽選)は、乱数取得部231および特別図柄判定部234における処理のことをいう。」
「【0087】
〔遊技制御部による乱数更新処理〕
特別図柄抽選等の遊技制御における各種の抽選に用いられる判定情報としての乱数値は、カウンタによって計数され、所定の初期値から始まって、図8に示す主制御処理の乱数更新処理(S801)が行われるたびに1ずつ加算される。そして、各抽選が行われた時点の値が始動口スイッチ処理(図9)およびゲートスイッチ処理(図10)で取得され、特別図柄処理(図11)や普通図柄処理(図16)で使用される。この乱数値のカウンタは無限ループカウンタであり、計数された乱数値が、設定されている乱数の最大値(例えば、後述する図20(a)に示した大当たり乱数では299)に達した後は、再び初期値に戻る。また、乱数更新処理は一定時間ごとに行われるため、各乱数の初期値が特定されてしまうと、更新間隔や初期値の情報に基づいて当選値が推定される恐れがある。そこで、主制御処理から図6に示す基本処理に戻った後、S613の初期値乱数更新処理において、各乱数の初期値をランダムに変更する。」
ウ 上記イに摘記した事項より、本件明細書等には「判定情報」が「乱数値」であり、「特別遊技(大当たり遊技等)を行うか否かを」「乱数値に基づいて」「判定する」こと、すなわち、「判定情報」は、「特別遊技(大当たり遊技等)を行うか否か」を「判定する」ために用いられる情報であることが記載されていると認められる。
エ したがって、上記ア、ウからすると、「判定情報」と「判定」の関係について、本件特許請求の範囲においては、「判定情報」が「判定に基づく」情報(「特別遊技を行うか否か」)であると特定されている一方で、本願明細書等では、「判定情報」が「判定する」ために用いられる情報(「乱数値」)であると記載されている点で整合しておらず、結果として「判定情報」の意味するところが明瞭ではなかった。
オ そうすると、上記アで指摘した本件特許請求の範囲の記載部分について「前記判定に用いられる判定情報を保留記憶として記憶する記憶手段」とする訂正事項1は、「判定情報」が、「前記判定に用いられる」もの(「乱数値」)であることを特定することで、本願明細書等の記載との不整合をなくし、上記エで述べた不明瞭であった点を解消し、「判定情報」の意味するところを明瞭にするものである。
したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。
(2)訂正事項2について
訂正事項2は、本件明細書の【0006】について、訂正事項1に係る特許請求の範囲の訂正に伴い、特許請求の範囲と整合させるために行う訂正である。
したがって、訂正事項2に係る訂正は、訂正事項1と同様に特許法第126条ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。
2 特許法第126条第5項及び第6項に規定する要件について
(1)訂正事項1について
上記の1(1)に示したとおり、訂正事項1に係る訂正は、本件特許請求の範囲の記載を、本件明細書等の記載に基づいて、「前記判定に用いられる判定情報」とすることで、「判定情報」と「判定」の関係を明瞭にし、「判定情報」の意味するところを明瞭にするものであるから、本件明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。
したがって、訂正事項1に係る訂正は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。
また、訂正事項1に係る訂正は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであって、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでない。
よって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
(2)訂正事項2について
訂正事項1に係る本件特許請求の範囲の訂正に伴い、特許請求の範囲と整合させるために行う明細書の訂正である訂正事項2は、本件明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。
また、特許請求の範囲と整合させるために行う明細書の訂正である訂正事項2は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項2に係る訂正は、特許法第126条第5項及び6項の規定に適合する。
3 特許法第126条第7項に規定する要件について
上記の1で検討したように、訂正事項1及び2に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるから、訂正後の請求項1に係る発明について、特許法第126条第7項の規定に適合するか否かについての判断を要しない。
第5 まとめ
以上のとおり、本件訂正審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項及び第6項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
理由
理 由
審決本文(J-PlatPat)
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