特許訂正審判
2025-390030
遊技機
- 審判番号
- 2025-390030
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2019-081953
- 登録番号
- 7266859
- 請求日
- 2025年03月13日
- 審決日
- 2025年06月18日
- 公報発行日
- 2025年09月26日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】株式会社 サンセイアールアンドディ
- 【請求人代理人】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 小林 俊久
- 審判官 三橋 健二
- 審判官 大浜 康夫
- 分類
- P141 .851-Y (A63F) / P141 .853-Y (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法126条1項3号特許法126条5項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7266859号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第7266859号の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第7266859号(以下「本件特許」という。)は、平成31年4月23日に出願され、令和5年4月21日に特許権の設定登録がなされ、令和7年3月13日に本件訂正審判の請求がなされ、同年4月8日に本件訂正審判に係る審判請求書(以下「本件審判請求書」という。)を補正する手続補正書(方式)が提出され、さらに、同月17日に本件審判請求書を補正する手続補正書(方式)が提出されものである。
第2 審判請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、本件審判請求書の請求の趣旨に記載されるとおり、「特許第7266859号の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求める。」というものである。
第3 訂正の内容
本件訂正審判請求による訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、次のとおりである(下線は訂正箇所を示すために合議体が付した。)。
1 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に「演出図柄の変動表示を伴う変動演出を実行可能な演出制御手段と、を備え、」と記載されているのを、「演出図柄の変動表示を伴う変動演出を実行可能な演出制御手段と、前記後方表示手段の表示を制御可能な表示制御手段と、を備え、」に訂正する。
2 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項1に「前記演出制御手段は、前記後方表示手段の表示画面にて特定情報が示されながら、前記前方表示手段にて第1表示画像を視認可能にすることで、前記特別遊技状態に制御される期待度を示唆する第1予告演出を実行する場合」と記載されているのを、「前記演出制御手段は、前記表示制御手段が前記後方表示手段の表示画面にて特定情報を示しているときに、前記前方表示手段にて第1表示画像を視認可能にすることで、前記特別遊技状態に制御される期待度を示唆する第1予告演出を実行する場合」に訂正する。
3 訂正事項3
特許請求の範囲の請求項1に「前記後方表示手段の表示画面にて前記特定情報が示されながら、前記前方表示手段にて前記第1表示画像が拡大した印象を与え得る第2表示画像を視認可能にすることで、前記特別遊技状態に制御される期待度を示唆する第2予告演出を実行する場合」と記載されているのを、「前記表示制御手段が前記後方表示手段の表示画面にて前記特定情報を示しているときに、前記前方表示手段にて前記第1表示画像が拡大した印象を与え得る第2表示画像を視認可能にすることで、前記特別遊技状態に制御される期待度を示唆する第2予告演出を実行する場合」に訂正する。
4 訂正事項4
特許請求の範囲の請求項1に「前記変動演出の実行中において、前記後方表示手段の表示画面にて前記特定情報が示されながら、前記第1予告演出が実行された後に、当該第1予告演出よりも前記特別遊技状態に制御される期待度が高いことを示唆する前記第2予告演出を実行することがある」と記載されているのを、「前記変動演出の実行中において、前記表示制御手段が前記後方表示手段の表示画面にて前記特定情報を示しながら、前記第1予告演出が実行された後に、当該第1予告演出よりも前記特別遊技状態に制御される期待度が高いことを示唆する前記第2予告演出を実行することがある」に訂正する。
5 訂正事項5
本件特許の明細書の【0006】に「所定の表示画面を有する後方表示手段と、前記後方表示手段よりも前方に配置されて、画像を表示可能な前方表示手段と、演出図柄の変動表示を伴う変動演出を実行可能な演出制御手段と、を備え、所定の制御条件の成立に基づいて遊技者に有利な特別遊技状態に制御可能な遊技機において、前記演出制御手段は、前記後方表示手段の表示画面にて特定情報が示されながら、前記前方表示手段にて第1表示画像を視認可能にすることで、前記特別遊技状態に制御される期待度を示唆する第1予告演出を実行する場合と、前記後方表示手段の表示画面にて前記特定情報が示されながら、前記前方表示手段にて前記第1表示画像が拡大した印象を与え得る第2表示画像を視認可能にすることで、前記特別遊技状態に制御される期待度を示唆する第2予告演出を実行する場合と、があり、前記変動演出の実行中において、前記後方表示手段の表示画面にて前記特定情報が示されながら、前記第1予告演出が実行された後に、当該第1予告演出よりも前記特別遊技状態に制御される期待度が高いことを示唆する前記第2予告演出を実行することがあることを特徴とする遊技機である」と記載されているのを、「所定の表示画面を有する後方表示手段と、前記後方表示手段よりも前方に配置されて、画像を表示可能な前方表示手段と、演出図柄の変動表示を伴う変動演出を実行可能な演出制御手段と、前記後方表示手段の表示を制御可能な表示制御手段と、を備え、所定の制御条件の成立に基づいて遊技者に有利な特別遊技状態に制御可能な遊技機において、前記演出制御手段は、前記表示制御手段が前記後方表示手段の表示画面にて特定情報を示しているときに、前記前方表示手段にて第1表示画像を視認可能にすることで、前記特別遊技状態に制御される期待度を示唆する第1予告演出を実行する場合と、前記表示制御手段が前記後方表示手段の表示画面にて前記特定情報を示しているときに、前記前方表示手段にて前記第1表示画像が拡大した印象を与え得る第2表示画像を視認可能にすることで、前記特別遊技状態に制御される期待度を示唆する第2予告演出を実行する場合と、があり、前記変動演出の実行中において、前記表示制御手段が前記後方表示手段の表示画面にて前記特定情報を示しながら、前記第1予告演出が実行された後に、当該第1予告演出よりも前記特別遊技状態に制御される期待度が高いことを示唆する前記第2予告演出を実行することがあることを特徴とする遊技機である」に訂正する。
第4 訂正の適否についての判断
1 特許法第126条第1項ただし書に規定する要件について
(1) 訂正事項1について
ア 訂正事項1は、訂正前の特許請求の範囲の請求項1において、「演出図柄の変動表示を伴う変動演出を実行可能な演出制御手段と、を備え、」としていたのを、「演出図柄の変動表示を伴う変動演出を実行可能な演出制御手段と、前記後方表示手段の表示を制御可能な表示制御手段と、を備え、」とするものであって、それにより訂正後の請求項1には、「前記後方表示手段の表示を制御可能な表示制御手段」に係る記載が追加された(下線は合議体が付した。以下同様。)。
イ 本件特許の願書に添付した明細書(以下「本件特許明細書」という。)には、次のとおり記載されている。
「【0111】
演出制御基板120の演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板140の画像用CPU141に後方液晶表示装置50及び透過液晶表示装置7の制御を行わせる。画像制御基板140は、画像表示等の制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM142、ワークメモリとして使用される画像用RAM143、及び、画像用ROM142に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU141を備えている。なお、画像用ROM142には、後方液晶表示装置50及び透過液晶表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。」
ウ 上記イに摘記した【0111】には、「演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板140の画像用CPU141に後方液晶表示装置50及び透過液晶表示装置7の制御を行わせる」と記載されており、「画像制御基板140の画像用CPU141」は、「後方液晶表示装置50」を制御していることから「表示制御手段」に対応するものであるといえる。
エ 他方、訂正前の請求項1においては、演出図柄の変動表示を伴う変動演出を実行する「演出制御手段」が備えられることが記載されているものの、「後方表示手段」がどのような手段によって表示制御されているのか特定されていなかった。
訂正後の請求項1では、遊技機が、「前記後方表示手段の表示を制御可能な表示制御手段」を備えることを明らかにすることにより、「後方表示手段」を表示制御する手段として、「表示制御手段」が特定されて限定されることとなった。
したがって、訂正事項1により訂正された事項は特許請求の範囲の減縮といえるから、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(2) 訂正事項2について
ア 訂正事項2は、訂正前の特許請求の範囲の請求項1において、「前記演出制御手段は、前記後方表示手段の表示画面にて特定情報が示されながら、前記前方表示手段にて第1表示画像を視認可能にすることで、前記特別遊技状態に制御される期待度を示唆する第1予告演出を実行する場合」としていたのを、「前記演出制御手段は、前記表示制御手段が前記後方表示手段の表示画面にて特定情報を示しているときに、前記前方表示手段にて第1表示画像を視認可能にすることで、前記特別遊技状態に制御される期待度を示唆する第1予告演出を実行する場合」とすることにより、
(訂正事項2-1)「前記表示制御手段が前記後方表示手段の表示画面にて特定情報を示」すことを特定し、
(訂正事項2-2)「前記後方表示手段の表示画面にて特定情報が示されながら」を「(表示制御手段が)前記前記後方表示手段の表示画面にて特定情報を示しているときに」としたものである。
イ 訂正事項2-1について検討する。
「前記表示制御手段が前記後方表示手段の表示画面にて特定情報を示」すことを特定する訂正について、上記(1)でした検討を踏まえると、「後方表示手段の表示画面」の「特定情報」が、「表示制御手段」により示されることを特定する訂正事項2-1についても同様に、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
ウ 続いて、訂正事項2-2について検討する。
訂正前の請求項1では、「前記後方表示手段の表示画面にて特定情報が示されながら」とされていたところ、訂正事項2-1の訂正により、「前記表示制御手段」を主語として追加するにあたり、「特定情報が示されながら」を、「特定情報を示しているときに」と訂正することで、主語の係り受けを明瞭にするとともに、文末の「視認可能にすること」との関係が明瞭となった。
したがって、訂正事項2-2により訂正された事項は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(3) 訂正事項3について
ア 訂正事項3は、訂正前の特許請求の範囲の請求項1において、「前記後方表示手段の表示画面にて前記特定情報が示されながら、前記前方表示手段にて前記第1表示画像が拡大した印象を与え得る第2表示画像を視認可能にすることで、前記特別遊技状態に制御される期待度を示唆する第2予告演出を実行する場合」としていたのを、「前記表示制御手段が前記後方表示手段の表示画面にて前記特定情報を示しているときに、前記前方表示手段にて前記第1表示画像が拡大した印象を与え得る第2表示画像を視認可能にすることで、前記特別遊技状態に制御される期待度を示唆する第2予告演出を実行する場合」とすることにより、
(訂正事項3-1)「前記表示制御手段が前記後方表示手段の表示画面にて前記特定情報を示」すことを特定し、
(訂正事項3-2)「前記後方表示手段の表示画面にて前記特定情報が示されながら」を「(表示制御手段が)前記前記後方表示手段の表示画面にて特定情報を示しているときに」としたものである。
イ 訂正事項3-1について検討する。
「前記表示制御手段が前記後方表示手段の表示画面にて前記特定情報を示」すことを特定する訂正について、上記(1)でした検討を踏まえると、「後方表示手段の表示画面」の「特定情報」が、「表示制御手段」により示されることを特定する訂正事項3-1についても同様に、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
ウ 続いて、訂正事項3-2について検討する。
訂正前の請求項1は、「前記後方表示手段の表示画面にて前記特定情報が示されながら」とされていたところ、訂正事項3-1の訂正により、「前記表示制御手段」を主語として追加するにあたり、「特定情報が示されながら」を、「特定情報を示しているときに」と訂正することで、主語の係り受けを明瞭にするとともに、文末の「視認可能にすること」との関係が明瞭となった。
したがって、訂正事項3-2により訂正された事項は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(4) 訂正事項4について
ア 訂正事項4は、訂正前の特許請求の範囲の請求項1において、「前記変動演出の実行中において、前記後方表示手段の表示画面にて前記特定情報が示されながら、前記第1予告演出が実行された後に、当該第1予告演出よりも前記特別遊技状態に制御される期待度が高いことを示唆する前記第2予告演出を実行することがある」としていたのを、「前記変動演出の実行中において、前記表示制御手段が前記後方表示手段の表示画面にて前記特定情報を示しながら、前記第1予告演出が実行された後に、当該第1予告演出よりも前記特別遊技状態に制御される期待度が高いことを示唆する前記第2予告演出を実行することがある」とすることにより、
(訂正事項4-1)「前記表示制御手段が前記後方表示手段の表示画面にて前記特定情報を示」すことを特定し、
(訂正事項4-2)「前記後方表示手段の表示画面にて前記特定情報が示されながら」を「(表示制御手段が)前記前記後方表示手段の表示画面にて前記特定情報を示しながら」としたものである。
イ 訂正事項4-1について検討する。
「前記表示制御手段が前記後方表示手段の表示画面にて前記特定情報を示」すことを特定する訂正について、上記(1)でした検討を踏まえると、「後方表示手段の表示画面」の「特定情報」が、「表示制御手段」により示されることを特定する訂正事項4-1についても同様に、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
ウ 続いて、訂正事項4-2について検討する。
訂正前の請求項1は、「前記後方表示手段の表示画面にて前記特定情報が示されながら」とされていたところ、訂正事項4-1の訂正により、「前記表示制御手段」を主語として追加するにあたり、「特定情報が示されながら」を、「特定情報を示しながら」と訂正することで、主語の係り受けを明瞭にするとともに、文末の「実行すること」との関係が明瞭となった。
したがって、訂正事項4-2により訂正された事項は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(5) 訂正事項5について
訂正事項5に係る訂正は、訂正事項1~4に係る訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るためのものである。
したがって、訂正事項5に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
2 特許法第126条第5項に規定する要件について
(1) 訂正事項1について
訂正事項1に係る訂正は、上記1(1)で検討したように、特許請求の範囲の記載を、本件特許明細書の【0111】の記載に基づいて、「後方表示手段」を表示制御する手段として、「表示制御手段」が特定されたものである。
したがって、訂正事項1は、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件特許明細書等」という。)の記載に基づくものであって、本件特許明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであり、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(2) 訂正事項2、訂正事項3について
ア 訂正事項2-1、訂正事項3-1について
訂正事項2-1、訂正事項3-1に係る訂正は、それぞれ上記1(1)及び上記1(2)イ、上記1(1)及び上記1(3)イで検討したように、特許請求の範囲の記載を、本件特許明細書の【0111】の記載に基づいて、「表示制御手段」が「前記後方表示手段の表示画面にて特定情報を示」すことを特定したものである。
よって、訂正事項2-1、訂正事項3-1に係る訂正は、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。
したがって、訂正事項2-1、訂正事項3-1に係る訂正は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。
イ 訂正事項2-2、訂正事項3-2について
訂正事項2-2、訂正事項3-2に係る訂正は、それぞれ上記1(2)ウ、上記1(3)ウで検討したように、訂正前の請求項1では、「前記後方表示手段の表示画面にて特定情報が示されながら」とされていたところ、訂正事項2-1、訂正事項3-1の訂正により、「前記表示制御手段」を主語として追加するにあたり、「特定情報が示されながら」を、「特定情報を示しているときに」と訂正することで、主語の係り受けを明瞭にするとともに、文末の「視認可能にすること」との関係を明瞭にするものであるから、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。
したがって、訂正事項2-2、訂正事項3-2に係る訂正は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(3) 訂正事項4について
ア 訂正事項4-1について
訂正事項4-1に係る訂正は、上記1(1)及び上記1(4)イで検討したように、特許請求の範囲の記載を、本件特許明細書の【0111】の記載に基づいて、「表示制御手段」が「前記後方表示手段の表示画面にて前記特定情報を示」すことを特定したものである。
よって、訂正事項4-1に係る訂正は、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。
したがって、訂正事項4-1に係る訂正は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。
イ 訂正事項4-2について
訂正事項4-2に係る訂正は、上記1(4)ウで検討したように、訂正前の請求項1では、「前記後方表示手段の表示画面にて特定情報が示されながら」とされていたところ、訂正事項4-1の訂正により、「前記表示制御手段」を主語として追加するにあたり、「特定情報が示されながら」を、「特定情報を示しながら」と訂正することで、主語の係り受けを明瞭にするとともに、文末の「実行すること」との関係を明瞭にするものであるから、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。
したがって、訂正事項4-2に係る訂正は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(4) 訂正事項5について
訂正事項5に係る訂正は、訂正事項1~4に係る訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るためのものであるから、訂正事項1~4に係る訂正と同様に、明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。
3 特許法第126条第6項に規定する要件について
(1) 訂正事項1について
訂正事項1に係る訂正は、上記1(1)で検討したように、訂正前の特許請求の範囲の請求項1に記載の「後方表示手段」の表示を制御する手段が「表示制御手段」であることを特定して限定したものであるから、訂正事項1に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
よって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合する。
(2) 訂正事項2、訂正事項3について
ア 訂正事項2-1、訂正事項3-1について
訂正事項2-1、訂正事項3-1に係る訂正は、それぞれ上記1(1)及び上記1(2)イ、上記1(1)及び上記1(3)イで検討したように、訂正前の特許請求の範囲の請求項1に記載の「表示制御手段」が「前記後方表示手段の表示画面にて特定情報を示」すことを特定して限定したものであるから、訂正事項2-1、訂正事項3-1に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
よって、訂正事項2-1、訂正事項3-1に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合する。
イ 訂正事項2-2、訂正事項3-2について
訂正事項2-2、訂正事項3-2に係る訂正は、それぞれ上記1(2)ウ、上記1(3)ウで検討したように、訂正前の請求項1では、「前記後方表示手段の表示画面にて特定情報が示されながら」とされていたところ、訂正事項2-1、訂正事項3-1の訂正により、「前記表示制御手段」を主語として追加するにあたり、「特定情報が示されながら」を、「特定情報を示しているときに」と訂正することで、主語の係り受けを明瞭にするとともに、文末の「視認可能にすること」との関係を明瞭にするものであるから、訂正事項2-2、訂正事項3-2に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものにはしない。
よって、訂正事項2-2、訂正事項3-2に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合する。
(3) 訂正事項4について
ア 訂正事項4-1について
訂正事項4-1に係る訂正は、上記1(1)及び上記1(4)イで検討したように、訂正前の特許請求の範囲の請求項1に記載の「表示制御手段」が「前記後方表示手段の表示画面にて前記特定情報」を示すことを特定して限定したものであるから、訂正事項4-1に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
よって、訂正事項4-1に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合する。
イ 訂正事項4-2について
訂正事項4-2に係る訂正は、上記1(4)ウで検討したように、訂正前の請求項1では、「前記後方表示手段の表示画面にて特定情報が示されながら」とされていたところ、訂正事項4-1の訂正により、「前記表示制御手段」を主語として追加するにあたり、「特定情報が示されながら」を、「特定情報を示しながら」と訂正することで、主語の係り受けを明瞭にするとともに、文末の「「実行すること」との関係を明瞭にするものであるから、訂正事項4-2に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
よって、訂正事項4-2に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合する。
(4) 訂正事項5について
訂正事項5に係る訂正は、訂正事項1~4に係る訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るためのものであるから、訂正事項1~4に係る訂正と同様に、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
よって、訂正事項5に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合する。
4 特許法第126条第7項に規定する要件について
訂正事項1、訂正事項2-1、訂正事項3-1、訂正事項4-1に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、訂正後の特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものでなければならない(いわゆる独立特許要件)。
そこで検討するに、本件訂正前の請求項1に係る発明は、特許を受けることができない理由を発見しないとして特許を受けることができたものと認められるところ、特許請求の範囲の減縮及び明瞭でない記載の釈明を目的とする本件訂正後の請求項1に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由が新たに発見される事情はない。
よって、本件訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
5 まとめ
以上のとおり、本件訂正審判の請求に係る訂正事項1~5は、特許法第126条第1項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項~第7項の規定に適合するものである。
したがって、本件訂正審判の請求に係る訂正は適法にされたものであるから、明細書及び特許請求の範囲を、本件訂正審判の請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
よって、結論のとおり審決する。
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