特許訂正審判
2024-390006
遊技機
- 審判番号
- 2024-390006
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2020-075098
- 登録番号
- 7218927
- 請求日
- 2024年01月04日
- 審決日
- 2024年03月19日
- 公報発行日
- 2024年07月26日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】株式会社 ユニバーサルエンターテインメント
- 【請求人代理人】納谷 洋弘
- 審判長/審判官
- 審判長 ▲吉▼川 康史
- 審判官 阿部 知
- 審判官 蔵野 いづみ
- 分類
- P141 .852-Y (A63F) / P141 .853-Y (A63F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7218927号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第7218927号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本件特許第7218927号(以下「本件特許」という。)は、令和2年4月21日に特許出願(特願2020-75098)したものであり、令和5年1月30日に特許権の設定の登録がされ、その後、令和6年1月4日に本件訂正審判の請求がなされたものである。
第2 審判請求の趣旨
本件訂正審判請求の趣旨は、本件特許の願書に添付した明細書(以下「本件特許明細書」という。)及び特許請求の範囲(以下「本件特許請求の範囲」という。)を本件審判請求書に添付した訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものである。
第3 訂正の内容
1 訂正事項1
本件特許請求の範囲の請求項1に「第3の演出の演出を示唆」と記載されているのを、「第3の演出を示唆」に訂正する(下線は訂正箇所を表す。以下同じ。)。
2 訂正事項2
本件特許明細書の【0007】に「第2の結果(例えば、柄ハズレ)」と記載されているのを、「第2の結果(例えば、ハズレ)」に訂正する。
3 訂正事項3
本件特許明細書の【0007】に「第4の時間(例えば、300000ms)」と記載されているのを、「第4の時間(例えば、600000ms)」に訂正する。
4 訂正事項4
本件特許明細書の【0007】に「第3の演出(例えば、第3予告演出)の演出を示唆」と記載されているのを、「第3の演出(例えば、第3予告演出)を示唆」に訂正する。
第4 当審における判断
1 訂正事項1について
(1)訂正の目的について(特許法126条1項ただし書)
本件特許請求の範囲の請求項1には、演出として「第1の演出」、「第2の演出」及び「第4の演出」が記載されており、また、「前記第3の演出」とも記載されているから、本件特許請求の範囲の請求項1の「第3の演出の演出を示唆」なる記載の「第3の演出の演出」は、「の演出」という語句を重複して記載した誤記であって、正しくは「第3の演出」であることは明らかである。
また、訂正事項1に係る訂正前の「第3の演出の演出を示唆」することも、当該訂正後の「第3の演出を示唆」することも、第3の演出の実行を示唆することを意味しており、同一の意味を表示するものと客観的に認められる。
したがって、訂正事項1に係る訂正は、本件特許請求の範囲の請求項1の「第3の演出の演出を示唆」との誤記を、「第3の演出を示唆」に訂正するものであって、特許法126条1項ただし書2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである。
(2)願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「当初明細書等」という。)に記載した事項の範囲内の訂正であること(特許法126条5項)
訂正事項1に係る訂正は、前記(1)のとおり、誤記の訂正を目的とするものであって、明らかな誤記を自明な事項に訂正するものであるから、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであって、当初明細書等に記載した事項の範囲内でした訂正であり、特許法126条5項の規定に適合する。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと(特許法126条6項)
訂正事項1に係る訂正は、前記(1)のとおり、誤記の訂正を目的とするものであって、本件特許請求の範囲の請求項1の記載が誤りであることが明らかであり、かつ、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件特許明細書等」という。)から正しい記載が自明な事項として定まり、その誤りを正しい記載に訂正するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでなく、特許法126条6項の規定に適合する。
(4)独立特許要件について(特許法126条7項)
訂正事項1に係る訂正後の特許請求の範囲の請求項1に記載されている事項により特定される発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由は見いだせないから、特許法126条7項の規定に適合する。
2 訂正事項2について
(1)訂正の目的について(特許法126条1項ただし書)
本件特許明細書の【0007】には「前記第1の抽選の結果が第2の結果(例えば、柄ハズレ)である場合には、」と記載されているが、当該「柄ハズレ」なる記載それ自体の意味が不明瞭である。
また、本件特許明細書の【0007】には「前記第1の抽選の結果が前記第2の結果(例えば、ハズレ)である場合には、」とも記載されているところ、第1の抽選の結果が第2の結果であることの例示が、「柄ハズレ」であるか、「ハズレ」であるか、の点において前記両記載は不整合を生じているために、その記載が不明瞭となっている。
そして、訂正事項2に係る訂正は、本件特許明細書の【0007】に「第2の結果(例えば、柄ハズレ)」と記載されているのを、「第2の結果(例えば、ハズレ)」に訂正することにより、それ自体記載内容が明らかでない記載を正すものであり、また、他の記載との関係において不合理を生じている記載を正すものであって、特許法126条1項ただし書3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(2)本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること(特許法126条5項)
訂正事項2に係る訂正は、前記(1)のとおり、本件特許明細書の【0007】の「第2の結果(例えば、柄ハズレ)」なる明瞭でない記載を「第2の結果(例えば、ハズレ)」と訂正するだけのものであって、本件特許明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであるから、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内でした訂正であり、特許法126条5項の規定に適合する。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと(特許法126条6項)
訂正事項2に係る訂正は、前記(1)のとおり、本件特許明細書の【0007】の「第2の結果(例えば、柄ハズレ)」なる明瞭でない記載を「第2の結果(例えば、ハズレ)」と訂正するだけのものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでなく、特許法126条6項の規定に適合する。
(4)独立特許要件について(特許法126条7項)
訂正事項2に係る訂正は、特許法126条1項ただし書3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるから、訂正後の請求項1に係る発明について、特許法126条7項の規定に適合するか否かについての判断を要しない。
3 訂正事項3について
(1)訂正の目的について(特許法126条1項ただし書)
ア 本件特許明細書の【0007】には「前記第1表示手段は、・・・前記第1の抽選の結果が第2の結果(例えば、柄ハズレ)である場合には、前記第1の時間よりも長い第2の時間(例えば、10000ms、20000ms、30000ms)に亘って識別情報を変動表示させることが可能であり、・・・前記第1表示手段は、前記第1の抽選の結果が前記第2の結果(例えば、ハズレ)である場合には、前記第2の時間(例えば、10000ms、20000ms、30000ms)よりも長時間である第4の時間(例えば、300000ms)に亘って識別情報を変動表示させることが可能であ」るという記載があり、当該記載は、本件特許明細書の【0007】の「第1表示手段(例えば、普通図柄表示部71)」という記載、「第1の抽選(例えば、普通抽選)」という記載、及び前記2での検討を踏まえると、普通図柄表示部71は、普通抽選の結果がハズレである場合には、10000ms、20000ms、30000ms又は300000msに亘って識別情報を変動表示させることを指していると解される。
しかしながら、本件特許明細書等の【1655】、【1660】及び【図136】には、普通抽選の結果がハズレであるときに、普通図柄の変動時間が10000ms、20000ms、30000ms及び600000msのいずれかになることは記載されているものの、普通抽選の結果がハズレであるときに、普通図柄の変動時間が10000ms、20000ms、30000ms及び300000msのいずれかになることは記載されていない。
よって、本件特許明細書の【0007】の「300000ms」という記載は、本件特許明細書等の【1655】、【1660】及び【図136】の「600000ms(600000msec)」という記載と整合していない。
イ また、訂正前の「300000ms」という時間について、本件特許明細書の【0314】には「図20に示されるように、非時短遊技状態では、普通図柄演出選択用乱数値が0~99のいずれであっても、普通図柄の可変表示時間が例えば300000msecに決定される。」と記載されているものの、当該実施例は、本件特許明細書の【0007】の記載に対応するものではない。
ウ そうすると、訂正事項3に係る訂正は、本件特許明細書の【0007】の「第4の時間(例えば、300000ms)」という記載を、本件特許明細書等の他の記載と整合させるため、「第4の時間(例えば、600000ms)」という記載に訂正するものであるから、特許法126条1項ただし書3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(2)本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること(特許法126条5項)
訂正事項3に係る訂正は、前記(1)のとおり、本件特許明細書等の【1655】、【1660】及び【図136】に記載されている事項に基づくものである。
よって、訂正事項3に係る訂正は、本件特許明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであるから、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内でした訂正であり、特許法126条5項の規定に適合する。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと(特許法126条6項)
前記(1)で示したとおり、訂正事項3に係る訂正は、本件特許明細書の【0007】の「第4の時間(例えば、300000ms)」という記載を、本件特許明細書の他の記載と整合させるため、「第4の時間(例えば、600000ms)」という記載に訂正するだけのものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでなく、特許法126条6項の規定に適合する。
(4)独立特許要件について(特許法126条7項)
訂正事項3に係る訂正は、特許法126条1項ただし書3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるから、訂正後の請求項1に係る発明について、特許法126条7項の規定に適合するか否かについての判断を要しない。
4 訂正事項4について
(1)訂正の目的について(特許法126条1項ただし書)
訂正事項4に係る訂正は、訂正事項1に係る特許請求の範囲の訂正に伴い、特許請求の範囲と整合させるために行う明細書の訂正である。
したがって、訂正事項4に係る訂正は、特許法126条1項ただし書3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(2)本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること(特許法126条5項)
訂正事項4に係る訂正は、本件特許明細書の【0007】の「第3の演出(例えば、第3予告演出)の演出を示唆」なる明瞭でない記載を「第3の演出(例えば、第3予告演出)を示唆」に訂正するだけのものであって、本件特許明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであるから、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内でした訂正であり、特許法126条5項の規定に適合する。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと(特許法126条6項)
訂正事項4に係る訂正は、本件特許明細書の【0007】の「第3の演出(例えば、第3予告演出)の演出を示唆」なる明瞭でない記載を「第3の演出(例えば、第3予告演出)を示唆」に訂正するだけのものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでなく、特許法126条6項の規定に適合する。
(4)独立特許要件について(特許法126条7項)
訂正事項4に係る訂正は、特許法126条1項ただし書3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるから、訂正後の請求項1に係る発明について、特許法126条7項の規定に適合するか否かについての判断を要しない。
第5 むすび
したがって、本件訂正審判の請求による訂正は、特許法126条1項ただし書2号及び3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ同条5項~7項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2024-390006