特許訂正審判
2017-390015
遊技機
- 審判番号
- 2017-390015
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2013-182969
- 登録番号
- 特許第6040408号(P6040408)
- 請求日
- 2017年02月20日
- 審決日
- 2017年03月28日
- 公報発行日
- 2017年06月30日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】株式会社 ソフイア
- 【請求人代理人】荒船 良男
- 【請求人代理人】特許業務法人光陽国際特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 本郷 徹
- 審判官 長井 真一
- 審判官 平城 俊雅
- 分類
- P141 .852-Y (A63F) / P141 .853-Y (A63F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第6040408号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第6040408号の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許6040408号(以下、「本件特許」という。)は、平成25年9月4日の出願であって、その請求項1に係る発明は、平成28年11月18日に特許権の設定登録がなされ、平成29年2月20日付けで本件訂正審判の請求がなされたものである。
第2 請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、本件特許の明細書及び特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付した訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものである。
第3 訂正の内容
1 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に
「前記第1変動表示ゲームの初期表示として、前記特別結果に対応する結果態様以外の予め定められた第1初期表示を表示するとともに、前記第2変動表示ゲームの初期表示として前記特別結果に対応する結果態様以外の予め定められた第2初期表示を表示する一方で」とあるのを、
「前記第1飾り変動表示ゲームの初期表示として、前記特別結果に対応する結果態様以外の予め定められた第1初期表示を表示するとともに、前記第2飾り変動表示ゲームの初期表示として前記特別結果に対応する結果態様以外の予め定められた第2初期表示を表示する一方で」に訂正する。(下線部は訂正箇所を表す。以下も同様。)
2 訂正事項2
明細書の段落【0006】に記載した、
「前記第1変動表示ゲームの初期表示として、前記特別結果に対応する結果態様以外の予め定められた第1初期表示を表示するとともに、前記第2変動表示ゲームの初期表示として前記特別結果に対応する結果態様以外の予め定められた第2初期表示を表示する一方で」を、
「前記第1飾り変動表示ゲームの初期表示として、前記特別結果に対応する結果態様以外の予め定められた第1初期表示を表示するとともに、前記第2飾り変動表示ゲームの初期表示として前記特別結果に対応する結果態様以外の予め定められた第2初期表示を表示する一方で」に訂正する。
第4 当審の判断
1 訂正事項1
(1)訂正の目的について
訂正前の請求項1の記載には、
「前記演出制御手段は、
前記演出表示装置に表示する前記飾り変動表示ゲームとして、
前記第1変動表示ゲームと前記第2変動表示ゲームのうち実行中の変動表示ゲームに対応して、複数の識別図柄を変動表示した後に結果態様を停止表示する第1飾り変動表示ゲームと、
前記第1変動表示ゲームと前記第2変動表示ゲームのうち実行中の変動表示ゲームに対応して、複数の識別図柄を変動表示した後に結果態様を停止表示する第2飾り変動表示ゲームと、を表示可能であり」とある。
この記載によれば、「飾り変動表示ゲーム」は、「演出制御手段」が「演出表示装置」に「表示」するものであり、「第1飾り変動表示ゲーム」と「第2飾り変動表示ゲーム」とがある。
訂正前の請求項1には、「演出制御手段」に関し、上記記載に続けて、
「停電復旧時には、
前記第1変動表示ゲームの初期表示として、前記特別結果に対応する結果態様以外の予め定められた第1初期表示を表示するとともに、前記第2変動表示ゲームの初期表示として前記特別結果に対応する結果態様以外の予め定められた第2初期表示を表示する」とある。
この記載によれば、「前記第1変動表示ゲームの初期表示として」及び「前記第2変動表示ゲームの初期表示として」とあるから、「演出制御手段」が「演出表示装置」に「表示」するものについて以外の、「ゲーム表示制御手段」が「第1変動装置」と「第2変動装置」に「表示」するものについて特定するものも含まれるから、上記「前記第1変動表示ゲームの初期表示として」及び「前記第2変動表示ゲームの初期表示として」との記載は不合理である。そして、上記「第1変動表示ゲーム」及び「第2変動表示ゲーム」は、訂正前の請求項1に「始動口への遊技球の入賞に基づき、変動表示ゲームを実行する変動表示ゲーム実行手段」とあるように、「演出制御手段」ではなく「変動表示ゲーム実行手段」によって制御されるものであることは明らかである。
したがって、上記訂正前の請求項1の「第1変動表示ゲームの初期表示」及び「第2変動表示ゲームの初期表示」は、「第1飾り変動表示ゲームの初期表示」及び「第2飾り変動表示ゲームの初期表示」の誤記であることは明らかである。
以上のことから、当該訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものに該当する。
(2)新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
本件特許に係る出願の願書に最初に添付した明細書の段落【0512】には、「表示装置41の表示は演出制御装置300により制御されるようになっているが、演出制御装置300は停電発生時にバックアップが行われないため、停電復旧時には図88や図89に示すように初期化が行われる。これにより、第1飾り特図変動表示ゲームを表示する左変動表示領域80a、中変動表示領域80b及び右変動表示領域80cや、第2飾り特図変動表示ゲームを表示する第4表示領域81には、予め定められた初期図柄が停電復旧時に表示されることとなる。このように初期図柄が表示されることで停電の発生を容易に確認できるようになる。ここでは初期図柄としてはずれ結果に対応する図柄が表示されるようになっている。この初期図柄についてもどのような図柄であってもよいが、特別結果態様でない図柄とすることが望ましい。また、特図変動表示ゲームの結果を表示するものとしては用いられない図柄を表示することで停電復旧した状態であることを示すようにしても良い。」と記載されている。
ここで、上記段落【0512】の記載の「第1飾り特図変動表示ゲーム」、「第2飾り特図変動表示ゲーム」は、それぞれ、訂正後の「第1飾り変動表示ゲーム」、「第2飾り変動表示ゲーム」に対応するから、上記段落【0512】の記載における「停電復旧時に・・・第1飾り特図変動表示ゲームを表示する左変動表示領域80a・・・に予め定められた初期図柄」として「表示される」「はずれ結果に対応する図柄」、及び、「停電復旧時に・・・第2飾り特図変動表示ゲームを表示する第4表示領域81に予め定められた初期図柄」として「表示される」「はずれ結果に対応する図柄」は、それぞれ、訂正後の「前記第1飾り変動表示ゲームの初期表示として」の「前記特別結果に対応する結果態様以外の予め定められた第1初期表示」及び「前記第2飾り変動表示ゲームの初期表示として」の「前記特別結果に対応する結果態様以外の予め定められた第2初期表示」に対応する。
同様に、図104(c)には、停電復旧時の表示態様が示されており、第1飾り特図変動表示ゲームを表示する左変動表示領域80a、中変動表示領域80b及び右変動表示領域80cでは、図94(c)や【0465】で説明されているとおりの識別情報がぞろ目とならないはずれの結果態様が表示されることが示されている。さらに、図104(c)における第2飾り特図変動表示ゲームを表示する第4表示領域81の表示態様は、図94(b)や【0462】で説明されているとおりのはずれ結果態様が示されている。
以上のことから、訂正事項1は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「当初明細書等」という。)の記載に基づくものであって、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また、訂正事項1は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をもたらすものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。
2 訂正事項2
(1)訂正の目的について
訂正事項2は、上記訂正事項1にかかる訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るため、明細書の【0006】の記載を訂正後の請求項1の内容に合わせて訂正するものである。
したがって、訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(2)新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
訂正事項2は、上記第4の1(2)で検討したのと同様の理由により、当初明細書等の記載に基づくものであって、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また、訂正事項2は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をもたらすものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
したがって、訂正事項2は、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。
第5 独立特許要件について
上記第4の1(2)及び上記第4の2(2)で示したとおり、訂正事項1による訂正前の特許請求の範囲に記載の「第1変動表示ゲーム」、「第2変動表示ゲーム」は、実質的に「第1飾り変動表示ゲーム」及び「第2飾り変動表示ゲーム」を指しているものであって、記載をこの内容に適合させるために訂正しても訂正の前後で特許請求の範囲の実質的な内容が変わるものではない。
したがって、訂正後における特許請求の範囲に記載された事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けられないとする理由はなく、特許法第126条第7項の規定に適合するものである。
なお、訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第3号の「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものであるから、特許法第126条第7項の規定は適用されない。
第6 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求に係る訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ同法同条第5項、第6項及び第7項の規定に適合するものである。また、本件訂正審判の請求に係る訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ同法同条第5項及び第6項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
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