特許訂正審判
2024-390003
遊技機
- 審判番号
- 2024-390003
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2020-075095
- 登録番号
- 7218924
- 請求日
- 2024年01月04日
- 審決日
- 2024年03月25日
- 公報発行日
- 2024年07月26日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】株式会社 ユニバーサルエンターテインメント
- 【請求人代理人】納谷 洋弘
- 審判長/審判官
- 審判長 小林 俊久
- 審判官 太田 恒明
- 審判官 ▲高▼橋 祐介
- 分類
- P141 .852-Y (A63F) / P141 .853-Y (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法126条1項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7218924号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第7218924号の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正することを認める。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第7218924号(以下「本件特許」という。)は、令和2年4月21日に特許出願(特願2020-75095)がなされ、令和5年1月30日にその特許権の設定登録がされ、その後、令和6年1月4日に本件審判請求書が特許庁で受理されたものである。
第2 審判請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、本件特許の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正することを認める、との審決を求めるものである。
第3 訂正の内容
本件訂正審判の請求に係る訂正の内容は、次のとおりである(下線は当審で付した。以下同じ。)。
1 訂正事項1
本件特許の特許請求の範囲における請求項1に「第3の演出の演出を示唆」と記載されているのを、「第3の演出を示唆」に訂正する。
2 訂正事項2
本件特許の明細書における段落【0007】に「第2の結果(例えば、柄ハズレ)」と記載されているのを、「第2の結果(例えば、ハズレ)」に訂正する。
3 訂正事項3
本件特許の明細書における段落【0007】に「第4の時間(例えば、300000ms)」と記載されているのを、「第4の時間(例えば、600000ms)」に訂正する。
4 訂正事項4
本件特許の明細書における段落【0007】に「第3の演出(例えば、第3予告演出)の演出を示唆」と記載されているのを、「第3の演出(例えば、第3予告演出)を示唆」に訂正する。
第4 当審の判断
1 訂正の目的について
(1)訂正事項1について
本件特許の特許請求の範囲における請求項1には、「所定の演出として、同じ系統である第1の演出と第2の演出とを有し、前記第1の演出は、前記第1の演出及び前記第2の演出とは異なる系統である第3の演出の演出を示唆することが可能であり、前記第2の演出は、前記第3の演出とは異なる系統である第4の演出を示唆することが可能であり、」と記載されているところ、この記載では、「所定の演出」、「第1の演出」、「第2の演出」、「第3の演出の演出」、「第3の演出」、「第4の演出」という表現がなされている。
ここで、「第3の演出」に関する表現では「演出の演出」という表現が含まれているが、その他の、「第1の演出」、「第2の演出」、「第4の演出」に関する表現では「演出の演出」という表現はなされていない。
また、「第3の演出」とは「第1の演出」や「第2の演出」等とは異なる「演出」であると解され、「第3の演出の演出」とは「第3の演出」における「演出」であると解されるところ、「第3の演出」の内容と「第3の演出の演出」の内容に違いがあるとは認められないから、「第3の演出」と「第3の演出の演出」は、いずれも同じ内容を有する同じ「演出」であると認められる。そうすると、訂正前の「第3の演出の演出を示唆すること」と訂正後の「第3の演出を示唆すること」とは、同一の意味を表示するものと客観的に認められる。
以上のことから、「演出の演出」という表現は「演出」の誤記である。そして、「第3の演出の演出を示唆」を「第3の演出を示唆」に訂正することは、誤記の訂正を目的とするものである。
よって、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる、誤記の訂正を目的とするものである。
(2)訂正事項2について
本件特許の明細書における段落【0007】には、「第2の結果(例えば、柄ハズレ)」と「第2の結果(例えば、ハズレ)」とが記載されているところ、段落【0007】の記載では、「第2の結果」に対応するものの例が「柄ハズレ」であるのか、「ハズレ」であるのかが、明瞭でなかった。
また、本件特許の明細書における段落【0007】の記載において、仮に、「第2の結果」に対応するものの例が「柄ハズレ」である場合、「柄ハズレ」とはどのような「ハズレ」であるのかが、明瞭でなかった。
これに対し、訂正事項2は、「第2の結果」に対応するものの例が「ハズレ」であることを明瞭にするものであると認められる。
よって、訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(3)訂正事項3について
本件特許の明細書における段落【0007】には、「第4の時間(例えば、300000ms)」と「前記第4の時間(例えば、600000ms)」とが記載されているところ、段落【0007】の記載では、「第4の時間」に対応する時間の例が「300000ms」であるのか、「600000ms」であるのかが、明瞭でなかった。
これに対し、訂正事項3は、「第4の時間」に対応するものの例が「600000ms」であることを明瞭にするものであると認められる。
よって、訂正事項3は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(4)訂正事項4について
訂正事項4は、訂正事項1により本件特許請求の範囲の請求項1を訂正することに伴い、本件特許明細書の【0007】の記載を、特許請求の範囲の記載と整合するように訂正するものである。
よって、訂正事項4は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
2 新規事項の追加について
(1)訂正事項1について
上記1(1)で述べたように、本件特許の特許請求の範囲における請求項1には、「第3の演出の演出」のほかに「第3の演出」が記載されている。
また、上記1(1)で述べたように、「第3の演出」は「演出」であるから、「第3の演出の演出」と「第3の演出」は、いずれも同じ「演出」であると解される。
したがって、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件特許明細書等」という。)に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではない。
よって、訂正事項1は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(2)訂正事項2について
上記1(2)で述べたように、本件特許の明細書における段落【0007】には、「第2の結果(例えば、ハズレ)」が記載されている。
したがって、訂正事項2は、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではない。
よって、訂正事項2は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(3)訂正事項3について
本件特許の明細書における段落【1656】には、「高確低ベース状態において、普通抽選の結果が普通ハズレであるときは、普通図柄の変動時間が10000msec、20000msec、30000msecおよび600000msecのうちいずれかに決定される。」と記載されている。
また、本件特許の明細書における段落【1661】には、「また、高確低ベース状態における普通抽選の結果が普通ハズレであるときに、普通図柄変動パターンコマンドを受信したサブCPU301は、普通図柄の変動時間に基づく演出を実行することが好ましい。すなわち、普通図柄の変動時間が10000msecであるときと、20000msecであるときと、30000msecであると、600000msecとで、獲得しうる賞球量の期待値が異なることから、普通図柄の変動時間に応じて、有利度合い(例えば獲得可能な賞球量の度合い)を把握できる演出を実行してもよい。例えば、普通図柄の変動時間が10000msecであるときには「1ラウンド当り!」のような演出を実行し、普通図柄の変動時間が20000msecであるときには「2ラウンド当り!」のような実行し、普通図柄の変動時間が30000msecであるときには「3ラウンド当り!」のような演出を実行し、普通図柄の変動時間が600000msecであるときには「スーパー当り」のような演出を実行するようにするとよい。このように、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超える可能性がある有利遊技状態が実行されるとき、有利の度合いを示す演出が実行されるようにすることで、興趣を高めることが可能となる。」と記載されている。
これらの記載から、本件特許明細書等には、
「普通抽選の結果(第1の抽選の結果)が普通ハズレ(第2の結果(例えば、ハズレ))である場合には、10000msec、20000msec、30000msec(第2の時間(例えば、10000ms、20000ms、30000ms))よりも長時間である600000msec(第4の時間(例えば、600000ms))に亘って普通図柄(識別情報)を変動表示させることが可能であること」
が記載されていたと認められる。
したがって、訂正事項3は、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではない。
よって、訂正事項3は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(4)訂正事項4について
訂正事項4は、訂正事項1の訂正内容に合わせて表現を訂正したものであるから、訂正事項4は、訂正事項1と同様に、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
よって、訂正事項4は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。
3 特許請求の範囲の拡張又は変更について
(1)訂正事項1について
訂正事項1は、本件特許の特許請求の範囲における請求項1に記載された「第3の演出の演出を示唆」との記載が、それ自体で、及び、設定登録時の明細書の記載との関係で、誤りであることが明らかであり、かつ、設定登録時の明細書、特許請求の範囲又は図面の記載全体から、正しい記載が自明な事項として定まるときにおいて、その誤りを正しい記載にする訂正である。
よって、訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第126条第6項の規定に適合する。
(2)訂正事項2について
訂正事項2は、本件特許の明細書における段落【0007】の記載では、「第2の結果」に対応するものの例が「柄ハズレ」であるのか、「ハズレ」であるのかが明瞭でなかったところ、「第2の結果」に対応するものの例が「ハズレ」であることを明瞭にするものである。
よって、訂正事項2は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第126条第6項の規定に適合する。
(3)訂正事項3について
訂正事項3は、本件特許の明細書における段落【0007】の記載では、「第4の時間」に対応する時間の例が「300000ms」であるのか、「600000ms」であるのかが明瞭でなかったところ、「第4の時間」に対応するものの例が「600000ms」であることを明瞭にするものである。
よって、訂正事項3は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第126条第6項の規定に適合する。
(4)訂正事項4について
訂正事項4は、訂正事項1の訂正内容に合わせて表現を訂正したものであるから、訂正事項4は、訂正事項1と同様に、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第126条第6項の規定に適合する。
4 独立特許要件について
本件訂正後の請求項1に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しない。
よって、本件訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
第5 むすび
以上のとおり、本件訂正審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書第2~3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5~7項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
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