特許訂正審判
2019-390069
遊技機
- 審判番号
- 2019-390069
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2013-088923
- 登録番号
- 特許第5981875号(P5981875)
- 請求日
- 2019年06月18日
- 審決日
- 2019年07月23日
- 公報発行日
- 2019年10月25日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】株式会社 ソフイア
- 【請求人代理人】特許業務法人後藤特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 瀬津 太朗
- 審判官 田邉 英治
- 審判官 大谷 純
- 分類
- P141 .853-Y (A63F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第5981875号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第5981875号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第5981875号(以下、「本件特許」という。)は、平成25年4月19日の出願であって、平成28年8月5日に特許権の設定登録がなされ、令和1年6月18日に訂正審判の請求がなされたものである。
第2 請求の趣旨
本件訂正審判請求の趣旨は、本件特許の願書に添付した明細書(以下、「本件特許明細書」という)、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書、訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものである。
第3 訂正の内容
1 訂正事項1
本件特許の特許請求の範囲の請求項1に、
「【請求項1】
複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示可能な変動表示装置と、始動条件の成立に基づいて取得した乱数値に基づいて前記変動表示ゲームの進行制御を行う遊技制御手段と、を備え、
前記変動表示ゲームの結果態様が予め定められた特別結果となる場合に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、
前記乱数値を、所定数を上限に始動記憶として記憶する始動記憶保留手段と、
前記始動記憶保留手段に始動記憶として記憶された乱数値に基づいて変動表示ゲームの実行内容を事前に判定する事前判定手段と、
前記始動記憶保留手段に始動記憶として記憶されている乱数値に基づいて変動表示ゲームの実行内容を当該変動表示ゲームの実行時に判定する判定手段と、を備え、
前記判定手段は、
前記変動表示ゲームの実行内容の選択率が異なる複数の振分テーブルの中から、遊技状態に応じていずれかの振分テーブルを選択し、該選択された振分テーブルにおける判定値と前記始動記憶として記憶されている乱数値とを比較した判定結果に基づいて、複数の実行内容の中から当該変動表示ゲームにおいて実行する実行内容を判定し、
前記事前判定手段は、
前記特別結果とならないと判定した場合に、前記判定手段において前記特別結果とならないと判定した場合に使用される前記複数の振分テーブルのうち、前記特定の実行内容の選択率が最も低い振分テーブルを用いて事前判定を行うことを特徴とする遊技機。」
と記載されているのを、
「【請求項1】
複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示可能な変動表示装置と、始動条件の成立に基づいて取得した乱数値に基づいて前記変動表示ゲームの進行制御を行う遊技制御手段と、を備え、
前記変動表示ゲームの結果態様が予め定められた特別結果となる場合に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、
前記乱数値を、所定数を上限に始動記憶として記憶する始動記憶保留手段と、
前記始動記憶保留手段に始動記憶として記憶された乱数値に基づいて変動表示ゲームの実行内容を事前に判定する事前判定手段と、
前記始動記憶保留手段に始動記憶として記憶されている乱数値に基づいて変動表示ゲームの実行内容を当該変動表示ゲームの実行時に判定する判定手段と、を備え、
前記判定手段は、
前記変動表示ゲームの実行内容の選択率が異なる複数の振分テーブルの中から、遊技状態に応じていずれかの振分テーブルを選択し、該選択された振分テーブルにおける判定値と前記始動記憶として記憶されている乱数値とを比較した判定結果に基づいて、複数の実行内容の中から当該変動表示ゲームにおいて実行する実行内容を判定し、
前記事前判定手段は、
前記特別結果とならないと判定した場合に、前記判定手段において前記特別結果とならないと判定した場合に使用される前記複数の振分テーブルのうち、前記複数の実行内容の中の特定の実行内容の選択率が最も低い振分テーブルを用いて事前判定を行うことを特徴とする遊技機。」
に訂正する(なお、下線は当審において付したものであり、訂正箇所を表す。以下同様)。
2 訂正事項2
本件特許の明細書に、
「【0007】
本発明の代表的な一形態では、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示可能な変動表示装置と、始動条件の成立に基づいて取得した乱数値に基づいて前記変動表示ゲームの進行制御を行う遊技制御手段と、を備え、前記変動表示ゲームの結果態様が予め定められた特別結果となる場合に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、前記乱数値を、所定数を上限に始動記憶として記憶する始動記憶保留手段と、前記始動記憶保留手段に始動記憶として記憶された乱数値に基づいて変動表示ゲームの実行内容を事前に判定する事前判定手段と、前記始動記憶保留手段に始動記憶として記憶されている乱数値に基づいて変動表示ゲームの実行内容を当該変動表示ゲームの実行時に判定する判定手段と、を備え、前記判定手段は、前記変動表示ゲームの実行内容の選択率が異なる複数の振分テーブルの中から、遊技状態に応じていずれかの振分テーブルを選択し、該選択された振分テーブルにおける判定値と前記始動記憶として記憶されている乱数値とを比較した判定結果に基づいて、複数の実行内容の中から当該変動表示ゲームにおいて実行する実行内容を判定し、前記事前判定手段は、前記特別結果とならないと判定した場合に、前記判定手段において前記特別結果とならないと判定した場合に使用される前記複数の振分テーブルのうち、前記特定の実行内容の選択率が最も低い振分テーブルを用いて事前判定を行う。」
と記載されているのを、
「【0007】
本発明の代表的な一形態では、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示可能な変動表示装置と、始動条件の成立に基づいて取得した乱数値に基づいて前記変動表示ゲームの進行制御を行う遊技制御手段と、を備え、前記変動表示ゲームの結果態様が予め定められた特別結果となる場合に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、前記乱数値を、所定数を上限に始動記憶として記憶する始動記憶保留手段と、前記始動記憶保留手段に始動記憶として記憶された乱数値に基づいて変動表示ゲームの実行内容を事前に判定する事前判定手段と、前記始動記憶保留手段に始動記憶として記憶されている乱数値に基づいて変動表示ゲームの実行内容を当該変動表示ゲームの実行時に判定する判定手段と、を備え、前記判定手段は、前記変動表示ゲームの実行内容の選択率が異なる複数の振分テーブルの中から、遊技状態に応じていずれかの振分テーブルを選択し、該選択された振分テーブルにおける判定値と前記始動記憶として記憶されている乱数値とを比較した判定結果に基づいて、複数の実行内容の中から当該変動表示ゲームにおいて実行する実行内容を判定し、前記事前判定手段は、前記特別結果とならないと判定した場合に、前記判定手段において前記特別結果とならないと判定した場合に使用される前記複数の振分テーブルのうち、前記複数の実行内容の中の特定の実行内容の選択率が最も低い振分テーブルを用いて事前判定を行う。」
に訂正する。
第4 当審における判断
1 特許法第126条第1項ただし書(訂正の目的)について
(1)訂正事項1
ア 訂正前の請求項1において、「前記特定の実行内容」と記載されているが、それ以前に「特定の実行内容」は記載されておらず、「前記特定の実行内容」が何を意図するのか明確でなく、不明瞭な記載であった。
イ 訂正事項1は、「前記特定の実行内容」と記載されているのを、「前記複数の実行内容の中の特定の実行内容」と訂正することで、特許請求の範囲の記載を明確にするものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正である。
(2)訂正事項2
訂正事項1において特許請求の範囲の請求項1を訂正することに伴い、請求項1に対応した事項が記載されている、明細書の段落【0007】について、訂正事項1と同様の訂正をするものである。
したがって、訂正事項2は、明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正である。
(3)小括
訂正事項1及び2は、いずれも、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。
2 特許法第126条第5項(新規事項の有無)について
(1)訂正事項1について
ア 訂正事項1により、本件特許の特許請求の範囲の請求項1における「前記特定の実行内容」との記載が、「前記複数の実行内容の中の特定の実行内容」と訂正された。当該訂正後の記載における「前記複数の実行内容」に関して、「前記複数の実行内容」は、請求項1の記載の「前記判定手段は、 前記変動表示ゲームの実行内容の選択率が異なる複数の振分テーブルの中から、遊技状態に応じていずれかの振分テーブルを選択し、該選択された振分テーブルにおける判定値と前記始動記憶として記憶されている乱数値とを比較した判定結果に基づいて、複数の実行内容の中から当該変動表示ゲームにおいて実行する実行内容を判定し」における「複数の実行内容」を指すものと認められる。この点を踏まえ、発明の詳細な説明の記載を検討する。
イ 発明の詳細な説明には,以下の記載がある。
(ア)「【0008】
ここで、「遊技状態」とは、確率状態の違いによる遊技状態(例えば、通常状態、特定遊技状態)の他に、始動記憶保留手段に記憶された始動記憶数等に応じた遊技状況を含む。」
(イ)「【0048】
特図1保留表示器54は、特図1表示器51の変動開始条件となる第1始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を表示する。具体的には、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1~4をすべて点灯状態にする。」
(ウ)「【0852】
(第9の実施の形態)
第7の実施の形態では、事前判定において変動パターンの決定が保留数対応パターンであると判定された場合には、先読み演出を制限した。これに対して、第9の実施の形態では、事前判定において実際の保留数に関係なく保留数4用の変動パターン選択テーブルを用いて判定を行い、リーチと判定されなかった場合には、先読み演出を制限する。
【0853】
以下、第9の実施の形態について図94、図95を参照して説明する。なお、本実施形態では、抽選結果が「はずれ」となる場合の変動パターンの振り分けに特徴があることから、抽選結果が「はずれ」となる始動記憶の事前判定及び変動開始時の振り分けについて説明する。また、第7の実施の形態と共通する事項については記載を省略し、相違する事項のみ説明する。
【0854】
図94は、本発明の第9の実施の形態において、複数用意されるはずれ変動パターン選択テーブルを、縦軸に変動パターン乱数の乱数値、横軸に保留数、として説明する図である。
【0855】
また、図95は、本発明の第9の実施の形態のはずれ変動パターン選択テーブルを説明する図であり、(A)は第1振り分けで用いるテーブル群振分用テーブルを説明する図、(B)は第2振り分けで用いるはずれ変動パターン選択テーブルを説明する図である。
【0856】
本実施形態では、はずれ変動パターン選択テーブルが、図95(B)に示すように、例えば、16個用意され、実変動の決定に際して2段階での振り分けを実行する。16個のテーブルは、テーブルA群~テーブルD群までの4群に分かれ、各テーブル群は、保留数1用~保留数4用の4個のテーブルをそれぞれ含む。また、図94に示すように、各テーブル群は、それぞれに決まった種類のリーチが定義されている。例えば、乱数値が0~12499の範囲のテーブルA群では、通常変動に加えてノーマルリーチが、乱数値が12500~24999の範囲のテーブルB群では、通常変動に加えてSP1リーチが定義される。
【0857】
まず、実変動の変動パターンを決定する手順から説明する。
【0858】
遊技制御装置100は、変動開始時に、変動パターン乱数の値を、例えば、12500ごとの区切りのいずれの範囲であるかを1回目の振り分け(第1振り分け)において振り分け、図95(A)に示すテーブル群を決定する。
【0859】
16個のテーブルには、保留数ごとに変動パターンの振分率が異なるよう設定するが、保留数ごとの各リーチの判定開始値は共通となる。そのため、第1振り分けの結果、テーブル群が決定すると、リーチの種類も決定される。
【0860】
その後、2回目の振り分け(第2振り分け)において、振り分けられたテーブル群と変動開始時の保留数に基づいて、リーチか通常変動かの振り分けを行う。その結果、実変動の変動パターンが決定する。図94に示すように、いずれのテーブル群においても保留数が少ないほど遊技者に期待感を与えるためにリーチの発生する割合が多い。
【0861】
次に、事前判定の手順について説明する。
【0862】
図94に示すとおり、保留数4用のテーブルにおける通常変動の範囲(リーチではない範囲)は、保留数1用~保留数3用のテーブルにおいては、通常変動又はリーチと判定される範囲である。そのため、保留数4用のテーブルにおけるリーチではない範囲は、実際の変動開始時に通常変動であるかリーチであるか不明であり、演出制御装置での変動パターンの認識では「?」として表している。
【0863】
仮に、「?」の範囲を先読みすると、先読み演出と実変動とに齟齬が生じる場合があるが、保留数4用のテーブルにおけるリーチの範囲は、保留数1用~保留数3用のテーブルにおいても同一のリーチが発生する範囲である。そのため、保留数4用のテーブルでのリーチの範囲のみを先読み演出の対象とする。
【0864】
〔第9の実施の形態の効果〕
以上のように、本発明の第9の実施の形態によれば、リーチ発生率の一番低い保留数4用のテーブルで事前判定するため、実際の変動開始時に保留数が何個であっても、実変動が先読み演出で報知された期待度から格下げとなることはない。そのため、信頼度の高い先読み演出によって遊技の興趣を高めることができる。」
ウ 訂正後の請求項1における、「前記判定手段は、 前記変動表示ゲームの実行内容の選択率が異なる複数の振分テーブルの中から、遊技状態に応じていずれかの振分テーブルを選択し、該選択された振分テーブルにおける判定値と前記始動記憶として記憶されている乱数値とを比較した判定結果に基づいて、複数の実行内容の中から当該変動表示ゲームにおいて実行する実行内容を判定し」に関し、発明の詳細な説明には、以下の事項が記載されている。
遊技制御装置100は(【0858】。請求項1の「判定手段」に対応。以下同様)、テーブルA群~テーブルD群までの4群に分かれ、各テーブル群は、保留数1用~保留数4用の4個のテーブルをそれぞれ含み、保留数ごとに変動パターンの振分率が異なるよう設定された、16個のはずれ変動パターン選択テーブル(【0856】、【0859】。「前記変動表示ゲームの実行内容の選択率が異なる複数の振分テーブル」)から、保留数は始動記憶数であり(【0048】)、遊技状態とは始動記憶数等に応じた遊技状況を含むものであって(【0008】)、2回目の振り分けにおいて、振り分けられたテーブル群と変動開始時の保留数に基づいて、振り分けを行い(【0860】。「遊技状態に応じていずれかの振分テーブルを選択し」)、変動パターン乱数の値を、1回目の振り分けにおいて振り分け、テーブル群を決定し(【0858】)、2回目の振り分けにおいて、リーチか通常変動かの振り分けを行い、実変動の変動パターンを決定(【0860】。「該選択された振分テーブルにおける判定値と前記始動記憶として記憶されている乱数値とを比較した判定結果に基づいて、複数の実行内容の中から当該変動表示ゲームにおいて実行する実行内容を判定」)すること。
エ そして、訂正後の請求項1における、「前記事前判定手段は、 前記特別結果とならないと判定した場合に、前記判定手段において前記特別結果とならないと判定した場合に使用される前記複数の振分テーブルのうち、前記複数の実行内容の中の特定の実行内容の選択率が最も低い振分テーブルを用いて事前判定を行う」に関し、発明の詳細な説明には、以下の事項が記載されている。
遊技制御装置100は(【0858】。「事前判定手段」)、抽選結果が「はずれ」となる始動記憶の事前判定について(【0853】。「前記特別結果とならないと判定した場合に」)、16個のはずれ変動パターン選択テーブル(【0856】。「前記判定手段において前記特別結果とならないと判定した場合に使用される前記複数の振分テーブル」)のうち、事前判定において実際の保留数に関係なく保留数4用の変動パターン選択テーブルを用いて判定を行い(【0852】)、保留数4用のテーブルにおける通常変動の範囲(リーチではない範囲)は、保留数1用~保留数3用のテーブルにおいては、通常変動又はリーチと判定される範囲であり(【0862】)、リーチ発生率の一番低い保留数4用のテーブルで事前判定する(【0864】。「前記複数の実行内容の中の特定の実行内容の選択率が最も低い振分テーブルを用いて事前判定を行う」)こと。
オ 上記ウ及びエからすると、訂正事項1による訂正後の請求項1は、本件特許明細書の記載に基づくものであり、訂正事項1は、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものである。
(2)訂正事項2について
訂正事項2は、特許請求の範囲の請求項1に対応する明細書の段落【0007】について、訂正事項1と同様の訂正をしたものである。
したがって、訂正事項2は、訂正事項1と同様の理由により、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものである。
(3)小括
訂正事項1及び2は、特許法第126条第5項の規定に適合する。
3 特許法第126条第6項(特許請求の範囲の拡張又は変更の有無)について
(1)訂正事項1について
訂正前の本件特許の特許請求の範囲の請求項1の「前記事前判定手段は、 前記特別結果とならないと判定した場合に、前記判定手段において前記特別結果とならないと判定した場合に使用される前記複数の振分テーブルのうち、前記特定の実行内容の選択率が最も低い振分テーブルを用いて事前判定を行う」との記載に関し、「前記特定の実行内容」との記載は、上記第4 1(1)アで示したとおり不明瞭な記載であって、訂正前の請求項1は、「前記事前判定手段は、 前記特別結果とならないと判定した場合に、前記判定手段において前記特別結果とならないと判定した場合に使用される前記複数の振分テーブルのうち」、「選択率が最も低い振分テーブルを用いて事前判定を行う」ものであり、「選択率」を限定する「前記特定の実行内容」が、どのような実行内容であるのか、明確でなかった。
これに対し、訂正事項1により、「前記特定の実行内容」が「前記複数の実行内容の中の特定の実行内容」と訂正されたが、当該記載における「前記複数の実行内容」とは、請求項1の「前記判定手段は、 前記変動表示ゲームの実行内容の選択率が異なる複数の振分テーブルの中から、遊技状態に応じていずれかの振分テーブルを選択し、該選択された振分テーブルにおける判定値と前記始動記憶として記憶されている乱数値とを比較した判定結果に基づいて、複数の実行内容の中から当該変動表示ゲームにおいて実行する実行内容を判定し」との記載における「複数の実行内容」を指すものであり、「変動表示ゲーム」の複数の「実行内容」を意味するものである。
そうすると、訂正後の請求項1の「前記事前判定手段は、 前記特別結果とならないと判定した場合に、前記判定手段において前記特別結果とならないと判定した場合に使用される前記複数の振分テーブルのうち、前記複数の実行内容の中の特定の実行内容の選択率が最も低い振分テーブルを用いて事前判定を行う」との記載において、「選択率」を限定する「前記複数の実行内容の中の特定の実行内容」は、変動表示ゲームの複数の実行内容の中の特定の実行内容を意味することが明らかであり、また、訂正前と比べて、「特定の実行内容」が「変動表示ゲームの複数の実行内容の中の」と限定されているものである。
してみれば、訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張するものではなく、かつ、実質上特許請求の範囲を変更するものでもない。
(2)訂正事項2について
訂正事項2は、特許請求の範囲の請求項1に対応する明細書の段落【0007】について、訂正事項1と同様の訂正をしたものである。
したがって、訂正事項2の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張するものではなく、かつ、実質上特許請求の範囲を変更するものでもない。
(3)小括
訂正事項1及び2は、特許法第126条第6項の規定に適合する。
第5 むすび
以上のとおりであるから、訂正事項1及び2は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ同条第5項及び第6項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
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