特許訂正審判
2024-390005
遊技機
- 審判番号
- 2024-390005
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2020-075097
- 登録番号
- 7218926
- 請求日
- 2024年01月04日
- 審決日
- 2024年03月26日
- 公報発行日
- 2024年07月26日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】株式会社 ユニバーサルエンターテインメント
- 【請求人代理人】納谷 洋弘
- 審判長/審判官
- 審判長 ▲吉▼川 康史
- 審判官 眞壁 隆一
- 審判官 北川 創
- 分類
- P141 .852-Y (A63F) / P141 .853-Y (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法126条1項3号特許法126条5項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7218926号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第7218926号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本件特許第7218926号(以下「本件特許」という。)は、令和2年4月21日に特許出願(特願2020-75097)したものであり、令和5年1月30日に特許権の設定の登録がされ、その後、令和6年1月4日に本件訂正審判の請求がなされたものである。
第2 審判請求の趣旨
本件訂正審判請求の趣旨は、特許第7218926号の明細書(以下「本件特許明細書」という。)、特許請求の範囲(以下「本件特許請求の範囲」という。)を本件審判請求書に添付した訂正明細書、訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものである。
第3 訂正の内容
1 訂正事項1
本件特許請求の範囲の請求項1に「第3の演出の演出を示唆」と記載されているのを、「第3の演出を示唆」に訂正する(下線は訂正箇所を表す。以下同じ。)。
2 訂正事項2
本件特許明細書の【0007】に「第2の結果(例えば、柄ハズレ)」と記載されているのを、「第2の結果(例えば、ハズレ)」に訂正する。
3 訂正事項3
本件特許明細書の【0007】に「第4の時間(例えば、300000ms)」と記載されているのを、「第4の時間(例えば、600000ms)」に訂正する。
4 訂正事項4
本件特許明細書の【0007】に「第3の演出(例えば、第3予告演出)の演出を示唆」と記載されているのを、「第3の演出(例えば、第3予告演出)を示唆」に訂正する。
第4 当審における判断
1 訂正事項1について
(1)特許法第126条第1項ただし書(訂正の目的)について
本件特許請求の範囲の請求項1には、「所定の演出として、同じ系統である第1の演出と第2の演出とを有し、前記第1の演出は、前記第1の演出及び前記第2の演出とは異なる系統である第3の演出の演出を示唆することが可能であり、前記第2の演出は、前記第3の演出とは異なる系統である第4の演出を示唆することが可能であり、」との記載がある(以下「記載1」という)。
記載1においては、演出として「第1の演出」、「第2の演出」、「第3の演出の演出」、「第3の演出」及び「第4の演出」が記載されており、
「第3の演出の演出」のみ、「の演出」が重複して記載され、また、「第3」についてのみ、「第3の演出」及び「第3の演出の演出」の二つの表現が存在していること、
「前記第3の演出」との記載があるが、この記載以前には「第3の演出の演出」の記載はあるものの、「第3の演出」の記載は存在しないこと、
及び、「第1の演出」が「示唆することが可能」であるのは「第3の演出の演出」であるのに対し、「第2の演出」が「示唆することが可能」であるのは「第4の演出」であり、「第1の演出」及び「第2の演出」が示唆可能である演出についての表現が揃っていないこと、
を踏まえると、本件特許請求の範囲の請求項1に記載された「第3の演出の演出」との記載は、「第3の演出」の誤記であることは明らかである。
よって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる、誤記の訂正を目的とするものに該当する。
(2)特許法第126条第5項(新規事項の有無)について
訂正事項1に係る訂正は、前記(1)のとおり、誤記の訂正を目的とするものであって、明らかな誤記を自明な事項に訂正するものであるから、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「当初明細書等」という。)のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではない。
よって、訂正事項1に係る訂正は、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(3)特許法第126条第6項(特許請求の範囲の拡張又は変更の有無)について
訂正事項1に係る訂正は、前記(1)のとおり、誤記の訂正を目的とするものであって、本件特許請求の範囲の請求項1の記載が誤りであることが明らかであり、かつ、本件特許の明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件特許明細書等」という。)から明らかな誤記を自明な事項に訂正するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当しない。
よって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合する。
(4)特許法第126条第7項(独立特許要件)について
訂正事項1に係る訂正後の特許請求の範囲の請求項1に記載されている事項により特定される発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由は見いだせないから、特許法第126条第7項の規定に適合する。
2 訂正事項2について
(1)特許法第126条第1項ただし書(訂正の目的)について
本件特許明細書の【0007】には「前記第1の抽選の結果が第2の結果(例えば、柄ハズレ)である場合には、」と記載されているが、当該「柄ハズレ」なる記載それ自体意味の不明瞭な記載である。
また、本件特許明細書の【0007】には「前記第1の抽選の結果が前記第2の結果(例えば、ハズレ)である場合には、」とも記載されていることから、第1の抽選の結果が第2の結果であることの例示が、「柄ハズレ」であるか、「ハズレ」であるか、の点において前記両記載は不整合を生じているために、その記載が不明瞭となっている。
したがって、訂正事項2に係る訂正は、本件特許明細書の【0007】に「第2の結果(例えば、柄ハズレ)」と記載されているのを、「第2の結果(例えば、ハズレ)」に訂正することにより、それ自体記載内容が明らかでない記載を正すものであり、また、他の記載との関係において不整合を生じている記載を正すものである。
よって、訂正事項2に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。
(2)特許法第126条第5項(新規事項の有無)について
訂正事項2に係る訂正は、前記(1)のとおり、本件特許明細書の【0007】の「第2の結果(例えば、柄ハズレ)」なる明瞭でない記載を「第2の結果(例えば、ハズレ)」と訂正するだけのものであって、本件特許明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものでない。
よって、訂正事項2に係る訂正は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(3)特許法第126条第6項(特許請求の範囲の拡張又は変更の有無)について
訂正事項2に係る訂正は、前記(1)のとおり、本件特許明細書の【0007】の「第2の結果(例えば、柄ハズレ)」なる明瞭でない記載を「第2の結果(例えば、ハズレ)」と訂正するだけのものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当しない。
よって、訂正事項2に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合する。
(4)特許法第126条第7項(独立特許要件)について
訂正事項2に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるから、訂正後の請求項1に係る発明について、特許法第126条第7項の規定に適合するか否かについての判断を要しない。
3 訂正事項3について
(1)特許法第126条第1項ただし書(訂正の目的)について
本件特許明細書の【0007】には「前記第1表示手段は、前記第1の抽選の結果が前記第1の結果(例えば、普通図柄当り)である場合には、第1の時間(例えば、500ms)に亘って識別情報を変動表示させることが可能である一方、前記第1の抽選の結果が第2の結果(例えば、柄ハズレ)である場合には、前記第1の時間よりも長い第2の時間(例えば、10000ms、20000ms、30000ms)に亘って識別情報を変動表示させることが可能であり、」との記載、及び、「前記第1表示手段は、前記第1の抽選の結果が前記第2の結果(例えば、ハズレ)である場合には、前記第2の時間(例えば、10000ms、20000ms、30000ms)よりも長時間である第4の時間(例えば、300000ms)に亘って識別情報を変動表示させることが可能であり、」との記載があり、当該記載は、本件特許明細書の【0007】の「第1表示手段(例えば、普通図柄表示部71)」との記載、「第1の抽選(例えば、普通抽選)」との記載、及び前記2での検討を踏まえると、普通図柄表示部71は、普通抽選の結果が普通図柄当りである場合には、500msに亘って識別情報を変動表示させ、普通抽選の結果がハズレである場合には、10000ms、20000ms、30000ms又は300000msに亘って識別情報を変動表示させることを指していると解される。
ここで、本件特許明細書の【0007】には、「前記第1表示手段において前記第4の時間(例えば、600000ms)に亘って識別情報が変動表示されているときに、」とも記載されていること、及び、本件特許明細書等の【1642】、【1643】、【1655】、【1658】、【1660】及び【図136】には、第5のパチンコ遊技機の普通図柄の変動パターンテーブルでは、普通抽選の結果が普通図柄当りであるときに、普通図柄の変動時間が500msとなり、普通抽選の結果がハズレであるときに、普通図柄の変動時間が10000ms、20000m、30000ms及び600000msのいずれかになることが記載されていることからすれば、本件特許明細書の【0007】に記載された遊技機と対応する実施例は、本件特許明細書等に記載された第5のパチンコ遊技機であり、本件特許明細書の【0007】の「第4の時間(例えば、300000ms)」との記載は、「第4の時間(例えば、600000ms)」の誤記であることは明らかである。
なお、訂正事項3に係る訂正前の【0007】の「300000ms」という記載について、本件特許明細書等の【0313】~【0318】、【図20】には、第1のパチンコ遊技機の普通図柄の変動パターンテーブルでは、普通図柄の可変表示時間が500ms、800ms、1000ms、1500ms、300000msのいずれかになることが記載されているものの、当該普通図柄の変動パターンテーブルは、非時短遊技状態、A時短遊技状態、B時短遊技状態及びC時短遊技状態のそれぞれの遊技状態において決定される可変表示時間を示すものである一方、本件特許明細書の【0007】に記載された遊技機及び第5のパチンコ遊技機は、普通抽選の結果が普通図柄当り又はハズレの場合において決定される変動時間を特定するものであるから、第1のパチンコ遊技機は、本件特許明細書の【0007】に記載された遊技機と対応する実施例が異なることが明らかである。
よって、訂正事項3に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる、誤記の訂正を目的とするものに該当する。
(2)特許法第126条第5項(新規事項の有無)について
訂正事項3に係る訂正は、前記(1)のとおり、誤記の訂正を目的とするものであって、明らかな誤記を自明な事項に訂正するものであるから、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではない。
よって、訂正事項3に係る訂正は、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(3)特許法第126条第6項(特許請求の範囲の拡張又は変更の有無)について
訂正事項3に係る訂正は、前記(1)のとおり、誤記の訂正を目的とするものであって、本件特許明細書等の記載との関係で、誤りであることが明らかあり、かつ、本件特許明細書等の記載から、明らかな誤記を自明な事項に訂正するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当しない。
よって、訂正事項3に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合する。
(4)特許法第126条第7項(独立特許要件)について
訂正事項3に係る訂正後の特許請求の範囲の請求項1に記載されている事項により特定される発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由は見いだせないから、特許法第126条第7項の規定に適合する。
4 訂正事項4について
(1)特許法第126条第1項ただし書(訂正の目的)について
訂正事項4に係る訂正は、訂正事項1に係る特許請求の範囲の訂正に伴い、特許請求の範囲と整合させるために行う明細書の訂正である。
したがって、訂正事項4に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。
(2)特許法第126条第5項(新規事項の有無)について
訂正事項4に係る訂正は、本件特許明細書の【0007】の「第3の演出(例えば、第3予告演出)の演出を示唆」なる記載を訂正事項1に係る特許請求の範囲の訂正に伴い、特許請求の範囲と整合させるために「第3の演出(例えば、第3予告演出)を示唆」に訂正するものであって、訂正事項1と同様の理由により、本件特許明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものでない。
よって、訂正事項4に係る訂正は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(3)特許法第126条第6項(特許請求の範囲の拡張又は変更の有無)について
訂正事項4に係る訂正は、本件特許明細書の【0007】の「第3の演出(例えば、第3予告演出)の演出を示唆」なる記載を訂正事項1に係る特許請求の範囲の訂正に伴い、特許請求の範囲と整合させるために「第3の演出(例えば、第3予告演出)を示唆」に訂正するものであって、訂正事項1と同様の理由により、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当しない。
よって、訂正事項4に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合する。
(4)特許法第126条第7項(独立特許要件)について
訂正事項4に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるから、訂正後の請求項1に係る発明について、特許法第126条第7項の規定に適合するか否かについての判断を要しない。
第5 むすび
したがって、本件訂正審判の請求による訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ同条第5項~第7項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
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